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美術展へ行かなければ 2013(1)
2013年4月29日
ラファエロ展
Raffaello
国立西洋美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ラファエロ・サンツィオ Raffaello Sanzio
自画像 Autoritratto (1504-1506年)
ルネッサンスの3大巨匠の一人であるラファエロ、完璧に極めて近いデッサンと優美な筆致を誇り、ダイナミックな大作でも優雅さが失われていない。また、37歳という若さで夭折しているためか、作品全般に渡って初々しさと若々しさとが失われず留められている。彼の自画像は、この自分の制作した作品の優美さが自分の容姿にも備えられていると自覚しているのかのように描かれている。衣裳と背景の極端なシンプルさは、自分の容姿と芸術の技量に対する自信への現れであろう。
● ラファエロ・サンツィオ Raffaello
エリザベッタ・ゴンザーガの肖像 Ritratto di Elisabetta Gonzaga (1504年頃)
肖像画というものがモデルの容姿を美化しなければならないものとして、ラファエロが実際に美化を施したとしても、この女性本人には、強烈な個性、自尊心、他を威圧する威厳が備えられていて、それがそのまま描写されてしまったのは間違いないだろう・・・。
● ラファエロ・サンツィオ Raffaello
大公の聖母 Madonna col Bambino detta Madonna del Granduca (1505-1506年)
ラファエロ的な優美さを備えた聖母子像。背景の黒は、保存状態の悪さを隠すための後世の加筆であるという。
● ラファエロ・サンツィオ Raffaello
友人のいる自画像 Autoritratto con un amico (1518-1520年頃)
いわゆる自画像なのかどうかは不明。二人の人物が親しい関係であるのは間違いないところだが、あまり他には見られない構図で、後ろよりも前景の人物の方が大きく、何らかの深い意味を加えられていると考えられる。

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2013年3月17日
エル・グレコ展
El Greco's Visual Poetics
東京都美術館

◆ 主な出展作品(全てエル・グレコの作品)・・・
● 白貂の毛皮をまとう貴婦人 A Lady in a Fur Wrap (1577-90年頃)
エル・グレコの作品ではないという説もある。確かにエル・グレコ特有の荒い筆致ではない。グレコの愛人ヘロニマ・デ・ラス・クエバスという説もあるので、全力で細かい筆致を用いて描き、素晴らしい作品に仕上ったのはその成果なのかも。
● フィリペ2世の栄光 The Glory of Philip II (1579-82年頃)
ダイナミックな宗教画だと思いながら、画面右下を見ると、異様な怪獣が大きな口を開けて人間を飲み込んでいる!地獄の入り口を表現しているのか!?何だか犬っぽい。
● 受胎告知 The Annuncication (1576年頃)
伝統的構図を用いた受胎告知図。人体のプロポーションにエル・グレコ特有のネジレなどは見られず、バランスのとれた構図で、穏当な表現方法であると言えるが、カーテンの布地が空中に消えるような手法を使っていて、一筋縄では行かない画家であるとの感を強くする。
● 無原罪のお宿り The Immaculate Conception (1607-13年)
マサにエル・グレコ的作品であると言える。引き伸ばされた顔と体を持つ人物の群像が、ウネりながら天国へ登っていく。347cm というサイズと、鑑賞者が下から見上るという状態を想定したデザインで、圧倒的な迫力を醸し出している。

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