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2000/1〜2006/8
イングランド FA コミュニティ・シールド
リバプール 2-1 チェルシー
2006.8.13
ゴール / リーセ(リ)、シェフチェンコ(チ)、クラウチ
交替が6人まで認められたテスト・マッチ使用のゲームとなった。チャンピョンズ・リーグの3回戦を行わざるを得なかったリバプールの出来が段違いに良い。1st ハーフで、中盤のゼンデンとシソコが良く、特に今シーズンのシソコは期待できそう。中盤は選手層も厚い。自陣のゴール前から一揆にゴールを奪ったリーセには度肝を抜かれた。対するチェルシーはまだまだだが、2nd ハーフにはやや持ち直した。新加入のバラックは故障で途中退場。一方のシェフチェンコは、チームの出来に関係なく得点出来る事を証明。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2006.8.9 予選3回戦 1st leg
ACミラン [イタリア] 1-0 ツルベナズベズダ(レッドスター)[セルビア]
ゴール / インザーギ
諸々のネガティブな状況で、ビッグ・クラブにしては新顔もなく、昨シーズンと同様の顔ぶれの先発陣。ここでの敗退は絶対に許されないミラン、セリエA開幕前のこの時期であるにもかかわらず、まるで何かの決勝戦のような悲壮感で戦う。だが、ツルベナズベズダもなかなかのチームで、ミランのインザーギの1点だけに終ってしまった。インザーギが好調だっただけに、もう1点欲しかった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2006.8.9 予選3回戦 1st leg
リバプール [イングランド] 2-1 マッカビ・ハイファ [イスラエル]
ゴール / ボッコリ(マ)、ベラミー(リ)、マルク・ゴンザレス(リ)
戦力的にはやや落ちるマッカビ・ハイファ。だが、プレミア・リーグ開幕前のリバプールは明らかに切れを欠き、連係もまだまだ。何とホームで先制されたあと、新加入のベラミーのゴールで同点とし、ゲーム終了間際にやっとエンジンがかかった感じ。これまた新加入のマルク・ゴンザレスの逆転ゴールに救われた形。3人のブラジル人プレーヤーを擁するマッカビ・ハイファは、守備陣に隙を作ってしまうと危険な状態に陥る可能性があり、リバプールは 2nd leg では十分注意しなければならない。
プレシーズン・マッチ
フェイエノールト 0-1 チェルシー
2006.8.8
ゴール / ランパード
バラックとシェフチェンコを獲得、欧州最強を目指すチェルシー。カルーを獲得してダフを放出するなど、各ポジションも確実に補強。ウワサされる左サイド・バックのアシュリー・コールもゲットできれば完璧だが、そうウマくいくものだろうか・・・。何と、明日もゲームのあるチェルシーは調整ゲーム以上でものではないが、ランパードのゴールに繋がる連係は、19日のプレミアに照準が合っている事を感じさせる見事さ。ディフェンスの堅実さも相変わらず。小野の退団以降、久々に見たフェイエノールト、顔ぶれがどんどん替わっていく。ファン・ホーイドンクが復帰してサブで登場、あの脅威のフリー・キックを見せたがゴールにつながらず残念。
フランス リーグ・アン
ナント 1-3 リヨン
2006.8.4
ゴール / ブハーリ(ナ)、リヨン(リ)、スキラッチ(リ)、フレッジ(リ)
リヨンでは、ジュニーニョ、アビダル、マルダ、クペなどの多くの主力が休暇明けで合流したばかり、開幕に間に合っていない。ビルヘルムソン、ブハーリといった新加入の選手が活躍、リヨンを攻めるナント。だが、守勢に陥りながらも確実に得点して勝利できたリヨン。シェルストレームやスキラッチが良く、クレルク、ディアラが入った 2nd ハーフには、リヨンらしさが出た。この状況で勝利するリヨン、6連覇は確実?リベリも加入するというし、悲願のチャンピョンズ・リーグのベスト4入りも視界に入った。
ワールド・カップ 決勝
イタリア 1-1 (PK 5-3) フランス 2006.7.9
ゴール / ジダン(フ,PK)、マテラッツィ(イ)
ゲーム開始直後、アンリの昏倒によるゲームの中断。ジダンによるPKはバーを叩いてギリギリの状態でゴール・イン。この後の波乱を予感させるような、不安定なゲームの立ち上がり。クラブ・チームで既に富と名声を得た選手達が、様々な重荷を背負ったまま、決勝まで勝ち進んで来た。この重荷に耐え切れなかった選手やチームは少なくとも決勝までは進めなかった。PKを与えた場面以外では、今大会で見せてきたようなスムースなパス・ワークでやや優勢なイタリア、早い時間で同点に追い付いた。ここでやっと落ち着きゲームらしくなった。1st ハーフ、イタリアがヘディング・シュートを何本か放つなど優勢だったか。2nd ハーフの序盤ではフランスの攻勢。しかし、ここまで絶好調だったビエラの筋肉系のアクシデントによる交替、直後にはジダンが肩の負傷。思えばこのあたりが勝敗の分岐点になったような気が。不安定なゲーム展開のまま、90分があっという間に過ぎ去った。このままゲームが終了しても納得の120分であるハズであったが、延長後半開始直後に大事件が。マテラッツィと言い争ったジダン、何とマテラッツィの胸へのヘディングでレッド・カード。このままPK戦に突入して優勝を逃してもサッカー界の聖人となれるハズだったのが、単なる愚かな男で終ってしまう可能性さえあるのが分からなかったのだろうか。思えば、98年のフランス大会でも出場停止処分があったが決勝での2ゴールで悪いイメージは帳消しになっているし、ユベントスでも頭突き事件でチャンピョンズ・リーグを出場停止処分になっている。しかし、よりにもよって引退試合となったワールド・カップの決勝でそれを出さなくとも・・・。イタリアの優勝は順当なものだとは思うが、これほどタラレバを突き詰めたくなるビッグ・ゲームもなかった。PK戦での勝利とは言え、今大会で攻守共に最も安定していたのはイタリアであった。ブッフォンは言うに及ばず。カンナバーロのイタリアの伝統のディフェンスの個人技。チーム全体の守備と攻撃の連動性。中盤ではやはりピルロが常にチームの中心として機能し、特に攻撃にバリエーションを与え、他のチームとの違いを作り出していた。ゴールの量産を期待されたトニだが、少なくとも相手ディフェンダーの注意を引き付ける役割は十分に果たしていた。ザンブロッタとグロッソのサイド・バックの攻守に渡る活躍も凄かった。フランスもディフェンスが固く、キーパーのバルテスにも問題はなかった。アンリ、ジダン、リベリ、マルダにビエラが絡んだ攻撃のユニットも驚異的だったが、一枚でも欠けるとやや様相が変わってしまうのはマイナス要因だった。決勝でも、2nd ハーフの途中まではイタリアと互角のゲーム展開だったが・・・。
ワールド・カップ 3位決定戦
ドイツ 3-1 ポルトガル 2006.7.8
ゴール / シュバインシュタイガー(ド)×2、OG(ド)、ヌーノ・ゴメス(ポ)
これまで鉄壁だったポルトガルの守備、リカルド・カルバーリョが不在のせいかもしれないが、幾らか集中を欠いてはいた。だが、3位決定戦でホームのトイツが相手では仕方がない。フィーゴの得点につながったアシストはサスガであった。ゴールしたヌーノ・ゴメスはもう少し使った方が良かった気がするが・・・。ドイツでは、やはりカーンの集中力が尋常ではなかった。
ワールド・カップ 準決勝
フランス 1-0 ポルトガル 2006.7.5
ゴール / ジダン(PK)
決勝ラウンドに入ってから、ポルトガルの得点が止まってしまった。パウレタはツボに入れば決定力は高いが、単独でフランスの強力守備陣を強引に突破するまでには至らない。ロナウドはドリブルは凄いがクロスやシュートの精度はそれほど高くはない。マニシェ、デコ共に、他のチームに対して見せたような決定的な動きは出来なかった。フィーゴは、2nd ハーフ決定的なシュートを外してしまった。ベテラン揃いのフランスにもやや疲労の色が見えたが、長年培われた連携が生き、ポルトガルの攻撃を封じ込めるのに成功した。グループ・リーグでスイスと韓国に引き分けた時点で今大会はダメなのかと思わせたフランスだが、チーム全体がジダンのテクニックを生かそうとする姿勢を徹底する事により、ジダンとチームの両方が蘇った。テュラム、マケレレ、ビエラの必死とも思える働きが勝利を呼び込んでいる。
ワールド・カップ 準決勝
イタリア 2-0 ドイツ 2006.7.4
ゴール / グロッソ、デル・ピエーロ
思えば、EURO 2004 でのギリシャの優勝の影響は大きかった。チェコとポルトガルなどがいくら見ていて面白い攻撃サッカーを展開しようと、負けてしまっては全く意味がない。絶え間ないチェックとプレス、一対一で必ず勝つ、決して引いて守っているのではないが、攻撃は守備で勝ってから。面白いかどうかは人それぞれだが、EURO 2004 でのギリシャの優勝には説得力があった。また、それに近いスタイルのチームに、ラトビアがあった。他国と比較してタレントは少なかったが、チーム全体が常に連動性を保ち、負けない為に特に守備に重点を置いていた。ラトビアはドイツさえも苦しめた。それから、モウリーニョ監督が 2004-05 シーズンから率いて、イングランド・プレミアリーグを連覇するなど欧州を席巻したチェルシー。モウリーニョがチェルシーの前に率いていたポルト時代からだが、まず強固な守備を構築し、それを土台にして攻撃の組織を形成する。特にチェルシーではスピードと運動量と強さを兼ね備えた選手を集め、失点を減らし得点を増やす為の効率的なサッカーを目指し、それを実現している。攻撃が売りのバルセロナでさえ、チェルシーに勝つ為にやや守備重視の布陣に変え、実際にチェルシーに勝っている。現在のチェルシーのスタイルは、次第に他のチームにも影響を及ぼして来ているのではないだろうか。今回のワールド・カップから攻撃一辺倒のチームは消滅し、全てのチームの守備が強化されている。これは、大会全体の失点の少なさに直接に現れている。今回のチェコやポルトガルであれば、そう簡単には EURO 2004 でのギリシャには負けないであろう。あのブラジルでさえ守備には非常に神経を使っていたが、それが板に付くまえに敗退してしまった?布陣はそれぞれだが、スイス、ウクライナ、エクアドといったところも守備が強かった。しかし、大会が進むに従って、守備だけは強いが攻撃が単調なチームは徐々に姿を消し、ベスト4ともなると攻撃面でも特徴のあるチームだけが残った。開催国のドイツ、懸念された守備もまずまず、キーパーのレーマンさえ目立たないくらいの長身選手を並べてパワーとスピードで相手を圧倒、クローゼとポドルスキの2トップも好調。しかも、当然ながら全試合がホーム・ゲームという有利さ。一方のイタリアは、伝統的な守備のウマさに加え、リッピ好みの多彩な攻撃で得点も重ねる。今大会の流れから、この両チームであれば90分間スコアレスの延長は当然とも思えた。問題は延長後の展開。2試合連続の延長ではフィジカルの強いドイツもサスガに苦しくなり、足が止まり始め、イタリアの攻撃を食らうようになった。攻撃も強力なバラック、不調なのか意図的なのかは不明だが攻撃には余り絡ず、このゲームでは特に守備に時間を割いていた。延長も終了の直前、イタリアのテクニカルなパスワークに着いて行けなくなり、グロッソとデル・ピエーロのゴールを許してしまった。ザンブロッタは相変わらず攻守に渡ってチームに貢献した。鉄壁の守備陣は、ドイツの2トップを完全に止めた。怪我明けのトッティは本来のパワーを見せられないが、丁寧で鋭いパスを何本も通し、このくらいの調子の方がチームに貢献できる??今大会のイタリアの攻守のバランスの良さには目を見張るものがあり、決勝進出は不思議ではない。だが、ドイツはアルゼンチンとイタリアという強力なチーム相手に連続の延長ゲームで、気の毒な面も。だが、この2チームのどちらかに90分で決着をつけられなければ、決勝進出の資格はないとも言える。結果論かもしれないが、やはりフリングスの不在も痛かったかも。
ワールド・カップ 準々決勝
フランス 1-0 ブラジル 2006.7.1
ゴール / アンリ
ブラジル、アドリアーノを外しジュニーニョを投入、ブラジルらしいテクニカルな連係によってフランスの強力なディフェンスを突破しようとしたが、失敗に終ってしまった。結局、これまでブラジルらしさを見せたのは日本戦だけで、ガーナ戦などで見られたように受けに廻ってしまう時間も多かった。強いフランスを相手に遂に目覚める時が訪れるのかと期待させたが、ここで敗退してしまった。両チームとも、クラブ・チームで同僚であるなど相手チームの選手に慣れており、意外なゲーム展開というもの期待し難かったのは確か。フランスは、98年の優勝メンバーの最後のワールド・カップであり、特にジダンのラスト・ゲームを優勝で飾りたいというモチベーションの高さも見られ、ベテランも多いがアビダルやリベリという若手の勢いを生かしている。アンリの決定力の高さも、切り札となっている。ジダンやビエラなどは体力勝負のギリギリの戦いを続けており、このゲームのような濃い内容がどこまで続けられるのかは見物。
ワールド・カップ 準々決勝
ポルトガル 0-0 (PK 3-1) イングランド 2006.7.1
各ゲーム共、決勝が近づくにつれて潰し合いの様相が濃くなってきた。ポルトガルとイングランドの両チームも守備は強い。イングランドはまたもワン・トップ、ハーグリーブスが守備的な中盤に入った。イングランドではハーグリーブスが最も好調で、120分間走り続けた。ワン・トップ自体に問題はなさそうだが、問題は中盤の連携。ベッカム、ランパード、ジェラード、Jコールと、知名度と実力で圧倒的なメンツだが、ワン・トップを生かす連係がなされていたのか。長いシーズンの疲労の蓄積が、プレーから切れを奪ってしまったのか。ベッカムの怪我とルーニーの退場。しかしイングランドのディフェンスの強さは維持され、数的不利はそれほど感じさせなかった。ポルトガルのパウレタは押さえられ、ロナウド、フィーゴ、マニシェなどのプレーは寸断された。優勝候補と見られたイングランドは、結局我々がイメージしているような強さは見せられず、準決勝へは進めなかった。ポルトガルは、デコを欠きながらもイングランドを下し、試合巧者らしさを見せている。
ワールド・カップ 準々決勝
イタリア 3-0 ウクライナ 2006.6.30
ゴール / ザンブロッタ、トーニ×2
極めてイタリア的なゲーム展開、ゴールに近くなればなるほど発揮される守備の粘り、時間を掛けない効率的な攻撃による得点。普通のチームなら、センター・バックのネスタとマテラッツィが欠場なら危機的な状況だが、バルザーリを入れて全く問題なし。中盤のピルロ、ガットゥーゾ、カモラネージを中心にした縦のパスを有効に使ったパス廻しは、ウクライナの中盤に勝った。ウクライナは、シェフチェンコを生かす為のゴール周辺でのスペースを作る事はできなかった。イタリアではザンブロッタが攻守に渡って活躍、ゴールまで記録。トッティはパス出しで、攻撃の中心である事を証明。
ワールド・カップ 準々決勝
ドイツ 1-1 (PK 4-2) アルゼンチン 2006.6.30
ゴール / アジャラ(ア)、クローゼ(ド)
ゲーム開始早々の異常なくらいに両チームの選手に力が入っていたが、サスガにすぐボール・ゲームに戻った。アルゼンチン、コロッチーニを入れて3バック気味にするなど、今までよりディフェンスを重視してきた。1st ハーフは膠着した互角の展開。2nd ハーフに入ってアルゼンチンが徐々に押し始め、アジャラのゴールで先制。だがアルゼンチンにとって最も誤算だったのが、キーパーのアボンダンシエリの怪我でレオ・フランコに替えることで、交替枠を有効に使えなったこと。ドイツを恐れて守備重視の姿勢になり、リケルメを出しカンビアッソを入れた。結果論から言えば、結局クローゼに決められたのだから、リケルメを出さず守備の選手を出してメッシを入れれば良かった。サビオラに替えてテベスを先発させ、テベスの強さと突破力を生かそうとしたのであろうが、どちらでも大きな変化はなかったようにも思え、連係を考えればサビオラの先発の方が良かった気もする。120分間走り続けた両チームの体力、PK 戦でのドイツの自信と精神力にも恐れ入った。
ワールド・カップ Round 16
フランス 3-1 スペイン 2006.6.27
ビジャ(ス,PK)、リベリ(フ)、ビエラ(フ)、ジダン(フ)
ここまで絶好調の攻撃サッカーを見せてきたスペイン、フランスの強固な守備を突破できれば本物である。だが、やはりフランスの壁は厚かった。徐々にペースを上げてきたジダンとフランス代表チーム。マケレレが中盤の底でこれまで通りの役割をこなした。中盤の両翼、左のマルダと右のリベリが効力を発揮し、ジダンを大きく助け、ビエラの攻撃参加を呼び込んだ。スペイン期待の中盤のシャビ・アロンソとセスクは、予選リーグのようにはチャンが作れなかった。最後はジダンが、とても引退する選手とは思えない動きでゴールを決めた。フランスには、このゲームで終っていたと思われないようにブラジル戦でも善戦してもらいたい。スペインはまたも決勝から遠いところで終ってしまったが、悪いゲームでなかったし、セスク、セルヒオ・ラモス、フェルナンド・トーレスなどの若手の前途は洋々で、次の大会ではブレイクして欲しいもんである。
ワールド・カップ Round 16
ブラジル 3-0 ガーナ 2006.6.27
ロナウド、アドリアーノ、ゼ・ロベルト
ナンバーが1から11まで並んだブラジルの先発、ロナウドとアドリアーノの2トップ。ゲーム開始直後にロナウドのゴール、ブラジルの圧勝かと思われた。だが、妙に受けに廻ってしまう今大会のブラジルに戻ってしまった?11人の兄弟のように見事な連係でブラジルを攻めたガーナ。少なくとも、ペナルティ・エリア以外の場所ではガーナが優勢。だがゴール前での技巧では他国を圧倒するブラジル、1st ハーフのロス・タイムにアドリアーノが2点目をゲット(これはオフサイドに見えたが)。2nd ハーフにはガーナにも疲れが見え始め、攻撃が単調になり、ブラジルには余裕が。しかも、ガーナのギャンがイエロー累積で退場、ブラジルはゼ・ロベルトのゴール。ブラジル、今日の先発メンバーの場合は、ブラジル的な攻撃一方のサッカーではなく、勝つために効率を優先してバランスを崩さないように慎重にやっているようには思える。特に懸念された守備陣では、センターバックのルシオとフアンが安定している。エメルソンもいつも通り守備に強い。ロナウジーニョは不調のように言われているが、多分、前線でのバランサーとしての役割に徹底しようとしているのだろう、バルセロナでは他の選手が担っている役割のように。チャンスが来れば当然、大爆発するだろう。ガーナはかなり健闘したように見えるが、やはりブラジルに勝つのは難しいという事実を証明したに過ぎないのだろう。やはりエッシェン不在は大きく、違いを生み出す選手がアッピアだけでは苦しい。
ワールド・カップ Round 16
ウクライナ 0-0 (PK 3-0) スイス 2006.6.26
このゲームには出場出来なかったセンデロス、代わりに出場したジュルなど、非常に若い選手を含んだスイス。経験不足だからなどと先入観を持つ場合が多いが、重要なゲームの経験値というのはチームの方法論として十分に補えるものなのかもしれない。シェフチェンコ、ボロニン、ボロベイ、レブロフというウクライナの攻撃陣は、スイスのディフェンスを打ち破れなかった。結局ここまで無失点のスイス、確かにディフェンスは良かった。だが攻撃がやや低調、代替選手として滑り込んだハカン・ヤキンも大きな仕事は果たせなかった。PK でウクライナが勝利、ここでだけはウクライナが精神的には勝っていたように思えた。
ワールド・カップ Round 16
イタリア 1-0 オーストラリア 2006.6.26
ゴール / トッティ(PK)
オーストラリアのフィジカルの強さと早さを警戒していたイタリアだが、やはり厳しいゲーム内容となった。イングランド・リーグの経験者が多いオーストラリアにとって、イタリアでダントツの得点王となった巨漢のトーニもそれほど苦にならなかったかも。中盤はオーストラリアが制する局面もあった。だが、イタリアの守備もウマい。やや厳しい判定に思えたマテラッツィの退場もあったが、バルザーリを入れて何とか乗り切った。グロッソが倒されてイタリアに与えられた PK も、厳しい判定に思えた。トッティの PK は、本人にとっては意味の大きいものではあるだろう。オーストラリアのヒディング監督、アロイージの投入は遅かったし、交替枠を使い切れないまま敗戦してしまった。延長戦も考えての事だろうが、このゲームばかりは裏目に出てしまった。
ワールド・カップ Round 16
ポルトガル 1-0 オランダ 2006.6.25
ゴール / マニシェ
オランダ、ファン・ニステルローイを外しカイトを先発に。ゲーム開始直後はオランダの大量得点かという勢いだったが、ポルトガルの守備陣がすぐに対応。それ以降は互角の激戦に。ポルトガルは、ロッベンとファン・ペルシーを押さえ切れたのは大きかった。マニシェが見事なゴールを決めポルトガルが先制したが、退場者を2名づつ出す乱戦になってしまった。後方からのタックルなどに対する判定が厳しく、カードの出し過ぎも言われるが、どう見てもイエローというのも多いし、結局やはりプレーの方をうんぬんすべきであるように思える。ポルトガルは勝つには勝ったが、デコやコスティーニャという主力を警告で欠き、ロナウドも怪我が心配されるなど、イングランド戦は大変。オランダ、ファン・バステン監督が主力の顔ぶれを大きく替え、若手も積極的に登用したが、このゲームでは先発陣の経験値が総合的にやや不足していたようにも思える。コクーもいるけど、そろそろナンだし・・・。ファン・ニステルローイは先発に必要だったかも?
ワールド・カップ Round 16
イングランド 1-0 エクアドル 2006.6.25
ゴール / ベッカム
イングランド、引き続き守備は安定しているが、世界の守備陣を相手に攻撃は実力を出し切れていない状況も続く。オーウェンの故障もあって、中盤にキャリックを入れてルーニーのワン・トップに。ルーニーは鋭い動きを見せていたが、エクアドルも守備は良く、ウマいカットを連発して、イングランドを押さえていた。だが、攻撃の精度がイマイチだった。ベッカムの右足は得点源である事を証明。
ワールド・カップ Round 16
アルゼンチン 2-1 メキシコ 2006.6.24
ゴール / マルケス(メ)、クレスポ(ア)、マキシ・ロドリゲス(ア)
マルケスの先制で面白くなった。マキシ・ロドリゲスのゴールは凄かったが延長後であり、アルゼンチンがやや有利だったとしても、メキシコにもチャンスがあっただけに残念。
ワールド・カップ Round 16
ドイツ 2-0 スウェーデン 2006.6.24
ゴール / ポドルスキ×2
当然とは言えるが、開催国としては順当に勝ち進むドイツ。ポドルスキ、クローゼの前線が好調なのは非常に大きい。テスト・マッチの日本戦なので露呈したディフェンス、チームに勢いと危機感があるので、まだ問題とはなっていないが、果たして今後は・・・。スウェーデン、期待のイブラヒモビッチが不調は痛かった。ラーションも PK を外してしまった。
ワールド・カップ
グループ G
フランス 2-0 トーゴ 2006.6.23
ゴール / ビエラ、アンリ
フランス、ジダンが不在、トレゼゲを投入。2トップとなりターゲットが増えた事で、チームが活性化したように見える。リベリがジダンの代役となる形となり縦横に動き回ってチャンスを作り、2nd ハーフには結果を出した。膠着状態にあったゲームの中、ビエラが前線に進出しゴールとアシスト、チームの窮地を救った。トーゴはアデバイヨールの力が突出しており、もう少し他の選手の底上げがあれば、次は行けるかも。
ワールド・カップ
グループ G
スイス 2-0 韓国 2006.6.23
ゴール / センデロス、フレイ
フランスと引き分け、グループ・リーグ突破の可能性が高いと見た韓国。いつもは韓国が日本より成績が良ければ、ライバルとして単純に悔しいが、韓国がアジア勢としてトーナメントに進出できないという事実にここまで落胆されられるとは、自分に驚いた。今回もサプライズを起こして欲しかった。例のオフサイド・フラッグだが、リプレイで見ればパスを出してしまったのは韓国の選手であり、その事実を踏まえて、あそこで体勢を立て直して欲しかったものである。スイスは強かった。守備は強力、フォーゲルなどで構成される中盤は堅固。急遽呼ばれたハカン・ヤキンが意外性を持ち込んだので攻撃も多彩になり、トップのフレイも生きた。
ワールド・カップ
グループ H
スペイン 1-0 サウジアラビア 2006.6.23
ゴール / ファニート
スペインも余裕、カニサレス、サルガド、イニエスタ、アルベルダなどが先発。サウジアラビアも、例によってヌールが良く動き、アムスが入ってからはよく攻めたが、先発が入れ替わっても遜色ないスペインの個人技に阻まれた。
ワールド・カップ
グループ H
ウクライナ 1-0 チュニジア 2006.6.23
ゴール / シェフチェンコ(PK)
終ってみればウクライナは2勝、このグループも順当な結果。チュニジアも可能性を感じさせていたが、1st ハーフ終了直前のジャジリの退場で勝利の可能性が薄くなってしまった。
ワールド・カップ
グループ F
オーストラリア 2-2 クロアチア 2006.6.22
ゴール / スルナ(ク)、ムーア(オ)、N・コバチ(ク)、キューエル(オ)
トーナメント進出を賭けたゲーム、体力、技術ともほぼ互角の印象。クロアチアの得点に対してオーストラリアが2回も追いつくという展開。ヒディング監督はやはりマジシャンか?単に、我々が思っていた以上にオーストラシアが強いだけなのか?このゲームでもサブのアロイージとケネディの投入によるパワー・プレーで得点を奪い取るという采配を使ったヒディング。少なくとも、この手を使うと効くというのが、日本やクロアチアとの差であった。日本にはパワー・プレーに使える駒がない。前回の予選でウルグアイに敗れたオーストラリア、実力的にはその当時からレベル・アップしたのは間違い。日本と初戦で当たる事が確定し、敗れればトーナメント進出は難しい事が分かった時点で、何か安全パイであると勝手に錯覚していた気がする。選手が安全パイなどと考える事は有り得ないんでしょうが、オーストラリアのゲーム終盤での強さが分かっていれば、日本は何か別の戦法を使えば勝てたような気もするが、そういうもんでもないんでしょうかね・・・。非常に白熱したゲームで、普通の状況なら楽しく観戦できるのだが、日本と同組の争いであり、何か複雑な心境。結局F組では、本命のブラジルが順当に勝ち上がり、オーストラリアは持てる力を十二分に出し、クロアチアは力を出し切れず、日本は残念ながら地力が至らず、という印象。日本が強くなっていたとしても、世界の標準が同じ割合で上がっていたとすれば、相対的には成長ゼロということ、なのだろうか。
ワールド・カップ
グループ F
ブラジル 4-1 日本 2006.6.22
ゴール / 玉田(日)、ロナウド(ブ)×2、ジュニーニョ(ブ)、ジウベウト(ブ)
ブラジルに攻め込まれ、例によって川口のセーブの連発。一瞬のスキを突いて玉田のゴールが決まったが、1st ハーフにして日本は既に息切れ。先発にロビーニョ、シシーニョ、ジウベウト、ジュニーニョ・プレナンブカーノ、ジウベウト・シウバを入れ、更にカカとロナウジーニョもそのまま先発。ロナウドの2ゴール、急に復活したように見えるが、アドリアーノという運動量の少ない相棒がいなくなっただけ(アドリアーノもロナウドが不在だと好調に見える!?)。このゲームの先発の方がボールは廻るし、選手の動きは若々しいし、ロナウドと各選手の連係も良くなり、チャンスそのものは増える。しかし、相手がアルゼンチンのような強力なチームであれば、先発は元に戻さざるを得ないだろう。それにしても、ロナウド、ジュニーニョ、シシーニョなどは良いところを見せまくり。おまけに、普通なら出番は有り得ないキーパーのロジェリオ・セーニをジーダと交替させたという温情以外の何物でもない采配、日本にとっては屈辱。だが、勝つチャンスがあったオーストラリア戦やクロアチア戦と比較して、ここまでやられてしまえば笑うしかなく、逆に爽快??稲本の動きが良かったのは救い。巻も悪くなかったが、もう少しスタミナがないと。中村の切れが全くなかったのは残念。
ワールド・カップ
グループ E
ガーナ 2-1 USA 2006.6.22
ゴール / ドラマニ(ガ)、デンプシー(U)、アッピア(ガ,PK)
ガーナ、アッピアとエッシェンの存在感は大きかった。この2人を軸ににして、ガーナが今回のアフリカ勢の中でも最も組織的に思える。USA は前回から大きな変化がなく、他のチームと比較しても新味に欠け、攻撃もシンプル過ぎた気がする。
ワールド・カップ
グループ E
イタリア 2-0 チェコ 2006.6.22
ゴール / マテラッツィ、インザーギ
ガーナの体力勝負のプレスに敗れたチェコ、最終戦はイタリアという厳しい状況。コレルが怪我、ロクベンツもサスペンション、バロシュも不調、決定力に大きな問題が。イタリアの厳しいディフェンスとワン・チャンスを生かすゲーム展開と比較しても、ワールド・カップで必要なのは総合力という事実が如実に示されてしまった。華麗な攻撃が売りのチェコは見ていて面白いチームだけに、ここで退場するのは残念。
ワールド・カップ
グループ D
ポルトガル 2-1 メキシコ 2006.6.21
ゴール / マニシェ(ポ)、シモン(ポ)、フォンセカ(メ)
勝ち抜けを決めたポルトガル、デコを外してティアゴとマニシェを同時に使い、ポスティガを先発させるなど完全に余裕。第1と第2戦のように攻守のバランスをキープしながらメキシコを圧倒。キャプテンのマルケスの痛恨のハンドもあって、メキシコは2失点。メキシコはボルヘッティの代役に当たるフォンセカが走りまくったが、1点のみ。2nd ハーフではポルトガルは、ダメージを蒙らないようにゲームを流しにかかり、メキシコの得点チャンスは消えた。アンゴラが引き分けて、メキシコは助かった。
ワールド・カップ
グループ D
アンゴラ 1-1 イラン 2006.6.21
(未見)
ワールド・カップ
グループ C
オランダ 0-0 アルゼンチン 2006.6.21
両チームとも消化試合モード。オランダはカイト、ファン・デルファールトなどが先発。アルゼンチンの2トップは何とテベスとメッシ、交替でアイマール。先発を大幅に入れ替えても、両チームの強さ、早さ、ウマさは変わらない。これから当たるチームは大変。
ワールド・カップ
グループ C
コートジボワール 3-2 セルビア・モンテネグロ 2006.6.11
(未見)
ワールド・カップ
グループ B
パラグアイ 2-0 トリニダード・トバゴ 2006.6.20
(未見)
ワールド・カップ
グループ B
イングランド 2-2 スウェーデン 2006.6.20
ゴール / J・コール(イ)、アルベック(ス)、ジェラード(イ)、ラーション(ス)
スウェーデンに勝てない症候群が続くイングランド。ルーニーが先発したキック・オフ直後、今度はオーウェンが負傷退場。クラウチが好調なのは救いだが、トーナメントでパスを前線で受ける選手が不足するとゲームが手詰まりになる可能性が・・・。というのは贅沢な、中盤より後ろの選手層が厚いイングランド。このゲームでは、ワールド・カップに間に合ったキャンベルが登場。イマジネーションと華麗さよりは、経験から来る落ち着きと粘りが、今回のイングランドの強みだろうか。スウェーデンはイブラヒモビッチの負傷が痛い。相手が2位以内確定のイングランドであったのは救いだったか。これがトーナメントだったら、イングランドもガンガンに来たであろう。
ワールド・カップ
グループ A
ポーランド 2-1 コスタリカ 2006.6.20
(未見)
ワールド・カップ
グループ A
ドイツ 3-0 エクアドル 2006.6.20
ゴール / クローゼ×2、ポドルスキー
余裕の消化ゲームではあるが、ドイツの2トップが得点して終るという理想的な形。懸念されたドイツ代表の出来、一応は形にしてきたが、トーナメントで真価が問われる。
ワールド・カップ
グループ H
スペイン 3-1 チュニジア 2006.6.19
ゴール / ムナリ(チ)、ラウール(ス)、フェルナンド・トーレス(ス)、フェルナンド・トーレス(ス,PK)
ウクライナ戦と先発が全く同じのスペイン、引き続き素早いパス廻しと選手の鋭い動きでチュニジアを翻弄。だが何と、最初のチャンスでチュジニアが先制。その後もスペインが攻め続けるが、2nd ハーフの30分近くまでチュニジアのリードが続く。疲労が目立ち始めたチュニジアに対し、やたらと若い選手が多いスペインの動きは止まらない。2nd ハーフに投入されたラウール、ホアキン、セスクが絡んで同点に。更にトーレスが、自分が得た PK も含めて2得点。攻撃が素早いのは素早いが少し守備が軽く、強敵だと突破される可能性が高いが、ビジャ、トーレス、セルヒオ・ラモスなどの若手が走りまくれば、スペインがこのままの勢いで上位進出を果たすかもしれない。
ワールド・カップ
グループ H
ウクライナ 4-0 サウジアラビア 2006.6.19
(未見)
ワールド・カップ
グループ G
スイス 2-0 トーゴ 2006.6.19
ゴール / フレイ、バルネッタ
トーゴのアデバヨール、長身でテクニカルでスピードもあるという能力の高さを見せたが、やはりチームとして連係がやや正確性を欠いて、得点を生み出すまでには至らなかった。スイスは先制したが、1st ハーフではトーゴが優勢な時間帯もあった。スイスは 2nd ハーフで前線でチャンスを作り出せるハカン・ヤキンを投入するなど対策を打ち、結局2点ゲットして逃げ切った。スイスの選手のフィジカルの強さも相当なものである。
ワールド・カップ
グループ G
フランス 1-1 韓国 2006.6.18
ゴール / アンリ(フ)、パク・チソン(韓)
アンリのゴールでフランスが逃げ切りそうだったが、韓国の粘りとフランスの体力温存(?)で、ドローで終った。エンジンのかかり切らないフランスに対し、韓国には勢いがあった。
ワールド・カップ
グループ F
ブラジル 2-0 オーストラリア 2006.6.18
ゴール / アドリアーノ、フレッジ
ブラジルの2トップ、特にロナウドの動きが少なく、ブラジルらしい華麗な攻撃がなかなか見られない。オーストラリア、中盤で人数を増やし、ブラジルに一方的に圧倒される事なくゲームを展開。しかし、ブラジルはオーストラリアには構わず(?)マイ・ペース、パレイラ監督の必死の叫びも空しい(?)。結局先制したのはアドリアーノ。その後もオーストラリアはチャンスを作って得点の可能性もあったが、ロナウドをロビーニョに交替させて俄然動きの良くなったブラジルが優勢に。更にアドリアーノに替わったフレッジが得点。他のチームが必死で勝ち点を稼ごうとする中、ブラジルだけは別の事を考えている(?)。エネルギーを温存しているのか、これが今回のブラジルなのか?トーナメントで明らかになる。
ワールド・カップ
グループ F
日本 0-0 クロアチア 2006.6.18
またも炎天下での消耗戦となった。今回は、クロアチアの消耗にも助けられた。川口がいなかったら、どうなっていたことか。
ワールド・カップ
グループ E
イタリア 1-1 USA 2006.6.17
ゴール / ジラルディーノ(イ)、OG(U)
ジラルディーノのゴールまでは優勢、このまま順調に行けばイタリアの勝利は見えていた。しかし、ザッカルドのウオン・ゴールとデ・ロッシの退場で形勢は逆転、俄然 USA が優勢に。その後更に、USA が退場者を2人も出し、形勢は再逆転。しかし、ゲームはここで止まった。チェコとイタリアが本命と思われたグループEだが、混戦となってしまった。今大会は確かにカードの提示が多いが、基準はある程度明確で一貫しているように思える。しかし、ワールド・カップという厳しい状況で、全てのゲームでギリギリの攻防は常に存在し、今後もこのゲームのように、何ともやりきれない結果になるものがあるかもしれない。
ワールド・カップ
グループ E
ガーナ 2-0 チェコ 2006.6.17
ゴール / ギャン、ムンタリ
チェコ、確かにコレルを失っただけでやや決め手を欠く結果に。ロクベンツは代役になり切れなかったか。ガーナはキック・オフ直後のギャンのゴールで優勢に。1対1の守備でチェコに勝ったガーナ、EURO 2004 でのギリシャ代表を彷彿とさせ、このゲームのような内容を持続すればかなり期待出来るように見える。チェコは、何回かのチャンスを生かせなかった。更にウイファルシが退場、PK を与えたファールでなく、その後の抗議からのペナルティに見え、もしそうであれば実に残念。
ワールド・カップ
グループ D
ポルトガル 2-0 イラン 2006.6.17
ゴール / デコ、C・ロナウド(PK)
ポルトガル、先発を替えてきた。2004年のチャンピョンズ・リーグを制した時のポルトのメンバーを揃えた。コスティーニャとマニシェとデコ、特にコスティーニャを使えた事が大きい。デコにも問題はない。イランの粘りで 1st ハーフは 0-0 だったが、デコのスーパー・ゴールが決まったのは大きかった。クリスティアーノ・ロナウドも EURO 2004 よりも良くなっており、ミドル・レンジのボールの精度が上がればバロン・ドールも夢ではないかも。2点目の PK を決めたのは、ロナウド自身にとっても大きいであろう。イランではハシュミアンなども良くチャンスもあったが、基本的にはポルトガルが連係の良さと決定力でイランを抑え、結果も順当。
ワールド・カップ
グループ D
メキシコ 0-0 アンゴラ 2006.6.16
メキシコ、アンゴラの粘りにやられた。アンゴラのキーパーのジョアン・リカルドは当たっていた。
ワールド・カップ
グループ C
オランダ 2-1 コートジボワール 2006.6.16
ゴール / ファン・ペルシー(オ)、ファン・ニステルローイ(オ)、B・コネ(コ)
他のチームよりも長く正確なパスの連続を交え、2つのファイン・ゴールでオランダがリード。オランダは先制してから逃げ切りを意識していたのか(結果的にそうなった?)、ハイ・ペースの序盤から徐々にテンポを落としてコートジボワールに主導権を与える。トップのドログバに当ててチャンスを作るというやや単調な攻めとなっているコートジボワールだが、これが最も効果的な方法論だけに、続けていくしかない。いつもよりも守備も固いオランダが凌ぐが、バカリー・コネのスーパーなゴールで追い上げた。アルゼンチン戦に続いて惜敗と言えるコートジボワール、もう少しだけ経験があれば連勝の可能性さえ感じられただけに、残念。オランダもグループ・リーグを突破、チームとしては素晴らしいが、まだ未知数の部分もありそうで、今後の勝敗は読みにくい。アルゼンチン対オランダが消化ゲームになってしまったのは、非常に惜しい。
ワールド・カップ
グループ C
アルゼンチン 6-0 セルビア・モンテネグロ 2006.6.16
ゴール / マキシ・ロドリゲス×2、カンビアッソ、クレスポ、テベス、メッシ
余りにも早く正確で意表を突いた、アルゼンチンのパス廻し、おまけに高い決定力。サムエルやサネッティを外してまで、これまで築いたチームの連携に拘った、ペケルマン監督。中でも、このチームでのサビオラの動きの良さ、攻撃への絡みは抜群。チャンスでもピンチでも、局面局面で常にセルビア・モンテネグロよりも人数が多い。これではセルビア・モンテネグロ勝てない。1st ハーフで3点リード、ケジュマンの退場もあって更に3点。テベスとメッシの得点で、選手層の厚さも見せ付けた。
ワールド・カップ
グループ B
スウェーデン 1-0 パラグアイ 2006.6.15
(未見)
ワールド・カップ
グループ B
イングランド 2-0 トリニダード・トバゴ 2006.6.15
ゴール / クラウチ、ジェラード
マンチェスター・ユナイテッド時代に、ベッカムなどと共に1999年に三冠の偉業を達成した(もう7年も経つのだなあ)、トリニダード・トバゴのドワイト・ヨーク。稀代のゴール・ゲッターが中盤に下がって、ゲーム・メーカーとなっている。消耗を避けようとしているのか攻めが偏重になるの避けているイングランド、その間隙を縫って時折チャンスを作るトリニダード・トバゴ。鉄壁のハズのイングランドのディフェンスが、いつのまにか傍観者になっている瞬間すらあり、微妙な感じを含みつつゲームが終盤に。トリニダード・トバゴは良く守ったが、クラウチとジェラードのフィン・ゴールで結局イングランドの余裕の勝利。ベッカムの正確なクロス(昔はヨークにも飛んでいたなあ)などはあるが、古典的な意味でのゲーム・メーカーはイングランドには不在。相手ゴール前で異次元空間を生み出すルーニーが遂に登場、切れに欠けてはいたが、スウェーデン戦で様子を見て、トーナメントで全力を出すつもりだろう。
ワールド・カップ
グループ A
エクアドル 3-0 コスタリカ 2006.6.15
(未見)
ワールド・カップ
グループ A
ドイツ 1-0 ポーランド 2006.6.14
ゴール / ノイビル
もう負けられないポーランド、ホーム・ゲームで引き分けすら許されない状況のドイツ。まるで決勝戦のような意地の張り合いが見られた。退場者まで出して90分間守り抜いたポーランドだったが、途中出場で体力に勝ったオドンコルとノイビルのコンビネーションにやられた。バラックは完調ではなさそうだが、特異な存在感は見せていた。
ワールド・カップ
グループ H
チュニジア 2-2 サウジアラビア 2006.6.14
ゴール / ジャジリ(チ)、アル・カフタニ(サ)、アル・ジャバー(サ)、ジャイディ(チ)
両チームとも良く攻め良く守って、クリーンで見応えのあるゲーム。だが、ややクリーン過ぎの傾向が。サウジアラビでは、ヌールの攻守に渡る活躍が目立った。そして、94年から出場し続ける9番のアル・ジャバーのゴールで勝ち越したかに見えたが、追い付かれた。アジア勢としては残念。
ワールド・カップ
グループ H
スペイン 4-0 ウクライナ 2006.6.14
ゴール / シャビ・アロンソ、ビジャ、ビジャ(PK)、フェルナンド・トーレス
フェルナンド・トーレスとビジャの2トップ、ルイス・ガルシア、マルコス・セナ、シャビ、シャビ・アロンソという中盤、これが現状でのベストと、アラゴネス監督は判断したのか。ラウールとアルベルダという実績のある選手は途中出場。ナーバスになっているウクライナに対し、若手主体のスペインの攻撃が結果を出した。右サイドで先発した20歳のセルヒオ・ラモスの攻撃参加も効果的。最後にはプジョールまで攻撃参加してフェルナンド・トーレスの得点に絡んだ。この布陣が強国に通用するのかが見物。一方、退場者まで出したウクライナは完全に劣勢。シェフチェンコ在籍時にブレイクした当時のディナモ・キエフが台頭し、ウクライナ代表も波に乗ると思われたが、ワールド・カップ出場までに10年弱もかかってしまった。シェフチェンコとレブロフのコンビネーションももっと前に見られたら、と思うと残念。ボロニンも非常に健闘したが。
ワールド・カップ
グループ F
ブラジル 1-0 クロアチア 2006.6.13
ゴール / カカ
これから日本と当たるライバルの2チーム、少なくともオーストラリアより強いと思うべき。優勝候補筆頭のブラジルが登場。確かに、ロナウジーニョなどの個人技だけを見れば、クロアチアを凌駕。何をするか分からない前線の4人を抑える為に、クロアチアは守備に人数を掛けざるを得ない。必然的に攻撃の人数は少なくなり、弱点とされるブラジルの守備を突くまでに至らない。それでも、プルショとクラスニッチの2トップはよく動き、少ないながらもチャンスを作った。日本が相手ならもっと攻めてくるだろう。注目していたクロアチアの司令塔のクラニチャル。いわゆる司令塔としては余りにもボール・タッチが少ない。運動量の多い2トップの下にいるセンター・フォワードという感じで、突如現れて非常に危険なプレーをする。もう一人の若いタレントであるモドリッチと比較されるが、タイプが全然違う。日本戦ではもっと大胆に仕掛けてくる可能性が大きく、クラニチャルの位置取りには十分に注意が必要である。一方のブラジル、何とも微妙なゲーム展開をしていた。ロナウジーニョは例によって危険極まりない選手だが、バルセロナでのように周囲で連動しようと動く相手がいないので、得意のテクニックを見せても、あとが続かない。2トップのロナウドとアドリアーノ、両方とも受けに廻って、二人の連係がないので、思ったほど危険には見えなかった。2人のうち一人がエトーだったらなあ!?ロナウドがロビーニョと替わったが、ロビーニョのスピード活かす、という感じでもなかった。今大会のブラジルの真の実力は、未だ見えない。
ワールド・カップ
グループ G
フランス 0-0 スイス 2006.6.13
98年にはホームの利を生かして優勝、EURO 2000 は実力で制覇したフランス。98年から8年も経過したが、このゲームの先発は98年と余りにも重なるメンツ。この間、フランスの世代交代はどうなっていたのか?現れては消えたスター候補。このゲームの先発だけで決勝まで乗り切るのは絶対に無理。リザーブも迫力に欠ける。ジュリやアネルカは本当に不要だったのか?だが、少なくともディフェンスはかなり強力で、スイスはこのフランスの壁を突破はできなかった。スイスも攻守のバランスは取れ、サイド攻撃も悪くないが、ゴール・ゲッターに絶対性を欠く。長々と代表に残っていたシャプイザのような特異な選手は、現在はいない。このグループは、結果の見えない微妙なグループとなった。
ワールド・カップ
グループ G
韓国 2-1 トーゴ 2006.6.13
ゴール / カデル・クバジャ(ト)、イ・チョンス(韓)、アン・ジョンファン(韓)
トーゴ、身体能力とテクニックはあったが、連係がイマイチ。トーゴ期待のアデバヨールはパス出しに非凡なものがあるが、相棒がいない為、いいところがあまりなかった。韓国は、ヒディングに続きアドフォカート監督が就任した事で、チームがオランダ的になった。イ・チョンスとパク・チソン、チョ・ジェジンの3トップはかなり強力。アン・ジョンファンの決定力も生きた。
ワールド・カップ
グループ E
イタリア 2-0 ガーナ 2006.6.12
ゴール / ピルロ、イアキンタ
90分間ダイナミックに動けてテクニックもあるリッピ監督好みの選手で固めた、イタリアの先発。中盤のピルロ、デ・ロッシ、ペロッタという構成は、かつての守備重視のイタリア代表監督とは明らかに違う感性。これは、トニという特異なセンター・フォワードの前線での強烈なキープ力に頼れるという要因もある。ジラルディーノもスピードと運動量を兼ね備えているので、ある程度の守備も期待できる。そこにトッティが加わるので、ガーナの守備陣に大きなプレッシャーを与える事が可能となる。ピルロを起点として、他の選手も長い距離のパスを出せ、受け手もよく走るので、チームとしてパスのバリエーションが多彩。加えて、伝統的な守備力。まだ先は長いが、諸々のネガティブな状況を乗り越えて、イタリア代表はある程度の結果を残せるかもしれない。対するガーナも悪くなく、エッシェンの攻守に渡る活躍と運動量はサスガであった。
ワールド・カップ
グループ E
チェコ 3-0 USA 2006.6.12
ゴール / コレル、ロシツキ×2
EURO 2004 の予選以来の、チェコ的とも言うべき組織的な戦術の完成形ともいうべきゲームを見せた。EURO 96 の生き残りのネドベドとポボルスキーが先発、他にもベテランを多数抱えるが、動きの悪さとは無縁。交代選手が入ってもチーム戦術に余り影響がないのも相変わらず。安定した守備とパスワークに、多彩なフィニッシュ。天才ロシツキがワールド・カップで遂に爆発。懸念材料としては、コレルの故障による退場。バロシュも故障中、ゴールゲッター2人の不在はサスガに大きいだろう。USA は、近年見せてきたシンプルで力強い攻撃をほとんど披露できなかった。今回は苦しいかも。
ワールド・カップ
グループ F
オーストラリア 3-1 日本 2006.6.12
ゴール / 中村(日)、ケイヒル(オ)×2、アロイージ(オ)
昔は、ワールド・カップなどといえば、衛星放送でボケボケの画像だったが、今やハイビジョンで観戦でき極めてリアルな感触、夏の日差しが異常に生々しい。芝から湧き上がるムッとした熱気が、選手の足にまとわり付いている。体力がモノをいう90分、果たして日本はオーストラリアを凌駕できるのだろうか???交代でケイヒルが入った時にイヤな感じはした。スーパースペシャルな選手というワケではないが、あの暑さの中で経験のある選手が入るのは大きい。やはりヒディングはマジシャンだったのか?日本は、本当はゲームの残りの20分のあたりで高原に代わるアタッカーが必要だったが・・・結局、選手層が薄いんだろうか?巻じゃマズかったのか?小野を入れた意図は?2001年に生で見たオーストラリアには、シュウォーツァー、ブレシアーノ、チッパーフィールドがいて、リベンジにあったようで余計に悔しいな〜。
ワールド・カップ
グループ D
ポルトガル 1-0 アンゴラ 2006.6.11
ゴール / パウレタ
さすがのフィーゴの折り返しのパス、パウレタらしいゴール(見たのはここまで)。
ワールド・カップ
グループ D
メキシコ 3-1 イラン 2006.6.11
ゴール / ブラボ(メ)×2、ゴルモハマディ(イ)、ジーニャ(メ)
今後のアジア枠を守って行く為にも、イランには勝ってもらわなければ。何と37歳のダエイ、ハシュミアン、カリミ、マハダビキア、その他若手の台頭によって、少なくとも日本とは同等の力はあるし、メキシコあたりは何とかなるのでは?しかし、メキシコはウマかった。攻守の連係で徐々にイランを追い詰めたメキシコ。マルケスやパルドが局面によって大きくポジション・チェンジし、イランをかく乱した。ボルヘッティはアクシデントで交代してしまったが、フォンセカなどを使って、今後も何とかやっていくだろう。
ワールド・カップ
グループ C
オランダ 1-0 セルビア・モンテネグロ 2006.6.11
ゴール / ロッベン
オランダの鋭いパス廻し、前線からの強烈な守備。ファン・バステン監督が所属していた時代のACミランのプレッシング・サッカーを連想させた。得点も決めたロッベンの切れは最高潮、これが持続すればオランダは優勝候補だが、これからはなかなかそううまくは行くまい。やはり死のグループとまで呼ばれるだけあって、堅守が売りのセルビア・モンテネグロもこのゲームでは良さが出し切れなかった。
ワールド・カップ
グループ C
アルゼンチン 2-1 コートジボワール 2006.6.10
ゴール / クレスポ(ア)、サビオラ(ア)、ドログバ(コ)
注目のカード。欧州のチームのような連携もあるコートジボワールだったが、アルゼンチンのウマさにやられた。コートジボワールのアフリカ的なスピードは殺がれていた。それでも、ドログバの1ゴールで意地を見せた。アフリカ慣れした欧州・南米、欧州・南米慣れしたアフリカ、ここにもサッカーのボーダーレス化の傾向が。クレスポ・チームとドログバ・チームに分かれた欧州リーグ選抜という感じさえする。アルゼンチンの選手起用と戦い方は、予選から続けての一貫したものを感じさせた。サビオラのゴールにも納得さられた。優勝候補のアルゼンチンとしては非常に大きな勝ち点3。
ワールド・カップ
グループ B
スウェーデン 0-0 トリニダード・トバゴ 2006.6.10
ドワイト・ヨークが率いる初出場のトリニダード・トバゴ、途中で10人になりながらも、ラーションやイブラヒモビッチの猛攻を防ぎ切って勝ち点1をゲット。各国の実力差の接近を更に感じさせる結果に。イングランドに負けたパラグアイは喜んだだろう。
ワールド・カップ
グループ B
イングランド 1-0 パラグアイ 2006.6.10
ゴール / OG
ゲーム開始直後のガマーラのオウン・ゴールとキーパーの退場などでパラグアイが窮地に立ったが、何とか持ち直した。ゲームが進むにつれてどんどん良くなるパラグアイの守備。パレデスやバルデスなどのスピードに乗った攻撃も有効。残念なのは、サンタクルスの不調。それよりも、良かったのはイングランドの守備。A・コールとG・ネビルの両サイドが揃ったのは大きい。これからイングランドと当たるチームは相当の大変。攻撃陣は、今に至ってもルーニーの復帰待ちというのはちょっと・・・。ジェラードが不調なのも痛い。
ワールド・カップ
グループ A
エクアドル 2-0 ポーランド 2006.6.9
ゴール / テノリオ、デルガド
エクアドル、予選でブラジルとアルゼンチンに勝ったチーム力が生きた。ポーランドにもチャンスはあったが。
ワールド・カップ
グループ A
ドイツ 4-2 コスタリカ 2006.6.9
ゴール / ラーム(ド)、クローゼ(ド)×2、ワンチョペ(コ)×2、フリングス(ド)
ホスト国としては最初から攻めて得点を狙うしかないドイツ、ミドル・シュートの連発でコスタリカを威圧、ラームが先制。しかし、コスタリカがワンチョペの決定力を生かして同点、ドイツは動転。総合力ではコスタリカを上回るドイツだが、1点のリードだけではワンチャンスでワンチョペに決められて勝利を逃す、という危険に怯えながら85分まで来る。結局フリングスが強烈なロング・シュートを決めて2点差をつけて突き放したが、ワン・プレーが一撃で、一つのゲーム、更に大会の流れも変えてしまうというワールド・カップの怖さを感じさせた。
ワールド・カップ
グループ・リーグ展望
A組 / ドイツ、ポーランド、エクアドル、コスタリカ
トーナメントへのレールが敷かれているドイツなのだが、他国の人間が開催国の出来をこれほど懸念しているということは・・・。ドイツ人は心労で身体を悪くしているのでは??
B組 / パラグアイ、イングランド、スウェーデン、トリニダード・トバゴ
優秀候補の一角と目されるイングランドも、グループ・リーグ突破は簡単ではない。厳しいプレミア・リーグ終了後の選手のコンディション、ルーニーとオーウェンの不調も考えると、イングランドの3位も十分にあり得る。
C組 / コートジボワール、アルゼンチン、オランダ、セルビア・モンテネグロ
誰もが認める最激戦区。カギを握るのがコートジボワールだが、前回大会で旋風を起こしたセネガルと違って最初からマークされていて、押さえ込まれてしまうかもしれない。優勝候補のアルゼンチンが、コートジボワールに体力負けしないかどうか。今回のオランダは、潜在能力は非常に高いものがあるが、チームとしてはまだ熟成し切れてないように見える。
D組 / イラン、メキシコ、ポルトガル、アンゴラ
国名だけ見るとポルトガルの楽勝に見える。しかし、メキシコのチーム力は相変わらずだし、イランも強くなっているし、アンゴラは全然知しらないが、ポルトガルのようなチームに大会を面白くして欲しいのは間違いない。
E組 / ガーナ、イタリア、チェコ、USA
優勝候補のイタリアも、実は厳しいグループ。チェコはダーク・ホースでイタリアと互角の戦力。USA は前回大会でも良かったし、ガーナもクフォー、エッシェン、アッピアーと選手の名前が挙げられる。
F組 / クロアチア、ブラジル、オーストラリア、日本
カギを握るのが日本なのだが、身近過ぎてなんだか良く分からん。しかし、全体を見れば、日本にとっては最も恵まれたグループ。何しろ、少なくとも全部のチームに一度は勝った事がある。ブラジルに勝ったのは五輪代表だが、「マイアミの奇跡」でのブラジルはほとんどフル代表だったし、その時のロナウド、ロベ・カル、ジーダは今回も入っている。ブラジルは確かに優勝の大本命だが、「魔法のカルテット」に拘れば守備力に問題が生じる危険が大きいのは間違いない。エジミウソンの離脱は、長い大会を考えるとかなり痛い。
G組 / スイス、フランス、トーゴ、韓国
韓国にとっては非常にイヤなグループだが、ここを突破できれば、2002年のベスト4がフロックではない事を証明できる。フランスは、ジダンも加わる先発メンバーの名前だけ見ると相当に凄そうだが、平均年齢も高いし、98年のように決勝にまで残る為の加速をつけるのは難しそうに見える。
H組 / ウクライナ、スペイン、サウジアラビア、チュニジア
ウクライナの名前が見出せるのは感慨深い。シェフチェンコが現役のうちに出場出来て良かった。今回のチームはどこまで出来るか。スペインは、テスト・マッチを見る限りは相変わらず名前倒れになりそうだが、今回は本番で化けそうな気もする?中盤の攻勢をどう固めればよいか、監督さえも分からない??
UEFA チャンピョンズ・リーグ 決勝 2006.5.17
バルセロナ[スペイン] 2-1 アーセナル[イングランド]
ゴール / キャンベル(ア)、エトー(バ)、ベレッチ(バ)
10試合連続で無失点だったアーセナル、見事に組織的な攻守の連係が、これまた組織的な攻撃が驚異的なバルサに通用するかどうかが見所だった。ゲーム序盤はアーセナルの攻勢、ボール・ポゼッションが命のバルサを制した。セスク、フレブも好調。いつになく慎重なバルサのディフェンスだが、その割には何度もアンリなどにチャンスを作られる。だが、このまま90分終るハズはない。ゲーム開始18分、遂にエトーが中央を突破。これまで信じ難いほどのスーパー・セーブを連発していたレーマンが、究極の選択に迫られた。ファールせずに突破を許して失点するか、カード覚悟のファールでエトーを止めるか。究極の選択に迫られたのはレフェリーも同じ、キーパーに警告を与えるか、流してバルサの得点とするか。結局、アーセナルは残り70分を10人で戦わなければならなくなったが、バルサの攻撃陣を90分完封するのは無理な相談で、どちらに転んでもバルサが優勢になったのは間違いなかった。しかし、楽しみにしていたファイナルであり、11対10人に陥るような判定は避けて欲しかったのは間違いない。アーセナルは、アルムニアというレーマンに匹敵するキーパーを置いていたのは、せめてもの幸運であった。キャンベルのゴールでアーセナルが先制しゲームの興味は持続された。だが、アーセナルは必死の守備とリュングベリとアンリの繰り返しのカウンターで徐々に消耗。確かに、2nd ハーフでのラーション、イニエスタ、ベレッチの投入は停滞気味のバルサの攻撃にカツを注入した。これで更にメッシが絶好調だったら、どれほどの強さを見せただろうか。今シーズン、途中交代で誰が出ても同等の働きをする、更に先発以上の働きを見せるという、真の意味で本当に選手層が厚いと言えるのは、バルサだけだったかもしれない。18分にエトーの突破を許した時点で既に、アーセナルに勝ち目はなかったかもしれない。だがそれでも、この日のアーセナルが11人で90分間戦えば一体どうなったのかと問わずにはいられない。永遠の謎となってしまった。
UEFA カップ 決勝
セビージャ 4-0 ミドルスブラ
2006.5.10
ゴール / ルイス・ファビアーノ、マレスカ×2、カヌーテ
今シーズン、既に70試合を超えてしまったミドルスブラ、残念ながら疲労の色が濃く、良いところが見られなかった。それに助けられた感はあるが、セビージャの攻撃は素晴らしい。近年は、毎シーズンのようにエースを取られているにも係わらずそれなりの結果を出してきたセビージャ、UEFA カップ優勝という快挙。得点したルイス・ファビアーノとマレスカは良かったが、サビオラに全く良いところがなく、1st ハーフだけで替えられたのは残念。
イングランド プレミア・リーグ
チェルシー 3-0 マンチェスター・ユナイテッド
2006.4.29
ゴール / ギャラス、ジョー・コール、リカルド・カルバーリョ
チェルシー、またもプレミアを制す。今シーズンも強かったチェルシー、ホームでマンUを破り、理想的な勝利。エッシェンも蘇り、ベスト・メンバーによる圧倒的なパフォーマンスを見せた。最近好調のマンUにゲームをさせなかった。それにしても、ルーニーの怪我は気がかり。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝
アーセナル[イングランド] agg 1-0 ビジャレアル[スペイン]
1st leg 2006.4.19 アーセナル 1-0 ビジャレアル
ゴール / トゥレ
2nd leg 2006.4.26 ビジャレアル 0-0 アーセナル
攻撃的サッカーの代表とさえ見られていたアーセナル、何と10試合連続無失点を達成。ポカが多く、毎シーズンのように正キーパーの交代の噂に苛まれていたレーマンだが、ディフェンス・ラインとの連係で非常に安定してきた。アシュリー・コール、ローレン、キャンベルの不在で絶望視されていたディフェンスだが、トゥレとセンデロスが見事に仕切った。エブエの快速にも驚かされた。センドレスが不在の 2nd leg にはキャンベルも復帰。守備面には中盤の安定も大きく寄与、フレブとセスクの攻守での活躍が目を見張り、ビエラの移籍を完全に過去のものにした。ワントップ気味のアンリがらみの得点で逃げ切るパターンが続くが、素晴らしく機能する現在のフォーメーションをベンゲル監督は当然ながら変えない。シーズンの半分を費やして構築された現在のアーセナルのフォーメーション、決勝でバルサ相手に機能するのか?守備での集中力はアーセナルに匹敵するビジャレアル、ベスト4進出は快挙、準決勝では得点チャンスもあった。フォルランやリケルメなどのビッグ・ネームと共に、ホシコ、キケ・アルバレス、ハビ・ベンタなどのスペイン人も健闘した。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝
ACミラン[イタリア] agg 0-1 バルセロナ[スペイン]
1st leg 2006.4.18 ミラン 0-1 バルセロナ
ゴール / ジュリ
2nd leg 2006.4.26 バルセロナ 0-0 ミラン
シーズンもこのあたりになると、ゲーム過多によるチーム全体の疲労の色が濃くなる。怪我も目だって来る。厳しいコンディションの中で守備的に重点を置いてカウンターに賭けるミランはいつも通りであるが、昨シーズンよりも守備に重点を置いているバルサに対してどこに差を見出すのか。念願の決勝進出を前に、慎重に、しかし厳しくゲームを進める両チーム、拮抗した状態が続く。結局、1st leg で唯一の得点を演出したのはロナウジーニョ。ゴールに近い位置からやや引いてパス出しに活路を見出し、遂にジュリに最高のボールを供給した。ジュリの決定力も効いた。2nd leg では、アウエー・ゴールのアドバンテージを得たバルサが、復帰はしたが切れに欠けるインザーギも抑え込み、ビッグ・イヤー獲得に王手をかけた。厚い選手層でサブの選手でも出れば活躍、勝負を決める得点が必要な時は高い確率でゲット、追い込まれれば粘っての逃げ切り、典型的な優勝チームのパターンに入ったバルサ。優勝すれば誰もが納得するであろう。方や、取れそうで取れない、必要な1点が奪えない展開での敗退は3シーズン連続のミラン。他のほとんどのチームならとんでもない善戦・快挙であろうが、過去の輝かしい実績からして、ミランならば物足りない。システムなどはともかく、チーム全体の若返りと活性化は必定であろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝
リヨン[フランス] agg 1-3 ACミラン[イタリア]
1st leg 2006.3.29 リヨン 0-0 ミラン
2nd leg 2006.4.4 ミラン 3-1 リヨン
ゴール / インザーギ(ミ)×2、シェフチェンコ(ミ)、ディアラ(リ)
ベスト4にあと一歩まで接近したリヨン。今シーズンはやや守備に重点を置いたが、その分やや攻撃力が落ちたのか、土壇場で爆発した強力なミランの攻撃陣の後塵を拝した。1st leg はジュニーニョ、2nd leg はティアゴが欠場と、ベスト・メンバーでないとミランには勝てないという事なのか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝
インテル[イタリア] agg 2-2 ビジャレアル[スペイン]
1st leg 2006.3.29 インテル 2-1 ビジャレアル
ゴール / アドリアーノ(イ)、マルティンス(イ)、フォルラン(ビ)
2nd leg 2006.4.4 ビジャレアル 1-0 インテル
ゴール / アルアバレナ
1st leg はホームのインテル、アドリアーノとマルティンスのゴールで順当勝ちしたが、ビジャレアルのアウエー・ゴールが命取りになった。敵地に乗り込んでのインテルの出来の悪さに不思議ささえ感じる。フィーゴ、ベロン、レコバ、アドリアーノと名前は豪華だが・・・。それにしても、スペインの弱小都市のチームであるビジャレアルが欧州のベスト4に残る快挙は印象的。確かに、フォルラン、リケルメ、ソリン、タッキナルディとタレントは遜色ないし、リケルメ偏重とはいえチーム・プレーが素晴らしい。もう一人のアルゼンチン人であるアルアバレナも、またも得点して勝負強さを見せた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝
アーセナル[イングランド] agg 2-0 ユベントス[イタリア]
1st leg 2006.3.28 アーセナル 2-0 ユベントス
ゴール / セスク、アンリ
2nd leg 2006.4.5 ユベントス 0-0 アーセナル
1st leg の 1st ハーフ、ユーベの安定した守備力はアーセナルを上回っていた。だが、セスクに決められてから何かおかしくなり始めた。連戦の疲労からかチームの動きが悪くなり、若々しいアーセナルの中盤が、元アーセナルのビエラが中心のユーベの中盤を翻弄し始めた。アセリの見えるユーベ、何とカモラネージとゼビナがレッド・カードで退場、ビエラもイエロー累積で 2nd leg は欠場。アーセナルは、安定した守備で 2nd leg をスコアレス・ドローで逃げ切った。思っていた展開と全く逆の結果となり、ここに来てのアーセナルの安定度を見せ付ける結果となった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝
ベンフィカ [ポルトガル] agg 0-2 バルセロナ
1st leg 2006.3.28 ベンフィカ 0-0 バルセロナ
2nd leg 2006.4.5 バルセロナ 2-0 ベンフィカ
ゴール / ロナウジーニョ、エトー
相手にとって不気味とさえ言えるベンフィカのチーム力。1st leg でのスコアレス・ドローで、バルセロナはチーム力を消耗させた。ベンフィカのキーパーのモレットが強力なバルサの攻撃を抑え切ったのは大きかった。だが、得点してバルサにプレッシャーを与えるのにも失敗した。2nd leg の 1st ハーフ、何とロナウジーニョが PK を失敗、チームがナーバスになってしまった。モレットはこのゲームでも素晴らしい。だが、エトーとのコンビネーションでロナウジーニョが欲しかった先制点をゲット、ここからは何とかバルサらしくなってきた。反撃に転じたベンフィカの攻撃もプジョールを中心に抑え切った。バルサの選手には、我々の思っている以上に厳しいゲームであったかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
アヤックス [オランダ] agg 2-3 インテル[イタリア]
1st leg 2006.2.22 アヤックス 2-2 インテル
ゴール / フンテラール(ア)、ロサレル(ア)、スタンコビッチ(イ)、クルス(イ)
2nd leg 2006.3.14 インテル 1-0 アヤックス
ゴール / スタンコビッチ(イ)
1st leg の 1st ハーフでのアヤックスの攻撃は目覚しいものがあり、フンテラールの決定力がインテルを粉砕すると思われた。それ以降は、インテルが現時点で持っている強さを発揮し、アヤックスを下した。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
ブレーメン [ドイツ] agg 4-4 ユベントス[イタリア]
1st leg 2006.2.22 ブレーメン 3-2 ユベントス
ゴール / シュルツ(ブ)、ボロウスキ(ブ)、ミクー(ブ)、ネドベド(ユ)、トレゼゲ(ユ)
2nd leg 2006.3.7 ユベントス 2-1 ブレーメン
ゴール / トレゼゲ(ユ)、エメルソン(ユ)、ミクー(ブ)
ここでのブレーメンは非常に強く、1回戦を突破する資格は十分にあった。イタリアでイマイチと思われていたミクーの逆襲も見られた。圧倒的な守備力を持つと思われたユーベだが、欧州レベルでは絶対的に強いワケではない事を露呈した。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
グラスゴー・レンジャース [スコットランド] agg 3-3 ビジャレアル[スペイン]
1st leg 2006.2.22 レンジャース 2-2 ビジャレアル
ゴール / ロベンクランツ(レ)、OG(レ)、リケルメ(ビ,PK)、フォルラン(ビ)
2nd leg 2006.3.7 ビジャレアル 1-1 レンジャース
ゴール / アルアバレナ(ビ)、ロベンクランツ(レ)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
チェルシー[イングランド] agg 2-3 バルセロナ [スペイン]
1st leg 2006.2.22 チェルシー 1-2 バルセロナ
ゴール / OG(チ)、OG(バ)、エトー(バ)
サッカーの母国イングランドの常に整備されたピッチを見慣れた目には、荒れ果てたスタンフォード・ブリッジの芝は信じられない状態。この悪コンディションの中で、両チームが激闘を繰り広げた。どんなピッチでも個人技を見せるバルサの選手には目を見張る。チェルシーのデル・オルノが退場、ホーム・ゲームであるにもかかわらず劣勢に。点差がもっと開いた可能性もあったが、テリーのもの凄い守備がゲームを1点差で終らせ、2nd leg に期待を持たせた。
2nd leg 2006.3.7 バルセロナ 1-1 チェルシー
ゴール / ロナウジーニョ(バ)、ランパード(チ,PK)
今シーズンのバルサの守備での安定には驚かされる。しかも、攻撃力はそれほど落ちてはいず、チームの連動性とロナウジーニョなどの個人技で十分にカバーしている。長いシーズンの中でバルサらしくないゲームも結構あったが、最も重要なチェルシー戦では集中し、相手の強力なカウンター攻撃を抑えられた。取り敢えず、昨年の雪辱は果たす事が出来た。チームのコンディションがやや落ちていたチェルシーは不運だったかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
レアル・マドリード [スペイン] agg 0-1 アーセナル[イングランド]
1st leg 2006.2.21 レアル・マドリード 0-1 アーセナル
ゴール / アンリ
2nd leg 2006.3.8 アーセナル 0-0 レアル・マドリード
2nd leg は、スコアレス・ドローのゲームとしては稀に見る激戦。このゲームあたりから、アーセナルの守備力に凄みが漂ってくる。不安視されていたアーセナルのディフェンス・ラインは安定、キーパーのレーマンのミスも減少し、何と言ってもディフェンス・ラインとキーパーの連係が良くなってきた。エブエの快速は恐るべし。フレブ、セスクが安定した中盤、ビエラの記憶を消し去る事に成功した。レアル・マドリーにはアーセナルの守備を突破するタレントもいるハズだが、やはり過渡期に突入してしまったチーム力自体に問題があるのだろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
ベンフィカ [ポルトガル] agg 3-0 リバプール[イングランド]
1st leg 2006.2.21 ベンフィカ 1-0 リバプール
ゴール / ルイゾン
2nd leg 2006.3.8 リバプール 0-2 ベンフィカ
ゴール / シモン、ミッコリ
1st leg はベンフィカのリードで終ったが、リバプールの選手の個々の力はベンフィカを上回っており、2nd leg での逆転は必至と思われた。だが、ベンフィカの粘り腰は予想以上で、アウエーでも無失点に抑えた。シモンが個人技を見せ付けるなど、ベンフィカの力不足は錯覚だった?それにしても、この時点でのリバプールの決定力不足は深刻だった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] agg 2-5 ACミラン[イタリア]
1st leg 2006.2.21 バイエルン 1-1 ミラン
ゴール / バラック(バ)、シェフチェンコ(ミ,PK)
2nd leg 2006.3.8 ミラン 4-1 バイエルン
ゴール / インザーギ(ミ)×2、シェフチェンコ(ミ)、カカ(ミ)、イスマエル(バ)
バラックを中心に強さを見せ付けたバイエルン、だがそれも 1st leg の 1st ハーフで終った。ドイツのトップ・チームとしては、代表チームに対する影響も気になってしまう。ミランではやはり、完全復活して全盛期の動きを見せたインザーギが大きかった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1回戦
PSV [オランダ] agg 0-5 リヨン[フランス]
1st leg 2006.2.21 PSV 0-1 リヨン
ゴール / ジュニーニョ
2nd leg 2006.3.8 リヨン 4-0 PSV
ゴール / ティアゴ×2、ビルトール、フレッジ
国内リーグで相変わらずの強さを発揮したPSV、サスガの仕事を続けるヒディング監督だったが、この時点ではチームのコンディションは欧州レベルから一歩後退、2nd leg でも巻き返しできなかった。期待されたファルファンやコネーも不発に終った。リヨンは昨年よりやや守備重視のチームとなっているが、チェルシーから来たティアゴが良く動くし、ディアラと共に中盤を制していた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2006.2.21 1回戦 1st leg
ベンフィカ [ポルトガル] 1-0 リバプール[イングランド]
ゴール / ルイゾン
ディフェンディング・チャンピョンのリバプールがゲームを支配したが、ここのところの決定力不足は深刻。頼みのジェラードは不調でサブへ。ファウラーの復帰も空振りか。個人技と闘志で対抗するベンフィカ、ルイゾンが貴重なゴールを奪ったが、アウエーで逃げ切るのは難しそうだが、果たして?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2006.2.21 1回戦 1st leg
PSV [オランダ] 0-1 リヨン[フランス]
ゴール / ジュニーニョ
昨シーズンの準決勝と同じカード。フォーゲル、イ・ヨンピョ、パク・チソンを放出し弱体化すると思われたPSVだが、強さは変わらず。昨年と同様に攻めるリヨンと跳ね返すPSVとの図式が予想されたが、少し違った。守備は相変わらず強力なPSVだが、中盤をリヨンに支配され、アフェライとフェネホール・オフ・ヘッセリンクの2トップが良い形でボールが受けられない。リヨンの中盤ではチアゴが効いたが、それ以上に、カサーパなどを欠き更にクリスが負傷したディフェンスが良く守り、更にキーパーのクペが違いを見せ付けた。そして遂に、ジュニーニョ・プレナンブカーノのフリー・キックによる得点。前のゲームのナント戦でも決めていたが、驚くべき精度・弾道。ジュニーニョは、中盤での捌きも良かった。リヨンのカリューは不調、ゴブはレッド・カードを受けてしまったが、ビルトールとフレッヂもいるし、2nd leg は確実にリヨン有利。PSVの反撃も見物。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2006.2.21 1回戦 1st leg
レアル・マドリード [スペイン] 0-1 アーセナル[イングランド]
ゴール / アンリ
一昨シーズンの無敗優勝の勢いが消えてしまったアーセナル、チェルシーに追い抜かれたのか?単なる過渡期なのか?プレミア制覇の可能性はほとんどないが、欧州制覇を真剣に狙っているのかは、このゲームを見れば分かる。ホームのレアル、リーガでは復調したが、最終ラインの甘さは相変わらず。復調具合が欧州の標準に達しているかを推し量る相手として、アーセナルというのは最適。アーセナルの攻撃のスピードは、レアル相手に予想以上に脅威を与えている。レアルはリーガのテンポから脱却してアーセナル以上のスピードで攻める必要があるが、ビエラを放出してやや弱くなったアーセナルの中盤に苦戦。ロビーニョやロナウドも、結果的には抑えられてしまった。アーセナルの決勝点は、アンリのレアル守備陣をかわしての独走のシュートによる。
イタリア セリエA
インテル 1-2 ユベントス
2006.2.12
ゴール / イブラヒモビッチ(ユ)、サムエル(イ)、デル・ピエーロ(ユ)
満員のサン・シーロ、いつになく守備が安定しているインテル、アドリアーノなど前線が爆発すれば、勝ち点を重ねる事が出来る。しかし、驚異の強さで勝ち続けるユーベに崩れる気配はない。復帰したキーパーのブッフォンのプレーをじっくり見たが、ナンバー1のキーパーである事を証明していた。両サイド・バックのキエッリーニとバルツァレッティにもソツがなかった。エメルソンとビエラが並んでいるのは反則とも言える超強力なユーベの中盤がインテルを圧倒する。インテルではベロンが頑張ってくれれば何とかなりそうだったが、ビッグ・クラブに弱く、おまけに負傷。それでもホームで意地を見せるインテルに対し、例によってスーパー・サブの役割を粛々とこなすデル・ピエーロの、超芸術的フリー・キックが炸裂。インテル期待のレコバのフリー・キックも凄い弾道だったが、枠に当たってしまった。絶対に勝利が必要だったインテル、スクデットが遠くなってしまった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バレンシア 1-0 バルセロナ
2006.2.12
ゴール / ビジャ
今シーズンは既に優勝は確実という勢いで勝ち続けたバルサ。この強いバルサに挑戦するのが、シーズン序盤でのモタツキを挽回しつつあるバレンシア。メンツは変わっても崩れない守備力、アルベルダとバラハを中心とした強固な中盤、抜群の決定力を見せるビジャ、キケ・フローレス監督が新たに組み立てたチーム力。対するバルサ、エトーはアフリカから戻ったが、ロナウジーニョ、デコ、メッシという攻撃の中心選手が不在、おまけにジュリが負傷退場。イニエスタやエスケーロも悪くないが、サスガのバルサも苦しい。激闘を制したバレンシア、何と勝ち点差は6、更に1ポイント差でレアル。
イングランド プレミア・リーグ
アーセナル 0-2 チェルシー
2005.12.18
ゴール / ロッベン、J・コール
3連敗阻止とホームでの連勝記録を賭けてチェルシーを迎えたアーセナル。だが、チェルシーが強さをマザマザと見せ付けた。ピッチ全域で展開される強力な守備、圧倒的なカウンターのスピード。ロッベンとジョー・コールの切れが特に目立った。マケレレも復活し、中盤が安定した。アーセナルもスピードで対抗、アンリやファン・ペルシーによる普通なら突破できるハズの攻撃も通じず。
トヨタ・カップ 決勝
サンパウロ [ブラジル] 1-0 リバプール [イングランド]
2005.12.18
ゴール / ミネイロ
リバプール、厳しい年末年始の国内戦を鑑み、準決勝のサプリサ戦と大幅に先発を入れ替えた。一発勝負であれば、モリエンテスとクラウチの2トップにルイス・ガルシアを絡ませるなど、必勝を目指したであろう。だが決勝でのサンパウロが予想以上に強く、ローテーションによる中途半端な布陣は通じなかった。サンパウロは、シシーニョやアモローゾだけのチームだけでなく、このゲームでは特に全員が守備に集中し、ミネイロの1点を守り切った。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.12.6 グループ・リーグ 6節
ACミラン [イタリア] 3-2 シャルケ04 [ドイツ]
ゴール / ピルロ(ミ)、ポウルセン(シ)、カカ(ミ)×2、リンコン(シ)
トーナメント進出を掛けて激突した両チーム、予想以上の激戦。前節で PSV に勝ってこのグループを面白くしたシャルケ、カウンター攻撃がミランへの驚異となった。前線に張り付くワン・トップのクラニー、ナゼかこの様な厳しい状況になると切れが増してくる。どちらかのチームがいつ得点してもおかしくない状況の中、ピルロの恐るべき弾道のフリー・キックが炸裂。その直後、シャルケで何かとウルさいポウルセンが同点ゴール。ミランの2トップのインザーギとシェフチェンコが良い動きを見せる中、カカがチームの連係と個人技を生かして2得点。だが、個人技では負けないシャルケのリンコンが得点し、緊張状態はゲーム終了まで続いた。このゲームでのミラン、攻撃は良かったが、守備ではマルディーニが早々に交代するなどコンディションが良くない。
ワールドカップ 欧州予選 プレー・オフ 2nd leg
トルコ 4-2 (AGG 4-4) スイス
2005.11.16
ゴール / フレイ(ス,PK)、トゥンジャイ(ト)×3、ネジャティ(ト)、シュトレラー(ス)
国歌斉唱で、物凄い形相で歌いまくるトルコの選手が印象的。ホーム・ゲームで特徴的な非常にトルコらしい厳しい攻めで 1st leg の劣勢を挽回しようとしている。サポーターをバックに、自分達が先に熱くなりこの勢いで相手を巻き込んで最後に自分達が勝つというトルコのパターンに、スイスはギリギリで踏み止まった感じ。シュトレラーの2点目は、今回の予選でのスイスの強さを象徴していたと言えるだろう。EURO 2004 とワールド・カップの2つの大会への出場を逃したトルコ、余りにもいつも通りの展開、ホーム・ゲームでの国際標準のあり方を問われる事となるかもしれない。
ワールドカップ 欧州予選 プレー・オフ 1st leg
スイス 2-0 トルコ
2005.11.12
ゴール / センデロス、ベラミ
相変わらずヤキン兄弟が不在、2トップの爆発にはそれほど期待は持てないが、攻守のバランスが良いスイス。1st leg 、サポーターの圧倒的なバック・アップを受けて難敵のトルコにプレッシャーを与えた。運動量と攻撃力を見せるマニャンのクロスにセンデロスがヘッドで合わせて先制、途中出場のベラミの得点で、上々の結果を出したスイス。テリム監督を迎えたトルコ、ハカン・スクールやアルパイを呼び戻してチームを再構築しようとしたが、このゲームでは裏目に出た感じ。結果論だが、アルティントップ兄弟などを先発させた方が、スピードでスイスを苦しめられたかも。
ワールドカップ 欧州予選 プレー・オフ 1st leg
スペイン 5-1 スロバキア
2005.11.12
ゴール / ルイス・ガルシア(スペ)×3、ネメト(スロ)、フェルナンド・トーレス(スペ,PK)、モリエンテス(スペ)
プレー・オフに進出したという点では実力的にチェコと同等になったと言えるスロバキア。だが、スペインが遂に潜在能力を炸裂させしまい、スロバキアにとっては不運。レッド・カードで一人減るし、監督は退場になるし、4点差で敗れるし、予選突破は難しくなってしまった。スペインで目立ったのが、ホアキンとビセンテという絶対的と思われた強力な両翼を先発から外したこと。左にはレジェス、右にはルイス・ガルシア。ルイス・ガルシアは少なくとも細かいテクニックと得点感覚はホアキンを凌駕しており、その良い面が発揮された。更に、自陣で相手選手にアシストする(?)というオマケ付き。左サイド・バックのデル・オルノも、チェルシーでの活躍を踏まえて、先発に定着しそう。ラウールとフェルナンド・トーレスの2トップも、現状ではベストの選択か。結果が出たこのゲームで、やっと理想の先発の形が見えて来た感じが。あとは、チームとしてまとまってくれるだけで良いのだが・・・。
ワールドカップ 欧州予選 プレー・オフ 1st leg
ノルウエー 0-1 チェコ
2005.11.12
ゴール / シュミツェル
チェコ、オランダに敗れてグループの2位となってしまったが、EURO 2004 での勢いはまだ続いている。コレルの怪我は残念だが、この重要な2戦にネドベドを呼び戻した。このゲームでの EURO 1996 の残党であるネドベド、ポボルスキー、シュミツェルの代表チームでの重要性はまだまだ侮り難いものがあり、アウエーでの得点でそれを証明した。荒れたアウエーでのピッチ上で、守備では集中力を保ち、攻撃では行く時には行くという、慎重なゲーム運びが生きた。対するホームのノルウエー、得点源のカリューにボールが渡らず、リーセの強烈なシュートもゴールから遠すぎた。ボール廻しではチェコに遅れをとった。だがノルウエーには、アウエー・ゲームの早い時間に得点してゲームを振り出しに戻す力は十分にある。ブラーテンを先発に使って強力なドリブルで相手をかく乱するという手もあるように思うが。
ワールドカップ 南米/オセアニア予選 プレー・オフ 1st leg
ウルグアイ [南米] 1-0 オーストラリア [オセアニア]
2005.11.12
ゴール / ダリオ・ロドリゲス
4年前のカードの再現となった。ホームのウルグアイ、モンテーロが呼び返され、レコバなどもチームに残っている。4年前と同様の南米の5位だが、若干パワー・ダウンしているのでは?期待のフォルランもコンディション不良で、1st ハーフでダリオ・シルバと交代。1点を守り切ったが、ホームのサポーターにはかなり不満が残っただろう。対するオーストラリア、ビドゥカとキューエルが健在。エマートンなど、この4年間で成長した選手を加えて、ややレベル・アップしたか?次回の予選はアジアに加わるオーストラリア、アジアの枠数に有利に働くようにホームでは何としても逆転してもらい、本番でも活躍して欲しいところ。
イングランド プレミア・リーグ
マンチェスター・ユナイテッド 1-0 チェルシー
2005.11.6
ゴール / フレッチャー
失点・敗戦がニュースとなるビッグな両チーム。失敗を繰り返さない為の、慎重かつ強力なチーム・プレーによるせめぎ合いが予想されたが、その通りのゲーム展開となった。特に、失点が続く最近のチェルシーのディフェンス陣に注目が集まったが、最も良いコンディション時の連係が失われているように見える。テリー以外の、ターン・オーバーと怪我による選手の入替えが、やや裏目に出ているかも。シーズン序盤から飛ばしたチーム全体の疲弊も見逃せない。だが、敗れはしたが、ゲーム終盤とは思えない怒涛の攻撃は健在で、少しでもラッキーであれば、逆転も可能であったように見える。チェルシーのこの時期のペース・ダウンは、それほど問題にはならないだろう。一方、過渡期に差し掛かって難しい状態にあるマンU、大敵のチェルシーを破ってかつての圧倒的な強さを取り戻したい。エインセの怪我などでダメージが感じられたディフェンス陣も、シルベストルやブラウンの復帰とファン・デル・サールの安定で、何とか踏み止まるかも。あとは、中盤でキーンの代役を任せられたスミスの大成が望まれるが、どんなもんだんだろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.11.1 グループ・リーグ 4節
オリンピアコス [ギリシャ] 1-4 リヨン [フランス]
ゴール / ババンギダ(オ)、ジュニーニョ(リ)、カリュー(リ)×2、ディアラ(リ)
ゲーム序盤は、ホームで強いオリンピアコスのペース。ババンギダの動きが鋭く、先制点もゲット。リバウドもまだまだやれるところを見せ、トゥレが攻守の要として効いていた。だが、徐々にペースを挽回してきたリヨン、ジュニーニョのフリー・キックがギリシャの地でも猛威を振るい、カリューのパワーと決定力が効いた。アウエーでもいつもの緩急を交えた連携が冴えたリヨン、レアル・マドリーを差し置いてグループ・リーグ通過を決めた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.11.1 グループ・リーグ 4節
ローゼンボリ [ノルウェー] 0-2 レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / OG 、グティ
3節に続いて悪くない攻撃を見せるローゼンボリ。だが、中盤を支配する局面を作ってもゴールの出来ないローゼンボリと、シュートのスペシャリスト集団のレアルとの差が得点差となった。ジダン、ロナウド、バチスタを欠いたレアル、ナゼかボールが良く廻る。グティ、中盤に上がったセルヒオ・ラモス、ロビーニョなどの連係がローゼンボリの急所を突いた。ローゼンボリではブラーテンが、レアルとの2戦を通じて実力を見せ、12月の著名クラブへの移籍を予感させた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.11.1 グループ・リーグ 4節
ベティス [スペイン] 1-0 チェルシー [イングランド]
ゴール / ダニ
ゲーム開始早々、ナノとリカルド・オリベイラが負傷退場、ベティスの勝利が遠のいたように見えた。だが、最近失点が増えて絶対的なチーム力に陰りの見えるチェルシー、これまでのようなゲームの圧倒的な支配が出来ない。オリベイラに替わったダニのゴールで先制。その後もしっくりいかないチェルシーのシステムのスキを突いて、ベティスはチャンスを作った。ホアキンも好調。負けなれていない(?)チェルシーの、決勝戦のような必死の反撃が印象的。ドログバやダフを投入したが、結局無得点でチェルシーが敗戦。だが、攻撃の核の2枚を怪我で失ったベティスは更に痛い。
イングランド プレミア・リーグ
チャールトン・アスレチック 0-1 ボルトン・ワンダラーズ
2005.10.31
ゴール / ノーラン
何とプレミア2位につけるチャールトンだが、ベントの欠場は痛い。まずまずの成績のボルトン相手に、守り合いの感が強い。中田も潰される場面が目立ったが、ゲーム終盤でアシストを見せ、好調である事を証明した。
イングランド プレミア・リーグ
ボルトン・ワンダラーズ 2-0 ウェストブロミッチ
2005.10.23
ゴール / 中田、ノーラン
ウェストブロミッチはイマイチだが、たまたまのチャンスに PK を得たが失敗、ここで決められていたら危なかった?チェルシー戦ではやられてしまった中田英寿だが、このゲームでは自ら得たフリー・キックのチャンスを結果に結びつけた。終了間際の2点目も、中田の粘りの結果であると言える。90分間走り続けた中田だが、更に強い相手でも続けて活躍出来るのか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.10.19 グループ・リーグ 3節
チェルシー [イングランド] 4-0 ベティス [スペイン]
ゴール / ドログバ、リカルド・カルバーリョ、コール、クレスポ
ゲーム序盤、チェルシーの攻勢をかわしながらパス交換でチェルシーのゴール前に進出するベティス。リカルド・オリベイラなどに可能性が感じられた。だが、やはり守備が圧倒的に強力なチェルシーからゴールは奪えず、ホアキンは同じスペイン代表のデル・オルノに止められた。このゲームではエッシェンとライト・フィリップスが非常に切れた。ベティスのミスから驚くべきスピードでドログバにボールを送ったエッシェン。ランパードからのピン・ポイントで放たれたボールを、信じ難い弾道でクレスポに送ったライト・フィリップス。チェルシーの勢いはいつの止まるのか?今シーズンは止まらないのか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.10.18 グループ・リーグ 3節
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 2-1 ユベントス [イタリア]
ゴール / ダイスラー(バ)、デミチェリス(バ)、イブラヒモビッチ(ユ)
マカーイとサンタクルスの2トップに、当然バラックの攻め上がりが絡んでくるバイエルン、新スタジアムでホームのサポーターを背に強力な攻め。ユーベはビエラの不在が大きく、替わりのジャンケッダがフォローし切れなかった。バイエルンは悪いとは言えないが完璧な状態ではなく、不安定なままで終ったユーベに救われた感も。
イングランド プレミア・リーグ 2005-06
ボルトン 1-5 チェルシー
2005.10.15
ゴール / ヤンナコプーロス(ボ)、ドログバ(チ)×2、ランパード(チ)×2、グジョンセン(チ)
ボルトンがまさかの先制、このまま逃げ切れたら・・・。だが、中田が投入された 2nd ハーフに入ってからのチェルシーの反撃は強烈過ぎ。ガードナーが退場でボルトンが更に不利に。結局チェルシーは開幕9連勝、プレミアで1年間負けナシ。ダフとロッベンの強力な両ウイングを欠いてもこの出来。
ワールドカップ 欧州予選
ベルギー 0-2 スペイン
2005.10.8
ゴール / フェルナンド・トーレス×2
このグループも混戦。体格で勝るベルギー、トップにスピードとパワーのムペンザ兄弟が入った。スペインでは、2トップがラウールとフェルナンド・トーレス。両翼にホアキンとビセンテが入って強力なサイド攻撃が見られると思ったが、イメージ通りに行かず、特にビセンテに精彩がない。1st ハーフは膠着状態だったが、ビセンテに替えてレジェスを投入、これが当たった。スピードで突破後、トーレスに左からのクロスを2本も入れた。レジェス、ビジャ、トーレスなどに攻撃の主軸を移す時期が近づいている。
ワールドカップ 欧州予選
チェコ 0-2 オランダ
2005.10.8
ゴール / ファン・デル・ファールト、オプダム
無尽蔵のスタミナを誇るバロシュの度重なるゴール前の突破、遂に PK を得たチェコだが、ロシツキのキックをファン・デル・サールが止めた。マンUに移籍して絶好調のファン・デル・サール、衰えるどころか鋭さを増しているように見える。その直後、ロッベンとのパス交換から、これまた好調を取り戻したファン・デル・ファールトがゴール。若手を積極起用しながらポイントでベテランを生かすファン・バステン監督の手腕はサスガ。結局、オランダは強かった。ここまで予選無敗。EURO 2004 でオランダを蹴落としたチェコだが、ホームで意地を見せられなかった。怪我による不在で分かる、コレルの存在の大きさ。
ワールドカップ 欧州予選
スイス 1-1 フランス
2005.10.8
ゴール / シセ(フ)、マニャン(ス)
スイスの非常にスピーディなパス交換が、手堅いハズのフランスの守備陣をかく乱。いつのまにかトップまで駆け上ってゴールを狙う最終ラインのセンデロス。ここにかつてのシャプイザのような鋭いゴール・ゲッターが入れば得点の可能性は更に高まるのだが。ジダンやマケレレなどを呼び戻して EURO 2000 の優勝当時の強さを取り戻したいフランス、アンリとトレゼゲの怪我による不在は非常に痛い。スイス相手に苦戦したが、サスガにベテランを揃えてある程度守備の安定は図られたか。結局ドロー、このグループの混戦は最終節まで続く。
テスト・マッチ
ラトビア 2-2 日本
2005.10.8
日本が相手でも、ラトビアの陣形は変わらない。1st ハーフ、攻める日本に対して、ホーム・ゲームとは思えないくらいのカウンター狙い。高原のスーパー・ゴールと PK が無ければ、守り切られた可能性もある。2nd ハーフでスタミナ切れを起こした日本だが、中村は好調だし、ル・マンの松井が十分戦力になるのが確認出来たのは大きい。大久保にも、更に一歩前進してほしいものだ。
ワールドカップ 欧州予選
イングランド 1-0 オーストリア
2005.10.8
ゴール / ランパード(PK)
スタジアムはオールド・トラッフォード、ルーニーはサスペンションでファーディナンドが先発を外れるなどで、何と先発にマンU所属選手がゼロ。現在の主力はやはり、チェルシーとリバプールから。トップにはリバプールのクラウチ、高さと足元のウマさで、遂に最重要のゲームで代表の先発となる。フォーメーションは 4-4-2 に戻された。ボールは良く廻るが得点に結びつかないという状況には大きな変化はない。ランパードかジェラードの前線への飛び出しが求められたが、オーストリアも良いチームで、ゲームがイングランドの思惑通りには行かない。ランパードの PK で辛くも勝利、各グループの2位のチームの好成績の2チームに滑り込み、プレー・オフは免れた。得点力を上げないと、本番では厳しいだろう。
イングランド プレミア・リーグ
リバプール 1-4 チェルシー
2005.10.2
ゴール / ランパード(チ,PK)、ジェラード(リ)、ダフ(チ)、コール(チ)、ジェレミー(チ)
プレミア・リーグの最も興味深いカードが、マンU対アーセナルからこちらのカードに移った?チャンピョンズ・リーグで対決したばかりの両者だが、少しのミスが命取りになる緊迫感、この時期としては異常。リバプールのトップのクラウチ、チェルシーに押さえ込まれて持ち味を消されてしまった。チャンピョンズ・リーグではリバプールの中盤が押し気味であったが、このゲームではエッシェンとマケレレが強さを発揮。ジェラードがサスガの同点弾を叩き込んだところまでは互角とも見えたが、アウエー・ゲームでも強いチェルシーが3点差をつけて勝ってしまった。プレミアでは8連勝、記録的な早さで優勝を確実にし、年明けはチャンピョンズ・リーグ制覇に専念するという図式が現実化してきた。チェルシーを止めるのはどこだ??
