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美術展へ行かなければ 2009
2009年11月28日

岡本太郎記念館


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2009年9月21日
ゴーギャン展
Paul Gauguin
東京国立近代美術館

◆ 主な出展作品・・・
● オスニー村の入り口 Entrance to the Village of Osny (1982-83年)
やはり印象派の影響を受けており、セザンヌ的でもあるが、特に同時期に影響を受けたピサロの作品に類似していて、筆触分割的で丁寧なタッチ。色彩の革新性と芸術家的な激しい生涯には不釣合いなほどの、作品の持つ繊細さは、これ以降の作品にも受け継がれて行く。
● 洗濯する女たち、アルル Washerwomen, Arles (1888年)
風景と人物を極めて客観的に見て画面を構築しており、このある種のドライさが印象派のアーティストの持つ客観性を凌駕して獲得されたことも感じられる。鑑賞者に影響を与えずにはおかないエネルギーと独自性を内包している点は、もはやセザンヌの芸術性の高さと同等と言える。
● 二人のブルターニュの女のいる風景 Landscape with Two Breton Women (1889年)
ブルターニュの風景であるが、草原の緑色に滲む赤色から、無論先入観から来るものではあるが、既にタヒチの熱気が感じられる。ゴーギャンの持つ芸術的熱気を具現化するには、ヨーロッパの寒気の中ではもはや不可能だったのか。
● エ・ハレ・オエ・イ・ヒア (どこへ行くの?) E haere oe i hia (Where Are You Going ?) (1892年)
逞しく首は太いが落ち着いた佇まいの女性が、犬(?)を手に抱えて歩いて行く。タヒチというのがどんな場所かは知らないが、空気感は十分に伝わってくる。
● 我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか Where Do We Come From ? What Are We ? Where Are We Going ? (1897-98年)
ゴーギャン芸術の集大成というべき、幅が 374.6cm にも及ぶ大作。タヒチの人々と自然のイメージを借りて、人間の転生を描いているのであろう。背後に配された青い偶像が、東洋的なイメージを強く感じさせている。

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2009年8月29日
フランス絵画の19世紀
La peinture francaise du XIXe siecle : academism et modernite
横浜美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ジャン=オーギュスト=ドミニック・アングル Jean-Auguste-Dominiqe Ingres / アレクサンドル・デコッフ Alexandre Desgoffe
パフォスのヴィーナス Venus a Paphos (1852年頃)
アングルと弟子の作品。アングルは当時のアカデミズムの象徴とも言うべき存在だが、ここで描かれている裸婦は、理想美という基準からはやや外れており、非常に独特のフォルムと一見してアングルと分かる強烈な個性を備えている。傍らに描かれている子供(天使?)の顔が、裸婦の堅固な線には相応しくなくボヤけさせらているのが奇妙。
● エミール=ジャン=オラース・ヴェルネ Emile-Jean-Horace Vernet
アブラハムに追放されるハガル Agar chassee par Abraham (1937年)
砂漠の空気感と東洋的な様相の人物像。オリエンタルな画題をアカデミックな技法で綿密に描いており、独特なリアリティが芸術性を高めている。ところで、少年はナゼ素っ裸なのか・・・?
● レオポルド・ロベール Leopold Robert
《夏の寓意》または《ポンティーノ湿地帯への刈り入れ人の到着》Allegorie de l'Ete ou L'arrivee des moissoeurs dans les marais Pontins (1830年)
農夫たちの祝祭を丹念にアカデミックに描いており見事な大作なのだが、人物一人ひとりのポーズが妙に演劇チックで、一部の人物は大げさ過ぎて、現代人の視点からすると滑稽に近い。笑ったら失礼だろうか・・・。
● アンリ・レーマン、本名カール=エルネスト=ロドルフ・ヘンリッヒ Henri Lehmann, Karl-Ernest-Rodolphe Henrich, dit
預言者エレミヤ Jeremie prophete (1842年)
天使が預言者エレミヤに予言を語らせているのだが、天使が極めて男性的でダイナミックに両手を広げている。更に天使とエレミヤが同じ方向を見て極めて鋭い眼差しを送っている・・・これも何だか凄い作品。

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2009年8月29日
肖像の100年 - ルノワール、モディリアーニ、ピカソ
A Century of Portraiture
ポーラ美術館

