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美術展へ行かなければ 2011 (2)
2011年11月3日
モダン・アート,アメリカン - 珠玉のフィリップス・コレクション -
To See as Artists See : American Art from the Phillips Collection
国立新美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ロックウェル・ケント Rockwell Kent
アゾパルド川 Azopardo River (1922年)
北アメリカ大陸的な雄大な情景を、キュビズム的というかドイツ表現主義というか、ドライな感覚でまとめあげている。
● ジョージア・オキーフ Georgia O'keeffe
ランチョス教会, No.2, ニューメキシコ Ranchos Chhrch, No.II, NM (1929年)
実際の建造物をデフォルメしているのかどうかは不明だが、砂地の上の岩のようなオブジェと青い空とのコントラスト、シンプルさが何とも心地良い。
● アーサー・G・ダヴ
赤い太陽 Red Sun (1935年)
巨大な赤い太陽にらせん状の線を入れているのがユニーク。
● アテファン・ハーシュ Stefan Hirsch
ニューヨーク、ロウアー・マンハッタン New York, Lower Manhattan (1921年)
マンハッタン島と空をくすんだ淡色系で描いて、都会の陰鬱に乾燥したイメージをうまく捉えている。
● ミルトン・エイヴリー Milton Avery
書きものをする少女 Girl Writting (1941年)
これまだ極端に空間が歪められている。しかし、モデルの少女らしさ、哀愁、芸術性を保っているのは不思議。

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2011年9月24日
モーリス・ドニ - いのちの輝き、子どものいる風景 -
Exposition Maurice Denis - Le matin de la vie
損保ジャパン東郷青児美術館

◆ 主な出展作品・・・
● 郊外を回るホメロス Homere parcourant les campagnes (1888-89年頃)
淡い色使いの村落の風景の描写であるが、縦長の画面の中に構成された人物や建物の配置、平面的な描写は、既にドニ的である。
● ブルターニュの供物(食前の祈り) Offrande bredonne ou Benedicte (1909年)
変則的な構成の装飾画。聖母子に供物を捧げる左右二人づつの少女の描写が極めて秀逸。
● 聖母マリアの接吻 La Virege au baiser (1919年頃)
ここで描かれているような乳幼児の抱え方は普通は有り得ないが、母子を描き続けたドニが、ステンドグラスの下絵という目的を通じて、高度な芸術的な結実を見せていると言える。

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2011年8月15日
ワシントン・ナショナル・ギャラリー展
Impressionist and Post - Impressionist Masterpieces from the National Gallery of Art
国立新美術館

◆ 主な出展作品・・・
● エドゥアール・マネ Edouard Manet
鉄道 The Railway (1873)
「鉄道」というタイトルだが、描かれているのは、こちらを見ている女性と鉄格子を掴んでいる子供の二人の人物。鉄道を連想させるのは蒸気機関車を暗示させる白い煙と鉄格子だけなのだが、駅周辺の空気感を捉えている筆致は見事。
● クロード・モネ Claude Monet
日傘の女性、モネ夫人と息子 Woman with a Parasol - Madame Monet and Her Son (1875年)
青い空、緑の芝、家族。日傘も緑に描いているところに、モネの芸術的感性の素晴らしさが見て取れる。印象派芸術の瑞々しさ、明るさ、ある種の儚さと危うさに打たれる。
● ギュスターヴ・カイユボット Gustave Cailebotte
スキフ(一人乗りカヌー)Skiff's (1877年)
カヌーに乗った人物が、他のカヌー乗りを記念撮影したような趣き。後のジョルジュ・スーラの作品を思わせるような、完璧な画面構成を見せている。
● エヴァ・ゴンザレス Eva Gonzales
家庭教師と子ども Nanny and Child (1877/1878年)
エドゥアール・マネの弟子であるという女流画家。柔らかな筆致は、確かにマネ的である。
● メアリー・カサット Mary Cassatt
麦わら帽子の子ども Child in Straw Hat (1886年頃)
メアリー・カサットの描く子供にこそ、「子供らしい」という表現が相応しい。モデルとしての対象をあくまで、愛すべき人間として親しみを持って描いている。誰が見ても素晴らしい完成度であり、芸術家の努力は賞賛の声によって必ずや報われるであろう・・・。
● ポール・セザンヌ Paul Cezanne
赤いチュッキの少年 Boy in Red Waistcoat (1888-1890年)
モデルを、自分の芸術の表現の対象として無機的に描いている?モデルが見たら、その感想たるや?勿論、落書きのように投げやりに描いているのではなく、身を削るかのようにして作り上げた渾身の力作ではあるが、もしかして、作品の完成度を高めることがモデルへの愛情表現であると思っているのかも・・・?

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2011年6月25日
パウル・クレー / おわらないアトリエ
PAUL KLEE : Art in the Making 1883-1940
東京国立近代美術館
◆ 主な出展作品・・・

● ホフマン風メルヘンの情景 Hoffmaneske Marchenscene 1921,123
● ホフマン風の物語 Hoffmaneske Geschichte 1921,18

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