イタリア セリエA
ユベントス 2-0 インテル
2005.10.2
ゴール / トレセゲ、ネドヴェド
例年になく守備が安定し、チーム状態も良いインテル。セリエAでユーベとミランに対抗し、チャンピョンズ・リーグでも躍進を狙うが、このゲームではユーベにやられた。何と言っても、アーセナルから移籍のビエラの存在感が圧倒的。エメルソンとの連係が悪くないどころか、守備と攻撃両面に2人で貢献、中盤を支配した。トレセゲとイブラヒモビッチの2トップも強力。フィジカルとテクニックの両面で相手を圧倒する力強さは、中田英寿在籍時のローマを連想させた。ユーベは6連勝。2トップが両者とも怪我で退場したのは気掛かり。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.9.29 グループ・リーグ 2節
ローゼンボリ [ノルウエー] 0-1 リヨン [フランス]
ゴール / クリス
相変わらず大型選手を揃えて強力サポーターをバックにして、リヨンを結構苦しめたローゼンボリ。このゲームを見る限りはローゼンボリは悪くない。だがリヨンにウマさで逃げられてしまいった。チャンスに得点出来ないと今後は苦しい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.9.27 グループ・リーグ 2節
バルセロナ [スペイン] 4-1 ウディネーゼ [イタリア]
ゴール / ロナウジーニョ(バ)、フィリペ(ウ)、ロナウジーニョ(バ)、デコ(バ)、ロナウジーニョ(バ,PK)
得点源のイアキンタを欠いたウディネーゼだが、1st ハーフでは時折カウンターを繰り出してバルサ・ゴールに迫った。一度は同点に追いついたが、ビディガルの退場以降はジリ貧になり、結局は敗戦。ロナウジーニョはサスガのプレー、デコにフリー・キックを譲るなど余裕でハットトリック。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.9.27 グループ・リーグ 2節
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 2-1 ベンフィカ [ポルトガル]
ゴール / ギグス(マ)、シモン(ベ)、ファン・ニステルローイ(マ)
怪我人が増え続け、ルーニーが出場停止、サブに若手の見慣れない名前が並び、中盤の底にスミスを入れ続けるマンU。プレミアでの序盤戦では勝ち点が上積み出来ず苦戦、このゲームでも相手ゴールに攻め込む勢いに欠ける。ボール支配率は高く、前線にボールは出るがゴールに嫌われ続ける。逆にカウンターで時折良い形が出来るベンフィカ、ミッコリとヌーノ・ゴメスが可能性を感じさせる。ギグスのラッキーなゴールで先制したが、ベンフィカでキャプテン・マークを付けたシモンのフリー・キックで同点とされ、マンUにとってイヤな流れに。結局ファン・ニステルローイのゴールで勝ち点3を獲得出来たが、同グループの他のチームが乗り切れていないのにも救われている。
イングランド プレミア・リーグ
チェルシー 2-1 アストンビラ
2005.9.24
ゴール / ムーア(ア)、ランパード(チ)、ランパード(チ,PK)
チェルシーが何とプレミア7戦目にして初の失点、しかし逆転で7連勝。既に連覇は確定か!?デル・オルノが怪我で不在の他はベスト・メンバー、エッシェンが馴染んでチームは更に強固に。
ドイツ ブンデスリーガ
ハンブルガーSV 2-0 バイエルン・ミュンヘン
2005.9.24
ゴール / ファン・デル・ファールト、トロコフスキー
昨シーズンも含め何と15連勝中のバイエルンだが、ここで好調のハンブルガーに敗れる。バイエルンがとてつもない強さを見せると期待したが、連勝中のワリには良くなく、逆にハンブルガーの強さが目立った。アヤックスから移籍したファン・デル・ファールトが、攻守に目を見張る働きを見せた。このペースをオランダ代表に持ち込めば、十分に貢献出来るだろう。両サイドを活かしたチーム全体の連動性は、明らかにバイエルンを上回っていた。バルバレスとラウトの2トップは良い組み合わせで、残念ながら高原が入る余地はなかったか。
オランダ エールディビジ
AZ 4-2 アヤックス
2005.9.18
ゴール / スナイデル(ア)×2、アルフェラーゼ(A)×2、ペレス(A)×2
監督がファン・ハールに交代したが AZ は5連勝、昨シーズンよりパワー・アップさえしているか。5試合で9得点のアルフェラーゼ、ペレスの2ツのファイン・ゴール、前線での圧倒的なボール廻し。アヤックスに反撃を食うなどやや攻撃偏重気味だが、ゲームは面白いし、このまま突っ走ってもらってビッグ3以外のチームの優勝を見せて欲しい。PSV も主力を奪われてサスガに戦力ダウン、アヤックスとフェイエノールトが乗り切れていないし、今がチャンス。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
アトレティコ・マドリード 2-1 バルセロナ
2005.9.18
ゴール / エトー(バ)、フェルナンド・トーレス(ア)、ケジュマン(ア)
アトレティコ、まるで何かの決勝戦のように強烈なアタックを仕掛ける。バルサのパス・ワークも寸断される。今シーズンのバルサに対する各チームの対応は非常に厳しいものがあり、リーガの連覇とチャンピョンズ・リーグ制覇への道のりは険しいものとなるであろう。アトレティコではマルティン・ペトロフ、左サイドを突破してのクロスをフェルナンド・トーレスに合わせるなど、このゲームのアトレティコの出来を象徴していた。
UEFA カップ 1回戦 1st leg
2005.9.15
ボルトン・ワンダラーズ [イングランド] 2-1 ロコモティフ・プロブティフ [ブルガリア]
ゴール / ヤンチェフスキ(ロ)、ディウフ(ボ)、ボルヘッティ(ボ)
イバン・カンポ、ディウフ、オコチャなどの実績あるプレーヤーが、生き生きとプレーしている。中田英寿も運動量とスピードを生かして自由にポジションを変え、キラー・パスを狙い続ける。イタリアでの指示されたポジションに張り付いてのプレーでなく、日本代表でのチームを引っ張る局面に応じたプレーに近いものがあった。ゲーム終了直前での攻撃的なポジション取りが、ボルヘッティの決勝点に繋がるアシストを生み出した。アラダイス監督率いるボルトン、選手の長所を最大限に生かしつつチームの連動性も保ち、強力なチームを作り上げている。対するロコモティフ・プロブティフは全く知らないチームだったが、粘り強い守備力とパス・ワークとスピードを活かした攻撃でボルトンからアウエー・ゴールを奪った。何れにしろ、中田のチームへのフィットはまだまだだし、2nd leg こそのシーズン序盤の正念場となるであろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.9.14 グループ・リーグ 1節
アーセナル [イングランド] 2-1 トゥーン [スイス]
ゴール / ジウベウト・シウバ(ア)、フェルナンデス(ト)、ベルカンプ(ア)
ファン・ペルシーがレッド・カードを食って退場、格下と思われたトゥーンの反撃で同点にされ、負けに等しい引き分けに持ち込まれるところだった。途中出場のベルカンプが、ディフェンダーを振り切っての信じられないパフォーマンスから決勝点を奪う。ゲーム終了間際のワン・プレーで得点が確実なのであればベルカンプはまだまだチームに貢献出来る、引退を先延ばしにされる意味が分かろうというもの。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.9.13 グループ・リーグ 1節
リヨン [フランス] 3-0 レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / カリュー、ジュニーニョ、ビルトール
エッシェンがチェルシーに引き抜かれ、ル・グエン監督が退任するなど、弱体が懸念されたリヨン。だが、弱体化どころか更に強力なったか?中盤ではディアラとチェルシーからのティアゴが組んでエッシェンの穴を何とか補強。だが、何と言ってもカリューの加入が大きく、前線のターゲットとして十分なだけでなく、得点が奪えているのが大きい。ジュニーニョ・プレナンブカーノのフリー・キック、相変わらず強力な武器になっている。レアルの攻守の組織が確立していない為でもあるが、無失点で乗り切ったリヨンはディフェンスも強い。レアルではジダンとロナウドが欠場、二人とも不在だと現在のレアルの状態では穴を埋められない?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.9.13 グループ・リーグ 1節
ミラン [イタリア] 3-1 フェネルバフチェ [トルコ]
ゴール / カカ(ミ)×2、アレックス(フ,PK)、チェフチェンコ(ミ)
アネルカ、トゥンジャイ、アレックス、アッピイアーなどと、結構怖い選手が並んだフェネルバフチェ。だが、アウエーでベスト・メンバーのミランを倒すまでには至らない。先発にビエリが入ったこと以外は何いつも通り強いとしか言えないミランなんだが、現在のカカの切れは凄い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.9.13 グループ・リーグ 1節
ベティス [スペイン] 1-2 リバプール [イングランド]
ゴール / シナマ・ポンゴル(リ)、ルイス・ガルシア(リ)、アルス(ベ)
既に予備戦を6試合も消化しているディフェンディング・チャンピョン、リバプール。先発にシナマ・ポンゴルとクラウチという意外な2トップを起用、ジェラードやリーセを外して、ベニテス監督は一体どうするのか?良くメンバーを見ると、ルイス・ガルシア、シャビ・アロンソ、レイナなどリーガ・エスパニョーラ経験者を多く起用し、スペインでのアウエー対策は万全。ゲーム序盤から積極的に仕掛け、1st ハーフで2得点。長身のクラウチの存在が、予想以上にベティスを苦しめた。ホアキンやアスンソンなどが、ホームのサポーターの期待を受けて反撃に出るが、守りに入ったリバプールを崩し切れなかった。リバプールとチェルシーと同居したベティス、初参戦のチャンピョンズ・リーグでどこまで通用するかと期待していたが、ホームでの初戦を落として苦しくなってしまった。
ワールドカップ 欧州予選
北アイルランド 1-0 イングランド
2005.9.7
ゴール / ヒーリー
イングランド、敗れる。北アイルランド、当然ながら守備は厳しく行かざるを得ないが、ホームの利を生かしてギリギリの線で踏み止まった。2nd ハーフには、ヒーリーによる待望のゴールを奪い、遂に逃げ切って歴史的な勝利。イングランドはベストと思われるメンツ。中盤にジェラード、ベッカム、ランパードを並べた。ベッカムのロング・ボールとジェラードとランパードの攻撃力を生かそうとする布陣。だが、ジェラードとランパードは各チームでは攻守の要だが、この3人の関係、3人とチームの連係が十分ではなかった。しかもジェラードとランパードが不調。監督とベッカムに批判が集中しているようだが、メンツはベストであり、それを生かそうとした布陣が裏目に出ただけ。ただ、テリーの怪我は痛いかも。ファーディナンドとテリーの2人が共に攻撃の起点となれるディフェンダーであり、次節は何としても出て欲しいところ。ベッカムも、先発するとすれば右サイドか。中盤の底にはマケレレのようなタイプかピルロのようなタイプが欲しいが、これは、そんなヤツがいればもう代表入りしている、ということで。
ワールドカップ 南米予選
ブラジル 5-0 チリ
2005.9.3
ゴール / フアン、ロビーニョ、アドリアーノ×3
やはり強い現在のブラジル、文句ナシの本選進出。カカ、ロビーニョ、アドリアーノと居並ぶ攻撃陣、ピサロが好調のチリ代表も打つ手なし。ロナウドも先発しており、連係プレーには見るものもあったが、やや影が薄かった。これでロナウジーニョ、バチスタ、リカルド・オリベイラ、シシーニョなどが不在、ジュニーニョ・プレナンブカーノもサブ。今年のコンフェデで連携が作れたのはプラス。あとはやはり、本番までの1年間好調をキープ出来るかが課題。
ワールドカップ 欧州予選
ルーマニア 2-0 チェコ
2005.9.3
ゴール / ムトゥ×2
パス・ワークと個人技の融合で攻撃的なサッカーを見せるチェコだが、ガラセクとロシツキという要の選手が不在。相変わらず相手チームを威圧するトップのコレルを軸に攻めるが、ルーマニアの固い守備に阻まれる。このゲームでのルーマニアはホームのサポーターをバックに付けて好調、ややカウンター気味に攻める。蘇ったエースのムトゥの活躍もあってルーマニアがチェコを破り、緊迫した良いゲームを見せられた。
ワールドカップ 欧州予選
ウェールズ 1-0 イングランド
2005.9.3
ゴール / J・コール
怪我のテリーに替わってキャラガーが入ったディフェンスだが、問題なく安定。中盤の底に入ったベッカムから右サイドのライト・フィリップスへの正確なロング・クロスが何本も入る。トップのルーニーが驚異を与え続ける。イングランドの選手の個々の能力が高く、パスとトラップが見事に決まる。対するウェールズ、攻撃に冴えが見られなかったが守備への集中力を見せてイングランドの攻撃を抑えた。アンラッキー気味の失点がなければドロー。イングランドは非常に安定し、確実に勝ち点3を奪ったが、かつてなく高いチーム力が本番で通用するのか、見物。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
カディス 1-2 レアル・マドリード
2005.8.28
ゴール / ロナウド(レ)、パボーニ(カ)、ラウール(レ)
バチスタの加入は大きい。中盤はどこでも出来そうだし、状況に応じてトップにも入るだろう。ついこの間までサントスでプレーしていたロビーニョの、加入して数日とは思えない連係と(ブラジル代表が計4人だが)鋭い動きも凄い。間もなくベストの布陣が決まるだろうし、今シーズンのレアルの攻撃陣には期待大。だが、一部昇格のカディスのモチベーションは非常に高く、リーガてのアウエーでの守備は引き続いての課題だろう。
ジョアンガンペル・カップ
バルセロナ [スペイン] 2-2 (PK 2-4) ユベントス [イタリア]
ゴール / デル・ピエーロ(ユ,PK)、イニエスタ(バ)、ファン・ブロンクホルスト(バ)、トレゼゲ(ユ,PK)
シーズン開幕直前の両チームにとって、テスト・マッチとしては申し分のないカード。ユーベの補強は例によって守備重視、ビエラ、ロベルト・コバチ、ジャンニケッダなどはチームを安定させる。一方、怪我から戻った選手も多く、補強ではファン・ボンメルが目立った程度のバルサ。このゲームの先発からデコやエトーを外して、よりテストらしい布陣のバルサだったが、組織的な攻撃は更に成熟度を増した感がある。目立ったのが18歳のメッシ、スピードとテクニックに加えて鋭いパスもあり、ロナウジーニョやデコの単なる控え選手以上の活躍を見せるかも。2nd ハーフには超強力なユーベの守備陣を突破して2得点、チャンピョンズ・リーグでも面白いサッカーが見られそう。テュラムやブッフォンの怪我が痛いユーベだが、このゲームで修正を加えて、手堅さを見せ続けるだろう。
(記2005.8.27)
UEFA チャンピョンズ・リーグ
2005-06 シーズンの組み分け決定
A組 / バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、ユベントス(イタリア)、クラブ・ブリュージュ(ベルギー)、ラピッド・ウィーン(オーストリア)
B組 / アーセナル(イングランド)、アヤックス(オランダ)、スパルタ・プラハ(チェコ)、トゥーン(スイス)
C組 / バルセロナ(スペイン)、パナシナイコス(ギリシャ)、ブレーメン(ドイツ)、ウディネーゼ(イタリア)
D組 / マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、ビジャレアル(スペイン)、リール(フランス)、ベンフィカ(ポルトガル)
E組 / ACミラン(イタリア)、PSVアイントホーフェン(オランダ)、シャルケ04(ドイツ)、フェネルバフチェ(トルコ)
・・・ミランとPSVに、今シーズは良さそうなシャルケが入り、厳しいグループになった。
F組 / レアル・マドリード(スペイン)、リヨン(フランス)、オリンピアコス(ギリシャ)、ローゼンボリ(ノルウェー)
G組 / リバプール(イングランド)、チェルシー(イングランド)、アンデルレヒト(ベルギー)、ベティス(スペイン)
・・・リバプールとチェルシーが同組、更にベティスが。
H組 / インテル・ミラノ(イタリア)、ポルト(ポルトガル)、グラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)、アルトメディア(スロバキア)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.8.24 予選3回戦 2nd leg
アヤックス [オランダ] 3-1(agg 5-2) ブロンビー [デンマーク]
ゴール / エルマンデル(ブ)、バベル(ア)、スナイデル(ア)×2
1st ハーフ、攻め込むアヤックスと引いた守備とカウンターのブロンビー、だが決定的なチャンスは同程度。本選出場へのモチベーションが高く集中力が切れないブロンビーは、アヤックスにとって驚異。しかし、例によって若い選手を使ってその若さをチーム力に生かそうとするアヤックスが、2nd ハーフに本領を発揮。マドゥロ、得点したバベルなどが、今シーズンのカギになるだろう。途中出場で2得点のスナイデルにも、主力として期待がかかる。
イングランド プレミア・リーグ
チェルシー 1-0 アーセナル
2005.8.21
ゴール / ドログバ
早くも激突した、一昨シーズンの無敗優勝チームと昨シーズンの一敗での優勝チーム。昨シーズンは図らずも極端にチームが若くなり、若干の未熟さをスピードと新鮮さでカバー仕切れなかったアーセナル、だがリーグ二位という結果は申し分ない。ビエラはユベントスに去ってしまったが、昨シーズンはビエラ不在のゲームも多かったし、セスクやフラミニなどの成長が期待され、新加入のフレブの存在感も大きい。圧倒的に強かったディフェンディング・チャンピョンのチェルシー、慎重な守備からシーズンをスタートさせたのは昨シーズンの序盤と同じ状況?新加入のデル・オルノは早くもチームに馴染んでおり、両サイドバックが固まって守備は安泰。大枚をはたいて移籍させたライト・フィリップスとエッシェンは、サスガにゲームのテンポを大きく変える力を持っている。だが、怪我でもないコールやカルバーリョがベンチ入りすら出来ない状況は、本人ならずとも何とも納得し難い。アーセナルは早くも負けが先行したが相手が悪かっただけ、いずれチェルシーとマンチェスター・ユナイテッドとで覇権を争うのは間違いない。
テスト・マッチ
オランダ 2-2 ドイツ
2005.8.17
ゴール / ロッベン(オ)×2、バラック(ド)、アザモア(ド)
ファン・ニステルローイ、ロベン、カイトのオランダの3トップが、超強力。守備と中盤はクロンカンプやランザートなどの 04-05 シーズンのAZの選手が中心、安定度が高い。1st ハーフは、ロッベンにやられまくるなどドイツの守備陣が押し込まれた。ポテンシャルは非常に高いが経験不足の感が強いメルトザッカーを使い続けているのは来年の本番を見越しての事だろうが、ベテランを投入してもやはり不安定な守備、ドイツらしくない。だが、ここ数年の前線の駒不足とは逆に、攻撃的な良い選手が出てきているドイツ。テスト・マッチにもかかわらず面白いゲームを提供した両チームだが、結局2対2のドロー。イメージ的な強さとゲームの面白さ、サッカー大国として必要な結果。来年の本番までに、どうまとめて来るのだろうか?
イングランド プレミア・リーグ
ウィガン・アスレチック 0-1 チェルシー
2005.8.14
ゴール / クレスポ
ディフェンディング・チャンピョンがプレミアへ昇格したチームに圧勝するかと思われたが、ウィガンは手強かった。チェルシーを上回る集中力でタイトな守備を貫き、鋭いカウンターで何度もチャンスを作った。トップのカマラにボールが渡ると脅威となった。チェルシーの3トップ、ドログバ、ロッベン、ダフの連係も、このゲームでは今イチであった。チェルシーを救ったのは、ミランへの完全移籍にこだわり続けたクレスポ。結局は残留したクレスポ、前線への強力なサポートはミランとチェルシーは同レベル、お膳立てさえ問題なければ決定力を見せ付けるだけで済む。初戦から予想外の激戦になったが、両チームにとって良い刺激になったのではないだろうか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.8.10 予選3回戦 1st leg
CSKA ソフィア [ブルガリア] 1-3 リバプール [イングランド]
ゴール / シセ(リ)、モリエンテス(リ)×2、ディミトロフ(ソ)
予選も3回戦に入ると、目に見えてチームのレベルが上がる。だがブルガリア・チャンピョンと言えども、リバプールの個々のタレントの質に並ぶまでには至らない。モリエンテスの、らしいプレーを久々に見た。シセのゴールに続くリバプールの2点目は、ジェラードの完璧なクロスに合わせた完璧なヘディング。いよいよ先発メンバーの絞込みに入ったリバプール、土曜に開幕するプレミアでチェルシーの連覇を阻む事が出来るか?現時点では難しそうに思えるが、果たして?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.8.9 予選3回戦 1st leg
エバートン [イングランド] 1-2 ビジャレアル [スペイン]
ゴール / フィゲロア(ビ)、ビーティー(エ)、ホシコ(ビ)
予選3回戦に出場しているイングランドの3クラブ、そのうち最も厳しい相手と当たったエバートン。昨シーズンに続いてスピーディな好チームに仕上がりそうな予感はするが、リケルメ、ソリン、フォルランなど南米の代表クラスが居並ぶビジャレアルとでは苦戦は免れない。ゲーム序盤の潰し合いから、1st ハーフ後半にエバートンの速攻が冴え始めたと思ったら、それ以上の速攻を見せて先制したビジャレアル。ビーティーの同点弾で意地を見せたが、ビジャレアルの狡さとウマさとで逃げ切られた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.8.9 予選3回戦 1st leg
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 3-0 デブレチェニ [ハンガリー]
ゴール / ルーニー、ファン・ニステルローイ、ロナウド
ハンガリーの覇者が相手でも、マンUのタレントの優位は揺るがない。このゲームでいずれも得点した3トップの連係が完璧になれば、どんな相手でも止めるのは不可能だろう。だが、日本でアントラーズに苦戦したように、このゲームの 1st ハーフでも思ったように得点できなかった。昨シーズンの後半から3トップに移行したマンUだが、このシステムがチェルシーのように十分に機能していないのかもしれない。今シーズンのマンUの実力は、プレミアが開幕するまでは分からない。
スコットランド プレミア・リーグ
セルティック 2-0 ダンディー・ユナイテッド
2005.8.7
ゴール / ハートソン、ビーティ
2003年の UEFA カップの決勝でポルト相手に大健闘したセルティックだったが、今シーズンはチャンピョンズ・リーグの2回戦で敗退して UEFA カップにも進めず(超がっかり)。スコットランドのクラブ・チームは、常勝のレンジャースとセルティックと言えども、欧州で通用するタレントを引き止めておくのは難しく、強いチームが持続出来ない。オニール監督も去った。現在のセルティックは、欧州の強豪と比較すれば、守備に問題があるように見える。しかし攻撃陣には希望の兆しが。重戦車のハートソンが健在、有望な若手選手もおり、サットンが復帰して全盛期のパフォーマンスを見せれば攻撃のバリエーションも増える。そんな中、期待の中村俊輔がデビュー戦としては申し分ない活躍を見せた。得点にはならなかったが、惜しいフリー・キックとループ・シュートもあって、十分にアピールした。日本人的な遠慮を垣間見せる場面もあったが、更に一歩前へ出て得点に絡んで欲しいものである。ここで活躍出来なければ、スペイン移籍も何もない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.8.3 予選2回戦 2nd leg
リバプール [イングランド] 2-0 (agg 5-1) カウナス [リトアニア]
ゴール / ジェラード(リ)、シセ(リ)
若手を試すなど、リバプールは完全にテスト・マッチのペース。新戦力では、ゼンデンとシソッコは問題ない。もう少し、得点に直結する明確な攻撃の形が提示されてば良かったが、UEFA スーパー・カップなどでは、ベスト・メンバーによる新シーズンのリバプールの姿が見られるのだろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.7.26 予選2回戦 1st leg
カウナス [リトアニア] 1-3 リバプール [イングランド]
ゴール / バレビシウス(カ)、シセ(リ)、キャラガー(リ)、ジェラード(リ,PK)
チャンピョンズ・リーグの2回戦を迎えたリバプール。カウナスは良いチームだが、このあたりでもリバプールの選手との力量差はまだまだ大きい。プレミア・リーグ開幕まで1ヶ月近くあるリバプール、本番とテスト・マッチの中間のような微妙な戦い方が続く。怪我に至るような厳しいせめぎあいは出来るだけ避け、ゴール前でチャンスがあればギアをトップに入れる。結果は上々。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.7.20 予選1回戦 2nd leg
TNS [ウエールズ] 0-3 (agg 0-6) リバプール [イングランド]
ゴール / シセ、ジェラード×2
イングランド・プレミア・リーグを5位で終え、ビッグ・イヤーを獲得したにもかかわらずチャンピョンズ・リーグの出場権を獲得出来なかったリバプールへの特例措置、予選1回戦への参入。幸か不幸か(?)、7月のこの時期に早くもリバプールの公式戦を観戦。新加入のゼンデンとレイナが先発したが、この段階ではまだまだチームにフィットしているかどうかは判断出来ない。新シーズンに向けてチームを構築中の途上で、別格の働きを見せたのがジェラード。2nd ハーフの後半に登場し、相手のスキを突いての2ゴールは見事過ぎる。ジェラードの残留は、リバプールにとっては極めて喜ばしい事態である。
リベルタドーレス・カップ 決勝 2nd leg
サンパウロ 4-0 (agg 5-1) アトレチコ・パラナエンセ
2005.7.14
ゴール / アモローゾ、ファボン、ルイゾン、D・タルデーリ
サンパウロ、1st leg ではアウエーで苦戦したが、ホームでは良いゲームを見せて見事に優勝。欧州から帰ったアモルーゾやジュニオール、コンフェデで活躍したシシーニョなど、タレントでパラナエンセを凌駕した。今年からトヨタ・カップが世界大会に変貌、このゲームのような内容で戦えば優勝は十分に狙える。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ 決勝
ブラジル 4-1 アルゼンチン
2005.6.29
ゴール / アドリアーノ(ブ)×2、カカ(ブ)、ロナウジーニョ(ブ)、アイマール(ア)
準決勝から決勝まで3日のインターバルを置いて完全にリフレッシュしたブラジル、今大会のベスト・メンバーで決勝を迎えた。攻撃陣の連係が更に良くなり、長い距離のパスがつながりまくる。驚異的なゴールを連発するアドリアーノ、右サイドのロベルト・カルロスとも言うべきシシーニョの攻め上がりとパス、キャプテン・マークを巻いて中心選手としての自覚を見せたロナウジーニョなどが良い。エメルソンとホッキ・ジュニオールは、現在のブラジル・セレソンに安定感をもたらし、チームのバランスを保っている。一方、準決勝のメキシコ戦でPKまでもつれ、決勝まで2日しか休めていないアルゼンチンは、やはり不利。今大会のアルゼンチンの攻撃にアクセントを与えていたサビオラがサスペンションなのは痛い。フィゲロアの存在感は消え、リケルメのボールの精度も疲労からか落ちていた。ブラジルの一方的な展開になったが、コンフェデの決勝と言えども、6月8日のワールド・カップ予選でのゲーム内容の濃さよりは真剣度が若干落ちる。アルゼンチンの抵抗に厳しさが欠けていたのは止むを得ない。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ 準決勝
アルゼンチン 1-1(PK 6-5) メキシコ
2005.6.26
ゴール / サルシド(メ)、フィゲロア(ア)
アルゼンチンの攻撃のサエに陰りが見えたが、ブラジルを0点に封じ込めたメキシコのディフェンスがここでも効いた。この大会での安定感は、ギリシャよりも上、ドイツをも凌駕するかも(3位決定戦で分かる)。本大会でも、今回のメキシコのような粘りのあるチームが躍進して欲しいものである。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ 準決勝
ブラジル 3-2 ドイツ
2005.6.25
ゴール / アドリアーノ(ブ)×2、ポドルスキー(ド)、ロナウジーニョ(ブ,PK)、バラック(ド,PK)
双方の1ツづつのPKは余計に思えたが、1st ハーフは互角の出来。ブラジルの守備のスキを突くドイツのパスが良く通った。現在のドイツの中では、ダイスラーの創造的なプレーがかなり重要。2nd ハーフは両チームのペースが落ちだが、その気になったアドリアーノは止まらなかった。だが、ブラジルの攻撃は確かに凄いが、今大会のドイツのディフェンダーは、フートに代表されるように異例に若い。ワールド・カップ本番までの一年間で守備が整備されれば、やはりドイツは優勝候補だろう。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ
日本 2-2 ブラジル
2005.6.22
ゴール / ロビーニョ(ブ)、中村(日)、ロナウジーニョ(ブ)、大黒(日)
やはりブラジルは強い。アドリアーノの動きはグループ・リーグの3戦の中で最も重く、カカも中央突破に消極的。ロナウジーニョも調子が悪そうだが、キャプテン・マークを巻いての責任感で、90分間のプレーを完遂した。中央でのエメルソンの不在が大きく、ジウベウト・シウバも十分ではなく、不調の前線へのフォローが甘かった。そんな中でも、日本のプレスの間隙を突いてのピン・ポイントのパス、ロビーニョとロナウジーニョのブラジル的な見事なコンビネーションで2得点。アドリアーノの交代に入ったのがバチスタ、選手層も厚い。ワールド・カップの本番では全く違う出来になるだろう。日本代表の出来が、これまでのブラジル戦の中でも最も良かったのは間違いない。多少相手のプレスが緩かったとはいえブラジルの中盤を掻い潜る事が出来たし、中田英のパス、中村の見事なキックなど、ブラジルより良かった要素が幾つもあったのは大きい。現在のブラジルに勝ち切るのは、確かに難しい。ただ、メキシコがブラジルに勝てたように、日本もブラジルに勝つ可能性がなくもなかっただけに残念。中村の得点の直後に畳み掛けるように攻める事も出来たように思えるが、攻守のバランスが崩れてブラジルにカウンターを食ったろうか。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ
ドイツ 2-2 アルゼンチン
2005.6.21
ゴール / クラニー(ド)、リケルメ(ア)、アザモア(ド)、カンビアッソ(ア)
両チーム共にワールド・カップ出場は決定、コンフェデもグループ・リーグ突破、今後に向けてテストを行いながらチーム力を上げて行く為のモードに突入。ドイツは、バラックが不在時のチーム力の維持が課題。アルゼンチンは、多すぎるタレントからの絞込みが目標という、贅沢過ぎる状況。リケルメの存在感は大きいが、それに頼り過ぎてもいないアルゼンチンの状況は理想的。だが、本番の一年前が理想的な状態というのは逆に危険である、というのは幾多の例が示している。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ
メキシコ 1-0 ブラジル
2005.6.19
ゴール / ボルヘッティ
ブラジルが敗れた!日本戦に続いてのメキシコの軽やか連係、ブラジル相手にも通じてしまった。PKのやり直しでゴールを奪われたに等しいボルヘッティの、意地のヘディングも見事。キーパーのサンチェスも良い。ブラジルは日本を安全パイと見てペースを落としたのかもしれないが、負ける事はないだろう、という感じ。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ
日本 1-0 ギリシャ
2005.6.19
ゴール / 大黒
ギリシャがブラジル戦の 1st ハーフのように来たら日本の苦戦は必至だったが、アドリアーノのシュートのショックが抜け切らないのか、欧州王者とは思えないダメダメぶり。中田、中村、小笠原という日本の中盤は、ギリシャのゴールまで素通り状態。ザゴラキス不在の為かもしれないが、ギリシャのコンディションは明らかに悪い。ワールド・カップ予選のトルコ戦は確かにこのメンバーで悪くはなかったのだが、コンフェデを向けるに当たっては疲れたベテランばかり、世代交代するつもりは全然ないのだろうか?2nd ハーフは、ブラジル戦の 2nd ハーフ以上に足が止まっていた。日本の大金星とは言えるが、この完全に優勢な状態で得点が1点というのはいただけません。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ
アルゼンチン 4-2 オーストラリア
2005.6.20
ゴール / フィゲロア(ア)×3、リケルメ(ア,PK)、アロイージ(オ,PK)、アロイージ(オ)
クレスポ不在の時にはいつも結果を出すフィゲロア、選手層の厚さはブラジルと双璧。続けて使われているサビオラの動きもまずまず。だが、ドイツ戦に続いて得点のオーストラリア、アロイージが2試合で4点。来年からアジア入りするオーストラリア、日本にとっても大変な事になってきたのか。
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ
ブラジル 3-0 ギリシャ
2005.6.16
ゴール / アドリアーノ、ロビーニョ、ジュニーニョ
強力な守備力が健在のギリシャ、メンツは相変わらず。1st ハーフでは欧州を制した組織力を見せた。対するブラジル、ロナウドが引き続き不在、ロベルト・カルロス、カフーの両サイドが若手に替わっているが、それ以外はワールド・カップ予選から引き続きの強力メンバー。ギリシャは何とかブラジルからの失点を防ごうと集中していたが、そのプランを崩したのが怪物アドリアーノの左足、遠めからのシュートが信じ難いスピードでゴールへ。2nd ハーフ開始直後、期待のロビーニョの技アリのシュートで2点、この時点でギリシャのモチベーションが目に見えて下がってしまった。ブラジルから短時間で2点以上奪って逆転する攻撃力は、ギリシャにはない。EURO の決勝で炸裂したハリステアスのヘディングに期待がかかるが、クロスが上がらない。2nd ハーフに登場したジュニーニョ・プレナンブカーノの得意のフリー・キックも決まり、ブラジルの完勝。ロナウジーニョとカカは、先日のアルゼンチン戦と違って余裕のプレー。敗れたとはいえギリシャの守備は強力、ブラジルの驚くべき攻撃力、日本はこれからの2試合をどのように戦うのか?得点できるのか?
FIFAコンフェデレーションズカップ ドイツ
ドイツ 4-3 オーストラリア
2005.6.15
ゴール / クラニー(ド)、スココ(オ)、メルテザッカー(ド)、アロイージ(オ)×2、バラック(ド,PK)、ポドルスキー(ド)
シュバインシュタイガーとポドルスキーという新鋭にバラックなどのベテランが絡むと、ドイツの攻撃が近年にないほどスペクタクルになる可能性がある。だが、ディフェンスの主力が欠けると守備に不安が出る事も判明。1年を切ったワールド・カップに向けて、ドイツ代表はどのようなシステムに収まって行くのだろう。オーストラリアの、ドイツに負けないフィジカルの強さにも目を見張った。今後は日本の直接のライバルとなるオーストラリア、2010年大会の予選に向けてその動向には注意が必要となる。
ワールドカップ 欧州予選
ロシア 2-0 ラトビア
2005.6.8
ゴール / アルシャビン、ロスコフ(PK)
EURO 出場を果たし、ドイツと引き分けるなど曲者ぶりを発揮したラトビア。タレントの不足を驚異的な集中力で補いベルパコフスキスのスピードと決定力に賭けるという戦術は相変わらず、スタメンの顔ぶれも EURO の時とさほど違わない。対するロシア、今回の予選で大幅に世代交代した。チェルシーのスメルティンがベテランに入るという若さ、UEFA カップで優勝した CSKA モスクワのアキンフェフやジルコフなどがスタメン。ベルパコフスキスがチャンスを何度も逃し、ラトビアに疲労の色が見え、ロシアが2得点。ロシアが予選を突破すれば、本大会で予想外の結果を出すかもしれない。
ワールドカップ 南米予選
アルゼンチン 3-1 ブラジル
2005.6.8
ゴール / クレスポ(ア)×2、リケルメ(ア)、ロベルト・カルロス(ブ)
両国とも予選通過は確実、ミランの選手が双方にいるなど顔なじみも多く、ゲーム前は和やかな雰囲気、ゲームも親善試合的になると予想された。だが、ホームのアルゼンチンの選手の攻めは親善試合どころではなかった。怒涛の攻撃で 1st ハーフで3点、絶好調のクレスポが2点。何と言ってもリケルメの存在感は絶大、ヒール・パスを交えた連係からのミドル・シュートは凄かった。ルイス・ゴンザレス、サビオラ、ソリンなどもチームへの貢献度が高かった。だが、サズガに 2nd ハーフのブラジルは 1st ハーフの劣勢と取り返す体勢となり反撃。残念ながら、流れに乗り切れなかった期待のロビーニョは交代してしまった。ロナウジーニョ、カカ、アドリアーノがアルゼンチンのゴールに迫るものの、パス交換がやや遅く、アルゼンチンの守備の集中力も切れなかった為、決定的な形が作れなかった。そんな中、ロベルト・カルロスが久々のスーパー・ゴール。ゴールまでかなり距離があったフリー・キックだが、キーパーのアボンダンシエリもどうしようもないスピードでゴール隅に決まってしまった。アルゼンチンの勝利への執念は、2002年での失敗を払拭して2006年で結果を残のす為の良い流れを作るのには重要なものだろう。ブラジルにとっても、今までの予選でのチンタラ・ムードを吹き飛ばす喝となったのでは。アジア予選を見た後だけに、このゲームのスピードの差には目を覚まされた。中田英寿が予選後の記者会見で、日本代表がワールド・カップを勝ち抜ける力は無いと発言したが、これは単にチーム力の現状を述べているのにすぎないという事を思い知らされた。
ワールドカップ アジア最終予選
朝鮮民主主義人民共和国 0-2 日本
2005.6.8
ゴール / 柳沢、大黒
よかった、よかった。8年前の今頃の過度の緊迫感と比較すれば、今回の予選は楽勝とさえ言える。最終節、大敵のイラン戦を前にしての予選通過決定。思えば、最終予選は組み分けに恵まれていたかも。北朝鮮の代わりに中国や韓国が同組に入っていれば、このような展開は望めなかったであろう。ただ、今回の予選の日本代表の粘りは、これまでの国際試合の苦難の歴史の結果として培われていったもので、8年前、更に12年前の苦闘を忘れてはならないという事であろう。何しろ、本番まで1年もある。2002年、優勝候補と言われていたフランスやアルゼンチンという強豪が本番で脆くも崩れ去ってしたのを見れば、日本ごときが油断する余裕などないという事実を理解していなければならない。この点でやはり、コンフェデ杯での経験は貴重なものとなるであろう。最終予選のこれまでのゲームでは、敗れたとはいえイランでのアウエー戦が大きかった。少なくとも、一時は同点に持ち込むことが出来ていた。決勝点として決められたカリミの素早く正確なクロスからハシュミアンのゴール、日本代表にもあのような形が欲しいものである。
ワールドカップ 欧州予選
スペイン 1-0 リトアニア
2005.6.4
ゴール / ルケ
ホーム・ゲームで快調に攻撃するスペインだが、圧倒的に見えたのは序盤だけだった。体格で勝るリトアニアの守備は固く、キーパーや他の選手の局面での冷静さが目立ち、戦う姿勢にも欠けていない。遠めからのミドル・シュートもあるので、カウンターも怖い。トーレスや、ホアキンとビセンテの強力な両サイド、スピードと個人技は凄いが動きが直線的で、我々が思っているよりも単調な攻撃になる傾向もある。中盤にアルベルダが入りシャビが攻撃に参加できるという形だが、ベンチにはデ・ラ・ペーニャやシャビ・アロンソが座り、どの選手が出ても別の組み合わせが良く見えるというスペイン代表のトリトメのなさは相変わらず。2nd ハーフにはルケとルイス・ガルシアを投入して思い切った攻撃的布陣をとったが、スペイン代表にしては珍しく潔かったし結果も出た。
ワールドカップ 南米予選
ブラジル 4-1 パラグアイ
2005.6.4
ゴール / ロナウジーニョ(ブ,PK)×2、ゼ・ロベルト(ブ)、サンタクルス(パ)、ロビーニョ(ブ)
近年はパラグアイ相手に苦戦する事の多かったブラジルだが、今回は快勝。ワールド・カップの予選という重要なゲームですらダラダラ気味の最近のブラジル・セレソンだが、珍しく(?)目の覚めるようなゲーム展開。ロナウジーニョ、カカ、復調したアドリアーノなどがことごとく好調。ロナウドは不参加だが、ロビーニョが先発してむしろチームのスピードが上がった感じさえする。好調のブラジルに対してパラグアイはちょっと冴えない。カルドーソが不在だが、いつまでもカルドーソというワケにもいかないし、サンタクルスにも爆発して欲しいもんだが。
ワールドカップ 欧州予選
オランダ 2-0 ルーマニア
2005.6.4
ゴール / ロッベン、カイト
ファン・バステンが EURO 2004 以降にメンツの若返りを図ったが、ここまでは上々の結果であるし、少なくともチーム力を更に大きく上向かせる可能性がある。ロッベンのゴールはもはや当然とさえ言えるし、カイトのパワーとスピードも生きている。ただ、ファン・ニステルローイの役割をファン・ペルシーへ世代交代させるにはまだ早いかも。コクーやファン・ボンメルなどのベテランと若手のバランスは重要で、今後もバランスが保たれるかがカギ。ルーマニアは数年前より力を落としており、キブーやムトゥが健在のうちにタレントを揃えたいが・・・。
ワールドカップ 欧州予選
ポルトガル 2-0 スロバキア
2005.6.4
ゴール / メイラ、ロナウド
1年前の EURO 2004 の決勝でポルトガル代表はギリシャに敗れたが、その鬱憤を晴らすかのような確実な勝利。ロナウドはマンチェスター・ユナイテッドではフリー・キックを任せられる機会は少ないが、代表のホーム・ゲームでボールが奇跡的な弾道を描いてゴールへ。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 最終節
マジョルカ 1-1 ベティス
2005.5.29
ゴール / アスンソン(ベ)、ペレイラ(マ)
マジョルカ、大久保の活躍もあり、遂に一部残留決定。アスンソンのお約束のフリー・キックが炸裂したベティスも、チャンピョンズ・リーグ出場。フォルランが得点王を獲得したビジャレアルも3位に入ったが、何とバレンシアとラ・コルーニャが UEFA カップ出場権も逃す。今シーズンは、時代の一つの転換点だったのかもしれない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.5.25 決勝
リバプール [イングランド] 3-3 (PK 3-2) ACミラン [イタリア] |
ゴール / マルディーニ(ミ)、クレスポ(ミ)×2、ジェラード(リ)、シュミツェル(リ)、シャビ・アロンソ(リ)
ベスト・メンバーで臨んだ決勝、1st ハーフのミランの出来は完璧。キック・オフから1分で決まったキャプテンのマルディーニのゴール。パスを出すピルロとそれを受けてドリブルを敢行するカカ、止める方法はもはやファールしかない。ミランで再生されたクレスポの得点感覚。切り崩され続けるリバプールのディフェンス。怪我から復帰のキューエルがまたも負傷、早々に退場。バルセロナを 4-0 破った1994年の決勝以上の大量得点差が生じる可能性さえ感じさせた、ミランの圧倒的な強さ。だが、またも繰り返された信じ難いミランの失態。昨年のラ・コルーニャ戦でのような逆転負けが、それも決勝というこれ以上ない重要なゲームで、またも繰り返された。これは単なるアンラッキーなのだろうか?アンチェロッティ監督が豪語するように、確かにミランの組織は完璧かもしれない。だが、完璧な組織も90分間(或いは120分間)持続しなければ全く意味がなくなる。それは、このゲームなどが象徴している。ここ2シーズンくらいのミラン(ユーベも)は、特にディフェンスにベテランが多い。ゲームの終盤で、必要な1点を強奪する為のエネルギー、激しい闘志を再生出来ず、チーム全体が止まってしまうケースが多い。ミランがゲームの主導権を挽回す為には、少なくとも同点にされた直後に、選手の交代が必要であった。だが、どの選手を交代させるのか?最も頼りになりそうだったのが準決勝で決勝点をゲットしたアンブロジーニ、まだ本調子ではないピルロとの交代が有効に思えたが、怪我で欠場。確かに、ワールド・クラスが並ぶ先発メンバー以上に信頼出来るサブはいない。だが、アンチェロッティ監督にはもっと非情さが必要だったのかもしれない。1994年の決勝に出場した選手、そう言えば、94年のワールド・カップの決勝に出場した選手もいる。彼らには、シーズン終了間際での再重要ゲームで、若々しい選手が居並ぶチームと120分戦うのはキツいんじゃないだろうか。例えば、マルディーニを下げてカラーゼを入れるとか。トマソンと交代で下げるのは2得点したクレスポではなく、シェフチェンコだったのかも(バロン・ドールを獲得した直後の選手を下げるのは確かに無理、監督って大変)。時間をかけて熟成させた最強ミランのチームのバランス。我々のイメージの中では、このミランを突き崩すのは不可能になっている。だが現実のミランは、脆くも崩れ去る事もある。思えば、現在のミランには、苦境になった時のオプションも少ないように思える。チェルシーのモウリーニョ監督が見せた、ディフェンダーのフートを前線で使ってしまうというような奇策も必要?ベニテス監督、2nd ハーフからフィナンに替えてハマンを投入。ディフェンダーを3人にしてハマンを守備的に置き、ジェラードを前線へ。これは目に見えて効果的な采配であった。期待に応えたキャプテンのジェラード、やはり尋常なプレーヤーではなかった。あの場面で、普段はめったに見られないヘディングでのゴール。ジェラードの得点からたった7分でリバプールが3点ゲット。この時点で、残り時間は30分あった。その後は両チームとも完全にトーン・ダウンし、更に1点加える為の一歩が踏み出せなくなっていた。延長を加えて60分、人間の体力の限界に挑戦する両チームの選手の苦闘が見られた。120分が終了した時点でリバプールの選手には同点に追いついた時の勢いが残っており、PK戦での勝ちと言えども納得させられる勝利ではあった。プレミアではイマイチのゲームもあって4位以内に入る事が出来なかったが、チャンピョンズ・リーグではユベントス、チェルシー、ミランを破っての優勝。それぞれの相手で最小失点差のギリギリ勝利であり、失点寸前の場面も多数あった。優勝候補の強豪相手に精神的に後手に廻る事がなかったのが大きい。ベニテス監督の手腕が評価されるべきであろうが、やはり伝統という無形の力の存在が大きかったのだろうか。バルセロナ戦やマンU戦でのミランは、強くてクリーンであった。優勝する資格は十二分にあった。だが、筆者の個人的な意見からすれば、イタリアのサッカーの為にはミランは負ける必要もあったように思える。20年前の悲劇的な決勝を経て、イングランドのスタジアムからは無益な暴力は消え、審判に異物が投げつけられる事も大量の発炎筒が投げ込まれる事もない。ゲーム内容に良し悪しを決める事は出来ないが、ゲームの面白さからして、最近はセリエAよりもプレミアのゲームを見る事が多くなった。イタリア・カルチョ界の何かを変える必要があるのは、間違いない。盟主のミランが敗れたのは、ひょっとしたら必然だったのかもしれない。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
デポルティボ・ラ・コルーニャ 0-3 マジョルカ
2005.5.22
ゴール / ファリーノス、アランゴ、大久保嘉人
マジョルカの3点目は、顔はゴツいがパスがキュートなアランゴから、2試合連続で大久保。1点目はアシスト、2点目も得点につながるクロスを上げるなど、大活躍。思えばスペインのデビュー戦がラ・コルーニャ、いきなりロメロにヒザを蹴られて負傷したが、今回はそのロメロを翻弄して逆襲。マジョルカはあと1試合を残して遂に降格圏を脱出。ラ・コルーニャでは、リーガで優勝に貢献するなど足跡を残したマウロ・シルバとフランが、リアソールでのラスト・ゲーム。黄金の左足を持つフラン、出ると出ないとではチームが大違いのマウロ・シルバ、ラ・コルーニャの一つの時代が終ったという感慨が。
イングランド FA カップ 決勝 2005.5.21
アーセナル 0-0 (PK 5-4) マンチェスター・ユナイテッド
決勝はビッグ・カードだが、何と負けた方が今シーズンは無冠。当然ながら意地のぶつかりあう厳しい内容のゲームだが、最近のこのカードとしてはクリーンな内容。驚くべきは両チームの選手のスタミナ、120分間走りに走った。特にマンUのロナウドは左サイドを数え切れない回数のダッシュを繰り返した。ロナウドとルーニーは相手に驚異を与え続けたが結局無得点、今シーズンのマンUを象徴しているような様相。ここのところ好調だったアーセナルも、世界的な強豪のマンUが相手だと勝手が違い、勝ち切れない。プレミアだとイマイチだがチャンピョンズ・リーグのファイナリストになったリバプールとは、皮肉な対照のアーセアルとマンU。
UEFA カップ 2005.5.18 決勝
スポルティング・リスボン [ポルトガル] 1-3 CSKA モスクワ [ロシア]
2005.5.18
ゴール / ホジェイロ(ス)、アレクセイ・ベレズツキ(C)、ジルコフ(C)、バブネル・ラブ(C)
チャンピョンズ・リーグで決勝ラウンドに残った16チームが豪華、ラ・コルーニャやローマがリーグ戦最下位と、UEFA カップで著名クラブが占める割合がいつになく低かった。だが決勝は決勝、力と意地の激突が見られた。ホームで決勝を迎えて有利とされたスポルティング。ブラジル人のリエジソンを中心に、CSKA のゴールに迫った。だが CSKA のディフェンスは強固で集中力も落ちない。常に守備的な布陣であったのではないが、守ってカウンターという形で CSKA が3ゴールを奪った。ロシアにも浸透して来たブラジルのパワー、その象徴が CSKA であろうか。ダニエウ・カルバーリョとバグネル・ラブがチームにフィット、2nd ハーフの敵地での大逆転に貢献。ゴールしたジルコフなどの、攻守に渡って活躍もあった。キーパーのアキンフェフは、ブッフォンに匹敵する才能かもしれない。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
マジョルカ 4-3 アスレチック・ビルバオ
2005.5.15
ゴール / ファリノス(マ,PK)、ジョレンテ(ビ)、グルペギ(ビ)、ビクトル(マ)×2、大久保嘉人(マ)、オルバイス(ビ)
ビルバオではエチェベリアやデル・オルノが怪我、しかも期待のジェステが 1st ハーフで早々に交替。だが総合力でマジョルカを上回るビルバオが、降格圏内に留まるマジョルカを攻める。ジョレンテの潜在能力もとてつもなく高い。何だかいつも冴えないマジョルカ、このゲームでもパス廻しはビルバオに見劣りしたが、執念で2度の逆転。何と言っても、久々の先発の大久保の動きが冴えた。もしマジョルカが一部残留を果たせば、大久保の貢献度もそれなりに評価されるのかも。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 5-0 ラシン・サンタンデール
2005.5.7
ゴール / オーウェン、ロナウド(PK)、ラウール×2、ロナウド
絶好調の3トップ、シーズン最初からこれで行けば良かった?グラベセン獲得とルシェンブルゴ監督招聘という補強があればこその結果でもあるのだが・・・。ラシンではハビ・ゲレーロとベナユンの得点に期待が集まったが、両者共に途中交替。
イングランド プレミア・リーグ
アーセナル 3-1 リバプール
2005.5.8
ゴール / ピレス(ア)、レジェス(ア)、ジェラード(リ)、セスク(ア)
プレミアの覇者は既にチェルシーに決まったが、2位確保に向けて好調のアーセナル。レジェス、ファン・ペルシー、セスクなどの若手とベテラン選手がフィット。攻撃のコンビネーションではリバプールを完全に凌駕し、アンリの不在も感じさせない。ベンゲル監督に、リバプールのチャンピョンズ・リーグ決勝進出はラッキー、とまで言われてしまったが、このゲームを見る限りは仕方がない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.5.4 準決勝 2nd leg
PSV [オランダ] 3-1 (agg 3-3) ACミラン [イタリア]
ゴール / パク・チソン(P)、コクー(P)×2、アンブロジーニ(ミ)
長身で相手チームを威圧するミランのディフェンダーのスタムだが、アレックスやフェネホールオフヘッセリンクなどスタムと居並ぶ長身選手が何人もいるPSV。セット・プレー、1対1の強さ、相手選手をかわすスピード、フィジカルとメンタルの強さでヒディング監督好みのチームとなった。ゲーム序盤はミランが劣勢、得点するしかないPSVは猛攻。だがミラン、シーズン終盤の疲れなのか、相手の強さを受けながらエネルギーの消耗を防いでゲーム終盤で勝負を賭ける戦法なのか、不明。パク・チソンのゴールでPSVが一点差に迫るが、1st ハーフの後半でフィジカルの強いPSVにも疲労の色が。普通のチームならこの辺でミランのイタリア的戦術に飲まれてしまうところだが、イ・ヨンピョのクロスに、突如前線に出現したコクーが合わせてPSV同点。いやー、最近のコクーの好調さ、驚くべき34歳。2対2と振り出しに戻ったゲーム、マサカの延長に入る予感が強く漂った。だがゲーム終了間際、このゲームのキーマンの一人、ミランの中でただ一人PSVのディフェンスを切り裂き続けたカカのクロスに、アンブロジーニが合わせ、延長の可能性を打ち消した。ここでミランの勝ち抜けが90%以上の確率で決まったが、何と、またも出現したコクーにより得点上は同点。アウエー・ゴールの差でミランが勝利、PSVは強さを見せたが勝ち切る事が出来なかった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.5.3 準決勝 2nd leg
リバプール [イングランド] 1-0 (agg 1-0) チェルシー [イングランド]
ゴール / ルイス・ガルシア
シーズン開幕当初、イングランドの4チームのうちファイナル進出を果たすのがリバプールだと予測するのは不可能であった。しかもシーズン中には、特に前線のタレントに怪我人続出し、獲得したモリエンテスのチャンピョンズリーグ不可能は織り込み済み。プレミアでは4位以内に入るのが難しい状況。良くないチームのコンディションを徐々に向上させ、ファイナル進出に相応しい安定度を与えたのは、昨年バレンシアで UEFA カップとリーガの二冠を獲得したベニテス監督。もしファイナルを制するならば、UEFA カップとチャンピョンズ・リーグを連続して獲得した現チェルシー監督と同等の評価が与えられる。準決勝を迎えるにあたってのリバプールのディフェンス力は、もはやチェルシーと同格。2nd leg ではシャビ・アロンソが累積警告で出場不可だが、代役のビスチャンに期待がかかる。前線ではバロシュとルイス・ガルシアに加え、シセやスミチェルがサブで何とかなるかも。チェルシーはプレミアを制し、カーリング・カップと共に既に二冠を獲得、更に三冠を狙う。ダフが欠場でロッベンがサブという状況が続き、ベスト・コンディションではないチェルシー。ランパードによる中盤からの飛び出しやセット・プレーにも頼りたいが、果たしてウマく行くのだろうか?ゲーム開始早々の落ち着かない時間帯に、ルイス・ガルシアが得点。実際にゴールを割ったかどうかはよく見えなかったが、バロシュへのファールが宣告された可能性もあり、文句の付けられない得点と見えた。右サイド・バックにジェレミーが起用されたが、この重要なゲームでの先発は微妙だと思われたが、結果論ではあるが、フート先発の方が良かったように見える。フートは途中出場で攻撃的な位置に構えたが、高い潜在能力の一端を垣間見せた。リバプール先制後は、ひたすら継続されるボールの奪い合いと攻め合い、完全に互角の内容。チェルシーの期待の得点源のドログバに良い形でボールが集まらず、ダフとロッベンの不在の大きさが改めて浮き彫りになる。ロッベンは 2nd ハーフに投入されたが、驚異的な突破力を見せる事は出来なかった。ランパードやテリーなどのチェルシーの主力にはシーズンを通しての疲労の色が窺われ、重要なゲームほどチームのコンディションに勝敗が左右されるという事実を証明した形に。チェルシー有利の大方の予想を跳ね返してのリバプールの勝利、ここまで来ればビッグ・イヤー獲得は、たとえ相手がミランであろうとも五分五分。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.27 準決勝 1st leg
チェルシー [イングランド] 0-0 リバプール [イングランド]
お互いに手の内を知り尽くした両チーム、キック・オフ直後こそ静かな展開だったが、クリーンからダーティへのギリギリの線で踏み止まっているかのような激しいゲームを繰り広げる。イングランドのチーム同士の対戦だが、かつてのキック・アンド・ラッシュ戦法から遠く離れたモダンなサッカーを見せた。ボスマン判決後の EU 内のクラブ・チームのボーダーレス化は完全に定着、このゲームも両チーム共に監督も外国人。手堅い守備陣を構築し、あらゆる手段を尽くして素早く正確にボールを動かし、決定力のある選手がゴールを決める。シーズン開幕後に怪我人過多でなかなか安定しなかったリバプールのチーム力が遂にチェルシーに追いつき、このゲームは完全に互角。チェルシーでは、ダフが怪我で不在、ダフとロッベンの両方を欠くと、サスガに攻撃力に陰りが見える。ドログバ、コール、グジョンセンの3トップも悪くないが、リバプールのゴールを割るには今一歩足りなかった。チェルシーの守備陣ではテリーの切れが良くなかったが、キーパーのツェフが実力を見せ付ける結果となった。2nd leg ではチェルシー有利が言われているが、このゲームを見る限りでは、言われるほどチェルシーがリバプールを圧倒したワケではない。ミランのピルロを彷彿とさせるボールの捌きを見せるリバプールのシャビ・アロンソが累積警告で 2nd leg 出来ないのは痛い。だが、シセが本格的に復帰して来たし、ファイナルに進出する可能性は五分五分と見るのが妥当。選手層の厚さの違いも、次の一試合だけなら大きな意味をなさない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.26 準決勝 1st leg
ACミラン [イタリア] 2-0 PSV [オランダ]
ゴール / シェフチェンコ、トマソン
PSV、間断のないプレスとバラエティに富んだ素早い攻撃の組み立てが、アウエーのサン・シーロでも威力を発揮した。中盤での攻防では、ピルロが不調のミランを凌駕したとさえ言える。フェネホールオフヘッセリンクをサブとしたのは意外だったが、ファルファンとビーズリーのスピードを主体にした攻撃も有効であった。オールラウンダーに変貌しつつあるパク・チソンの中盤での動きも、ミランをかく乱。だが、昨シーズンのラ・コルーニャ戦での失敗を繰り返すまいとするミランの守備への集中力は尋常ではない。何しろ、現在6試合無失点中。ネスタの不在も何とか凌いだ。PSVは惜しいシュートを何本も放つが、最終局面でのミランのプレスに封じられる形となった。逆に、劣勢にさえ見えたミランが繰り出す長く正確なパスが、PSVの急所を突いた。動きの悪いピルロであるが、やはり前線への長いパスが有効に。2点の得点差はやはり、シェフチェンコやカカという前線のタレントの差か。1st leg で敗れはしたが、ベスト4に進出したPSVの強さは本物。ホーム・ゲームでの早い時間帯での得点があれば面白くなるが、現在のミラン相手の2点差は、かなり厳しい。
ドイツ ブンデスリーガ
ハンブルガーSV 3-0 ハンザ・ロストク
2005.4.23
ゴール / ムペンザ、ベンジャミン、高原
高原の前線での献身的な働きが、うまくチームを昨日させていた。マハダビキアの右サイドでの突破と、大きく落ちるクロスも生きた。高原、海外の日本人で現在最も好調かも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.12 準々決勝 2nd leg
インテル [イタリア] 0-3 (agg 0-5) ACミラン [イタリア]
ゴール / シェフチェンコ
スコアの3対0というのは、インテル・サポーターのピッチへの異物投入による試合続行妨害による制裁の一部。カンビアッソのゴール取消というジャッジは確かに誤審にさえ見えたが、それとジーダに対する発炎筒の投げ付けという暴挙の容認とは、別次元の話。ゲーム停止までの内容は、予想以上にミランとインテルの実力の差を歴然とさせるものであった。インテルでは、カンビアッソの攻守に渡る貢献が光っていた。ミランのディフェンスは相変わらず強固、シェフチェンコのゴールはサスガの技。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.13 準々決勝 2nd leg
ユベントス [イタリア] 0-0 (agg 1-2) リバプール [イングランド]
プレミアでは、チェルシー、マンU、アーセナルの後塵を拝するリバプール。だが、チャンピョンズ・リーグも準々決勝に至るとシーズン前半の不振から脱却、ユーベに勝るとも劣らない安定感を見せた。昨シーズンにはバレンシアでリーガと UEFA カップの2大タイトルを制したベニテス監督、リバプールでもビッグ・タイトルを獲得するのか?選手のタレントの質が大きく違うにもかかわらず、準々決勝でのリバプールは昨シーズンのバレンシアを連想させた。4バックは 1st leg と同じメンツで、ユーベのディフェンスと比較しても遜色ない。衰えを指摘されるヒーピア、経験がもたらすリーダ・シップでディフェンス・ラインを統率、アウエーでユーベの攻撃を抑え切った。ジェラードが欠場、中盤からの爆発的な攻撃は見られなかったが、復活したシャビ・アロンソの捌きがアクセントになって攻守のバランスを向上させた。ユーベのホームでの強さで劣勢を強いられるどころか、時間が経過するにつれてリバプールが精神的に優勢になって行った。ルイス・ガルシアとバロシュに得点はなかったが、ユーベにとって危険である事実に変化はなかった。グループ・リーグを、最小得点差で勝ち続けたユーベ。確かにディフェンスは強力、攻守のバランスは優れているが、アクシデント絡みなどでリードされたケースで、短時間で得点したい場合の攻撃のオプションが少ない。トーナメントに入ってから、今シーズンのユーベの真価が問われるゲームが必ず来ると思っていたが、ユーベをストップさせるのがリバプールだったとは・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.12 準々決勝 2nd leg
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 3-2 (agg 5-6) チェルシー [イングランド]
ゴール / ランパード(チ)、ピサロ(バ)、ドログバ(チ)、ゲレーロ(バ)、ショル(バ)
バルセロナとのアウエー戦のように固く門を閉ざして、チャンスがあればターゲットのドログバへ合わせて得点と、誰も予想するパターンでゲームを展開させたチェルシー。監督と選手に大金を掛けて大量補強したチェルシー、チャンピョンズ・リーグ準決勝に進出するのも当然と思ってしまうが、チーム就任一年目の監督が率いるチームがなかなか出来る事ではない。バルセロナとバイエルンという強豪を倒して、強さが本物である事を証明した。チェルシーがいかに多数のタレントを擁していたとしても対策が、無ければタレントの質と量では負けないバルセロナとバイエルンにヤられてしまうだろう。的確な補強と戦術の融合、現在のチェルシーが他を凌駕している点はここで、何しろ結果が物語ってしまっている。ゲーム終了間際のバラックやショルを中心としたバイエルンの猛攻は凄まじく、逃げ切ったチェルシーはここで更に経験を積んだに違いない。イングランド代表は現在好調、大きいのはチェルシーのJコール、ランパード、テリーの成長と、彼らのもたらした流麗なパスワークである。イングランド代表はタイトルを取る可能性のあるレベルに突入したと言えるし、この点ではモウリーニョ監督に感謝しなくてはならないのでは・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.6 準々決勝 1st leg
ACミラン [イタリア] 2-0 インテル [イタリア]
ゴール / スタム、シェフチェンコ
一昨シーズンに続いて、1シーズン4回に増えたミラン・ダービー。互角のゲーム展開が予想されたが、現在のチーム力はミランが凌駕しており、試合の結果もその通りに。ピルロを守備的な位置に置くシステムは、ピルロ自身の守備力の伸長によって更に有機的に機能している。スタムの復帰による鉄壁4のバック、怪我によるブランクを全く感じさせないチェフチェンコの貢献。セット・プレーからではあるが、スタムとシェフチェンコの得点は現在のミランの強さを象徴するものであった。インテルでは、アドリアーノの怪我による欠場がとてつもなく大きい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.5 準々決勝 1st leg
リヨン [フランス] 1-1 PSV [オランダ]
ゴール / マルダ(フ)、コクー(P)
圧倒的な決定力を誇るリヨンの前線だが、PSVの崩れない守備に攻撃を寸断される。ゲーム序盤にリヨン得意の波状攻撃で先制点、PSVのキーパーのゴメスが何とも不安定で大量失点の予感を漂わせたが、結局1失点。2nd ハーフもリヨンは更に攻勢に入り、PSVは崩れそうになるが、ここでオランダ人のコクー、ファン・ボンメル、ボウマのベテラン選手がチームに安定をもたらす。特に最近絶好調の34歳のコクーが、代表戦に続いて得点。2nd leg ではホームのPSVが有利であろうが、アウエーでも得点するリヨンの前線が波乱を起こす可能性も高い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.6 準々決勝 1st leg
チェルシー [イングランド] 4-2 バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
ゴール / コール(チ)、シュバインシュタイガー(バ)、ランパード(チ)×2、ドログバ(チ)、バラック(バ,PK)
モウリーニョ監督にベンチ入り禁止の裁定が下ったが、ゲームの趨勢には大きな影響は出なかったか?チェルシーでは、ロッベンとパウロ・フェレイラの欠場が残念だが、ジョー・コールとジョンソンの出場で何とかなりそう。バイエルンでは、マカーイとピサロが両方不在なのは痛い。予想通りの中盤の厳しい攻防など、1st ハーフは互角か。だが 2nd ハーフでは、マケレレの守備とランパード攻撃というチェルシーの両輪がチームを活性化させ、4得点を呼び込んだ。ゲーム終了直前のPKでバイエルンは2点目をゲット、2nd leg への望みを繋いだ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.4.5 準々決勝 1st leg
リバプール [イングランド] 2-1 ユベントス [イタリア]
ゴール / ヒーピア(リ)、ルイス・ガルシア(リ)、カンナバーロ(ユ)
キック・オフ直後にエメルソンがコケてしまったのが象徴しているように、1st ハーフのユーベは確かにいつものユーベではなかった。だが、怪我人続出のリバプールに、ユーベのスキを突いて45分で2得点する実力が備わっているのを忘れてはいけない。やはり、ベニテス監督は只者ではない?フィナン、キャラガー、ヒーピア、トラオレの4バックの守備力は侮りがたいし、ルイス・ガルシアが前線の原動力となっている。当然、ジェラードは攻守両面で貢献。リバプールの攻勢に対し、普通のチームなら大きく崩れるところを、やはりユーベは修正して来た。リバプールにとって残念なのは、19歳とは思えない安定した守備を見せたキーパーのカーソンが、ミスと言えなくもないプレーでカンナバーロの得点を許した事。アウエー・ゴールが 2nd leg で生きるのか?