◆ 主な出展作品 (収蔵品中心)
エドゥアール・マネ - ベンチにて (1879年)
ピエール・オーギュスト・ルノワール - 水浴の女 (1887年) / 髪かざり (1888年) / ムール貝採り (1888-1889年頃) / レースの帽子の少女 (1891年)
エドガー・ドガ - マント家の人々 (1879-1880年頃) / ルアール夫妻の肖像 (1904年頃)
クロード・モネ - 散歩 (1875年) / バラ色のボート (1890年)
ポール・セザンヌ - アントニー・ヴァラブレーグの肖像 (1874-1875年頃) / アルルカン (1888-1890年)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / ムーラン・ド・ラ・ガレットにて (1891年頃) / 娼婦 (1892年) / アルバム『イヴェット・ギルベール』(1894年)
オーギュスト・ロダン - ナタリー・ド・ゴルベフの肖像 (1905年頃)
ピエール・ボナール - 白い服の少女 (1940年)
アメデオ・モディリアーニ - 婦人像 C.D.夫人 (1916年頃) / ルニア・チェホフスカの肖像 (1917年) / ルネ (1917年)
シャイム・スーティン - 青い服を着た子供の肖像 (1928年) / 青い服の少女 (1928年)
マルク・シャガール - 町の上で、ヴィテブスク (1915年) / 私と村 (1923-1924年頃) / ヴィテブスクの冬の夜 (1947年)
キース・ヴァン・ドンゲン - 灰色の服の女 (1911年)
マリー・ローランサン - 風景のなかの二人の女 (1926年頃) / 女優たち (1927年頃) / 黄色いスカーフ (1928年頃) / ヴァランティーヌ・テシエの肖像 (1933年)
パブロ・ピカソ - 通りの光景 (1900年) / 海辺の母子像 (1902年) / 男の胸像 (1909年) / 裸婦 (1909年)
ポーラ美術館

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2009年8月14日
メキシコ20世紀絵画展
CAMINO A LA MODERNIDAD
Maestros de la Pintura Mexicana
世田谷美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ディエゴ・リベラ Diego Rivera
字を書く子供 El nino escribiendo (1920年)
巨大な壁画を制作しまくったリベラの、油彩画の小品。非常にシンプル。丸くシンプルな人物像は、小品でも大壁画でも変らないが。
● フリーダ・カーロ Magdalena Carmen Frida Kahlo y Calderon
メダリオンをつけた自画像 Autorrentrato con medallon (1948年)
他のほとんどの「波乱に満ちた生涯」という表現が色褪せて見えるほどの激動の生涯を送ったアーティスト、フリーダ・カーロ。絵画は独学で学んだという。恐ろしいほどに感情をむきだしにしたようなフリーダ・カーロの作品は、アカデミックな方法論が芸術的な感情表現の妨げになることもある、という実例を示しているとさえ言える。フリーダ・カーロの作品が広く認められているということは、現代人が芸術に刺激的な表現やリアリティを求めているという事実を明らかにしているとも言える。
● ダビッド・アルファロ・シケイロス David Alfaro Siqueiros
クアテモック像 Cuautemoc (1946年)
メキシコの英雄を描く大作の為の下絵だが、既に高さが130cmもある。ダイナミックな筆致が非常に力強い。
● ホアキン・クラウセル Joaquin Clausell
湧水の源流 (青い森林) Fuentes brotantes (Bosque azul) (制作年不詳)
木の幹を青く塗っている為か、実際に使われている以上に青色に強烈さを感じる。ゴーギャンの作風も思わせる。

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2009年5月28日
人のかたち、人の想い - 第1期収蔵品展 人々のものがたり Part 1
第1部 素朴な人物表現 - 素朴派の作家たち
世田谷美術館

◆ 主な出展作品・・・
アンドレ・ボーシャン - 若い男の肖像 (1921) / 写真屋でのジェルメーヌ (1924) / ばら色の衣装をつけた二人の踊り子 (1928)
カミーユ・ボンボワ - 三人の盗人たち (1930) / 森の中の休憩 (1928) / 池のほとりの女性たち (1928)
アンリ・ルソー / フリュマンス・ビッシュの肖像 (1893)

