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2012年5月3日
大エルミタージュ美術館展 世紀の顔,西欧絵画の400年 Hermitage - 400 Years of European Masterpieces from the State Hermitage Museum 国立新美術館 |
◆ 主な出展作品・・・
● パリス・ボルドーネ Paris Bordone
ウェヌス、マルスとクビド Venus, Mars and Cupid (1550-1552年)
ティッツアーノの影響も強い、16世紀ヴェネツィア派的な人物像。今日的視点では微妙に見えるデザイン上のバランス感覚も、新鮮なイメージでもって現代人を魅惑するものに変わる。
● バルトロメオ・スケドーニ Bartolomeo Schedoni
風景の中のクピド Cupid in the Landscape (16世紀末-17世紀初め)
カラヴァッジョ的な陰影の中に、カラヴァッジョ的でない柔らかな姿の人物が置かれている。
● サミュエル・ディルクスゾーン・ファン・ホーホストラーテン Samuel Direksz. van Hoogstraten
自画像 Sslf-Portrait (1640年代末)
レンブラントの自画像のような控えめな表現であるが、自分が芸術家らしい思索的人物であることを示そうとしているのだろうか。
● ジャン=バティスト・シメオン・シャルダン Jean-Baptiste Simeon Chardin
洗濯する女 Laundress (1730年代)
当時のオランダの市民の生活を描いた典型的な作品。人物の猫の描写が秀逸。何気なく描かれた後ろ向きの女性の置き方も素晴らしい。
● マリア・アンナ・アンゲリカ・カタリーナ・カウフマン Maria Anna Angelica Katharina Kauffmann
自画像 Sslf-Portrait (1780-1787年)
女流画家が、一体どの程度自分を美化しているのかをこの目で確認したい衝動に駆られる。
● ピエール=ナルシス・ゲラン Pierre-Narcisse Guerin
モルフェウスとイリス Morpheus and Iris (1811年)
新古典派的な精緻な筆致で描いてはいるが、象徴主義の先駆とも言うべき、余りにも耽美的な作品。下向きの女性の姿は、菩薩にも見える。
● オラース・ヴェルネ (Emile Jean-Horace Vernet)
死の天使 Angel of the Death (1851年)
死の神秘という抽象的な題材を、大仰なほどに分かりやすく具象的に描いている。真下に放射している光、空気感が素晴らしい。
● フランツ・クサファー・ヴィンターハルター Franz Xaver Winterhalter
女帝マリア・アレクサンドロヴナの肖像 Portrait of Eempress Maria Alexandrovna (1857年)
女帝の肖像画、絵画技術の完璧さによって、出自の高貴さと後の運命の儚さを、見事なまでに捕らえている。
● アンリ・マティス Henri Matisse
赤い部屋 (赤のハーモニー) Red Room (Harmony in Red) (1908年)
フォービズムの持つワイルドさが、マティスの手によって静謐な室内画的表現に変貌させられている。画面を埋めている赤が、高級な絨毯のように鑑賞者を落ち着かせている。
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