ワールドカップ 南米予選
ウルグアイ 1-1 ブラジル
2005.3.30
ゴール / フォルラン(ウ)、エメルソン(ブ)
フォルラン、サラジェタ、オリベイラなどを擁し、ホームでの強さを予感させるウルグアイ。ペルー戦に続いて主力が出場したブラジルに対して先制したウルグアイだったが、終盤に息切れして同点に追いつかれる。タレントは揃うが、持続性のなさは致命的かも。ブラジルのウマさにやられたとも言えるか。
ワールドカップ 欧州予選
イングランド 2-0 アゼルバイジャン
2005.3.30
ゴール / ジェラード、ベッカム
前節の北アイルランド以上に格下と目されるアゼルバイジャン相手に、ベスト・メンバーで相対したイングランド、予想以上に苦戦?最終ラインのテリーとファーディナンドまで含めて、ダイレクト・パスを繋ぎまくるイングランド。だが、ゴールがなかなか奪えない。時折カウンターを仕掛けるアゼルバイジャンにも、何度か得点のチャンスがあった。26日と30日の両日で、クリーンで滑らかなサッカーを見せたイングランドだが、強豪国と当たればやはり苦戦するだろう。オーウェンとルーニーが常に確実に得点する展開になれば、理想的だが・・・(当然過ぎ)。
ワールドカップ 欧州予選
ルーマニア 0-2 オランダ
2005.3.26
ゴール / コクー、バベル
ファン・ニステルローイ、ファン・ボンメル、コクーなどのベテランに加えて、ロッベンとカイトという若手を当然のごとく起用するファン・バステン監督。ルーマニアを相手に、どちらがホームが分からない、的確なパスを主体としたモダンな攻撃的なスタイルで攻める。だが、怪我から復帰したばかりのロッベンにまたもアクシデント発生で退場。暗雲が垂れ込めたが、交替で出場したのが、何と18歳の新鋭バベル。大胆な動きと的確なボールの捌きで、十分に機能した。ファン・ボンメルと交替のマドゥロも20歳、予選の突破と本選で活躍すべき選手の育成も同時に成し遂げようというのか。オランダのフットボールの素晴らしさと、必ずしも前評判通りに本番で勝ち切れない厳しさの欠如が、ここに表現されているような気がする。重要なオランダ戦で、大ベテランのイリエ、モルドバン、ムンティアヌに頼らざるを得ないルーマニアの現状は、実に対照的。
ワールドカップ 南米予選
ブラジル 1-0 ペルー
2005.3.26
ゴール / カカ
ロナウド、ロナウジーニョ、カカ、エメルソンなど、ベスト・メンバーのブラジル、2nd ハーフには期待のロビーニョも登場。だが、ボールはキープするが、地元の大観衆に見せるべきスペクタクルな場面はわずか。欧州のリーグが佳境のこの時期に、全力プレーを期待するのは無理?ペルーではバイエルンのピサロが出場していたが、ゲレーロのコンディションが万全で先発していれば、ペルーの攻撃陣ももっと攻め込めたハズ。
ワールドカップ 欧州予選
チェコ 4-3 フィンランド
2005.3.26
ゴール / バロシュ(チ)、ロシツキ(チ)、リトマネン(フ)、ポラク(チ)、リーヒラーティ(フ)、ヨハンション(フ)、ロクベンツ(チ)
チェコのロシツキの切れが良く得点するなど活躍、大ベテランのポボルスキーなども悪くないが、チーム全体のコンディションは EURO の時からは落ちる。フィンランドに徐々に押し込まれ、4対3という大味なスコアで辛うじて逃げ切った。チェコのキーパーはチェルシーの守護神ツェフなのだが、ディフェンダーの力量差が大きいのか。途中交替してしまったが、全盛期はとっくに過ぎたとは言え、リトマネンの気の利いたプレーに視線が行っていまう。
ワールドカップ 欧州予選
イングランド 4-1 北アイルランド
2005.3.26
ゴール / Jコール、オーウェン、OG 、ランパード
ロビンソン、Aコール、ファイーディナンド、テリー、Gネビル、ランパード、ジェラード、Jコール、ベッカム、オーウェン、ルーニー、イングランドの現在考えられるベスト・メンバー。特に、ルーニーの登場によってイングランドにワールド・カップ制覇の可能性が生じたとさえ言える。懸案の中盤の左サイドだが、Jコールが定着すればそれに越したことはない。北アイルランドが格下という事もあるが、イングランドの早くて正確なダイレクト・パスが繋がり、ポジション・チェンジも非常にスムース。だが、このメンバーのままワールド・カップを迎えられれば良いが、そうも行かないだろう。控えのダイアーやハーグリーブスは悪くはないが、先発からサブへ3人交代させると、パス交換の流れが悪くなった。ベストのレベルをいかに本番までキープ出来るか。
ワールドカップ アジア 最終予選
イラン 2-1 日本
2005.3.25
ゴール / ハシュミアン(イ)×2、福西(日)
イランの攻撃陣、カリミ、ハシュミアン、伏兵のザンディなどにはスピードとテクニックがあり、脅威。キーパーも強力だった。怪我で交替したが、大ベテランのダエイにもまだまだ力があると思わせた。ハンブルガーではスピードが落ちていると思われたマハダビキアも、アジアのレベルでは十二分に戦力となる事を証明した。ただ、ディフェンダーにはスキがあると思われ、日本がそこを突けなかったのは残念。中田と小野には、やはりアウエーの逆境でもチャンスを作る事が出来る技術と経験がある。中田の余りにも厳しいパスに前線の選手が反応しきれないのは、久々の中田の復帰でもあり仕方がないところか。日本代表がレベル・アップしているようにイランもレベル・アップしており、ハシュミアンも決定力にも助けられてイランが勝った。日本のイランでの敗戦は、残念ながら、現実的には折込済みと考えざるを得ない。日本代表は、日本でのホーム・ゲームと同様に攻め、得点も上げ、悪くないゲームをした。だが、引き分け狙いを前提とした守備的なプランというオプションは有り得ないのか。アウエーでも攻め切って勝つのが良いか、失点を避ける為の守備的なゲームが良いのか、何とも分からない。現状では日本は守備的にやって逃げ切るのは得意ではないようだし、今後もアウエーでも攻撃的な姿勢を貫くのであれば、攻め続けて勝ち切るしかない。この敗戦はアウエーでもあり、実力通りで仕方ない面もあると思わざるを得ないが、チーム力を厳しい予選の中で高めて行ければ、予選突破が確実になるだろう。ハシュミアン、マハダビキア、中田が実力を見せたが、欧州の所属チームでの立場を考えると、アジアのレベルはまだまだ欧州のレベルには及ばないという現実を見せ付けられてようで、複雑な心境。
イタリア セリエA 2004-05
ローマ 0-2 ACミラン
2005.3.20
ゴール / クレスポ、ピルロ(PK)
トッティ、モンテッラ、カッサーノという屈指の3トップが、凄い勢いでミランのゴール目指して走る。確かにローマの攻撃は脅威だが、90分あるゲームの中で、ミラン相手に最初から攻め切って勝ってしまおうという姿勢はどんなもんだろう。1st ハーフは互角といってよかった。ローマ、3トップは凄いしボランチのディフェンスは強力。だが、中盤の押し上げはないしサイド攻撃もない。チーム全体のバランスが非常に良く誰かが極端に疲弊する可能性が少ないのが明らかなミランとの差が歴然。結局、ミランが2点ゲットし、ローマではパヌッチとトッティが退場。なぜローマは自滅してしまうのだろう。そんな中で、カッサーノが以前より落ち着いて自分の役割を黙々とこなしていたのは成長の証だろうか。ミランでは、アシストのクロスを上げるなど、カラーゼの切れが良かった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝のカード
1st leg 2005.4.5/6 , 2nd leg 2004.4.12/13
リバプール 対 ユベントス
リバプールがユーベを倒すのは難しいだろうが、チームのコンディションさえ整えば勝機はある。ホームで得点差をつけて勝てるか。ジェラードの活躍が絶対条件。ユーベは、ここまでのように強力なディフェンスで失点を防いで最小得点差を狙うだろうが、今シーズンのリバプールが持つ意外性に対処出来るか。
ACミラン 対 インテル
一昨年に続きまたも激突、ミラン・ダービー。最新のセリエAでのゲームが再現されるのであれば、チーム力は互角。インテルでは、アドリアーノの復調がカギ。ミランは、インテルの強力な中盤のタレントが放つパワーを抑制出来るかが課題。何れにしろ、勝敗の予測は不可能。
リヨン 対 PSV
組織力は互角か。攻撃力で上回るリヨンが有利。他のカードのメンツを見ると、ここで勝てても優勝までにはイバラの道が。
チェルシー 対 バイエルン
実績と現在のコンディションからすればバイエルン有利に見えるが、チェルシーがバルサ戦のような勝利至上主義的ゲームを見せれば、結果は分からない。ロッベンが復帰して絶好調の動きが見られれば、その分チェルシー勝利の可能性が上がる。良くも悪くも、チェルシーの相手への対処方法に、ここでも注目が集まる。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.3.15 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
インテル [イタリア] 3-1 (agg 4-2) ポルト [ポルトガル]
ゴール / アドリアーノ(イ)×3、ジョルジュ・コスタ(ポ)
監督の交替が続いたポルト、やはりここまでが限界か。選手の力が大きく落ちたワケではないだろうが、昨シーズンの見事なまでのチームの機能性の一部が失われた。対するインテル、構えて待つリアクション的守備と手数を多くしない素早い攻撃が、何ともイタリア的。以前の同僚に頼るマンチーニ監督の選手起用も、何となく微妙。だがいずれにしても、インテルの選手個々の質は、ポルトのそれを大きく上回る。最近の不調がウソのようにハットトリックを決めたアドリアーノが常に相手に脅威を与え、2トップを組んだフリオ・クルスも漬物石のように効いていた。インテルに来て蘇生したカンビアッソもウマくボールを捌いていたし、サイドに張ったベロンも積極的に役割をこなした。インテルがベスト8進出を決めたが、どのチームからしても、戦うのを避けたい極めてイヤなチームだろう。少なくとも、インテルには優勝する可能性がある。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.3.9 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
レバークーゼン [ドイツ] 1-3 (agg 2-6) リバプール [イングランド]
ゴール / ルイス・ガルシア(リ)×2、バロシュ(リ)、クルジノベク(レ)
リバプールは怪我人過多だがレバークーゼンは更に深刻、ノボトニーやホッキ・ジュニオール不在で最終ラインが形成出来ず、逆転に必要な得点源のベルバトフも怪我で退場。覇気に欠けるように見えるレバークーゼンに対し、アウエーのリバプールがレバークーゼンのゴール前に進出、バロシュが何度もペナルティ・エリアに進入。ルイス・ガルシアがゴールへのボールの流し込みを2回も見せ、1st ハーフでゲームがほとんど決まってしまった。リバプールの選手はよく動いたが、本来の実力差以上に点差がついた気もする。準々決勝で、リバプールの真の実力が試される。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.3.9 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
アーセナル [イングランド] 1-0 (agg 2-3) バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
ゴール / アンリ
アーセナルはホームで2対0で勝てば準々決勝へ。だが相手はバイエルン、1st ハーフは守備的にならずに、アーセナルがやらなければならないワイドな攻撃でアーセナルのゴールに迫る。マカーイは怪我で不在だが、ピサロとゲレーロのペルーの2トップと、戻ってきたバラックで攻め、アーセナルの攻撃の時間を削る。得点への鍵を握るベルカンプにも、チャンスが来ない。だが、徐々にアーセナルが勢いを取り戻し、2nd ハーフにアンリが得点、あと1点で勝利となる。だが、バイエルンの逃げ切り。現在のバイエルンは強い。昨シーズンとメンツに大きな変化はなく、リザラズまでマルセイユから戻っているが、この強さはやはりマガト監督がもたらしたものなのだろうか。アーセナル、決勝への道は果てしなく遠い。攻撃的なサッカーでプレミア・リーグを席巻しているアーセナル、ナゼ欧州でのタイトル獲得に結びつかないのだろうか?少なくとも、1st leg でのような失点に繋がる守備でのミスは、プレミアの長いシーズンでは取り戻せても、チャンピョンズ・リーグでは取り戻せない。アーセナルには FA カップでの再試合もあったし、イングランドでのゲーム過多も少なからず影響を及ぼしたろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.3.9 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
ユベントス [イタリア] 2-0 (agg 2-1) レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / トレゼゲ、サラジェッタ
アウエーではあるが、1点差を守ろうと守備に重点を置いて粘って戦ったレアル。グラベセンとサムエルの存在は、やはり大きい。絶対に得点が必要なユーベの攻勢をよく守った。だが、突き放すためのアウエーでの1点は得られず。特に、1st leg とは別人のように切れの悪いジダン、ベッカムも良くなく、攻撃がいつものレアルではない。可能性を感じさせたのはやはりロナウドの突破力とシュートだが、単独ではユーベの守備を破るのは難しい。対するユーベ、ネドベドは結局間に合わなかったが、カモラネージが十二分にカバー、サラジェッタもダイナミックな動きを見せた。エメルソンとイブラヒモビッチも、120分間動き続けて鉄人ぶりを発揮した。そして、怪我から復帰してから間もないトレゼゲのバイシクル・シュートで、アウエーとホーム・ゲームを通じて同点。ここからレアルはいつもの攻撃力を見せなければならないが、この転換が上手く行かない。延長に入っても攻撃の手を緩めないユーベ、サラジェッタの低い弾道のシュートが決まってしまった。このゲームでは、カペッロ監督が作り上げたユーベの強さの真髄が見られた。マンチェスター・ユナイテッドを破ったミランはとてつもなく強かったが、準々決勝以降で最も当たりたくないのはやはりユーベだろう。スペインの2大クラブ、バルサとレアルが敗れ、スペインのチームがチャンピョンズ・リーグから消えた。スペイン勢の敗退は、欧州での今シーズンの大きな流れを感じさせたが、この本質が何かはシーズンが終了するまで分からない。バルサには、今後も現在の攻撃的スタイルを持続させて欲いし、大きな修正は加えないだろうが、レアルが何か変化させなければならないのは必然だろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.3.8 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
チェルシー [イングランド] 4-2 (agg 5-4) バルセロナ [スペイン]
ゴール / グジョンセン(チ)、ランパード(チ)、ダフ(チ)、ロナウジーニョ(バ,PK)、ロナウジーニョ(バ)、テリー(チ)
ホームのチェルシーがゲーム開始早々の攻勢、立て続けの3得点で 1st leg の劣勢を挽回した。実質的には、ここで勝負がついた。攻撃は素晴らしい今シーズンのバルサだが、守備陣がチャンピョンズ・リーグのトーナメント・レベルのチームの構成に耐えられるかどうかは、これまで未知数であった。ドルグバとロッベンが不在のチェルシーによる攻勢が押さえられなければ、準々決勝以降に激突する強豪の攻撃にも耐えられない事が推測できる。少なくとも、チェルシーに勝っても優勝できる可能性は低かったであろう。しかし、そうであっても、ロナウジーニョの得点は素晴らしいし、終盤のバルサのパス廻しも並のレベルではないし、今シーズンのバルサがここで消えてしまうのは実に惜しい。デコの苦渋の表情も印象的であった。チェルシーは、バルサに勝って準々決勝に進出した事で、FA カップの敗退と 1st leg でのアウエーでの敗戦の負のイメージを払拭する事ができた。ロッベンが復帰すれば、まだまだ面白くなりそうだが。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.3.8 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
ACミラン [イタリア] 1-0 (agg 2-0) マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
ゴール / クレスポ
中盤での優位がゲーム結果に反映、クレスポのゴールによる1対0でミランの勝利というところまで、1st leg と同じ。マンUの守備は悪くなく、闘志にも欠けていなかったが、ミランのように強力な守備力を持つチームはプレミアにはなく、対処が極めて難しかった。プレミア・リーグではチェルシーなどの最終ラインも強力だが、チーム全体の安定した守備力はミランが上だろう(これが真実かどうかは、ミラン対チェルシーが実現すれば即座に判明するのだが)。中盤の底・最終ラインのすぐ前に位置するピルロよりも、前方にいるガットゥーゾの方が守備的というユニークさ、この両者が 2nd leg でも好調。ファン・ニステルローイ、ロナウド、ルーニーという居並ぶタレントが、完全に分断されてしまった。非常に良い動きをしていたギグスが怪我で退場したのも不運。ただでは転ばないハズのマンUだが、ミラン戦では押さえ込まれた。昨年のバロン・ドール獲得選手であるシェフチェンコの不在を忘れさせるほどミランは安定し、同時に創造性もあった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.2.23 決勝トーナメント1回戦 1st leg
マンチェスタ・ユナイテッド [イングランド] 0-1 ACミラン [イタリア]
ゴール / クレスポ
マンUかミラン、どちらかがベスト16で消える。プレミアではペースを上げて首位のチェルシーに迫るマンU。だが、ロナウドとルーニーの好調さに頼っている面も強い。中盤を後方から掌握するピルロがミランのボール支配率を上げる為の原動力、セードルフ、ルイ・コスタ、カカなどにカフーも絡んで、マンUの中盤を圧倒。オールド・トラッフォードで後手に廻ってしまうマンUはなかなか見る事が出来ない。ロイ・キーンの仕切りも、ミランにダメージを与えるまでには至らない。クレスポのゴールでミランが優位に立ったが、マンUといえども、アウエーでミランに逆転で勝つのは非常に難しそう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.2.23 決勝トーナメント1回戦 1st leg
ブレーメン [ドイツ] 0-3 リヨン [フランス]
ゴール / ビルトール、ディアラ、ジュニーニョ
ブレーメンのゴール前でのパスでディフェンスを完全に崩したリヨン、ビルトールが先制。それ以降、ブレーメンのドイツ的な強烈な波状攻撃が続くが、結局無得点。ミクーのクロスからクローゼのヘディングなどが脅威となったが、決めるべき場面で決められなかったブレーメンには疲労の色が。クラスニッチの欠場も痛い。リヨンの反撃、コースを突いたディアラのロング・シュート。ジュニーニョの、これまた長距離の見事なフリー・キック。リヨンのディフェンスの冷静さと、決める時に決めるウマさが光った。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.2.23 決勝トーナメント1回戦 1st leg
バルセロナ [スペイン] 2-1 チェルシー [イングランド]
ゴール / OG(チ)、マキシ・ロペス(バ)、エトー(バ)
この早い段階で、今シーズン前半のベストの2チームのどちらかがチャンピョンズ・リーグから消えてしまう。短い不調から素早く脱したバルサ、直前の国内リーグでもベスト・メンバーで戦って少し驚ろかされた。一方のチェルシー、鉄壁と思われたチーム戦術に綻びを見せて、FA カップでもまさかの失態。絶好調だったロッベンが怪我で離脱し得点が減少、疲労を蓄積する守備陣にも更に負担がかかり、チームのバランスが良くなくなっている。特にアウエーのチェルシーは守備に対して慎重に慎重を重ねるであろう事は明白、それをバルサの攻撃陣が崩せるかが見所。ゲーム序盤、チェルシーの守備陣が落ち着かない中を、バルサ得意のパス廻しで相手のペナルティー・エリアに迫る。特にロナウジーニョの切れが素晴らしく、得点の予感をもたらした。だが、それ以降はチェルシーの2本の守備ラインが機能し、ゲームを硬直させた。更に、何とダフのクロスにバルサのベレッチが自陣のゴールを決めてしまい、チェルシーが先制し、更に守備的になってしまった。チェルシーのランパード、守備には貢献していたが、いつもの目の覚めるような長短のパスを繰り出す事はなかなか出来ない。局面を打開する圧倒的なドリブルを持つロッベンの不在がとてつもなく大きいチェルシー。昨シーズン、ポルトで司令塔として大活躍したデコがバルサに。デコとコンビを組んでバルサの攻撃陣に更に厚みを加えるシャビ。この2人のようなタイプの選手が、チェルシーにはいない。チアゴとランパード、チェルシーというチームのバランサーとしては非常に優れているが、ピッチを縦横に活用してパス廻しのパターンが非常に多いバルサの中盤の選手のようにはいかない。更に、バルサには天才ロナウジーニョがいる。少なくともこのゲームでは、冷徹な守備と得点の可能性のある攻撃とのバランスという点で、バルサがチェルシーを上回った。守備重視に徹っさぜるを得ないゲーム展開に陥ったチェルシーはジリ貧となり、精神的にも追い込まれたように見えた。2nd ハーフ、それまでバルサの守備陣に脅威を与えていたドログバがイエロー2枚で退場。ダフの1トップにせざるを得ず、フォワード不在ともいえるチェルシー、相対的に守備の人数が増える形になり、バルサは更に攻撃的に。そして、ジュリに替わって入った長身のマキシ・ロペスのポスト・プレーが予想以上に効果的に働く。テクニックもあるマキシ・ロペスが同点弾、更にエトーの得点で逆転。普通のチームならここで崩壊するところだが、チェルシーの固い守備で、1得点差でゲームを終えられた。2nd leg では、バルサはいつも通りに戦うだろうが、チェルシーがかつての強さと揺るぎない自信を取り戻せるかがカギだろう。モウリーニョ監督の真価が、ここで問われる事となった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.2.23 決勝トーナメント1回戦 1st leg
ポルト [ポルトガル] 1-1 インテル [イタリア]
ゴール / マルティンス(イ)、リカルド・コスタ(ポ)
またも監督が交代したポルト。ディフェンディング・チャンピョンの敗戦も予想されたが、最低限のモチベーションはキープされ、インテルと互角に戦った。マンチーニ監督が率いるインテル、思ったよりも守備が手堅く冒険の少ない、イタリア的なチームである。アドリアーノやマルティンスといった驚異的な能力を持つ選手の攻撃力が十分に生かされていないのかも?アウエー・ゴールを許したポルト、2nd leg では、マニシェやクアレスマなどの能力と連係が重要となるだろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.2.22 決勝トーナメント1回戦 1st leg
リバプール [イングランド] 3-1 レバークーゼン [ドイツ]
ゴール / ルイス・ガルシア(リ)、リーセ(リ)、ハマン(リ)、フランサ(レ)
リバプール、相変わらずの怪我人過多、ベスト・メンバーが組めない。しかも、モリエンテスがレアルでの出場がある為にリバプールで出場出来ず、更にジェラードがペナルティで 1st leg は不在。そんな中でも、ルイス・ガルシア、キューエル、ハマンなどが好調で、ホーム・ゲームを優勢に終える事が出来た。ゲーム終了間際に失点してしまったが、リバプールの最終ラインの出来と、少なからずあったレバークーゼンのチャンスの回数からすれば、1失点でもラッキーと言えなくもない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.2.22 決勝トーナメント1回戦 1st leg
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 3-1 アーセナル [イングランド]
ゴール / ピサロ(バ)×2、サリハミジッチ(バ)、トゥレ(ア)
トゥレのクリア・ミスのボールを、ピサロに奪われて先制されたアーセナル。キーパーのレーマンの不安定さを必要以上に強調してしまった場面。アーセナルがアウエーでの相変わらずの乗り切れなさを見せ付けた形ではあるが、今のバイエルンは強い。バラックが不在だが、フリングスやサリハミジッチ、前線のパサロやマカーイの動きの良さで十分カバー。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2005.2.22 決勝トーナメント1回戦 1st leg
レアル・マドリード [スペイン] 1-0 ユベントス [イタリア]
ゴール / エルゲラ
ベッカムの速くて縦に落ちるボールに、エルゲラが合わせた。レアルの攻撃の中心は、切れていたジダン。グラベセンを加えた新システムを、チームとして有効に使えるようになってきた。本番モードに入った両チーム、ホームで攻撃が冴えたレアルだったが、自陣に引いて守りに入るとスペインのチームには見られないウマさを出したユーベ。一見レアルが優勢に見えるが、セット・プレーによる1点に抑えたユーベにもまだ見込みがある。エメルソンやテュラムの強さは相変わらず。ただ、最近得点の極端に少ないユーベが、たとえホームでも逆転出来得るかは、かなり微妙。ネドベドの怪我も心配。
イングランド FA カップ 5回戦
ニューカッスル 1-0 チェルシー
2005.2.20
ゴール / クライファート
非常に速いクロスに合わせたクライファートのヘディングのゴールは、点で合わせる天才のクライファートらしい強烈なもの。ニューカッスルの先制点が早い時間帯に決まってしまい、最小得点差で逃げ切るチェルシーの得意のパターンが崩れてしまった。遂に今週となったチャンピョンズ・リーグ、バルサ戦が目前に迫り、スタメンをほぼ総入替したチェルシー。いつもの見事な連係プレーが見られず、ニューカッスルに中盤を制圧されてしまった。グジョンセンなどを投入して追い上げに入ったモウリーニョ監督だが、ブリッジの怪我、クディチーニの退場などで、ダメージを負ってしまった。4冠の可能性を残し、ここまでウマくやってきたチェルシーだが、そう簡単に4冠が達成できるワケはない。
イングランド FA カップ 5回戦
エバートン 0-2 マンチェスター・ユナイテッド
2005.2.19
ゴール / フォーチュン、ロナウド
エバートンのホーム・スタジアムで行われた、FA カップのベスト16チームの戦い。プレミアでは4位に付けてはいるが、ビーティーを警告で欠くなど戦力の整わないエバートン、序盤は攻めたが、結局はマンUに実力差を見せ付けられた。ビッグ・ゲームに強いマンUは、余裕の戦い。プレミアで絶好調のルーニーとロナウド、ルーニーは前所属チームのホームで良いところがなかったが、ロナウドは文句が付けられない出来。ドリブル、パス、クロス、どれも進歩を続けるロナウド、マンUの今シーズンの残りのゲームを引っ張るだろう。キーンのバランサーとしての存在感もサスガ。
チャリティー・マッチ
世界選抜 6-3 欧州選抜
2005.2.15
"世界選抜"対"欧州選抜"という名義でTV放映されていたが、"欧州選抜"にも南米の選手などがおり、"ロナウジーニョ・チーム"対"チェフチェンコ・チーム"というのが正しい呼称だろう。スマトラ沖地震という世界的な災害へのチャリティ、さすがに先発メンバーは超豪華。ロナウジーニョ・チームに加わった中田英寿、軽いボール廻しならブラジル代表に入っても遜色ない事が判明。2nd ハーフから入ったメンバーの中では、ジャンフランコ・ゾラのループ・シュートによるゴールが印象的、アンリ・カマラの2ゴールと圧倒的なスピードも目立った。
ワールドカップ 欧州予選
アルバニア 0-2 ウクライナ
2005.2.9
ギリシャ、デンマーク、トルコが同居するグループで首位をキープするウクライナ、アルバニア相手に確実に勝ち点3を稼ぐ。遂にシェフチェンコもワールド・カップ出場を達成するか?
テスト・マッチ
ドイツ 2-2 アルゼンチン
2005.2.9
ゴール / フリングス(ド,PK)、クレスポ(ア,PK)、クラニー(ド)、クレスポ(ア)
ドイツ、バラックが欠場。バラック不在の中盤をどうなるかと懸念されたが、フリングスなど連係でカバー。クリンスマン監督就任以降の、長短のパスを絡めた素早いパス廻しと攻撃的姿勢でのいい感じが持続している。クラニーの得点も明るい材料。対するアルゼンチン、特に 1st ハーフでのドイツのフィジカルの強さに負け気味だったが、アルゼンチンらしいテクニカルな攻撃が冴えた。特に目立ったのがリケルメ、ビジャレアルでの好調を代表でも見せつけ、完全にチームの中心となっていた。ミランで好調のクレスポも、この出来なら先発から外せない。
ワールドカップ アジア予選
日本 2-1 朝鮮民主主義人民共和国
2005.2.9
ゴール / 小笠原(日)、ムン・イングク(朝)、大黒(日)
全国のサポーターがハラハラした。日本代表チーム、テスト・マッチ・モードから本番モードにスイッチが切り替わるのに、かなり時間がかかった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 0-2 アトレティコ・マドリード
2005.2.6
ゴール / フェルナンド・トーレス、フェルナンド・トーレス(PK)
キック・オフから1分強、イバガサのトリッキーなパスを受けてのフェルナンド・トーレスのゴールが、ゲームを決めてしまった。トーレスの圧倒的な突破力と決定力。慎重で堅固な守備とカウンターというアウエーらしい戦法に専念出来たアトレティコを、バルサの攻撃陣は崩せなかった。アトレティコの守備は強気に終始、自陣ゴール前でバルサの一歩先を読み、結局得点を与えなかった。ロナウジーニョは、エトーがせっかく得たPKを外してしまう。逆に、アトレティコのグロンケアやトーレスのカウンターは冴え、バルサが圧倒的にボールを支配するなかでも、決定的なチャンスの数は互角に思えた。堅固な守備と決定力のある選手、チャンピョンズ・リーグのトーナメント戦、チェルシーがカンプ・ノウで繰り広げるゲームはこのようなゲームかもしれない。
イングランド プレミア・リーグ
チャールトン 1-2 リバプール
2005.2.1
ゴール / バートレット(チ)、モリエンテス(リ)、リーセ(リ)
1st ハーフはチャールトンのペース、相変わらず怪我人が多く万全でないリバプール。だが、負けてばかりはいられないリバプールの必死の反撃、遂にモリエンテスのリバプールでの初ゴール。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 4-0 エスパニョール
2005.2.5
ゴール / ジダン、ラウール×2、グラベセン
エスパニョールのデ・ラ・ペーニャ、遂にスペイン代表に選出。若くして天才と呼ばれ、バルセロナ時代にはロナウドへ幾多の必殺のキラー・パスを決めるなど注目されたが、守備への不安を指摘されるなどしてイタリアなどのクラブを転々とした。だがエスパニョールへ移籍後はプレーも安定し、現在リーガ4位の原動力となっている。このゲームでもキラー・パスやフリー・キックで力を出したが、レアルのゴールは奪えなかった。ホームのレアル、ルシェンブルゴ監督招聘後は徐々にレアルらしさを取り戻し、好調のエスパニョールを粉砕した。最前線でボールを受ける事が出来るようになったラウールの2ゴールが、レアルの中盤の安定を象徴しているか。
フランス リーグ1
トゥールーズ 1-3 マルセイユ
2005.1.29
中田浩二の移籍が確実になった、フランスの名門マルセイユ。キーパーには、あのバルテズが。ドログバの替わりに移籍したリュインドゥラは絶好調、マルレとの2トップは強力。中盤のペドレッティなども、まずまず。前日本代表監督のトルシエのシステムは未だ十分機能していないようだが、片鱗はうかがえる。中田浩二はディフェンスに入るであろうが、リヨン、モナコ、PSGなどの攻撃陣をどのように抑えるのかに注目が集まる。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 3-0 ラシン・サンタンデール
2005.1.22
ゴール / エトー、ロナウジーニョ、デコ
ビジャレアル戦での敗戦でペース・ダウン、ダメダメになったかと思われたバルサだが、このゲームだけ見れば復調。守備と攻撃の連係は、リーガでは他の追随を許さない。この調子ならチェルシー戦も何とかなるかも。対するラシン、ベナユンやハビ・ゲレーロを擁する強力な攻撃陣も不発。
イングランド プレミア・リーグ
リバプール 0-1 マンチェスター・ユナイテッド
2005.1.15
ゴール / ルーニー
レアル・マドリーからのモリエンテス、バレンシアからのペジェグリーノを早速先発で起用したリバプール。徐々にペースを上げてきたリバプールで、勝利への貢献を期待されるモリエンテスだが、マンU相手との対決で最初からゴールが決められるほど甘くはなかったか。このゲームだけに関して言えば、台頭してきたメラーを使った方が良かったとさえ思える。新加入の彼らの実績は文句のつけられないものだが、前所属チームで出番が少なかった事を考えれば、少なくとも大事に使った方が得策か。対するマンU、チェルシーの後塵を拝してはいるが、優勝に対するモチベーションは下がってはいない。ルーニーの得点力をウマく生かしていけば更に良くなるであろうし、面白いゲームを見られるだろう。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
ビジャレアル 3-0 バルセロナ
2005.1.9
ゴール / フォルラン×2、ロドリゲス
負けると事件になる今シーズンのバルサ、ビジャレアルにやられてしまった。信頼されれば力を出すリケルメ、絶好調をキープするかつての所属チームに対して、意地を見せた。ビジャレアルの中盤は強烈で、バルサが得意の連係を繰り出す隙を与えなかった。そして最前線のフォルランも、マンチェスター・ユナイテッド時代以上の働きを見せた。バルサの敗戦の原因が、長いシーズンの中のレアなケースなのか、疲労の蓄積によるものか、ビジャレアルが効果的な対処をしたのか、その全てなのか、シーズン後半のバルサのゲーム内容自体が語るであろう。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
アトレティコ・マドリード 0-3 レアル・マドリード
2005.1.9
ゴール / ロナウド×2、ソラーリ
フェルナンド・トーレスによる強烈な突破からのシュートが何回も試みられたが、レアルの必死のディフェンスを破る事が出来なかった。レアルは例によって自陣のゴール前では、得点の華麗さとはウラハラの、マサに死守という表現が相応しいパフォーマンスを見せた。今日もスーパー・セーブ連発、カシージャス様々というところ。攻撃も良かったレアル、久々にらしさを見せた。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
マジョルカ 2-2 デポルティボ・ラ・コルーニャ
2005.1.9
ゴール / ルケ(デ)×2、ルイス・ガルシア、大久保
大久保が1アシスト+1ゴール、他にも良いプレーが多数あり、能力的には通用する事が証明された。これからマークが厳しくなるであろうが、ゴールに近い位置でルイス・ガルシアなどとのコンビネーションが作られれば、ゴールは期待出来る。クーペル監督の組織重視の戦術にも対応するであろう。相手は強豪のラ・コルーニャ。ルケが実力を見せるなど個々の選手のポテンシャルは落ちていないが、組織自体が弛緩しており、何かを大きく変化させなければならない時期なのは間違いない。
イングランド プレミア・リーグ
チェルシー 2-0 ミドルスブラ
2005.1.4
ゴール / ドログバ×2
独走態勢のチェルシー、またも無失点の勝利。左サイド・バックにスメルティンを入れたが、ハッセルバインクや新鋭ダウニングが怖いボロの攻撃陣に対してでも、守備に問題はなかった。チェルシーの1点目、ロッベンとランパードのワン・ツーからドログバがパスを受けてのドリブルからのゴール。ゲームが続いて疲れているハズのプレミアの各チームだが、このゲームでも両チーム共に力をセーブしているようには見えない。特に、連続試合出場を続けながら精度の高いパスを何本も繰り出すランパードなどは超人的な働き。
イングランド プレミア・リーグ
リバプール 0-1 チェルシー
2005.1.1
ゴール / コール
堅守で無得点を続け、攻撃でも絶好調、文句ナシのチェルシー。チャンピョンズ・リーグ第6節での勝利以降、好調を続けるリバプール。ここでチェルシーを潰せば上位進出への可能性も見えるリバプール、序盤から攻勢を仕掛ける。パウロ・フェレイラが左に廻るなど本来の動きが出来ないチェルシーの最終ラインだが、結局ゴールを割らせないのはサスガ。怪我人だらけのフォワードを中盤のジェラードやルイス・ガルシアの押し上げでカバーするリバプールだが、ルイス・ガルシアの怪我による退場以降は攻めのペースが落ちる。不調ながらも耐え抜いたチェルシー、ジョー・コールの一発で逃げ切る。またも逃げ切ったチェルシー、リーグ制覇に刻々と近づいているのだろうか。
フレンドリー・マッチ
韓国 3-1 ドイツ
韓国は強かった。ドイツ選手と比較して体格は見劣りしないし、実際に当たりも強いし、スピードでも負けていない。そして、日本戦と比較してドイツの選手のコンディション悪くなった。UEFA カップに出場したシュツットガルトのクラニー、ヒンケル、ラームを先発させたが、チームが更に重くなった感じ。勝負の点だけ見れば日本戦と同じ先発にした方が良かったが、これはテスト・マッチなので・・・。
(記2004.12.20)
チャレンジカップ 2004.12.16
日本 0-3 ドイツ
ゴール / クローゼ×2、バラック
ドイツは強かった。クリンスマン監督が結果を見せた。中盤のプレスが強力になり、バラックの好調さとの相乗効果で日本の中盤に対して優位を保った。再び代表に入ったアサモアの出来が良く、このチームの戦力となっている。クローゼも2得点も、ドイツにとっては非常に良い結果である。日本代表はチャンスが作れず、久々に粉砕されてしまった。もう少し何とかなると思ったが・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.12.7 グループ・リーグ 6節
アーセナル [イングランド] 5-1 ローゼンボリ [ノルウェー]
ゴール / レジェス(ア)、アンリ(ア)、ホフトゥン(ロ)、セスク(ア)、ピレス(ア,PK)、ファン・ペルシー(ア)
調子を落としたアーセナルも復調か?中盤の要、エドゥ、ジウベウト・シウバ、ビエラが不在。替わりに入ったのが若手のセスク・ファブレガスとフラミニだが、少なくともこのゲームでは、アーセナルの強さには全く遜色がない。特に17歳のセスクのプレーには、未熟さが全く見られない。中盤でのボール奪取と密着マーク、守備から攻撃へのスムースな転換など、精神的な落ち着きには驚かされるばかり。このゲームでは、ゴールさえ決めた。攻撃のベルカンプ、ピレス、アンリというベテランに助けられてもいるが。他にも続々と若手が出て来るアーセナルは、ベンゲル監督が更にウマく切り回せば、何らかのタイトルは確保できるかも。ローゼンボリも敗れはしたが相変わらずタダでは転ばないチーム、強烈なキックを持つ選手が多い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.12.7 グループ・リーグ 6節
FCポルト [ポルトガル] 2-1 チェルシー [イングランド]
ゴール / ダフ(チ)、ヂエゴ(ポ)、マッカーシー
シーズン開幕当初は先行きが懸念されたポルトの出来だったが、何とか持ち直してきた。怪我から復帰したヂエゴが先発。マッカーシー、デルレイ、ルイス・ファビアーノと3人並べてきた前線とジエゴがどう絡むのか?今や欧州随一の堅守とさえ言えるチェルシーのディフェンスを突破して、トーナメントへ勝ち抜けるのか?もう無理する必要のないチェルシーは余裕の展開を見せるハズだったが、ポルトの激しいチェックにチェルシーの選手も対抗、もはや意地の張り合いに。ダフの得点でポルトがピンチに陥ったが、ヂエゴとマッカーシーのゴールで昨シーズンの覇者の面目を保った。連覇は難しいであろうが、ジエゴやクアレスマなどが更にチームに貢献すれば、マンUなどのビッグ・クラブを破って快進撃を見せるかもしれない。トヨタ・カップでも、何とか良いゲームを見せてくれるだろう。
イタリア セリエA
パルマ 1-2 ACミラン
2004.12.5
ゴール / ジラルディーノ(パ)、カカ(ミ)、ピルロ(ミ)
アウエーでも強さを発揮するミランが押し込み、パルマが引いてカウンターを狙う、という展開。チャンピョンズ・リーグでグループ・リーグ突破を決めたミラン、今週はセリエAに力点を置き、ベスト・メンバー。シェフチェンコとクレスポの2トップがうまく噛み合い、カカの阻止不能の中央突破と後方のピルロの支援も有効、ミランがチャンスを作り続ける。だが、ミランという強敵を迎えてモチベーションが高いパルマ、守備への集中力も高い。スコアレスのまま突入した 2nd ハーフ、ミラン入りをウワサされるジラルディーノがヘディングでのゴール。だが、パルマは、勝利する為に攻撃に重心を移したミランを止める事は出来なかった。最近見たセリエAのゲームの中ではかなり面白いゲームだったが、モルフェオなどを怪我で欠くパルマは苦しく、内容の濃いゲームを続けるのは難しいだろう。ジラルディーノは、やはりミラン入りに相応しい逸材なのか?確かに現在のミランには、チーム全体が疲労した時に現状を打開出来る、ジラルディーノのような若くてスピードがあって決定力のある前線の選手が一枚必要。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 5-0 レバンテ
2004.11.28
ゴール / ロナウド×2、フィーゴ、ベッカム、オーウェン
レバンテの監督は、レアルにも在籍したあのシュスター。統率されたチームで良いパス回しを見せ、中盤の薄いレアルをジワジワと攻めた。ジダン不在のレアル、例によって切れが悪く重苦しい展開。だが、ゲームが進展するにつれて良い状態となり、結局5得点の大勝。ラウールは得点こそなかったが切れがあり、攻撃陣の中心となっていた。フィーゴとベッカムのミドル・シュートは、レバンテの中盤の選手とはサスガに違う。それにしても、このゲームとバルサ戦との差、どうしてこうなるのか、全くもって謎が多い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.11.24 グループ・リーグ 5節
CSKA モスクワ [ロシア] 0-1 FCポルト [ポルトガル]
ゴール / マッカーシー
シーズン開幕直後は不調、攻撃の連係がイマイチのポルトだったが、このゲームをみる限りは、新たなチーム・プレイの形が整ったようである。期待のクアレスマもまずまず納得させる出来で、周囲ともマッチしていた。ジエゴのコンディション不良は残念。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.11.23 グループ・リーグ 5節
オリンピアコス [ギリシャ] 1-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
ゴール / ジョルジェビッチ
相変わらずチームのコンディションが冴えず、得点出来ないラ・コルーニャ。このグループでベスト16への勝ち抜けが有力視されていたラ・コルーニャとリバプールが共に不調の為、オリンピアコスが漁夫の利を得た形。特にホーム・ゲームでの攻撃的姿勢が目を引くオリンピアコスだが、粘りのある守備はギリシャ代表と特徴がダブる(当然と言えば当然)。大ベテランのリバウドも攻撃のスパイスとなっており、ジョルジェビッチへのアシストが見事。それにしても、昨シーズンの準々決勝でミラン相手に大逆転勝ちを見せたあの強かったラ・コルーニャは、一体どこへ行ったのか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 3-0 レアル・マドリード
2004.11.20
ゴール / エトー、ファン・ブロンクホルスト、ロナウジーニョ(PK)
前節、バルサはベティスに敗れた。守備の局面では、特にゴール前では徹底的に守り、チャンスではホアキンなどがスピードとテクニックを活かしてバルサのディフェンスを振り切って得点、現在は好調のバルサに対して、ベティスは一つの戦術の形を示した。だがレアルは、例えカンプ・ノウでのアウエー戦でも、ゴール前で網を掛ける守備的戦術を取る事は有り得ない。今回のクラシコ、戦前での地元での盛り上がりは今ひとつらしい。ミッド・ウイークに行われた各国の代表戦が、両チームの主力のパワーを削ぐのではとの読みもある。特に南米予選から戻ったばかりのブラジル代表のコンディションはいかに。だが、両チームの選手が今回のようにテクニカルで、クリーンにボール・ゲームを行うのが見えているクラシコも、久々ではないか。ゲーム序盤から、両チームの選手が走る走る。レアルのジダンなどの優雅なプレーは、プジョールなどが鬼神の如きディフェンスで寸断。バルサのロナウジーニョの危険なプレーも、レアルの必死のディフェンスで守る。ゲーム終盤を迎える前に、息切れでゲームが停滞するのではないか?!だが、それは杞憂であった。バルサのサポーターにとっては、最高のゲームであったろう。チームの一体感は、明らかにバルサの方が上回っていた。レアルのディフェンスのスキを突いての得点以降、徐々にバルサ優勢が明確になった。互角と思われていた両チームのフィジカルのコンディションも、バルサが優勢に見えた。レアルもバルサのように攻めなければならなかったが、チーム全体で守るバルサのシステムを突き破る事は出来なかった。このゲームでバルサに勝てば勝ち点差1に迫る事が出来たレアルだったが、サスガにカンプ・ノウで勝つのは難しい。カンプ・ノウのスタンドには、"カタルーニャはスペインではない"との文字が。スペイン代表の対イングランド戦での熱狂的なサポートと対峙する、カンプ・ノウでのレアル・マドリードへの対応。スペイン代表戦ではバルサの選手もレアルの選手も共存し、良いプレーを見せたが、スペインの複雑な国情を目の当たりにすると、ワールド・カップやユーロでスペイン代表が結果を出す事が出来るのは遠い未来の事ではないかと、杞憂を持たざるを得ない。
テスト・マッチ
スペイン 1-0 イングランド
2004.11.17
ゴール / デル・オルノ
例によってイングランドから大挙襲来したサポーター。それに対し、バルセロナや他の地方で開催されるよりも比較にならないほどに盛り上がっている、首都でのホーム・ゲームを迎えるスペインのサポーター。単なるテスト・マッチとは思えない異様なムード。ベッカムとオーウェンもレアル・マドリードに在籍、ラウールとの和やかなエール交換もあった。だが、ヒート・アップする観客に煽られてゲームが荒れ始め、切れやすいルーニーが早々に交替させられる場面も。純粋にゲーム内容だけ見れば、スペインではボランチにシャビとシャビ・アロンソが同時先発、質の高い縦へのパスが何本も前線に通るという効果があり、ラウールなどの動きも良く、スペインが優勢であった。だが報道によれば、スペイン・サポーターによる過度に人種差別的なヤジがイングランド選手に浴びせられていたという(筆者は現地語は分からない)。人種的な誹謗などは全く論外であり、21世紀を迎えた今日、先進国の大都市のスタジアムでこのような偏狭な言行を見せるサポーターがいるとは信じ難い。イングランド人や世界中のファンが注目するビッグ・ゲームであり、明らかに国家的な恥となる行為をとるとは・・・。
ワールドカップ 欧州予選
トルコ 0-3 ウクライナ
2004.11.17
ゴール / グセフ、シェフチェンコ×2
エムレ、ニハトなど、テクニカルでスピードのある選手が揃ったホームのトルコが攻め、カウンターを狙うアウエーのウクライナ、という図式が予想された。比較的早い時間帯でウクライナが先制した事により、まさしくこの図式通りになった。ゴール前を固めるウクライナに対し、トルコが攻めきれないという形でゲームが進行する。ウクライナには自陣から一気に相手ゴールまで攻め切れるスピードのある選手が多く、トルコにとって恐ろしい事には、ウクライナにはシェフチェンコがいる。ウクライナは完全に思惑通りのゲーム展開となっり、絶好調のシェフチェンコは結局2ゴール。1点目はストライカーらしい得点、2点目はクロスに右足のアウトで合わせたとんでもないゴール。ウクライナ、今度こそ本番への進出を果たせるのだろうか?トルコは世代交代が進行中で、若くて良い選手が多いが、攻撃は多彩なようで単調に思える。このゲーム関しては、ハカン・スクールのような芸のある選手が欲しいところであったが・・・。
ワールドカップ アジア 一次予選
韓国 2-0 モルジブ
2004.11.17
ゴール / キム・ドゥヒョン、イ・ドングク
モルジブの守備は良く集中出来ており、非常に素晴らしい(但し、攻撃は全くない)。だが、韓国との実力差は歴然。そのモルジブを、韓国は攻め切れない。2002年にワールド・カップで世界4位に食い込んだあの力を出し切れていない。燃え尽き症候群なのだろうか?ユ・サンチョルなどはスペインで明らかにパワーアップしたが、それをチームと完全に融合するところまで達していないように見える。2nd ハーフで2得点して1次予選敗退という最悪の結果は免れたが、代表チームの現状は2年前と比較して明らかに良くない。ワールド・カップ終了後、韓国の好結果はレフェリーのホーム寄りの誤審によるものだという声がいまだに聞こえてくるが、アジアの名誉の為にも、韓国はドイツで再び結果を実力で示さなければならない。2次リーグでのゲーム内容に、必然的に注目が集まる。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 開幕
レアル・マドリード 6-1 アルバセーテ
2004.11.14
ゴール / ロナウド(レ)×2、フランシスコ(ア)、ジダン(レ)、ラウール(レ)、サムエル(レ)、オーウェン(レ)
アルバセーテの守備が脆かったのもあるが、久々に見せてもらった強いレアル。畳み込むようにオフェンスに比重を掛けてチームをリズムに乗せている時のレアルが、最もレアルらしい。守備的な中盤の選手を取らずにゴール・ゲッターのオーウェンを迎えた事でレアルは批判を受けていたが、そのオーウェンが得点を重ねる事でチームの救世主になっている。確かに中盤の守備を安定させて失点を少なくする事は、勝利への近道かもしれない。しかし現在のレアルの場合は、ひょっとしたら守備的な選手を加える事で攻撃のリズムを悪くするかもしれないし、ファンが必ずしもレアルをバレンシアのように守備的なチームにする事は望んではいないだろう。オーウェンがフィットし始めた時点では、怪我のベッカムに替わって、守備的な選手ではなくジダンが中盤後方に入っていたし。レアルに選手を加えなければならないとすれば、必ずしも守備的かどうかではなく、要するに、素早くレアルにフィットするスーパーな技術を持つ選手なのであろう。問題なのは、モリエンテスやソラーリなどの名手の出番が少ないという効率の悪さで、守備的な中盤の選手を獲得しても銀河系レベルでなければ先発の機会は極めて少ないだろう。だが、問題続出のように見えても、リーガ2位に浮上し、選手のレベルからすれば優勝しても全くおかしくはないレアル。監督が替わっても、GMが交替しても、選手の補強に疑問があっても、結果が出れば許されてしまうレアル・マドリードというチームは、本当に不思議だ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.11.3 グループ・リーグ 4節
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 0-1 ユベントス [イタリア]
ゴール / デル・ピエーロ
チャンピョンズ・リーグで4試合連続1対0、グループ・リーグ突破を果たしたユーベ。ゼビナがペッソットに替わったが、強固なディフェンスと勝負強さが目立ち、強運をも味方につけて、優勝候補の一角に付けている。守備の安定をもたらしたカンナバーロ、エメルソンの強さとウマさ、ネドベドの攻守に渡る貢献、イブラヒモビッチの前線でのタメ、ゲームの結果そのものが、ユーベの良い面ばかりを強調した。マガト監督の招聘を含めた補強が大成功に見えたバイエルンは、現在のところ結果はイマイチ。このゲームでも、マカーイとピサロの2トップが不発、バラックまで萎縮したように見えた。ルシオの強烈な攻め上がりも空振り。2nd ハーフに登場した34歳のショルが往年のテクニックを見せたが、現在のバイエルンに必要なのは、ショルのような創造的なプレーをする選手なのかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.11.2 グループ・リーグ 4節
バルセロナ [スペイン] 2-1 ACミラン [イタリア]
ゴール / シェフチェンコ(ミ)、エトー(バ)、ロナウジーニョ(バ)
名実共に名門同士の対決の第二ラウンド、このゲームを見なければ今シーズンの行方は読み取れない。リーガで絶好調のバルサが、欧州でも通用する実力が備わっているのかが見物。イタリアなどでは考えられない、攻撃的選手と目される選手を中盤に配置したバルサの布陣。だが、リーガでも今シーズ4失点というバランスの良さ。当然、攻撃的な選手も献身的に守備を行っている結果である。ポルトで司令塔だったデコも、下がった位置で攻守に貢献。いや、司令塔という概念が希薄で、後方の選手から質の高いボールが縦横に飛び交い、それを受ける選手の決定力が悉く高い。しかも、戦術と技術の高さ以上に、選手相互の信頼関係がゲームの結果に良い作用をもたらしているように見える。最終ラインでのプジョールの貢献度も相変わらず、キーパーのバルデスの安定度も増している。現在のところ、これらの面で、今シーズンはレアル・マドリードを凌駕し、リーガの結果にも現れている。主力選手に怪我が多いのは気になるが、今のところはチームが不安定になる事もない。ACミランとのアウエーとホームの戦いで、現在のバルサの実力が欧州の強豪に通用する事が証明された。少なくとも、バルサには優勝する可能性が十分にある。アウエーでも攻撃的姿勢を貫き、このゲームでも終盤はミランを一方的に押し込んだ。エトーとロナウジーニョの得点にも納得させられた。ミランも強さを見せたが、アウエーのゲームで一方的に押し込まれると手詰まりになっていたところが、昨シーズンのラ・コルーニャ戦で大敗したゲームを連想させた。確かにベテランが多い事がチームを安定させてはいるが、膠着した状態を打開する駒がもう一つ足りない気もする。
イングランド プレミア・リーグ
マンチェスター・ユナイテッド 2-0 アーセナル
2004.10.24
ゴール / ファン・ニステルトーイ(PK)、ルーニー
このゲームをモノにすれば何と50戦負けナシのアーセナル。ストップをかけたのは、やはりマンU。昨シーズンも、ダービー・マッチも霞んでしまうような激闘を続けた両チーム。いや、単なる激闘というよりは神経戦、何か過剰にナーバスになって乱戦に陥る寸前でギリギリ踏み止まっているような、異様な緊張感。アーセナルのイレブンは当然、ここで連続無敗記録をストップさせるワケにはいかず更にナーバスになっているし、激しい闘争心と平常心のバランスをとるのは極めて困難。同日に行われたセリエAのミラノ・ダービーも激しかったが、ここまで緊張感に満ちてはいなかった。1st ハーフは無得点でほぼ互角であったが、ややアーセナルが優勢。プレミア・リーグでのここまでの勢いとチームのコンディションの差が出ていた。ビエラを中心に据えて万全の体勢のアーセナル。マンUには、ファーディナンドの復帰とルーニーの加入で俄然パワー・アップしたようにも見えるが、攻撃のコンビネーションに難がある。ファン・ニステルローイ、ルーニー、スコールズ、ロナウドと名前を並べると凄い威圧感。だが、恐るべき能力の潜在能力を持つルーニーのオールラウンドさが、逆に足かせになっているようにも思える。ポルトガル代表では生きているロナウドの個人技も、マンUのシステムの中ではイマイチ噛みあっていないのかもしれない。堅実なアーセナルのディフェンスを破るまでには至らない。対するアーセナルも、闘争心では劣っていないマンUの守りに対して、いつもの華麗な攻撃を披瀝出来ない。2nd ハーフ、キャンベルのルーニーへのファールに対する微妙な判定の結果、マンUにPKが与えられた。確かにこの判定は微妙であり、主審に対する批判もあるようである。だが、この難しいゲームを裁くのは非常に難しく、この局面では別の判定を下しても結局批判されたであろう。結果論で見れば、アーセナルが力を出せなかったように思えるし、マンUの勝利の決め手になったのはやはりルーニーの能力であったように思える。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.10.20 グループ・リーグ 3節
バレンシア [スペイン] 1-5 インテル [イタリア]
ゴール / スタンコビッチ(イ)、ビエリ(イ)、アイマール(バ)、アドリアーノ(イ)、ファン・デル・メイデ(イ)、クルス(イ)
ほぼ互角の内容のまま、両者無得点で終了した 1st ハーフ。2nd ハーフの冒頭、スタンコビッチの得点で様相が一変する。堅守、中盤の支配、確実なフィニッシュで、2003-04 シーズンのリーガと UEFA カップの二冠を制したバレンシア、絶対なハズのホーム・ゲームで5失点。インテルが強いのか?バレンシアが急に弱くなったのか?ビセンテやアジャラの故障での不在もあるのだが、全ての局面でインテルの力が勝っていた。タレントは揃っているが、監督が何人交替しても、大味なゲーム展開に変化ナシというインテルを、マンチーニ監督が変えようとしているのか。噛み合わないと言われているビエリとアドリアーノを平然と2トップに並べ、イングランドでイマイチだったベロンを蘇生させようとし、中盤のパス・ワークを確実なものにしている。アドリアーノは凄みを増し、エムレとビエリも蘇った。サブのファン・デル・メイデとウリオ・クルスも得点。このゲームは、今シーズンのチャンリョンズ・リーグ、更に各国のリーグの結果に、大きな影響を及ぼす可能性があると思わせるくらい、衝撃性が強い。バレンシア、久々にアイマールが活躍したオフェンスでは良い面も垣間見えたが、守備の再構築が最重要課題。リーガのレアル・マドリード戦で良い結果が出れば、このゲームでのダメージも払拭出来るだろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.10.20 グループ・リーグ 3節
ACミラン [イタリア] 1-0 バルセロナ [スペイン]
ゴール / シェフチェンコ
かつて世界最強だった80〜90年代のミランの中盤を担っていた両監督、ミランのアンチェロッティとバルサのライカールト。率いられる両チームはビッグ・イヤーを狙える十分に狙える強豪、今シーズンの年内のゲームでは最大の注目カード。ロナウジーニョが目立たないくらいにテクニシャンを大量補強したが、攻守のバランスに崩れが見られないのが、今シーズンのバルサの特徴。ラーション、エトー、デコなどが、次々とミランのゴール前に現れ、どちらがホーム・チームなのか分からなくなる。だが、サスガにミランのディフェンスは強固、スタムの剛とネスタの柔という感じだが、特にスタムの凄いディフェンス能力が目立った。シェフチェンコのヘディングにやられたが、バルサのディフェンスも悪くなかった。中盤の攻防も厳しいく、技の応酬が続いた、クリーンな好ゲームではあったが、両チームが本当に相手の弱点を突けたのかは不明。来年の5月まで集中力を持続出来るか。ミランのシステムは強固だが読み切られて突破される可能性はあるし、今シーズンのバルサのディフェンスは本当の危機には晒されていない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.10.19 グループ・リーグ 3節
ユベントス [イタリア] 1-0 バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
ゴール / ネドベド
意外中の意外、チャンピョンズ・リーグでは初対決。バイエルン、マカーイは絶好調だが、怪我人も多く、現在は調子を落としている感じ。一方のユーベは、カペッロ監督を含め鉄壁の補強が効いて、全く崩れそうにないチームに仕上がっている。右サイドバックのゼビナ、ローマ時代とは役割が異なり、攻撃参加で新たな面を見せている。イブラヒモビッチの存在感も相変わらず。強豪同士らしい緊迫した攻防が続いたが、目立たなかったネドベドが突如出現、イブラヒモビッチのパスを受けてのゴール。ここまでのユーベ、伝統的な勝負強さと一新されたチームの持つモチベーションで、大きな躍進の可能性を感じさせている。まあ、そう簡単にビッグ・イヤーは奪還できないだろうが。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.10.19 グループ・リーグ 3節
リバプール [イングランド] 0-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
ルイス・ガルシアとシャビ・アロンソのスペイン人が、リバプールに新たなテイストを持ち込んでいる。バロシュが動き回り、シセがコースを突いたシュートを何本も放った。だが、ラ・コルーニャのディフェンスが強固。モリーナのセービングもサスガ。問題は、ラ・コルーニャのオフェンス。アウエーとは言え、得点チャンスが極めて少ない。たとえアウエーであっても守備と攻撃のバランスが見事だったラ・コルーニャの本来の姿が、まだ蘇っていない。このスコアレス・ドローという結果から導かれる両チームにとっての今後の展開は不明だが、悪いゲームではなかったし、共に飛躍の可能性は秘めているように見える。
ドイツ ブンデスリーガ
シュトゥットガルト 2-0 ボルシア・ドルトムント
2004.10.16
ゴール / ヒンケル、カカゥ
元ドルトムントのザマー監督が率いるシュトゥットガルト。マガト時代の堅実で精緻なチーム・プレーが良い面で残っており、更に攻撃的な方向性を見出そうとしているのか。フィニッシュに正確性を欠いていたが、怪我明けでサブのクラニーが入った時点でエンジンがかかり、2得点。ドルトムントにはコレルやロシツキがおり、選手は悪くないのだが、全体的に精彩を欠く。チームの財政面での危機がプレーに反映されてしまっているのだろうか。
ワールドカップ 欧州予選
ポルトガル 7-1 ロシア
2004.10.13
ゴール / パウレタ(ポ)、ロナウド(ポ)×2、デコ(ポ)、アルシャビン(ロ)、シモン(ポ)、ペティ(ポ)×2
EURO 2004 での勢いを取り戻したポルトガル。ルイ・コスタやフィーゴはいなくなったが、チャンピョンズ・リーグを制した時点でのポルトの選手を核に、ロナウドやアンドラーデを加えた布陣は相変わらず。未だ10代のロナウドは、既に主力中の主力。冴え渡るデコを筆頭に、ポルトガルの前線の畳み掛ける攻撃を、ロシアは抑え切れない。途中出場のペティに2点加えられれば、完全にお手上げ。このゲームでのポルトガルが強力だったのは、攻撃と同時に守備陣も有機的に絡み、システマチックにチームが機能した事。中盤のマニシェはコスティーニャよりは攻撃的だが、この両者のバランスも見事。ポルトガルが予選を通じて、更に2006年まで、勢いを持続出来るかが課題。
ワールドカップ 欧州予選
イタリア 4-3 ベラルーシ
2004.10.13
ゴール / トッティ(イ,PK)、トッティ(イ)、デ・ロッシ(イ)、ロマシュチェンコ(イ)×2、ジラルディーノ(イ)、ブリハ(ベ)
このゲームで見られるように、トッティが好調の時は本当に凄い。特に、相手のゴール付近での、普通ならチャンスになり得ない選手が密集した中でのチャンス・メークには驚かされる。絶好調なトッティとダメダメなトッティの間の差はとてつもなく大きく、この差が小さければイタリア代表にとってもローマにとっても問題はないのだが。このゲームでのイタリアとベラルーシでは、確かにイタリアの方が地力は上であろう。だが、我々の持つイメージや FIFA のランキング程には実力差はない。ベラルーシでは、ロマシュチェンコやクツゾフの動きも良い。現在のイタリア代表の中盤、確かにデ・ロッシやガットゥーゾは良いが、ディフェンダーやフォワードと比較して層が薄い。イングランドやドイツなどと比較しても、中盤だけ見れば劣勢なのではないか。チームのバランスや結束力を見ても、スウェーデンなどの方が上と思える。このゲームでも、ベラルーシの動きの良さにやられて中盤を支配し切れず、3失点を喫した。イタリアのPKによる得点がなければ、同点で終る危険さえあった。前のゲームでもイタリアはスロベニアにやられてしまったし、このグループは大混戦の予感が漂う。
ワールドカップ 欧州予選
オランダ 3-1 フィンランド
2004.10.13
ゴール / タイニオ(フ)、スナイデル(オ)、ファン・ニステルローイ(オ)×2
序盤、オランダの攻めが甘く、ヒューピアが中心のフィンランドの強固なディフェンスを崩せない。しかも、オランダはフィンランドのカウンターを再三に渡って食ってしまい、遂に先制される。チャンピョンズ・リーグでバイエルンに大敗した時のアヤックスのメンバーが先発に入っており、そのゲームと同様な展開になるのかと危惧された。だが、遂に不調から脱したスナイデルの切れが物凄く、同点のゴールも奪った。ベテランのコクー、ダービッツ、ファン・ニステルローイの存在も大きく、チームの核となって若い選手の足りない部分を補った。後は、ファン・デル・ファールトの真のブレイクを待つだけか・・・。フィンランド、このゲームの序盤の勢いでホームでオランダを破れば、まさかの一位通過もあり得る。
ワールドカップ 南米予選
ベネズエラ 2-5 ブラジル
2004.10.9
ロナウド、ロナウジーニョ、カカ、ゼ・ロベルト、ジュニーニョ・プレナンブカーノ、ロベルト・カルロスと、ビッグ・ネームが並び、現在絶好調のアドリアーノさえサブに廻らざるを得ない。カカ、ロナウド、アドリアーノのゴールが見物であった。ブラジル・セレソンはガチガチに勝ちに行っているワケでもないが、ベネズエラは完全にお手上げ。これまで好調だったベネズエラの2得点は、実力なのかオマケなのかは不明だが、前ノメリのブラジルの大量点の後のディフェンスの緩みは仕方がないところか。ブラジルの選手層の厚さは稀に見る凄さだが、問題は現在が 2004 年で、本番まであと2年あるという事。
ワールドカップ 欧州予選
チェコ 1-0 ルーマニア
2004.10.9
ゴール / コレル(PK)
チェコのバロシュ、来たチャンスを全てフイにしてしまった。一方的に攻めたチェコは結局1得点に終ったが、勝利は順当。ルーマニアの得点源のムトゥに来たチャンスの数は、バロシュと比較してもほんの僅か。チェコでは、ハインツが切れていたのも目立った。
ワールドカップ 南米予選
アルゼンチン 4-2 ウルグアイ
2004.10.9
ゴール / ルチョ・ゴンザレス(ア)、フィゲロア(ア)×2、サネッティ(ア)、ロドリゲス(ウ)、チェバントン(ウ)
ビエルサ監督の突然の辞任に伴い、ユースを率いて結果を出して来たペケルマンが後任に。監督が交替した為か、新旧の選手が絡み合った結果か、このチームは強い。得点はなかったがサビオラは良かったし、リケルメも役割を貫徹していた。ウルグアイのディフェンスが冴えなかった為もあるが、ゴール前の素早いパス廻しからの得点は鮮やか。フィゲロアの2得点は大きい。キーパーのアゴンダンシエリも悪くなかった。ウルグアイの2トップ、ダリオ・シルバとチェバントンにもっとボールが来れば何とかなったかもしれないが、アルゼンチンに押し込まれていた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.9.28 グループ・リーグ 2節
チェルシー [イングランド] 3-1 ポルト [ポルトガル]
ゴール / スメルティン(チ)、ドログバ(チ)、マッカーシー(ポ)、テリー(チ)
優勝したポルトからチェルシーに移籍したマウリーニョ監督と選手、マサに因縁の対決と言える。8月に早くも監督が交代したポルト、セルタで成功したフェルナンデス監督と言えどもチームを掌握するのには時間がかかりそう。このゲームでも苦戦が予想されたが、前シーズンからのチームの良い流れは消えていないし、再躍進への気配も漂う。新加入のジエゴ、クアレスマなどもこれからの選手だし、マニシェ、デルレイ、カルロス・アウベルトもまだ在籍している。このゲループでは2位狙いが最も現実的か。対するチェルシー、恐ろしく守備が強いチームに仕上り、特にこのゲームの先発は強力。キーパーのツェフはクディチーニを控えに追いやり、テリーとリカルド・カルバーリョのセンター・バックのコンビは鉄壁、その前にいるのがマケレレとランパード。復帰したダフは攻守の両面に強いし、ストライカーのドログバも同様。地元のサポーターに喜ばれるかどうかは不明だが、リアリティーな今シーズンのチェルシーは大きく崩れる心配はなさそうに見える。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.9.28 グループ・リーグ 2節
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 4-0 アヤックス [オランダ]
ゴール / マカーイ、マカーイ、マカーイ(PK)、ゼ・ロベルト
バイエルンはブンデスリーガで不調のようだが、このゲームで見る限りは、昨シーズンよりも良い。マカーイが絶好調なもあるが、マガト監督がシュツットガルトでの布陣をそのままバイエルンにも適用しているようである。バランス良く配置された守備陣と、チャンスがあれば畳み掛ける攻撃陣。元々選手のレベルは高いし、モチベーションさえ持続すれば、義務である最低一つのタイトル獲得も見えて来る。マカーイの他には、ゼ・ロベルトが好調だし、バラックの存在感も相変わらず。ゲーム序盤は持ち堪えたアヤックスだが、先制されて以降はジリ貧になり、若さが裏目に出た感じ。個々の選手は悪くないのだが・・・イブラヒモビッチの穴は大きいか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.9.29 グループ・リーグ 2節
ACミラン [イタリア] 3-1 セルティック [スコットランド]
ゴール / シェフチェンコ(ミ)、バルガ(ス)、インザーギ(ミ)、ピルロ(ミ)
ゲーム序盤はミランの一方的展開、ほとんどベストの布陣のミラン、カカの動きが冴えるなどセルティックを圧倒した。だが、ここでチェフチェンコの1点だけに終ったミラン、ほんの少しづつ押し返され、2nd ハーフに遂に同点にされた。結局インザーギの得点に救われたが、やはりセルティックも決して侮れない。強豪ミランと言えども90分間完全に集中し切るのは難しいし、チャンピョンズ・リーグに出て来るチームは少しでもチャンスが出来れば素早く対応して来る。今シーズンも、予想外の展開と結果が待っているのかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.9.28 グループ・リーグ 2節
レアル・マドリード [スペイン] 4-2 ローマ [イタリア]
ゴール / デ・ロッシ(ロ)、カッサーノ(ロ)、ラウール(レ)×2、フィーゴ(レ,PK)、ロベルト・カルロス(レ)
監督交替などで不安定な両チーム、とにかく選手自身が力を出して状況を改善するしかない。序盤はローマの攻勢、例によってトッティとカッサーノが中心となって2得点。彼らが好調であれば、ローマは得点出来る。だが、シーズン開始から動きが鈍かったレアルの選手が、この刺激によって突如目覚める。必死の攻撃によって大逆転、ラウールが2得点。サポーターとの関係が悪くなりかけたレアルの選手だが、全てはゲームの内容次第である事を図らずとも証明してしまった。ローマの各選手も悪くないのだが、やはりカペッロ監督の離脱が大きかったか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.9.28 グループ・リーグ 2節
モナコ [フランス] 2-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
ゴール / カロン、サビオラ
モナコからは、ジュリ、モリエンテス、ロテン、プルソと攻撃陣の主力が全て去ってしまったが、カロン、チェバントン、サビオラと出来すぎなくらいに見事に補った。モナコで目だったのはアデバイエール、役割は司令塔といった感じだが、長い手足と強いバネを生かしてのパスが印象的。ひょっとしたら、ワールド・クラスの才能を持っているかも。ラ・コルーニャは主力は前シーズンとほとんど同じだが、シーズン序盤は不調。バレロンに冴えが無いのが気になる。ちょっとしたキッカケでまた強くなるように思えるが。
ワールドカップ 欧州予選
オランダ 2-0 チェコ
2004.9.8
ゴール / ファン・ホーイドンク×2
オランダ、あのファン・バステンが監督に。90年代の強かったアヤックスとPSVに在籍していた主力が徐々にオランダ代表を離れ、ファン・デル・ファールトの世代と置き換わった。キャプテンのダービッツも加えた中盤のスピーディな展開、EURO の時より良くなっている。トップに起用されたのは、マカーイなどではなくファン・ホーイドンク、これで結果が出た。ファン・バステンの采配の妙なのか。敗れはしたが、チェコも悪くなかった。ネドベドとポボルスキーが不在、もう代表には戻らない可能性もある。だが、チェコも世代交代が進み、高いレベルをキープ出来ている。
ワールドカップ 欧州予選
ボスニア・ヘルツェゴビナ 1-1 スペイン
2004.9.8
ゴール / ビセンテ(ス)、ボリッチ(ボ)
スペインの先発は、どの組み合わせがベストなのか?アラゴネス監督でさえ正解が分からない、超難解なパズル。選手層が厚いのかもしれないが、突出したタレントに欠けるとも言える。今回の目玉は、フォワードにレジェスを入れてラウールと組ませた事。だがアーセナルと違ってボールが来ないし、コンビネーションがイマイチだし、ゴール前に後方から素早く駆け抜けて来る選手もいない。レジェスのスピードに賭けたようだが、スピードを生かす機会が現れない。中盤のアルベルダとバラーハというバレンシアの核をそのまま移植したが、この二人がチーム全体を仕切る位な状況でなければ、単に二人が揃っただで終ってしまう。1st ハーフは、ボスニアもエンジンが掛からなかった為、両チーム無得点に終った。2nd ハーフ、ビクトルを下げてモリエンテスを投入、ビセンテを右サイドに移すという手に出たが、ビセンテ自身による右サイドからのシュートによるゴールという好結果を生んだ。その後、アルベルダをシャビ・アロンソに替えた直後、ボリッチに同点にされる。シャビ・アロンソは期待の持てる選手だが、アルベルダを下げてしまうのは、どうなのだろう・・・。相変わらず、バレロンの居場所もない。キーパーとディフェンス以外では、やはりラウールが中心のようだが、例えばロイ・キーンのような強烈なプレー自体でチームを鼓舞する選手が出て来ないと如何ともし難いのか?サリハミジッチやバルバレスもいて技術も闘志も持ち合わせるボスニア・ヘルツェゴビナに、本選出場を持って行かれる危険もある。スペインの世界制覇は、まだ当分先の話なのかもしれない。
テスト・マッチ
ドイツ 3-1 ブラジル
2004.9.8
ゴール / ロナウジーニョ(ブ)、クラニー(ド)
ドイツ、あのクリンスマンが監督に。EURO で冴えないパフォーマンスを見せたドイツ代表。2006年の自国でのワールド・カップ開催という大事業を成功させる義務を負うが、サスガに、ここで何とかしなければという気概が若干ながら垣間見えた。チーム全体の積極的な攻撃が功を奏し、ディフェンディング・チャンピョンのブラジルに対して押し気味にゲームを進めた。ヒンケルとラームの両サイド・バックが効き、久々に代表での姿をみたアザモアに切れがあった。何と言っても大きいのがダイスラーの大復活で、スピーディに動き、テクニックを見せた。クラニーが得点出来たのも大きい。対するブラジル、ロナウジーニョも先発したが、長距離の移動の為か動きが良くない。ロナウドとアドリアーノの脅威の2トップも得点出来ず。ディフェンスにも、集中力の欠如が目立った。それでも、ロナウジーニョの見事なフリー・キックが見れたし、やはりブラジルはブラジル。2006年の決勝も、2大会連続でドイツ対ブラジルかも??