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2009年5月5日
ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画
Les revolutions de l'age classique : La peinture europeenne du XVIIeme siecle dans les collections du Musse du Louvre
国立西洋美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ヨハネス・フェルメール Johannes Vermeer
レースを編む女 La Dentelliere (1669-1670年頃)
フェルメールの仕事の丁寧さは、作品の大小には関係がない。実際はどうか分からないが、フェルメールは作品の価格や仕上り期間というものには全く関心が無く、自分の芸術感にだけに忠実に仕事をしているように思える。
● ピーテル・パウル・ルーベンス Pieter Paul Rubens
トロイアを逃れる人々を導くアイネイアス Enee s'ppretant a guider les Trounes dans l'exil (1602-1604年頃)
ルーベンスの25歳での作品。ルーベンスとしてはかなり地味で、後年のダイナミックなバロック的作風には到っていない。
● ピーテル・パウル・ルーベンス Pieter Paul Rubens
ユノに欺かれるイクシオン Ixion, roi des Lapithes, trompe par Junon qu'il voulait seduire (1615年頃)
こちらは誰が見てもルーベンス、空の青と、過剰なほどダイナミックな動きの女性像の肌の色が、極めて明るい。
● アントーン・ファン・ダイク Antoon van Dyck
プファルツ選帝侯の息子たち Portrait des princes palatins (1637年)
優雅な貴族の若者達が、甲冑にで武装している。当然に理想的に美化された肖像画であるが、美しい若者といえども戦争には行かなくてはならない時代に生きていたという現実を描いてしまっている。
● クロード・ロラン Claude Gellee, dit Le Lorrain
クリュセイスを父親のもとに返すオデュセウス Ulysse remettant Chryseis a son pere (1644年頃)
夕日に向かって出航する帆船。異国情緒と郷愁が入り混じった、不思議に魅惑的な世界観。
● ジョルジュ・ド・ラ・トゥール Georges de La Tour
大工ヨセフ Saint Joseph charpentier (1642年頃)
これまたラ・トゥールな画題、暗闇で子供が持った蝋燭が1本、懸命に仕事をするヨセフ。なぜこんな狭く暗い場所で仕事をしているんだろう?子供は工具でなくヨセフの顔を照らしているし。
● シモン・ヴーエ Simon Vouet
エスランの聖母 La Vierge au rameau de chene dite La Modone Hesselin (1640-1650年)
シモン・ヴーエ的なバランス感覚で見事に描かれた聖母子。

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2009年4月29日
ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち
L'enfant dans les collections du musee du Louvre
国立新美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ジャン=バティスト・ヴァン・ロー Jean-Baptiste Van Loo
家族の肖像 Portrait de famille (1740年)
フランスの貴族が描かれているハズだが、誰かが「あ、あそこにデイブ・スペクターがいる!」と言っていた。左端にいる人物が・・・。
● ジョシュア・レノルズ Joshua Reynolds
マスター・ヘア Master Hare (1788年)
子供の肖像にも出来うる限り人格を与えようとしているのが分かる、レノルズの入念に描かれた肖像画。
● シモン・ヴーエ Simon Vouet
少女の肖像 Portrait de petite fille
17世紀前半のものとは思えない、非常にリアルで現代的で魅惑的なデッサン画。
● アテネで制作、ヴルチで出土の陶器に描かれた図像
赤像式スタムノス:蛇を絞め殺す幼児ヘラクレス Stamnos a figures rouges representant / Heracles enfant etouffant les serpents (前480-前470年頃)
「厳格様式時代」に制作された壷に描かれた、写実的な人物の群像。現代文明のルーツであるギリシア文明の息吹を、強く感じさせる。
● フランソワ・ブーシェ Francois Boucher
アモールの標的 La Cible d'Amour (1758年)
ロココの代表的アーティストであるブーシェの、高さ268cm 及ぶ、いかにもロココ的な作品。愛らしい天使たちの持つ、矢の刺さった白い円盤(何かの標的?)が、筆者には衛星放送用のパラボラアンテナにしか見えない・・・?