ワールドカップ 欧州予選
ラトビア 0-2 ポルトガル
2004.9.4
ゴール / ロナウド、パウレタ
ラトビア、相変わらずの堅実さを重視したカウンター・サッカー。ベルパコフスキスなども、フリーにしてしまえば危険。EURO のファイナリストのポルトガルも、1st ハーフはラトビアに粘られた。ルイ・コスタとフィーゴが代表引退のポルトガル、前シーズンのポルトのメンバーが当然のように先発、ロナウドも好調、ラトビアを振り切った。ラトビアに対するマークは更に厳しくなるだろうし、予選突破はかなり厳しいだろう。
ワールドカップ 欧州予選
イタリア 2-1 ノルウェー
2004.9.4
ゴール / カレウ(ノ)、デ・ロッシ(イ)、トーニ(イ)
イタリア代表監督がリッピに交代、チームに変化が見られる。EURO では全てがチグハグで、優勝したギリシャ代表などとは明らかに違いがあった。伝統のカテナチオという呼称でさえ、死語になりそうだった。まずリッピが持ち込んだのは二つ、より連係を重視する事と、闘志を持った選手を起用する事。予選の初戦ではあるが、早くもユベントスが強かった頃を彷彿とさせるプレーが見られた。ボールの奪取、素早いパス廻し、フィニッシュまでの過程に見るべきものがあった。ノルウェーが、カレウの早々の得点で引いてしまったのもあるが、ジラルディーノとミッコリのシュートは決まらなかった。徐々に非常に高い潜在能力を見せつつあるロッシと、地元パレルモのヒーローのトーニの得点がなければ、良いゲームを見せながら結局敗戦に終わる可能性もあった。イタリアが伝統の強さを取り戻すのかどうか、予選の中で明らかになる。
ワールドカップ 南米予選
ブラジル 3-1 ボリビア
2004.9.5
ゴール / ロナウド(ブ)、ロナウジーニョ(ブ,PK)、アドリアーノ(ブ)、クリスタルド(ボ)
カカ、ジーダ、カフー、エメルソンなどが不在。それでも、ロナウド、アドリアーノ、ロナウジーニョ、ジュニーニョ、ジウベウト・シウバ、エドゥー、ロベカルが居並ぶ、驚異的な選手層の厚さ。ゲーム開始50秒でロナウドがゴール、これでサンパウロのスタジアムは和んでしまった。最近のゲームとしては、かなりブラジルらしいパス廻しが見られた。例によって1失点が余計だが、ブラジル代表選手の体力の消耗が多少なりとも軽減された。
ワールドカップ 欧州予選
オーストリア 2-2 イングランド
2004.9.4
ゴール / ランパード(イ)、ジェラード(イ)、コールマン(オ)、イワンシュイッツ(オ)
スコールズが早くも代表引退するなど、徐々に世代交代が進むイングランド。ベッカムなど知名度の高い選手が並ぶが、予選の初戦がドロー。サッカー界からサプライズという表現が消滅しつつある現実が、ここにも。イングランドの現在のチームの完成度は、選手の知名度とギャランティとは比例していない。キーパーのジェイムスの不安定度が、チームのバランスの現状を象徴している。オーストリアの得点者のコールマンとイワンシュイッツにしても、フリーにすれば素晴らしいキックを見せている。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 開幕
ラシン・サンタンデール 0-2 バルセロナ
2004.8.29
ゴール / ジュリ、エトー(PK)
ルイス・エンリケとオーフェルマルスは引退、クライファート、ライツィハー、ダービッツ、サビオラなどは移籍。やって来たのは、デコ、ジュリ、ラーション、エトーなど。攻撃陣を中心に大幅な選手の交代が図られ、特にブラジル出身選手が主力となったバルサ(アルゼンチンのサビオラはい辛くなった?)。確かに、華麗な個人技によるパス交換は芸術の域にまで到達しそうな予感。ケガのロナウジーニョが復帰すれば、クライフ監督時代の強いバルサが蘇るかも。このゲームは無得点で終わったが、守備力はまだ未知数。コクーやダービッツの穴は、モッタなどで補えるのだろうか?(ベレッチの獲得はヒットか?)シーズンは長いし、ソシオならずとも、期待と不安の入り混じった開幕戦、総合力の見極めは先延ばしとなった感じ。負けたとは言えラシンも力が無いワケでもないし、やはりリーガ・エスパニョーラのレベルは高い。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 開幕
マジョルカ 0-1 レアル・マドリード
2004.8.29
ゴール / ロナウド
レアルのセンター・バックの新加入のサムエルとウッドゲイトが怪我、結局昨シーズンのメンバーが先発。だが、序盤でラウールが負傷退場、オーウェンが登場。スペインの選手にもいない、緩急をつけたスピーディな動き、位置取りのウマさ、一瞬にして相手のスキを突く読みなど、早くもオーウェンの持ち味を見せる。ベッカムのサポートもあるが、レアルは前線にボールが来る回数が昨シーズンまでのリバプールよりも多いので、早期にレアルの戦力となるのは間違いない。レアルの問題はやはりディフェンスで、サムエルとウッドゲイトのコンディションのフィットが待たれる。マジョルカ、丁寧にボールを繋いでチャンスを作ったが、バルサに去ってしまったエトーの穴は大きいであろう。
UEFA スーパー・カップ 2004.8.27
ポルト [ポルトガルン] 1-2 バレンシア [スペイン]
ゴール / バラーハ(バ)、ディ・バイオ(バ)、クアレスマ(ポ)
新シーズンの開幕を本格的に告げる号砲となる、恒例の UEFA スーパー・カップ。欧州覇者の両監督が共に交替という、不思議な事態。再びラニエリ監督を迎えたバレンシアは、ディ・バイオとコッラーディというイタリア代表の強力2トップ。ビセンテの左サイドの疾駆は止められない。アルベルダとバラーハのコンビとカニサレスを守護神に置いた鉄壁のディフェンス陣も健在、昨シーズンの二冠の勢いはまだまだ続きそう。対するポルト、デコなどの主力は去ったが、クアレスマ、セイタリディス、戻って来たポスティガなどを加えて、強さは持続する気がした。だが、ビクトル・フェルナンデス監督は就任したばかりだし、欧州を制した組織力が失われている。期待のジエゴは怪我で不在だし、やはりデコの穴は大きいか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.8.25 予選3回戦 2nd leg
ユールゴールデン [スウェーデン] 1-4(agg3-6) ユベントス [イタリア]
ゴール / デル・ピエーロ(ユベ)、アーネン(ユル)、トレゼゲ(ユベ)×2、ネドベド(ユベ)
今シーズンは大丈夫なのか?と思わせた 1st leg のユーベだったが、見違えるような修正ぶりで、ミランやインテルにも十分に対抗可能な状態になった。デル・ピエーロ、トレゼゲ、ネドベドが好調であればユーベはやはり強い。エメルソン、ブラージ、オリベイラも手堅く、センター・バックのテュラムとモンテーロも流石。だが、バック・アップにまだまだ不安が残る。特に前線は、どうしても手薄に見える。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.8.24 予選3回戦 1st leg
インテル [イタリア] 4-1(agg5-2) バーゼル [スイス]
ゴール / アドリアーノ(イ)×2、ステリョフスキ(バ)、スタンコビッチ(イ)、レコバ(イ)
この時期のイタリアでのゲームとしてはかなりの観客数となったサンシーロ、今シーズンのインテルに対するサポーターの期待の高さが伺える。ベーロンやダービッツなどの獲得で中盤にスキがなくなり、アドリアーノや、このゲームでは怪我で不在のマルティンスなどの超強力アタッカー、そして既に大物の風格を備えるマンチーニ監督の就任。これだけの好材料が揃えば、期待が大きくなるのも分かる。この選手層は、ユーベを凌駕しているかも。だが、前回のスクデットから10年以上経過したが、期待を裏切り続けてきたのも事実。これもチーム・カラーなのか??コパ・アメリカ以降もアドリアーノの好調は持続、2ツのゴールは余りにも見事なボールのコースイであった。確かに、圧倒的な決定力とビエリさえ控えに廻る厚い選手層は、ゴール・ラッシュを予想させる。しかし、コルドバとマテラッツィのセンター・バックには不安がよぎる。ディフェンスが整備され、シーズンを通しての安定性が確保されれば、何らかのタイトル獲得も夢ではない。バーゼルは相変わらずの組織力だが、相手が悪かった。
イングランド プレミア・リーグ
アーセナル 5-3 ミドルスブラ
2004.8.21
ゴール / アンリ(ア)×2、ジョブ(ミ)、ハッセルバインク(ミ)、キューデル(ミ)、ベルカンプ(ア)、ピレス(ア)、レジェス(ア)
ミドルスブラにも、ハッセルバインク、パーラー、メンディエタなどの豪華なメンバーが並ぶ。イングランドのトップ・リーグの連続無敗記録に挑むアーセナルの負けはあり得ないとも思われたが、ミドルスブラの予想以上に強力なオフェンスにやられ、逆転を許す。だが、当然のようにホームのアーセナルが再逆転。アーセナルの守備には若干の不安があるが、スピードに乗った攻撃が出来れば必ずやる。セスク、レジェスの若手が開幕戦に続き好調、ベルカンプも現役最後と言われるシーズンと思えないコンディションの良さ。
イングランド プレミア・リーグ
エバートン 1-4 アーセナル
2004.8.15
ゴール / ベルカンプ(ア)、レジェス(ア)、リュングベリ(ア)、カーズリー(エ)、ピレス(ア)
昨シーズンを無敗で終わったアーセナル、勢いは持続している。レアル移籍が伝えられたが結局残留したビエラは不調で出場していないが、若手のセスクが入りって攻撃のセンスの良さで補った。キャンベルの負傷は、シガンの残留でカバー。ベルカンプのゴール前での至芸は健在だし、レジェスもフィット、攻撃陣のコンビネーションは完璧。大きな補強は無かったが、若手が伸びているし、チームの成熟度ではマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーを上回っている。現時点では、タイトルを最低で1ツは獲得しそうな出来。
イングランド プレミア・リーグ
チェルシー 1-0 マンチェスター・ユナイテッド
2004.8.15
ゴール / グジョンセン
昨シーズンに引き続いて華々しく資金を注ぎ込んだのチェルシーだが、今回はマウリーニョ監督の意向を受けての補強が目立つ。パワーと決定力だけでなく、的確なポスト・プレーもこなすドログバの存在はやはり大きく、グジョンセンへのアシストを見せた。チーム内の連係が向上すれば、更に存在感が増すであろう。キーパーのツェフも強力。対するマンU、ファン・ニステルローイとサハなど離脱とロナウドのオリンピック参加と、かなり苦しい。キーンを中心に闘志は見せたが、過渡期にあるマンUは今シーズンも苦戦が続くだろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.5.11 予選3回戦 1st leg
ビスワ・クラクフ [ポーランド] 0-2 レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / モリエンテス×2
レアルは日本ツアーでの2試合で、このビスワ・クラクフ戦を見据えて、プレ・シーズン・マッチとは思えないペースでのゲーム運びを見せた。欧州覇者と代表選手抜きのJリーグのチームとの差を、如実に感じさせられた。現状でのベスト・メンバーで臨んだが、昨シーズンと違うのはやはりサムエルの加入、ディフェンスが安定した。ディフェンスにもう一枚か、ウワサのビエラが中盤に加入でもすれば、磐石の態勢となる。シーズン前のレアルの各選手の切れはまだまだかもしれないが、ホームでの失態という事は無いであろう。それにしても、モリエンテスの決定力は素晴らしい。ロナウドとの競争になるのか、はたまた・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.8.10 予選3回戦 1st leg
GAK [オーストリア] 0-2 リバプール [イングランド]
ゴール / ジェラード×2
昨シーズンは不調だったオーウェン、ベニテス監督を迎えて蘇生するかと思われたが、何とレアル・マドリーに移籍がウワサされている。もし本当に交渉中であれば、UEFA カップとの絡みもあるので出場出来ないのは仕方がないところ。2トップは、高いポテンシャルを持ちブレイクが期待されるシセと、UERO で決定力を見せ付けたバロシュ。この2人が爆発すればタイトル奪取が近づくであろうが、そうウマくは行かないだろうし、そう簡単にオーウェンを出してしまってよいものだろうか?勿論、オーウェンにすれば、今後のキャリアを考えればレアル行きは大歓迎なのかもしれないが。バレンシアで二冠を達成したベニテス監督、守備的だった昨シーズンまでの戦術からの脱却が早くも垣間見える。ジェラードの積極的な攻撃参加とサイドの活用は、やはりスペイン的。相手の GAK がちょっと力不足の為でもあるが、今シーズンのリバプールには期待出るかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.8.10 予選3回戦 1st leg
ユベントス [イタリア] 2-2 ユールゴールデン [スウェーデン]
ゴール / アンドレアス・ヨハンソン(ユル,PK)、ヒセン(ユル)、トレゼゲ(ユベ)、エメルソン(ユベ)
スウェーデンの国内リーグも中盤戦、選手の切れはシーズン前のユーベを上回るユールゴールデン。2点先制されてからやっと目覚めたユーベ、トレゼゲとエメルソンのゴールはサスガ。だが、ユーベの補強は他のビッグ・クラブと比較しても後れをとっている。エメルソンを押さえたのはユーベらしいが、昨シーズン加入で非常に期待されたレグロッターリエも今イチだし、欧州再制覇を狙うには戦力不足。カペッロを監督に迎えたのも、ベストの選択かもしれないが、イメージ的には現状維持の為と思えてしまう。8月末日の移籍期限までにには何か手を打つとは思うが。ユールゴールデンは侮れないという事がわかったし、2nd leg でのアウエー戦も非常に厳しいが、ユーベとしては UEFA カップに落ちるワケにはいかないだろう。
ドイツ ブンデスリーガ 開幕
ハンブルガーSV 0-2 バイエルン・ミュンヘン
2004.8.7
ゴール / バラック、ダイスラー
自国開催のワールド・カップを2年後に控え、ブンデス・リーガとバイエルン・ミュンヘンはレベル・アップしなければならない。先ず、バイエルンは欧州の大会で納得させられるゲームを見せる必要がある。良質の選手は揃っているし、マガト監督も迎え、バイエルンは準備万端のハズ。ディフェンダーにルシオを獲得、バラックの相棒にフリングスも加入し、要所は締めたように見える。復帰のダイスラーもゴールを決め、これが自信になれば、バイエルンにとってもドイツ代表に好結果をもたらすだろう。あとは、どのようにトップが得点出来る良い形が出来るか、後方から良いボールが供給されるか、である。マカーイもサンタクルスも決定力はあるので、連係だけの問題に思えるが・・・。あとはHSVの高原、得点してもらいたもんだ。
アジア・カップ 2004 決勝
中国 1-3 日本
2004.8.7
ゴール / 福西(日)、李明(中)、中田(日)、玉田(日)
すぐにでも日本の最大のライバルになりそうな気配のある中国、自国開催のアジア・カップでどのようなパフォーマンスを見せるのかに非常に注目していた。中国は既に欧州で活躍する選手を多数輩出、やはり各選手のポテンシャルは非常に高い。身体能力は高いし、やたらとスピードはあるし、1対1の競り合いでも強い。スピードに乗ってのサイド攻撃からクロスに合わせてシュート、といった一連の攻撃の力強さは、もはや韓国をも凌ぐ。イラン戦や日本戦で見せたゴールは、その典型。だが、どうも似たタイプの選手が多いように見え、中村俊輔や三都主のような相手を翻弄するテクニックやアイディアを持つ選手は現れていないようである。攻撃も単調になるケースが多いし、決勝の3点目を決めた玉田への守備への対応などを見ても、創造性と経験がまだまだ不足している。だが、いつかはアジアの盟主と呼ばれる事もあるだろう。中国のサポーターの日本代表選手に対する度を越したブーイングには驚かされたが、ゲームに重大な問題が発生すれば公式にペナルティを課されるケースもある、という事実を認識する過程にあると考えたい。愛国心と敵愾心が全く払拭された国際試合など考えられないし、ゲーム中のブーイングなども否定しない。欧州や南米でのサポーターの態度が完璧な標準であるとするつもりもない。要は、アジアの各国のサポーターも、有るべき国際標準へ収束して行けばよい。
アジア・カップ 2004 グループD
日本 0-0 イラン
2004.7.28
状態が悪いとされていたイランだが、やはり強かった。だが、アウエー状態になってしまった中国でも終始冷静に対応した日本に、進歩の跡は見えた。
浦和レッズ 1-0 インテル
2004.7.27
ゴール / エメルソン(PK)
レコバ、トルド、欧州を制したザゴラキスに、浦和が勝った!だがインテル、一部の主力以外は若手ばかり。エメルソンの個人技が光った。
コパ・アメリカ 2004 決勝
ブラジル 2-2(PK4-2) アルゼンチン
2004.7.25
ゴール / キリ・ゴンサレス(PK,ア)、ルイゾン(ブ)、デルガド(ア)、アドリアーノ(ブ)
ロナウド、ロナウジーニョ、ロベ・カルなどがいない2軍のブラジル、だが優勝。アドリアーノが目覚めたし、ルイス・ファビアーノが何者か分かった。アルゼンチンも粘った。次世代の選手も着々と準備されている模様。やはり、決勝でのブラジル対アルゼンチンは、それなりのものであった。
アジア・カップ 2004 グループD
日本 4-1 タイ
2004.7.24
ゴール / スッティ(タ)、中村(日)、中沢(日)×2、福西(日)
タイに先制されてマサカと思ったが、このくらいの相手のゲームは先制された方が、見ている方は面白い。イラン戦でもそうだったが、タイも思ったよりは強い。フリーにしてしまえば、やられる。
コパ・アメリカ 2004 準決勝
アルゼンチン 3-0 コロンビア
2004.7.20
ゴール / テベス、ルチョ・ゴンザレス、ソリン
アルゼンチンにも、徐々に世代交代の波が。レッド・カードを受けてのアジャラに代わってコロッチーニ、他にもテベス、フィゲロア、ルチョ・ゴンザレスなどが先発、コロンビアの逆を突いていく連係が見られた。守備も安定していたし、アルゼンチンとしてはかなり良い出来だったのでは。コロンビアは、特に攻撃に冴えが見られなかった。
コパ・アメリカ 2004 グループB
アルゼンチン 4-2 ウルグアイ
2004.7.13
ゴール / エストヤノフ(ウ)、キリ・ゴンサレス(ア,PK)、フィゲロア(ア)、ビセンテ・サンチェス(ウ)、アジャラ(ア)
強いのか?弱いのか?現在のアルゼンチン。難敵のウルグアイ相手なら判明すると思われたが、ウルグアイに退場者が出た為に、答えは決勝ラウンドへ持ち越し。2対2の段階でウルグアイがかなり粘ったので、アルゼンチンのベスト8進出も危ないところであった。フィゲロアが2得点するなど、欧州のメジャー選手以外が活躍して勝ち進めば、アルゼンチン代表は将来的にも明るくなる。最近のウルグアイも、鋭さに欠ける。レコバやチェバントンが大活躍すれば、南米予選では何とかなるかもしれないが・・・。
コパ・アメリカ 2004 グループC
ブラジル 4-1 コスタリカ
2004.7.11
ゴール / アドリアーノ(ブ)×3、フアン(ブ)、マリン(コ)
この大会は、ロナウドやロベルト・カルロスといったレギュラーを外し、二軍状態。それでもアドリアーノなどが出てくるのが、ブラジルの怖いところ。なんだかのんびりしたブラジルのゲーム展開、だが怪物アドリアーノがゴール感覚の鋭さでハット・トリック。ジエゴも途中出場、もっと見てみたい選手だが、相当パワー・アップしないと"本番"でのレギュラーは難しい。
コパ・アメリカ 2004 グループB
メキシコ 1-0 アルゼンチン
2004.7.10
ゴール / モラレス
遂に蘇ったかと思われたアルゼンチン、たった一試合でネガティブなイメージが戻ってしまった。確かにメキシコのボール廻しのウマさはアルゼンチンを凌駕するものがある。だが、メキシコにてこずっていては世界を制するのは難しい。
コパ・アメリカ 2004 グループB
アルゼンチン 6-1 エクアドル
2004.7.8
ゴール / キリ・ゴンサレス(ア,PK)、デルガド(エ)、サビオラ(ア)×3、ダレッサンドロ(ア)、ルイス・ゴンサレス(ア)
久々の強いアルゼンチン。コリア・ジャパンの予選で好調だったエクアドルだっただけに、1対1に追い付かれた時にはイヤな予感が漂った。だが、サビオラやダレッサンドロなどのエクアドルのゴール前での連係が冴え渡り、大量得点に繋がった。サビオラの得点力は素晴らしく、チーム内で信用されているのが分かる。サビオラは、信用されてこそ実力が十分に発揮される。ダレッサンドロも良かった。
EURO 2004 決勝
ギリシャ 1-0 ポルトガル
2004.7.4
ゴール / ハリステアス
遂に EURO も決勝。ジダンの鮮やかなフリー・キック、天才ルーニーのゴール、バロシュのゴールさえ、遥か遠い過去の出来事に思える。ポルトガルとギリシャの勝ち上がり方は決勝に相応しいものであったし、優勝はどちらになるか想像もつかない。ギリシャの鉄壁の全員守備を掻い潜るには、フィーゴ、デコ、ロナウドなどが個人技とスピーを生かしてギリシャの最終ラインを突破するしかない。それを理解しているポルトガルの選手と、与えられたミッションを完璧に遂行しようと勤めるギリシャの戦い。1st ハーフは近来まれに見るスピーディな展開いや、ギリシャの選手が速攻に出るのは稀で、ボールに対する判断と対処のスピードが速いのである。ピッチの各所で、細かい陣取り合戦が展開された。45分が驚くほど早く経過してしまった。だが、両者無得点。準決勝と決勝の間隔はポルトガルが3日でギリシャが2日、そろそろギリシャの方のエネルギーが切れる頃だと思われた。ギリシャのレギュラーは、平均年齢がかなり高い。徐々にギリシャのゴール前に迫るポルトガルだが、スペースが少ない為に、フィーゴのドリブルの機会は少ないし、何と言ってもデコがマークされてしまっている為、創造的なゲーム展開が望めない(しかも、デモのキックがいつになく不正確)。ロナウドも若さで突破しようとはするが、ゴールには一歩及ばない。右サイドで安定したパフォーマンスを見せていたミゲルにアクシデント、パウロ・フェレイラが戻ってポルト度が更に増した為に連係が好転すると思ったが・・・。そして決勝でも炸裂した重すぎるギリシャの一撃、ハリステアスのヘディング。どのチームも、この1点がただの1点ではない事にゲーム終了に気付かされた。ギリシャの潰し作業はゲーム終了まで持続、ガス欠に陥る事は無かった。ルイ・コスタ、代表最後のゲームでの得点はならなかった。キャプテンのザゴラキスの余りにも渋い働き、セリエBに落ちてしまったブリーザスの優勝チームでの意外な存在感、イタリアのビエリも霞んでしまうハリステアスのヘディングでのゴール、バシナスの足技・・・決勝まで来ればウロ覚えだった選手の名前とプレーの特徴も見えて来た。レギュラーの中では若手と言えるセイタリディスは、ビッグ・クラブに買われるかも。それにしても、オットー・レーハーゲルがギリシャ代表チームで成し遂げた功績の本質は何なのだろう。ブレーメンでの結果を踏まえてバイエルン監督に抜擢されたが、成功したとは言えなかった。彼の指導のスタイルはオールド・ファッションとされており、ドイツでは既に終わった監督であると見られているのだろう。でなければ、既にドイツ代表監督の座に就いているハズだ。ギリシャの選手は既に、パナシナイコスやオリンピアコで力を見せ、ビッグ・クラブに移籍して活躍もし、実力は十分に蓄えられていたのだろう。ギリシャ代表に、レーハーゲルというディプシリンを重視する監督がジャストのタイミングで就任し、オールド・ファッションと言われようと何だろうと、チームを鍛え上げたに違いない。2001年、イングランド代表と戦ったギリシャは、意外なほど実直にゲームを遂行し、イングランドをプレー・オフに陥れようとした。更にその後3年間で、欧州制覇に必要な実力を、本人達も気付かない間にパワーアップさせたに違いない。2003-04 シーズンの UEFA チャンピョンズ・リーグで、グループ・リーグあたりでは誰も優勝候補に挙げなかったFCポルトは、見事に実力を見せ付けて優勝。そのポルトの選手を主力に据え、コンディションを上げつつファイナルに進出したポルトガル。そのポルトガルを破ったのは、実力で優勝候補を次々と破って栄冠を勝ち取ったマサに伏兵のギリシャ。03-04 シーズンの最後を飾ったのは、2003年の9月にはアウトサイダーとされていた二つの国(ポルトガルは EURO の開催国ではあるけれども)、しかもゲーム内容もベストと呼べるものであった。ギリシャの戦術は守備的と言われているが、引いて構えてのカウンター狙いとう単純なものなのではなく、要するに"守備が強い"という事なのでは。ギリシャに敗れた優勝候補は、守備を突破出来なかったというよりは、組織を崩せなかったと表現する方が妥当に思える。ギリシャの組織的サッカーの方法論は確かに、最近の守備は組織的に行うが攻撃は自由に、という潮流からは離れているのかも。今回は、ギリシャ流の組織的戦術が非常に有効であった。だが、これから多くのチームが一斉に今回のギリシャのような戦術をとるとは思えない。だが、今後もどこかのアウトサイダーがサプライズを起こすだろうし、意外で強靭な戦術を用いるチームも出現するだろう。少なくとも、ラトビアやギリシャのようにやれば、選手の実力は最大限に引き出せる事は分かっている。ポルトからチェルシーに移ったマウリーニョ監督のような、先鋭的な戦術を用いる監督。レーハーゲルのような、オールド・ファッションであると決め付けられていた監督の逆襲。2004-05 シーズン以降にサプライズを起こすのは多分、彼らではない別の監督、ギリシャ代表でもFCポルトでもない別のチームである。
EURO 2004 準決勝
ギリシャ 1-0 チェコ
2004.7.1
ゴール / デラス
そういえば思い出した、コリア・ジャパンの予選最終節、イングランドと対戦したギリシャは今回の EURO と同様の戦い方をしていた。レーハーゲルの下でのギリシャの戦術は、守備重視ではあるが、引いた守りからのカウンター狙いという単純な退屈なものではない。チェコのロシツキやバロシュのような名手はいないが、ローマのデラスのように各国リーグのビッグ・クラブの所属選手も多く、選手の技術は均等に高く、しかも120分間ミッションを持続させる為に鍛え抜かれている。相手選手に常にプレッシャーを与える事については徹底しており、他の EURO 出場チームの守備が色褪せて見える。ロング・ボールを多用する所謂カウンター攻撃ではなく、確実にパスを繋いでゴールに迫る。サイド攻撃にも抜かりはない。このゲームでも、何よりも諦めない粘りと、それを持続する為のチームの意思統一が強く感じられた。優勝候補を次々と食っているが、単に戦前には優勝候補とはされないアウトサイダーというだけで、結果論的には、ファイナル進出は必然であった。イタリア、ドイツ、フランスなどに、現在のギリシャが持っているディプシリンとそれを遂行する為の強い意思とハングリーさは欠けていた。延長終了直前のデラスのゴールは、この大会のギリシャを象徴したシーンである。粘りに粘ったギリシャにチェコが根負けした感が強い。チェコには、ギリシャに次ぐチームの結束が見られたが、やはりウマくやられたという印象もある。チャンスの回数から言えばチェコの方が多かったくらいで、1st ハーフ序盤と 2nd ハーフの後半は大攻勢をかけ、1点決まっていれば勝っていたし、運が無かったとは言える。ネドベドの怪我による交代は痛かったが、サブも強力なチェコであるし、チームとしてはそれほど痛手では無かった。何よりも、これまで地味な役割に徹していたロシツキが遂にファンタジーを見せてギリシャを切り裂いたが、ギリシャの守備も集中していた。
EURO 2004 準決勝
ポルトガル 2-1 オランダ
2004.6.30
ゴール / ロナウド(ポ)、マニシェ(ポ)、OG(オ)
ポルトガルのベスト4進出の原動力は、守備の安定である。ヌーノ・バレンテ、アンドラーデ、リカルド・カルバーリョ、ミゲルの4人と、中盤のコスティーニャとマニシェの守備ブロック。ポルトガルのサポーターによるとリカルド・カルバーリョは世界一のセンター・バックとの事だが、何しろチャンピョンズ・リーグを制覇し、EURO でもファイナル進出なのだから、間違いとは言えない。このゲームでも、アンドラーデの不運なオウン・ゴールを除けば、オランダの猛攻を死守し切った。攻撃的なオランダの後ろのスペースを突いてのドリブルを敢行したフィーゴ、サスガに意地を見せたといえよう。ロナウドの鋭い動きも相変わらず、ゴール感覚も備えている事も見せつつある。何と言ってもマニシェのミドル・シュートは圧巻で、マニシェの攻守に渡る働きはこのゲームでも生きた。オランダ、ダービッツなどの動きは悪くなくボールは奪取するのだが、パスが続かずにポルトガルの中盤にカットされて反撃されていた。期待のロッベンも動きを封じられてしまった。中盤で、ポルトガルのように創造的な選手を置き、ファン・ニステルローイにもっと良いボールが送られれば、ファイナルに進めたのではと。何度も言ってしまうが、予選のスコットランド戦での圧倒的な攻撃力が忘れられない。オランダの選手はそれぞれ強力なだけに、にはもっと別のやり方があったのではと、悔やまれる。ファン・デル・ファールト、スナイデルなどに、もっとチャンスが必要だったのでは?オランダも、真の強さを発揮せず、全力を出さないままに大会を去ってしまった気がする。
EURO 2004 準々決勝
チェコ 3-0 デンマーク
2004.6.27
ゴール / コレル、バロシュ×2
チェコ、悪い面と良い面が出た。1st ハーフ、まるで引き分けを狙っているかのうようにズルズル引いてしまう場面が多かったチェコ。パス廻しが軽快なデンマーク、1st ハーフで得点していれば結果は分からなかった。不動の1トップのサンが不在なのが大きかった?2nd ハーフでは、好調のチェコが蘇った。コレルのポスト・プレーがいつものように効果的に作用し、そのコレルのヘッドでの得点。ここまで鮮やかなコレルのヘッドは、実は意外。そしてバロシュの切れが益々冴え渡る。96年の伝説と化したポボルスキーのループ・シュートを連想させる技ありゴール、ラスト・パスはポボルスキー。2点目の得点も、ファン・ニステルローイを連想させる競り合いの中でのシュート。これでリバプールはバロシュを絶対に放出出来なくなった?チェコは、次はギリシャ戦。レーハーゲル監督は、チェコの弱点をウマく突いてしまうのだろうか?
EURO 2004 準々決勝
オランダ 0-0(PK 5-4) スウェーデン
2004.6.26
お互いの攻撃の長所を消し合う、厳しい守り合い。攻撃に手を掛けず守備の集中を切らさないオランダが、意外と言えば意外。やはり、PK戦の内容については語らないが、イブラヒモビッチのPK前後の蒼ざめた表情が印象的。オランダのラッキーは続く。予選のプレー・オフの 1st leg のスコットランド戦の素晴らしい出来からすれば、EURO の出来はまだまだ。コンディションの状態についてはよく分からないが、スナイデルとファン・デル・ファールトの同時起用が見たい。だが、ここまで来れば今の先発で行くしかないとも言えるが。次は(も?)、面白いゲームを期待したい。スウェーデン、非常に良いチームだっただけに、ここで消えるのは残念。
EURO 2004 準々決勝
ギリシャ 1-0 フランス
2004.6.25
ゴール / ハリステアス
フランスの動きの悪さ、雰囲気の重さが抜けない。コリア・ジャパンの時とも若干感じの違う疲労感。大会前には好調だった時期もあって意外だが、本番では弱いチームはし、大物食いを狙われしまうのは仕方のない事だろうか。フランス代表は既に幾多の栄冠を勝ち取り、主力のアーセナル所属選手は無敗優勝という偉業を成し遂げたし、モチベーションを高める為のハングリーさはもはや望めないのかもしれない。結果論ではあるが、どこかの時期で若手を大胆に譲るべきだったのかも。サハやロテンなどのタレントも確実に成長しているし。だが、ジダン、マケレレ、アンリ、トレゼゲ、ピレスをサブに追いやる人間はいないのだろう、フランス代表監督さえ無理なのだから。ギリシャ、相変わらずのマン・ツー・マンを主体としたプレッシング、ゴールへ向かう速攻で、フランスも粉砕した。彼らの90分間手を抜かない猛攻は圧巻である。だが、彼らはここまで若干ラッキー、結果的には相手に恵まれていたとも言える。だが、ここまで来れるのであれば、優勝してもおかしくはない。
EURO 2004 準々決勝
ポルトガル 2-2(PK 6-5) イングランド
2004.6.24
ゴール / オーウェン(イ)、ポスティガ(ポ)、ルイ・コスタ(ポ)、ランパード(イ)
コンディションを上げチーム・プレーも素晴らしい両チームのどちらかが、ここで消えるのは惜しい。パス主体のポルトガルとキック・アンド・ラッシュのイングランドという我々が抱いているイメージの差は、主にイングランドのプレー・スタイルの変化により、ほぼ消え去った。それどころか、今大会の全チームの中でも、両代表のスタイルは似ているとさえ言える。イングランドの背番号はまたも1から11。ゲーム序盤からの攻め合いの中でのオーウェンの技ありの得点、このゲームのオーウェンは切れていた。ルーニーとのコンビネーションでの突き放しも予想されたが、何とルーニーが負傷退場。不在になると分かる、今大会のルーニーの存在感の大きさ(バッセルには気の毒だが)。イングランドは守備で粘り、逃げ切るのかと思われたが、ポスティガの投入が当たった。ここまで粘ったイングランドの守備陣が、ポスティガをフリーにしてしまった。延長戦に突入しても、両チームの攻め合いは終わらない。延長の後半、サブでスタートのルイ・コスタが得点。ここで終了するかと思われたが、ランパードが得意の動きから同点のゴール。やはり、力は互角であったか。PK戦については語るまい。
EURO 2004 グループ D
オランダ 3-0 ラトビア
2004.6.23
ゴール / ファン・ニステルローイ(PK)、ファン・ニステルローイ、マカーイ
ドイツの敗戦に助けられたオランダ。ドイツ戦、チェコ戦とイマイチの印象であったが、決定力の点では少なくとも現在のドイツよりは上である。予選では強さを発揮したゲームもあったし、準々決勝以降にペースを上げる可能性もあるし、優勝しても驚きはしない。ファン・デル・ファールトやスナイデルなどの若手が力を出せば、勢いもつくであろう。ラトビアの組織的サッカーは相変わらずで、繋いで繋いでオランダのゴール前に進出する事は出来、隙があればシュートも放つ。守備も悪くない。見ていて面白かった。
EURO 2004 グループ D
チェコ 2-1 ドイツ
2004.6.23
ゴール / バラック(ド)、ハインツ(チ)、バロシュ(チ)
早くもグループ1位が決定したチェコのメンバー落ちは当然、ガラセク以外は全員サブ。だが、驚くべきドイツの敗戦。ドイツは弱かった。チェコは落ち着いて集中力の途切れない守備から、カウンターでの得点を狙う。ドイツの攻撃、バラックの攻撃参加時以外は可能性が感じられなかった。シュバインシュタイガーも思ったほど良くなく、ラームが多少良かったくらいか?バロシュが途中出場した途端に得点、チェコがレギュラー主体だったらドイツはどうなっていた事であろう。
EURO 2004 グループ C
イタリア 2-1 ブルガリア
2004.6.22
ゴール / マルティン・ペトロフ(ブ,PK)、ペッロッタ(イ)、カッサーノ(イ)
イタリアの選手の間からデンマーク対スウェーデンの2対2のスコアに対して詰問する声が出ているようであるが、レギュレーションはさておいても、理論的にはイタリアの敗退は実力通りのものである。スウェーデン対ブルガリアは 5-0 、デンマーク対ブルガリアは 2-0 である。イタリアがデンマークとスウェーデンの両者から奪った得点は合計で1点、攻撃陣に世界有数のタレントが揃ったと言われてこの結果である。少なくともイタリアのゲーム展開には一貫性も感じられなかったし、楽しくもなかった。カッサーノが不在であれば、大惨敗で終わるところであったろう。期待のピルロが先発したが、大勢に影響はなかったかも。トッティ、ビエリ、デル・ピエーロが先発した初戦、この3選手の連携の無さにガックリきたが、トッティとビエリのそれぞれのパワーはやはり絶大で、このゲームの攻撃陣よりは相手チームに脅威を与えていたかも。オランダ代表と同様、最強のメンバーが揃った今結果を出さなければ、イタリア代表が次にビッグ・タイトルを獲得するのはいつになってしまうのだろう。
EURO 2004 グループ C
デンマーク 2-2 スウェーデン
2004.6.22
ゴール / トマソン(デ)×2、ラーション(ス,PK)、ヨンソン(ス)
2対2の結果が、意図的なものには見えなかった(最後の得点の後の数分を除いて)。両チームとも、今まで通りの持ち味を出していたし、全力を出していたように見える。それに、引き分け狙いのゲームを狙ったチームなど無限にあるし(イタリア代表など最も得意とするところ)、2対2狙いのゲームがあっても特に問題など無いようにさえ思える。スウェーデンのラーション、リュングベリ、イムラヒモビッチなどが絡む非常にスピーディな展開、デンマークのトマソンの混戦の中からゴールを生み出す力、いずれにしてもチーム全体の連携があってこそである。
EURO 2004 グループ B
フランス 3-1 スイス
2004.6.21
ゴール / ジダン(フ)、フォンランテン(ス)、アンリ(フ)
フランスの出来が良くないのか?他のチームが思ったよりも強いのか?予選やテスト・マッチでのように、パスが華麗には廻らない。鉄壁だった守備にも綻びが?スイスは、予選を勝ち抜いただけの力はある。だが、3戦目の 2nd ハーフ、遂にフランスに力負けし始めた。3戦目までマークされ続けてきたアンリ、ここに来ての2ゴール。フランスのグループBの1位通過、実力通りではある。しかし、ジダンやアンリの実力は改めて証明されたが、サハなどの若手を本番で使うチャンスが少なかった。準々決勝以降は、選手層の厚さがモノを言ってくる。フランスは強いというイメージは完全に先行しているし、事実強いのだろうが、次のギリシャ戦で現在の力が更に明確になるであろう。
EURO 2004 グループ B
イングランド 4-2 クロアチア
2004.6.21
ゴール / ニコ・コバチ(ク)、スコールズ(イ)、ルーニー(イ)×2、トゥドール(ク)、ランパード(イ)
フランスとイングランドから2点づつ奪ったクロアチア、決して悪くはなかったが、両強豪に勝つのはサスガに難しい。スイス戦のドローは惜しまれる。先発を完全に固めたイングランド、背番号が1から11まで並んでいる。ルーニーの2得点、18歳にして完璧なストライカーなのには恐れ入る。しかも、チームから完全に信頼されているのも大きい。中盤のランパードも、完全にチームにフィット。視野も広くパスも鋭いルーニーと、得点も奪える中盤のランパード、攻撃陣の出来は近年になくハイレベルなイングランドは絶好調。ただ、若干守備に不安が残る。準々決勝は何と開催国ポルトガル、守備の出来が明暗を分けるであろう。
EURO 2004 グループ A
ポルトガル 1-0 スペイン
2004.6.20
ゴール / ヌーノ・ゴメス
スペイン、先発の最良の人選は遂に固まらず?アルベルダとバラーハ、ラウールとモリエンテスを核としたシステムを、遂に崩した。シャビ・アロンソとフェルナンド・トーレスを起用、チャレンジに出たか?だが、目的のはっきりしない、目先を変えるだけの起用にも見える。それに、バレロンは信用されていないのだろうか?一本調子のスペインの攻撃にバリエーションを加えられるのがバレロンではないか?それに、このゲームで途中出場したルケがいたではないか。ラ・コルーニャでACミランに一撃を与えたダイナミックな動きがここでも見られたが、ホンの僅かな出場時間しかなかったのは残念。チャンピョンズ・リーグで爆発、モナコ躍進の原動力となったモリエンテス、普通の代表チームなら大歓迎だろう。だが、ひょっとしたらラウールの存在感を消してしまったのはモリエンテスかもしれない。だがしかし、それもこれも結果論だろう。スペイン代表の個々のポテンシャルは極めて高いし、リーガのレベルは高い。だが、これだけ格選手の所属クラブが散らばったのは異例であろう。各選手のレベルの底上げはなされたが、最も必要だったチーム・プレーの意思の統一が十分ではなかったのだろう。ギリシャ戦でのダメージを払拭しようと、先発をポルト中心の選手に切り替えたポルトガル、スペインとの差がここに出た。ヌーノ・バレンテ、リカルド・カルバーリョ、コスティーニャ、マニシェ、デコ、FCポルト所属選手の有機的な動きに、フィーゴの献身的な働きが完全にフィットした。パウレタの不調が懸念されたが、ヌーノ・ゴメスの起用で問題ないであろう。更に、ロナウドのドリブルがスペインのディフェンスを完全に翻弄できた。アンドラーデの働きも流石。それにしても、マニシェの攻撃力には驚かされた。決勝進出に必要な勢いが、やっとポルトガルに出てきた。これがどこまで持続できるか。
EURO 2004 グループ A
ロシア 2-1 ギリシャ
2004.6.20
グループ・リーグ敗退の決まったロシアのプレッシャーのない伸び伸びしたプレー、これがポルトガルやスペイン相手に発揮されたら、グループAは更に混戦となったであろう。2nd ハーフには、ギリシャの、相手のプレーを消しながら前へ前へ進んでいく攻撃サッカーが蘇った。このゲームは敗れたが、ギリシャのベスト8進出は十分に納得出来る結果である。
EURO 2004 グループ D
チェコ 3-2 オランダ
2004.6.19
ゴール / バウマ(オ)、ファン・ニステルローイ(オ)、コレル(チ)、バロシュ(チ)、スミチェル(チ)
オランダは間違いなく攻撃的に来るハズで、チェコは攻撃的に受けざるを得ないであろう。オランダ、先発にロッベンを起用、ファン・ニステルローイとファン・デル・メイデで得点を意識した布陣、ファン・デル・ファールトを先発させずにセードルフで中盤を固める。序盤から猛攻のオランダにチェコのディフェンスが浮き足立ち、2点与えてしまう。強豪を相手にオランダが大勝かと思われたが、このまま負ける気は全く無いチェコが反撃、1st ハーフにコレルがゴール、結局この得点が非常に大きかった。2nd ハーフには逆にオランダのディフェンスが浮き足立ち、バロシュとスミチェルの得点で逆転。予選中はバロシュはスーパー・サブで、ビッグ・ゲームではなかなか先発に起用されなかったが、今や完全にチームにハマった。ネドベドの動きが格段に良くなり、ポボルスキーとスミチェルと共に、96年にブレークした選手の執念が逆転を呼び込んだ。チェコは超激戦区のD組の1位通過を確定させたので、ドイツ戦ではメンバーを落としてくるだろう。となるとドイツの勝利は決まったも同然、強いハズのオランダはまたしても頂点を逃すのか。ダービッツやファン・ニステルローイが全盛時の今やれないと、EURO やワールド・カップでオランダが優勝するチャンスはいつ来るか分からない。
EURO 2004 グループ D
ドイツ 0-0 ラトビア
2004.6.19
ラトビアの着実な守備と攻撃、奪って繋いで相手ゴールに向かう姿勢は徹底されていた。ヴェルパコフスキスのゴールへ向かうスピードは、ドイツのディフェンスに脅威すら与えていた。1st ハーフでは、ドイツ陣内で攻める時間が予想以上に長かった。2nd ハーフはさすがにドイツが攻める時間が長く、ラトビアの集中力が持続するか懸念されたが、結局スコアレス・ドロー。ラトビアにとっては、強豪ドイツから勝ち点1を奪っただけでも勝利に等しい。バラックのダイナミックな動き、シュバインシュタイガーのスピードなどは目立ったが、最近のドイツの決定力の欠如は致命的である。
EURO 2004 グループ C
イタリア 1-1 スウェーデン
2004.6.18
ゴール / カッサーノ(イ)、イブラヒモビッチ(ス)
先発にピルロとガットゥーゾ、トッティの代役ではあるがカッサーノを起用。ゲーム序盤では彼らの持ち味が十二分に発揮され、何度もチャンスを作る。やはり、ピルロのパスは有効で、攻撃の選択肢は明らかに増加している。カッサーノの能力は本物で、伝え聞くところのパーソナリティからは信じられない位に周囲を生かす事も出来る。1st ハーフはイタリアが優勢、しかしスウェーデンは常にチャンスを狙っており、ラーション、イブラヒモビッチ、リュングベリに油断はならない。守備も組織的で手堅く、4バックの連携も見事。イタリア優勢のまま 2nd ハーフも乗り切れると思ったが、いつも通りイタリアの攻撃はペース・ダウン。2点目をゲットして勝利を確実にするのか、完璧に守備的な布陣で乗り切ろうとするのかが判然としない。近年の例では、ここで2点目を取らなければ最もイヤな時間帯に同点・逆転を食う恐れがある。選手交代も、目的が不明の単なる交代に見える。そしてスウェーデンの攻勢、ゲーム終了5分前にイブラヒモビッチの執念のゴールが決まった。イタリアは強いが、勝利への執念は明らかにスウェーデンが上回っている。EURO 2000 の決勝での最後の失点、コリア・ジャパンでの韓国戦のアン・ジョンファンに食らった失点、そしてこのゲームでの失点は、それぞれ状況は異なるが、最もイヤな形でイタリア代表にダメージを与えた点で共通している。イタリア代表は強いハズだが、回避できるダメージをあえて受けているようにさえ見える。
EURO 2004 グループ C
デンマーク 2-0 ブルガリア
2004.6.14
ゴール / トマソン、グレンケア
ブルガリア、スウェーデン戦に続いて攻めながらも得点出来ず。マルティン・ペトロフなどは攻めているが、肝心のベルバトフになかなかチャンスが来ない。デンマークは例によって、トップのサンを軸にトマソンなどがチャンスを狙う形。デンマークの攻めはブルガリアよりもスムースだったが、選手の実力的にはウマくやればブルガリアにも勝ち目はあるように見えたが・・・。
EURO 2004 グループ B
フランス 2-2 クロアチア
2004.6.17
ゴール / OG(フ)、ラパイッチ(ク,PK)、プルソ(ク)、トレゼゲ(フ)
クロアチアのダイナミックさ、強さが目立った。攻めてを欠いていたスイス戦と比較して、攻撃的なフランスが相手であると、クロアチアの組織力、守備力、攻撃力が引き出されたようだ。同時に、思ったよりフランスに力強さがない。点数通り、互角のイメージ。
EURO 2004 グループ B
イングランド 3-0 スイス
2004.6.17
ール / ルーニー×2、ジェラード
コール、テリー、キャンベル、Gネビル、スコールズ、ジェラード、ランパード、ベッカム、オーウェン、ルーニー、イングランドのこのメンツはひょっとしたらひょっとするのかも。何とかグループ・リーグを突破すれば、連携は更に良くなるだろう。テリーが戻ったのは大きいし、懸案の左サイドにスコールズを入れたのは、イングランド代表にとっては効果的。ジェラードとランパードの同時起用は、中盤の攻撃性を国際レベルに引き上げた。だが最も大きな要素は、ルーニーをトップに固定した効果が遂にこのゲームで出た事だろう。変幻自在のシュートに加えて、守備への貢献度の高さが、オーウェンの負担を軽くしている。スイスは、1st ハーフではルーニーの1点以外は何とか我慢したが、2試合続けて退場者を出して非常に苦しくなった。予選でベテランの味を出したシャプイザがもう少し何とかすると思ったが、ゴール・ゲッターが不足しているという事か。
EURO 2004 グループ A
ポルトガル 2-0 ロシア
2004.6.16
ゴール / マニシェ、ルイ・コスタ
選手は決して悪くなく、大会前は何かやるのではと恐れられるが、結果はいつもパッとしないロシア。ギリシャ戦で失敗したポルトガルにとっては、コンディションを上げるにはラッキーな相手となった。ポルトの選手をベースに、フィーゴが実力を見せ、ルイ・コスタとロナウドが途中出場で更に相手を攻めるという、理想的な展開となった。どちらかと言えば、やはりデコは先発に使ったのは正解であろう。
EURO 2004 グループ A
スペイン 1-1 ギリシャ
2004.6.16
ゴール / モリエンテス(ス)、カリステアス(ギ)
地力ではスペインが上、ギリシャの強さを十分認識しているスペインは簡単にはチャンスを与えない。先発はロシア戦と全く同じ、状況に変化が無い限りはこのメンツで行くという意地を感じさせる。1st ハーフはスペインが優勢、だがギリシャのディフェンスも固い。モリエンテスの得点の場面では、非常に上手くディフェンスを崩す事が出来た。だが、回数は少ないが、スペースがあればギリシャは確実にボールを廻してチャンスを作ろうとする。一瞬のスキを突いて遂に同点。サブのホアキンが登場、恐ろしいスピードのドリブルも見せたが、スペインは勝ち越し点を奪えなかった。
EURO 2004 グループ D
ドイツ 1-1 オランダ
2004.6.15
ゴール / フリングス(ド)、ファン・ニステルローイ(オ)
グループ・リーグ1回戦の最後のカード。本選前のテスト・マッチでは好調だとは言い難かった両国だが、パスの質は高いし、ディフェンスは厳しい。若手とベテランのバランスも良い。90分戦うスタミナもある。僅かなチャンスを得点に結びつける力もある。このゲームの結果に厳しい評価も与えられているが、イタリアやドイツやオランダといったところは、初戦を見ただけでは実力が分かり難い。EURO 2004 の優勝予想は難しかったが、初戦を全て見て、更に分からなくなった。
EURO 2004 グループ D
チェコ 2-1 ラトビア
2004.6.15
ゴール / ヴェルパコフスキス(ラ)、バロシュ(チ)、ハインツ(チ)
チェコは優勝候補の一角に食い込んでいると思われる。予選でもチーム力を発揮して、無事本選出場。だが、先日の日本戦で分かったのは、前線の主力に思ったよりスピードがない事。ネドベドやポボルスキーはもう大ベテランで、96年ほどのスピードは望めない。コレルやロシツキは、元々早くない。こうなると期待されるのは、バロシュの若さ。予選のプレー・オフで、コリア・ジャパンで3位のトルコを破ってポルトガルに乗り込んだラトビア。日本人にとっては発音するのが難しく舌を噛みそうな、全く馴染みのない名前が並ぶ。調べてみると、マッカビ・ファイハやディナモ・キエフに所属する選手がおり、この辺が主力であろうとの予想はついた。守備を固めて集中力を切らさず、中盤で優位を作り、カウンターで2トップの決定力に賭ける戦術。少なくとも、負け難いチームであるのは分かった。1st ハーフは、チェコにチャンスを作らせず、カウンターで得点してリードという、理想的な形で終わった。だが、チェコあたりが相手だと、これを90分続けるのはやはり難しい。やはり、チェコには地力がある。
EURO 2004 グループ C
イタリア 0-0 デンマーク
2004.6.14
イタリア、守備に関しては問題ない。ひょっとしたら優勝するかもしれない。だが、何とも不思議なチームだ。先発にはビエリ、トッティ、デル・ピエーロが先発、顔ぶれだけなら脅威だが、1st ハーフでは、3人が連携して切り崩そうとする場面がほとんどない。宝の持ち腐れとはこの事ではなかろうか。中盤の選手から鋭いパスも出ない。個人的には、ミランで絶好調だったピルロとガットゥーゾを同時に先発させるべきだと思うが、どちらも出ない。両方出しても、特にイタリア代表がミラン偏重になる事もないのだが。デル・ピエーロかビエリの替わりに、カッサーノを先発させても良いのでは?2nd ハーフ、ガットゥーゾとカッサーノが途中出場して、チーム全体の連携が良くなったように見える。確かにタレントの質ではデンマークを上回るが、連携だけ見ればデンマークの方が良いし、結果はスコアレス・ドロー。これまで EURO 2004 出場チームのうち12チーム見たが、決して突出して強いワケでは決してないが、イタリアはいまだ優勝候補ではある。どの相手でも、先制して2点差をつければ逃げ切れてしまうだろう。だが、守備が強いとか、前線にタレントが揃っているとか、勝負強い、などとというイタリア代表の長所とされている特徴は、以前ほどには他国にとっての脅威とはなってはいない。
EURO 2004 グループ C
スウェーデン 5-0 ブルガリア
2004.6.14
ゴール / リュングベリ、ラーション×2、イブラヒモビッチ(PK)、アルベック
スウェーデン対ブルガリアと言えば、古い話ではあるがジャスト10年前の、灼熱の94年ワールド・カップの3位決定戦を思い出す。この時も、4-0 でスウェーデンの大勝。既にラーションは代表で活躍しており、この頃は暑苦しいドレッド・ヘアであった。スピードが最大の武器の若いストライカーが、10年後には驚異的な決定力を誇る業師に変身している。一度代表を退いた復帰したラーションが、復帰が正解である事を証明した。ラーション、イブラヒモビッチ、リュングベリのスピードと連携に、ブルガリアの守備陣は置き去りにされてしまった。ブルガリアにも得点のチャンスは何度かあったが、勝敗に関しては順当であろう。
EURO 2004 グループ B
フランス 2-1 イングランド
2004.6.13
ゴール / ランパード(イ)、ジダン(フ)、ジダン(フ,PK)
フランス代表にはプレミア・リーグ所属選手が多く、特に主力にアーセナル所属が目立つ。プレミア・リーグ対決、擬似マンU対アーセナルとも言えるゲーム。初戦での決勝並みの激闘か?予定調和の目立つ単なる初戦か?どちらかと言えば後者であろうが、ゲーム序盤はスピーディな攻防が見られ、特にイングランドの攻勢は鋭かった。両チームの主力のコンディションはまずまずで、コリア・ジャパンで大不調だったベッカムとジダンがキャプテンシーを発揮でき、ゲームが締まった。イングランドの中盤にはベッカム、ジェラード、スコールズ、ランパードが並び、明らかに攻撃的な布陣。オーウェンのパートナーは、ルーニーで固定された。普通のチームなら抑え切れないようなスピーディーな攻撃を繰り出したが、フランスの守備は固いく簡単には得点出来ない。対するフランスの世界的な攻撃陣も、アンリなどの対応に免疫のあるイングランドの守備にはてこずった。イングランドの得点は、ベッカムの正確なクロスに対してのランパードの見事な位置取りでのヘッド。ゲームが膠着気味の中、ルーニーの突破がイングランドのPKのチャンスを呼び込んだが、何とベッカムのキックをバルテズが阻止。ロスタイム、ジダンが得意の弾道によるフリー・キックで得点、直後にPKで逆転。決勝まで視野に入れなければならない両チームであり、総力戦とはならなかったが、ジダンの技の分だけフランスが強かったと言えるか。イングランドは、今日の先発で次のゲームで手詰まり状態になると相当に苦しいだろう。
EURO 2004 グループ B
スイス 0-0 クロアチア
2004.6.13
両チームともスピーディで良いチームだが、相手の守備強固な守備を突き崩す形をなかなか作れなかった。この引き分けは、強豪のフランスとイングランドには朗報。
EURO 2004 グループ A
スペイン 1-0 ロシア
2004.6.12
ゴール / バレロン
二冠達成のバレンシアの主力、チャンピョンズ・リーグの得点王のモリエンテス、レアルやバルサのレギュラー、その他ビッグ・スターが並ぶスペイン代表。だが、スター全員を同時に先発に使うワケにはいかない。先発メンバー、正解はどの組み合わせか?それは、大会の結果だけが知っている。2トップにラウールとモリエンテス、中盤にアルベルダとバラーハ、順当な選択である。だが、スペイン代表はバレンシアでもモナコなどとは当然別のチーム、効果的な連携が奏功する回数は少ないし、モリエンテスがダイナミックなシュートを放つチャンスもなかなか来ない。2nd ハーフから、バレロンとシャビ・アロンソを投入、これがズバリと当たってしまった。彼らのパスやシュートは、鋭く相手チームをエグる。同じくサブのフェルナンド・トーレスも良い動きを見せた。スペインは初戦で勝ったので楽にはなったが、ギリシャやポルトガルを相手に、どのように先発を組むのかが見物。出来ればバレロンを先発に使いたいが、この場合はラウールかモリエンテスをサブするという苦渋の選択になってしまう。このゲームでは、左サイドに入ったラウール・ブラボーが予想以上に良かった。ロシアもカウンターに可能性を感じさせたが、スペインを崩す事は難しかった。
EURO 2004 グループ A
ポルトガル 1-2 ギリシャ
2004.6.12
ゴール / カラグニス(ギ)、バシナス(ギ,PK)、ロナウド(ポ)
開幕戦、早速の波乱。初戦から激しいゲーム。チャンピョンズ・リーグの覇者のポルトの主力、フィーゴなどのベテラン、ロナウドなどの若手、全てが融合されればホームのポルトガルの躍進は間違いなしと思われた。だがギリシャは想像以上に手強かった。フィジカルも強いギリシャの選手は、強烈なプレスでポルトガルの選手の個人技を封印、スピーディなカウンターで何度もポルトガルのゴール前に迫った。オットー・レーハーゲルは凄いチームを創ったものだ。ギリシャの勢いが決勝まで持続するようには思えないが、チャンピョンズ・リーグ 2003-04 シーズンでの出来事と同じく、予想と結果とはイコールではない事を証明した。初戦で崩れてしまったポルトガル、コリア・ジャパンでの USA 戦を思い出させた。グループ・リーグの残り2戦が非常に厳しくなった。
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UEFA チャンピョンズ・リーグ 1995-96
1996.3.20 準々決勝 2nd leg
ユベントス [イタリア] 2-0(AGG 2-1) レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / デル・ピエーロ、パドバーノ
全員守備、全員攻撃、攻守の切り替えの早さ、これらが清々しいほどに徹底され、チームの結束力が抜群だった当時のユベントス。ひたすら労働に徹するチームの中でのデル・ピエーロのファンタジーが鮮やかだったし、前線のビアッリの決定力も凄かったが、彼らでさえもディフェンスの手を抜く事はない。しかも、チームの労働は90分間持続する。2003-04 シーズンのユーベも当時と同じリッピ監督だが、当時のチームのやりかたとは少し違う。選手の平均年齢が上がっている事もあるだろうか。レアルでは、サモラーノ、レドンド、アマビスカ、イエーロが不在、彼らが万全であれば結果は違ったのだろうか?
(記2004.6.13)
ワールドカップ アジア1次予選
韓国 2-0 ベトナム
2004.6.9
ゴール / アン・ジョン・ファン、キム・ド・ヒョン
監督の人選で混乱があったり、状況が良くなさそうな韓国。ゲーム序盤は、コリア・ジャパンでの躍進が遠い過去になってしまったかのように、チグハグなゲーム展開。だが、ゴールへの執着と直線的な攻撃の力強さは、インド戦での日本より上であるとさえ言える。見る機会のほとんどないベトナム代表は予想よりも良いチームで、カウンターで韓国を追い込んだシーンもあった。だが韓国は依然として強く、日本の最大のライバルである事実を確認させられたし、2次予選での日本との激突を覚悟しなければならないだろう。
ワールドカップ アジア1次予選
日本 7-0 インド
2004.6.9
ゴール / 久保、福西、中村、鈴木、中沢×2、小笠原
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1995-96
1995.11.22 グループ・リーグ第6節
レアル・マドリード [スペイン] 0-2 アヤックス [オランダ]
ゴール / リトマネン、クライファート
ライカールトの引退などもあったが、95-96 シーズンも引き続き強かったアヤックス。当時のレアルにはサモラーノ、アマビスカ、ミカエル・ラウドルップがおり、ディフェンスにはサンチスとアルコルタがいた(イエーロはどうしたんだろう)。まだ10代のラウールも先発。当時のレアルは銀河系選抜とまではいかないまでも強かったが、アヤックスには勝てなかった。リトマネンの切れは素晴らしいし、難しいシュートの方が楽に打てる(?)クライファートも実力を発揮。だが、当時このゲームを見て驚いたのが当時18歳のムサンパ。デビューしたての選手が、世界最強アヤックスに何の問題もなくフィットし、中盤を支配していた。驚異的な新人が続々とデビュー、世界最強はこの先何シーズン続くのだろうと思わされたが、ボスマン判決の影響もあって、選手が育つスピードより選手が出て行くスピードの方が早かった。だがしかし、現在アヤックスはまたも強くなっており、欧州を再制覇する日も近いのかもしれない。
テスト・マッチ 2004.6.6
ドイツ 0-2 ハンガリー
ゴール / トレゲル×2
ハンガリー、事情は分からないが20人近くが代表を辞退したというので、B代表と言ってもよい若手主体のチーム。だが、監督は元ドイツ代表のローター・マテウス。ベスト・メンバーのドイツに対し、明らかに食ってやろうという闘志と少しもスキを逃すまいとする冷静さで、ドイツを破ってしまった。タレントの質はドイツが上だが、若々しさ、玉際の厳しさ、カウンターの鋭さ、ロング・パスの正確さ、トレゲルの決定力などが光った。対するドイツ、本番直前で怪我を避けようとしているのか厳しさに欠けるし、特に守備の連携の面で不安を残す。このままでは、本番でチェコなどにやられてしまうであろう。まあ、最近の本番でのドイツというのは、良くも悪くもいつも我々の予想を裏切ってしまうのであるが。
ワールドカップ 南米予選
ブラジル 3-1 アルゼンチン
2004.6.2
ゴール / ロナウド(ブ,PK)×3、ソリン(ア)
ロナウドのPK3発には驚いたが、3点目の判定は厳しかったのでは。それはともかく・・・。世界の注目を集める、6月最大のゲームのハズだが、どうも盛り上がりに欠ける。欧州のシーズンの終了直後で、選手のコンディションが良くない。ロナウドの太り過ぎがとやかく言われているが、その割にはゴール前でのスピードと切れは悪くない。現在、タレントの質ではブラジルの方が上であろう。先発したカカやエメルソンなどのブラジル・セレソンでの活躍は、所属クラブでのものとは一味違う。アルゼンチンではサネッティやクレスポがベテランの域に達したが、下の年代の突き上げの勢いがブラジルほどではない。だが、日本代表のテスト・マッチを見た後では、玉際での厳しさには格段の違いがあるし、あのアイマールでさえ目の色を変えてプレーしている。やはりこのカードは、両チーム共に万全のコンディションで臨んでもらいたい。EURO の直前というのはベストの選択なのかどうなのか微妙であり、欧州に来る南米の選手は優秀なので必然的にゲーム過多になるし、予選に出場する為の移動距離も長いし、難しい問題だ。
テスト・マッチ 2004.6.1
イングランド 1-1 日本
ゴール / オーウェン(イ)、小野(日)
1995年6月3日、2対1で負けはしたが井原のヘディングでのゴールで1度は追い付いたあのゲームから、早くも9年。日本代表の個人技は、母国の代表選手と全く遜色ないか、上回っているようにすら見える。残念ながら久保に簡単にはボールが渡せなかったが、玉田の動きは鋭く、フォワードのファースト・チョイスとしての役割は果たした。キャンベルとテリーという強力なディフェンダーは脅威になると思われたが、構えられれば厳しい相手だが、攻撃の組み立てさえ上手く行けば何とか通用する事が分かった。1st ハーフの前半はイングランドに押されてはいたが、概ねゲームの結果通りの力は見せた。小野と稲本の攻守に渡る貢献は、欧州での経験が無駄でない事を示した。ディフェンスの3バックは若干不安定で、まだまだ修正の余地があると思われた。イングランドでは、キャプテンのベッカムはじめ何人かは、厳しいシーズンを終えたばかりでコンディションが整っていないように見えた。日本の出来が良かったにしても、ゲームの序盤以降はイングランドが押されていた。オーウェンのゴールの瞬間の動きはサスガだったが、日本を圧倒してしまうような局面は極めて少なかった。EURO 2004 のフランス戦を控え、難しい状態にあると言えるかも。ベスト4まで勝ち残るのは大変そう。
テスト・マッチ 2004.5.30
アイスランド 2-3 日本
久保の2ゴールは良かったし、小野の後方からのパスもワールド・クラス。時代は変わり、欧州の代表チーム相手でも単なる勝利では納得出来なくなってきた。たとえ、グジョンセンがキャプテンで、EURO の予選でドイツを苦しめたアイスランドであっても。3対0で終えるべきゲームであったろう。セット・プレーからの2失点、特に2点目の相手をフリーにしまくりはマズい。2nd ハーフの幾多のチャンスも、決めてもらわなければ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1994-95
1995.4.19 準決勝 2nd leg
アヤックス [オランダ] 5-2 バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
ゴール / リトマネン×2(ア)、ビテチェク(バ)、フィニディ(ア)、ロナルド・デ・ブール(ア)、ショル(バ,PK)、オーフェルマルス(ア)
余りにも強かった当時のアヤックス。ファン・デル・サール、ライカールト、ブリント、デ・ブール兄弟、オーフェルマルス、フィニディ、リトマネン、クライファート、ダービッツと、"全員いた"(このゲームのアヤックスの先発とサブの驚くほど多くが後日バルセロナに移籍)。当時、日テレでも放映されたこのゲームは、アヤックスのベスト・ゲームと呼ばれていた。ファン・ハール監督率いるアヤックスは、選手のレベルの高さと強靭な組織力は群を抜いていたが、現在の視点からすればサスガに若干ゆるい。それでもチーム全体の躍動感が眼を引くし、当時は組織偏重かと当時思っていたが、選手の持ち味は十分生かされているように見える。それにしても、リトマネンはやはり素晴らしい。ファイン・ゴールを2ツも決めたし。オーフェルマルスはしばらく後に大きな怪我を負うのだが、回復して現在でも高いレベルをキープしているのは凄い。バイエルンには、カーン、マテウス、パパン、ジョルジーニョなどがいたハズだが、どうしたんだろう。バベル、ショル、ネルリンガーなどが先発、既にクフォーもいる。バイエルンは決して弱くはなかったろうが、アヤックスがファイナルに進出するのは当然と思えていた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.5.26 決勝
ポルト [ポルトガル] 3-0 モナコ [フランス] |
ゴール / カルロス・アウベルト、デコ、アレニチェフ
堅守で相手の攻撃を封じ込め、相手の守備を鮮やかな攻撃で切り崩す。攻守のバランスに優れた両チームが対戦するとどうなるのか?マサに、"矛盾"という言葉の語源となった故事を彷彿とさせる、注目の決勝。1st ハーフの前半は、両チームの守備力が拮抗した、眼の離せない展開。あっという間に30分が経過してしまった。若干、モナコが押しているように見える。だが、ロテン、モリエンテス、ジュリといった攻撃の中心選手達が、ポルトの組織的で集中力も高いディフェンスに抑えられている。準決勝まで猛威を振るったロテンのサイド攻撃だが、拮抗した展開の中で、ロテンのドリブルがモナコの展開のタイミングを遅らせているという予想外の事態。そんな中、キャプテンのジュリが怪我で退場。これが影響してか、モナコの攻撃が少し甘くなり、カルロス・アウベルトの先制点に繋がったように見える。2nd ハーフ、モナコにポルトのディフェンスを突破するチャンスをオフサイドとされる場面が何度かあったが、これはモナコ側に厳しい判定に思えた。だが、ポルトのディフェンスは上手くかつ冷静で、大きなピンチを迎える事は無かった。逆に、カウンターによる展開からデコが得点、同様のカウンターでアレニチェフがダメ押し点をゲット。これは、モナコのディフェンスに、ポルトのカウンターに対抗する体力が残っていなかった事を示す。モナコは強かったが、ポルトの攻守のバランスの良さとチームの完成度と経験には及ばなかった。昨年の UEFA カップ制覇と今回のビッグ・イヤー獲得、ポルトの優勝は実力通りと言える。ラッキーだったのは、マンチェスター・ユナイテッド戦の勝利の後、ミランやレアル・マドリーと当たらなかった事。特に、ポルトにとって準決勝のラ・コルーニャ戦は、ラ・コルーニャがポルトに似たタイプであるのと、ミラン戦で消耗していた事で、二重の意味でラッキーだった。ミランにはシェフチェンコやカカという超人がおり、ミラン対ポルトも見たかったのも事実。マウリーニョ監督がチームをビッグ・イヤーに導いた采配とは、どのようなものだったのだろう。戦術も勿論だが、ビッグ・クラブを相手に全く怯まないまでに持ち上げられたモチベーション。マウリーニョは来シーズンはステップ・アップの為に移籍するらしいが、そこでも同様の結果を残せるのだろうか。間違いないのは、ポルトの組織は素人の筆者が見ても見事である事。イタリアのカテナチオを代表するかの如きミランの強靭なディフェンス陣も、チーム全体の組織の点もあわせて見れば、ポルトに見劣りするようにも見える。例えば、レアル・マドリーのディフェンスが少しでもポルトのように組織的であれば、大会の結果は違っていたのだろうか。
イングランド FA カップ 2004.5.22 決勝
マンチェスター・ユナイテッド 3-0 ミルウォール
ゴール / ロナウド、ファン・ニステルローイ×2
プレーイング・マネージャーのワイズが率いるミルウォールがマンUに勝つには、守備での90分間の集中と得点の為のチャンスが必要だったが、やはり難しかった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1994-95
1995.3.15 準々決勝 2nd leg
パリ・サンジェルマン [フランス] 2-1(agg 3-2) バルセロナ [スペイン]
ゴール / バケーロ(バ)、ライー(パ)、ゲラン(パ)
強かったバルサをパリ・サンジェルマンをどのように破ったのか、当時とても見たかったゲーム。バルサはグアルディオラが欠場、そしてロマーリオがシーズン途中で退団していた。フランス代表を多数抱えていたPSGの守備は厳しく、バルサの得意のパス廻しを封じていた。それでも技術の高いバルサ、2nd ハーフの序盤にバケーロが貴重なアウエー・ゴール。もう1点追加できれば勝てたかもしれないが、結局チャンスを生かせず。PSGの3トップは超強力、ジノラ、ライー、ウエア。ジノラの切れは素晴らしく、そして何と言っても全盛時のウエアが超強力。ディフェンダーの数を何とも感じないウエアの突破は、バルサのディフェンスに常に脅威を与えていた。クライフ退任直前のバルサ、勢いに乗るPSGの差が出たか。だが良く見ると PSG の前線は連携に関してはイマイチで、準決勝ではミランに180分間無得点に抑えられた。
(記2004.5.21)
UEFA カップ 2004.5.19 決勝
バレンシア [スペイン] 2-0 マルセイユ [フランス]
ゴール / ビセンテ(PK)、ミスタ
UEFA カップも決勝、欧州のシーズン終了もあと僅か。リーガ優勝を決めて来シーズンはチャンピョンズ・リーグ確定で余裕のバレンシアと、このゲームで勝たないと翌シーズンは UEFA カップも無いマルセイユ。マルセイユの決勝進出の原動力は驚異的なパワーと決定力の得点源のドログバであるが、そのドログバが怪我明け。やはり、今日も堅守のバレンシアのディフェンスを破る事は出来ない。マルセイユも堅守だが、絶対に勝利が必要なマルセイユに徐々に焦りが。それを端的に示したのが 1st ハーフ終了間際のGKバルテズのプレー、何とゴール前に進出して来たミスタの足を削ってしまって、痛恨のレッド・カード。勝利は更に遠のいた。バレンシアの選手には時々笑みが見られ、完全な余裕。10人になってもマルセイユの闘志は衰えないが、老獪なバレンシア・イレブンにイナされてしまった。今シーズンのバレンシアの安定度は抜群、ここ数年で更に成熟してきた。チャンピョンズ・リーグ2年連続ファイナルでの敗退の屈辱をを無駄にはしなかった。カニサレス、アジャラ、カルボーニなどのベテランは衰えを見せず、ビセンテとミスタが格段に成長し、選手層も厚く、チーム・プレーは欧州屈指。優勝カップを掲げたのは二人同時、アルベルダとバラーハ。二冠を達成した今シーズンを象徴したシーンであった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
ムルシア 2-1 レアル・マドリード
2004.5.16
ゴール / ルイス・ガルシア(ム)×2、グティ(レ)
最下位・降格確定のムルシアに敗戦。ムルシアはホームに世界のレアル・マドリーを迎えて張り切っていたのは間違いないが、驚くほど素晴らしい出来というワケでもなかった。レアルでは、ジダン、ソラーリなどの個人技も光った。だが、ベッカムの退場。レアルは4連敗、自滅と言わずとして何と言おう。マケレレのポジションにベッカム、このセレクト自体に大きな問題はないと思う。問題なのは、誰が見てもディフェンス陣の未整備。エルゲラのポジションを固定出来ず。時間と余裕があったにも拘わらず、シーズン中にディフェンスをベストの状態に出来ず。今シーズンのレアルは色々な意味で楽しめたが、無冠という結果はむしろ良かったではとさえ思える。バレンシアの優勝、バルセロナの復活は、攻守のバランスとチーム力がもたらしたのである。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1994-95
1994.10.19 グループ・リーグ第3節
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 2-2 バルセロナ [スペイン]
ゴール / ヒューズ(マ)、ロマーリオ(バ)、バケーロ(バ)、シャープ(マ)
ゲームが行われていた当時は、チャンピョンズ・リーグが見られたのは日本ではスポーツ・アイだけで、スカパーもまだ登場していなかった。10年後とはいえ、見たかったゲームが見られたのは実に有難い。マンUではカントナとギグスが出場せず残念だが、ヒューズ、カンチェルスキス、パリスターなどの往年の選手が大活躍。対するバルサには、ロマーリオ、ストイチコフ、クーマンなどが健在で、超強力。10年前のゲームではあるが、驚くほどスピーディーでテクニカルでクリーン、一面では現在のサッカーより高いクオリティがある。この頃のマンUは、1999年のトレブルの5年前で、他国のビッグ・クラブにはなかなか勝てなかった。だが、このゲームのマンUはかなり出来が良く、カントナの存在感とギグスのスピードがプラスされれば相当強いのでは、と思わせた。バルサでは、グアルディオラもバケーロも良いが、やはりロマーリオとストイチコフはウマい。
(記2004.5.14)
スペイン リーガ・エスパニョーラ
セビリア 0-2 バレンシア
2004.5.9
ゴール / ビセンテ、バラーハ
バレンシア優勝。相変わらず狡猾で手堅いディフェンスに得点力が加わったバレンシア、今シーズンも安定していた。首位を走っていたレアルの、文字通りの自滅にも助けられた。バレンシアのエースは普通はアイマールと見られるが、シーズン終盤は怪我で出場が激減していたが、得点力が落ちる事はなかった。UEFA カップでも決勝まで勝ち進んでゲーム数がまだまだ多い5月に入ってからは、中盤にシソッコやシスコを多用して中盤の構成を変えているが、それでも負けない。結局、選手層も厚かったという事か。着実に成長しているビセンテの存在も大きい。いずれにしろ、チームのシステマチック度という点では、バタバタだったレアルよりも上だし、凄い勢いで追い上げて来たバルセロナよりも上に見える。ラ・コルーニャもチーム力は高いが、攻撃のスピードはバレンシアが上回っていた。決まってみれば、バレンシアの優勝は当然に見える。
ドイツ ブンデスリーガ
バイエルン・ミュンヘン 1-3 ブレーメン
2004.5.8
ゴール / クラスニッチ(ブ)、ミクー(ブ)、アイウトン(ブ)、マカーイ(マ)
ブレーメン優勝。恥ずかしながら、ほとんど初めて見た今シーズン好調のブレーメン。得点した3人のゴールはいずれも素晴らしい。チームも攻撃的で、チャンスには人数を使って組織的に攻めている。このようなゲームが持続出来ていたのであれば、マイスター・シャーレー獲得は当然であろう。バイエルンは、チャンピョンズ・リーグの時のように不甲斐なく敗れ、格スター選手の存在意義が希薄であるように見えた。
UEFA カップ 2004.5.6 準決勝 2nd leg
マルセイユ [フランス] 2-0 (agg 2-0) ニューカッスル [イングランド]
ゴール / ドログバ×2
マルセイユ、チームのバランスは良いし、何と言ってもドログバの決定力が凄い。ニューカッスルは、ベラミーなどの主力が不在では厳しかったか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.5.5 準決勝 2nd leg
チェルシー [イングランド] 2-2 (agg 3-5) モナコ [フランス]
ゴール / グレンケア(チ)、ランパード(チ)、イバーラ(モ)、モリエンテス(モ)
得点が必要で攻撃するしかないチェルシーに対し、アウエーのモナコも何の躊躇も無く攻撃で相対する。両チームに惜しいゴール・チャンスが何度もあったが、先制したのはチェルシー。グレンケアの余りにも素晴らしいゴール、この瞬間だけマラドーナになった?1st ハーフ終了前にランパードが得意な形でのゴール、この時点でアウエー・ゴールの差でチェルシーがリード、またも大逆転劇が見られるのか??だがランパードのゴールの直後、モナコが1点返してしまう。この時点でも、チェルシーが1点返せば全くのイーブンになるし、ホームでの逆転劇は今シーズンは何度も目撃した。にもかかわらず、2得点するまでの凄まじいまでのチェルシーの勢いが、2nd ハーフに入ってから全く消え失せてしまった。モリエンテスのダメ押しゴールの後は、もはやチェルシーの体勢の立て直しは不可能となった。極限状態の中で、一度消えかかったモチベーションを再び取り戻す事は、やはり困難なのだろうか?今シーズン、堅守でここまで勝ち上がって来たチェルシーだったが、準決勝のレベルで2点差を引っ繰り返すほどの攻撃の確実さはなかったという事か?対するモナコは、たとえ失点してもそれ以上に得点すればよいという戦術が徹底していたのであろう。ロテンによる左サイドの突破力とクロスの正確性が、このゲームでも得点に繋がった。モリエンテスはこの日もゴールし、敗退してしまったレアル・マドリーに見せ付ける形で、遂にファイナル進出を果たした。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.5.4 準決勝 2nd leg
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 0-1 (agg 0-1) ポルト [ポルトガル]
ゴール / デルレイ(PK)
またも消えた優勝候補。予想を裏切られたゲーム展開。ユベントスとミランを破り、先週のリーガでもレアル・マドリーを破ったラ・コルーニャだが、本命を蹴落とす魔の手が今度はラ・コルーニャ自身へ。ビッグ・クラブと対戦する時に見せた勢いが止まってしまった。やはり、マウロ・シルバとアンドラーデの欠場が大きいのか?ドゥシェルの展開力はマウロ・シルバほどではないが、ここまでチームの勢いを減少させるような最大の要因とも思えない。だが、ポルトにパス交換の主導権を奪われたし、ユーベとミラン相手に冴え渡ったバレロンのパス・ワークもこのゲームでは見るべき所が無かったし、パンディアーニのゴール・チャンスも減っていた。時間が経過すればするほど、精神的に追い詰められて行った。先制された後に守備の要のナイベトが退場となり、アウエー・ゴールを逆転する為の2得点ゲットへの道は更に遠のいてしまった。
ポルトの先発に、好調だったマッカーシーに替わって、怪我から復帰したデルレイが入った。好調だったチームのバランスが若干崩れてしまうのではと懸念されたが、結果は全く逆。デルレイのボール・キープと展開は見事で、勝利に大きく貢献した。ポルトの細かく早いワン・タッチ・パスの精度は極めて高く、特にゲーム序盤でホームのラ・コルーニャを追い詰めた。デコ、マニシェの攻撃力も効いた。チームの守備力も高く、キーパーのビクトール・バイーアも冷静さを失わず、失点のピンチも切り抜けた。守備から攻撃への展開の速さも見事。組織的な攻撃サッカーで昨シーズンの UEFA カップを制したポルトだが、チャンピョンズ・リーグでファイナルに進出するとは予想出来なかった。だが、マンチェスター・ユナイテッドを破った時点で優勝候補の一角に食い込んだ。ラ・コルーニャなどと比較すれば、決勝ラウンドに入ってからのカードに恵まれたのは間違いないが。何れにせよ、一般的にはFCポルトの知名度は低いが、ファイナルリストに相応しいチームであるのは間違いない。
イタリア セリエA
ACミラン 1-0 ローマ
2004.5.2
ゴール / チェフチェンコ
ラン、スクデット獲得。今シーズンのローマは強かった。ディフェンスのキブーと右サイドのマンシーニが機能し、エメルソンも充実、トッティとカッサーノが猛威を振るった。だが、ローマの強さを上回る最強のチームがミランであった。ロートルとも思えたカフーとパンカロがまだまだ行ける事を証明、ピルロのボランチは益々冴えたし、チェフチェンコが大復活。そして何よりもカカの驚異的な攻撃力が、シーズンの最初からミランの攻撃の核となったのが大きい。ミランの今シーズンの失策は、チャンピョンズ・リーグのアウエーのラ・コルーニャ戦くらいであろう(あまりにも大きな敗戦であったが)。このゲームの開始2分、カカのクロスをチェフチェンコがヘッドで完璧に合わせたシーンは、今シーズンのミランを象徴する場面であった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
デポルティボ・ラ・コルーニャ 2-0 レアル・マドリード
2004.5.1
ゴール / ディエゴ・トリスタン、カプデビラ
バルサ戦で退場になったフィーゴのイエロー・カードの2枚目が取り消しになったという。どういう事情であるかは不明だが、あのイエローが取り消しになるのであれば、全てのイエローの中の相当数のが取り消しになるのではなかろうか?選手の移籍情報がやたらと飛び交うレアル、シーズンの最も重要な時期にバルセロナとラ・コルーニャというイヤな相手の連続で苦しいが、諸々の雑音を完璧な勝利で何とか封印したい。対するラ・コルーニャもポルト戦を控えて、選手をやりくりして乗り切りたい。ルケが怪我から復帰、トリスタン、ジャウミーニャなどを入れて、一部の選手を温存しても通常のフォーメーションで望める。ゲーム開始しばらくは、両者互角の好ゲームが展開された。そんな中、久々に見たトリスタンのストライカーらしいゴールで先制。対するレアル、総合力からして粘って逆転というシナリオは描けたハズだが、少しずつアセリ始める。ジダンが切れてしまいイエロー2枚で退場、フィーゴの出場が無に帰してしまった。ハイ・レベルのベスト・ゲームになる可能性も見えていただけに、残念。ラ・コルーニャは選手のターン・オーバーが当たって理想的な勝利となったが、レアルは自滅とも言える痛い敗戦。このままではバルサに抜かれてしまう??
テスト・マッチ
イタリア 1-1 スペイン
2004.4.28
ゴール / フェルナンド・トーレス(ス)、ビエリ(イ)
バッジョの引退試合とされたゲーム。昔と違ってスピードと切れで勝負するのではなく、周囲を活かして自分も活きるのが現在のバッジョのスタイル、代表でも何とか持ち味を出せたか。EURO 直前のゲーム、1st ハーフはテスト・マッチとしては厳しい展開となった。得点の通り、ほぼ互角の内容か。現在のスペインは選手層が厚く、先発メンバーを決め切れない状況は相変わらず。イタリアも選手の知名度は高いが、本番で強さを見せられるかどうかは不明。スペイン代表、イタリア代表、日本代表、現在好調の選手を中心にするのが正解だと思うのだが・・・。
テスト・マッチ
チェコ 0-1 日本
2004.4.28
ゴール / 久保
EURO 2004 の予選でもオランダを押さえて1位通過のチェコ、本選も近いので先発はベスト・メンバー。ゲーム開始直後の攻撃は強烈で、チェコが圧勝するのかと思った。ネドベド、ポボルスキ、ロシツキなどがスピードとテクニックで中盤を支配し、コラーにボールを集めて、バロシュが得点という戦術がありありと見えていた。だが日本は守備に集中し、ゴール前で大きなチャンスをチェコに与える事は無かった。中盤では、稲本がネドベドをマークするなど守備に大きく貢献。小野の攻撃の起点としての働きは素晴らしく、視野の広さとパス・コースの選択とテクニックが抜群で、あまり冴えなかったロシツキと対照的であった。2トップの久保と玉田は、スピードに乗ってのカウンターとシュートを打つ姿勢を徹底させており、回数は少なかったがチェコのディフェンスを突破した。1st ハーフでは、強豪チェコに勝つ事は出来た。欧州ではテクニックとチーム・ワークで猛威を振るったチェコだが、日本のディフェンスのウマさにハマッてしまった。チェコは 2nd ハーフで選手を大幅に交代させてテスト・マッチ・モードに入り、タイトル・マッチであれば大逆転されるかもしれないし、日本としてはあまり浮かれる事は出来ない。それにしても、日本のアウエーでの勝利の意味は小さくはない。チェコは、EURO の予選を通じて力を見せ、このゲームでもこれまでと同じシステムで望んで来たが、毛色の違う相手で戸惑ったのかもしれない。EURO 直前のこの時期の敗戦が、本番での不調の予兆であるのか、コンディションを上げる為のキッカケとするのかは不明である。優勝候補に挙げられているチェコだが、他のチームにマークされるだろうし、どちらかと言えば本番は厳しいように思える。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 1-2 バルセロナ
2004.4.25
ゴール / ソラーリ(レ)、クライファート(バ)、シャビ(バ)
世界が注目のクラシコだが、欧州戦線から予想より早く脱落した両チームだけに、今回だけはいつもよりちょっとグレードは落ちるかも。チーム戦術としても、バレンシアやラ・コルーニャの方が上かも。だが、サスガに両チーム共に闘志だけはいつものクラシコ並みであった。バルサは、ルイス・ガルシアが欠けているのが残念。レアルはロナウドが間に合わず、これがどう影響するか。1st ハーフはレアルのペース、バルサのゴール迫るが、プジョールやビクトール・バルデスに守られ無得点。2nd ハーフ、やっとソラーリのゴールでレアルが先制したが、フィーゴの退場で1人減り逆転された。来シーズンのクラシコは、何とか両チーム共にベストの状況で当たって欲しい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.4.21 準決勝 1st leg
ポルト [ポルトガル] 0-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
攻守のバランスが優れ、闘志にも欠けていない両チーム。両チームともに相手の力を認識している為か、失点を恐れてどちらかと言えば守備に集中。特にホームのポルト、デコなどがマークされて良いボールが出せず、スペクタクルなシーンを作れず。マニシェやヤンカウスカスの惜しいシュートもあったが、ラ・コルーニャの守備はサスガである。ポルトの守備力もラ・コルーニャに迫るし、ピッチ上の各所で厳しい戦いが見られた。スコアレス・ドローという結果は若干ラ・コルーニャに有利に見えるが、2nd leg にポルトに先制されれば有利さは逆転するし、マウロ・シルバとアンドラーデが欠場は、若干の有利さを不利に替えるかもしれない。今シーズンの起爆剤であるルケの負傷も気になるところ。ポルトにはアウエーでも得点する力があるし、 2nd leg ではホームのラ・コルーニャは攻撃しないワケにはいかない。勝敗の予想は不可能。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.4.20 準決勝 1st leg
モナコ [フランス] 3-1 チェルシー [イングランド]
ゴール / プルソ(モ)、クレスポ(チ)、モリエンテス(モ)、ノンダ(モ)
チェルシーのディフェンダーのデサイーとモナコのデシャン監督は同年齢。マルセイユ、チェルシー、そして世界を制したフランス代表の同僚であったが、この立場の違いに対して両者はどのような気分でゲームを迎えるのだろう。デサイーを中心としたチェルシーのディフェンスは堅固、果敢に攻めるモナコのアタックは通用するのか?1st ハーフは互角に見えたが、見所は 2nd ハーフに集中した。チェルシーのラニエリ監督は久々にベロンを投入、脅威のパスを出し始める。両チームの意地が削り合いに転化する可能性が見え始めた中、モナコのジコスがマケレレと揉めて退場、マケレレの露骨な痛がりにモナコ・サポーターからブーイングの嵐が巻き起こった。更にチェルシーはハッセルバインクを投入して3トップとして、大攻勢に出るかと思われた。だが不思議な事に、ここからチェルシー全体の動きが完全に鈍くなり、どちらのチームが10人なのか分からなくなった。チームのコンディションが悪いのか?ベロンの投入が流れを止めたのか?メルヒオットを外した事でバランスが崩れたのか?デシャン監督がマジックを使ったのか?モナコのカウンターから、モリエンテスのセンター・フォワードらしい完璧なゴール。今シーズンのこれまで見た中で、最も痛快なゴール。そして交代したばかりのノンダがゴール、やはりデシャン・マジックか??得点差と最近の大逆転劇の連続からして、モナコのリードはセーフティとは言えない。だが、チェルシーのこれまでの粘りからは考えられない、突然の失速。2nd leg までにチェルシーはコンディションを戻せるのか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バレンシア 2-2 レアル・ソシエダ
2004.4.18
ゴール / シャビ・アロンソ(ソ)、カルピン(ソ,PK)、ビセンテ(バ)、ミスタ(バ)
遂にレアル・マドリーを捕らえて首位に立ったバレンシア。マドリーとは異なる組織的なサッカー。中盤のバラハやアルベルタからだけではなく、最終ラインのアジャラからも出る。ロナウドのような絶対的なストライカーはいないがミスタが非常に良く健闘、左サイドのビセンテも存在感を増してゴールも奪う。これまでの守備の堅さと、増加した得点力。攻撃の核であるアイマールを怪我で欠くが、選手層の厚さで完璧にフォローしている。リーガと UEFA カップの二冠が視界に入った。このゲームの 1st ハーフはソシエダを押し込んだが無得点、これが 2nd ハーフに効く。老獪なバレンシアのディフェンダーの一瞬の間隙を突いた、シャビ・アロンソの芸術的なループ・シュート。強烈に押し合っていた両チームの均衡が遂に破れた。シーズン序盤の絶不調からは何とか脱したソシエダ、コバチェビッチなどを欠きながらも冷静にゲームを進め、PKを奪って2点差。だがここから、バレンシアがホーム・ゲームらしさをと粘り強さを見せて同点。チャンピョンズ・リーグから敗退してリーガに専念して首位を遮二無二奪いに来たレアル・マドリーに対し、バレンシアの迎撃は可能なのだろうか?
UEFA カップ 準々決勝
2004.4.8 -- 1st leg
セルティック [スコットランド] 1-1 ビジャレアル [スペイン]
2004.4.15 -- 2nd leg
ビジャレアル 2-0 セルティック
ゴール 1st leg / ホシコ(ビ)、ラーション(セ)
ゴール 2nd leg / アンデルソン(ビ)、ロジェール(ビ)
昨シーズンのファイナリストのセルティック、フィジカルの強い選手と(多分)スコットランドとしては組織的な戦術で、粘り強さを発揮して優勝を狙う。1st leg ではハートソンが欠場して残念だった。2nd では何と更にトンプソンとサットンまで欠場し、自慢の強烈なトリオを欠いては苦しく、バルセロナ入りまで噂されるゴール・ゲッターのラーションは孤立、ほとんど仕事が出来なかった。監督が退団し監督代行で今シーズンを乗り切ろうとしているビジャレアル、UEFA カップでは好調。左のロジェールと右のホセ・マリのアタックは強烈、トップのアンデルソンも好調。トップ下のリケルメはバルサの時よりもずっと良く、自由を与えられて役割を十分に果たし、トヨタ・カップでのボカでのパフォーマンスを思い出させた。セルティックは、ガッツでは負けなかったかもしれないが、テクニックで後塵を拝し、ビジャレアルにいなされた感じ。ビジャレアルには今後も良いパフォーマンスを見せて欲しいが、準決勝以降はかなり厳しそう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.4.7 準々決勝 2nd leg
リヨン [フランス] 2-2 (AGG 2-4) ポルト [ポルトガル]
ゴール / マニシェ(ポ)×2、リュインドゥラ(リ)、エウベル(リ)
2点リードし、1st leg ではアウエー・ゴールも奪われず、敵地に乗り込んだポルトが、ゲーム開始直後に凄まじいまでの速攻。そして、早々に貴重なアウエー・ゴールを奪った。エキセントリックまでに攻撃的な姿を見せたポルトの姿勢、きっとレアル・マドリーやミランもこの姿勢こそが必要だったのでは?慎重に戦うという事は、知らず知らずに自分達を臆病にさせる事なのかも。リヨンの力強い攻撃も脅威のハズだが、ポルトの見事なチーム・プレーの為に反撃を遅らされてしまった。2ゴールのポルトのマニシェは絶好調で、ゴール以外の場面でもチャンスを多数作った。10番のデコも絶好調。攻撃主体のチームはディフェンスに不安が残り、ポルトも例外ではないが、ベスト4の中で最も組織的で見ていて楽しいのがポルト。優勝の可能性は高い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.4.6 準々決勝 2nd leg
アーセナル [イングランド] 1-2 (agg 2-3) チェルシー [イングランド]
ゴール / レジェス(ア)、ランパード(チ)、ブリッジ(チ)
FA カップの激闘でマンチェスター・ユナイテッド競り負けて心身ともに疲労していたのかアーセナル、2nd ハーフには足が止まってしまった。特に、心理的なダメージは大きいかもしれない。ビエラを中心として、中盤を制圧する事が出来なかった。先発メンバーの固定に関してはレアル・マドリー以上でもあり、サブに膠着した状況を打破する選手が複数いないと苦しい。3冠も目前と言われたアーセナル、そのうちの2戦を落としたベンゲル監督は評価を著しく落としたという。特にチャンピョンズ・リーグの敗退は目だってしまうし、責任論で見れば仕方のないところであろう。だが、ほぼ固定メンバーでのプレミア・リーグ30戦無敗という大記録を達成したのもアーセナルだし、調子を落としてしまったのはこの1週間だけではないだろうか。チェルシーの2トップは、ハッセルバインクとグジョンセンという前シーズンから残るメンツでもあり、大金を投じて集めたワリには不安定だったチーム状況が安定へと向かっていた中、結果的にはアーセナルを破る準備は万端であったと言える。ゴールしたランパードとブリッジは、チーム安定の核でもある。今シーズンの大量補強ばかり注目されるが、前シーズンまでも強豪とは呼ばれていたし、チャンピョンズ・リーグでの苦闘による経験の蓄積も成されていた。この勝利は、番狂わせでもないし、チェルシーが優勝しても意外でもない。ただ、アーセナルのファイナルでの活躍が見たかったのは間違いない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.4.7 準々決勝 2nd leg
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 4-0 (agg 5-4) ACミラン [イタリア]
ゴール / パンディアーニ、バレロン、ルケ、フラン
ラ・コルーニャ対ミラン、リアソールで4対0、どこかで見たスコアだ。2002年9月25日、但し4得点したのはミラン、インザーギのハット・トリックが強烈だった。ピルロをボランチに置く新システムが余りにも鮮やかで、ラ・コルーニャは完全にやられた。先日のアウエー・ゲームでもやられたし、このゲームでラ・コルーニャは過去の屈辱に対する最も効果的なリベンジを果たしてしまった。前日にレアルがやられたのを良く分かっているミランは慎重にも慎重を期してゲームに臨んだハズだったが、何を間違ってしまったのか??ラ・コルーニャは、守備の局面では集中、玉際ではガツガツと、攻撃ではサイドを有効に活用して相手を翻弄した。特にルケとビクトルの両サイドからの攻めは効いた。ルケは益々進歩しており、強力なドリブルからのゴールには驚かされた。ミランは多分、全体的に少しコンディションが悪かっただけなのだろうが、チャンピョンズ・リーグでは少しの痛手が大きな結果に繋がってしまう。ネスタの復帰は朗報に思えたが、久々のビッグ・ゲームでフィット出来なかったのか?結果論でしかないのは確かだが。それでもミランは 1st ハーフは悪くなかったが、ゲームが終了に近づくに従って敗色を濃くしていった。カカの圧倒的な中央突破もなかった。逆転劇は奇跡のように見えるが、実際は両チームの力は互角であるし、若干のコンディションとモチベーションの差があったに過ぎない。イタリア・サッカーの凋落とも言われるが、各国のチームの実力差は接近しているし、今後も連覇するチームが出現するのは稀であろう。ただ、ビッグ・クラブが悉く敗退したいう事実には、なにか大きな要因があるはずで、大会が終了した後に徐々に明確になっていくであろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.4.6 準々決勝 2nd leg
モナコ [フランス] 3-1 (agg 5-5) レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / ラウール(レ)、ジュリ(モ)×2、モリエンテス(モ)
実はパスもウマいロナウドからの絶妙のクロスがラウールへ、決定的な先制点。この時点でモナコが逆転出来るとは、モナコの選手自身も思ってなかったのでは?1st ハーフの終了間際のジュリのゴールが決まった後、急激に形勢が逆転してしまった。モリエンテスが2点目、レアルに籍のあるモリエンテスが、結果的に大きくモノを言った 1st leg のアウエー・ゴールも合わせて、レアルに引導を渡した形。ジュリの3点目は、モナコの勝利への執念を完璧に表現していた。アウエーでヘナヘナになってしまうレアルは、今シーズンを通じて何度も見た。主な原因は明らかにディフェンスにあり、結局抜本的な改革は図られずに終わりそう。サルガドとロベルト・カルロスの左右両サイド・バックのレギュラー以外、即ちセンター・バックのレギュラーとサイド・バックのバック・アップは遂に固定されなかった。エルゲラは中盤との掛け持ち、パボンも定着出来ず、このゲームは最近好調のメヒーアが入ったが、一昨シーズンの覇者レアルと昨シーズンの覇者ミランのセンター・バックは何と異なっている事か。バイエルンとの2戦目のように守りに重点を置くワケでもなく、いつものように攻めてしまった。攻撃陣が好調ならまだしも、得点源のロナウドが疲弊しており、いつになく好調のラウールもカバーしきれなかった。それにしても、デシャン監督の率いるモナコの執念は賞賛に値する。得点したジュリやモリエンテス以外でも、ロッテンやキーパーのローマも素晴らしい働きをしていた。最早モナコが優勝しても驚かないが、国内リーグでも優勝争いが厳しいし、レアルのように疲弊してしまうかもしれないが、何とか頑張って欲しいものである。
UEFA カップ 2004.3.25 4回戦 2nd leg
ローマ [スペイン] 1-2 (agg 2-3) ビジャレアル [スペイン]
ゴール / エメルソン(ロ)、カッサーノ(ロ)、アンデルソン(ビ)
2nd ハーフ早々に遂に同点に追い付いたローマ。トッティの恐ろしい程絶妙なパスを、これまた絶妙なタイミングでゴールに叩き込んだ。ローマを象徴する2人の肩を組んで喜ぶ姿が何とも××しい(××は勝手に入れてください)。トッティの前線での働きはマサに芸術的で、右サイドのマンシーニも好調の時には実に凄い。これで勢いは完全にローマ、逆転は時間の問題かと思われた。だが、ほんの数回しかなかったビジャレアルのチャンスのうちの1回が、ホセ・マリのパスからのアンデルソンの超絶妙なループ気味のシュート。奪われてはいけないアウエー・ゴールが、ローマにとって最もイヤな時間帯に決まった。ローマはゲームを通じて攻め続けたが、極めて惜しいシュートが何本もあり、もう1点が 1st ハーフに決まっていればゲームの流れは分からなかった。カペッロ監督は、UEFA カップは自国リーグよりも優先度が低いという意味の発言をしたようである。だが、UEFA カップのアウエーのゲームにトッティとカッサーノを帯同しないという方法論が最良の選択かどうかは、敗退という結果が如実に物語っている。強さが際立ち優勝候補だったローマ、確かにビジャレアルも強かったが、この敗戦は何とも釈然としない(特にローマを応援したワケでもないのだが)。
イングランド FAカップ 準決勝
ミルウォール 1-0 サンダーランド
2004.4.4
1部リーグのチーム同士となった準決勝、という事は決勝に1部のチームが進出、マンチェスター・ユナイテッドと戦う。ミルウォールは元チェルシーのワイズが率いていた。ゲーム内容も激しいが、サポーターの声援の過激さが、いつものオールド・トラッフォードと違う雰囲気が覆っていた。ミルウォールが勝利したが、マンUを追い込む事が出来るのかが見物である。
イングランド FAカップ 準決勝
マンチェスター・ユナイテッド 1-0 アーセナル
2004.4.3
ゴール / スコールズ
アーセナルはアンリを温存。対するマンU、ファン・ニステルローイは怪我、サハはフルアムから移籍の為に出場出来ず、フォルランは代表でウルグアイから戻ったばかり、純粋なフォワードはスールシャールのみ。絶好調のアーセナルの圧勝かと思われた。だが、アーセナルはチャンピョンズ・リーグを火曜に控えて慎重にゲームに望む必要がある反面、マンUは獲得可能なタイトルは実質的にはFAカップのみ。結局は、マンUが意地を見せた形、特に超強力なアーセナルの中盤に負けなかったのが大きい。1st ハーフでほとんど唯一のマンUのチャンスを、スコールズが得意の形で冷静に決めた。不安定だったブラウンのディフェンスが良く、ロイ・キーンの技術を超えた存在感が生きた。アーセナルはピレスなどが不調、マンUのゴールに迫る気迫がやや弱かった。
ワールドカップ 南米予選
アルゼンチン 1-0 エクアドル
2004.3.31
ゴール / クレスポ
アルゼンチンとブラジルが現在も強豪である事実に違いないが、他の国との実力差が更に小さくなっているのを実感させた。アイマールやダレッサンドロやテベスなどのタレントが間断なく出現しているアルゼンチンではあるが、コリア−ジャパンの予選の時のような威圧感は既にない。エクアドルのスピードに翻弄される場面すらある。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 5-1 セビリア
2004.3.28
ゴール / ソラーリ(レ)、ロナウド(レ)×2、バプティスタ(セ,PK)、ジダン(レ)、サルガド(レ)
アウエーで大敗を喫した相手のセビリア。だがレジェスがアーセナルへ去り、セビリアから怖さが無くなったか?久々に見た余裕のレアル。セビリアの選手が足を取られる雨模様の中、レアルの名人達は悪い足場でもテクニックに曇りを見せない。ロナウドやジダンなどは相変わらずだが、昨シーズンまではファン・ニステルローイに向けられていたベッカムの右サイドからのデビル・クロスがロナウドに向けて炸裂。
UEFA カップ 2004.3.25 4回戦 2nd leg
バルセロナ [スペイン] 0-0 (agg 0-1) セルティック [スコットランド]
壁のように感じられたセルティックのディフェンス陣。リーガで驚異的な連勝を続けるバルサだが、180分間で得点出来なかった。サビオラが累積警告で、ダービッツはユベントスでチャンピョンズ・リーグに出場の為、共に出場せず。ストライカーの駒不足も致命的。だが主力の不出場以上に、主力の若返りが欧州のカップ戦では経験不足に転化してしまったように見える。昨シーズンのセルティックのディフェンスはクールであった。バルサがチャンピョンズ・リーグで再び飛躍するには、相当な時間を要するかもしれない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.24 準々決勝 1st leg
レアル・マドリード [スペイン] 4-2 モナコ [フランス]
ゴール / スキラッチ(モ)、エルゲラ(レ)、ジダン(レ)、フィーゴ(レ)、ロナウド(レ)、モリエンテス(モ)
もう恒例となってしまったレアルの失点と逆転。サンチャゴ・ベルナベウに来たアウエーのチームは、押してしまえば押せてしまうレアルのディフェンスを積極的に攻めて得点するが、最初から飛ばすような無理をしないレアルが結局は逆転してしまう。エトーにやられてしまった昨年の衝撃のマジョルカ戦以来、レアルはホームで負けていないという。このゲームの 2nd ハーフ、最近は不調だったレアルが不調から脱しようと意地を見せた。華麗なパス廻しよりも、力ずくでゴールに攻め込もうという姿勢が目立った。結局は銀河系選抜が実力を見せたが、モナコもレアルのホームでの出来としては悪くはなかった?モリエンテスもゴールを奪い、話としては出来過ぎ??レアルでは、センター・バックで先発したメヒーアが、左サイドに出たとたんにロベ・カル並みの攻撃を見せたのが面白かった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.24 準々決勝 1st leg
チェルシー [イングランド] 1-1 アーセナル [イングランド]
ゴール / グジョンセン(チ)、ピレス(ア)
絶好調のアーセナルの圧勝か?ダービーらしい接戦か?1st leg 、結果は後者。今年3回目の同カード、プレミアらしい比較的クリーンなゲーム展開。チェルシーのディフェンス、テリーとデサイーはよく守った。だがデサイーが退場になり、チェルシーのディフェンスは苦しくなった。ランパードのプレーも気が利いていた。アーセナルのディフェンスはチェルシーよりも強力だが、キーパーのレーマンを含む連携ミスで残念ながら失点。アーセナルの攻撃では、ビエラの前線でのタメが攻撃にバリエーションを増やしていた。2nd leg はホームのアーセナルが有利、アンリなども余力を残しているが、このゲームを見た限りではチェルシーにもチャンスはある。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.23 準々決勝 1st leg
FCポルト [ポルトガル] 2-0 リヨン [フランス]
ゴール / デコ、カルバーリョ
筆者としてはミラン対ラ・コルーニャと同程度に注目していた一戦。特に、あのマンチェスター・ユナイテッドに競り勝ったポルト、組織的攻撃サッカーがこのゲームでも見られるのか?互角の接戦が予想されたが、ホームでもあるのかポルトが優勢。リヨンの力強い攻めが見られず、特に期待のジュニーニョが不調。ポルトはディフェンスも安定しており、何よりもゲーム運びに自信を持っているように思える。デコのゴールも凄かったが、カルバーリョの余りにもピッタシのヘディングも見事。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.23 準々決勝 1st leg
ACミラン [イタリア] 4-1 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
ゴール / パンディアーニ(デ)、カカ(ミ)×2、シェフチェンコ(ミ)、ピルロ(ミ)
スムースにゴール前に侵入し恐るべき決定力でゴールを決めるパンディアーニ、ミランに対し先制。不調だったとは言えあのユベントスを破ったラ・コルーニャが、ミランさえ破るのか?アウエーなので自陣に引きはするが、丁寧にパスを繋いで次第にミランのゴールに迫る。ゲーム序盤はラ・コルーニャの固いディフェンスに抑えられていたミランだが、失点によって目覚めさせられたのかもしれない。セードルフなどが放つミドル・シュートの強烈さはミランが上で、徐々にラ・コルーニャにプレッシャーを加えて行った。特に、ミランでトップ下の重責を担うカカのスピードとパワーと圧倒的な存在感は強烈。1st ハーフの終了間際に遂にカカのゴールが決まり、序盤での失点をイメージでは完全に挽回した。2nd ハーフではチェフチェンコのテクニカルなゴールとカカの2点目で突き放し、ピルロの見事なフリー・キックで3点差としてしまった。ミランのディフェンスではネスタは不在だったが、コスタクルタが穴を埋めたし、何と言ってもマルディーニの存在が大きかった。確実に相手の攻撃の芽を摘むだけでなく、前方へのフィードが攻撃のチャンスを生む生きたボールとなっていた。対するラ・コルーニャ、パンディアーニは惜しいシュートを打ち続けたし、バレロンも技を見せたが、ユーベ戦でのような力強さは見せられなかった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 1-0 レアル・ソシエダ
2004.3.21
ゴール / ロナウジーニョ
バルサ、脅威の9連勝。中心にいるのは何と言っても、超人ロナウジーニョ。体の切れとボール捌きは、サッカーというよりは曲芸。だが、ロナウジーニョが活躍出来るのも、周囲の安定があってこそ。やはり、不調という言葉とは無縁のダービッツの加入は、勝てなかったが悪くも無かったバルサの、必要な最後の1ピースだったのだろう。やはり、バルサが強くなければ面白くない。この状態のバルサが、チャンピョンズ・リーグで、更には既に終わってしまったレアル・マドリー戦でどこまでやれるかが知りたい。来シーズンは補強もあるだろうし、今から楽しみである。ソシエダは、チャンピョンズ・リーグも敗退したし、やはりベスト・メンバーでないと苦しいのが如実に分かってしまう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.9 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
リヨン [フランス] 1-0(トータル2-0) レアル・ソシエダ [スペイン]
ゴール / ジュニーニョ
リヨンが好調。守備も固いが、どちらかと言えば攻撃を主体としてゲームを組み立てる。中心にいるのがブラジルのジュニーニョ、普通の国なら間違いなく代表チームの中心選手。スピードとパワーの他の前線の選手を操っていた。ソシエダも悪くはなく、大ベテランのカルピンが切れていたが、チャンピャンズ・リーグではこの辺が限界か?デ・ペデロとニハトが先発出来なかったのが残念。
イタリア セリエA
ユベントス 1-3 ACミラン
2004.3.14
ゴール / チェフチェンコ(ミ)、セードルフ(ミ)×2、フェッラーラ(ユ)
鋼鉄の如く揺るがない、今シーズンのミランのシステム。大ベテランばかりで構成されるディフェンス・ラインの安定。マルディーニとコスタクルタはいつまで現役を続けるのだろう。テクニシャンが揃って油断も隙もない中盤。新加入のカカは進化を続けるし、セードルフの切れも冴えているし、ピルロの仕切りも相変わらず見事。決定力の化身とも言うべきフォワード。シェフチェンコはコンスタントに得点するし、インザーギは得点が無くとも脅威。闘志さえキープされれば、セリエAとチャンピョンズ・リーグの2冠も夢ではない。対するユーベ、もう少し何とかなると思ったが、現時点でのミランとの力量差は予想以上。兎に角今シーズンの残りのゲームを我慢して3位を確保し、来シーズンへ繋げるしかないか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.10 決勝トーナメント 1回戦 2nd leg
ACミラン [イタリア] 4-1 (agg 4-1) スパルタ・プラハ [チェコ]
ゴール / インザーギ(ミ)、ユン(ス)、シェフチェンコ(ミ)×2、ガットゥーゾ(ミ)
1st leg はスコアレス・ドロー。2nd leg では1点差で逃げ切ろうとして追いつかれてしまったので、仕方なく(?)3点追加して勝利した、何とも"らしい"ミラン。ポボルスキーも味を出していたし、スパルタ・プラハもベスト16に残っただけに悪くはないが、百戦錬磨のミランでは相手が悪い。本当に必要な時間に得点するインザーギとシェフチェンコの得点感覚、脱帽するしかない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.10 決勝トーナメント 2nd leg
レアル・マドリード [スペイン] 1-0 (agg 2-1) バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
ゴール / ジダン
1st leg でアウエー・ゴールを奪ったレアル、今回はホームのレアルが守備的になった。決して集中力を切らさないレアル、やろうと思えばやはり出来てしまう、守備も驚くほど見事。相変わらず鋭いカシージャスのファイン・セーブ、ロベルト・カルロスの不在を補うかのようなサルガドの攻守に渡る活躍。ロナウドの不在は、ラウールとジダンがカバー。左サイドのラウール・ブラボーの動きもまずまず。1st leg とは全く逆の展開でチャンスの作れないバイエルン、特に頼みのマカーイにボールが渡らない。攻撃の起点の元レアルのゼ・ロベルトは抑えられ、バラックの攻撃参加も寸断された。レアルにとっては、バイエルンに対する苦しみながらの勝利の意味は大きい。バイエルンの補強は、ユーベやマンUと同じように、決して成功ではなかったのか・・・単純な結果論ではあるのだが。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.9 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 1-1 (agg 2-3) FCポルト [ポルトガル]
ゴール / スコールズ(マ)、コスティーニャ(ポ)
マンUは何を間違ってしまったのか?ゲーム序盤のマンUの攻勢は凄まじく、ポルトの逆転負けは確実にも見えた。遂にスコールズのゴールで、アウエー・ゴールの差でマンUがリード。だが UEFA カップの覇者のポルトは昨年の今頃の勢いを取り戻しており、決してゲームを諦めない。スピーディで正確なパスの連続とワイドな攻撃、組織的な守備。それでも 2nd ハーフの45分が経過した時点まではマンUが負けるようには見えなかったが、マンUの選手自身までそのように考えてしまったのか?ポルトの攻守の要のコスティーニャがロス・タイムにゴール、マンUにとっては魔の時間帯であった。1999年の決勝でロス・タイムの大逆転を演じたのはどこのチームだったのか?ポルトは素晴らしい粘りを見せたが、マンUの自滅とも言える。出場停止や怪我人も確かにいるが、このゲームの先発メンバーでも極端に力が落ちるとは思えない。やはり慢心なのか、補強が万全ではなかったのか?キーンが不在のゲームでのリーダー・シップを誰が握るのか?やはり、ベッカムの放出は・・・?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.9 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
ユベントス [イタリア] 0-1 (agg 0-2) デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
ゴール / パンディアーニ
シーズン序盤のユーベは強く、レグロッターリエなどを補強し万全の体制を築いて何らかのタイトル獲得は確実と思われた。だが、怪我人が多いという不運が重なってはいるが、今シーズンの補強は成功とは言えないという結果になるかも。ユーベらしい粘りでセリエAも3位に付けているが、失点が多すぎてユーベらしくない。ラ・コルーニャ相手に結局無得点、攻守のバランスが良くないのは間違いない。ラ・コルーニャはアウエーでも守備の強さを発揮、ゲーム序盤でパンディアーニが決定力を見せて得点、極めて落ち着いてゲームを遂行出来た。過去数シーズンでラ・コルーニャは、チャンピョンズ・リーグで負ける事によって何かを学んでいるのは間違いない。マンチェスター・ユナイテッドは、強豪相手に重要なゲームで負け続ける事によって打たれ強くなり、1999年のビッグ・イヤー獲得へ着実に歩んでいった。今シーズン、ラ・コルーニャが優勝しても全く驚かない。だが、ルケの成長は別としても、モリーナ、ナイベト、マウロ・シルバ、バレロン、ビクトルと何年も顔ぶれに変化はないのだが、これが熟成というものか?不思議だ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.3.9 決勝トーナメント1回戦 2nd leg
チェルシー [イングランド] 0-0 (agg 0-1) シュツットガルト [ドイツ]
2nd ハーフのシュツットガルトは攻めに攻めた。クラニーの惜しいシュートもあった。チェルシーのゴールを割るのは時間の問題かと思われた。だが、ペナルティ・エリアに進入して決定的な場面を作る場面は極めて少なかった。チェルシーのディフェンスは固く、何よりも集中していた。肝心な場面で何が必要かを、デサイー、マケレレ、クレスポといったベテラン達が理解していたという事もあるだろう。シュツットガルトもアウエーで無失点だしチーム力はあるだろうが、やはりチャンピョンズ・リーグを勝ち抜いて行くのは非常に難しい。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 4-2 セルタ
2004.2.29
ゴール / イリッチ(セ)、ロナウド(レ)、ジダン(レ)×2、フィーゴ(レ)、ミロセビィッチ(セ)
チャンピョンズ・リーグでアーセナルと激闘を演じ、そして負けてしまったセルタ。アーセナル戦とレアル戦を見る限り、闘志も十分だし、少なくともリーガ下位に低迷するチームには見えない。このゲームの 1st ハーフではセルタが先制してリードして折り返したし、内容でも勝っていた。先制されてしまうレアルはもうお馴染みだが、レアルの 2nd ハーフの反撃はいつも以上であった。圧倒的なボール廻しに、フィーゴのリーガでの脅威の100アシスト目と久々のゴール、ジダンの2点で、セルタはお手上げ。エドゥやミロセビッチなどは決して悪くはなかったのだが。レアルは確かに強かったがベスト・メンバー、バイエルン戦の合間で少しはメンツを入れ替えたかったところ。
UEFA カップ 2004.2.29 3回戦 1st leg
ブロンビー [デンマーク] 0-1 バルセロナ [スペイン]
ゴール / ロナウジーニョ
元バルサのミカエル・ラウドルップが監督のブロンビー、フィジカルの強さを生かした、北欧的な組織的なサッカー。バルサはてこずるかと思われたが互角の展開。そしてやはり、リーガでスーパー・ゴールを連発したロナウジーニョがここでもゴール。自分が放ったフリー・キックがバーに当り、こぼれ玉に凄い勢いで突進して自分でゴール。先発メンバーを固めたバルサ、リーガと UEFA カップ、どこまで成績を上げるのだろうか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.2.25 決勝トーナメント1回戦 1st leg
レアル・ソシエダ [スペイン] 0-1 リヨン [フランス]
ゴール / OG(リ)
ソシエダの国内リーグとチャンピョンズ・リーグの両立は、やはり難しいか。リヨンの、ゴブ他4人のアフリカ系選手とブラジル代表のジュニーニョのスピーディな攻撃は、スペインには無いタイプ。リヨンはキーパーのクペを始め守備も固いし、強い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.2.25 決勝トーナメント1回戦 1st leg
ポルト [ポルトガル] 2-1 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
ゴール / フォーチュン(マ)、マッカーシー(ポ)×2
ディフェンス・ラインに入ったネビル兄弟。確かにディフェンス陣は完全に手薄だが、決して急造ディフェンスとは言えないし、以前このような布陣で乗り切った事もある。問題はチーム全体のパフォーマンス。キーンやネビル兄弟やスコールズなどは頼りになるが、彼らが引き続きの主力では、相手に手の内を読まれてしまう。ロナウドを獲得するなど、大成功に見えた補強にも、疑問符が付き始めたように見える。期待のサハも躍動感を感じさせてはいたが、徐々に消えていってしまった。ポルトは好調で、UEFA カップを制した昨年の勢いを取り戻している。デコはマンUのディフェンスを翻弄したし、マッカーシーの2つのファイン・ゴールにも救われた。だが、マンUはアウエー・ゴールを奪ったし、2nd leg はホームに帰る。アウエーでのポルトのパフォーマンスに注目が集まる。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.2.25 決勝トーナメント1回戦 1st leg
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 1-0 ユベントス [イタリア]
ゴール / ルケ
セリエAで3位を死守してはいるがチームのコンディションが良くないユーベに対し、ラ・コルーニャが強さを見せた。ユーベを警戒してちょっとカウンター的ではあるが、ボール奪取とパス廻しが決まる。守備も完璧で、ユーベの攻撃を無得点に抑えた。だがやはりユーベもサスガに守備は強力で、ルケのラッキーなゴールがなければ、スコアレス・ドローになるところであった。1-0 という結果はかなり微妙、現在のユーベには逆転は難しい?それにしても、ルケは遂に本領発揮という感じで、フランですら霞んでしまう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.2.25 決勝トーナメント1回戦 1st leg
シュツットガルト [ドイツ] 0-1 チェルシー [イングランド]
ゴール / OG(チ)
大量補強の結果が注目されるチェルシーだが、レギュラーがなかなか固定出来ず、プレミアでも重要なゲームを落とし、FAカップも敗退してしまった。だが、ここ数試合で先発レギュラーが固定し、攻守が安定してきた。カギになっているのは、ランパードやマケレレは勿論だが、不在のベロンやコールではなく、ジョンソンやブリッジなのである。テリーとギャラスのディフェンスも悪くない。何といってもクレスポの復帰は大きく、前線でのタメが効果大であった。シュツットガルトにはマンチェスター・ユナイテッドを破った頃の勢いがなく、1st leg の結果はかなり痛いものになった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2004.2.24 決勝トーナメント1回戦 1st leg
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 1-1 レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / マカーイ(バ)、ロベルト・カルロス(レ)
完全にバイエルンが優勢、特にディフェンスは完璧で、特にクフォーが効いた。中盤の守備も上出来で、今シーズンのレアルの緩い中盤を制圧してしまった。ベッカムとグティでは、ちょっと荷が重い。ロナウド、ジダン、フィーゴなどは技を封じられ、バイエルンのゴール前に攻め込む回数は極めて少ない。カウンター気味に攻めるバイエルンの攻撃は、レアルの人海戦術とカシージャスのセーブで何とか抑えた。2nd ハーフ、遂に(やっと?)バイエルンが得点。だがその直後、ロベルト・カルロスのフリー・キックを何と、あのオリバー・カーンが痛恨のキャッチ・ミス、痛すぎるアウエー・ゴール。バイエルンのここまでの努力が水泡に帰した瞬間か?完璧な守備をマドリードでも持続する事が出きれば、バイエルンの勝ち抜けも可能だが・・・。レアルの方も、たとえ勝ち抜け出来ても、準々決勝以降はかなり苦しいゲームが続くだろう。
イタリア セリエA
ACミラン 3-2 インテル
2004.2.21
ゴール / OG(イ)、OG(イ)、トマソン(ミ)、カカ(ミ)、セードルフ(ミ)
ビエリとアドリアーノの2トップは、やはり怖い。ほんの少しパス交換しただけで、ミランのディフェンダーといえども困難な状況に陥ってしまう。1st ハーフのインテルは強く、ミランと互角以上であった。GKのトルドはファイン・セーブを連発、中盤でも負けず、ミランのオウン・ゴールを誘発。惜しいシュートも何発か。だが、この惜しいシュートを外した事が後で効いてきた。2nd ハーフのミランは今シーズンのでの真の強さを発揮。攻守共に安定したゲーム運びに加え、ダービーという特殊な状況の中での爆発力を備えている事を見せ付けた。カカの圧倒的な存在感と、セードルフの切れの良さが際立った。ミランがスクデットを獲得したとすれば、このゲームでの1勝は大きなものとなるハズである。
テスト・マッチ
ポルトガル 1-1 イングランド
2004.2.18
ゴール / キング(イ)、パウレタ(ポ)
EURO 2004 に向け、臨戦態勢に入らなければならないポルトガル代表。フィーゴ、ルイ・コスタ、パウレタ、コウトは確かに計算出来るが、彼らの世代を抑えて先発を任せられる選手が揃っていない?フィーゴとルイ・コスタは、まだまだ行ける。ロナウドとクアレスマが両翼で使えれば理想的だが、まず所属チームでレギュラーにならないと、本番でも厳しいだろう。ポルトガルの選手は相変わらずテクニカルで、イングランドのようなチームが相手だと特に目立つ。ポルトガルはコリア・ジャパンで生じてしまったネガティブなイメージを払拭しなければならないが、このゲームに関しては、地元優勝に至るまでに必要なエネルギーを感じさせるところまでは至らなかった。イングランド代表も、まだまだ駒が揃っていない感じ。この時期のテスト・マッチが"薄い"のは仕方がない。ゲーム内容はさて置き、日本対オマーンは濃かった。
ワールドカップ アジア一次予選
日本 1-0 オマーン
2004.2.18
ゴール / 久保
スーパー・セーブ連発のアル・アブシを中心に、最後まで集中して戦ったオーマン。攻撃のみならず守備にもスピードを発揮、こぼれ玉に先にタッチする回数で日本を凌駕していたかも。大久保のゴールで確かに安堵したが、ロスタイムでの失点で崩れ落ちたオマーン代表選手のガックリ度がこちらにもヒシヒシと伝わって来て、何とも同情してしまった。
イングランド FAカップ 5回戦
アーセナル 2-1 チェルシー
2004.2.15
ゴール / ムトゥ(チ)、レジェス(ア)×2
大量補強のチェルシーも、クレスポとベロンが不在であると少し寂しい。2nd ハーフではキーパーのクディチーニまで怪我で交代、過去の対戦で分の悪いアーセナルにどこまで食い下がれるか?アーセナルの最終ラインは開幕当初よりも安定、この点ではファーディナンドが不在の現在のマンチェスター・ユナイテッドに勝るか。ビエラを中心として中盤が超強力、チェルシーを押し込んだアーセナルだが、ムトゥの技ありのゴールにやられた。ランパードやマケレレだけでなくパーカーも悪くないチェルシーが、アーセナルを抑える可能性もあった。だが、まだ信用度が低くなかなかボールがもらえない40億円で獲得のレジェスが 2nd ハーフ、驚くべきスピードのミドル・シュートを決めた。この後はレジェスは 1st ハーフとは比較にならない位攻撃に絡んでチェルシーを攻め、2点目もゲット。セビージャでレアル・マドリーを粉砕した実力は、イングランドでも通用したか。ベルカンプも、相変わらずゴール前で鋭い。現在のコンディションが持続すれば、アーセナルはチャンピョンズ・リーグかプレミアかFAカップの最低一つは獲得出切るだろう。タイトル獲得を目指すには、レジェスの活躍は欠かせないであろう。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 1-1 バレンシア
2004.2.15
ゴール / アジャラ(バ)、フィーゴ(レ,PK)
注目の首位決戦。バレンシアは守備的、レアルは慎重であったが、ボール際は双方ともかなり厳しかった。互角の内容であったが、目立ったのはやはりバレンシアの守備。多彩な攻撃が売りのレアルからのボール奪取からのボールの繋ぎは、レアル相手では他のチームはなかなか出来ない芸当。粘りに粘った末のアジャラのゴールは、決勝点になる可能性がかなり高かった。ロス・タイムでラウールが受けたファールからのPKは微妙な判定で、間違いなく論議を喚起してしまうだろう。レアルとバレンシアはリーガでどちらが強いのかは、このゲームからでは分からなかった。少なくとも、バレンシアも相当強い。相変わらずの堅実な守備とアイマールを中心とした決定力は、相手にとって脅威。ジダンが欠場だったし。
イタリア セリエA
ウディネーゼ 1-3 ボローニャ
2004.2.7
ゴール / ロカテッリ(ボ)、ヤンクロフスキ(ウ)、中田(ボ)、コルッチ(ボ)
中田英寿が移籍するまでボローニャのゲームに注意を払っていなかったので、ベスト・メンバーの構成が良く分からない。シニョーリやグーリーを怪我で欠くが、このゲームの先発メンバーでチームは良く機能しており、中心には中田がいる。フル出場で絶好調の中田、遂にフリー・キックでゴールを奪う。ウディネーゼはなかなかゴールまでの形が作れず不調だが、それでもボローニャが好調なのは間違いない。パリュウカのスーパー・セーブが相変わらずなのには唸らされた。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バリャドリード 2-3 レアル・マドリード
2004.2.1
ゴール / オスカル(バ)×2、ロナウド(レ)×2、フィーゴ(レ,PK)
ロベルト・カルロスが欠場しソラーリが代役、センターにメヒーアが入るという、鬼門のアウエーでまたまた不安がよぎるレアルのディフェンス陣。1st ハーフ、決めきれないレアルに対して、ロベ・カルが不在のレアルの左サイドを突いてバジャドリが2得点。アウエーでの不甲斐ない失点で顔から血の気が引くのがお馴染みになってしまったレアルだが、攻撃陣さえ目覚めれば逆転は可能。やはり、ジダンの技術とロナウドの決定力が頼り。驚くほど不安定だが、得点力で首位に立っているレアル。ベッカムが守備面で心もとないのは確かだが、メヒーアやファンフランには期待が持てる。チャンピョンズ・リーグで間もなくバイエルン戦があるが、ベスト・メンバーが揃わないと相当苦しい?
イタリア セリエA
ボローニャ 0-2 ACミラン
2004.2.1
ゴール / シェフチェンコ、トマソン
ミランの好調が続く。パンカロとカフーの両サイドのベテランが、強固なディフェンスに一層の堅固さを与え、ピルロやガットゥーゾなど中盤も機能、驚くべき才能を見せるカカに加え、完全復活のチェフチェンコが絶好調。ボローニャがホームで勝てなくとも仕方がないが、早くもボローニャを牛耳った中田英寿のフル回転での働きが目だった。自然とボールが中田に集まり、パスが冴えシュートも見せる。
イタリア セリエA
ボローニャ 3-1 キエーボ
2004.1.19
ゴール / シニョーリ(ボ)、ターレ(ボ)、サンターナ(キ)、ネルヴォ(ボ)
中田英寿がまたもフル出場、またアシストを記録、パスも自由自在。日本代表でのように、実力を遺憾なく発揮している。パルマでの中田と、何が大きく違うのか?確かにポジションも違うし周囲の選手も違うが、同じ選手であるのにチームを変える事によってイメージがここまで変容するのか。やはり中田は、周囲との連携のよって自分のビジョンをチームに反映させながら、自分とチームを共に活かして勝利を得ようとする選手。パルマでは、良い理解者に恵まれなかったという事なのか?このゲームでは、中田だけでなくチーム全体のパフォーマンスが良く、中田がチームに助けられたという側面を持つ。ビッグ・クラブとの対戦で現在の好調が維持されるのかどうか、興味深い所である。
イタリア セリエA
レッチェ 1-2 ボローニャ
2004.1.10
ゴール / ペッキア(ボ)、ボジノフ(レ)、ターレ(ボ)
中田英寿のボローニャでのデビュー。早くもチームの戦術にハマり、仕切り始めている。中田のセリエAでのデビューは1998年、ベテランの多いボローニャであるし、移籍直後で十分な仕事をしても驚かない。中盤の下がり目で先発した中田は攻守に渡ってまずまずの出来、2点目のアシストは見事。とは言え、ゲーム内容はレッチェの方が良かったとさえ言える。レッチェの若々しい連携を、ベテランのボローニャがいなしたように見える。ボローニャの順位を上げて安全圏に入るには、中田の活躍が欠かせない。レッチェでは、非凡なストライカーのチェバントンが欠場にしたが、若干17歳のボジノフの動きの良さには眼を見張った。
イタリア セリエA
ASローマ 1-2 ACミラン
2004.1.6
ゴール / シェフチェンコ(ミ)×2、カッサーノ(ロ)
スクデット獲得のシーズン以上の強さを見せるローマ、ここまで何と無敗。キブやダ・クールなども馴染んで守備でのドツキの強烈さは相変わらず、トッティとカッサーノのコンビネーションが前線で相手に脅威を与え、チャンスでは畳み込むような攻撃でゴールを奪う。一方のミランはトヨタ・カップで敗れるなど不調、アウエーでのローマ戦は浮上の為の試金石となった。ローマの強烈な攻めが見られると予想したが、ミランの中盤はテクニックでかわす。ウマさで上回るミランが、何度もローマのゴールに迫った。ネスタをコスタクルタに替えた高齢のディフェンス・ラインも好調、ジーダのセーブも益々冴えた。ローマの頼みのトッティも、ガットゥーゾなどのミランの強烈なマークに苦しんだ。逆にミランの攻撃の基点のピルロは渋く立ち回り、前線にボール送った。シェフチェンコは完全にトップ・フォームとなり、ゴール・マシンと化した。だが何と言っても、久々に好調のルイ・コスタが目立ち、得意のスラロームからシェフチェンコに得点に至るラスト・パスを送った。ミランは何とかこのフォームをキープし、面白いゲームを続けて見せて欲しいものである。今シーズンの初黒星となったローマは完敗というワケでもない。久々に見応えのあるゲームであったのは、ウインター・ブレーク明けであったからだろうか?
テスト・マッチ
ドイツ 0-3 フランス
2003.11.15
ゴール / アンリ、トレゼゲ×2
EURO 2004 の予選のプレー・オフと同日に行われた、プレー・オフ以上に注目を集めたテスト・マッチ。コリア−ジャパンで大失態を演じたチームと、予想を覆して勝ち進んだファイナリストの、実力が真に試される。絶好調のシュツットガルトからヒンケルとクラニーが召集され、世代交代が進んでいるドイツ。失態だったのはワールド・カップだけだと言わんばかりに強さを見せるフランス。1st ハーフはホームのドイツが力で攻めて互角の展開に持ち込みたいドイツだったが、今や世界最強の2トップのアンリとトレゼゲにジダンとピレスも絡むフランスが決定力を見せ付け先制。得点までのプロセスに課題を残すドイツが徐々に押し込まれ、2nd ハーフに2失点。フランスのキーパーのクペの安定したセービングも見物であった。少なくとも2003年11月の時点ではどちらが強いかは明確。だが、フランスのディフェンスの高齢化は心配だし、ドイツは2006年までの過程で徐々に実力を上げるだろうし、EURO 2004 の本番で笑うのはどちらかは、何とも言えない。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
マジョルカ 1-3 レアル・マドリード
2003.12.21
ゴール / コレア(マ)、ラウール(レ)、ロナウド(レ)、フィーゴ(レ,PK)
カメルーンの快速ストライカーのエトーがレアルのゴールに迫りパボンのミスを誘発、コレアのゴールでマジョルカが先制。ミスがあると益々目立ってしまう、不幸な(?)レアルのディフェンダー。先日のコパ・デル・レイで120分も時間を消費して多少お疲れのレアル、どうも動きが鈍い。先シーズンにマジョルカに大敗を喫したレアルが、またも敗れるのか?マジョルカの攻撃に不安顔のレアル、だがそれ以上に不安だったのがマジョルカであった。1st ハーフ終了間際に余りにも見事な動きからラウールがヘディングで同点にすると、マジョルカの方がガックリ来てしまった。負傷のベッカムの替わり入ったボルハにはベッカムほどのクロスはないが、それでもレアルの攻めは強力。ゲーム序盤には消えていたロナウドがチャンスが来ればやっぱり出現、全盛時の切れを取り戻したドリブルから、ボールは鮮やかなコースを辿ってゴールへ。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 2-1 デポルティボ・ラ・コルーニャ
2003.12.14
ゴール / ロナウド(レ)、パンディアーニ(デ)、ラウール(レ)
何しろジダンが絶好調。トラップ、ドリブル、パスと、悉く切れていた。FIFA 選出の2003年度の最優秀選手となったが、全く異論はない。ロナウドとラウールのゴールも、持ち味を出したものであった。常に不安視される守備陣だが、徐々に集中力と連携を深めつつあるようである。このゲームもベスト・メンバーで全員好調、強豪ラ・コルーニャでなければ、やはり大量失点になったかも。ラ・コルーニャの中盤は粘り強いし、特にキーパーのモリーナはファイン・セーブを連発、まだまだやれる事を見せ付けたのだが。さて、またまた挑発にあってしまったベッカム。相手のスカローニしてみれば、少なくとも収入ほどの実力差はないと思っているのは間違いないし、負けるワケにはいかない。ベッカムにしても、本職のフットボールで弱いところを見せられず、意地の張り合いとなるのは避けられない。残念ながら、世界中のベッカム・ファンはスカローニを敵視するだろうし、止めとけスカローニと言いたくなる。反撃はホームのレアル戦のゲームの結果で示してもらいたいものだ(すっかりベッカム・ウォッチャーとなってしまった)。
トヨタ・カップ
ACミラン 1-1(PK1-3) ボカ・ジュニアーズ
2003.12.14
ゴール / トマソン(ミ)、ドネ(ボ)
筆者が所属するバンドのコンサートの為、欧米のクラブ・チームの至芸を堪能するほとんど唯一の機会であるトヨタ・カップを諦めざるを得なかった2003年。だが、冷え込んだ横浜競技場の客席で、得点の無かった延長の30分を耐えなくて済んだのがラッキーなのかどうかは・・・生で見なければ分からない。ボカの一瞬のスキを突いて、ピルロの長くて早いパスをチェフチェンコが受けてトマソンがゴール!生で見たかった!カカをトップ下に置いた今シーズンのミランの攻撃は、より一層ダイナミック。だが相手は、今やトヨタ・カップのプロとも言えるボカと名将ビアンチ監督。守備と攻撃のバランスが見事なボカは、個々の選手の力で上回るミランに対して互角の勝負。1st ハーフを同点で終えたボカにとっては理想的な展開。疲労の蓄積されたミランは 2nd ハーフ以降、徐々に動きを悪くして行く。ボカの攻撃をマルディーニなどの経験と読みで1失点に抑えたが、ボカに中盤を制圧されてしまった。それでもミランにチャンスはあったが、結局ドロー。動きの悪くなったカカをルイ・コスタに交代、カカをそのまま置いた方が良かったのは不明。PKでの勝利でもあるが、ゲーム内容は僅差であり、ボカは勝者にふさしいと思える。ミランは、ネスタの不在が非常に残念。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 1-2 レアル・マドリード
2003.12.6
ゴール / ロベルト・カルロス(レ)、ロナウド(レ)、クライファート(バ)
1st ハーフは、このカードとは思えない(?)、比較的クリーンな展開。フィーゴには相変わらず罵声が浴びせられるが、前節に続いてベスト・メンバーのレアルのボール廻しはカンプ・ノウでも健在。ベッカムのサイド・チェンジとクロスの正確さには驚かされた。ジダンのウマさにも、陰りはない。バルサは何とか集中力を保ったが、一瞬の隙を突いてのロベ・カルのゴール、これがあるからレアルは怖い。バルサはロナウジーニョが欠場、悪くはないが得点出来ない今シーズンのパターン、このゲームでも。2nd ハーフは荒れかけたが、レアルにプレッシャーをかけて逆転する事は遂に出来ず。レアルは20年振りのカンプ・ノウでの勝利。ここまで実力の差が出来ないと、レアルはカンプ・ノウで勝てないという事か。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 2-0 アトレティコ・マドリード
2003.12.3
ゴール / ロナウド、ラウール
大勝したり大敗したり、強いのには間違いないが、不安定な要因を包含するレアル。銀河系選抜とまで呼称されるレアルだが、選手層が厚くない。実際問題としてこれは当然で、ジダンやロナウドやロベルト・カルロスといったレギュラー陣を凌駕する選手など、レアルはおろか世界中を探しても存在しないのである。やはりこのゲームでのように、ベスト・メンバーが揃えばそう簡単には負けない。新星フェルナンド・トーレスは早くもキャプテン・マークを付け、好調の状態でダービー・マッチを迎え、アトレティコがレアルを駆逐するという予想も立ったが、キック・オフ後13秒でロナウドが得点、ここで既に勝負が見えた感もある。ベッカムのクロスを捕らえたラウールのヘッディングの後は、トーレスを前線に据えてアトレティコが攻めたが、得点出来なかった。このゲームでレアルを2得点に抑えたアトレティコは上出来と言って良く、他のチームだったら崩壊していたかもしれない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.12.23 グループ・リーグ 5節
ガラタサライ [トルコ] 2-0 ユベントス [イタリア]
ゴール / ハカン・シュキュル×2
トルコ情勢が不安定な為、ドルトムントのホーム・スタジアムで行われたガラタサライのホーム・ゲーム。グループ・リーグ突破が確定しているユーベは当然主力級を休ませたが、ディ・バイオやダービッツが出場。完全にホーム・ゲームとなったスタジアムでサポーターをバックに付けたガラタサライ、得意の過激なプレッシングに出る。ユーベも、その必要が無いのに、過剰なノリに飲まれかかった。UEFA カップを奪取した頃の勢いに陰りが出たガラタサライ、決定力が明らかに落ちているが、ハカン・シュキュルだけは違った。ボールをゴールに流し込むセンスは、相変わらず見事。だがネドベドやトレゼゲが不在のユーベにチャンスを多数与えたし、ガラタサライがレアル・ソシエダを追い抜くのは簡単ではないだろう。
イングランド プレミア・リーグ
チェルシー 1-0 マンチェスター・ユナイテッド
2003.11.30
ゴール / ランパード(PK)
大量補強を敢行したチェルシー、少なくともマンUと互角の実力があり、守備と攻撃のバランスも良く、何らかのタイトルを奪取する可能性を抱かせる強さを継続している。やはりマケレレの獲得は大きく、他の中盤の選手の攻撃を加速させている。マンUは無得点に終わったが、前線の不調というよりは、チェルシーの守備が手堅かったと見るべきか。
イタリア セリエA
ユベントス 1-3 インテル
2003.11.29
ゴール / クルス(イ)×2、マルティンス(イ)、OG(ユ)
監督交代、チャンピョンズ・リーグでアーセナルに大敗と、現在好調のユーべに対して勝ち目がないと思われたインテル。だがイメージしていたゲーム内容とは全然別な結果、決め手に欠けたユーべに対してインテルは3得点。マテラッツィとカンナバーロを欠くディフェンスに、出番のほとんど無かったガマラとアダーニが入ってユーベを完封。クルスとマルティンスが、ユーベを翻弄して得点。もう一度全く同じコンディションで両者が戦っても同じ結果になるとは限らないが、インテルの巻き返しの可能性がまだ残っている事を証明した。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.11.25 グループ・リーグ 5節
インテル [イタリア] 1-5 アーセナル [イングランド]
ゴール / アンリ(ア)×2、ビエリ(イ)、リュグベリ(ア)、エドゥ(ア)、ピレス(ア)
開幕戦にホームでインテルに敗れたアーセナルの強烈なリベンジ。1st ハーフは互角の内容、2点目をインテルが取ればどうなったか分からないが、アーセナルのゴールは遠かった。ザッケローニ新監督の戦術がまだハマってない感じ?アーセナルの勝利への意欲は強かった。怪我人が多く、チームのコンディションも万全では無いとも思えたが、ゲームが始まればそれが杞憂である事が判明。特にアンリ、そのスピードとテクニックと決定力を見せ付けた。アーセナルが終始攻め続け、堅固だと思われたインテルのディフェンスを打ち破った。怪我明けのマテラッツィが本調子ではなかった?
EURO 2004 予選 プレー・オフ 1st leg
ノルウェー 0-3 (agg 1-5) スペイン
2003.11.19
ゴール / ラウール、ビセンテ、エチェベリア
1st leg のスペインの1点差の勝利とホームでの1失点、当然と言えば当然だが、ノルウェーにとって不利。先ず失点を挽回する為には、自陣に引いてからカウンター狙いという守備的戦術はとれない。しかも、スールシャールとカレウを欠いて得点の可能性が大きく減少。ここでもラウール、必要な時間に必要な得点を決めて、勝利を決定的にする。あとはスペインが余裕の展開。ビセンテ、バレロン、シャビ・アロンソの先発も、結果的には良かった。左サイド・バックにプジョールをコンバート、サルガドとエルゲラを固定出来たのはスペインにとって好ましい。
EURO 2004 予選 プレー・オフ 2nd leg
オランダ 6-0 (agg 6-1) スコットランド
2003.11.19
ゴール / スネイデル、オーイエル、ファン・ニステルローイ×3、フランク・デ・ブール
1st leg でスコットランドは力を出し尽くしていたのか。確かに 1st leg のダイジェストで見たオランダは、どちらが負けたチームか分からないくらい攻めていた。結果論からすれば、先発メンバーを替えずともオランダは勝っていたであろう。クライファートを外してファン・デル・ファールトを入れたのは納得出来る。アヤックスの19歳、スネイデルを入れたのはどうかと思われたが、これが大当たりであった。攻撃センスに優れており、視野も広い。ファン・デル・メイデも加え、新旧の世代が噛み合ったこのチームでの、チェコとの予選のゲームを見たかった。
テスト・マッチ
日本 0-0 カメルーン
2003.11.19
カメルーンを0点に抑えた守備は、ジーコ監督が就任して以降に見たゲームで、最も良かった。だが、欧州に在籍の選手を加えたこのチームは、やはりカメルーンより格上と言ってもよく、ホームでの勝利は当然である。フレンドリー・マッチといえども、ダーティにやる必要もないが、もう少し厳しい攻撃も見たかった。欧州と日本の往復はキツい日程ではあるが。
EURO 2004 予選 プレー・オフ 1st leg
スペイン 2-1 ノルウェー
2003.11.15
ゴール / イベルセン(ノ)、ラウール(ス)、OG(ス)
1トップのフローまでもが自陣へ引いて得点を与えない事に専念したノルウェーが先制、理想的な展開。攻め続けたスペインだが、何とか逆転出来た。バレロンやビセンテを先発させた方が良い気もしたが、結果は大きくは違わなかったろう。第2戦、極寒のホームで断然有利なノルウエー、1得点差を跳ね返す力はあるのか?スペインが意地を見せるのか?
EURO 2004 予選 プレー・オフ 1st leg
スコットランド 1-0 オランダ
2003.11.15
ゴール / マクファーデン
圧倒的なホームでのバック・アップに応えて、攻めに攻めるスコットランド。個人技でオランダに遅れを取る分、連携のウマさでオランダ・ゴールに迫り、遂に先制。対するオランダ、我々がゲーム前に想像している激烈な強さを見せるどころか、チグハグなプレーで相手にスキを突かれてしまうという最近のパターン。またも本戦出場を逃してしまうのか??98年と2000年の主力はバリバリの現役ではあるが、その頃のメンツは既に研究され尽くしていると思われる。クライファートは能力の高いフォワードではあるが最近は得点が少なく、マカーイやファン・デル・ファールトをベンチに置いてしまうのは納得が出来ない。オランダのホーム・ゲームは勿論楽しみではあるのだが・・・。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 3-0 アスレチック・ビルバオ
2003.11.1
ゴール / ロナウド×2、フィーゴ
ビルバオは悪くなかった。だが、今期からセンター・バックに入ったラウール・ブラボが効いており、レアルの手薄なディフェンス陣を引き締めている。キーパーのカシージャスもファイン・セーブを連発し、ビルバオを無得点に押さえた。対するレアルのラウールが不調だったがロナウドが絶好調、2トップのどちらかが好調であれば、軽く3点はゲット出切るという事か?このゲームでのロナウドの軽やかなステップ、突破力、驚異的な決定力は、バルサ時代の好調時を思わせる。フィーゴの得点も、ロナウドの完璧な突破から生まれた。
イングランド プレミア・リーグ
マンチェスター・ユナイテッド 1-3 フルアム
2003.10.25
ゴール / クラーク(フ)、フォルラン(マ)、マルブランク(フ)、稲本(フ)
フルアムと稲本、オールド・トラッフォードでマンUに勝った!グラスゴー・レンジャース戦で明かに疲弊したマンUは、大幅にスターディング・メンバーを変更。ロナウド、ジェンバ・ジェンバなどを起用したが、どうも攻撃陣がチグハグ、ホームでの怒涛の攻撃が見られず。ファン・ニステルローイも不発。逆にフルアムの攻勢が素晴らしく、特に司令塔のマルブランクの切れが見事。サブに入った稲本が早くも 1st ハーフに交替出場、チームの勝利に貢献する3点目をゲット。相手がマンUであってもフィジカルで負ける事もなく、レギュラーで起用すべき選手である事を見せ付けた形。ここ数週間は欧州での日本人の活躍が見られず残念だったが、このゲームで久々に溜飲を下げる。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
デポルティボ・ラ・コルーニャ 2-1 バレンシア
2003.10.25
ゴール / バレロン(デ)、ミスタ(バ)、ディエゴ・トリスタン(デ)
首位攻防戦らしい、厳しいゲーム。ラ・コルーニャは、危険なアタッカーのパンディアーニを中央に置き、フラン、バレロン、ビクトルが次々と攻める。特に、大ベテランのフランの攻守に渡った働きが目立つ。スペインらしいパス廻しで攻勢を取るラ・コルーニャ。堅守と攻守のバランスの良さが際立つ今シーズンのバレンシアだが、攻めの中心のアイマールにボールがなかなか行かない。早々に先制したラ・コルーニャに対し、好調のミスタが得点して同点に。だが、サブで出場のディエゴ・トリスタンがフリー・キックを決めた。これでトリスタンの不調も、ひょっとしたら払拭されるかも。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 3-1 ラシン・サンタンデール
2003.10.25
ゴール / ベナユン(ラ)、ジダン(レ)、ラウール(ラ)×2
ベナユンなどの切れも良く、降格争い当たりが妥当な順位と思われているラシンが上位をキープ。確かにレアルを苦しめたが、相当苦しんだ印象でも3対1で勝つレアル。ラシンはせっかく先制したが、レアルの相変わらずのボール廻しでの連続に耐えられなくなってしまった。ジダンの強烈なボレー・シュート、1st ハーフは消えていたラウールの2得点。イエーロやデル・ボスケ監督の放出への批判も、過去の話になりつつある?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.10.23 グループ・リーグ 第3節
グラスゴー・レンジャース [スコットランド] 0-1 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
ゴール / フィリップ・ネビル
"バトル・オブ・ブリテン"らしい厳しいゲームではあったが、経験に優るマンUの粘り勝ち。だが、マンUは守備に相当のエネルギーを消費したハズ。レンジャースは、ロナルド・デ・ブールの不在なども痛かった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.10.22 グループ・リーグ 第3節
チェルシー [イングランド] 2-1 ラツィオ [イタリア]
ゴール / S・インザーギ(ラ)、ランパード(チ)、ムトゥ(チ)
桁違いの資金で選手を買いまくったチェルシー、いずれかのタイトルを獲得する事が出来るのか、いや、良いゲームを見せる事が出来るのかが注目される。これだけ集まったタレント集団から導き出されるべき実力に、現在のチーム力は至っていないように見えるのは仕方がないが、昨シーズンまでの実績とラニエリ監督の采配が骨格にはなっており、爆発的なチーム力を見せる可能性は伝わってくる。ラツィオという相手は、10月中旬というこの時期で、ラツィオの実力を測る試金石となった。守備の強いラツィオに守られ、先制点まで奪われたが、ランパードの中盤からの積極的な攻撃がチームを救った。幾多のタレントの中でも、ランパードの働きは見劣りしない。ベーロンも、マンU時代と比較して明らかに自由にやっている。徐々にではあるが、チームとして整って来ていると思える。少なくとも、ホームではあるが、ラツィオと互角以上の戦いは出来る。このままタレント個々に自由にやらせる事で通すのか、何らかの型を模索して行くのかは、興味深いところ。マンUやレアルやユーベのように、何年も何十年も実力をキープできるビッグ・クラブを目指すのか、はたまた??
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.10.21 グループ・リーグ 第3節
ユベントス [イタリア] 4-2 レアル・ソシエダ [スペイン]
ゴール / トレゼゲ(ユ)×2、ディ・バイオ(ユ)×2、OG(ソ)、デ・ペドロ(ソ)
攻撃も一層大胆になった今シーズンのユーベ、序盤の2点で完全に主導権を握り楽なゲーム展開に。ネドベド、トレゼゲ、ディ・バイオのトリオを、ソシエダは押さえる事が出来ず。ユーベの守備と中盤のプレッシャーは、やはり厳しい。イ・チョンスにとってもユーベの壁は厚い。ニハトとデ・ペドロを先発させなかったソシエダ、自国リーグとの両立はやはり難しいか?チームのコンディションに、明確な差が出た。
イングランド プレミア・リーグ
リーズ 0-1 マンチェスター・ユナイテッド
2003.10.18
ゴール / キーン
リーズにはミルナー、マンUにはロナウドとフレッチャー、10代の選手が先発。彼らがゲームにスピードに満ちた攻防をもたらした。マンUの10代の両翼のがリーズを攻めるがリーズのディフェンスが冷静に対処、今シーズンのリーズは初めて見たが、ディフェンスが良いように見えた。必要なのは決定力、特にアラン・スミスの得点であろう。ファン・ニステルローイが得点出来なければキーンなど他の選手が得点するしぶといマンUとの、地力の差であろう。両チームのミスの少ないスピーディな良いゲームだったが、リーズに得点力がなければ、結局マンUは強かったというイメージだけが残ってしまう。
EURO 2004 予選 グループ・リーグ 最終節
トルコ 0-0 イングランド
2003.10.11
ベッカムとアルパイの確執が問題となってしまった一戦。勝てばグループ1位通過、ドローならイングランドという際どい勝ち点差、ホームで強いトルコは明らかにイングランドを精神的に苛立たせようとしている。だがイングランドは、戦う姿勢を鮮明にしながらも、チーム全体は極めて冷静、怪我のオーウェンの替わりに先発した若いルーニーも同様。逆に、得点が絶対に必要なトルコの方が、時間が経過するに従って苛立って来る。最終的に4人のフォワードをつぎ込んだが無得点のトルコは、プレー・オフに廻った。昨年のワールド・カップや今年のコンフェデで見せたトルコの攻守のバランスの良さ、勝利の為の集中力を、このゲームで見せる切る事が出来ず。このゲームでこそ、トルコはクールなゲーム運びを貫くべきであった。ベッカムとアルパイのどちらが先に手を出したかは不明だし、結末についてもどうでも良いが、イングランドのキャプテンとしてケンカを買って出ているように見えるベッカムの姿勢は、負けて苛立っているかの如きアルパイより、同情を得やすいのは確か。
UEFA カップ 1回戦 2nd leg
ドニエプル [ウクライナ] 3-0 (agg 4-2) ハンブルガーSV [ドイツ]
2003.10.15
高原を擁するハンブルガー、辛勝で1回戦突破か?と見ていたが、得点を重ねられ、結局は良いところもあまりなく、敗れ去ってしまった。ドニエプルが思ったより良いチームだったのか、ハンブルガーが不調だったのか、恐らく両方であろう。
EURO 2004 予選 グループ・リーグ 最終節
イタリア 4-0 アゼルバイジャン
2003.10.11
ゴール / ビエリ、インザーギ×2、ディ・バイオ
確かにイタリアは強かった。右サイドのカモラネージと左サイド・バックのザンブロッタの攻撃参加は、トッティなどの中央突破に頼ってサイド攻撃の少なかったイタリアにとって、非常に有効であった。デル・ピエーロ以外のベスト・メンバーが揃って好調であれば、イタリアは EURO の優勝候補である。ただ、開幕1年弱前のこの時期の好調は指針にはならないし、各国の力が底上げされているのは事実である。
テスト・マッチ
ルーマニア 1-1 日本
2003.10.11
ゴール / ムトゥ(ル)、柳沢(日)
コリア・ジャパン・ワールド・カップとジーコ監督就任から1年、前監督のトルシエの組織的戦術から選手個人の能力を活かす方針への転化。これで大丈夫なのかと懸念さえしたが、稲本、小野、中村、中田、高原、柳沢と中盤から前が全て欧州で活躍する今日、ジーコの方針も間違えはないと思えて来た。まあ、就任のタイミングと時代の流れからして、ジーコ監督はラッキーであるとも言えるが。イタリア、ドイツ、イングランド、オランダのクラブ・チームのレギュラー・クラスである日本人選手の格は、平均すれば強豪ルーマニアのレギュラーよりも上という、ドーハの悲劇当時の状況と比較すれば、時代の流れをヒシヒシと感じさせる。テクニックも、ルーマニアを上回っているように見える。そういう意味でも、体格もプレー・スタイルも日本に似ているルーマニア代表には、まがりなりにも既にワールド・カップ出場2回の日本としてはこのゲームは勝利して当然とも言えた。中盤の4人の守備に関しては、彼らの経験の積み重ねからしてかなり良くなって来ている。どちらかと言えば守備の問題は、チュニジア戦と総合しても安定しているように見えるディフェンダーとキーパーの方であろう。技術的な事は良く分からないが、最重要局面での守備の危機回避に不安を感じる。ムトゥのゴールも、彼の動きと得点感覚を見せ付けた場面ではあったが、あれは止めるのが国際標準なのであろう。欧州のチームと比較して、やはり経験不足であるのは事実だし、極東の国の代表チームである事は大きなハンディである。その意味で、日本人のディフェンダーの欧州のクラブへの移籍が待たれるところである。
イタリア セリエA
インテル 1-3 ACミラン
2003.10.5
ゴール / ピルロ(ミ)、カカ(ミ)、シェフチェンコ(ミ)、マルティンス(イ)
熱狂的なサポーターで満たされたサン・シーロでの激闘が凄いミラン・ダービーだが、今回は弱冠緩かったかも。両チームの選手は闘志を漲らせてはいたが、いつもよりは和み気味であった。ダービーが盛り上がるには10月初頭は早過ぎるのもあるが、何よりもインテルの中盤のプレッシャーがいつになく緩かった。いや、インテル緩かったのではなく、期待の超新星カカのプレーが切れまくっていたからか?トップ下のポジションをルイ・コスタから奪ってしまい、早くも攻撃の中心となりつつある。ブラジル人らしいテクニックとスピードに、パワーと視野の広さ、セリエAに素早く馴染んでしまった度胸の良さ、おまけに顔も良いというオマケが付いた。だが、潰し屋のガットゥーゾにあそこまで攻めさせては、ダービーという重要ゲームに望んだインテルとしては、かなり出来が良くなかったのでは。ビエリとマルティンスの驚異的な連携などが無ければ、インテルは惨敗という印象しか残らなかったかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.10.1 グループ・リーグ 第2節
シュツットガルト [ドイツ] 2-1 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
ゴール / サビツ(シ)、クラニ(シ)、ファン・ニステルローイ(マ,PK)
シュツットガルトはホームで強かった。90年代のミランのような組織的なディフェンス、ドイツのチームの伝統とも言えるカウンターでの攻め上がり。このゲームでは、サスガのマンUも弱冠力負けし、得点差は妥当なものであろう。アウエーでマンUと戦ったらどういう結果になるか、楽しみ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.10.1 グループ・リーグ 第2節
オリンピアコス [ギリシャ] 1-2 ユベントス [イタリア]
ゴール / ストイリティディス(オ)、ネドベド(ユ)×2
カランブーやジオバンニが主力のオリンピアコス、過激なギリシャのサポーターのバック・アップを受けて、ユーベを圧倒的に攻めようとする。だが先制されたユーベの試合巧者ぶりは相変わらずで、1st ハーフの攻められている間に同点に追い付いた。2ゴールのネドベド、バロン・ドール獲得の可能性を更に高めた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.10.1 グループ・リーグ 第2節
FCポルト [ポルトガル] 1-3 レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / コスティーニャ(ポ)、エルゲラ(レ)、ソラーリ(レ)、ジダン(レ)
UEFA カップの覇者、難敵ポルトとアウエーで対戦するレアル。両チーム共も攻撃的で、好ゲームが期待されたが、確かに攻めあってはいたが、全体的にちょっと落ち付きが無かったかも。デコ、デルレイなどが攻めてポルトが先制、だが瞬く間に逆転して先制された事など意味を無くしてしまう程の攻撃力を見せ付けるのが今シーズンのレアルのパターン?同グループで最も厄介なチームだと思われたポルトをアウエーで破り、レアルの勝ち抜けの可能性はかなり高くなって、ラウールやベッカムの故障も何とかやり過す事が出来るだろう。ラウール・ブラボとパボンのセンター・バックの前に復帰したイバン・エルゲラを置く布陣は、守備が不安なレアルにとって、貴重なオプションとなるだろう。
イングランド プレミア・リーグ
レスター・シティ 1-4 マンチェスター・ユナイテッド
2003.9.28
ゴール / キーン(マ)、ファン・ニステルローイ(マ)×3、シンクレア(レ)
前節マンUは、アーセナルと出場停止者を出す程の過激なゲームを行なってしまった。その渦中にいたファン・ニステルローイ、心理的なダメージを全く感じさせない圧倒的な決定力を見せ付けた。ロイ・キーンとスコールズが中盤に戻ったマンUはやはり強い。ジェンバ・ジェンバ、ロナウド、クレベルソンがサブとなる中盤の層の圧さは、ベッカムとベーロンが抜けても全く問題なく、バランス的には昨シーズン以上との印象。ただ、やはりベスト・メンバーから何枚か欠けると安定度が落ち、それをどの程度まで許容出来るかの見極めが、タイトル獲得のカギとなる。何しろ、キーンとスコールズのコンディションはやはり不安。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バレンシア 2-0 レアル・マドリード
2003.9.28
ゴール / ミスタ、オリベイラ
これがレアルの負けパターンか?遂に、無得点による敗戦。バレンシア、ゲーム序盤の得点の後、好調だったアイマールにアクシデントが発生し交替してしまったが、レアルの攻撃を良くカットし、驚異の連続攻撃を未然に防いだ。バレンシアのチャンス時の各選手のゴール前での機敏な動きは見事。レアルのチーム全体の連携の悪さは歴然。シーズン前からの試合数と移動の過多による疲労が、早くも露呈してしまったのか?レアルの攻撃は、まさに最大の防御。守備に不安のあるレアルは、兎に角攻撃を続けなければならない。当然、ゴールも量産し続けなければ勝利もない。特に、キャプテンのラウールが不在だとパフォーマンスが落ちてしまうのが、最近のレアルのパターン。長いシーズン、現在明確になっている弱点を補って行く事がで出来るか?
イタリア セリエA
レッジーナ 0-2 ユベントス
2003.9.27
ゴール / ディ・バイオ、ネドベド
ユーベは強かった。慎重に、しかも余裕を持ってレッジーナと対峙したユーベ。このような時にこそ中村俊輔の技を有効に使えば得点に結びつくのだが・・・とは、日本人の贔屓眼なのか。
イタリア セリエA
ブレシア 4-4 レッジーナ
2003.9.21
中村俊輔の2ゴールは、中村自身が出したスルー・パスから生じたPKと、左足での見事なフリー・キックによるもの。中村の存在感は大きかったが、ブレシアのディフェンスの甘さにも助けられている。次節、ユーベが相手でもファンタジーを見せられるのか?
イタリア セリエA
ユベントス 2-2 ローマ
2003.9.21
ゴール / ディ・バイオ(ユ)×2、キブ(ロ)、ゼビナ(ロ)
現在は絶好調の両チームが早くも対戦。一昨シーズンまではチャンピョンズ・リーグなどで早期敗退、2002年ワールド・カップでも韓国に敗れて、凋落のイメージが甚だしかったイタリア。だが今年のチャンピョンズ・リーグのファイナルはミランとユーベと、勢いを取り戻しつつある。現在のユーベ、ローマ、ミランなどは守備の手堅さと攻撃の鋭さを兼ね備え、非常に良い状態にある。このゲームも、限りない潰し合いが目立ったセリエAのイメージを弱冠は変えた好ゲームに思えたのは、気のせいだろうか?ユーベでは、新加入のアッピアーが攻守共にスピーディでパワフル。ローマはトッティ、モンテッラ、カッサーノの連携が良く、ディフェンダーのキブが予想より早く馴染みフリーキックによる得点も見せる。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
マラガ 1-3 レアル・マドリード
2003.9.21
ゴール / ロナウド(レ)、ベッカム(レ)、エドガル(マ)、グティ(レ)
チャンピョンズ・リーグなどで強豪との対戦を見るまでは、今シーズンのレアルの力量を推し量るのは難しい。今シーズンのレアルは、ベストの布陣であれば必ず相手の守備陣は突破してしまう。確かに失点も多いが、少なくとも得点の方が失点よりも多く、確実に得点の方が多いのであれば現在の守備でも許容される??このゲームでも、ラウールは不調であったが、ベッカムのフリー・キックが決まるなど、当たり前のように3得点して勝利。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 1-1 オサスナ
2003.9.21
ゴール / クルチャガ(オ)、OG(バ)
確かにオサスナはアウエーで手堅く戦って良かったのだが、バルサが全然らしくないのはナゼか。やはり右サイドに入ったサビオラはゴールから遠く、センターのクライファートのコンビネーションを見せる機会が極めて少ない。やや左の中盤にロナウジオーニョ、途中出場の新鋭クアレスマを右に先発させ、クライファートとサビオラを2トップにして、自由に流動的に攻めた方がバルサらしいのでは?おっと、それでは現在のレアルの攻めと同じになる?バルサが全く新しいコンセプトで目の覚めるような攻撃を見せ、新たな全盛期を迎えるのは、まだまだ先なのだろうか。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.9.17 グループ・リーグ
アーセナル [イングランド] 0-3 インテル [イタリア]
ゴール / クルス、ファン・デル・メイデ、マルティンス
ホームで強いアーセナルの攻撃陣と、堅い堅いインテルのディフェンス陣との勝負、ここでの優劣が勝敗を決めると思われた。だが、インテルの中盤からのプレッシングが完全にアーセナルを翻弄、ピレスがピレスでなくなり、アンリがアンリでなくなってしまった。チェルシーに買われたクレスポの替わりに加入、ビエリの怪我で先発に起用されたフリオ・クロスの、序盤での得点も大きく効いた。ファン・デル・メイデのシュートも強烈。だが何と言ってもマルティンスの中央突破が驚くべきスピード、得点も当然か。アンリのコースを突いたPKも、トルドがセーブ。このゲームを見る限り、インテルは優勝候補。これからプレミア・リーグでマンチェスター・ユナイテッド戦などを控え、地獄の9月を乗り切らなければならないアーセナル、この敗戦は痛過ぎる。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.9.17 グループ・リーグ
ユベントス [イタリア] 2-1 ガラタサライ [トルコ]
ゴール / デル・ピエーロ(ユ)、ハカン・シュキュル(ガ)、フェッラーラ(ユ)
UEFA カップを制するなど、欧州を席巻したガラタサライ。ハカン・シュキュルやフランク・デ・ブールなど名前の通った選手を揃えてはいるが、主力の平均年齢が上昇しており勢いは下降気味、欧州制覇は難しいだろう。ハカンのヘディングでのゴールはサスガであったが。ユーベはやはり手堅い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.9.16 グループ・リーグ
ACミラン [イタリア] 1-0 アヤックス・アムステルダム [オランダ]
ゴール / インザーギ
シーズンの開幕戦とは思えない激闘。ヨーロッパを制したミランのディフェンスに挑むアヤックスという図式と言えるが、ミランもアヤックスのディフェンスを崩せない。だが、チェフチェンコとインザーギという武器の有無がが1点差に繋がった。ユベントス、ミラン、ローマは特に今シーズン、ディフェンスの固さを更に強烈にアピールしながらスピードに乗った攻撃で得点するという、イタリア的な特徴を一層際立たせながらの勝利でタイトルを奪おうとしているように見える。一方のレアル・マドリードは、より一層攻撃的なサッカーを見せている。レアルのゲームを見た後でミランを見ると、ミランのオフェンスは中途半端だし、レアルのディフェンスは緩い。欧州を制するのは、どのチームだろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2003.9.16 グループ・リーグ
レアル・マドリード [スペイン] 4-2 オリンピック・マルセイユ [フランス]
ゴール / ドログバ(マ)、ロベルト・カルロス(レ)、ロナウド(レ)×2、フィーゴ(レ,PK)、ファン・ブイテン(マ)
ゲーム序盤、どうもレアルの攻撃陣が集中力を欠き決定機を何度も外す。レアルの弱点と言われるディフェンスの間隙を突いて、マルセイユが先制。だがレアルの得点は時間の問題であった。新加入のベッカムのロング・パスも完全にレアルの武器となり、結局4点叩き出し、バリャドリード戦の得点を合わせると1週間で11点。だがチャンピョンズ・リーグの対戦相手は厳しく、確かにディフェンス面での不安が現実的になってきた。シーズンを通して、攻守のバランスにどのような折り合いを付けて行くのであろうか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ
アルバセーテ 1-2 バルセロナ
2003.9.14
ゴール / コクー(バ)、ルイス・エンリケ(バ)、パブロ(ア)
大勝利のレアルに対し、バルサはどうなのか?今期初めて見たバルサのゲーム。個々のタレントのポテンシャルは高く、やはりロナウジーニョは凄い。だがスッキリと強さを見せ付ける形の勝利ではない。2nd ハーフには、今期昇格のアルバセーテに押し込まれた。銀河系選抜のレアルに対抗する最大のチームへの復活には、まだ至っていない。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 7-2 バリャドリード
2003.9.13
ゴール / OG(レ)、ラウール(レ)×3、ジダン(レ)、ロサーダ(バ,PK)、フィーゴ(レ,PK)、チェマ(バ)、ロナウド(レ)
7対2。確かにバジャドリは及び腰に見えたが、所謂決定力というもの力量差をこれほど明確に見せ付けられた事は見た事がない。特に、至宝ラウールのゴール前でのサーカスには恐れ入った。ジダン、ロナウドと次々とファイン・ゴールを決めた。マケレレ、モリエンテス、マクマナマンなどの放出、不協和音のウワサなどによるダメージを微塵も見せない。ベッカムのフィット度も更にアップ、得点に繋がるパスや大きなサイド・チェンジを連発。イエーロの放出、エルゲラの不在も、ディフェンダーのスピードだけ見れば寧ろレベル・アップしているし、全員守備に手抜かりが無ければ何とかなりそう。これでカンテラ上がりの若手がサブとして力量を発揮すれば、全く問題はない。長いシーズンが終ってみなければ何とも言えないが、レアルは今シーズンも強い。
EURO 2004 予選
セルビア・モンテネグロ 1-1 イタリア
2003.9.10
ゴール / インザーギ(イ)、イリッチ(ウ)
1st ハーフはイタリアが好調、ウエールズ戦の良い感じを続けている。やはり、インザーギの決定力が冴える。が、1点取った後はやはり守備的に。ゲーム終了間際に攻め込まれて同点。1点差で逃げ切るのも戦法だが、イタリアが1点の差に頼り切ろうとすると痛い目に合う場合が多いのも歴史が証明してるし、ウエールズだってまだ1位を諦めたワケじゃないし。
EURO 2004 予選
スペイン 2-1 ウクライナ
2003.9.10
ゴール / ラウール(ス)×2、シェフチェンコ(ウ)
同グループのギリシャに遅れをとってしまったスペイン。タレントは十分に揃い、クラブ・チームではヨーロッパを席巻するスペイン、代表チームも最低でもラ・コルーニャ位の強さ見せるだろうと勝手に想像しているが・・・。このゲームの 1st ハーフ、どうもチームがフィットしていない感じ。新生フェルナンド・トーレスをトップに据えるが、ラウールとの連携がまだまだである。トリスタンが不調なのか?ビセンテとエチェベリアが先発、バレロンがサブ・・・。何だかピリッとしないまま 2nd ハーフ、ウクライナからPKを貰って先制のチャンスにトーレスがキッカー、しかも外してしまった。どうしてラウールがキッカーでないのか??だが結局チームの危機を救ったのはラウールであった。先制点以降、見違えるようにスペインの攻撃が流れ出す。サッカーというのは不思議なものだ。ラウールの2点目のあと、コースを丹念に突いたゴールでシェフチェンコが1点返した。だがウクライナは敗戦、稀代のストライカーであるシェフチェンコがまたも本選出場を逃す。
EURO 2004 予選
チェコ 3-1 オランダ
2003.9.10
ゴール / コレル(チ,PK)、ポボルスキー(チ)、ファン・デル・ファールト(オ)、バロシュ(チ)
このグループの1位と2位の直接対決、このゲームの勝者が1位通過するという重要な一戦となった。ゲームの序盤に、早くもダービッツがイエロー2枚で退場。組織力よりも個の力で攻める現在のオランダ、代表チームとしては相当熟成されているチェコに対して10人では不利。それでも取り敢えずボールを廻し続けるのはオランダらしいが。クライファートとファン・ニステルローイという驚異的なアタッカーを擁しているにもかかわらず、彼らに有効なパスはなかなか通らない。ファン・デル・ファールトという新生が攻撃の核になりうると思うが、チームとしてはその様には考えていないようである。チェコのポボルスキーのループ・シュートは、EURO 96 での活躍を思い出させた。代表での彼は、いつも活躍しているイメージがある。EURO 96 の主力にロシツキなどの若手が融合し、2004年ポルトガル大会でもチェコはまたまた活躍しそうである。超タレント軍団のオランダ、またも予選敗退の危機。
テスト・マッチ
日本 0-1 セネガル
2003.9.10
ゴール / ディオップ
セネガルは強かったー。コリア−ジャパンの開幕戦で、フランスに勝っただけの事はある。ディオップのヘッディング・シュートをはじめ、日本人には及びもつかないフィジカルの強さ。ボールを奪取するディフェンスのスピード、ボールを奪取してからのカウンダーのスピード、いや単純な足の早さ、緩急の差。ゲームの序盤に得点して楽になったセネガルは比較的に楽にゲームを行なったが、シャカリキに攻める日本は追い付けなかった。高原も不在だったし、日本も良い攻撃を見せたが、世界の壁はまだまだ厚い。
EURO 2004 予選
イタリア 4-0 ウエールズ
2003.9.6
ゴール / インザーギ×3、デル・ピエーロ(PK)
グループ1位通過を賭けた攻防、直接対決でウエールズに勝てば逆転1位だが、引分けでは今後はかなり苦しくなる。時折見せるイタリア代表のゲーム開始直後からの大攻勢、だがウエールズは粘る。ギグス、ハートソン、ベラミーと居並ぶウエールズの前線は、かなり強力。だが中盤はそれほど強力ではなく、必然的に固く守る戦術を採る。イタリアの苛立ちはつのり、ブッフォンが危険人物ベラミーの兆発に乗ってしまう場面も。だが、2nd ハーフにイタリアの力技にウエールズのディフェンスが耐えられなくなる。左サイドに完全に定着したザンブロッタの攻守に渡る貢献に加え、右サイドのカモラネージの正確なプレーがチャンスを作る。トッティは欠場したが、ビエリの技と運動量が驚異を与え、デル・ピエーロをフリーにする事は出来ない。だが何と言ってもインザーギが絶好調でハット・トリック、ハズしたシュートも多数。EURO の予選も終盤を迎え、ウエールズのこの時期での敗戦は痛い。このグループでの波瀾は無くなった・・・?