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2009年2月11日
十二の旅:感性と経験のイギリス美術
Twelve Travels - British Art in Sensibility and Experience
世田谷美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー Joseph-Mallord William Turner
インヴェラレイ城の見えるファイン湾 Loch Fyne with lnveraray Castle in the distance (1802-05年)
● ボイル・ファミリー Boyle Family
富山の泥と土の研究 Study of Mud and Stones near Toyama, Japan (1982-86年)
石ころのあるひび割れた地面の様子を、そのまま垂直に立てて芸術作品としているという、率直な驚き。
● アンソニー・グリーン Anthony Green
時計の修理/1946年の記憶 Mending the Clock / A Memory of 1946 (1980年)
1枚の板を、階段や壁のイメージに沿って、イビツな形に切り落としてある。コミカルで非常にユニークな作風を持つアーティスト。
● チャールズ・ワーグマン Charles Wirgman
若い女の肖像 Portrait of a Young Woman
明治初頭の作品、日本人女性を、西洋画家の視点でモダンに描いているのが微妙にシュール。
● ジョン・コンスタブル John Constable
ハムステッド・ヒースの木立、日没 Trees on Hampstead Heath at Sunset (1821年)
● ジョン・コンスタブル John Constable
デダムの谷 Dedham Vale (1805-07年)
生き生きとした木々と鮮やかな空気感が、極めてコンスタブル的。

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2009年1月17日
セザンヌ主義
父と呼ばれる画家への礼賛
横浜美術館

◆ 主な出展作品・・・
● ポール・セザンヌ Paul Cezanne
縞模様の服を着たセザンヌ夫人 Madame Cezanne en robe rayee (1883-85年)
夫人の肖像画でさえ極端に客観的な視点で描くセザンヌであるが、この作品は表情が読み取れるくらいには写実的。顔の陰影についてはなぜか非常にリアル。
● ポール・セザンヌ Paul Cezanne
林間の空地 La clairiere (1867年)
● 前田寛治 Kanji Maeta
赤い帽子の少女 Girl with a Red Hat (1926年)
● 安井曾太郎 Sotaro Yasui
婦人像 Portrait of a Lady (1912年)
● 安井曾太郎 Sotaro Yasui
ターブルの上 On the Table (1912年)

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2009年1月4日
20世紀のはじまり「ピカソとクレーの生きた時代」展
Masterpieces of Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen
Bunkamura ザ・ミュージアム

◆ 主な出展作品・・・
● アンドレ・ドラン Andre Derain
コリウールの舟 Bateaux a Collioure (1905年頃)
青く大きな点描で埋め尽くされた海面、港に浮かぶボート、フォービズム的な熱さ(暑さ)が伝わってくる。
● フランツ・マルク Franz Marc
3匹の猫 Drei Katzen (1913年)
動物に対する観察眼と形態表現に、非常な鋭さと同時に暖かさも感じさせる、フランツ・マルク独自の画風。彼の作品をまとめて見てみたい。
● アウグスト・マッケ August Macke
フリブール大聖堂、スイス Kathedrale zu Freiburg in der Schweiz (1914年)
シンプルだが哀愁のある作品。
● パブロ・ピカソ Pablo Picasso
二人の座る裸婦 Deux femmes nues assises (1920年)
大きな目、鼻、手、足を持つ、二人の裸婦。大雑把に描かれているようだが、近くで見ると画面は滑らかで、実は入念に構想されている事が分かる。それにしても、東京の展覧会で見る事が出きたものだけでも、ピカソの作品というのは相当な数になる。この大きな手足シリーズだけでも何点にもなる。改めて感じさせる、ピカソの驚くべき創造のエネルギー。
● ルネ・マグリット Rene Magritte
とてつもない日々 Les jours gigantesques (1928年)
女性像と男性像を組み合わせた、極めてマグリット的な、まさにとてつもないイメージ。
● ヴァシリー・カンディンスキー Wassily Kndinsky
無題 即興 I Unbenannte Improvisation I (1914年)
荒い線と三原色を生かしている。即興的に制作した作品が現代の我々にも強い芸術的共感を与えており、それが前衛絵画の巨匠たる所以なのであろう。
● パウル・クレー Paul Klee
リズミカルな森のラクダ Kamel (in rhythm. Baumlandschaft) (1920年)
シンプルなモチーフを効果的に画面に配置してくクレーの作品は、この作品のタイトルのようにリズミカルで音楽的。

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