EURO 2004 予選
マケドニア 1-2 イングランド
2003.9.6
ゴール / フリストフ(マ)、ルーニー(イ)、ベッカム(イ,PK)
選手の名前を一人も知らなかったマケドニア、それが強豪イングランドと好勝負を見せるとは。1st ハーフは、イングランドが冴えないのに対し、守備で粘ったマケドニアがワン・チャンスを活かして先制。攻撃でなかなか鋭い選手が何人もいる。イングランドは 2nd ハーフにヘスキーを投入してそれが大当たり、17歳のルーニーのゴールを呼び込む。イングランドの得点が2点で終ったのは、キーパーのファイン・セーブにもよる。再逆転を狙うマケドニアも攻めたが、得点ならず。イングランドはここで勝ち点を稼がないと、1位通過が厳しくなるところであった。次のトルコ戦も見物。
EURO 2004 予選
オランダ 3-1 オーストリア
2003.9.6
ゴール / ファン・デル・ファールト(オラ)、ボガテツ(オー)、クライフェルト(オラ)、コクー(オラ)
イメージ的にはとてつもなく強く実際にも強いが、ホームでも勝負の時にはもろい面を見せてしまう不思議なチームのオランダ代表。このゲームでも、この特徴が当てはまってしまった。オランダの3ゴールはいずれも素晴らしいが、オランダと比較して攻撃陣がそれほど強力でないオーストリアに何度もチャンスを与えていた。次は強豪チェコ、大丈夫だろうか?
イタリア セリエA
アンコーナ 0-2 ACミラン
2003.9.1
ゴール / シェフチェンコ×2
ミラン、先日の UEFA スーパー・カップから大きくスタメンを入れ替えたのには驚かされた。開幕早々、ブラジル期待の新生であるカカをトップ下に起用。スケールが大きくスピードもあり、足技も優れ、開幕戦で全く動揺しない度胸も持ち合わせる。ローマから移籍のカフー、右サイドでの攻め上がりが有効。先シーズンの前半は不調のシェフチェンコがベスト・コンディション。どうも連携がイマイチだが、チャンピョンズ・リーグ本戦開幕までには、何とか型を作るだろう。アンコーナのビリカと共に、マルディーニがレッド・カードで退場したのには驚いた。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 第1節
レアル・サラゴサ 0-1 デポルティボ・ラ・コルーニャ
2003.8.30
ゴール / パンディアーニ
レアル・マドリー加入をメディカル・チェックで落された、サラゴサのセンター・バックのミリートはやはり手堅い。10番を背負ったサービオも好調。だが、デポルはやはり勝負強い。序盤は、いつもの攻撃の切れが影を潜めた。2nd ハーフ、バレロンを起点に、サブの出場だと信じられない決定力を発揮するパンディアーニが得点して、最少得点で勝つ。
イタリア セリエA
ボローニャ 2-2 パルマ
2003.8.31
ゴール / グーリー(ボ)、アドリアーノ(パ)×2、ロカテッリ(ボ)
両チームとも、昨シーズンの好調さを持続しているもよう。パルマの中田英寿も好調、但し相変わらず右サイドの職人としてだが。
イタリア セリエA
レッジーナ 2-2 サンプドリア
2003.8.30
1st ハーフのレッジーナは絶好調、だが 2nd ハーフにサンプに反撃を食う。レッジーナは昨シーズンの今頃と比較すれば非常に良くなった。対するサンプ、久々のセリエAだが、こちらも悪くない。中村と柳沢の活躍で、北のビッグ・クラブに対抗して欲しいもんだ。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 第1節
レアル・マドリード 2-1 ベティス
2003.8.30
ゴール / ベッカム(レ)、ファニート(ベ)、ロナウド(レ)
リーガの開幕戦、やはり最も注目を集めるレアル。早速ベッカムがゴール、本番ではサスガに、チームに完全ではないがフィットして来た。ベッカムだけでなく、チーム全体での守備意識が昨シーズンよりも上がっているのに気付かされる。この面では、ケイロス監督が昨シーズン所属していたマンチェスター・ユナイテッドに近いものを感じる。ひょっとしたら、攻撃でのスペクタクルなシーンが減少するのかもしれない。だが、イエーロが退団しマケレレもチェルシーへ移籍、最終ラインにラウール・ブラボーを入れざるを得ず、守備が不安視されるレアルとしては、最も現実的な選択なのであろう。チーム全体としてもベスト・コンディションには至っていないが、何らかの新しいテイストを加味しての新生レアルとして、今まで以上の強さを見せるのかもしれない。ロナウドの決定力も、いつもながら驚かされる。対するベティスも悪くはなかった。トヨタ・カップでレアルを粉砕したパレルモを加え、闘志では負けていない。ホアキン、カピ、アッスンソンも健在だが、デニウソンの不在が残念。リーガは、今シーズンも面白いだろう。
UEFA スーパー・カップ
ACミラン 1-0 ポルト
2003.8.29
ゴール / シェフチェンコ
中盤の右サイドに入ったルイ・コスタの見事なクロスから、シェフチェンコの完璧なヘディングによるゴール。1点あれば勝利には十分というような、ミランの完璧な守備。昨年の今頃はピルロがボランチ一人、あまりにも素早いゲーム展開で相手チームを粉砕していたが、シーズン後半はイタリアらしい鉄壁の守備で少ない得点を守り切る戦術に転換した。だが、不調に陥ったワケではなく、チームの成熟度は新シーズンも持続されている。ラツィオからパンカロを加え、守備陣は更に安定したようにも見える。シェフチェンコとインザーギへのチャンスも相変わらず少ないが、安定した守備と目の覚めるような攻撃の構築を両立してくれるのだろうか?対するポルト、昨シーズンの UEFA カップを鮮やかな攻撃サッカーで制したが、スーパー・カッでミランと対決し、チャンピョンズ・リーグで通用するかが注目された。1st ハーフでは、デコやデルレイも抑えられてしまった。だが 2nd ハーフではチャンスを何度か作ったし、このゲームを契機として対策を打ち、グループ・リーグで何かやってくれるのかもしれない。厳しいゲーム内容で、UEFA スーパー・カップも一つのタイトルとして重要度が増しているように感じられた。イタリアのセリエA、スペインのリーガ・エスパニョーラ、チャンピョンズ・リーグ本選も開幕目前である。
イングランド プレミア・リーグ
ミドルスブラ 0-4 アーセナル
2003.8.24
ゴール / アンリ、ジウベウト・シウバ、ビルトール×2
ミドルスブラば不調なのか?アーセナルが強過ぎるのか?ファイン・ゴールを次々と決め、ディフェンダーのキャンベルの見事なスルー・パスまで披露したアーセナル。レギュラー・クラスが出場し続ければ、全く問題ない。だが、補強が十分ではなくサブの充実度ではマンチェスター・ユナイテッドに劣るアーセナル、ベンゲル監督の顔が晴れやかになるまでには至っていない。ミドルスブラ、ジュニーニョの切れは相変わらずだが・・・
ドイツ ブンデスリーガ
ハンブルガーSV 0-2 バイエルン・ミュンヘン
2003.8.24
ゴール / ピサロ、エウベル
遂にマカーイを獲得、怪我人も復帰し、エウベル、ダイスラー、などがサブという、分厚い選手層になりつつあるバイエルン、ソツなくゲームをこなす。対するハンブルガーは不調、最大のピンチとなった高原。だが高原自身は比較的好調、ここで得点すれば救世主なのだが・・・。バイエルン、確かに選手層は厚いが、手応えの無い相手とのゲームに慣れると、またチャンピョンズ・リーグで失速?まあ、2シーズン続けての早い段階での敗退は無いとは思うが。
テスト・マッチ
ドイツ 0-1 イタリア
2003.8.20
ゴール / ビエリ
バラック、ダイスラー、メッツェルダーなどの主力が欠けるが、コリア・ジャパンで準優勝のドイツが意地を見せるか?序盤、早く強烈なパス、セット・プレー、ミドル・シュートでイタリアを攻めるドイツのチャンスが目立った。だがやはり、イタリアの足技は効いた。デル・ピエーロ、ビエリ、トッティの見事なパス交換から、誰も止められないビエリの中央突破でゴール。微妙なオフサイドで取り消されたデル・ピエーロのゴールも、同様な3人の連携から。2nd ハーフは、1点で十分勝てると言いたげな、いつものイタリアの守備的なプレー。セリエA開幕直前の怪我は避けたいのは分かるが、テスト・マッチなんだから攻撃のテストもして頂きたいもんだ。守備の捌きは、相変わらず見事。ネスタは怪我で出場していないが、カンナバーロとレグロッターリエで凌ぎ切った。ドイツでは、フォワードが不安。ユーロの予選はまだしも、自国開催のワールド・カップが近いのに大丈夫か?計算出切るゴール・ゲッターがいれば、ドイツは相当強いであろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 予選 3回戦 1st leg
ラツィオ [イタリア] 3-1 ベンフィカ [ポルトガル]
2003.8.19
ゴール / コッラーディ(ラ)、フィオーレ(ラ)、シモン(ベ)、ミハイロビッチ(ラ)
チャンピョンズ・リーグの激闘は既に始まっている。財政危機の状況の中、マンチーニ監督の元でチームが良くまとまり、セリエAの4位に食い込んだラツィオ。チャンピョンズ・リーグ出場権を得た事もあって、主力のほとんどを残留させる事に成功した。中盤にはスペインから帰ったアルベルティーニ、その他のベテラン選手を補強、シーズンを何とか乗り切ろうとする意欲が見える。守備は手堅く、攻撃の時には大胆に、バランス良くゲームを組み立てるのは、昨シーズンと同様。ミハイロビッチのフリー・キックによるゴールも健在。ベンフィカも好チームだが、相手が悪かった。元バルサのシモンがゴール・ゲッターに変身していたのには、ちょっと驚いた。
テスト・マッチ
日本 3-0 ナイジェリア
2003.8.20
ゴール / 高原×2、遠藤
ナイジェリアはメンバーは落ちているし、ホームの日本代表の勝利はもはや当然である。ナイジェリアの選手の守備は強烈で、スピードもあるし、日本の選手が瞬間的に振り切られる場面も多数あった。攻撃の型もあるし、失点の危険が何度かあった。日本代表での収穫は、やはり高原だ。チャンスを活かした2得点は大きく、ハンブルガーでの経験が生きている。守備の面でも、欧州の経験を持ち帰る事の出来る選手が出現しないだろうか?
イングランド プレミア・リーグ 開幕
マンチェスター・ユナイテッド 4-0 ボルトン・ワンダラーズ
2003.8.16
ゴール / ギグス×2、スコールズ、ファン・ニステルローイ
ファーガソン監督は"ベッカムの穴は埋まった"と言い、ロイ・キーンは"自分が加入して以来最強のチームだ"と言うが、本当か?コミュニティ・シールドでは、キーパー以外は昨シーズンと同じメンツが先発で、新鮮味の薄いチームだと思われた。このゲームでも、同様の先発メンバー。ベッカムの右足という武器を失い、ベロンを切り札に使うという贅沢を切り捨てたマンU、1st ハーフはボルトンに押され気味。中盤があまり怖くなく、数シーズン前のように若さと勢いで押すのでもなく、最近のように風格で圧倒するでもない。大丈夫なのか、今シーズンは?だが 2nd ハーフ、期待のカメルーンのジェンバ・ジェンバとポルトガルのロナウドを投入。やはりマンUが獲得する選手だけあって、彼らには力がある。特に、18歳のロナウドの切れとボールはなかなかのものである。彼らがフィットするまで従来の先発メンバーで乗り切り、新たなチームのスタイルを模索して行くのであろうか?スールシャールの右ウイングも何とかなるし、ギグスのフリー・キックも鋭い。だがやはり、ベッカムの右足の幻影を振り切るのには時間がかかりそう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1995-6 決勝 1996.5.22
ユベントス [イタリア] 1-1(PK) アヤックス [オランダ]
ゴール / ラバネッリ(ユ)、リトマネン(ア)
前年にトヨタ・カップを制し、世界最強を誇ったアヤックス。リトマネン、クライファート、デブール兄弟、ファン・デル・サールなどが集結し、アヤックスのシステムを90年代流にパワー・アップさせていた感がある。このシーズンのグループ・リーグでも、圧倒的な強さを見せた。対するユベントス、セリエAでACミランの牙城を遂に崩し、こちらもグループ・リーグでは強かった。特にデル・ピエーロが絶好調、"デル・ピエーロ・ゾーン"とまで呼ばれたゴール前の左サイドからの右足でのボールが、奇跡的な弾道を描いてゴールに何度も突き刺さっていた。当時はレアル・マドリードなども現在ほどは強くなく、ユーベとアヤックスのファイナル進出は当然と思われた。
1st ハーフは、1点づつ取って互角のイメージもあったが、ゲームが集結へ向かうに従ってユーベの体力と精神力の優位が目立ち始め、シーズンを通じて見せ付けられたアヤックスの華麗な攻撃サッカーが鳴りを潜めてしまった。特にユーベのトリチェッリ、足の負傷にもめげずの攻守に渡っての活躍が凄かった。だが結局PK戦に至ってのユーベの勝利は順当であると思われたが、当時のユーベの2トップのラバネッリとビアッリは守備にも手を抜かない為、厳しいゲームでゴールを奪う最後の一手に至る体力を消耗していた感もある。そこにデル・ピエーロのファンタジーの発揮が待たれたが、シーズンの疲労もあって、ゲーム全体の激しい流れに飲み込まれていたようだ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1993-4 決勝 1994.5
ACミラン [イタリア] 4-0 バルセロナ [スペイン]
ゴール / マッサーロ×2、サビチェビッチ、デサイー
クライフ監督のもと、伝説的な強さでリーガ・エスパニョーラ4連覇を果たしていたバルサ。最終節の奇跡の逆転で見事に優勝を飾り、"カンプ・ノウの奇跡"とまで言われた、バルサの一つの歴史的な頂点。ロマーリオ、ストイチコフによるゴール・ラッシュ、クーマンやバケーロの大活躍が予想された。だが、ミランは強過ぎた。バレージとコスタクルタが不在にもかかわらず、2列目と3列目の4枚づつの守備は完璧、特にマルセイユから移籍してきたボランチのデサイーが強烈。サビチェビッチのファンタジーとマッサーロの決定力も見せ付けた。このゲームでのミランの守備なら、9年後の現在でも十分通用するであろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1992-93 決勝 1993.5
オリンピック・マルセイユ [フランス] 1-0 ACミラン [イタリア]
ゴール / ボリ
10年前とはいえ、興味深いゲーム。信じられない位に最終ラインを高く保つ、ミラン。その中心にはあのバレージがいた。トップにはファン・バステンが入る。素早いプレスから前方にボールが送られるが、なかなかトップには渡らず、ゲームを支配する割にはチャンスが少ない。タレントではミランには及ばないが、守備のデサイーとボリなどが強烈。虎の子の1点を守ったマルセイユが勝利。だが八百長疑惑の結果、トヨタ・カップで日本に来たのはミランであった・・・。全体に選手のコンディションが良く、思ったより軽快に選手が走り廻っているのが印象的。
フレンドリー・マッチ
FC東京 0-3 レアル・マドリード
2003.8.5
ゴール / ベッカム、ソラリ、ロナウド
マンチェスター・ユナイテッドから引き抜かれたケイロス監督、レアルの中盤の4人をダイアモンド型に置く。ジダンは不出場、ロナウドとロベルト・カルロスは控え。FC東京に攻め込まれるレアル、急に弱くなったのか、Jリーグのチームは強くなったのか?だが、ベッカムをマケレレの右に置き、フィーゴを本来の右サイドに張ったとたんに、様相は変わった。誰も止められないコンビネーションから中央突破で仕上げるというレアル特有の攻撃が、徐々に目立ちはじめる。移籍直後のベッカム、レアルの超スピードのパス交換にはまだフィットしていないが、黄金の右足は炸裂した。8月のこの時期にこれだけ出来れば、順当に行けば年内には完全にフィットするだろう。2nd ハーフにはロナウドとロベ・カルが登場、レアルが70%の出来でもFC東京クラスのチームでは置き去りにされる事が分かってしまった。イエーロが去ったディフェンスは、確かに不安。エルゲラとパボンが万全であれば何とかなるだろうが、サブの扱いについてはケイロス監督の手腕が問われるところであろう。FC東京は負けはしたが、Jリーグのチームと欧州のクラブ・チームとの差は縮まっている事は感じる。
ドイツ ブンデスリーガ 開幕
シャルケ04 2-2 ボルシア・ドルトムント
2003.8.3
ゴール / アルティントップ(シ)×2、セルジオ・コンセイソン(ド)、アモローゾ(ド)
弱冠20歳のアルティントップの右足、驚くべきスピードと精度、ドルトムントを窮地に落し入れた。このゲームだけで、欧州注目のプレーヤーになったかもしれない。ドルトムント、キーパーのレーマンがアーセナルに引き抜かれ、ケールとメッツェルダーが不在、ロシツキと3トップの攻撃陣は警戒されてチャンスをモノに出来ない。だが、レアル・マドリーから移籍のセルジオ・コンセイソンの、レアルでは見た事のないフリー・キックが炸裂。ここで流れがやっとドルトムントに傾き、負けゲームに見えたドルトムントが最後に追い付いた。粘った事は粘ったが、ドルトムントの今シーズンは苦しい?
ドイツ ブンデスリーガ 開幕
バイエルン・ミュンヘン 3-1 フランクフルト
2003.8.1
ゴール / ゼ・ロベルト(バ)、サリハミジッチ(バ)、ピサロ(バ)、スケラ(フ)
開幕が早いブンデスリーガ。バイエルンは、全員が好調に見える。バラック、ゼ・ロベルトなど昨シーズンからの選手もフィットする中で、何と言っても怪我で出遅れていたダイスラーが先発してダイナミックな動きを見せたのが光る。右サイド・バックに入ったサリハミジッチに加え、左のラウの攻撃参加も鋭い。フランクフルトのプレッシャーが弱い事もあったが、1st ハーフはバイエルンが完全にゲームを制圧した。だが、2nd ハーフのバイエルンが冴えが鈍り、失点する。選手層も厚いバイエルンは、昨シーズンのチャンピョンズ・リーグでの失態を拭う必要があるが、このゲームの 1st ハーフのペースを何としても持続しなければならない。
コパ・リベルタドーレス 決勝 2nd leg
サントス [ブラジル] 1-3 (agg 1-5) ボカ・ジュニアーズ [アルゼンチン]
2003.7.2
いかにもブラジルのチームらしい個人技によるパフォーマンスが顕著なサントスと比較して、ボカの非常な手堅さはまるでセリエAのチーム。南米の名将であるビアンキ監督が、数シーズンに渡って継続して積み上げたチームのシステムが効いており、またもトヨタ・カップ出場を成し遂げた。2000年にレアル・マドリーを破ったように、ACミランとも渡り合えるか?サントスには弱冠18歳のヂエゴがおり、華麗なドリブルとパスを披瀝したが、ボカの最終ラインを打ち破るには至らなかった。欧州での活躍は、もう少し先になるかも。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 最終節
レアル・ソシエダ 3-0 アトレティコ・マドリード
2003.6.22
ゴール / コバチェビッチ、デ・ペドロ、ニハト
ソシエダ、残念ながら2位。1st ハーフは固さと力みが見られたが、結局は今シーズンを通して披瀝した攻撃的なサッカーを見せたソシエダ。コバチェビッチ、デ・ペドロ、ニハトのゴールで有終の美を飾った。だが、レアル・マドリーを凌駕する事は出来ず。いつかはペース・ダウンすると思われたソシエダの快進撃は、何と最終節まで持続した。ソシエダの倍のゲーム数を消化ながら優勝をもぎ取ったレアル・マドリーも凄いが、一つの型を押し通して、スペインのサポーターを納得させる内容と結果を残したソシエダの2002-03シーズンは、確かに賞賛に値するものである。デ・ペドロとカルピンの両サイド・アタック、コバチェビッチとニハトの2トップ、強力な中盤の新星のチャビ・アロンソ、次のシーズンにこの中の何人がチームに残るかは分からない。レアル・マドリーという巨人を乗り越えるチャンスであっただけに実に惜しかった。ホームでレアル・マドリーを粉砕したゲームが、強く印象に残る。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 最終節
レアル・マドリード 3-1 アスレチック・ビルバオ
2003.6.22
ゴール / ロナウド(レ)×2、アルキサ(ア)、ロベルト・カルロス(レ)
レアル、最終節でリーガを制す。ビルバオ、スペインのチームらしく攻めたが、ホームのレアルの敵ではなく、最終節でマジョルカ戦でのような失態を見せるハズもない。それにしても、ロナウドは偉大であった。超スター軍団の中で、確かにマークは分散されてはいるが、マンチェスター・ユナイテッドのアウエー戦でハット・トリックを見せる事の出来る選手は、尋常ではない。入団に際して色々と物議を醸したロナウドであったが、ファイン・ゴールの数々で黙らせてしまった。今シーズンは、チャンピョンズ・リーグは惜しくも落したし、攻撃力と裏腹の守備の不安定さを見せる事もあった。だがやはり、スター軍団による素晴らしく攻撃的サッカーを存分に見せた事は間違いない。
FIFA コンフェデレーションズカップ
フランス 2-1 日本
2003.6.20
ゴール / ピレス(フ,PK)、中村(日)、ゴブ(フ)
コロンビア戦から選手の大半を入れ替えたフランス。ニュージーランドからの勝ち点3の確保は確実であるのと、中1日という過酷な試合日程から、選手の大量の入れ替えは仕方がないが、日本をナメているという印象はどうしても拭えない。だが、このゲームの先発には、バルデス、ピレス、サニョールなどがおり、他の選手も強烈。ほぼベストメンバーの日本は、当然ながら、ニュージーランド戦のように自由には攻められない。とは言え、相手の守備を掻い潜るテクニックと欧州仕込みの当たりの強さで進歩が顕著な日本代表も、攻撃では互角に限りなく近く渡り合った。中心はやはり中田英寿だが、中村俊輔の展開力の進歩には眼を見張るものがある。フリー・キックによる得点も見事。ゲーム終盤は日本が一方的に攻め、ボール支配率はフランスを上回ってしまった。だが負けたのは日本、同点に限りなく近付いたが、負けは負け。中1日で先発は前の試合と同じメンバー、疲れた中にも諦めずよく攻めた。だが、フランス代表は主力を何人か欠き、更にその中"控え組"、そして日本は敗戦。"微妙に"、評価のし辛いゲーム。
FIFA コンフェデレーションズカップ
カメルーン 1-0 ブラジル
2003.6.19
ゴール / エトー
テクニカルなブラジルの攻撃に対して、引いた位置からカウンターという戦術で対処した。だが、ブラジルにはロナウドやロベルト・カルロスなどの主力が欠け、ロナウジーニョのテクニックは驚異だが、攻撃の圧力は然程でもない。逆にカメルーンはソングやジェレミーなどが揃って万全、カウンター攻撃は雪崩のように強烈、フィジカルは強いハズのブラジルのエメルソンも弾き飛ばされた。9番を背負ったエトーは、機関車のようにトップの位置で走り廻る。そのエトーが 2nd ハーフ、見る者の眼を完全に覚ますドライブのかかったシュートを放って先制、そのまま逃げ切った。カウンターを狙うのべきなのは、ブラジルであった?だが、ブラジルのカウンター戦法など、国民が許さないであろう。ブラジル代表も大変だ(?)。
FIFA コンフェデレーションズカップ
日本 3-0 ニュージーランド
2003.6.18
ゴール / 中村×2、中田英
フランス 1-0 コロンビア
2003.6.18
ゴール / アンリ(PK)
日本代表、久々の快勝、中村と中田のゴールも素晴らしい。山田・坪井・遠藤を、パラグアイ戦から続けて先発させて、継続性を持たせたのも納得出切る。確かにニュージーランドはかなり格下であったが、どんな相手でもここで一つの確実な勝利を得る事は、日本代表にとって必要である。三都須、稲本、中村、中田、高原、大久保らのコンビネーションは、更なる可能性を感じさせる。
だが、フランス対コロンビア戦が始まったとたん、日本代表の勝利の喜びが冷や汗に変わってしまった。アンリ、ビルトール、シセの3人によるフランス代表の攻め上がりは、あまりにも強力。コルドバを中心としたコロンビアのディフェンスは固い。勿論、デサイーを擁するフランスのディフェンスも、言うまでもなく強力。僅か中一日でフランス代表と激突する日本。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
セルタ 3-2 レアル・ソシエダ
2003.6.15
ゴール / モストボイ(セ)×2、ミド(セ)、ニハト(ソ)×2
ソシエダ、首位陥落。シーズン終了まであと2試合、2勝すれば文句なしの優勝のソシエダ。だが相手が悪かった、何と初のチャンピョンズ・リーグ出場を目指してモチベーション十二分のセルタ。いつにも増して守備の固いセルタに対して、ゴール前で良い形の造れないソシエダ、シャビ・アロンソが病み上がりで不調なのも一因?大エースのモストボイが先制、セルタがこれで楽になった。そして何と、この最重要のゲームでコバチェビッチが負傷退場、更に攻撃が苦しくなったソシエダ。モストボイが更に1点の後、ニハトが意地で1点返したが、ミドのゴールで突き放されてしまった。アヤックスを追い出されたミドだが、セルタでは比較的自由にやって実力を発揮しているように見える。まるで何かの大会の決勝戦のように、勝利して喜ぶセルタと、敗れてうなだれるソシエダ。敗れたソシエダは、残り1試合という最重要局面でレアル・マドリーに首位を奪われてしまった。再逆転は極めて難しい。ホーム・ゲームの直接対決でレアル・マドリーに大勝するなど快進撃を見せたソシエダだが、遂に力尽きたか?最終節で奇跡を起こせるか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ
アトレティコ・マドリード 0-4 レアル・マドリード
2003.6.15
ゴール / ロナウド×2、ラウール×2
例によって、なんだか不安定な感じのレアルのディフェンス、だが前線は驚異。ボールを出すのはジダンやフィーゴ、決めるのがロナウドとラウール。マドリード・ダービーではあるが、決定力の差は歴然。首位のソシエダを乗り越える為には、勝ち点を積み重ねるしかない。残り1試合。
EURO 2004 予選
フィンランド 0-2 イタリア
2003.6.11
ゴール / トッティ、デル・ピエーロ
タレントがリトマネンだけの状態から遠く離れ、ヨーロッパの中で着々と実力を高めつつあるフィンランド。だが、ワールド・カップと EURO での本選出場への距離もまだまだ長い。同じグループで、イタリアならまだしも、予想外に好調のウェールズに行く手を阻まれそうである。たとえ相手がイタリアであろうとも、ホームでの勝利が絶対に必要。しかし、KOREA - JAPAN での失態から勢いを回復すつつあるイタリアは、ゲーム運びがウマかった。ビッグ・クラブの並み居る中盤のタレントを差し置いて先発した、キエーボのペッロッタ。コッラーディをワン・トップに置いて、左からデル・ピエーロ、トッティ、フィオーレと並べた2列目が効果的、まるでスペインのチームのように(?)ワイドに攻めた。左サイド・バックに好調のザンブロッタを配したのも攻撃的。先制はトッティ、右からのクロスを確実に決め、やはり只者ではない。2nd ハーフに入るとイタリア的な守備のウマさを発揮、デル・ピエーロのファイン・ゴールが決まってしまえば、フィンランドの得点の可能性は激減。キーパーのブッフォンにネスタとカンナバーロも安定。
EURO 2004 予選
トルコ 3-2 マケドニア
2003.6.11
ホームで圧倒的に強いトルコの楽勝かと思われたが、ヨーロッパの戦いは何が起こるか分からない。1st ハーフではトルコが中盤を支配しようとするが、絶対的なワン・トップのハカン・スクールまではボールが到達しない。果敢に攻めるマケドニアのロング・クロスが非常に正確なのが、トルコにとって非常に不気味。そして遂にマケドニアが先制。ソシエダで好調のニハトが1点返したが、更にマケドニアが1点加えてリード。2nd ハーフにマケドニア
が粘る事が出切るかが勝負の分かれ目だが、チームの疲労とトルコ・サポーターの脅しと紙一重の応援とに食われてしまい、同点。更にクロスが遂にハカンに到達、逆転。KOREA - JAPAN で3位の快挙のトルコ、新たなタレントも出現しつつあり、EURO 2004 への出場が叶えば快進撃が続くかも。
キリン・カップ
日本 0-0 パラグアイ
2003.6.11
ようやく高原と中村俊輔が合流、中田英寿と絡み、高い確率でゲームを支配。アルゼンチン戦から4人全員を入れ替えたディフェンス・ラインも、ウマく中盤と連携していた。確かに大久保のゴールはオフサイドになったが、最近の日本代表のゴールの形としては最高のものであった。やはり大久保は先発させるべきであった(誰が見たってそうだ)。スピードとテクニック、ゴール感覚、高原などとの連携など、今までの日本代表に無かった要素を持っており、可能性を感じさせる。三都主も、積極的な攻撃参加。だが結局、無得点。パラグアイの中盤のプレッシャーは弱く、最終ラインの固い守備だけに賭けていた?韓国代表に勝利したパラグアイのハズだが・・・。日本の左サイド・バックへの三都主の起用は意外ではあったが、この位のコンバートは特に驚くべきではない。気になるのは、アルゼンチン戦とのメンバーの入れ替えが、サポーターの要求するメンバーと、多分然程違わない事であろう。それはそれで良いのだが、批判を浴びようと、何か一貫性を感じさせて欲しいものだ(何と勝手な論法だろう)。今日のメンバーでアルゼンチンと当たるのが見たかった。
キリン・カップ
日本 1-4 アルゼンチン
2003.6.8
ゴール / サビオラ(ア)、サネッティ(ア)、秋田(日)、ロメオ(ア)、ロドリゲス(ア)
キャプテンのサネッティのダイナミックな動きが、素晴らしい。サビオラとアイマールは、疲労を見せるどころか、リーガ・エスパニョーラの最終局面を乗り切る必要から、思ったよりコンディションは良好。アルゼンチンの主力のベテランはほとんど参加していなかったが、チーム全体がフレッシュで、このままのメンツでもかなり行けそうである。親善試合モードとは言え、アルゼンチンは確かに強かった。いや、余裕の中にでも勝利への拘りを折り込み、次のゲームへ繋げる、意味のあるゲームが出来たと言えよう。チーム全体がゴールという最終目的への過程を理解し、ボールのルートを確保しようとしている。チャンスは逃さない。個人技と組織の両方で負けていれば、日本は勝負にも勝てない。だが、日本代表は負けるべくして負けたのか?中盤での中田英、中田浩、小笠原、稲本の同時起用は、はっきり意図が見えなかった。中田浩と小笠原が、強烈なアルゼンチンの中盤を突破するのは難しく見えたからだ。個人的には、先発の左サイドには三都主を使ってほしかったし、パルマ戦での出来からしてフォワードには鈴木より大久保が良かったのでは?しかし何よりも、強豪アルゼンチンに対して、代表チームとしては余りに無策に思えたのは気のせいだろうか?ある程度自由にやっていいのは、中田英、小野、中村、稲本がコンディション万全である時くらいではなかろうか?だがそれでも、以前のアルゼンチン戦と比較すれば、日本代表の力も徐々に上がっているのが分かる。パラグアイ戦はやってくれるか?
EURO 2004 予選
ベラルーシ 0-2 オランダ
2003.6.7
ゴール / オーフェルマルス、クライファート
1st ハーフでは、ウクライナの攻勢が目立ち、オランダのゴール前に何度も迫った。オランダの主力には、まだ終了していないリーガ・エスパニョーラ所属選手が何人もおり、疲労の色が濃い?だがやはり、2nd ハーフでベラルーシの勢いが弱冠陰る。交替出場のオーフェルマルスが目の覚めるような個人技でゴール、組織が疲弊していても、オランダの選手の足技はサスガに違う。更に、右からのクロスをクライファートが、得意の難易度の高いシュートからゴール。オランダが勝ち点3を確保したが、我々がイメージする相手を圧倒し尽くすゲームをなかなか見せてくれない。同じグループのチェコに遅れを取ると、本選出場失敗の悪夢がまた訪れる。
フレンドリー・マッチ
セレッソ大阪 2-2 パルマ
2003.6.4
ゴール / 西澤(セ)、アドリアーノ(パ)×2、大久保(セ)
フレンドリー・マッチではあるが、年々、Jリーグのチームも欧州のクラブとの差を徐々に縮めつつある。シーズンが終ってしまったパルマのプレッシャーはサスガに甘いが、セレッソも得点のチャンスを作った。西澤のシュートも毎度、このゲームでのように世界レベルに見える事もある。パルマ相手に見事にゴールを決めた大久保は、ブレークするのだろうか?
イタリア セリエA
14位(セリエA残留)決定戦 2nd leg
アタランタ 1-2(トータル1-2) レッジーナ
2003.6.2
レッジーナの中村俊輔は、怪我の為か、出場せず。2シーズン前には華々しい躍進を見せたアタランタが降格、実力をキープ出来ない地方のチームの悲しさか。降格が必至と見られていたレッジーナは、パルマからの選手の補強でギリギリで帳尻を合わせた。両チームともガッツを見せたが、タレントの差が直接に点差となった形。
フレンドリー・マッチ
日本 0-1 韓国
2003.5.31
ゴール / アン・ジョンファン
韓国としては、1st ハーフは粘って 2nd でカウンター得点、というパターンを狙っていたと言えなくもない。だが、それにしても 1st ハーフの韓国は良くなかった。それ以上に、2nd ハーフの日本が良くなかった。中田英、小野、高原、中村俊輔、戸田が不在。海外組が不在の点では、昨年のワールド・カップの主力が主体の韓国代表と比較して、日本の方が駒落ち。戦術で縛らず自由にやらせるジーコ監督の方針、練習時間の少ない代表チームとしては、例えトルシエ監督とは指向が異なっていても、それはそれで良いのかもしれない。ただ、主力選手が不在の場合はチームの
パワーが格段に落ちるし、このゲームでは好調とは言えない韓国の逆襲を押し返せなかった。日本代表の最大目標である、2006年ドイツ・ワールド・カップ出場に向けて、不安を抱かせる部分がある。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 決勝
2003.5.28 ACミラン [イタリア] 0-0(PK3-2) ユベントス [イタリア] |
シーズン序盤でのベスト・メンバーをほぼ揃えたミランに対し、ユーベはネドベドを欠く。1シーズンの間に大きなアクシデントも無く、攻守に大活躍し、これまで最も充実したシーズンを過ごし、準決勝で今シーズンの欧州で屈指のゴールを決めたネドベド。レギュラーを2〜3人欠いてもバランスを崩す事のなかったユーベであるが、最も重要なゲームで、ネドベドの穴だけは埋まらなかった。カモラネージを右サイドで先発させたが、ここのところは先発を外れていた為か切れを欠き、途中交替を余儀無くされた。交替で入ったのが歴戦の勇、コンテ。本来であれば若くフレッシュな選手を入れてミランの固いディフェンスを切り裂きたかったのであるが、リッピ監督は大ベテランのコンテを選択した。ユーベで好調だったのが、ザンブロッタとダービッツ。特に、右サイドのポジションをカモラネージに奪われて左サイドに活路を見出したザンブロッタの、恐ろしいまでの切れが目立った。ボールのサイド・チェンジなどを駆使して、ミランのディフェンスを揺さぶりたかったが、再生された伝説のディフェンス・ラインを突破するのは至難の技。それに、キーパーのジーダが好調。デル・ピエーロとトレゼゲは無得点だが、何しろ良い形でボールを受ける回数が少なかった。1st ハーフのミランの攻撃は、ユーベを圧倒した。ルイ・コスタとピルロがセンターに入り、セードルフとガットゥーゾが左右からワイドに攻める中盤が、見事に機能。そして何よりも、尻上がりにペースを上げて来たシェフチェンコの闘志が目覚しい。だが、キーパーにブッフォンがおり、守備力ではミランと互角かそれ以上のユーベでもあり、ゴールは遠かった。1st ハーフは、守備重視のイタリアのチームが持たれているイメージを覆そうとするかのような両チームの積極的な攻めが凄まじかった。ミランのゴールをオフ・サイドの判定で取り消される場面があった。確かにミランの選手がオフ・サイドのポジションに2名おり、攻撃に関与していると判定されても仕方のない位に近い距離にいた。だがここで、決勝戦ともなると、そう簡単にゴールは奪えないという覚悟を選手に強いたように感じられた。弱冠はユーベに肩入れしている筆者でさえ、この場面では、これがゴールではないのか?という、何か非常に残念な、残りの時間もゴールは遠いなというイメージを持たされた。2nd ハーフに入ると、両チーム共ペース・ダウン、攻撃に人数が減少。両チームとも守備は固く、ゴールを奪うには一瞬のスキを突くしかない。それに、やはりシーズン
(ほとんど)最後のゲームで、選手の疲弊は覆うべくもない。ミランの中盤からの押し上げは緩くなり、ユーベは先発のトゥドールも怪我で退場して準決勝でのような怒涛の攻勢は出来なくなった。カテナチオという表現は最早的外れかもしれないが、伝統的に守備を怠る事のない両チームが無得点で終るのは、予定されていた運命とも言うべき結果なのであろうか?優勝したミランは、準々決勝以降ではマンチェスター・ユナイテッドとレアル・マドリードという2強と当たらず、この面ではラッキーと言えるかも。だが、1次リーグではバイエルンとラ・コルーニャを、久々に見せた攻撃的サッカーで粉砕。2次リーグに入ってチームがペース・ダウンとたんに守備的サッカーに転換して、1対0で4連勝して勝ちぬけた。シーズンの流れの中で上手くチームを遣り繰りして、PK戦でとは言え、決勝で勝利したミランは、優勝に相応しいと言えるであろう。だが敗れたユーベは?PK戦での負けは、"負け"ではないと言う感を強く抱かせる。準々決勝以降の戦い全体を見れば、マンUを破ったレアルを更に破ったユーベ、イメージの中ではミラン優っているようにも見える。だが、ミランもアヤックスとインテルという難敵を押さえての勝ち上がりである。どちらが
勝ちでも良いから、優劣の決め難いこのゲームこそ引分け再試合にして欲しいものである。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
マラガ 0-2 レアル・ソシエダ
2003.5.25
ゴール / ガビロンド、コバチェビッチ
連敗中のマラガに対し、レアル・マドリーの追撃をかわす為に負けられないソシエダ。戻ってきたダリオ・シルバに好調のムサンパが絡めば得点もあると思われたが、マラガが必要以上に熱くなり、レフェリーも敵に廻してしまった。ソシエダは首位を堅守。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バレンシア 1-2 レアル・マドリード
2003.5.24
ゴール / ロナウド(レ)×2、ファビオ・アウレリオ(バ)
バレンシア、センター・バックのアジャラを右サイドに、左ウイングのビセンテまで右へ。これでロベルト・カルロス対策は万全?相変わらずボールをキープし続けるレアルが先制したが、少ないチャンスを効果的に使うバレンシアが同点に。だがレアルが勝負強く、守備を修正してバレンシアの勢いを止め、ロナウドの決定力が威力を発揮。さて、首位のソシエダの勝敗はいかに?
UEFA カップ 決勝
2003.5.21
FCポルト [ポルトガル] 3-2 セルティック [スコットランド]
ゴール / デルレイ(ポ)×2、アレニチェフ(ポ)、ラーション(セ)
準決勝でラツィオを粉砕、予想外に良いチームであった今シーズンのポルト。準々決勝でリバプールとの激闘を制した、攻守のバランスの良い中にもスコットランドらしい強烈なアタックも見せるセルティック。テクニックのポルトに対してパワーとスピードのセルティックの対決、確かに予想通りの展開であったが、セビリアに集まった両チームの超満員のサポーターに煽られ、予想を上回る激闘となった。チームのスタイルの違いよりは、守り合いと攻め合いの厳しさが目立った。ポルトではポスティガ、セルティックではハートソンが、両アタッカーが欠場、この点では互角。セルティックが勝つ可能性も十二分にあった。ポルトにはデコというタレントを抱え、ゴール前の創造性でセルティックに優ったと言える。だが、セルティックにはラーションがおり、ヘディングによる2ツのゴールが見事。ここ数シーズンの UEFA カップの決勝はエキサイティング、今年も見ている方にも力が入るゲームであった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 5-1 マラガ
2003.5.18
ゴール / モリエンテス(レ)×2、ラウール(レ)×2、ロベルト・カルロス(レ)、サンチェス(マ)
強過ぎるレアル。この状態でユベントスと当たれば、勝ったに違いない?ラウールの得点能力、ゴールを生み出す能力は驚嘆に値する。モリエンテスの決定力も、レギュラーを奪取出来ない方が不思議、というべき程のもの。レアルの優雅かつ華麗な、緩急を付けた攻撃は、まさに芸術。ジダンも強力、フィーゴもユーベ戦での不振がウソのように好調。
UEFA チャンピョンズ・リーグ決勝は・・・ACミラン対ユベントスのイタリア対決
90年代にヨーロッパを席巻したミランとユーベ、2003年に雌雄を決する事となった。同国対決では、ファイナルとしては弱冠興味を削ぐ要素となりそうだが、サスガにこの2チームという事であれば、重みが違う。両者とも欧州での過去の実績は十分であるし、今シーズンも印象的なゲームを多数こなして来ており、ファイナリストといして申し分ない。昨年のレアル対レバークーゼン戦のようには、優勝予想を立てにくい。攻守に世界的なタレントと擁しているという点では互角。ミランのセンター・バックのマルディーニとネスタは、超強力。だが、ユーベのモンテーロとフェッラーラも実力は十分だし、守備陣のコンビネーションでミランを凌ぐか?何と言っても、ユーベのキーパーはブッフォンである。ミランの前線にはシェフチェンコとインザーギで油断も隙もないが、ユーベの2トップはトレゼゲとデル・ピエーロで、ここでは互角?中盤では、ユーベのネドベドの欠場が大きく、ミランのルイ・コスタが仕事をすればユーベには厳しい?ただ、レアル戦でのザンブロッタとダービッツが絶好調で、ユーベは何らかの方法でネドベドの穴を埋めに来るだろうから、ここは最大の見所と言えるかもしれない。カモラネージを先発させて中盤を厚くするか?ディ・バイオを起用して最初から点を取りに来るか(これは無さそう)?ミランは、シーズン序盤に、ラ・コルーニャやバイエルンを粉砕した強さを再現出来るかがカギであろう。
(記2003.5.16)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝 2nd leg
2003.5.14
ユベントス [イタリア] 3-1(トータル4-3) レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / トレゼゲ(ユ)、デル・ピエーロ(ユ)、ネドベド(ユ)、ジダン(レ)
ユーベ、ホームで大逆転の快心の勝利。だがベスト・ゲームと言いきれないのは、レアルが精彩を欠いてしまった事に要因がある。準々決勝でマンチェスター・ユナイテッドを撃破したが、そこで運とエネルギーを使い果たしてしまったか?対ユーベ第2戦でも、ジダンのボール捌き、ロベルト・カルロスの強烈なフリー・キックなど、レアルならではの個人技は見せたが、アウエーでも相手を圧倒するレアルらしい連携がほとんど見られなかった。病み上がりのラウールは、本来の緩急と読みを駆使した天才的なプレーを出せなかった。フィーゴも精彩を欠き、何とPKを外してしまう。中盤で非常に重要なバランサーの役割を担ってきたマケレレも、怪我で欠場。レギュラー・クラスの2〜3人の欠場であってもダメージを最小限に押さえてきたレアルであるが、ここに来てのチーム全体のパフォーマンスの低下が目立つ。ユーベの得点が1点づつ積み重なるにつれて、レアルの勝利が遠のくのが感じられた。実際には、レアルがアウエーでの1点をゲットすれば様相は一転する可能性もあったが、その1点を得る為の最後の一手を繰り出す事が出来なかった。元ユーベのジダンの得点が、ゲーム終了間際でなく先制点であれば・・・。レアルは潔いというか何と言うか、今シーズンは特に、不調であろうと、兎に角攻撃主体でやって来た。普通のチームなら守備固めに入る局面でも、どちらかと言えば攻撃的な選手を使って来た。サイド・バックはロベ・カルとサルガドで続けて来たし、得点力の高いグティを重用した。このゲームでも、攻撃的な姿勢を貫いた。守備的な戦術を使おうとしても、選択肢が無かったとも言えるが・・・。レアルが不調であるのは確かだが、ユーベにとっては今シーズン最高の出来と言えるかも。中盤からレアルの攻撃を寸断、ゴールも最高であった。中盤で目立ったのはダービッツとザンブロッタ。先制点は、ネドベドとデル・ピエーロのパスを、トレゼゲが鋭い反応でゲット。2点目のデル・ピエーロのゴールでは、彼らしい個人技を見せる。デル・ピエーロも、好調時特有の余りにも軽やかなステップを見せる。3点目はネドベドで、ドリブルからの強烈なシュートが鮮やか。だが何とネドベドはイエローの累積でファイナルに出場出来ず。GKブッフォンとディフェンス陣も相変わらず強固。だが何と言っても、シーズンを通して保って来た、攻守のバランスの良さが見事。レアルと比較すれば、どちらかと言えば守備重視ではあるが、ユーベにあってはボール奪取が即攻撃開始のシグナルであり、このゲームでもボール廻しよりはゴールに向かうスピードで勝負という姿勢が目立った。攻守のバランスが良いという事は、チーム内で戦術の意思統一が図られている事であり、前線が好調で決定力があれば、ユーベの方法論が非常に効果的であるという証明になった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝 2nd leg
今日はユベントス対レアル・マドリード
ユーベがレアルに勝つのを見たいが、決勝はミラン対レアルが見たい・・・。
(記2003.5.14)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝 2nd leg
2003.5.13
インテル [イタリア] 1-1(トータル(1-1) ACミラン [イタリア]
ゴール / チェフチュエンコ(ミ)、マーティンス(イ)
イタリア的なゲームとして考えれば勝負は第2戦、だがこれほど激しいゲームになるとは。ボールの奪取は更に激しくなったが、カテナチオの国のディフェンダーはやはりウマく、クリーンであるとは言い過ぎであるが、少なくとも退場者は出ず。荒れ気味になりそうだったゲームは、選手自身とレフェリーにコントロールされた。ミランの中盤、シーズン序盤に猛威を振るった、ピルロ、セードルフ、ガットゥーゾ、ルイ・コスタに戻った。右サイド・バックにはコスタクルタ、年齢の事を全く感じさせないプレー。だがこのゲームでは何よりも、シェフチェンコのダイナミックな動きが目立った。基本的には、素早いボール廻しで主導権を奪おうとするミランに対し、ディフェンスが厳しいインテルが阻止するという流れでゲームが進む。ピルロのパス出しは見事だが、インテルも意地の攻勢を見せる。ディフェンス力は、やはり互角。比較論でいけばミランの勝利は順当と思えるが、インテルの決勝点が生まれる可能性も十分あった。ただ、先発の2トップのクレスポとレコバが不調なのが残念で、交替したマーティンスとカロンの方がコンディションが良かったのかもしれない。結局、シェフチェンコの執念の分だけミランが優ったと言えるか。ゲーム数が多過ぎて冗漫なゲームも多いチャンピョンズ・リーグだが、ファイナル進出がかかると冗漫さは全く消え去った。両チーム共、全力を出し切った。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
マジョルカ 1-3 レアル・ソシエダ
2003.5.11
ゴール / デ・ペドロ(レ,PK)、カルピン(レ)、コバチェビッチ(レ)、エトー(マ)
最近、世界のレアル・マドリーを粉砕した両チーム。マドリー戦で驚異のスピードを見せたマジョルカのエトーが得点したが、強かったのはベスト・メンバーのソシエダ。いつかは脱落するのだろうとの予想を裏切り、いまだに首位戦線に残る。シャビ・アロンソ、カルピン、デ・ペドロ、ニハト、コバチェビッチと、無敵の布陣である。レアル・マドリーが沈みつつある現在、優勝が本当に視界に入って来た。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝 1st leg
2003.5.7
ACミラン [イタリア] 0-0 インテル [イタリア]
第2戦への展望・・・世界が大注目、史上最大のミラン・ダービー!しかし、予定調和なのか、スコアレス・ドロー・・・?ミランにはインザーギとシェフチェンコ、インテルにはクレスポとレコバ。だがやはりカテナチオといえばイタリア、ミランにはマルディーニとネスタ、そしてインテルは何とコルドバとマテラッツィとカンナバーロを同時起用。確かに両チームの守備は固い。カテナチオを打ち破るには、個人技かコンビネーションか、超強力な攻撃力が必要。或いは、攻撃する勇気・・・?準決勝に進出したイタリアの3チームの守備は確かに強固。98年のユーベの決勝進出以降、不振を極めたイタリアのクラブ・チーム、復活というよりは、98年以前よりも一層現実的になったと言える?ミランのシーズン序盤の躍進は鮮やかであった。だがそれは、予備戦を勝ち抜く為にチームの第1のピークを他のチームより早めに作った結果でもあり、最近の戦い方は、ピルロの不振もあるが、やはりイタリア的。インテルの守備重視の戦法は、言わずもがな。ユーベは、ネドベドはさて置き、デル・ピエーロやトレゼゲよりも、守備や中盤の選手の得点の方が印象的。2nd leg には、何を期待したら良いのか?一瞬の個人技や、力ずくの押し込みによる得点は期待出来るであろうが、目立つのは結局、相手に勝利を奪われない為の強烈なプレスの連続であろう。それとも・・・?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝 1st leg
2003.5.6
レアル・マドリード [スペイン] 2-1 ユベントス [イタリア]
ゴール / ロナウド(レ)、トレゼゲ(ユ)、ロベルト・カルロス(ユ)
レアルの圧倒的な攻撃力に、世界最高のディフェンス力を持つユーベがブレーキをかける、ゲームは予想通りの図式になった。ユーベでは、モンテーロとダービッツなど欠場しているがパワー・ダウンは見られず、トレゼゲの復調でレアルにプレッシャーを与える。だがやはりレアルの攻撃は鋭く、ユーベのディフェンスはハード・タックルに頼らざるを得ない。ユーベに退場者が出なかったのは幸運か?ラウールの欠場に加え、ロナウドの負傷退場、3点目が奪えなかった影響は如何?レアル全体に疲労感が見え、1点ビハインドとは言え、2nd leg ではユーベが有利???レアルのフォワードの先発、ラウールの欠場での駒不足もあるが、この重要なゲームにモリエンテスを起用。ロナウドの加入以降、活躍のチャンスを与えられなかったモリエンテスだが、ここでの先発にはある種の感慨も伴う。そして、前線で重用されてきたグティがボランチに。先日のマジョルカ戦で、ホームであるにもかかわらず5失点と大敗を喫したレアル。通常のチームであれば、特にユーベなどだったら、ディフェンスに手を加えて守備から体勢を立て直すのであろうが、レアルは違う。攻撃が好調の選手を起用して来る。ここまでレアルは、アウエーでもどこでも、常に攻撃的な姿勢でゲームに臨んできた。2nd leg では、ユーベに敗れるかもしれない。だがレアルらしく攻撃的に戦い、たとえ負けたとしても華々しく散ってほしい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ、準決勝のカード決定
1st leg --- 5月6/7日
2nd leg --- 5月13/14日
世界最強のレアルの他は、何と全てイタリア勢。ゲーム内容の美しさより、何としても勝利こそ最重要、勝利こそ現実という、セリエAのチームの姿勢が良く出たシーズンとなった。だが、レアルと当たるユーベには、ゲーム内容でも互角にして、面白くして欲しいものだ。
レアル・マドリード 対 ユベントス
やはり興味、レアルの攻撃対ユーベの守備という事になろう。レアルには、ジダンやロベ・カルなどセリエA経験者がおり、ユーベがアウエーで精神的に互角以上にやれば、勝機は見えるだろう。
インテル 対 ACミラン
セリエAでのゲーム以上に世界が注目する事となった、究極のミラン・ダービー、勝敗の予測は不可能。このゲームに関しては、アウエーでの得点が有利になるルールを使わない方が良いのでは?
EURO 2004 予選
ウクライナ 2-2 スペイン
2003.3.29
ゴール / ボロニン(ウ)、ラウール(ス)、エチェベリア(ス)、ティモシュチュク(ウ)
1st ハーフでのウクライナ、スピード、パスの正確さ、パワーで、スペインと互角に渡り合う。東欧独特の、アウエーのチームを圧倒するようなサポーターのプッシュを背景に、ウクライナが先制。だが 2nd ハーフで、守備的になってしまったのか疲れてしまったのか、ウクライナがホーム・チームとは思えないほど自陣に引いてしまった。マンマークでスペインの攻勢をかわそうとするが、そんな相手に対しては逆にスペインが力を出す。ラウールに続き、ベテランのエチェベリアがゴールをゲット。ウクライナは 2nd ハーフの意外に早いタイミングでチェフチェンコを下げてしまい、得点の可能性が減少したように思われたが、タレントはチェフチェンコだけではない。ロスタイムに何とか同点に追いつき、スペインから勝点1を奪えた。2nd ハーフのウクライナのホーム・チームとは思えないカウンター攻撃は少し残念であったが、ゲーム全体を通してみれば、取り敢えずは点数と同じ、互角の内容であったろう。ホアキンやプジョールを欠いてはいたが、勝ち切れなかったスペインにも多少の不満が。
イングランド プレミア・リーグ
トッテナム・ホットスパー 0-2 マンチェスター・ユナイテッド
2003.4.27
ゴール / スコールズ、ファン・ニステルローイ
トッテナムの戸田和幸、マンU戦に先発出場。だが、プレミア・リーグで最高レベルのスピードで、ボールは戸田の左右を通過してしまった。戸田がプレミアのレベルにフィットするのには時間がかかるであろうが、何とか活躍して、日本代表にも定着してほしいものである。スコールズとファン・ニステルローイは、相変わらず凄い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 2nd leg
2003.4.23
ACミラン [イタリア] 3-2 (agg 3-2) アヤックス [オランダ]
ゴール / インザーギ(ミ)、リトマネン(ア)、シェフチェンコ(ミ)、ピーナール(ア)、トマソン(ミ)
比較的クリーンに見えるボール・ゲーム、荒れたバレンシア対インテル戦とは対称的なイメージ、だがよく観察してみれば、1対1の攻防はやはりド突きあいである。ミランの主力に怪我人が多く、ピルロ、ガットゥーゾ、セードルフが不在、おまけにマルディーニがフェイス・ガード着用。左サイド・バックに大ベテランのコスタクルタを投入。アヤックスの若さにミランが押し込まれる事が懸念されたが、ゲームのスピーディな展開では互角。この日も90分間、両チームの選手が走り続けた。アヤックスは、左のファン・デル・ファールトと右のピーナールのサイド攻撃が効果的。ミランの2トップのインザーギとシェフチェンコが絶好調の動きでアヤックスのディフェンスを翻弄。1st ハーフにインザーギが先制、このままミランが守りきると思われた。だが、アヤックスは 2nd ハーフに遂にリトマネンを投入、攻撃の核としての振る舞いが絶大な効果をあげる。そのリトマネン自信がアウエー・ゴールをゲット、ここから地獄のシーソー・ゲームとなった。時間が経過しても、両チームのゲーム展開は素早い。ゲーム終了間際のロスタイム、ゴールを狙い続けたインザーギが執念のシュート、それをトマソンが押し込んだ。僅かながらシュートの精度がミランより落ち、最後の最重要局面で守り固めに徹する事の出来なかったヤング・アヤックス。ミランは強かったが、アヤックスがここまで来て消えてしまうのも、本当に惜しい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 2nd leg
2003.4.23
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 4-3 (agg 5-6) レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / ロナウド(レ)×3、ファン・ニステルローイ(マ)、OG(マ)、ベッカム(マ)×2
レアルのエース、ラウールが盲腸炎!しかもマンチェスターがホーム・ゲーム、奇跡の逆転劇の予感が漂った。だが・・・。ラウールの代役はグティ、だがトップではなく中盤に入った。フラビオ・コンセイソンの替わりに、イングランドのマクマナマンを使うという余裕、若しくは意気なハカライ?アウエーのレアル、ホーム・ゲームと同様にボールを支配。早々にロナウドがファイン・ゴールで先制点をゲット。レアルのアウエー・ゴールを帳消しにし、この時点でトータルでレアルの3点リード、実質的にはレアルの勝利が決まったと言ってよいだろう。しかもロナウドはこの後、ファイン・ゴールを2点も決めてハット・トリック、特に3点目のドライブのかかったシュートには眼が覚めた。ファーガソン監督に最も危険な選手と名指しされたラウールを欠いても、レアルはこの余裕。圧倒的な攻撃力で相手を威圧する事でゲームを支配するマンUであるが、アウエーとホームの180分で、レアルに対して精神的に優位に立つ事が全く出来なかった。ここ数年の間、マンUはレアルに対して分が悪い。最近ではユベントス戦やリバプール戦では相手を圧倒したし、プレミアのライバルのアーセナルとの決戦でも悪くはなかった。対するレアル、ソシエダ戦では惨敗したし、ホームのバルセロナ戦では引き分けて、らしくない姿を見せた。だが、レアル対マンUでは実力差がついたように見える。ナゼか、レアルがボール廻しを開始すると、マンUは魅入られてしまったかのように、劣勢になってしまう。少なくとも、レアルはチャンピョンズ・リーグでの勝ち方を熟知している。負けたとはいえ、ファン・ニステルローイのセンター・フォワードとしての実力には眼を見張るものがある。何かしらのタイトルを取れば、バロン・ドール獲得の可能性もある。ベッカムはサブとしてのスタートであったが、フリー・キックの芸術的な放物線で存在価値を示した。ベッカムの選手としての実力が云々され、賛否両論の意見が見られるが、黄金の右足が最も活きるチームに在籍して活躍した方が良いとは個人的に思う。それがマンUなのかレアル・マドリーであるかは、よく分からない。ベッカムとしては、マンUを離れる事は一つの選択肢ではあろうし、レアルなどでの驚異のクロスを見て見たい気もするが、マンUとしは現在せっかく在籍しているベッカムをミスミス放出すべきでないとは思う。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 1st leg
2003.4.22
バレンシア [スペイン] 1-2 (agg 2-2) インテル [イタリア]
ゴール / ビエリ(イ)、アイマール(バ)、バラハ(バ)
1st leg 以上のド突き合い。ビエリのアウエー・ゴールでインテルが有利に。バレンシアが追い上げた。だが、ここのところバレンシアの決定力は落ちている。カレウとアイマールを中心とした攻撃が単調であるようにも見える。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 2nd leg
2003.4.22
バルセロナ [スペイン] 1-2 (agg 2-3) ユベントス [イタリア]
ゴール / ネドベド(ユ)、シャビ(バ)、サラジェッタ(ユ)
キーパーのブッフォンを中心に、スペインのチームには見られない、格段の守備のウマサを見せるユーベ。だがバルサも守備も良く、ユーベが先制するまでは攻守とも互角。2nd ハーフに両チームが1得点あげてゲームが振り出しに戻ったあと、次第にバルサがユーベのゴール前に迫る頻度が増加する。ハードなタックルで切り抜けようとする中、遂にダービッツが2枚目のイエローを受け退場、アウエーのユーベが決定的に不利であるように思われた。だが自陣ゴール前でのユーベの冷静な対処は変わらない。延長後半、遂にサラジェッタが、ほとんどフリーの状態でボールを受けてゴール。リーガでは不振だが、チャンピョンズ・リーグでは予備戦から無敗を続けてきたバルサ、最も重要なゲームで粘りでユーベに敗れてしまった。セリエAよりリーガ・エスパニョーラの方がレベルが高いという風評を、ユーベが意地で引っ繰り返そうとしているようでもあった。だがユーベのダメージは小さくなく、準決勝の相手がレアルかマンUというのは非常に厳しい。
イングランド プレミア・リーグ
トッテナム・ホットスパー 0-2 マンチェスター・シティ
2003.4
遂に戸田和幸がプレミア・デビュー。ファウラーとアネルカという恐怖の2トップを誇るシティ。スパーズにも、ロビー・キーン、シェリンガム、ポジェ、アンダートンとタレントが居並ぶにもかかわらず、攻められて2失点。中盤の劣勢を挽回する為に、何と 2nd ハーフの頭から戸田を起用。戸田は攻守に渡って活躍。アチラの人と比較して寸胴ではあるのだが、このレベルでも戸田は十分にやっていける事を証明。レギュラー奪取はなるか?
イタリア セリエA 2002-03
ユベントス 2-1 ローマ
2003.4.19
ゴール / デル・ピエーロ(ユ,PK)、デル・ピエーロ(ユ)、モンテッラ(ロ)
右サイドを疾駆するネドベドがゴール前に流し込んだグラウンダーのパスはピンポイント。僅かに左に流れて、"デル・ピエーロ・ゾーン"とまで呼ばれる得意の位置から、確実にゴールをゲット。屈強の中盤を誇るローマをさえ凌駕するユーベの中盤。トッティはファンタジーを発揮し、得意のマイナスのパスをモンテッラに送ったが、ローマの勝ち点はゼロ。ユーベ、アウエーのバルセロナ戦に、この勢いを持ち込めるか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 1-1 バルセロナ
2003.4.19
ゴール / ロナウド(レ)、ルイス・エンリケ(バ)
ゲーム序盤は、例によって主導権をレアルが支配、元バルサのロナウドのゴールでゲームが決まったようにも見えた。だがその後はバルサが盛り返し、元レアルのルイス・エンリケがゴールを押し込んだ。やはり、バルサはレアルの攻勢を防ぐ手段を分かっており、失点を1点に押さえた。チャンピョンズ・リーグの準々決勝の合間のゲームとはいえ、エル・クラシコとなれば両チームとも手は抜けない。レアルほどではないが、バルサにはやはりタレントは揃っている。リーガで13位という順位はこのゲームを見る限りでは不思議だが、ソシエダ、バレンシア、ラ・コルーニャなどの存在を考えると、リーガのレベルの高さを改めて思い知らされる。そして、その頂点にいるのが、現在ではレアル・マドリーなのである。
テスト・マッチ
韓国 0-1 日本
2003.4.16
ゴール / 永井
日本の守備はかなり良かった。韓国にゴール前まで詰められたが、冷静に対処して無失点に押さえた。だがそれよりも韓国の攻撃に、常に日本に驚異を与え続けたスピーディさとパワフルさが欠けていた。日本では、やはり小笠原が司令塔として素晴らしい出来。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・ソシエダ 4-2 レアル・マドリード
2003.4.13
ゴール / コバチェビッチ(ソ)×2、ニハト(ソ)、シャビ・アロンソ(ソ)、ロナウド(マ)、ポルティージョ(マ)
先週はマンチェスター・ユナイテッドをテクニックで圧倒したマドリーだが、何とソシエダに 1st ハーフだけで4点献上。マドリーと違い、ソシエダは休養十分。ソシエダにはデ・ペドロが復帰し左サイドを制圧、右のカルピンとのバランスが戻る。ゲーム開始3分、ナゼかボール・ウオッチャーになってしまったマドリーの守備陣を突いて、コバチェビッチが先制弾。その後もマドリーの守備はシマらず。ニハト、シャビ・アロンソと、役者に決められてしまった。王者を叩いた、見事な攻撃的サッカー。優勝戦線から離脱しかけたかに見えたソシエダだが、このゲームで勢いを取り戻したか。少なくとも、マドリーの弱点を突くのはマンUよりウマい。今シーズンの中では記録的な大敗と言えるマドリーだが、やられている中でも2点取り返すのはサスガといえる?
UEFA カップ 準決勝 1st leg
2003.4.10
FCポルト [ポルトガル] 4-1 ラツィオ [イタリア]
ゴール / クラウディオ・ロペス(ラ)、マニチェ(ポ)、デルレイ(ポ)×2、ポスティガ(ポ)
序盤の"ピオホ"のゴールで、ラツィオがアウエーで強さを見せ付けると思った。だが、その後のポルトが強かった。デコ、デルレイ、ポスティガなどが、思わず笑ってしまうような、流れるような攻撃的ゲームでラツィオを圧倒。デルレイのウマさは予想以上だし、ポスティガは欧州でブレイクする逸材かも。ビッグ・クラブ不在でパッとしない面子が残り興味が薄かった UEFA カップだが、決勝の内容に期待が持てるようになった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 1st leg
2003.4.8
レアル・マドリード [スペイン] 3-1 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
ゴール / フィーゴ(レ)、ラウール(レ)×2、ファン・ニステルローイ(マ)
事実上の決勝とまで言われる、名門チーム同士の激突。ゲーム序盤、マンUはレアルのゴール前まで迫る。お約束とも言うべきレアルの守備のバタバタの混乱のうちにマンUが1点ゲットして先制出来れば、ひょっとしたらゲームの様相は違っていたかも。だが、1st ハーフは完全にレアルのペース。マンUが弱いワケではない、むしろ大健闘と言ってよいかも。普通のチームなら、6対0で負けたであろう。レアルはあまりにも強かった。ここまでウマいチームは見た事がない。バロンドール(欧州最優秀選手)3人、昨年バロンドールを取り損なった男、スペイン代表の得点記録を持つ男、つい先日までスペイン代表得点記録を持っていた男・・・。早く正確で長いワンタッチ・パスの連続。誰にも止める事の出来ないシュート。準々決勝に進出したチームは全て互角であると思っていたが、レアルだけは地球のチームではなかった。ユベントスをホームとアウエーで圧倒し、プレミアでもリバプールを粉砕したマンU。だがこのゲームではキーンは存在感を無くし、ベッカムは必殺のクロスを繰り出そうにもボールを受けられず、ギグスのドリブルも影を潜めた。2nd ハーフ、ファン・ニステルローイが望みを繋ぐアウエー・ゴール。レアルは強かったが、マンUは完敗だけは避けようと、スキがあれば反撃し続けていた。レアルの守備陣を崩す事は、少なくとも攻撃を止める事よりも容易である。マンUもホームでは意地を見せるだろう。宇宙から来たチームでも、敗れる事もある。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 1st leg
2003.4.9
インテル [イタリア] 1-0 バレンシア [スペイン]
ゴール / ビエリ
ホームで負ければアウエーで逆転するのが極めて難しい事をよく認識しているインテル、全力でバレンシアに対峙。久々に揃ったビエリとクレスポの2トップの存在感で1点奪った。このゲームでは、今シーズンのイタリアの復権を感じさせた。インテルはバレンシアとは互角の印象。だが、アウエーで逆転されてしまえば全てが無になってしまう。アイマールとカレウを押さえれば何とかなる・・・?。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 1st leg
2003.4.9
ユベントス [イタリア] 1-1 バルセロナ [スペイン]
ゴール / モンテーロ(ユ)、サビオラ(バ)
厳しいプレッシャーでディフェンスとミッドフィールドで優位に立ったユーベ。チャンピョンズ・リーグで今シーズン無敗のバルサを、力で押さえ付ける。トレセゲなどを欠き決定力に不安のあるユーベ、確かにチーム一丸となって難敵を退けようとする強い意思を感じさせた。だが、イタリア特有の現実的なサッカーで最小得点差で逃げ切ろうという姿勢が強く感じられたし、相手を押さえ込もうとすると、自分達の攻め手のコースも犠牲になって得点の積み重ねの気配が漂わない。逆にバルサに一瞬のスキを突かれ、サビオラのゴール感覚の鋭さを見せ付ける形に。ユーベ、カンプ・ノウで得点出来るか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準々決勝 1st leg
2003.4.8
アヤックス [オランダ] 0-0 ACミラン [イタリア]
遂に始まった、ベスト8の激突。95年の決勝での対戦から早くも8年、両チームとも非常に慎重。守備は厳しく、相手に得点を与えない。この状況でを打開するには相手の守備力を上回る強烈なプレーしかないが、両チームともマサに決定力に欠けた。ホームとアウエーを通じて、アヤックスのイブラヒモビッチやファン・デル・ファールトなどにとっては、真の意味での正念場であろう。だが、90分間持続した両チームの集中力には恐れ入った。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
デポルティボ・ラ・コルーニャ 2-1 レアル・ソシエダ
2003.4.6
序盤はソシエダのペース、攻守のバランスに優り、ニハトのゴールを呼び込む。対する最近不調のラ・コルーニャだが、優勝争いから脱落するワケには行かず、意地で逆転。怪我も癒えた右サイドのマヌエル・パブロの攻守に渡る活躍が目立った。敗れはしたが、ソシエダは完敗というワケではなく、レアル・マドリード戦で勝利出来れば、優勝争いは混沌とするだろう。
イングランド プレミア・リーグ
マンチェスター・ユナイテッド 4-0 リバプール
2003.4.5
ゴール / ファン・ニステルローイ(PK)×2、ギグス、スールシャール
ゲーム開始直後、ヒーピアがペナルティ・エリア内でのファールでレッド・カード、PKを与える。これでオーウェンの代役のバロシュを下げざるを得なくなり、リバプールの得点の可能性が下がる。ヨーロッパ制覇が視界に入ったマンUは安定しており、弱ったリバプールから当然の如く4点ゲット。
EURO 2004 予選
イスラエル 1-2 フランス
2003.3.29
ホーム・ゲームを自国で開催出来ないイスラエル、平和の象徴であるべきスポーツにまでも戦争の影が。相変わらず主力が98年ワールド・カップ優勝組のフランス、難敵のイスラエルと戦うには最強の布陣で望むしかない。先制点はイスラエル、デサイーを一人欠いただけで不安定になったフランスのディフェンスの一瞬のスキを突いた。だが、トレセゲとジダンが世界の技で逆転、2nd ハーフはお約束の省エネ・モード。イスラエルは良いチームであった。攻撃陣に、レビボのような選手がもう一人いれば・・・。
EURO 2004 予選
イタリア 2-0 フィンランド
2003.3.29
ゴール / ビエリ×2
ユベントスでは、カモラネージが右サイドで完全に定着、押し出された形のザンブロッタが左サイド・バックへコンバート。イタリア代表のトラパットーニ監督は、この両者をユーベと同じポジションで起用した。右サイド・バックにはベテランのパヌッチを置き、センターにはネスタとカンナバーロという鉄壁の守備陣。守備の安定の上にカモラネージのサイド攻撃、そして前線にはトッティとビエリという2人の超人がおり、フィンランドの守備陣を圧倒。久々に強いイタリア代表を見た。だが、全く同じ布陣で予選を戦えれば良いのだが、そうはいかない。トッティとビエリが怪我ガチ、この2人が欠けたら戦術は変更を余儀なくされる。現在のイタリアには、弱冠でもレギュラーにアクシデントが出るとすぐにペースを落す傾向がある。予選はまだまだ先があり、強豪のセルビア・モンテネグロと絶好調のウェールズとのゲームを残す。イタリアにとっての屈辱の予選落ちの危険は、去ってはいない。
EURO 2004 予選
オランダ 1-1 チェコ
2003.3.29
ゴール / ファン・ニステルローイ(オ)、コレル(チ)
速くワイドで力強く正確な、オランダの攻撃。局面だけ見れば、昨年のワールド・カップでのブラジルをも凌駕する。スタムとフランク・デブールの守備、ダービッツとセードルフの中盤、クライファートとファン・ニステルローイの前線に、スキは全く無い様に見える。1st ハーフで早くも期待のファン・デル・ファールトを投入、見事なプレーで先制点を引き出した。だが、チェコのウマさも相変わらず。守備は固く、カウンター気味の攻撃はオランダの網をすり抜け、短時間でチャンスを作り出す。コレルの足技で同点、勝ちに等しいアウエーでのドロー。強いオランダ、だが、本番で強豪相手に勝ち切れない最近の傾向。このグループではオランダかチェコのどちらかがプレー・オフに廻ってしまうだろう。選手層の厚さでチェコはオランダに優っているようにも思え、オランダがワールド・カップに続いて出場を逃す事も?
テスト・マッチ
日本 2-2 ウルグアイ
2003.3.28
ゴール / フォルラン(ウ)、中村(日,PK)、レンボ(ウ)、稲本(日)
ゲーム序盤の両チーム落ち着きの無さは、ゲーム開催地の急遽変更を余儀なくした世界的な状況の反映なのであろうか。特に日本代表はかなり力んでいたように見えたが、やはりフォルランのウマさにやられてしまった。通常のフレンドリー・マッチとしては、両チーム共相当真剣にゲームに取り組む様子が垣間見られた。ウルグアイのディフェンスが厳しい。特に 2nd ハーフで、日本の攻勢に対するディフェンスの、相手の先を読んだ1歩前に出るプレーが目を引いた。ファールスレスレのチェックで、相手を威圧する効果も増加する。ユーベのモンテーロのような選手を輩出したウルグアイの、伝統から来るものであろうか。また、鋭いカウンターの局面での各選手の落ち着きも目立った。日本の選手は、技術は進歩したし、フィジカルも強くなり酷い当たり負けも無くなったし、強豪相手でも得点出来るようになったが、相手のミスを突く狡猾さ、必要な時には守り切るという駆け引きのウマさの面で、まだウルグアイとの差があるように思える。だがドーハの悲劇から既に10年、日本代表の進歩は相当加速度的であるとは言える。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 6-1 ラシン・サンタンデール
2003.3.23
ゴール / クライファート(バ)×2、リケルメ(バ)、ハビ・ゲレーロ(ラ)、オーフェルマルス(バ)、メンディエタ(バ,PK)
シーズン前半とは比較にならないほど自由に攻めるバルサのオフェンス。リケルメはキラー・パスを連発、サビオラもゴールは無かったが活躍。だが、ラシンのプレスは弱い。そのラシンに攻められると、バルサのディフェンスは危ない。現在の本当の実力は、ユベントス戦で明かになるであろう。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 2-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ
2003.3.23
ゴール / ジダン、ロナウド
チャンピョンズ・リーグからの脱落でリーガに専念、ガンガン行くと思われたデポルだったが、脱落ガッカリ・モードから脱却出来ず?マカーイとトリスタンも不発、バレロンとルケの投入も焼け石に水。それにしても強いレアル、これが地球のチームなのか?と特に今シーズンは何度言った事か?ロナウドからジダンへアシスト、ジダンからロナウドへアシスト。特に2点目のジダンのパス、止める事の出来る地球人は存在しないであろう。ロベルト・カルロスとサルガドの両サイドも攻めまくり。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 6節
2003.3.19
ニューカッスル・ユナイテッド [イングランド] 0-2 バルセロナ [スペイン]
ゴール / クライファート、モッタ
勝利が必要なニューカッスルに対し、全く冷静なバルサ、スキをついての2得点。改めて良く見れば、やはり全員が百戦錬磨の選手であるバルサ、普通にやればニューカッスルも寄せ付けないという事なのか?国内リーグで力なく敗れ去るバルサとのギャップが、本当に不思議。
UEFA チャンピョンズ・リーグ、準々決勝のカード決定
1st leg --- 4月8/9日
2nd leg --- 4月22/23日
2週間もすればチームのコンディションも変化するので、予想も難しい。特に今シーズンは、8チームの実力の拮抗度は稀に程である。
レアル・マドリード 対 マンチェスター・ユナイテッド
優勝候補同士が早くも激突。得点力が優るレアル有利に思えるが、ユベントス戦で見せた冷徹なゲーム運びを貫徹すれば、マンUにも勝機あり?
インテル 対 バレンシア
攻守のバランスが良く得点力も増加したバレンシアが有利?だがインテルも守備力は高く、前線にはビエリがおり、クレスポが戻れば1次リーグでの爆発が蘇るかも。
アヤックス 対 ACミラン
95年決勝のカードが再び。シーズン序盤と比較して得点のペースが落ちたミランが、2次リーグでは粘って守り勝ちの連続。ヤング・アヤックスも、勢いだけではない真の実力を持つ事を証明。だが2次リーグでのアヤックスは、確かに3チームとも難しい相手ではあったが、引分けが多く勝ち切る事の出来ないチームとの印象も弱冠残る。ミラン有利に思えるが、勝敗よりもゲーム内容に注目が集まる。
ユベントス 対 バルセロナ
最も予想が難しい。確かにチャンピョンズ・リーグで絶好調のバルサだが、多少はカードに恵まれている。ユーベを粉砕出来れば、欧州制覇が視界に入る。現在のユーベは優勝候補とは言えないが、バルサに大勝すれば評価が変わる。欧州制覇に集中するバルサが有利か。
UEFA カップ 準々決勝 2nd leg
2003.3.20
リバプール [イングランド] 0-2 (agg 1-3) セルティック [スコットランド]
ゴール / トンプソン、ハートソン
1st leg の激闘が再び。ボールの支配率はリバプールは弱冠高そうだが、セルティックの攻守のバランスとキレが素晴らしく、アウエーでも負けていない。1st ハーフ終了間際、リバプールが与えてはいけない先制点をトンプソンが奪う。ゴール目の前、壁の足元を狙ったフリーキックに、キーパーのデュデクは動けず。2nd ハーフ、決定的なチャンスを少ないリバプールに対し、ゲームを決定付ける2点目をハートソンのファイン・ゴールが出た。ラーションも好調。結果としては、リバプールの攻撃陣の不調というよりは、セルティックが集中してよく守ったという事であろう。今シーズンのセルティックは、実に良いチーム。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 6節
2003.3.19
ローマ [イタリア] 1-1 アヤックス [オランダ]
ゴール / ファン・デル・メイデ(ア)、カッサーノ(ロ)
ゲーム開始から僅か40秒、ファン・デル・メイデの眼の覚めるようなファイン・ゴール。カッサーノに1点返されたが結局ドロー、アヤックスの2次リーグ突破が決まった。これまでの戦いぶりは実に素晴らしかった。スピーディなゲーム展開、全員守備全員攻撃、アウエーでも崩さない攻撃の姿勢。レギュラー選手のほとんどが20歳前後だが、チームとして完成されており、若さによるスピードと持続力が全てプラスに作用する。思えば、1995年に欧州を制覇した、リトマネン、クライファート、ダービッツ、デ・ブール兄弟などを擁したチームも若かった。選手の年齢が若くても大会を勝ち抜ける力の源泉はやはり、伝統という無形の要素なのだろうか。ベスト4に進出するにはプラス・アルファが必要だが、それは多分、本人達にも分からない未知の要素だろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 6節
2003.3.19
バレンシア [スペイン] 2-1 アーセナル [イングランド]
ゴール / カレウ(バ)×2、アンリ(ア)
プレミア・リーグでは圧倒的な強さで首位を走るアーセナル。個々の選手のポテンシャル、強靭な守備、スピーディでパワフルな連携、ビューティフルなゴール、強い時のアーセナルは本当に強い。優勝候補の一角のアーセナル、チャンピョンズ・リーグ2次リーグ敗退。この大会の難しさとグループの他のチームの出来を見れば納得出来なくはないが、強い時のアーセナルのイメージが焼き付いているだけに、不思議な感じである。彼らは何かを間違えたのか?チャンピョンズ・リーグでは結局、マンチェスター・ユナイテッドに遅れをとってしまった。プレミア・リーグのチームもヨーロッパの大会でいよいよ力を出して来たが、今シーズンに2次リーグを突破したのはマンUのみ。マンU以外の戴冠する可能性の高いイングランドのチームは、明かにアーセナルであるのだが・・・。序盤から攻めるアーセナル、チャンスは何度かあった。だが、普段よりも一層プレッシャーを強く掛けるバレンシアが徐々にペースを掴んだ。タイトな守備、ワイドなサイド攻撃、そしてアイマールのファンタジーとカレウの決定力、最も重要なゲームで真の実力を発揮したのはバレンシアであった。左ウイングのキリ・ゴンザレスの怪我による長期離脱は痛いが、ビセンテが運動量とテクニックでアーセナルの守備陣を翻弄した。しかし何よりも大きかったのはカレウの2得点、ポテンシャルの高さに結果が伴うようになってきた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 6節
2003.3.18
ロコモティフ・モスクワ [ロシア] 0-1 レアル・マドリード [スペイン]
ゴール / ロナウド
既に2次リーグ敗退が決定、失うものは何も無いロコモティフ、ホームでディフェンディング・チャンピョンを迎える光栄を得る。序盤からボールを支配し積極的に攻めるが、得点はない。逆に、一発の逆襲からあまりにも見事な連携から、ロナウドのヘディングによる得点へ。チャンスの活かし方とパスの精度の違いを、イヤというほど見せ付けられてしまった。未来のロシア代表を担うイズマイロフを擁するロコモティフは好チームであろうが、今シーズンの2次リーグは全般的に非常に厳しかった。特にこのブロックでは、ロコモティフ以外の3チーム全部が過去のチャンピョン・チーム、サスガに荷が重い。
イングランド プレミア・リーグ 2002-03
トッテナム・ホットスパー 2-3 リバプール
2003.3.16
タリッコ(ト)、オーウェン(リ)、ヘスキー(リ)、ジェラード(リ)、シェリンガム(ト)
UEFA カップのセルティック戦の激闘から僅か中2日で、難敵トッテナムとアウエーで当たる。難敵とは言っても、キーンやアンダートンなど多数の怪我人を抱えてトッテナムは苦しい。堅守が売りのリバプールだが、疲労とアンショズ不在の為か、守りに精彩を欠いている。そんなリバプールを救ったのが怪童ジェラード、驚異の運動量とスピードに、2アシストと得点と活躍。
イタリア セリエA 2002-03
キエーボ 0-4 パルマ
2003.3.16
中田英寿、久々のゴール。監督とポジションを巡って論争した中田であるが、得意のトップ下でなく従前の右のフォワードで仕事人ぶりを発揮した。少なくとも、現在のパルマの右フォワード位置は、セリエAで上位を狙うチームにとって極めて重要なポジションであり、そこで中田は実力を十二分に見せている。だが、中田がトップ下に入ってキラー・パスを連発するのを見たいし、オプションとして違うフォーメーションがあっても良いと思うのだが。キエーボは、怪我人等で先発メンバーが落ちると、やはり力が落ちてしまう。好調のパルマに飲まれてしまったし、ゴールをフレイに阻まれてしまった。
UEFA カップ 2002-03 準々決勝 1st leg
セルティック [スコットランド] 1-1 リバプール [イングランド]
2003.3.13
ゴール / ラーション(セ)、ヘスキー(リ)
"バトル・オブ・ブリテン"、このカードは見逃す事は出来ない。90分間、ボールは非常な勢いで廻され続けた。序盤の両チームの2得点に、選手の舞い上がり方が垣間見えた。ゲームが落ち着くと、相変わらずのリバプールの守備の固さが目立った。プレッシャーからのボール奪取力で、セルティックを圧倒する。ハマン、ジェラード、リーセだけでなくオーウェンまで、手を抜く事もなくボールを追う。だがセルティックも負けてはいず、2トップの力はリバプールを凌駕するかも。セルティックがアウエーでリバプールを破るのは非常に難しいであろうが、UEFA カップも準々決勝、何かあるかも。
UEFA カップ 2002-03 準々決勝 1st leg
ラツィオ [イタリア] 1-0 ベシクタシュ [トルコ]
2003.3.13
ゴール / シモーネ・インザーギ
個々の選手のポテンシャルは、ラツィオが上回るであろう。だが、あのイルハンを擁するトルコのベシクタシュ、トルコ代表チームやガラタサライにも共通するものがある、組織的で攻撃的なチーム。ホームに帰れば違った面を見せるかも。ホームのラツィオはゲーム内容ではリードしたが、微妙な点差で終ってしまったのは痛い。2nd leg が楽しみ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 5節
ユベントス [イタリア] 3-2 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
2003.3.12
ゴール / フェラーラ(ユ)、トリスタン(ラ)、マカーイ(ラ)、トレセゲ(ユ)、トゥドール(ユ)
やはり、ラ・コルーニャの攻撃は、流麗さではユーベを上回っている。2つのゴールは共にファイン・ゴール。だが、勝ちに行ったユーベのパワー・プレー、イタリアのチーム特有の強さを見せた。例え流麗さに欠けるとしても、厳しく守って攻める。ゲーム内容でラ・コルーニャは、ユーベに負けているようにも見えなかった。ラ・コルーニャがここで消えてしまうとは、実に惜しい。現在のユーベには、様々な意味で、やはりデル・ピエーロが必要。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 5節
レアル・マドリード [スペイン] 3-1 ACミラン [イタリア]
2003.3.12
ゴール / ラウール(レ)×2、リバウド(ミ)、グティ(レ)
2次リーグ突破を決めたミラン、当然の如く主力を温存、ラウルセン、レドンド、ダッラ・ボーナなどを出して来た。だが世界の注目を集める一戦だけに、ミランとしては手を抜くワケには行かない。メンバーは落としても、勝ちに行ったのはサスガではある。勝利が絶対に必要なレアルは当然全力、僅かでも力の落ちるミランを攻める。ラウール、ジダン、それに久々にフィーゴが好調。ここに来てラウールが絶好調なのは、レアルにとっての朗報。サブのグティがまたも得点。エルゲラが戻って万全の体制を整えつつあるレアル、2次リーグで苦戦したが、それでも優勝候補から外せるワケがない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 5節
インテル [イタリア] 2-2 ニューカッスル・ユナイテッド [イングランド]
2003.3.11
ゴール / シアラー(ニ)×2、ビエリ(イ)、コルドバ(イ)
トーナメント進出を賭けて負けられない両チーム、意地の張り合いという点では互角。だが、インテルのチーム・コンディション、怪我人が多く万全ではない。特にフォワード、バティストゥータはレギュレーションにより出場不能、クレスポ、レコバ、カロンまで不在。最後に残ったビエリのワン・トップでは、なかなか決定的な攻撃の形が作れず、そのスキをついてニューカッスルが攻勢に。それにしても素晴らしいシアラーのポジショニングと決定力、ゴール感覚の鋭さは全盛期を凌駕しているか?インテル、コルドバのゴールでやっと同点に追い付いたが、ビエリが何とイエロー・カードの累積で2次リーグの最終節は出場停止。得点出来るのか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 5節
アヤックス [オランダ] 1-1 バレンシア [スペイン]
2003.3.11
ゴール / キリ・ゴンザレス(バ,PK)、パサネン(ア)
ここで相手チームを叩いてグループで優位に立ちたい両チーム、特にアヤックスは勝てば2次リーグ進出。だが両チームの力は互角、守りと攻撃のバランスを崩すワケには行かない。ゲームにスピードが感じられなかったのは、潰し合いの結果というよりは、シーズンの疲れが出ている?意地のぶつかり合いというよりはアセり?1対1のスコアは妥当なところで、結末は最終節に持ち越された。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2002-03
レアル・マドリード 4-1 ラシン・サンタンデール
2003.3.9
ゴール / フィーゴ(レ,PK)、ジダン(レ)、ナフティ(ラ)、ポルティージョ(レ)、グティ(レ)
イエーロとエルゲラが欠けてしまう非常事態、センター・バックに新鋭ルベンを登用。ミスによる失点もあったが、驚異の攻撃的サッカーでカバーしてしまうのがレアルらしい。ビッグ・クラブが、経験の浅い選手をいきなりセンター・バックに据える事など、セリエAでは考えられないが、世界のレアルとしては、ラシン戦あたりしか経験させるゲームがない?2nd ハーフから登場の、ポルティージョとグティの仕事人ぶりはサスガ。特にボランチの位置に入ったグティ、レアルのボランチでも十分いける?
イタリア セリエA 2002-03
ウディネーゼ 2-3 レッジーナ
2003.3.2
ボランチの位置に入った中村俊輔、長く低く早い後方からのパスがボナッツォーリのヘッドへ、まるで入るのが当然であるかの如くゴールへ。チームと中村が待望していたターゲットマンへのボールの供給が、このゲームで生きた。ディ・ミケーレなどのスピードも、以前よりも効果的。中村の動きとパスは相変わらず素晴らしいが、ビッグ・クラブを粉砕するゴールも見たい。
イングランド ワージントン・カップ 2002-03 決勝
リバプール 2-0 マンチェスター・ユナイテッド
2003.3.2
ゴール / ジェラード、オーウェン
リーグ・カップ戦の決勝、リバプールが本来の持ち味を発揮した。ハマンとアンショズが先発、ベスト・メンバーが揃ったのは大きく、プレミアでの不調を全く感じさせなかった。固い守りから、スピーディーで力強い攻撃で得点という、最も得意なパターン。特にハマン、ディフェンダーからボールをかっさらいオーウェンへ2点目のアシスト、攻守に大活躍。キーパーのディデクも当たっていた。マンUは、キーンを中心に相変わらずクールに対処。だが、得点チャンスをモノに出来ず、FAカップに続いてタイトルを逃す。クールなゲーム運びも、単なるニヒリズムにイメージが変化してしまう?ユベントスを圧倒したマンUでも、相手が強豪だと、3試合続けてウマく行くとは限らないという事か。
イタリア セリエA 2002-03
ユベントス 3-0 インテル
2003.3.2
ゴール / OG、ネドベド、カモラネージ
ここのところ、ビッグ・クラブ対決で意外に点差が開くゲームが目立つ。インフルエンザの蔓延中にマンチェスター・ユナイテッドとの2連戦とアンラッキー、大きなダメージを蒙ったユーベ。だが、インテルを相手に攻守ともに完璧なゲームで体勢を立て直した。ネドベドが相変わらず絶好調、トレセゲとディ・バイオの2トップのコンビネーションもまずまず、カモラネージとテュラムが交互に攻める右サイドが驚異。対するインテルは、怪我人が多いのも確かだが、連携の点でユーベに遅れをとった。バルセロナとの2連戦のダメージを払拭出来なかった。インテルとミランがシーズン前半を引っ張ったセリエAだが、本命はやはりユーベなのか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2002-03
アラベス 1-5 レアル・マドリード
2003.3.1
ゴール / ロナウド(レ)×3、ラウール(レ)×2、イバン・アロンソ(ア)
ボールを完全に支配、相手の力が落ちていれば自分達のゲームを遂行可能なレアル。マケレレ不在も、フラビオ・コンセイソンとカンビアッソがいるので穴にはならない。フィーゴの役割も、ミニャンブレスがソツなくこなした。ロナウドとラウールのゴール感覚にも陰りがない。激闘の続くレアルにとっては、一息つけて助かったゲームであったが、アラベスの意地も見たかった。だが、レアルは強過ぎた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 4節
ユベントス [イタリア] 0-3 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
2003.2.25
ゴール / ギグス×2、ファン・ニステルローイ
久々に見た、満員のデッレ・アルピ。ホームのユーベをサポートすると言うより世界のマンUを見る為に来たという感じ、地方のクラブがビッグ・クラブを迎えるという雰囲気。ゲームの趨勢は、キック・オフの前から決まっていたのかもしれない。ゲーム序盤、いや全体的には、両チームがお互いの実力を認め合った、慎重かつクリーンなゲーム運びに終始した。だが勝敗を決めたのは、マンUの3得点。3点とも、ユーベのミス絡み。局面局面だけ見れば、実力差は然程感じさせなかった。だが明かに、パフォーマンスの出来、慎重さと巧みさではマンUが上回り、得点差は順当なものであったと言える。ギグスやベッカムのネガティブなウワサは、少なくともピッチ上では微塵も感じさせず、逆に結束力でもユーベを凌駕しているように見える。特にベッカムのパフォーマンスには注目が集まったが、クロスは相変わらずピンポイントの連続だし、セリエAのクラブからの不用論を超越した落ち着きを感じさせた。ベロンが今やチームに完全に馴染み、キーンも復帰した現在、マンUは万全の体制となっている。この強いマンUでも、ビッグ・イヤー獲得は極めて難しい。だが、現時点では明かに優勝候補の一角にあるのは間違いない。ユーベの敗戦は実力の差というより、ブランド力の差を感じさせた。何もブランドのイメージだけで勝敗が生じるワケではないのだが、何年か前はユーベのブランド力は世界一であったように思える。どこへ行っても人気があり、どんな相手にでも勝ちにいき、自分達のイメージ通りに勝利する事が出きる、この課題を現実のものにしているのは、レアル・マドリードとマンUしかない。ユーベがビッグ・イヤーを獲得してから幾年月が経過、セリエAのクラブ・チームはスペインやイングランドに完全に遅れをとっている。今シーズンはミランやインテルも好調であるし、優勝の可能性もある。だが、イタリアのチームがマンUやレアルを凌駕し、隆盛を取り戻すにはまだ時間がかかるであろう。ユーベが、セリエAの欧州再制覇の牽引車になるべきなのは言うまでもない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 4節
ボルシア・ドルトムント [ドイツ] 1-1 レアル・マドリード [スペイン]
2003.2.25
ゴール / コレル(ド)、ポリティージョ(レ)
ドルトムント、ロシツキを欠くが、たとえ相手がレアルであってもホームで勝ち点3が欲しい。前節のアウエー戦に続き、コレルが先制。それ以降にもドルトムントにチャンスが何度もあったが、それらをモノに出来なかった事が最後に響く。2nd ハーフはレアルが圧倒的な攻撃に出る。ロスタイムに、パボンを下げてポルティージョを投入、それが当たった。結局レアルは強かった??ポルティージョは、ラウルを凌ぐと言われるゴールのセンスを徐々に見せつつある。
ドイツ ブンデスリーガ 2002-03
カイザースラウンテルン 2-0 ハンブルガーSV
2003.2.22
ゴール / ロクベンツ、クローゼ
久々に見たカイザースラウンテルン、最下位の絶不調との事だが、このゲームに関しては悪くなかった。2トップが得点したし、これまた久々に見たクローゼは日韓ワールド・カップの好調を持続しているように見える(浦島太郎状態?)。アウエーのハンブルガーの不調にも助けられたのか。相変わらず、高原と周囲との関係は良くない。マハダビキアだけでなく、バルバレスやカルドーソとの関係も良くならなければ・・・。カーン相手の初ゴール以降で更に、信用に結び付くスーパー・プレー、いや、やはりゴールが見たい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 3節
アーセナル [イングランド] 1-1 アヤックス [オランダ]
2003.2.18
ゴール / ビルトール(アー)、デ・ヨンク(アヤ)
各選手の強いフィジカルとスピード、圧倒的な攻撃力によって、早くも4分でアーセナル先制、大量得点による勝利を予感させた。だがアヤックスは、チーム力ではアーセナルに負けてはいなかった。1st ハーフで同点に追い付く。両チームともゲーム終了まで運動量が衰えないのには恐れ入った。それは主に、アヤックスの平均年齢が22歳であるという若さによる。アヤックスの優勝の可能性は高くはないであろうが、勢いがどかまで持続するかは、本当に見物である。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 3節
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 2-1 ユベントス [イタリア]
2003.2.19
ゴール / ブラウン(マ)、ファン・ニステルローイ(マ)、ネドベド(ユ)
マンU対ユーベ、注目の2連戦。FAカップ、アーセナル戦で不甲斐ないゲーム内容の末に敗退したマンUの選手に対して怒り心頭のファーガソン監督、蹴飛ばしたシューズがベッカム様の顔面へ当って負傷!大事なユーベ戦を控えてチームの状態が懸念されたが、杞憂に終った?ベッカムの働きは全体的にはイマイチだったが、肝心な場面でのクロスの正確さは健在、アシスト2ツ。開始4分でのブラウンのゴールは、ホームのマンUにとっては大きかった。不調のユーベに対して、慌てずいつも通りにゲームを支配。対するユーベ、デル・ピエーロの負傷に加え、インフルエンザでブッフォンなどが欠場の非常事態。確かに敗戦は痛いが、シャカリキには来ないマンUに対して、敗戦によるダメージは小さかった。逆に、先発のサラジェッタのダイナミックな動きが目立つくらい。ユーベのチャンスも何度かあった。この節で、何とラ・コルーニャがバーゼルに敗戦、マンUとユーベにとっては朗報。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 3節
レアル・マドリード [スペイン] 2-1 ボルシア・ドルトムント [ドイツ]
2003.2.19
ゴール / コレル(ド)、ラウール(レ)、ロナウド(レ)
ホームでのレアルはやはり押し気味。だが、前線タレントが危険なドルトムント、ブラジル勢がかき回して、ロシツキからコレルにラスト・パスが通るという必殺パターンで先制。対するレアル、強力なドルトムントのディフェンダーに対して、ラウールとロナウドという2人のゴール・マシーンの何とも言えない見事なゴールで逆転。ドルトムントの前線は確かに油断ならないが、場数は豊富なレアルのディフェンスにとっては単調だったのかもしれない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 3節
バルセロナ [スペイン] 3-0 インテル [イタリア]
2003.2.18
ゴール / サビオラ、コクー、クライファート
バルサ、遂にチャンピョンズ・リーグ11連勝。今シーズン最大のミステリー、チャンピョンズ・リーグで圧倒的に強く、国内リーグで絶不調のバルサ。単純に考えれば、やはりリーガ・エスパニョーラのレベルが高いという事。バルサは、チャンピョンズ・リーグでは、ソシエダともセルタともベティスともマラガとも当たらないし、2次リーグまではレアルとバレンシアとラ・コルーニャとも当たらなくて済む。イタリアの強豪のインテル相手に、快適にボールを廻す。ファン・ハール監督に先発を外されていたサビオラが、先発は当然の選手である事を見せ付ける、鮮やかな活躍。1点目は、彼らしいスピードに乗った突破からの得点。3点目もアシストはサビオラ。アンティッチ監督、オーフェルマルスを右のフォワードに使うという、意外だが効果的な配置、これも監督交替の効能なのか??そして右サイド・バックとしての守備範囲から大きく踏み出して、縦横の活躍を見せるプジョール。リーガでの不振を全く感じさせないスムースな連携で、インテルを粉砕したバルサ。もはやリーガでの優勝を考えなくとも良い(?)バルサは、最大の優勝候補なのかもしれない。インテルは、やはりクレスポの不在が大きかったか?ホームでのバルサに対する逆襲はあるか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2002-03 2次リーグ 3節
ローマ [イタリア] 0-1 バレンシア [スペイン]
2003.2.18
ゴール / カレゥ
相変わらず渋過ぎる、攻守のバランスの良いバレンシア、アウエーで理想的なゲーム展開。トッティが不在で攻撃の核を欠くローマは、冴えない。
イタリア セリエA 2002-03
ACミラン 2-2 ラツィオ
2003.2.16
ゴール / スタンコビッチ(ラ)、クラウディオ・ロペス(ラ,PK)、インザーギ(ミ)、リバウド(ミ)
今年に入ってから、どうも冴えない両チーム。特にミラン、1st ハーフは攻め込まれ、2失点。ところがミラン、ハーフ・タイムでアンチェロッティ監督から激を飛ばされたのか、
強烈に攻めまくり、同点に追いつく。さすがにミランは強いが、出来るのだったら最初からやってくれよ、と言いたくもなる。ミランはシーズンの始めにチャンピョンズ・リーグの予備戦があってチームのピークが早い時期にあり、この時期にペースが落ちるのは仕方のないところ。ラツィオも、今シーズンのネガティブな予想をはね返そうと、力を出し切ろうとしているのであろう。何にしても、両チームとも残りのゲームについても、このゲームのように頑張って面白くして欲しいものだ。
ドイツ ブンデスリーガ 2002-03
ハンブルガーSV 2-0 ヴォルフスブルグ
2003.2.15
ゴール / カルドーソ、ベンジャミン
元バイエルンのベテランのエフェンベルグを擁するヴォルフスブルグをホームに迎えた、高原直泰のハンブルガー。ドイツらしい、早く強烈なパスの応酬、スペインなどのような細かいパス交換は少ない。その中で、イランのマハダビキアは、ドイツ的なプレー・スタイルを確立している。このゲームでもアシスト、右ウイング的な位置からの強烈なクロスを送る。精度の高いクロスが高原にも送られるが、積極的に高原にボールを送ろうとするのはマハダビキアだけの為、高原がチャンスを掴む場面は多くない。高原のデビューから4試合、パターンを確立するのはまだまだ先かもしれない。高原は、日本人のフォワードとしては貴重なオールラウンダーだし、ボール捌きも巧みな為に、チャンス・メイカーの役割も積極的に行なっているが、異郷のドイツでは実力をアピールする為に、もっと前線への張りつきを徹底した方が良いようにも思える。フィジカルが強いので競り負ける事が無いのも良いし、今後は得点チャンスも増えるであろう。だが、フォワードは得点だし、今からでもエゴイスティックにやってもよさそうだ。
フレンドリー・マッチ
フランス 0-2 チェコ
2003.2.12
ゴール / グリゲラ、バロシュ
中盤にネドベド、ロシツキ、ポボルスキーなどが居並ぶチェコ、最近の代表チームとしては珍しい位に組織的に攻め、チャンスの数でフランスを上回った。右サイド・バックに入ったグリゲラが攻守共に素晴らしく、ジダンからこぼれたボールを奪って、どちらがジダンか分からないくらい見事なミドル・シュートを決めた。これで 1st ハーフのペースをチェコが完全に握った。2nd ハーフにフランスは攻勢に出たが、ワールド・カップのセネガル戦のように、チャンスを決められない。逆に、バロシュに一発食ってしまった。2nd ハーフ開始早々にピレスとトレゼゲを入れてベスト・メンバーを揃えたが、これはユーロ 2000 でのベスト・メンバーなのでは??確かにジダンは欠かせないし、デサイーの経験も捨て難いし、アンリやトレゼゲの全盛期はこれからだろう。だが、現在行なわれているユーロの予選を勝ち上がったとしても、本番は大丈夫なのか?新たな世代の台頭はないのか?
オランダ エール・ディビジ 2002-03
アヤックス 1-1 フェイエノールト
2003.2.9
ゴール / イブラヒモビッチ(ア)、ファン・ペルジー(フ)
オランダ・リーグらしい、ボールの展開が早い、パスを主体としたゲームを見る事が出来る。特に、アヤックスのスピーディなゲーム運びが鮮やか。
フェイエノールトも闘志では負けていない。だが両チームとも、1点取った後は決め切れず。特にフェイエノールトは、ファン・ホーイドンクにボールを任せてアヤックスに脅威を与える展開が出来ず。小野伸二も、相手がアウエーのアヤックスである事もあり、最前線に進出する機会は少なかった。
ドイツ ブンデスリーガ 2002-03
バイエルン・ミュンヘン 1-1 ハンブルガーSV
2003.2.9
ゴール / ピサロ(バ)、高原(ハ)
高原直泰、バイエルンから初ゴール。久々に見たバイエルン。1st ハーフにハンブルガーを押し込んで攻勢に出たが、惜しいチャンスが多数あったにもかかわらず1点のみ。攻撃陣が不調なのかもしれない。ハーグリーブスなどは良かったが、後方からの爆発的な押し上げが武器のバラックが欠場なのが痛い。ハンブルガーのキーパーが良かったのもあるが。2nd ハーフ、ハンブルガーの逆襲の回数が増える。ゲーム終了に向かって、高原がペナルティー・エリアに侵入する頻度が増し、ロス・タイムに遂にマハダビキアのクロスにヘッドを合わせた。ゴール・ゲッターらしいゴール。そしてカーンの、なんと800分に到達しようとしていた長時間無失点の記録の更新をストップさせた。チームに信頼されれば、シーズンの半分で二桁得点の偉業も可能かもしれない。それにしても、少なくとも日本では、バイエルンのダイスラーの復帰のニュースは霞んでしまった。
イタリア セリエA 2002-03
レッジーナ 3-1 ペルージャ
2003.2.2
パルマから、ボナッツォーリという前線のターゲットを獲得し、突如機能し始めたレッジーナの攻撃。一人分、後ろに下がった形の中村俊輔。トップ下を外されたというよりは、中盤の底からのゲームの組み立てを期待されての布陣か?ミランのピルロのように機能するか?結果は、試合開始10秒で出た。中村が起点、後方パスからのボールを活かしての先制点。中村のボール捌きは益々冴え渡る。レッジーナの好調は今だけかもしれないが、ミランやインテルに焦りを感じさせる位の勝負を見たい。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2002-03
ベティス 1-2 デポルティボ・ラ・コルーニャ
2003.2.2
ゴール / ディエゴ・トリスタン、マカーイ
開幕で激闘を演じた両チーム、リーガ折り返しを迎えると、状況は大きく変化していた。長く正確なパスが飛び交うスペクタクルなゲームではなく、守備の厳しさで相手の良さを抑えようとする、多少イタリア的な内容か。ベティス、アルフォンソなど怪我人を多数抱え、開幕時のハイ・ポテンシャルから幾分ペース・ダウンしている。特にアルフォンソの欠場は痛い。対するラ・コルーニャも、バレロンとフランという2大司令塔などを欠いて苦しいハズ。だが、2トップが共に得点、布陣を変えても結果を出すところが、チャンピョンズ・リーグ出場チームらしい。
ドイツ ブンデスリーガ 2002-03
ハンブルガーSV 2-0 ブレーメン
2003.2.2
ゴール / バルバレス
高原、2nd ハーフに入ると、良いパスを何本か出す。まだまだチームに馴染んでいるとは言えないが、リーグ2試合目で徐々に持ち味を出しつつある。早く、パスの受け手としてスタイルを確立して欲しい。
ドイツ ブンデスリーガ
ハノーファー96 2-2 ハンブルガーSV
2003.1.25
高原のデビュー・ゲーム。1st ハーフはサスガに十分な動きが出来なかったがチームのパフォーマンス全体が不調であった。2nd ハーフの同点ゴールは、相手ゴール付近での、高原のマハダビキアとのワン・ツーが結果結びついたもの。高原は、ドイツで十分出来る。
イタリア セリエA
インテル 3-0 エンポリ
2003.1.26
ゴール / ビエリ×3
インテル、1st ハーフは、エンポリの相変わらず鋭い攻撃的差サッカーに幻惑され、攻め切れなかった。中盤にモルフェオ、セルジオ・コンセイソン、エムレなど、スピードとテクニックを武器とする選手を同時に起用。だが2トップは、ビエリと、電撃的にローマから移籍して来たバティストゥータと、共に 185cm の超重量級。世界の十指に入る決定力を誇る2トップがどの様に機能するか、注目。結果は、2nd ハーフに出た。バティもアシストを記録、中盤のスピーディな動きと、前線の2ツとの目標の関係が、良く機能したように見える。インテル、このゲームでは良かったが、ユーベやミランと比較すると、良いゲームと悪いゲームの差がハッキリし過ぎているような気がする。クーペルのサッカーは、スペイン時代からこの傾向があるかも。負けゲームでのダメージを少なくすれば、タイトルの可能性も高まるだろう。
イングランド プレミア・リーグ
リバプール 2-2 アーセナル
2003.1.29
ピレス(ア)、リーセ(リ)、ベルカンプ(ア)、ヘスキー(リ)
やはり強いアーセナル、特にベルカンプの創造性は素晴らしく、超人の集団の中でもその存在は強く光っていた。ジウベウト・シルバやアンリなども悉く好調、リバプールを押していた。最近は勝ちに見放されて、マサにどん底を見てきたリバプールだが、リーセとヘスキーがチャンスをモノにし、ホームの敗戦を免れた。先発のキーパーのデュデックも、意地を見せた。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
アトレティコ・マドリード 1-2 レアル・ソシエダ
2003.1.25
タイフン(ソ)、ルイス・ガルシア(ア)、コバチェビッチ(ソ)
両チームとも、ゲーム序盤から飛ばす。ボールがよく廻り、相手の機先を制しようと走りまくる。スペイン・リーグのレベルの高さを見せつける。2nd ハーフの序盤に1点づつ取り合ったが、伝家の宝刀コバチェビッチのヘディングでソシエダの勝ち越し。その後は、ソシエダがビッグ・クラブのような落ち着きでアトレティコの攻撃を凌ぐ。アルベルティーニのフリー・キックも決まらず。難敵アトレティコをアウエーで下してまたも勝ち点を重ねたソシエダ、勢いが衰える気配もない。主力選手のコンディションだけが心配、このまま逃げ切ってリーガを面白くしてほしいものだ。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 2-2 アトレティコ・マドリード
2003.1.19
マドリード・ダービー
ゴール / ハビ・モレーノ(ア,PK)、フィーゴ(レ)、フィーゴ(レ,PK)、アルベルティーニ(ア)
久々のマドリード・ダービー。ゲーム序盤、アトレティコのゴール前でホセ・マリとロベルト・カルロスが接触してPKとなったが、あまりにも厳しい判定に見えた。エルゲラが退場となりレアルが10人になった後に逆転、レアルはやはり強いと思わせたが、決定的チャンスを何度もハズすところが、レアルらしくない。ゲーム終了間際の、アルベルティーニの眼の覚めるような、ゴール隅に決まったフリーキックで同点となってしまった。レアルの押しが弱かったが、主審の判定の為か、ちょっと荒れたゲーム。
イングランド プレミア・リーグ
マンチェスター・ユナイテッド 2-1 チェルシー
2003.1.18
グジョンセン(チ)、スコールズ(マ)、フォルラン(マ)
好調のチェルシー、押し気味の展開の中、グジョンセンが先制。だが、イタリア代表にも召集されたキーパーのクディチーニが何とベッカムにボールを蹴ってしまい、久々の必殺のクロスがスコールズのヘッドに命中し同点。その後も互角のゲームであったが、ゲーム終了間際に、交替出場のベロンが見事なパスを出し、同じく交替のフォルランがゴール。シーズンの出だしがイマイチだったマンU、ベッカム、キーン、ファーディナンド、ギャリー・ネビルが揃い、本当の強さを発揮する気配が。
イングランド プレミア・リーグ
トッテナム・ホットスパー 4-3 エバートン
2003.1.12
マクブライド(エ)、ポジェ(ト)、ワトソン(エ)、キーン(ト)×3、ラジンスキ(エ)
イングランドのサッカーも、いわゆるキック・アンド・ラッシュが主体の戦術から、モダンなスタイルに脱却しつつあると言われる。だがこのゲームでは、素早いパス廻しを中心としながらも、イングランドらしい、激しくもクリーンな肉弾戦を見る事が出来た。ルーニーが欠場で残念なエバートンだが、悪くない出来に見えたが、相手が悪かった。このゲームのトッテナムの出来、あまりにも素晴らしい。中盤でのチェック、素早いボールの展開、フィニッシュと、ミスが目立たなかった。そして、トップにはロビー・キーンがいた。3点とも、キーンらしいスピーディーでテクニカルなゴール。エバートン、中国代表のリー・ティエには驚かされる。運動量は多いし、視野は広いし、オフェンス・ディフェンスともに積極的。2006年ドイツ・ワールド・カップの予選で、日本が中国にやられてしまう事などがあるのだろうか?いや、東アジアのレベル・アップこそ喜ぶべきか。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
セルタ 0-1 レアル・マドリード
2003.1.11
ゴール / ロナウド
セルタの序盤、フォワードのカターニャを中心に良い攻撃を展開したが、絶好調のレアルに押し戻される。目を引いたのが、切れの戻ったロナウドのドリブル。怪我からの回復以降最も鋭い動きを見せ、ディフェンダー4人に囲まれても突進する姿は、バルサ時代を彷彿とさせる。ラウールとのコンビネーションも、更に噛み合っている。2nd ハーフには、セルタは多数チャンスを作ったが、相変わらず危うい感じのするレアルのディフェンスを崩せ切れはしなかった。
UEFA カップ 2002-03 3回戦 2nd leg
リーズ・ユナイテッド [イングランド] 1-2(トータル1-2) マラガ [イングランド]
2002
ゴール / デリー・バルデス(マ)×2、バッケ(リ)
チャンピョンズ・リーグでの躍進が何かの間違いだったのかと思わせるような、リーズの低迷。粘り強さが薄らいでしまった。確かにリオ・ファーディナンドの放出は痛いが、タレントはまだまだ残っているハズだ。このゲームでは、ターンオーバーなのか、キューウェルとビドゥーカを休ませ、ハートも控え。1st leg のアウエー戦で無得点のリーズは、先制点だけは与えてはならないのは分かっているが失点。マラガの怖い2トップのデリー・バルデスとダリオ・シルバ、左のムサンパなどのワイドな攻撃に激しく揺さぶられ、度を越して熱くなってしまったリーズの選手。
(記2003.1.13)
スペイン リーガ・エスパニョーラ
デポルティボ・ラ・コルーニャ 3-0 セルタ
2003.1.5
ゴール / トリスタン、セルヒオ、ルケ
近年のリーガで、スペイン的攻撃的なサッカーを見せてきた両チームだが、今シーズンは差がついた?監督とカルピンの移籍、モストボイの負傷欠場、このゲームに関しては、セルタというチームからかつての鮮やかさが消えた部分もある。逆にラ・コルーニャ、バレロンとフランと2大ゲーム・メーカーが欠場しだが、マカーイとトリスタンが相手に驚異を与え続け、3点取って快勝した。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 4-1 バレンシア
2003.1.5
ゴール / ロナウド(レ)、アジャラ(バ)、ジダン(レ)、グティ(レ)、ポルティージョ(レ)
雨のサンチャゴ・ベルナベウ、1st ハーフでは特にピッチ・コンディションが悪かった。ボール廻しが生命のレアルの攻撃スタイルには、不利な状況かと思われた。だが、悪い足元を物ともせず力強いパスとシュートを繰り出すレアル、やはり強い。ゲームを通じて絶好調だったジダン、雨中のゲームとは思えない程スピーディーで見事なパス交換から、あまりにも鮮やかなスルー・パスをロナウドに通し、レアル先制。2nd ハーフ、ピッチの水分が減少したところでバレンシアが意地の反撃。アジャラが得意のヘディングを見せたが、攻撃の核のアイマールがイエロー2枚で退場。ひ弱さが全く消え去ったアイマールの好調さが目だっていただけに、非常に残念。堅守のバレンシアもレアルの猛攻をストップ出来なくなった。期待の20歳のポルティージョ
も、ジダンのパスを受けて得点。やはり、強いレアルは地球のチームとは思えない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 1節
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 2-3 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
2002.9
ゴール / マカーイ×3、サリハミジッチ(バ)、エウベル(バ)
バイエルンが、1次リーグ敗退を予感させる惨敗を喫っしているようには見えない。各選手のモチベーションが低いようにも見えない。ただ、絶好調のスペインのクラブ・チームに対して、準備は十分ではないのだろう。ブンデス・リーガでのスタートが最高で、関係者の多くは、ホームで負けるハズはないとどこかで考えていたかもしれない。ハット・トリックのマカーイもさる事ながら、バレロンのパス出しの切れは相手チームにとっては驚異。更に、セルヒオやフランが好調ならもう誰にも止められない。やはりラ・コルーニャは決して侮ってはならないチームだ。運動量に関しては全く期待出来ないマウロ・シルバやドナトがレギュラー、フィジカルの強さが絶対条件と思われがちな現代フットボールに対するある種の無言のアンチ・テーゼとも取れる。進歩かどうか分からないが、フット・ボールのトレンドは常に変化している。油断というより、ラ・コルーニャが強かったというより、バイエルンは単にトレンドを捉え損なっただけなのかもしれない。
世界最優秀選手も、2002年度はロナウド
各国の代表監督が選ぶ、FIFA 世界最優秀選手。バロン・ドールを獲得するのなら、こちらの受賞は確実。ワールド・カップの優勝と得点王が何かのポイントになるとすれば、ロナウドはかなりのポイントを稼いだ、とは言える。バロン・ドールにしろ世界最優秀選手にしろ、専門家が選んでいるのだから、文句の付けようがない。衛星放送の普及以来、かなりのゲームを鑑賞出来るようになった昨今、世界の選手の活躍がリアル・タイムで把握可能となった。ワールド・カップというショー・ケースでなくとも、良いゲームはあるし、活躍する選手もいる。それ以外にも、各国のリーグや、チャンピョンズ・リーグなどのカップ戦がある。レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッドなどのビッグ・クラブには、クラブ・チームや代表で、驚くほどのゲーム数をこなし、質の高いプレーを続ける選手が存在する。過去5年を振り返ってみれば、レアルのラウールの活躍は本当に凄いものがある。とやかく言われがちなマンUのベッカムではあるが、やはりこの5年の活躍は賞賛に値するものだ。バティストゥータは、過去10年で最高のフォワードであろう。だが彼らは、いまだバロン・ドールは獲得していない。世界最優秀選手やバロン・ドールなんて、人気投票のようなものかもしれない。それはそれでよい。だが、ロナウド以上に活躍した選手は多数いるのではないかと感じさせる、2002年であった。
バロン・ドール 2002年度はロナウド
バロン・ドール(欧州最優秀選手)に、ロナウドが選出された。怪我で長期間プレー出来なかったロナウドだが、今年のワールド・カップで得点王になるという、余りにも鮮やかな復活を果たした。怪我をする前の、人間技とは思えないビデオの早廻しのようなスピードは戻っていない。とは言っても、ディフェンダーを振り切る動きはまだまだ鋭いし、得点感覚は全く鈍ってはいず、逆に研ぎ澄まされたかに見える。インテルからレアル・マドリードに移籍、新シーズン開幕当初は実力を発揮出来なかったが、12月に入ってからは完全にチームに馴染み、トヨタ・カップなどで活躍、確かに2002年の印象的な選手の一人だ。過去にバロン・ドールを獲得しているロナウド、実力的には何度獲得してもおかしくはないポテンシャルを持ち続けている。だが、今年のロナウドは、1年間コンスタントに活躍したワケではない。インテル在籍時は、2002年だけを見ても、フルに活躍してはいない。ブラジル代表としてワールド・カップで優勝、8ゴールも決めて文句ナシの得点王で、大復活だ。カムバック大賞といったタイトルがあれば、間違いなく獲得だろう。だが、バロン・ドールの投票で2位になったブラジル人、代表とレアルでもチーム・メイト、ロベルト・カルロスの活躍はロナウドと比較してどうなのか?ロベ・カルは、ワールド・カップとレアルでのスタメンとして、1年間活躍し続けた。ロナウドには無くてロベ・カルに有るものは、チャンピョンズ・リーグの優勝カップ。やはり、華々しい活躍を見せるフォワードよりも、ディフェンダーというのは目立たないのか?ロベ・カルは所属チームで、スピードと運動量と正確なロング・パスと脅威のシュート力で左サイドを制圧し、誰よりも目だっていたと思うが・・・。近年では、本職のディフェンスに対する評価も以前よりは高いようである。インテルに入団の為にヨーロッパに渡って以来、スランプもあまりなく、コンスタントに活躍してきた。ワールド・カップ決勝進出2回で優勝1回が今年、チャンピョンズ・リーグ優勝3回で1回が今年。マイナス材料がほとんどないのである。ロベ・カルがバロン・ドールを獲得すれば、誰もが納得する快挙であると思うのは筆者だけだろうか?少なくとも、間違い無くロベ・カルは1年間、絶えず走りまくり、守り、シュートを打ち続けた。
(記2002.12.17)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 2節
アヤックス [オランダ] 2-1 ASローマ [イタリア]
2002.12.10
ゴール / イブラヒモビッチ(ア)、リトマネン(ア)、バティストゥータ(ロ)
熱狂的なサポートに包まれたアヤックスのホーム、アムステルダム・アレナ。ガタイが良く、スピードとテクニックがあり、ハングリーでもある、主力が20歳前後と若いアヤックスの選手達。アヤックスの伝統的な、ボールを極力支配して攻めに徹するスタイル。ローマの強靭な中盤も、ボールが触れられなければ如何ともし難い。当然の如く、イブラヒモビッチが先制。そして 2nd ハーフには、帰ってきたスター、リトマネンが技ありのゴールを決める。ゲーム終了間際のには、バティ・ゴールが出たが・・・。
イタリア セリエA
ボローニャ 2-1 パルマ
2002.12.14
ゴール / アドリアーノ(パ)、フリオ・クルス(ボ)
中田英寿を含む3トップが機能、中盤と最終ラインも安定、このまま突っ走るかパルマ?先制したパルマの攻撃は良かった。しかし、ホームのボローニャは手強かった。ロカテッリのパスを受けたクルスのゴールが強烈。何シーズンもセリエAに留まるボローニャの、力強さを見せ付けられた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 2節
ボルシア・ドルトムント [ドイツ] 0-1 ACミラン [イタリア]
2002.12.11
ゴール / インザーギ
冬のヴェストファーレン、ピッチコンディションも悪く、両チームとも慎重にゲームを展開。決めたのはミラン、セードルフからスルーパスがインザーギに通った。トップのインザーギとチェフチェンコにボールを送る優秀なパサーが複数おり、一瞬にしてゲームが決まるパスが出てくる、これが現在のミランの強みだ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 2節
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 2-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
2002.12.11
ゴール / ファン・ニステルローイ×2
プレミアでアーセナルを破り、チーム・コンディションが上がってきたマンU。ディフェンスのブランとファーディナンドを欠くが、ブラウンが復帰した。何かと批判も多いベロンだが、怪我人の多く手薄な中盤を支えているのは間違いない。スコールズとギグズは好調で、これまた復調のファン・ニステルローイにボールを送りまくり、チャンスを多数作った。対するラ・コルーニャ、オールド・トラッフォードでそう何度も勝つワケにはいかなかった。
黄金の左足を持つフランを欠くし、バレロンはまだ本調子ではなく、マンUのようにどんな状況でも勝つ体勢を作り出すレベルまでは到達していない。
だがラ・コルーニャの足技は侮れないし、厳しい2次リーグの行方は、まだまだ分からない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 2節
アーセナル [イングランド] 0-0 バレンシア [スペイン]
2002.12.10
"狡猾"という言葉がピッタリとはまる、バレンシアのディフェンス・ライン。アンリとベルカンプを始めとする怖い怖いアーセナルのタレント達が繰り出す猛攻を、無得点で凌ぎ切った。カウンターで少ないチャンスをモノにしたいバレンシア、左のビセンテと右のアングロに、意外とスピードのあるカレウとアイマールのファンタジーとで得点したいが、アーセナルのディフェンスも固い。両者とも持ち味を消し合った?2次リーグとなると本当にゲームは厳しくなる。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
マジョルカ 1-5 レアル・マドリード
2002.12.8
ゴール / ロナウド(レ)×2、エトー(マ)、ラウール(レ)×2、グティ
パンディアーニやエトーを擁し、スペインのチームらしくサイド攻撃も鋭い、好調なマジョルカ。トヨタ・カップの好調を持続するレアル、ロナウドが先制するが、レアルにスピードでは負けない連携で同点。1st ハーフは互角であった。フィーゴとジダンがそうであったように、ロナウドは徐々にチームにフィットし、数々の批判を乗り越えて、欠かせない選手に変貌しつつある。2nd ハーフに入ってもロナウドの動きは鋭く連携も見事、2点目を奪う。ラウールの得点感覚はサスガだし、急に髪の毛を切ったイケメンのグティの5点目も素晴らしいし、確かにレアルの連携は良かったが、何と言ってもカシージャスのスーパーセーブが光った。展開によっては、得点が逆になる事だって有り得た。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・ソシエダ 2-1 バルセロナ
2002.12.1
ゴール / クライファート(バ)、コバチェビッチ(ソ)×2
チャンピョンズ・リーグで連勝を続けるバルサは、何とリーガで10位。リーガの方がチャンピョンズ・リーグよりレベルが上なのか!?少なくとも
チャンピョンズ・リーグの2次リーグ終了までは、レアル・マドリーやラ・コルーニャやバレンシアと当たらなくても済む。更にリーガにはソシエダや
マジョルカやセルタまでいる。それにしても、コバチェビッチの決定力は相変わらず素晴らしい。
イタリア セリエA
ローマ 2-2 ユベントス
2002.12.1
ゴール / トッティ(ロ)、カッサーノ(ロ)、デル・ピエーロ(ユ)、ネドベド(ユ)
5-3-2 の布陣?チームの不調と、好調ユベントスに対する警戒か、守備的にスタートしたローマ。ユーベのパスの繋ぎが冴える。だがユーベのスキを突き、トッティとカッサーノによるロマニスタを熱狂させるゴールが見事に決まる。普通のチームが相手ならローマ大勝の勢いだが、セリエAのチームは侮る事は出来ないし、しかも好調のユーベはタダでは終らせない。2点のビハインドでもペースを崩さず、結局ドローまで持ち込む。テュラムの積極的な上がりが超強力。トッティはレッド・カード。ローマ、浮上のキッカケをまたも逃した。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 1節
バレンシア [スペイン] 1-1 アヤックス [オランダ]
2002.11.27
ゴール / イブラヒモビッチ(ア)、アングロ(バ)
キブとリトマネンが戻って来た、アウエーでも臆する事なく攻める、ヤング・アヤックス。対するバレンシアも、クーペル時代には予想もしなかった、積極的に攻撃を仕掛けるチームに変身した。オランダの代表的なチームらしく、ボールを支配して主導権を握ろうとするが、老獪なバレンシアのディフェンダーはサスガに固い。バレンシアもチームとしては好調だが、アイマールが欠場すると攻めがちょっと単調に。ゲーム終了間際、怪我明けのイブラヒモビッチがマサカの先制弾。だが、それでも慌てないバレンシア、アングロが冷静に同点弾。スピーディな展開の素晴らしいゲーム。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 1節
ASローマ [イタリア] 1-3 アーセナル [イングランド]
2002.11.27
ゴール / カッサーノ(ロ)、アンリ(ア)×3
トッティ、カッサーノ、デル・ベッキオがスタメンに入り、ほぼベストの布陣のローマ。カッサーノの先制により勢いに乗ると思われたが、すぐにアンリに返される。その後アーセナルが慎重に守備的になり、両チームとも大胆には攻めなくなる。リュングベリの驚異の疾走も見られない。なるべく早く1点取りたいホームのローマとしては、マズい展開。結局アンリに、ハット・トリックを決められる。パルマ戦に続いて3失点。個々の選手は今まで通り強気で攻めようとするが、チーム全体に漂う倦怠感。ウインター・ブレークで挽回可能か?移籍期間での補強もキー。近年で最強の布陣のアーセナル、ビッグ・イヤー獲得の最大のチャンスを生かせるか?このローマ戦での落ち着きは、アウエーで弱いと言われるアーセナルに対する
イメージを変えるものになるかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 1節
デポルティーボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 2-2 ユベントス [イタリア]
2002.11.26
ゴール / トリスタン(デ)、マカーイ(デ)、ビリンデッリ(ユ)、ネドベド(ユ)
質の高いボールが飛び交って距離の長いシュートが見事に決まる、ユーベが早々にトリスタンとマカーイのゴールの洗礼を浴びてしまった。強い強いホームでのラ・コルーニャ。だが2点取られて落ち着きを取り戻したユーベ、セリエAで見せる中盤のプレスが効きはじめる。次第に盛り返し、遂に同点。サイド攻撃はやはりラ・コルーニャが優勢、最終的には点数と同じ互角の内容?ユーベはアウエーで分けたのは大きいが、マンUが同居するこのグループも全く先が読めない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 1節
ACミラン [イタリア] 1-0 レアル・マドリード [スペイン]
2002.11.26
ゴール / シェフチェンコ
単なる勢いかもしれないと見られたミランのスタート・ダッシュ、やはり強さは本物?ピルロはアンブロジーニに替わったが、ルイ・コスタ、カラーゼなどは益々切れまくり。ネスタのサブがコスタクルタ、マルディーニと組んで伝説のディフェンス・ラインを復活させ、レアルの超テクニカルな攻撃を防ぎきった。ガットゥーゾとセードルフは驚異の運動量で中盤を支配、レアルはここで劣性であった。そして蘇ったシェフチェンコ、怪我明けとは思えない好調さで、ルイ・コスタの一瞬のスキを突いたパスを受けてのゴール。先発したリバウド、ゴールはなかったが、ミランの2トップの一角としてフィットしている。好調のチームに助けられてはいるが、ミランでのこのポジションこそ天職ではないのだろうか?バルサでの活躍も目覚しかったが、ミランのリバウドをもう少し早く見たかった。ディフェンディング・チャンピョンのレアル、ラウールとモリエンテスにジダンも先発、不調から脱出し体勢を整えようとする。イエーロが不在でも、パボンの先発で十分補える事が判明したのは収穫。アウエーで、チャンスは少なかったが、相手を混乱に陥れる攻撃を見せた。だが、相手が悪かった。ウインター・ブレークをはさんで2年越しになる2次リーグ、第1戦での勝敗はそれほど重要ではない。レアルは負けはしたが、ホームでミランと戦う頃には、好調さが逆転している事だってありうる。
イタリア セリエA
パルマ 3-0 ローマ
2002.11.24
ゴール / ボナッツォーリ×2、ムトゥ(PK)
3対0のスコアには驚いた。今シーズン、ローマは大丈夫か?カペッロ監督を招聘して以来、セリエAで覇権を争ってきたローマ。チームのコンディションが良くない時でも、何とかやりくりして、アウエーでも勝ち点1以上を常に死守しようとしてきた。ゲーム終了間際の粘り、勝利への執念は凄かった。このゲームでは怪我やサスペンションで選手の数が不足。サムエルとエメルソンは、極東ツアーでお疲れのハズだがスタメン。18歳の若手ディフェンダーまで途中出場してきた。更に、今週からチャンピョンズ・リーグ2次リーグがスタート、年内を乗り切れなければタイトル獲得は不可能だ。現在のローマ、トッティかカッサーノのどちらか1人の出場は必須、でないと攻撃のリズムが作れない。パルマ、ローマの不調に助けられもしたが、勝ち点3を取れたのは大きい。中田英寿、パルマのパーツとして右サイドでの攻守に渡る働きが光った。アジア人のチョット良い選手から、ヨーロッパのクラブ・チームの主力たりうる選手に、真の意味での脱皮を成し遂げつつあるように見える。右サイドは支配したが、やはりゴール・シーンが見たい。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 0-0 レアル・マドリード
2002.11.23
ヨーロッパのビッグ・クラブ所属選手のゲーム過多の中でクラシコ、リーガの最重要なハズの一戦。両チームともコンディションは万全とは行かず、死力を尽くすべき伝統の一戦としては、見出すべき価値を見出し切れなかった。レアルではジダンとロナウドが欠場。フィーゴに対するブーイングが度を越し、10分の中断を作ってしまった。確かに、フィーゴに対する個人攻撃でもあるのだが、クラシコがベスト・ゲームとはなっていない現状への、ソシオ達の苛立ちの表現だとも言えるかもしれない。スコアレス・ドローで終わる雰囲気が既に漂っていた。両チームともチャンピョンズ・リーグを控えていて、ここで100%の力を出し切るワケにも行かない。しかも両者、リーガの順位ではソシエダやマジョルカよりも下という事態に陥っているのだ。
イタリア セリエA
ACミラン 1-0 インテル
2002.11.23
ゴール / セルジーニョ
今シーズンは両チームとも持ち味を出して好調だけに、特に盛り上がるサンシーロでのダービー。素早いパス交換からボールをゴールに流し込もうとするミランに対し、守備を固めてのカウンターから最前線の最終兵器のビエリとレコバに得点を任せるインテル、展開は予想通り。2nd ハーフのドツき合いも予想出来た。だが、結果は引き分けではなく、ミランの勝利と予想外(?)。
UEFA カップ 2回戦 1st leg
リーズ・ユナイテッド [イングランド] 1-0 ハポエル・テルアビブ [イスラエル]
ゴール / キューエル
昨シーズンの UEFA カップでパルマを破ったハポエル、アウエーの為の守備的布陣からのカウンターが鋭く、かつ効果的。FWバリリはスピードがあるし、10番のトゥマにはテクニックがある。ゴールのチャンスもあった。イスラエルのチームも侮れない。2nd ハーフで、リーズの攻撃にリズムが出る。ビドゥカ、スミス、キューエルのコンビネーションで何とか1点奪った。スミス、相変わらず短気っぽいが、成長の可能性を見せた。
フレンドリー・マッチ
日本 0-2 アルゼンチン
2002.11.20
ゴール / ソリン、クレスポ
"日本に勝つ!"というよりは、"日本で勝ちたい!"という強烈なモチベーション。ワールド・カップでのトラウマを経ち切る為に、出来得る限りのベスト・メンバーで来日したアルゼンチン、真剣勝負が拝めるという期待もあるが、日本代表にとってはありがた迷惑?いやいや、アルゼンチンという強烈なチームを相手に出来るこのような機会に、ホーム何としても良いゲームをしたいところ。1st ハーフは、互角。中村、鈴木などは持ち味を出し、奈良橋のサイド攻撃も光った。アルゼンチンの攻撃は何かチグハグ、闘志も空回り?2nd ハーフでの疲れが懸念されるアルゼンチン、大丈夫なのか?だが、徐々にベロンの得意のパス出しが決まり出す。健闘する日本、1st ハーフで得点が必要であった。2nd ハーフ早々、鮮やかな組み立てでアルゼンチンが2得点。得点が必要な時にチャンスを逃さない。2得点すれば勝利と考え、ギリギリの線まで攻めさせて、力を温存したうえで守り切る。一瞬のスキを突いた的確で正確なロング・パスが何本も通る。期待のサビオラも途中出場、大した活躍もなかったが、活躍する必要もなかった?ワールド・カップに2回の出場を経験した日本、アルゼンチンのような強豪と戦っても惨敗はしなくなったし、フィジカルとテクニックでも負けないし、攻められても慌てなくなった。だが、勝利が必要な時には最も効果的な方法を駆使して得点して勝つという、ワールド・カップの優勝経験国との本当の実力を見せつけられた。
イタリア セリエA
トリノ 0-4 ユベントス
2002.11.17
ゴール / デル・ピエーロ、ディ・バイオ、ネドベド、ダービッツ
ダービーで、ユーベに何度も苦杯を舐めさせたトリノ、今回は完璧なユーベの出来に完敗。トリノに冴えが無さ過ぎたとも言えるけど。相変わらず守備のプレッシングから攻撃を組み立てるユーベに対し、相手をファールでしか止められないトリノ。ディフェンス、オフェンス、何と言ってもバランスが素晴らしいユーベ。1点目のデル・ピエーロの何と表現してよいか分からない、ヒールでコースを少し変えただけのゴール。真剣勝負に遊びを持ち込む余裕か?ネドベドと
ディ・バイオのコンビネーションも光った。
イタリア セリエA
ローマ 2-2 インテル
2002.11.16
ゴール / モルフェオ(イ)、モンテッラ(ロ)、バティストゥータ(ロ)、オカン(イ)
予定調和に見えかねない、スクデットを争う2チームのドロー。ハイ・レベルの激しい戦いであるが、両チームとも守りに比重がかかるし、結局は勝ち切れないというのが実態なのか?ローマは、最近は失点も多い。それにしても、カッサーノの成長には目を見張るものがある。トッティの代役としても十分だし、トッティと同時出場でもイケる。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 6節
バーゼル [スイス] 3-3 リバプール [イングランド]
2002.11.12
1st ハーフでリバープルは3点奪われた。ハカン・ヤキンの活躍など確かにバーゼルの攻撃は鋭く、リバプールのガタイの良いディフェンダーをスピードで翻弄した。3点のビハインドを取り返したリバプールはサスガであるが、結局このグループで3位、UEFA カップへのシフトが確定した。ビッグ・クラブと呼ばれ、過去にチャンピョンズ・カップで実績のあるリバプールではあるが、チャンピョンズ・リーグでは新参。マンUが、何シーズンにも渡って叩かれ鍛えられて、遂に99年に栄冠を勝ち取ったように、ベスト8以降での実績を残すには、リバプールにも時間が必要だろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 6節
ACミラン [イタリア] 1-2 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
2002.11.13
ゴール / トマソン(ミ)、トリスタン(デ)、マカーイ(デ)
トマソンとシェフチェンコの2トップだが、周囲とのコンビネーションに難点が。カラーゼからトマソンのパスは見事だったが、それ以外の見所は多くなかった。1次リーグ突破が確定したミランなので、力を出し切っていないとは思うが、2次リーグ以降の厳しい戦いを前に、弱冠の不安が。逆にアウエーのラ・コルーニャ、必要な勝利を確実にゲット。復活弾となるか、トリスタンの強烈なミドル・シュート。マカーイも好調を持続。フランが真中に入ってルケが左に出る布陣も、まずまず。このゲームで見る限り、ラ・コルーニャはまだまだ行ける。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 6節
アヤックス [オランダ] 1-2 インテル [イタリア]
2002.11.12
ゴール / クレスポ(イ)×2、ファン・デル・ファールト(ア)
アヤックス、リトマネンとキブが欠場。主力が20歳前後と非常に若いアヤックスのチームとしての動きが素晴らしい。ファン・デル・ファールトやミドなども、輝かしい可能性を感じさせた。だがインテル、クレスポやビエリというワールド・クラスが、実力と経験を見せつけ、チャンスをモノにした。ミドは強烈だと思っていたが、まだまだクレスポには及ばない。手堅く守って前線に得点を取らせるというスタイルで、インテルが結果を出した。アヤックス、今の陣容のままで何シーズンも戦えば相当なチームになると思うが、早ければ12月には選手が移籍してしまうかもしれない。2次リーグ進出が決定した両チーム、引き続き面白いゲームを見せてほしい。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
ラージョ・バジェカーノ 2-3 レアル・マドリード
2002.11.9
ジダンのアクシデントに対する交替要員がグティという、相変わらずの豪華さ。ロナウド、フィーゴの見事なパスから相手の意表を付いた遠距離からの見事なゴール。ロベルト・カルロス、セット・プレーからの強烈なフリー・キック。2nd ハーフのロスタイム、フィーゴの勝ち越しフリー・キック。世界の足技の競演が見られたが、全体にレアルのパフォーマンスは良くなかった。だが、ゲーム終了間際のレアルの猛攻は目が覚めるようだったし、怪我人が多い中でゲーム過多状態をやり過ごそうとしている。ラージョの攻撃は悪くなく、不調のレアルのスキを突いて2ゴール。楽しみ方の難しいゲーム(?)。
イタリア セリエA
ユベントス 2-1 ACミラン
2002.11.10
ゴール / ディ・バイオ(ユ)、テュラム(ユ)、ピルロ(ミ,PK)
ネドベド、足の故障がウソのような運動量と強力なキック。デル・ピエーロ、ほぼ完全な復調と言って良いかも。カモナレージが右サイドを支配し、
攻撃の起点が増えた。ダービッツ他も悉く好調。ミランにチャンスを与えないディフェンスも安定。右サイドを駆け上がって決めたテュラムのゴールが圧巻。ミランとは得点差以上の実力差を感じた。シーズン序盤は絶好調だったミラン、ここにきて疲れが。チャンピョンズ・リーグの2次リーグ開始あたりに好調を取り戻せば、タイトルも見えて来る。先発のリバウドの足ワザは相手チームには脅威だし、このゲームではインザーギにボールが来なかった。とにかく、ユーベに圧倒されてしまった中盤の整備が急務。
イングランド プレミア・リーグ
マンチェスター・ユナイテッド 1-3 マンチェスター・シティ
2002.11.9
ゴール / アネルカ(シ)、スールシャール(ユ)、ゴーター(シ)×2
キーン、ベッカム、バットが不在、サスガにマンUの中盤は苦しい?ベーロン、スコールズ、ギグスが揃って、問題ないように思えるのだが・・・。
ここ数シーズンの中でも、かなり良くない状況。やはり、チーム全体が、様々な意味で疲弊しているのだろうか?前線への効果的な配給も正確性を欠き、
ディフェンスも不安定になって3失点。だがシティはこのゲームでは好調、攻撃力は捨てたものではなかった。
イタリア セリエA
パルマ 4-3 ブレシア
2002.11.6
35歳のバッジオ、前線でボールの捌きまくり。ヘディングでのゴールも見られ、バキーニのクロスが良かった。両チームとも攻撃に人数を割いた為、点の取り合いになった。セリエAの順位の中位同士の勝ち点の取り合い、90分息をつかせないゲームになって面白いケースが多い。UEFA カップもあって厳しい日程のパルマ、何にしても勝ち点3は大きい。ムトゥは相変わらず好調。中田、動きはまずまずであったが、温存の為か、2nd ハーフの途中で交替。
イタリア セリエA
エンポリ 3-4 インテル
2002.11.6
ゴール / クレスポ(イ)、サネッティ(イ)、ディ・ナターレ(エ)、レコバ(イ)、バンヌッキ(エ)、アダーニ(イ)、ブーシェ(エ)
個々のタレントでは、インテルはエンポリを圧倒する。特にレコバの左足が、このゲームでもウナリをあげた。だがホームのエンポリ、中盤でのプレッシャーからの鋭いカウンターで果敢にインテル・ゴールに迫った。バンヌッキのフリー・キックも鋭い。3得点は見事。地方のチームがセリエAに残留するには、チーム・プレーを磨き上げるしかない。エンポリも、もう少しディフェンスに力があれば・・・。
UEFA カップ 2回戦 1st leg
パルマ [イタリア] 2-1 ビスワクラクフ [ポーランド]
2002.11.1
ゴール / ドナーティ(パ)、ジュラフスキ(ポ)、ムトゥ(パ)
ドナーティの修行僧のような短髪には、驚いた。パルマ、チームのシステムを確立したようである。攻撃も淀みがなく、若い選手が多く、非常によく動く。絶好調のムトゥも、ディ・バイオの穴を埋めそうである。中田も、完全にチームの流れに乗っている。かなり期待が持てそうである。だが、ビスワクラクフという初めて見るチームは手強い。パルマと互角に戦い、ジュラフスキに与えてはいけないアウエー・ゴールを奪われた。中田、昨年の代表戦に続いて訪れるポーランドで、勝利を奪えるのか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 5節
ボルシア・ドルトムント [ドイツ] 2-1 アーセナル [イングランド]
2002.10.31
ゴール / アンリ(ア)、OG(ド)、ロシツキ(ド,PK)
負けはしたが、アーセナルが弱いようには見えなかった。少しでも気を抜けば、比類なき強さを見せるアーセナルでも、ドルトムントほどの実力が相手では、"勝ち逃げ"は難しい。ドイツ代表で固めたディフェンスは、バイエルンより強力。ブラジルやチェコの選手が前線で鮮やかな攻撃を見せる。ホームでのドルトムントは強い。だがアーセナルは力を出し切ったようには見えなかったし、無敗記録は途切れたが、本当の強さを発揮するのはこれからであろう。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 5節
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 2-1 バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
2002.10.30
バイエルン、最下位確定
ブンデス・リーガでは好調のバイエルン、チャンピョンズ・リーグで5試合で勝ち点1。UEFA カップにも手が届かず。確かに"死のグループ"ではあった。ミラン、ラ・コルーニャは強いし、ランスも予想以上に実力があった。"ババ"を掴んでしまったのがバイエルンであったのか?一体、何が間違いだったのか?少なくとも、このグループでバイエルンが最も危機感が薄かったのであろう。2次リーグ進出は間違いないと思い込んで、何とかなるだろうと甘く見込んでしまったのか?ドイツ代表はワールド・カップで健闘したし、地味に見える補強でも、2001年は優勝するなど結果も出して来た。ランスは強豪を相手に必死に行く以外はない。強豪に数えられるラ・コルーニャではあるが、実績はない。ミランは頑張らなければ低迷イタリアの象徴的存在と見られてしまいそうであるし、欧州での覇権奪回は最大の目標である。バイエルンは、結局他の3チームに食われてしまった。決して、カーンの負傷だけが原因ではない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 5節
リバプール [イングランド] 0-1 バレンシア [スペイン]
2002.10.30
ゴール / ルフェテ
バレンシアの強さは、本物だ。2000-01 シーズンのファイナリスト、再度のファイナル進出すべき戦力は整っている。アイマールのポジションがはっきりしたのは、バレンシアにとって非常に大きい。アイマールと他の選手が絡むことによって、チャンスの回数が増加している。ディフェンスは相変わらず、狡猾ともいえる位に強固。リバプールは、ホームでバレンシアからゴールを奪えなかった。ジェラードは戻ったし、ディアオもかなり強力だが、攻撃のバリエーションに限界があったか?だがシーズンは長いし、必勝パターンを確立するかもしれない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 5節
ユベントス [イタリア] 2-0 フェイエノールト [オランダ]
2002.10.29
ゴール / ディ・バイオ×2
小野伸二は健闘したが・・・。攻守ともに、ユーベが上であった。フェイエノールト、果敢に攻めはするが、とにかくファン・ホーイドンクの欠場は痛い。主力が1人欠けるだけで途端に全体の戦力も減少、ここがユーベとの差か?
イタリア セリエA
パルマ 2-1 アタランタ
2002.10.27
ゴール / 中田(パ)、ムトゥ(パ)、コマンディーニ(ア)
1st ハーフの序盤、中盤での攻防をよそに、なかなか攻撃に絡まなかった中田。だが、左サイドからのムトゥのクロスに鋭く反応、中田らしいゴール。右のウイング的な位置で、何とか役割を見つけ出そうとする中田。ここ2シーズンで、最も良い動き。パルマ、セリエAの上位に食い込む気配が。
イタリア セリエA
キエーボ 3-2 ACミラン
2002.10.26
キエーボ、今シーズンも見逃せない
ゴール / マラッツィーナ(キ)、ビアホフ(キ)、シェフチェンコ(ミ)、コッサート(キ)、トマソン(ミ)
実は好カードのキエーボ対ミラン。試合過多で弱冠パフォーマンスが落ちるミランに対し、しつこいプレスから非常に素早いカウンターが予想されたが、見事に予想通り。機械のように動くディフェンスのフラット4も健在。ミランの優雅なパス・ワークをキエーボが寸断、フリー・キックからマラッツィーナのゴールが決まる。あのネスタもカバーし切れなかった。マラッツィーナに替わったビアホフも古巣からヘッド。怪我明けのシェフチェンコのヘッドで1点返したが、コッサートに突き放された。チャンピョンズ・リーグで2001年覇者のバイエルンに連勝したミランだが、キエーボにはやられた。セリエAは難しいリーグだ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 4節
ACミラン [イタリア] 1-2 バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
2002.10.23
ゴール / セルジーニョ(ミ)、タルナト(バ)、インザーギ(ミ)
セードルフからセルジーニョ、ルイ・コスタからインザーギ、ヘラヘラ笑ってしまう位に、まさに芸術的なパスとゴール。バイエルンの意地の攻勢も、ジーダのスーパー・セーブなどで凌ぎ切った。ミランの洗練されたサッカー、2次リーグでも持続出来るか?バイエルンの不振、流れと勢いを捕らえ損なったのは確か。バラックとゼ・ロベルトの獲得が結果として現れる前に、今シーズンのチャンピョンズ・リーグから消えてしまう。最強のハズのバイエルン、この大会では少なくとも来年まで拝めない!久々に見たタルナトは凄かったし、ショルやサンタクルスも帰って来たが・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 4節
アーセナル [イングランド] 1-2 オセール [フランス]
2002.10.22
ゴール / カポ(オ)、ファディガ(オ)、カヌー(ア)
まだ監督だったのかギー・ルー、何と監督業も40年になるという。近年ヨーロッパのカップ戦に出場機会のあるオセール、無名ながら好選手を集め、熟成された戦術で戦う。現在ヨーロッパ最強かもしれないアーセナルを相手に、アウエーでも果敢に攻める。絶え間ないプレスから、アーセナルの動きの悪いディフェンス陣を翻弄する速攻が鮮やか。無名とは言っても、セネガルのファディガや、フランス代表の有望なディフェンダーのメクセスなどを擁する。1st ハーフにはアーセナルが2点のビハインド。2nd ハーフ、カヌーのゴールでやっとお寝覚めかと思われたアーセナルだが、乗り切れない。オセールに上手く守られ、攻められる。超人の集団としか思えないアーセナルだが、良い時も悪い時もある。プレミアでも無敗の記録が途切れたが、シーズンは長いし、きっとまた盛り返すだろう。
イタリア セリエA 5節
アタランタ 1-4 ACミラン
2002.10.20
ゴール / リバウド(ミ)、サーラ(ア)、トマソン(ミ)、ピルロ(ミ,PK)、ピルロ(ミ)
ドニが不在だとかなり苦しいアタランタが相手だが、ミランが好調さを見せつけた形。ワンタッチ・パスが面白いように繋がる。インザーギは不調で控えに廻ったが、リバウドがコースを丁寧に突いたシュートでゴールをゲット。ピルロとルイ・コスタも好調。セードルフとガットゥーゾも、問題なくフィット。ミランは、イメージ通りの洗練されたゲームを展開。アタランタ、果敢に攻めようとはするが、ミランにスカされた感じ。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
ラシン・サンタンデール 2-0 レアル・マドリード
2002.10.19
ゴール / レゲーロ、ムニティス
ラウールとフィーゴが欠場、バランスが大きく狂った。選手層が厚いレアルのハズだが、特にラウールの不在は大きい。長年培ったコンビネーションと個人技を融合させたフォワードとしての機能、レアルでのラウールの存在はやはり特別である。例えロナウドであろうとも、簡単に埋められはしなかった。ジダンなどにも疲れが見え、ゲーム数が多いレアルの選手は、ボールをなるべくキープして技術だけで切り抜けようとする。だが、レアルを迎えたホームのラシンのモティべーションは高い。レアルからレンタルのムニティスも、ループ・シュートを決める。
EURO 2004 予選
アイルランド 1-2 スイス
2002.10.16
スイス、好調
ゴール / ハカン・ヤキン(ス)、OG(ア)、セレスティーニ(ス)
ワールド・カップで、驚異の粘りを見せつけたアイルランド、スイスで破れる。ボールの繋ぎが良くないように見えるが、1st ハーフでアグレッシブさが、2nd ハーフでは落ち着きが、スイスの方が上回った結果だと思う。アイルランドの猛攻を凌ぎ、失点を1点に押さえたのが大きい。スイスのトップにはあのシャプイザがおり、スピードは落ちたがテクニックは健在。2点目のアシストも見事。スイスはこのゲームのような内容が続けば、予選突破の可能性は高い。勝ち点のないアイルランドは苦しい。クインに続くポスト・プレーヤーが欲しい。
テスト・マッチ
日本 1-1 ジャマイカ
2002.10.12
ゴール / 小野(日)、フラー(ジ)
遂に登場!黄金の中盤、中田、小野、稲本、中村のカルテットによる、あまりにも芸術的なボール廻し!彼らの個人技と経験は、代表でも生きた。体が切れまくる高原とフィジカルの強い鈴木も絡み、1st ハーフではジャマイカを寄せ付けず。小野の得点までの連携も見事。懸念されたディフェンスについては、ジャマイカのチャンスが非常に少なく、何とも判断出来ず。2nd ハーフでは疲労からか攻撃が手詰まりになり、失点もする。ジャマイカの選手のフィニッシュでの足の振り抜きは、日本の選手より格段に素早かった。ボール廻しは華麗だが得点が少ない、ちょっと前のポルトガル代表に似ている??高原のシュートが、最近のJリーグでの得点数と比較しても、ほとんど無かったというのは納得がいかない。あれだけ動いて得点もすれば、超ワールド・クラスであるとも言えるが。とは言え、新生日本代表のスタートとしては上出来なのだろうか?結果だけが物語っていく。
EURO 2004 予選
スロバキア 1-2 イングランド
2002.10.12
ゴール / ネメト(ス)、ベッカム(イ)、オーウェン(イ)
イングランドとトルコがこのグループから勝ち抜ける予想されているが、スロバキアも侮れない。攻撃の形を作り、何度もチャンスがあり、先制点をあげる。ピッチの状態が悪く、ゲームが荒れそうになる。イングランドのバランスが良くない。だが 2nd ハーフ、弱冠の選手のポジションの修正し、相手の疲れを突き、2ゴールをゲット。ベッカムとオーウェンに加え、スコールズやジェラードが出てくれば、イングランドはそう簡単には負けない事を証明した。
アジア大会 2002 決勝
日本 1-2 イラン
2002.10.13
"谷間の世代"と失礼な事まで言われてしまったアンダー21代表が、快進撃を見せた。21歳以下だけではない選手を含むイランとの力の差は、やはりあった。連携では日本は負けていなかったが、枠に行くシュートの数に勝敗を左右する差があった。決勝しか見ていないが、良いチームに見えたし、日本代表の未来は明るい。枠に行くシュートをもっと見たかった。完敗ではなかったし、残念!
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 5-2 アラベス
2002.10.6
ついにロナウド登場、しかも2得点
ゴール / ジダン(レ)、フィーゴ(レ,PK)、マグノ(ア)、フィーゴ、ロナウド(レ)×2、イバン・アロンソ(ア)
本物の世界選抜チームは、マドリードに実在した。昨年の UEFA カップのファイナリストのアラベスは、決して悪いチームではない。事実、素晴らしい2得点をゲットしている。だが、レアルのボール支配と見事なパスの連携には、打つ手は限られている。2nd ハーフ途中から遂にレアルのロナウドが登場、魅入られたようにボールがロナウドに渡り、当然の如くゴールに2発叩き込んだ。フィーゴも得点したし、ボランチの2枚も相変わらず効いている。ビッグなタレントを揃えたドリーム・チームではあるが、若手の起用にも抜かりがない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 3節
ユベントス [イタリア] 2-0 ニューカッスル・ユナイテッド [イングランド]
2002.10.1
ゴール / デル・ピエーロ×2
デル・ピエーロのゴールが拝めた日は、良い日である。1点目は、久々に見たゴール正面からの見事なフリー・キック。それにしても、ユベントスのバランスの良さ。ニューカッスルの出来がイマイチだとしても。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 3節
PSVアイントホーフェン [オランダ] 1-3 ボルシア・ドルトムント [ドイツ]
2002.10.2
ゴール / コレル(ド)、ロシツキ(ド)、ファン・デル・サーフ(ア)、アモローゾ(ド)
ドルトムントの攻撃力。ロシツキがファンタジーを発揮、ドリブルの切れと相手を幻惑させるパスを見せる。自陣からドリブル突破、そのままゴールまで持ち込んだプレーが圧巻。前線の攻撃力に加え、メッツェルダーやフリングスといったドイツ代表がディフェンスを支える、申し分ない布陣。
ブンデスリーガを制したドルトムント、チームの連携は益々冴える。油断がなければ、2次リーグ進出は堅い。対するヒディング監督のPSV、チームの核は昨シーズンと大きな変化はないが、今のところはヨーロッパの舞台で躍進する状態には至っていない?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 3節
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 1-2 ACミラン [イタリア]
2002.10.1
ゴール / インザーギ(ミ)×2、ピサロ(バ)
またインザーギ、絶好調、研ぎ澄まされた得点感覚。インザーギが好調であるだけでなく、かつてない位に質の良いボールが渡る。これまた絶好調のルイ・コスタをはじめ、あのリバウドもからも。2点目のセルジーニョのクロスも、見事。キーパーのヂーダはどうも不安定に見えるが、ネスタとマルディーニのセンター・バックの二人がいる。昨シーズンはミランに不似合いだと思っていたガットゥーゾでさえ、今は洗練された選手に変身したかに見える。ピルロのバック・アップはアンブロジーニなどで、バックアップも現在のところは万全。とにかくミランは好調。続くラ・コルーニャとバイエルン戦はサンシーロでホーム・ゲーム、1次リーグは非常に楽になった。対するバイエルンは苦しい。新加入のバラックの動きは鋭いが、チームとしての決定的な攻撃の形がなかなか作れないし、ゴールには嫌われた。2点目はカーンのミスにも見えるかもしれないが、今のバイエルンにはチームとしての疲労感が漂っている。1次リーグ突破の為には相当な反発力が必要だが、ミランとラ・コルーニャ、相手が悪すぎる。
EURO 2004 予選
リトアニア 0-2 ドイツ
2002.9
ゴール / バラック、OG
リトアニア代表、FWヤンカウスカスの名前は記憶していたが、無名の選手達もワールド・カップのファイナリストのドイツを相手に健闘。展開次第では、リトアニアが得点して逃げ切る事も有り得るようにも見えた。
イタリア セリエA 4節
ユベントス 2-2 パルマ
2002.9.28
ゴール / 中田英寿(パ)、アドリアーノ(パ)、トゥドール(ユ)、デル・ピエーロ(ユ)
チャンピョンズ・リーグとセリエAで激戦を続けるユーベ、このパルマ戦で多少は息をつかなければならないが、負けるワケにもいかない。2nd ハーフ、中田に右サイドを突かれた。このゴールで中田はやっと信用されたのか、得意のスルー・パスを出せるようになった。2点目も、中田が起点であった。中田を右サイドで使えば、カウンター攻撃の時のバリエーションが増えるのは分かった。選手の平均年齢の下がったパルマ、中田が中心選手のように振舞えばチームにとって有効にも思えるが、果たして・・・。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
ベティス 3-0 バルセロナ
2002.9.28
ゴール / アルフォンソ(PK)、ホアキン、バレラ
超攻撃的なベティス、バルサも粉砕。ホアキン切れまくり、見事なゴール。バレラも、ゴールの瞬間だけマラドーナになった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 2節
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 0-4 ACミラン [イタリア]
2002.9.25
ミラン、リアソールで4点
ゴール / セードルフ、インザーギ×3
キーパーのモリーナとバレロンの欠場、1節でアウエーながらバイエルンを破ったラ・コルーニャ、何かが狂ってしまった。相手陣内に攻め込み、得意のサイド攻撃までは持ち込むが、フィニッシュの形が作れない。チャンスでは、シュートが決まらない。ミラン、ルイ・コスタのピン・ポイント・パスから、点に合わせる天才のインザーギの鋭い反応が何回も見られた。リバウドも先発、今シーズンのミランの流れるような攻撃にフィットしている。バランサーのピルロも定着。そして最終ラインにはネスタがおり、一歩先を読んだ動きと、コースに先へ入るスピードも光る。だが、何と言っても中盤での厳しいプレッシングが効いていた。イタリアのチームが真剣にプレッシングに来ると、スペインのチームは動きがとれない?4点差の大勝。イタリアのクラブのヨーロッパでの復権は、チャンピョンズ・リーグでの勝利の積み重ねによるしかない。ラ・コルーニャは状況が厳しいが、バレロン抜きのシステムを確立しなければならない。ジャウミーニャはもういないし。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 2節
インテル [イタリア] 1-0 アヤックス・アムステルダム [オランダ]
2002.9.25
ゴール / クレスポ
94-95 シーズンのチャンピョンズ・リーグを制した、あまりにも強力だったアヤックス。だが、クライファート、ダービッツ、デブール兄弟、ファン・デル・サールと、主力が次々と移籍、低迷期に入った。その後の地道なチームの強化が実り、クーマンを監督に迎え、チームが蘇生した。キブーやイブラヒモビッチなどのタレントを軸に、攻守ともに素晴らしい。そして何と、あのリトマネンが帰還した。システムの中心に位置しチームを統率、最強アヤックスの再現させるか?だが、2次リーグを突破したとしても、そこから先が難関。レアル、マンU、バイエルンのいずれかを破らなければ、ヨーロッパ再制覇は有り得ない。その前に、インテル戦である。対するホームのインテル、堅い守備を起点にゲームを組み立てるクーペル監督、アヤックスを自由にはさせない。互角のゲームと思われたが、インテルにはクレスポがいた。右サイドの後方からの早いクロスに対し、信じ難いタイミングでボールに足をあわせた。経験と決定力の差か?だがアヤックスのミスは少なかった。アヤックス・ホームのインテル戦が、実に楽しみ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 2節
レアル・マドリード [スペイン] 6-0 ゲンク [ベルギー]
2002.9.25
ゴール / OG、サルガド、フィーゴ(PK)、グティ、セラーデス、ラウール
ロナウドの初出場は延期、ジダンとマケレレは休みのレアル。1st ハーフ終了間際まで、ゲームは両チームとも無得点、スローペースで進んだ。だが結局は何と6点差、やはりゲンクはやられてしまった。たたみ掛ける攻撃を、ゲンクは防御できなかった。鈴木のシュートも悲しい?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 2節
バイヤー・レバークーゼン [ドイツ] 1-2 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
2002.9.24
ゴール / ファン・ニステルローイ(マ)×2、ベルバトフ(レ)
マンUの攻撃のソツのなさと展開力はやはり強力、レアル・マドリードと双璧をなす。自国リーグでの不調も解消に向かうか?1節で見せたディフェンスに対する不安も、百戦錬磨の選手達によってある程度は調整された?怪我人が多いとはいえ、出場している選手はやはりタレントなのであり、長いシーズンを乗り切っていくのだろう。2nd ハーフは、力を温存しているようにさえ見えた。間違いなく優勝候補だ。キーン不在の間のキャプテンはベッカム、見事にチームを統率。それよりも、昨シーズンのファイナリストのレバークーゼンの連敗は気になる。連携が悪くなったワケではないし、2nd ハーフは攻めたが、やはりバイエルンに移籍したバラックの分だけ弱くなった?いや、意地でチーム力を盛り返すかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 2節
ニューカッスル・ユナイテッド [イングランド] 0-1 フェイエノールト [オランダ]
2002.9.24
小野伸二、もちろん活躍
ゴール / パルド
1st ハーフは、アウエーのフェイエノールトが制した。相変わらず、攻守のバランスが良い。ファン・ホーイドンクも、ピンチの局面ではゴール前まで戻る。チャンスではたたみ掛ける攻撃、バフェル、ソン、パルドも良い。2nd ハーフはニューカッスルが攻めるが、フェイエノールトは無得点で逃げ切った。ユーベとニューカッスルと続いて勝点は4、フェイエノールトの2次リーグ進出へ向けて申し分ないスタート。シアラーのゴールも見たかったが・・・。
イタリア セリエA 3節
レッジーナ 1-2 インテル
2002.9.22
中村俊輔も初ゴール
ゴール / ビエリ(イ)、中村(レ,PK)、レコバ(イ)
スター軍団でも、アウエーでは間の悪いゲームをしてしまうという、典型的なケース。それでも、無類の決定力を誇るビエリ、一瞬の切れが驚異のレコバがいて、最終的には勝利してしまう。チームの完成度がイマイチという話だが、間違い無くシーズン中には調整するだろう。対するホームのレッジーナ、不調のインテルが相手とはいえ、悪くなかった。前節とは違って中村には数多くボールが渡り、チャンスを作った。結果がほしい。
イタリア セリエA 3節
エンポリ 0-2 ユベントス
2002.9.21
ゴール / デル・ピエーロ(PK)、デル・ピエーロ
デル・ピエーロ、ディ・バイオ、サラスを同時に使う。格下のエンポリを相手に、攻撃的布陣のテストか?確実にチャンスをモノにするデル・ピエーロ、全盛期の出来の90%まで戻った?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 1節
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 5-2 マッカビ・ハイファ [イスラエル]
2002.9.18
キーン、スコールズなど怪我人が多い。ファーディナンドも怪我明け、ベッカムの不調、ファン・ニステルローイも目覚めていない、プレミア・リーグで不調のマンU。大量5点をゲット、波に乗りたい。2失点はイマイチだが、まだまだ不調は続くのか、不調のワリには良かったのか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 1節
フェイエノールト [オランダ] 1-1 ユベントス [イタリア]
2002.9.18
ゴール / カモラネージ(ユ)、ファン・ホーイドンク(フ)
両チームとも、攻守のバランスが良い。ユーベはやはり、どちらかと言えば引き気味、カウンターとセット・プレーのチャンスに賭ける。フェイエノールトの攻撃陣、トマソン移籍以降のパターンを完成させつつあり、相手ゴールに迫るが、ユーベの守備はやはり堅い。カモラネージのドライブを掛けたシュートで先制、ユーベが逃げ切るかと思われたが、2回のやり直し後のファン・ホーイドンクの伝家の宝刀フリー・キックで同点。ここでの初戦での引分けは、可もなく不可もなく、両方のチームにとってもダメージは少ないであろう。小野伸二、落ち着いた、ミスの少ないプレーが光った。これでダイナミックさが加われば完璧であろう。ソン・ジョングッ、予想以上のスピードでチームにフィット、大きな仕事を果たす予感がする。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 1節
ローマ [イタリア] 2-1 レアル・マドリード [スペイン]
2002.9.17
ゴール / グティ×2、ラウール
いよいよ、チャピョンズ・リーグも開幕。ローマ対レアルの開幕は、昨年と同じ。肉弾戦を仕掛け、レアル陣内に押し込めるローマ。だが、得点出来ない。やはり、ディフェンディング・チャンピョンのレアルは一味違った。相手のボールを掠め取り、激しいタックルをかわし、的確にボールを廻し、ディフェンダーの足元を抜いてゴールを決める。レアルのボール廻しにはスキがない。モリエンテスもロナウドもいないが、必要なゴールは奪う。ローマがレアル・ゴールに迫る回数は多かったが、得点ナシ。確かに、トッティもバティストゥータもいなかった。だが、たとえ相手がレアルあっても、ホームで負けるようであれば、ビッグ・イヤーへの道は遠い。ヨーロッパでのイタリアの復権は、今シーズンもムリなのか?
イングランド プレミア・リーグ
サンダーランド 0-3 フルアム
2002.9.14
ゴール / 稲本、ヘイルズ、マルレ
サンダーランドの状況が良くなかった。それにしても、稲本はトップ下のポジションで結果を出し続け、チャンスは逃さなかった。日本人であれば、稲本はボランチという先入観で見ているだろうが、ワールド・カップでの得点を見れば、稲本のゴール感覚は間違いなくゴールに近い位置で生きるであろうと、客観的に評価出来る。日本人離れしたパワーと、確実なテクニックと広い視野、スピードもある。マルブランクなどとの連携も、更に冴える。だが、UEFA カップもこれから開幕、シーズンは長い。
オランダ エール・ディビジ
トゥエンテ 1-5 フェイエノールト
2002.9.17
小野伸二、益々絶好調
オランダのチームの典型的な攻撃的なゲームが見られた。フェイエノールトの好調さを、ホーム・ゲームのトゥエンテでも止められない。オランダ・リーグへのデビュー早々素晴らしい切れを見せる韓国のソン・ジョングッ。ソンの正確なクロスに合わせて小野がゴール!東アジアの選手同士、韓国から日本へのラスト・パスが拝めるとは!トマソンの穴を、中盤全員でカバーしている感じ。トップ下のブッフェルも、徐々に調子を上げている。
イタリア セリエA 2節
ペルージャ 2-0 レッジーナ
2002.9.15
中村俊輔のセリエAデビュー
中村俊輔のデビュー戦、2本のフリーキックと2nd ハーフの惜しいシュート、得点に繋がらず。レッジーナとしては、セット・プレー以外にビッグ・チャンスが作れなかった。セリエA的な潰し合い、中村の前途はやはり厳しいが、足技で何とか局面を切り開いてもらいたい。
イタリア セリエA 2節
ユベントス 3-0 アタランタン
2002.9.15
ゴール / デル・ピエーロ(PK)、デル・ピエーロ、フレージ
カモラネージ、バイオッコ、2nd ハーフ途中出場のフレージと、ミランとは比較にならないくらい地味なニュー・フェースが、必要なパーツとして機能。どちらかと言えばビッグ・ネームのディ・バイオも、動きはまずまず。これがリッピ監督の、いやユーベのマジック?何と言ってもデル・ピエーロ、見事なゴールだけでなく、ドリブルの切れに目を見張った。前シーズンのユーベがスクデットなら、今シーズンも引き続き優勝候補である。
イタリア セリエA2節
モデナ 0-3 ACミラン
2002.9.14
ゴール / インザーギ×2、シミッチ
第1節が延期、2節からスタートしたセリエA。ACミラン、トップ下にルイ・コスタ、ボランチにピルロという攻撃的布陣。流れるような攻撃的なサッカーを見せた。これはやはり、電撃移籍のDFネスタがいてこそである。安定した守備は勿論、スピーディーな攻撃は彼からスタートする。ミラン、遂にバレージ引退以降のディフェンスの不安定さをやっと解消できる?ルイ・コスタとインザーギは絶好調、ボランチのピルロからの組み立ても効果的。今シーズンのミランは強いのか?セリエAやチャンピョンズ・リーグで強豪と当たってから、それは判明する。
イングランド プレミア・リーグ
フルアム 3-2 トッテナム・ホットスパー
2002.9.11
稲本、プレミアで日本人初のゴール
ゴール / リチャーズ(ト)、シェリンガム(ト)、稲本(フ)、マルブランク(フ,PK)、レグバンスキ(フ)
1st ハーフは、トッテナムがもらった。シェリンガムのゴール感覚も相変わらず鋭い。だが 2nd ハーフにマルブランクを投入、フルアムはまるで別のチームになったかのように攻撃的になり、素早いパスが効果的につながる。マルブランクは稲本にトップ下のポジションを奪われているが、左サイドでも十分に機能。ロスタイムには、攻撃の鋭いレグバンスキが逆転ゴール。フルアムの中盤はかなり強力だ。稲本、トップ下に定着し、このゲームの2nd ハーフのようなゲームで流れに乗れば、プレミアで1シーズン10ゴールは堅い??
EURO 2004 予選
オランダ 3-0 ベラルーシ
2002.9.7
ゴール / ダービッツ、クライファート、ハッセルバインク
ベラルーシはオランダの敵ではなかったし、実力に差はあった。それにしても、オランダの攻撃陣は絶好調。ゼンデン、ダービッツ、クライファートは切れていた。ワールド・カップ出場を逃したチームには、全く見えなかった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
デポルティボ・ラ・コルーニャ 2-4 ベティス
2002.9.1
ゴール / アスンソン(ベ)、アルフォンソ(ベ,PK)、マカーイ(デ)、アルス(ベ)、ホアキン(ベ)、ディエゴ・トリスタン(デ,PK)
フェルナンデス監督、セルタでのサッカーをベティスでも実践、個人技に優れる選手を攻撃的に使う。アルフォンソ、ホアキン、アスンソン、デニウソンの切れも素晴らしい。ホームのラ・コルーニャ、やりたいサッカーをベティスにやられる。2nd ハーフの後半は持ち直したが、遅かった。しかし、攻撃的チーム同士のゲームは見応えがある。
ロナウド、インテルからレアル・マドリードへ移籍・・・
ビッグ・ネームの移籍はよくある話、ロナウドだってレアルで20ゴールでもゲットすれば、移籍のゴタゴタも過去の話となる。だが現在のところ、ロナウドの移籍はインテル・サポーターをないがしろにしたネガティブなイメージ、モリエンテスは悲劇のヒーローになった、そんな感じ。確かに、モリエンテスはワリを食ったようである。ロナウドと同時に、ネスタ、クレスポ、ディ・バイオなどが移籍、移籍マーケットの期限ギリギリに
大きなウネリが起きた。ロナウドやモリエンテスなどのクラスのビッグ・ネームになると、移籍を希望しても行き先は限定される。マンU、ミラン、ユーベ、バイエルン、バルサ、レアル・マドリー。ロナウドとモリエンテスが大変なタレントである事に、疑う余地は無い。だが両者は、実は"ガラスのエース"なのである。ラウールほどタフではない。レアルでの共存は可能だと思われる(おっと、両者はまだレアル所属選手だが)。共存を前提に、穏便に移籍交渉を終結させる事も可能であったろう。だが、ビジネスの世界は厳しい。温情をもって、誰もが納得するような結果を生むとは限らない、それを改めて知らされたロナウドの移籍劇であった。
(記2002.9.3)
スペイン リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 2-0 エスパニョール
2002.9.2
レアルもリーガの初戦を迎える。ジダン、フィーゴ、ラウール、ロベ・カル、ワールド・クラスの選手達が完全にフィット。MFカンビアッソは本当にウマく、エルゲラを最終ラインに固定出来る。エスパニョールは敵ではなく、今シーズンのレアルの強さのチェックは、更に強敵と当たるまで持ち越し。気になるのはやはりモリエンテス、2nd ハーフの途中から出場・・・。
スペイン リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 2-2 アトレティコ・マドリード
2002.9.1
ゴール / ルイス・エンリケ(バ)、オテロ(ア)、コレア(ア)
アトレティコは2部から戻ったばかりだが、相手はバルサ、開幕早々の願ってもないカード。バルサからセルジ、ミランからアルベルティーニを移籍させるなど、顔ぶれだけは豪華に見えるが、果たして結果は?初戦でアウエー、しかもカンプ・ノウ、2点奪っての引分けはかなり大きい。再び2部落ちする事だけは、何とか避けてもらいたい。ファン・ハール監督が復帰、ボールを出来るだけ支配し、コンビネーションからゴールを奪うサッカーが蘇った。サビオラの切れは益々冴え渡り、ルイス・エンリケがリバウドの役割を何とか果たす。だが、ディフェンスは攻撃ほどには魅力的でない面もそのまま。ゴール・ゲッターも、もう一人欲しい。ロナウドを加えて究極の世界選抜チームとなったレアルに、どう対抗するのか?
UEFA スーパー・カップ
レアル・マドリード [スペイン] 3-1 フェイエノールト [オランダ]
2002.8.30
ゴール / OG(レ)、ロベルト・カルロス(レ)、ファン・ホーイドンク(フ)、グティ(レ)
大会の趣旨にワリには権威はなく、テスト・マッチとするには余りにもにも豪華なこのゲーム。意義を見付けるとすれば、ヨーロッパのカップ戦の新シーズンの開幕を告げる号砲である事か?今シーズンも、激烈なサバイバルがスタートする。現在、世界最強のチームと言えるレアル、ジダンも完全にチームにフィット。カンビアッソが中盤に入り絶好調、エルゲラが最終ラインへ。ロベルト・カルロスとサルガトの両サイド・バックも健在。レアルが普通にやれば、敵はいない。だが、フェイエノールトの落ち着きも目を見張るものがある。トマソンの穴は大きい。ワールド・カップで得点して活躍し、ACミランに移籍、そんな選手の代役はそう簡単には見つからない。小野伸二をもう少し前で使えば面白いと思うのだが・・・。ロベ・カルのワザと、ファン・ホーイドンクのフリー・キック、サスガだ。レアルのモリエンテスが不出場、ひょっとしてやっぱりインテル??
UEFA チャンピョンズ・リーグ 予選3回戦 1st leg
フェネルバチェ [トルコ] 0-2(トータル0-3) フェイエノールト [オランダ]
2002.8.27
ゴール / 小野、バッフェル
レビボ、オルテガ他、攻撃陣総登場のフェネルバチェ、序盤は圧倒的に攻めまくる。だが、UEFA カップを制したフェイエノールトのディフェンスは、簡単には崩れない。イスタンブールのチームの過激なサポーターの罵声にも、全く動じない。組織力で優るフェイエノールトは、徐々に押し返す。2nd ハーフ、ゴール前でフリーの小野にパスが渡り、冷静に決めた。予選とは言え、チャンピョンズ・リーグでの2ゴールは、稲本のハット・トリックに劣らない快挙だ。
イングランド プレミア・リーグ
アーセナル 5-2 ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオン
2002.8.27
ゴール / コール(ア)、ローレン(ア)、ビルトール(ア)×2、ドビー(ウ)、ロバーツ(ウ)、アリャビヨン(ア)
アンリが何人もいるのかと思える、アーセナルの5ツのファイン・ゴール。しかし、プレミアとFAカップの二冠の覇者らしくない2失点がいただけない。ディフェンスも、得点のように冷静に対処出来ないのだろうか?
イングランド プレミア・リーグ
チェルシー 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
2002.8.23
ゴール / ギャラス(チ)、ベッカム(マ)、ゼンデン(チ)、ギグス(マ)
チェルシーが好調。危険なFWハッセルバインクを軸とし、ゼンデンと超ベテランのFWゾラが好調。マンU、GKバルテスとDFリオ・ファーディナンドを欠き苦しいが、攻撃力でチェルシーに対抗。両チームとも攻め合いで面白いゲームだが、今シーズン2ゲーム目で、試し打ちの感じも。プレミアと欧州で覇権奪回を目指すマンU、怪我人が復帰したとしても、長いシーズンを乗り切るには、1枚か2枚は足りないであろう。それにしても、ベッカム、個人技からの左足のシュートはサスガ、右足と同じ弾道でゴールに入った。
イングランド プレミア・リーグ 開幕
アストン・ビラ 0-1 リバプール
2002.8.18
ゴール / リーセ
名門の両チーム、開幕戦で力が入る。リバプールのディウフ、早くも先発。やはりプレミア・リーグには急には馴染めないし、マークされてキツいが、オーウェンとのコンビネーションを確立する日も来るだろう。リバプールは選手層が厚く優勝候補と言われているが、オーウェンやジェラードなどの主力がシーズンを通して好調を維持する事が、タイトル獲得の為の大前提であろう。
イングランド プレミア・リーグ 開幕
フルアム 4-1 ボルトン・ワンダラーズ
2002.8.17
稲本が後半の途中から出場でプレミアでのデビュー、トップ下を任され、コーナー・キックも担当。フルアムの中盤にはなかなか良い選手が揃っているし、チームも好調なので、現在のところでは先発は難しい。だが少なくとも、昨シーズンのアーセナル在籍時よりは出場機会は多いハズだし、シーズンは長いし、レギュラーの座を獲得してブレイクする可能性は十分にある。
ベルギー・リーグ 2002-03 第2節
アントワープ 2-4 ゲンク
2002.8.17
ゲンクの攻撃はなかなか素晴らしい。ボールを繋いでゴールにボールを流し込もうとする攻撃は、オランダ・リーグに近いかもしれない。だが、相手に攻められるとディフェンダーがかなり慌てる。ここがイタリアやイングランドのリーグとの差であろう。鈴木は後半途中から出場、MFの左サイドでボールを捌き、チャンスではゴール前に切り込んで、シュートも放った。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 予選3回戦 1st leg
フェイエノールト [オランダ] 1-0 フェネルバチェ [トルコ]
2002.8.13
ゴール / 小野
フェイエノールト、ポイント・ゲッターのトマソンの移籍はかなり痛い。だが、攻撃的な姿勢は相変わらずで、今シーズンの得点パターンの確立が急がれる。その中でも、このゲームでの小野の得点の意義は、かなり大きいのかもしれない。キーパーのルシュトゥの読みを完全にハズした、素晴らしい弾道。フェネルバチェのブラジル人FWのワシントンをチームが活かし切れず、無得点に終わった。だが、サブにはあのオルテガがおり、後半途中から出場し、ゲームの流れがフェネルバチェに傾きかけた。フェイエノールトはフェネルバチェのアウエー・ゴールを許さなかったのは大きいが、得点1ではホームで強いトルコのチームに引っ繰り返される可能性もある。
プレ・シーズン・マッチ
ユベントス vs ACミラン vs インテル
2002.8
2002-03 シーズンを前によく行なわれる、3チームによるプレ・シーズン・マッチ。大きな移籍が少ない、本当に静かなシーズン前だ。放出は必至だと思われたダービッツは、ユーベに残留?ワールド・カップでも活躍し、ミランに来たトマソンは、シェフチェンコと組んでもやって行けそうな気配。しかし、リバウドがミランに移籍が決定したというし、インザーギだっているし、ミランも流行の3トップで行く??
2002 ワールド・カップ
スペイン
召集されたメンツを見れば、ベスト4以上の好成績を残すのも夢ではない、そう思えた。ディフェンスのイエーロとナダルは大ベテランでスピードに難がありと懸念されたが、いざとなればプジョールとエルゲラを使える。ラウールを中心とした攻撃陣も、例年になく強力。そうなると中盤はどうか?バラーハなど充実し、駒は揃っている。グループ・リーグの3試合に問題はなく、得点王もイケると思っていたディエゴ・トリスタンが絶不調なのを除けば、決勝ラウンドに入っても好調を持続するだろう。トリスタンに替わった形のモリエンテス、絶好調。左サイドのテクニシャン、デ・ペドロが安定し、チームに落ち着きをもたらした。だが、華麗なパス交換からのスペクタルを期待したがそうでもなく、強さは感じさせたが、妙な落ち着きはイタリアを思わせた。同じグループ内に、強烈な相手はなかった。本当のスペクタクルはベスト16の初戦で見せてくれるのか?相手は、ドイツ戦で驚異の粘りを見せた、あのアイルランド。確かにアイルランドは強かったが、攻め切れないスペインに疑問符がついた。厳しい自国のリーグ戦の後の疲労はあるだろうが、それにしても期待の連携プレイが思った程でもない。辛うじてPK戦でアイルランドを降したが、優勝候補らしからぬゲーム運びに見えた。そして、準々決勝で当たってしまった、赤い悪夢。審判にも問題はあったであろうが、韓国代表は、スペインと互角にクリーンに良く戦ったのは間違いない。スペイン自身はどうだったのか?ラウールをはじめ、怪我人が続出してしまった。右サイドには若手のホアキンが入り、期待以上の動きを見せた。だが、左サイドに、デ・ペドロに替わるべき駒が足りなかった。メンディエタの不調が言われるが、彼は元々右サイド。フランかビセンテがサブに入っていれば、様相は違った?だが、それも根本的には小さな問題なのかもしれない。ヨーロッパの選手の疲労と韓国の成長、やはり、それに尽きる。スペインは、90分の中での決勝ゴールを奪えなかった。スペインには期待をし過ぎたのだろうか?スペインの過去のワールド・カップでの成績、それは結局は実力の通りだったのだろうか?レアル・マドリード、ラ・コルーニャ、バレンシア、そしてバルセロナ、各チームのスペイン人選手が集まれば強力なチームが出来上がると、誰もが思う。強い時には本当に強い、"無敵艦隊"とまで呼ばれる。だが、史実的には"無敵艦隊"は結局敗れ去ってしまうのである。スペインは、21世紀中にワールド・カップを制する事は出来るか?
(2002.7.24)
2002 ワールド・カップ
イングランド
事実上の決勝戦とまで言われた、ブラジル対イングランド戦。おいおい、ちょっと待てよ!と、ひねくれ者の筆者としては口を挟みたくなる。優勝候補に挙げられた両チームは、大会前の戦力からすれば優勝は難しいのではと思っていた。だが優勝したのはブラジルだし、"事実上の決勝戦"と発言したのは選手当人であったし、イングランドがブラジルに勝ったとしたら、本当に優勝の可能性があったのか??それはさて置き・・・。近年は、ベッカムを始めとして好選手を出してきたイングランド。だがここにも、試合過多による選手の疲弊の影が・・・。予選のアウエー戦、5-1 でドイツを粉砕してしまったイングランド、その中心には、スピードとパワーとセンスを兼ね備えた怪童ジェラードがいた。だが、大会本番は怪我で欠場。守備の主力であるギャリー・ネビルも怪我、期待のオーウェンやスコールズも本番では不調。そして、キャプテンのベッカムは骨折から奇跡的な回復を見せたが、パフォーマンス自体は50%の出来。ベッカムはキャプテンとして良くチームをまとめたと思えるが、ベッカム本人が驚異のクロスで相手を窮地に陥れるような場面は少なかった。日本での人気が急にアップしたのが、皮肉だ。イングランドは、この大会で結果が出せたとは言えないが、悲壮感は然程感じさせなかった。攻撃の良い形がなかなか作れないイングランドは、ファーディナンドを中心に守備的に戦い、現在可能な手は全て打ち、出せる力は出したように思える。予選リーグで、アルゼンチンを破ったのは大きい。因縁を乗り越えた、クリーンなゲームだった。しかし、両チームにとっては厳しいゲームであったとは思うが、見て楽しいパフォーマンスの高いゲームには見えなかった。やはり、両チームは不調だったのか?敗退したゲームの相手は、優勝したブラジル。"3R"の圧倒的な足ワザを止めるのは本当に難しく、イングランドの敗戦も納得出来るものだ。イングランドにとって幸運だったのは、韓国と当たらなかった事だ???
(2002.7.10)
2002 ワールド・カップ
大会後 (2)
東西分化の接触
ワールド・カップが日韓共同開催と決定、ホーム・チームが2チームになった。共同開催が決定した時点では、これがどういう意味があって、どのような現象をもたらすのか、きっと誰にも予想がつかなかったであろう。ホーム・チーム有利の審判、いかに審判のレベルを向上させても、スポーツが存続して行く中で、選手と審判が人間である限り、なくならないであろう。しかし、ここまでインパクトのある様相が出現するとは・・・。
現在、サッカーの中心地は、ヨーロッパである。一つの大陸の中で、様々な歴史的な背景を持つ国や地域の間で、代表チームやクラブ・チームが、威信をかけて競い合っている。それぞれが切磋琢磨しあい、チームのレベルを向上させている。そして、知力と体力を結集させて戦うチームを、サポーターが熱狂的に応援している。もう一つのサッカーの中心地、南米。ここでも、サッカーに対する方法論や概念は弱冠は異なるが、欧州と同様に、代表チームやクラブ・チーム間で激しい戦いがあり、熱狂的な応援がある。そして、世界的な大会であるワールド・カップがある。カメルーンやナイジェリアなどのアフリカ勢が、欧州や南米の代表チームを破り、驚かせる事もある。だが結局は、大会の中心となるのは欧州と南米であった。
2002年のワールド・カップは、初めてアジアで行なわれる。日本と韓国の代表は、国際的な実績からすれば、欧州と南米には及ばない。だが、実力は確実に上昇し、ワールド・カップのホスト国としても問題はないであろう、そう判断されたワケである。だが、大会が開幕するまでは、日韓両国の代表チームは、それなりの活躍はするであろうが、欧州と南米が中心であるのは間違いない、開催国の関係者やサポーターを含めて、大勢としてはそのように考えていたハズである。過去の経緯からして、アフリカ勢が多少のサプライズを起こす事くらいはあるだろう。
日韓両国は少なくとも、本番での予選リーグの敗退だけは避けなければならない、ベスト16へ進出するのは義務である。その為に、出来得る限りの準備をし、チーム力を向上させて来た。テスト・マッチでも、結果が伴うようになって来た。
ヨーロッパでは、チャンピョンズ・リーグなど、 UEFA 主催のゲームの数が、著しく増加した。98年フランス大会以降、チャンピョンズ・リーグの本選出場のチーム数は、16から24へ、更に32に。2次リーグが追加される形になり、6試合増えている。ビッグ・クラブであれば、収益面を考えても、2次リーグ突破は当然であり、各国代表の主力は、多少の怪我では休養出来なくなっている。各国のリーグ戦、チャンピョンズ・リーグや UEFA カップ、その合間にワールド・カップや欧州選手権の予選がある。選手の疲労は蓄積され、怪我も増加する。イングランドには、更に FA カップがあり、何と引分け再試合の制度が残っている。プレミアと FA カップの2冠に輝いたアーセナルの主力は、アンリ、ビルトール、ビエラ、怪我でワールド・カップを欠場したピレスが在籍している。フランスの無得点敗退は、運の問題だけではない。
フランス代表のジダン、スペイン代表のラウール、共にレアル・マドリード所属の選手である。チャンピョンズ・リーグを戦い抜き、ビッグ・イヤー獲得の原動力となった。彼らはレアル、シーズンを目イッパイ戦い、代表のゲームでも主力であった。特に、ラウールは凄く、レアルと代表のゲームに出続け、本当に重要な場面でのゴールは数知れない。だがこの二人、本番中の本番、ワールド・カップの最も重要なゲームで欠場してしまった。彼らとて人間であり、不調な時もあるが、よりによってそれがワールド・カップであるとは・・・。
日程にも無理はあった。欧州の主な国のワールド・カップ準備期間は2週間。確かに、梅雨を避ける為に、開催日程が通常よりも弱冠は前倒しになっている。だが梅雨を避けなければならないという問題は、開催地が日韓になった時点で分かっている事実である。
韓国と、韓国に破れたポルトガル、イタリア、スペイン。資金と時間を注ぎ込んで大会に備えた韓国と、1シーズン戦って疲弊している欧州各国。何時の間にか、実力差は互角になってしまっていた。それでも、ゲームを見るまでは、欧州の強豪は最後には勝つだろう、そう信じていた。だがゲームが行なわれた結果、真っ赤に染まったスタジアムに溺れるが如くに沈み込んでしまったのは、韓国と相対した方のチームであった。多少なりとも韓国に慣れている日本人が見てもショッキング、あちらのサポーターが受けた衝撃は大変なものだろう。
確かに、審判の問題、ホーム有利の判定の問題は、無視出来ないであろう。だが、今回のようにホームとアウエーが明確になっている大会で、判定がホーム有利傾いてしまうのは、仕方がない?いくら否定しても、過去にもホーム・チームが有利にされていると思われる判定は存在する。だが、審判の問題と、強国敗退の原因の究明は、サポーターとしては、まずは、各個に検証してみるべきである。少なくとも、ポルトガル、イタリア、スペインが、韓国のディフェンダーを完全に切り崩したシーンというのは、少なかった。
思惑がらみで共催となった、日韓ワールド・カップ。日本がベスト16で終わった後、韓国も姿を消すとなると、ワールド・カップの盛り上がりが落ち込んでしまう、だから審判がホーム有利になった、とは考えたくない。だが、韓国が勝ち進んだおかげで、ワールド・カップが緊迫した大会になったのは間違いない。運営が難しい、海を挟んだ2ヶ国での共催。決定させたのは、日韓の当事者ではない。"彼ら"の方である。そして、"彼ら"の地元でのサッカー・ゲームは、試合過多、過密日程。日韓ワールド・カップの波瀾の要因は、実は既に予定されていたものなのである。そしてそれは、東アジアと欧州のスポーツ文化が接触した結果、発生したものである。欧州や南米のチームが有利であるとの先入観、それが裏切られた時のショック。アジアで開催された大会である限り、"彼ら"、そして"我々"さえ抱いていた常識が崩れ去った。今後は少なくとも、チームの強弱の差は少なくなり、ゲームの展開と勝敗の予想は更に難しくなる。チケット販売のトラブルなども含めて、今回のワールド・カップで発生した諸々の問題。それは、大会が東アジアで行われたからこそ発生したものが多い。異文化の衝突にも見えるが、軋轢などではなく、更にグローバル化していく現代スポーツの持つ理念からして、それは衝突ではなく融和への第一歩なのであろう。
(2002.7.10)
2002 ワールド・カップ
大会後 (1)
日韓共催
日本と韓国は、ワールド・カップの2002年の単独開催を目指し、争った。結果は、様々な思惑が錯綜して、共同開催に。当初は、何か釈然としないものを感じた。特に、当事者である日韓両国とって特に強く感じさせられた決定ではなかったか?
世界的なイベントとして、スムースにワールド・カップを運営させる為には、単独開催であった方が良かったであろう。だが、決定当初は誰も考えもしなかった様々な現象が、想像もしないインパクトを伴って発生した。大会が成功だったかどうかという点において、否定的な見解を示す者も少なからず存在するであろう。開催国が2ヶ国になった事による運営の複雑化、審判の問題など。だが、運営上の諸々の問題の存在をはっきり認めた上で、歴史的な意味で、大会が日韓共催となった事で恩恵を受けたのは、日本と韓国である。誰が何と言おうと、ワールド・カップのような大イベントが両国の協力の元で、大きな事故もなく終了した事は、歴史の流れの中でも分水嶺になるべき大事件である。1964年のオリンピックが日本史の教科書に掲載されるような大事件であるならば、2002年の日韓ワールド・カップというのは意義としては、それ以上に有意義なイベントであった。国際紛争が地球上から絶えない今日、日本と韓国が、平和を第一の絶対的な前提とする世界的なイベントを、目標通りに平和に終了させた事は、大きな意義があるのではないか。
(記2002.7.6)
2002 ワールド・カップ
MVP はカーン
MVP は、ドイツの守護神、カーン。選定した人々の見識には、賞賛を禁じ得ない。普通であれば、蘇ったブラジルのゴール・ゲッター、ロナウドが選出されそうである。だが、ワールド・カップの連続無失点試合の記録を作ったのは、まさにカーンである。カーンのここ数シーズンの活躍は素晴らしいものがある。特に、昨年は遂にチャンピョンズ・リーグを獲得した。しかし、バロン・ドール(欧州最優秀選手)は、オーウェンに奪われた。フィジカル部分の能力だけ見れば、ピークは数年前に終わっている。だが、コースの読みとセーブの判断の能力は年々研ぎ澄まされているように見える。今回のワールド・カップで、決勝を迎えるまでは、ロナウドやリバウドのような強力なFWとは当たらなかった。だが、驚異のセービングがチームの幾多の危機を救ったのは確かだ。2002-03 シーズン初頭は、今年のバロン・ドール獲得に向けて、ロナウドとデッド・ヒートを演じるのは間違いない。
昨年のチャンピョンズ・リーグ決勝と言えば、バイエルンのカーンと互角のセービングを見せた、スペイン代表キーパー、バレンシアのカニサレス。ワールド・カップ直前の怪我で、レギュラーの座を、カシージャズに譲り渡した。今年は、バレンシアでリーガ・エスパニョーラを制した。怪我がなければ、カーンのカリスマが霞んでしまうくらいの活躍を見せたのだろうか?ワールド・カップで見たかった選手の一人である。
(記2002.7.3)
2002 ワールド・カップ
早々に消え去った選手の、素晴らしかったあのゴール
ワンチョペ (コスタリカ)
ブラジル戦で見せた、ブラジル人顔負けの個人技からのゴール。
フォルラン (ウルグアイ)
セネガルに3点取られた後、意地で決めたスーパー・ゴール。
パウレタ (ポルトガル)
チームがあの調子でなかったら、得点王も狙えた。
(記2002.7.1)
2002 ワールド・カップ
決勝
ブラジル 2-0 ドイツ
2002.6.30
ゴール / ロナウド×2
ワールド・カップ決勝でのボールの動きの鋭さは、やはり他のゲームとは全く違う。ゲームとボールが、躍動している。特に、序盤でのドイツの攻撃は強烈だった。ノイビル、シュナイダー、イエレミース他、各選手の動きは、チームとしても個人でも、ブラジルを上回っていた。だが、ドイツに得点は無かった。ブラジル、やはりリバウドとロナウドの足技であった。サンバのリズムが聞こえてしまった。グループ・リーグで非常に不安定に見えた中盤も、決勝では安定していた。ブラジルにとっては、決勝は最高のゲームであった。ドイツにとって、特にカーンには、悔いの残るゲームであろう。徹底的に切り崩されたワケでもなく、チャンスもあった。やはり、バラックの不在は大きかった。
結局、ブラジルの優勝であった。3大会連続決勝進出、2回優勝。もう、伝統的な強さとしか言いようもない。94年の優勝から、98年の準優勝、予選での苦戦をかいくぐっての02年の優勝。昨年の今頃、いや今年に入ってからさえも、誰もブラジルの優勝など考えていなかった。そこには、ロナウドがいなかった。大会直前のテスト・マッチの対ポルトガル戦、これを見ていなかったら、ブラジルの躍進は晴天の霹靂にさえ感じられたかもしれない。
結局、サッカー界はブラジルを中心に廻っていた。そして、ロナウドの大復活というドラマまで折り込んでいた。ロナウドの決定力は、かつて猛威を振るった圧倒的なスピードと突破力から来るものだけではなかった。ロナウドが装備している武器は、テクニックだけではなく、鋭敏に研ぎ澄まされた得点感覚であり、そこが他の追随を許さない点であったのだ。インテルのクーペル監督の元で、慎重に慎重に復活を目指し、徐々に得点感覚を取り戻し、ワールド・カップという最も重要な舞台で、優勝と得点王という"2冠獲得"という離れ業を達成した。
確かに、ブラジルは強かった。だが、ヨーロッパのチームは、本当に疲れ切っていた。しかも、極東という別世界での長期滞在。韓国、セネガル、ブラジル、トルコ、日本まで含めて、ヨーロッパの強豪以外のチームが躍進したのは、決して偶然ではない。
2002 ワールド・カップ
ディフェンディング・チャンピョン、フランスの敗退
98年フランス大会でのフランス代表、ホームでもあるので優勝候補には入れられていた。だが、絶対的な本命とは目されてはいなかった。何しろオランダが強く、イタリアも例によって優勝しそうに見えた。決勝トーナメントでの粘り腰、思えば2002年の韓国の勝ち上がりにも多少似ている。守備陣はとにかく堅固。ピンチになれば、ブランやテュラムまで得点と、誰かしらが得点。決勝ではジダンが活躍したが、出場停止も食っており、絶対的なジダン頼みでもなかった。チームの戦力のバランスと、大会を成功させる為に最低の義務を果たそうとモチベーションが最高潮に達したのが、勝因であろう。
EURO 2000 のフランスは、本当に強かった。最強のディフェンス陣に、アンリとトレセゲなどが成長し、完璧な布陣が出来あがった。2001年のコンフェデレーション・カップでも、強さをうかがわせた。ジダンなどの主力が参加しなかったが、それでもフランスは強く、主力が戻れば強さは揺るぎ無いと思われた。テスト・マッチでは、ホームで日本代表を粉砕した。
その後、テスト・マッチで負けが目立つようになる。いくら強いチームでも、時には負ける事だってあり、不調は一時的な現象である、きっと本人達もそう思っていた事であろう。だが、ワールド・カップ本番で無得点の予選敗退という結果は、既に予定されていたのかもしれない。頂点に立ったチームは、いつかは下降に入る。フランスの場合は、下降が急激で、強かった時の記憶がまだ鮮明である為、本人達にも観客にとってもその事実を受け入れるのが極めて難しい。
(記2002.6.29)
2002 ワールド・カップ
3位決定戦
韓国 2-3 トルコ
2002.6.29
ゴール / ハカン・シュクール(ト)、イ・ウルヨン(韓)、イルハン(ト)×2、ソン・ジョングク(韓)
準決勝から中2日、しかも日本から韓国への移動があるトルコ、苦戦が予想された。だが先制は、好調とは言えなかったハカン・シュクール。今大会ここまで無得点とは思えない切れ味の鋭いドルブル突破で、ホン・ミョンボを抜き去り、開始から1分もしない間のゴール。その後も2トップとイルハンとで、少ないチャンスをモノにする。だが、粘りの韓国の力も持続していた。両チームとも疲労が顕著であったが、1点差に詰め寄った。
ハカン・シュクールが、全盛時の切れを見せた。相手が少しでも弱点を見せると、本当に動きが良くなる。ハカンとイルハンの2トップのコンビネーションが何とも素晴らしい。この2トップで最初から行っても良かったようにも思えるが、ハサンも好調であったので、これは結果論。要するに、トルコは選手層も厚かった。
2002 ワールド・カップ
決勝は、ドイツ対ブラジル
決勝戦に至って、やっと予定調和から来る安心感に浸れた。あとは、ゲームを見るだけである。早期敗退国とドイツ及びブラジルの選手達のメンタリティの違いは、一体何だったのだろう?ドイツとブラジルは、優勝候補とは呼ばれていなかった。決勝はフランスとアルゼンチンだろうと、まるで決定事項であるかのように語られていた。だが、落とし穴はそこにあったのか?ドイツとブラジルは、危機感を持って大会に臨んだハズだ。ゲーム内容が、ファイナリストに相応しかったのは間違いない。
(記2002.6.26)
2002 ワールド・カップ
準決勝
ブラジル 1-0 トルコ
2002.6.26
ゴール / ロナウド
各国に散らばる各選手を見る限り、トルコが強さを見せる予感はしていたが、ベスト4まで残ってブラジルと好ゲームをするとは想像できなかった。更に上り調子のトルコ、お馴染みになったFWとMF、ウミト、エムレ、バシュトゥルク、ハサン、ハカン・シュクュールなどが、フィールドを効果的に支配する。とにかく走りまわる。世界のブラジル相手に、中盤での素早いプレスからの組織的な攻め上がり。だが、開幕直後は懸念されたブラジル守備陣の実力も、勝ち上がるにつれて安定したものに変化していた。攻撃陣の調子も守備陣を上回る充実度を見せる。ロナウジーニョはレッド・カードの為出場出来ないが、エジウソンはスピードで遜色なく、このゲームでもリバウドの足技は見事、ゴールの予感を感じさせた。1st ハーフは 0-0 、ブラジルとトルコも消耗戦に突入。そして、ブラジルにはロナウドがいた。ディフェンダーに囲まれながら、フェイントを交えながらのドリブル、予想外のキック、絶妙なコース取り。ブラジルの伝統のテクニックは消えてはいなかった。その後も両者の攻め合いは続くが、ブラジルはボールのキープに重点を置き、ゴールを許さなかった。だが、消耗した中でもトルコの攻めは鋭かった。両チームのゴール・キーパーの守備も、素晴らしい。
このゲームは、この大会でのベスト・ゲームかもしれない。攻守のバランスを崩さず、それでも行く時は行く攻撃的なサッカー。準決勝の2試合は共に素晴らしい。ベスト4の顔ぶれは意外だったが、準決勝を見る限りはベスト4に残って当然のチームであった。これまで審判の問題など色々あったが、この4チームをゲーム内容で優ったチームはあっただろうか?確かに、チャンピョンズ・リーグのゲーム増などで選手は疲労の極みにあった。スペインの選手も、結局は最も肝心なゲームで集中力を欠いてしまった?だが、ブラジルのルシオやトルコのバシュトゥルクは、レバークーゼンでチャンピョンズ・リーグのファイナリストだし、ドイツには UEFA カップのファイナリストのドルトムントの所属選手もおり、条件は同じだ (プレミア・リーグ所属の選手、特にアーセナルは厳しかったかも) 。観客の立場で要望したいのは常に、見るゲームが良いゲームである事である。必要な時には攻める姿勢を忘れず、しかもそれを結果に結びつけた4チームが勝ち残った。更に残ったファイナリスト2チームには、とんでもないスーパーな選手がいた。
2002 ワールド・カップ
準決勝
韓国 0-1 ドイツ
2002.6.25
ゴール / バラック
1st ハーフでのディフェンスでの韓国の粘りはやはり驚異、0-0 で終わった。ポルトガル、イタリア、スペインを食ってしまった韓国の怒涛の攻撃がドイツをもたいらげるのか?だが、2nd ハーフが進行するにつれて、韓国の足が止まり始める。今までのゲームと違うのは、1対1の局面ではドイツの方が優勢であった事。そして、中盤にバラックがいた。シーズン中の切れが無かったが、このゲームのように決定的な仕事は可能。韓国のディフェンダーは疲労からか、バラックの圧倒的な中央突破を止められなかったが、これまでの対戦チームの中盤には、これほど強烈な2列目からの突破をする選手もいなかった。スピーディなサイドの突破からクロスに合わせてのゴール、今大会に何度も見たシーン、極めてドイツ的な得点であった。ゲーム終盤には、韓国の選手に一層の疲労が見られ、同点ゴールを奪う為の最後の一歩が出なくなっていた。しかも、相手ゴールにカーンがいた。
ドイツは粘り強く戦い、遂にファイナルに進出した。決定力のあるフォワードの不在や、予選での対イングランド戦での不甲斐ない大敗など、今大会の前の不評が、逆にドイツを過度のプレッシャーから開放させたのかも。やる時はやる、それがドイツ?プレー・オフのウクライナ戦も、思い起こせば強かった。だが、"もし"は禁句かもしれないが、準決勝に進出して来たのがイタリアかスペインだったら?
2002 ワールド・カップ、準決勝のカード
ドイツ対韓国、ブラジル対トルコ。誰も予想しなかった、この組み合わせ。少なくとも、"ワールド・カップ"という呼称には相応しいカード。やはり特に韓国が、ポルトガル、イタリア、スペインという3大優勝候補を撃破してしまったのが大きい。もう、何が起きても驚かない。とにかく、良いゲームを期待するだけである。
韓国、ブラジル、トルコ、この3チームに共通するのは、清々しい程に攻撃的である事。ドイツの場合は、どう表現して良いか分からない。その他のど代表チームと比較しても、別の種類のチームに見える。伝統を頑なに守ろうとしているのか、2006年の自国開催の大会に向けてチームが変化しようといるのか、それは分からない。強いか弱いかも分からない。真っ赤に染まったスタジアムで戦っても強ければ、ドイツは本当に強いという事になるのだろうか。
(記2002.6.22)
2002 ワールド・カップ
準々決勝
トルコ 1-0 セネガル
2002.6.22
ゴール / イルハン
ゲーム序盤から攻勢に出るトルコだが、やはりセネガルの各選手のフィジカルは強く、テクニックもあるので、跳ね返されてカウンターを狙われる。セネガルのセンター・バックの守備が非常に組織的で、今大会の好調がフロックではない事を思い知らされる。だが、諦めず果敢に攻め続けるトルコ。得点こそ入らないが、両チームとも攻撃的で、今大会屈指のボール・ゲームが展開されて行く。とにかく攻め攻め続け、ゲーム終盤に進むに従って、トルコのチャンスの回数が増加して行く。セネガルのカウンターの回数も、今までよりも少ない。延長に入ったが、ついにトルコのゴールデン・ゴールが決まった。攻め続けた結果の勝利だけに、納得させられた。
最初は驚きの眼で見ていたセネガルだが、強靭かつ組織的なチーム・ワークと、アフリカ的なフィジカルの強さを加えたテクニックで、フランスなどを撃破した実力は本物であった。トップのディウフは危険なプレーヤーだが、危険なのはトップだけではなかった。他の選手も、ことごとくフィジカルが強くテクニックもある。結局ベスト8止まりだったが、この試合でも90分以内に得点していれば勝っていたという事。まだまだ驚きのプレイを見ていたかっただけに、残念。
4年後には、このチームがどうなっているかは全く分からないからである。
2002 ワールド・カップ
準々決勝
ブラジル 2-1 イングランド
2002.6.21
ゴール / オーウェン(イ)、リバウド(ブ)、ロナウジーニョ(ブ)
相変わらず慎重に守備をこなすイングランド。ブラジルもこれまでの失敗を踏まえてか、ジュユニーニョ・パウリスタを外し、幾分かは守備に重点を移す。遂に出た、オーウェンのドリブル突破からのファイン・ゴール。対するブラジルも、絶好調リバウドのゴール。
2nd ハーフの開始早々、ロナウジーニョの長いフリー・キックが、左上のゴールの隅に入る。これには驚いた。だが、そのすぐ後、そのロナウジーニョに危険なプレイがあったと審判されてレッド・カード。イエローでも良かった気がする。それまでのゲーム展開は非常にクリーンで、ベスト・ゲームと言っても良い内容だっただけに、残念。その後もゲームが崩れずに、クリーンに進行したのは救いであった。
イングランドは大会前に故障者続出で、早期敗退が懸念されたが、しぶとく戦って来た。だが、このゲームで限界が見えてしまった。たたみ掛けるような分厚い攻撃、相手ディフェンダーを切り裂いてしまうような連携などは、なかなか見る事が出来なかった。オーウェンの切れのあるプレイも少なかった。相棒のヘスキーの出来が良かっただけに残念。復帰直後のベッカムもキャプテンシーを見せたが、ダイナミックな彼らしいプレイは見られなかった。
2002 ワールド・カップ
準々決勝
ドイツ 1-0 USA
2002.6.21
ゴール / バラック
好調を維持してきた USA 。司令塔のレイナ、前線からゴール前へと運動量の多さを見せつける。ドノバンのスピードある突破は、オーウェンを連想させる鋭さ。チャンスもあったが、ゴール前にはカーンが居た。先制したのはドイツ、ツィーゲのコーナー・キックが、正確にバラックのヘッドへ。ついつい言ってしまう、勝負強いドイツ、と。結果だけが語る、ドイツはベスト4に残った。ドイツ代表の、緩慢にさえ見える体躯の大きさ。だがチャンスと見るや、今大会でも屈指の、早くて正確なクロスが入る。すると、相手チームの強弱に関係なく、ボールはゴールに吸い込まれて行く。実は彼らが必要としたのは、自信を持ってプレイする事だけだったのかもしれない。
2002 ワールド・カップ
トーナメント 1回戦
日本 0-1 トルコ
2002.6.18
ゴール / ウミト・ダバラ
様々な批評がなされるであろう、このゲーム。勝つ可能性は十分あるように見えただけに、非常に残念。そろそろ選手の疲労はピークに入るだろうし、雨は降るし、両チームにとって厳しいゲームとなった。トルコは強かったが、彼らにしても、いつ同点にされるかもしれず、必死であった。日本は必死であったのか?実力を出し尽くしたのか?先発メンバーの変更やサブの投入のタイミングなどは批判を浴びるであろうが、もし勝ったとすればサスガの采配だと喝采されたハズだし、何とも言えない。天地のひっくり返る程に感じられる試合結果だらけの今回のワールド・カップ、日本の敗戦の意味を咀嚼するのにも、かなりの時間が必要だろう。
2002 ワールド・カップ、韓国 vs イタリア での、トッティのシミュレーション
この大会では、特にシミュレーションに対して厳しい。今までは、"演技"もゲームでの駆け引きの一つである、とも見られていたようだが、いまや完全に否定された形だ。そこで、韓国対イタリア戦、延長でイエロー・カードを取られトッティが退場に追い込まれた場面。ひょっとしたら、"演技"ではないのかもしれない。あの場面で主審は、倒した側のファールを取るかシミュレーションを取るか、選択肢は2ツしかないように見えた。非常に難しいゲームで、よりによって最も難しい判断を迫られた主審は、シミュレーションの方を取るしかなかった。トッティは間違いなく、ファールと判定されてPKを得る事を期待してプレイしており、故意ではないにしても、倒れ易い態勢でボールをキープしようとしたのは間違いない。広義で考えれば、それもシミュレーションという事であろう。シミュレーションを根絶させようとしている審判サイドは、今後も厳しく判定しようとするであろう。判断に迷えば、シミュレーションの方を取るだろう。かつてはPKを与えられた判断に対しても、今後はダイビングを取るであろう。観客としては、人間が倒れるのを見るよりも、ボールがスペクタクルに動く場面を期待しているワケで、歓迎されるべき状況ではある。
(記2002.6.19)
2002 ワールド・カップ
トーナメント 1回戦
韓国 2-1 イタリア
2002.6.18
ゴール / ビエリ(イ)、ソル・ギヒョン(韓)、アン・ジョンファン(韓)
負けるべくして負けたのか、イタリア?早めの得点で、後はムリには得点を狙わず、チャンスが来た時にのみ、トッティやビエリに攻撃を任せてしまう。1st ハーフにはそれなりのモノもあったが、2nd では、体質的に染み付いてしまっている守りの姿勢。ザンブロッタとデル・ピエーロが交替してしまった後に、得点する可能性が更に落ちてしまったように見える。確かにチャンスもあったが、結局得点出来なかった、そして敗れ去ってしまった、その結果だけが残った。最悪なのが、延長に入ってからの、トッティのペナルティー・エリア内での"演技"に対するイエロー・カード。この大会ではシミュレーションに対しては非常に厳しいのに、ついつい"習慣"を出してしまった?韓国はポルトガル戦で120%の実力を発揮し、非常に危険であるのは分かっているハズだが、自分達だけは別だと思っていたのだろうか?
韓国、ベスト8に進出。初出場から幾年月、ワールド・カップを自国で開催、彼らにこの結果を享受する資格は十分にある。何しろ、ホームの利があるとは言え、ポルトガルとイタリアを破ったという実績は、既に歴史に刻まれている。ゲーム終盤での粘りは、客観的に見ても驚くべき。
2002 ワールド・カップ
トーナメント 1回戦
ブラジル 2-0 ベルギー
2002.6.17
ゴール / リバウド、ロナウド
このゲームでも、両チームの実力差はそれほど感じなかった。ベルギーのゲーム運びのウマさが光る。攻守のバランスが良く、ブラジルの圧倒的な攻撃を何とか凌ぐ。ブラジルでさえ、ベルギーの中盤の中央の突破は難しい。ウィルモッツの活躍などで、ブラジルのゴールを脅かす。だがやはり、決めたのはスーパーな足技を持つ2人。ブラジルは強い。だが、優勝に値するほど、賞賛されるほど強いのか?結果だけが証明して行く。
2002 ワールド・カップ
トーナメント 1回戦
スペイン 1-1(PK3-2) アイルランド
2002.6.16
ゴール / モリエンテス(ス)、ロビー・キーン(イ,PK)
アイルランドの粘りは驚異。だが、スペインに対して逆転勝ちするまでには至らない。90分経過しても持続するロビー・キーンの爆発力が拝めなくなるのは、非常に残念。スペイン、この大会で初めてと言ってもよい大苦戦。この苦戦が、力の限界なのか、実力を出し切れていないものによるのか、はたまた采配ミスなのか、まだ分からない。
2002 ワールド・カップ
トーナメント 1回戦
セネガル 2-1 スウェーデン
2002.6.16
ゴール / ラーション(ス)、カマラ×2(セ)
堅固な守備、強いフィジカル、素早い攻撃、ヨーロッパとアフリカのゲームの質の差に大きな違いがなくなりつつある。スウェーデンは、思ったよりもずっと良いチームであった。個々の選手の質も高い。セネガルの攻撃は、他のアフリカのチームとも違う、見た事のない独自な力強さ。
2002 ワールド・カップ
トーナメント 1回戦
イングランド 3-0 デンマーク
2002.6.15
ゴール / ファーディナンド、オーウェン、ヘスキー
開始直後のラッキーな得点、2トップの攻撃力で安全圏の3点差、あとは守りきるだけという、イタリア代表のゲームのような展開。デンマーク、守りきろうとすれば出来たのかもしれない。だが、グループ・リーグの激闘で、もはや体力の限界だったのか?この大会で見せ続けるイングランドのゲーム運びの冷静さが、デンマークの闘志を拭い去った。サブだったシンクレアも、チームに完全にハマっている。怪我人続出で危機にあるかのように見えたイングランド、逆に力を蓄えつつあるかのように見える。
2002 ワールド・カップ
トーナメント 1回戦
ドイツ 1-0 パラグアイ
2002.6.15
ゴール / ノイビル
パラグアイは手堅く、チャンスも多く、完敗とは言えない。最後は、ドイツのラスト・パスの正確さ、先発したFWノイビルのスピードが、ゲーム終了直前で生きた。ラメロウ、ハマン、ツィーゲの出場停止でようやく分かった、ドイツの選手層の厚さ。
2002 ワールド・カップ
優勝は?
2002.6.15
ブラジル
打ち合いになれば、負けない。恐るべき勢い。ただ、勢いの止まってしまったゲーム、得点が難しくなったゲームは危ない。何らかの原因で、ロナウドが出場が出来ない場合は、かなり苦しい。でも、現在の勢いで、負ける事は想像すら出来ない。
スペイン
非常にバランスが良く、穴がない。ラウールが好調。現在のところ、本当に強いチームとは当たっていないので、今後の展開の予想が難しい。
ドイツ
個々人の強さは、圧倒的。攻撃のアイディアの少なさは、気になる。それでも最後は勝つのがドイツ、優勝しても驚かない。
イングランド
ベッカムの直前の怪我など、戦力ダウンが懸念されたが、粘り強く守備を慎重に戦っている。得点が少ないのは、気になる。
イタリア
相変わらず、と言おうか。本当は強いのに、自分から苦戦している?このまま、優勝してしまうのかもしれない。
日本
ブラジルと当たって勝つような事があれば、まさか??
2002 ワールド・カップ
グループ D
韓国 1-0 ポルトガル
2002.6.14
韓国にも夜明けが来たが・・・
ゴール / パク・チソン
韓国とポルトガル、どちらを応援すべきか分からなかった。それにしても、余りにもショックの大きい、最悪な形でのポルトガルの予選リーグ敗退。彼らは一体、何を間違ったのだろうか?やはり、韓国代表チームは、USA に似ている。フィジカルの強さを駆使したパワフルな攻撃に、ポルトガルは効果的な攻撃の形をなかなか作れない。勝ち点が絶対に必要である事によるアセリからか、ジョアン・ピントが一発レッドで退場。その後も退場者を出し、ポルトガルは何と9人。この時点で、もはや勝利の可能性は消えたのか。
フランス、アルゼンチンに続き、またも消えた優勝候補。トーナメントに進出したセネガル、スウェーデン、USA 、これらのチームは、勝利に値する良いチームである。だが納得しかねるのは、フランス、アルゼンチン、ポルトガルのベスト・パフォーマンスはとてつもなく凄いのに、彼らが真の実力を見せずに去ってしまう事だ。自滅にさえ見える。ポルトガルの、ゲーム終盤での9人になってからの攻撃。フランスの10人になってからの猛攻を思い出させた。力を出すのが必要な時に、力を出し損なった。それがナゼか、本当の理由は良く分からない。分からないまま、ジダンやフィーゴは余りにも早く帰国してしまった。
2002 ワールド・カップ
グループ H
日本 2-0 チュニジア
2002.6.14
日本の夜明け
ゴール / 森島、中田英
森島のゴールは、いつも素晴らしい。日本、予選リーグ突破。初の快挙とは言え、開催国としては予選リーグ突破は義務であり、最終戦で勝てて安心した。ゲーム内容も、ベルギーやロシアの実力と比較しても互角以上であり、納得出来るものであった。トーナメント第一戦は未知の領域、トルコは日本のように発展途上にあって勢いのある強国である。もしトルコに十分なゲーム内容で勝利すれば、その次にも勝てもおかしくはない。
2002 ワールド・カップ
グループ G
イタリア 1-1 メキシコ
2002.6.13
イタリア、余裕の突破?
ゴール / ボルヘッティ(メ)、デル・ピエーロ(イ)
メキシコの中盤は、パス廻しではイタリアに勝っていた。非常に良いチームで、ベスト16へ進出する資格の十分にあるチームだ。メキシコと比較して、いや他のどの国の代表チームと比較しても、イタリア代表チームというのは不思議なチームだ。彼等は明かに、サッカーというゲームの中で、独自の美学を追求している。スポーツ・マンとは思えないルックスの伊達男を揃え、華麗に攻撃し、華麗に守り、華麗に勝つのを目標としている。攻撃と守備に成功した時のミエの切り方は、俳優のそれを思わせる。グループ・リーグ敗退の可能性もあったこのゲーム、イタリア代表の独自のメンタリティが発揮された典型的なゲームであったような気がする。伊達男の代表のトッティを中心に、華麗な攻撃を組み立てるが、ゴールは奪えない。そして遂に、メキシコに先制点を奪われる。ゴールをハズまくって、残念さを存分に表現する伊達男達。ひょっとしたら、苦しい状況を楽しんでいるのだろうか?イタリアの中盤は、行けるのに行っていないように見える。ギリギリの状況まで、出来るだけ余力を残すという合理性?ゲームの終了直前、伊達男の代表であるデル・ピエーロを投入、その華麗過ぎる技量を発揮し、カッコ良過ぎるゴールを決める。イタリア代表は、このゲームでその美学を見せつけた。グループGのトップはメキシコ、だがメキシコはイタリアに強いのか?イタリア代表にとって、本番はトーナメントに入ってからである(当たり前?)。強いのは、より上位まで勝ち残った方である。
2002 ワールド・カップ
グループ C
ブラジル 5-2 コスタリカ
2002.6.13
ゴール / OG(ブ)、ロナウド(ブ)、エジミウソン(ブ)、ワンチョペ(コ)、ゴメス(コ)、リバウド(ブ)、ジュニオール(ブ)
ゴール前で相手ディフェンダーに完全に囲まれながら、結局は得点してしまうロナウド。最初のオウン・ゴールも、ロナウドの得点といってよい。ワールド・カップが開幕してから、ここまで完全復活するとは思わなかった。だが、コスタリカに与えられるチャンスも余りにも多い。ワンチョペの個人技からのゴール、見事。1st ハーフだけで3対1。その後も、ノー・ガードの打ち合いは続く。ブラジル代表の魅力は、サンバのリズムの聞こえるような芸術的なサッカーである。近年は、ゲームの中に、ブラジル代表が芸術性を発揮するようなスペースは無い。だがこの大会では、厳しいプレッシャーを振り払うような力強さが、ブラジルにはある。ゲーム運び全体は、ギクシャクしているようにも見える。だが、攻撃的サッカーは清々しい。多少の失点は仕方がない!?そして、その中心にはロナウドがいる。
2002 ワールド・カップ
グループ F
イングランド 0-0 ナイジェリア
2002.6.12
得点出来ないので、守るしかないのか?守る事で状況を打開しようとするのか?イングランドの、イタリアに取って代わったと思える(?)ほどの、守備での粘り腰。イングランドのベスト16入り、やはりアルゼンチンとの"直接対決"を制したのは大きかった。
死のグループFのトップ通過は、スウェーデン。確かに良いチームであるが、どちらかと言うと、他の3チームがコケた?
2002 ワールド・カップ
グループ F
アルゼンチン 1-1 スウェーデン
2002.6.12
アルゼンチンも敗退・・・
ゴール / スベンション(ス)、クレスポ(ア)
またも優勝候補が、早過ぎる敗退。アルゼンチンの場合も、敗退の原因は一応は指摘可能。攻撃陣の各選手のコンディションが良くない。バティストゥータとクラウディオ・ロペスは、前のシーズン中は不調。ベーロンも、マンチェスター・ユナイテッドでシステムに馴染むのに時間がかかり、好調だったとは言えない。オルテガは、欧州で成功しなかった選手。現在好調なのはクレスポとアイマール、もっとウマく使えば良かったとも思えるが、それは結果論であろう。それよりも、優勝候補という大絶賛の声が、チームの集中力を乱したのかもしれない。
欧州のチームのディフェンスは、南米のチームのそれとは一味違った。イングランドやスウェーデンに守られると、南米予選の時のようにウマくは行かなくなった。アセリがシュートのミスを生む、この悪循環。フランスと全く同じパターン。何にしても、ワールド・カップで、好調のフランスやアルゼンチンを見たかった。それが本当に残念。
2002 ワールド・カップ
グループ B
スペイン 3-2 南アフリカ
2002.6.12
スペインは冷静
ゴール / ラウール(ス)×2、マッカーシー(南ア)、メンディエタ(ス)、ラデベ(南ア)
既にグループ・リーグ突破を決めているスペイン、サブだった選手をメインにして先発を組む。ガチガチに行く必要もなく、マイ・ペースで快適にボールを廻す。特に好調なのはメンディエタ、レギュラー組でも全く問題のない華麗な足技を見せる。そして、このゲームでも決めた驚異のゴール・ゲッター、ラウール。南アフリカも、ストレートな力強いカウンターでゴールを奪ったが、ベスト16入りは果たせず。
2002 ワールド・カップ
グループ E
ドイツ 2-0 カメルーン
2002.6.11
結局、ドイツは手堅かった
ゴール / ボーデ、クローゼ
アイルランドはサウジアラビアに勝つであろう、そうすればこのゲームは引き分けで良い。失うもののないハズのカメルーン、逆に固くなっていたように見える。歴史の重みであろうか、ゲルマン魂は健在?守りに入った時のドイツの強さ?今のドイツは、これしかない?現在5得点、クローゼ様様である。
2002 ワールド・カップ
グループ A
フランス 0-2 デンマーク
2002.6.11
フランスが1次リーグで敗退、しかも得点ナシ
ゴール / ロンメダール、トマソン
信じ難い、ディフェンディグ・チャンピョンのフランスのリーグ戦での敗退。しかも、前評判の非常に高かった前線を擁して、3試合で無得点。デンマーク戦でも、攻めに攻めて、逆に2失点。敗退の原因は、一応は指摘出来る。主力選手の疲労と怪我、フランス代表選手の露出度が高く研究されている事、タイトルを取り尽くした選手達のモチベーションの低下。だが、それでも納得し難い現実。突如やって来た、一つのサイクルの終焉。ウルグアイ戦で、アンリへのレッド・カードで10人になってから見せた超パワー・プレー、それをセネガル戦で少しでも出しておけば・・・。ゴールし損なったシュートの時の、トレセゲの余裕の笑みが思い出させる。セネガルの主力は、フランス・リーグに所属しており、目標はジダンやトレセゲであろう。彼らだって、ボルドーやモナコに所属していたのである、それを思い出すべきだったのだ。
2002 ワールド・カップ
グループ D
韓国 1-1 USA
2002.6.10
ゴール / マティス(U)、アン・ジョンファン(韓)
強靭なフィジカルを効かせてプレッシャーをかけ、素早い展開でボールをサイドに捌き、闘志を剥き出しにしてゴールを奪う。両チームは、どこか似ている。USA 得意の展開で先制点を奪い、韓国はPKを失敗。だが 2nd ハーフ、アン・ジョンファンの投入で、流れは韓国へ、そしてアンが自らゴール。このゲームでの勝ち点1は、かなり大きい。韓国の次の相手は最も厄介なポルトガル、しかも初戦での失敗をポーランド戦で取り返している。グループDでベスト16に残る2チームは??
2002 ワールド・カップ
グループ D
ポルトガル 4-0 ポーランド
2002.6.10
ゴール / パウレタ×3、ルイ・コスタ
雨模様の中、ゲームの序盤は両者とも互角。だが、流れは次第にポルトガルに傾く。2nd ハーフに入ると、あのポルトガルの、幾何学的なパスの流れからゴールを奪うサッカーが蘇った。パウレタの決定力も生きて、ハット・トリック。特にルイ・コスタ投入後は、ポルトガルのディフェンダーもついて行けなくなった。ポルトガルは、USA 戦では何を間違えたのだろうか?ポーランド、いまだゴールなし。
2002 ワールド・カップ
グループ H
日本 1-0 ロシア
2002.6.9
ゴール / 稲本
日本がホームだから、と考えてはいけない。審判の判定が甘かった、と考えてはいけない。ロシアの"皇帝"司令塔のモストボイが欠場だったから、と考えてはいけない。ボールがナゼかGK楢崎の正面に集まった、と考えてはいけない。全ては、偶然ではなく、局面局面での対処に、大きな誤りが無かったという事であろう。ワールド・カップが始まるまで懸念されていた負の材料が、本番のゲーム中でも徐々に修正されつつある。ベルギーとロシアに負けず、ワールド・カップ初勝利、という結果は出た。さて、2002-03 シーズンに稲本はどのチームにいるか?
2002 ワールド・カップ
グループ G
イタリア 1-2 クロアチア
2002.6.8
ゴール / ビエリ(イ)、オリッチ(ク)、ラパイッチ(ク)
エクアドル戦に続き、先発は 4-4-2 のイタリア。ビエリが先制点。だが、ネスタが途中交替で、ディフェンス・ラインの崩れが懸念されたが、何と懸念が現実化してしまった。堅守から少ない得点で守りきるのがイタリアのスタイルであるが、キー・プレーヤが欠けるとプランが崩れる事態になる。劣勢に立ち、得点が必要になるケースで、局面を打開するプレーヤーが足りないのかも知れない。最初から 3-5-2 のシステムで臨むべきだったとも思えるが、それは結果論である。ネスタの欠場が塞ぎ切れない穴になるのであれば、分厚く見える選手層が、実はそれほどでもないのかも。イタリアの、対エクアドル戦とクロアチア戦のイメージに、意外なほどに大きな差がある。決勝トーナメント進出した場合、他の強豪とどのように戦って行くのか?
2002 ワールド・カップ
グループ C
ブラジル 4-0 中国
2002.6.8
ゴール / ロベルト・カルロス(ブ)、リバウド(ブ)、ロナウジーニョ(PK,ブ)、ロナウド(ブ)
中国、素早いプレッシングからカウンター、ブラジルと互角の展開!但し、ゲーム開始から10分位まで。ロベルト・カルロスの阻止不可能な強烈なフリー・キックでのゴール、それ以降はブラジル・ペースでの展開。中国は守らざるを得ず、1st ハーフだけで3失点。だが、中国には力がある事は分かった。ブラジルとの対戦は、交通事故みないなモンである。ロナウド、リバウド、ロナウジーニョなどが絶好調、無失点に抑えるのは難しい。中国がアジアの覇者になる日は、刻々と近づいているのか?
2002 ワールド・カップ
グループ F
アルゼンチン 0-1 イングランド
2002.6.7
ゴール / ベッカム(イ,PK)
強い強いアルゼンチンが、イングランドを圧倒してしまうのか?アルゼンチンは、ナイジェリア戦と同様な
攻撃的サッカーを展開しようとしたが、様相が違った。イングランドは、4-4-2 のシステムを非常にコンパクトに保ち、守備に非常な集中力を見せた。こう来るとは思わなかった。攻撃面では、オーウェンとヘスキーの2トップ、本来の形が効いた。特に、ヘスキーのスピーディかつ重みのある動きが、アルゼンチンの守備を撹乱させたように見える。ハーグリーブスの怪我による退場でシンクレアが投入されたが、イングランドの集中力は変わらず。オーウェンのゴール前への突破が何回かトライされたが、ついにPKを得て、ベッカムにより得点。結局、イングランドの集中力は途切れず、ついに勝利。アルゼンチンにとって、欧州の強国はやはり一味違った。F組では、スウェーデンが侮れない存在である事が既に証明されており、アルゼンチンの敗退も予想される結果となった。イングランドも、勝ち続ける為には相当な努力を必要とするであろう。ワールド・カップの今後の展開の予想、ますます難しくなってきた。
2002 ワールド・カップ
グループ B
スペイン 3-1 パラグアイ
2002.6.7
ゴール / OG(パ)、モリエンテス(ス)×2、イエーロ(ス,PK)
1st ハーフ、プジョールがオウン・ゴールを入れてしまい失点。パラグアイとしては理想的展開、チラベルを擁する守備陣で、このまま逃げ切ってしまいたい。スペインの先発は、スロベニア戦と全く同じで手堅いが、パラグアイを崩せず攻め手が硬直したように見えた。そこで 2nd ハーフの頭から、モリエンテスとエルゲラを投入し、レアル・マドリードのラインで打開を狙う。何というサブの厚さ。モリエンテス、当然の如く2得点。スペインは優勝を狙えるのか?強いのは確かだが、更に強い相手と当たらないと何とも分からない。
2002 ワールド・カップ
グループ A
フランス 0-0 ウルグアイ
2002.6.6
負傷のジダンの位置にミクーを入れ、ミクーのパスからスピーディな攻撃を組みたてるフランス。攻撃のスピードなら負けないウルグアイには、驚異のレフティのレコバが居る。ダリオ・シルバも走る。フランスが優勢になりつつあるかに見えた 1st ハーフ、何とアンリにレッド・カード。ここからのフランスが凄かった。どちらの人数が多いのか分からない、圧倒的な攻撃力。ウルグアイは、引かざるをえない。中でもデサイーの切れは、全盛期を彷彿とさせた。だが、ウルグアイの守備も強固、結局はスコアレス・ドロー。この日のフランスのエネルギー、何パーセントでもセネガル戦で出せれば・・・。
2002 ワールド・カップ
グループ A
デンマーク 1-1 セネガル
2002.6.6
ゴール / トマソン(デ,PK)、ディアオ(セ)
グループ・リーグも、やっと2戦目に。フランスを破って注目を集めるセネガル、好調と見えるデンマーク、期待されるゲーム。1st ハーフに失点したセネガル、フランス戦と違って焦りの色が。猛威を振るった中盤の守備も、空回り?結局、意地の張り合いになり、後味はイマイチ。両チーム勝ち点1は、フランスを助けた?
2002 ワールド・カップ
グループ D
ポルトガル 2-3 USA
2002.6.5
プレッシャーの全くない USA 、攻めまくって早々に3点リード。ポルトガル、得意の華麗なボール捌きが見られず。チーム全体のコンディションの不良?このグループも、行く末が混沌としてきた。
2002 ワールド・カップ
グループ E
ドイツ 1-1 アイルランド
2002.6.5
ゴール / クローゼ(ド)、ロビー・キーン(ア)
初戦でサウジアラビアを 8-0 で圧勝したドイツ、この結果を過大視してはいけない。ドイツにとっての本当の初戦は、アイルランド戦である。ドイツの強さは本物か?1st ハーフでは、ドイツの守備・攻撃ともに力強く、前へ前へ攻める。サウジ戦でハットトリックのクローゼ、またもヘディングでのゴール。この時点では、ドイツはやはり強く、優勝候補に加えるべきなのかもしれない、と思った。アイルランドはよく攻めていたが、ドイツの壁を突破するまでには至らず、帰国したロイ・キーンの穴を感じさせた。彼の、ある面でのダーティさが必要に見えた。だが、アイルランドの選手は、先制点に対してクールではあった。
2nd ハーフ、ドイツに追加点が入らない。自分達は強いと、安心してしまったのか?次第に、ペースがアイルランドに移る。ドイツの守護神、カーンのセーブが増えてくる。ロス・タイム、途中出場のベテランのクインから快足ロビー・キーンにボールが渡され、ついに同点に追い付く。ロイ・キーンの穴は、イメージ的には完全に払拭された。ドイツ、あと一歩踏み込めばよいだけだったのに、その一歩が出なかった。ドイツの次の相手は強敵カメルーン、予選リーグ突破を自分で難しくしてしまった。
2002 ワールド・カップ
グループ D
韓国 2-0 ポーランド
2002.6.4
ゴール / ファン・ソノン、ユ・サンチョル
韓国、歴史的勝利。ストレートな攻撃が韓国らしく、ホームでは効く。欧州予選トップ通過のポーランド、得点の気配すら漂わない・・・。
2002 ワールド・カップ
グループ H
日本 2-2 ベルギー
2002.6.4
ゴール / ウィルモッツ(ベ)、鈴木(日)、稲本(日)、ファン・デル・ヘイデン(ベ)
日本、ワールド・カップ初の勝ち点1、得点2。グループのライバルのベルギーに、勝ち点3を与える事を防いだのは、やはり大きい。スピードのないベルギーだが、判断のスピードとパスは、やはり欧州予選を突破しただけのモノはあった。1st ハーフの日本はやや劣勢だったので、不安。ベルギーのゲーム内容、守って粘っての先制点、守り切れずに失点するコトがあるとバタバタというパターンが、あまりにも今まで見たゲームと同じ(苦笑)。日本も、先制された時点でかなり心配になったが、中田英寿と小野伸二以外の選手が得点したのは、大きい。中田英は、相手の注意をウマく分散させた。稲本の動きの良さは、際だった。しかし、日本戦は、心臓に悪い。
2002 ワールド・カップ
グループ C
ブラジル 2-1 トルコ
2002.6.3
ゴール / ハサン・サス(ト)、ロナウド(ブ)、リバウド(PK,ブ)
注目のカード。個人技では間違いなくブラジルだろう。しかし、各選手のヨーロッパでの経験と、代表のコンビネーションは十分過ぎるほどの、トルコ。しかも、中盤の要のエメルソンが、第1戦の直前に怪我で離脱の大アクシデント。実際のゲームも予想通りの展開、ロナウドやリバウド、その他の選手のキックも、トルコのゴール前では驚異、油断もスキも無い。やはり、ブラジルは強い。だが、トルコにもチャンスはある。ブラジルのディフェンスが、攻撃ほど強烈ではない。1st ハーフのロス・タイム、バシュトゥルクのパスから、ハサン・サスが決めた。やはり、エメルソン不在の影響だろうか?
2nd ハーフ、ブラジルの猛攻に対し、トルコは次第に劣勢に。リバウドのクロスから、ロナウドが得点。デニウソンの投入などで、トルコは耐え切れなくなり、PKを与える形に。やはりブラジルは強烈さでは優勝候補であったが、攻められると慌てるのが、"大国"らしくない。バタバタが得意のトルコの責任でもあるが。
2002 ワールド・カップ
グループ G
イタリア 2-0 エクアドル
2002.6.3
ゴール / ビエリ×2
先発フォーメーションは 4-4-2 の、イタリア。堅守から、攻撃を2トップのトッティとビエリに任せるパターン、1st ハーフは見事に効いた。得点王候補のビエリ、その恐るべきパワーを見せ付けた。2得点目では、ディフェンダーなぎ倒した。イタリアの10番のトッティ、テクニックとパワー、一瞬のひらめき、厳しいプレッシャーの中でも発揮する遊びの精神、これだけウマければ、自分のプレイに陶酔しちゃうのではないだろうか?意識的なファールの中でのふてぶてしさには、賛否両論か?欠点と言えば、ペースは配分が無い事??トッティ、強国との厳しいゲームでもこのペースを保てるかが、キーだ。チーム全体のペースが落ちると、単調になりがちなイタリアの攻撃。トッティが好調かどうかは、非常に重要な要素である。代役はきかない。
イタリア代表、1st ハーフ で優勝候補の実力を完璧に見せたが、力が入り過ぎ、2nd ハーフでは足が止まり気味。南米予選2位のエクアドルも侮り難く、スキを見せれば失点の恐れもあった。だが、最終局面でのディフェンスの落ち着き、やはりイタリアらしい。ネスタも健在。
2002 ワールド・カップ
グループ B
スペイン 3-1 スロベニア
2002.6.2
ゴール / ラウール(スペ)、バレロン(スペ)、チミロティッチ(スロ)、イエーロ(スペ,PK)
強い、スロベニア。独立からたった10年、EURO 2000 と今回のワールド・カップで見事に予選突破。本番でなかなか結果は出ないが、組織と玉際での強さで、何度も相手ゴールに迫る。ストライカーは、ザホビッチだけではない。だが、スペインは更に強かった。レアル・マドリードなど、ヨーロッパのカップ戦で常に上位につくスペインのクラブ・チーム、今回はその勢いを代表チームにも持ち込んでいる。ダイレクト・パスを多用し、効率的に攻める。イエーロとナダルのスピードの無さも、さほど問題があるようには見えなかった。グアルディオラの不在は、バレロンがカバー。ラウールの得点、相手ディフェンダーを無力にするテクニックは驚異。
2002 ワールド・カップ
グループ F
イングランド 1-1 スウェーデン
2002.6.2
ゴール / キャンベル(イ)、アレクサンディション(ス)
華々しく会場内に響き渡る、ゴッド・セイブ・ゼ・クイーン。だが、ゲーム内容は・・・。足の負傷から復帰したベッカム、右足の捌きはサスガ。だが、キャンベルの先制点以降のゲームの組み立てがイマイチ。元々、イングランドはボール廻しについては、抱いているイメージほど圧倒的にウマいワケではない。どちらかといえば、ベッカム、オーウェンなどの驚異的な個人技に頼る傾向が強い。スウェーデンの守備は厳しく、オーウェンがスピードに乗った攻撃をする為のスペースも無かった。母国の意地を見せるのか?
2002 ワールド・カップ
グループ B
パラグアイ 2-2 南アフリカ
2002.6.2
パラグアイのサンタクルスが強力だったが・・・。パラグアイ、2点リードしながら、終盤の南アの猛攻をかわし切れなかった。
2002 ワールド・カップ
グループ F
アルゼンチン 1-0 ナイジェリア
2002.6.2
ゴール / バティストゥータ
驚異的な身体能力で相手を圧倒するかと思われたナイジェリアすら、アルゼンチンを恐れた。慎重に守備的に、1st ハーフを切り抜けたが、バティにやられた。だが、ナイジェリアのカウンターも鋭かった。優勝候補のアルゼンチンとしては、この勝利は大きい。
2002 ワールド・カップ
グループ E
ドイツ 8-0 サウジアラビア
2002.6.1
練習試合のようになった。このゲームの、グループ E での今後の展開への影響は如何?
2002 ワールド・カップ
グループ E
アイルランド 1-1 カメルーン
2002.6.1
ヨーロッパのクラブ・チームでの主力選手が多いカメルーン。組織も熟成され、フィジカルの強さは相変わらずだが、決定的な攻撃力と守備力が発揮できるかが
問題。組織力では負けないアイルランド、ロイ・キーンの帰国のダメージは、特に無いように見え、粘り強さは相変わらず。カメルーンが攻め切れなかった?
2002 ワールド・カップ
グループ A
ウルグアイ 1-2 デンマーク
2002.6.1
ゴール / トマソン(デ)×2、ロドリゲス(ウ)
フランスなどと違って優勝候補には入れられず、プレッシャーのない両チーム。固い守備から、カウンター気味の攻撃を躊躇なく繰り返す。90分、両チームとも攻撃の手を緩める事はなかった。レコバのキックとドリブルは驚異だが、それ以外のウルグアイの選手とデンマークの選手との個人技の差は、大きくはない。デンマークが上回っていたのは、組織力。パスの判断が非常に早く、ボールがよく繋がる。左右のサイド攻撃も鋭い。UEFA カップを制したトマソンの決定力は、サスガ。
2002 ワールド・カップ
グループ A
フランス 2-1 セネガル
2002.5.31
ゴール / ディオップ(セ)
遂に開幕した、ワールド・カップ KOREA-JAPAN 。国際的に重要なゲームをテレビ観戦しようとすると、夜中の3時頃に起床しなければならないのが普通であったが、ゴールデン・タイムにリラックスして見ていられるのが、実に不思議。
圧倒的スピードのセネガルのディウフの左サイドの突破から、ディオップが詰めて世界王者のゴールを割る。セネガルの選手は、ガタイが良く、テクニックがあり、何よりも守備が落ち着いている。2nd ハーフにペースが落ちると思ったが、プレスからのカウンターというパターンは最後まで崩さなかった。世界的MFテュラムに、全く仕事をさせなかった。
王者フランス、たたみ掛けるような攻撃が最後まで出せなかった。ピレスとジダンの怪我、更にブランが引退で不在だから、と言ってしまえばそれまでだが。チーム全体の疲労感、
漂う虚脱感を覆い隠すことは出来なかった。モチベーションの維持は、やはり難しいのか?それとも単に、勢いの差なのか?この敗戦が、セネガルはもとより、ウルグアイとデンマークに勢いを与えてしまうかもしれない。明日のウルグアイ対デンマークも楽しみ。
ワールド・カップの優勝予想 (2)
ポルトガル
素晴らしいチーム・プレーに、フィーゴなどのタレントが揃う。しかし、南米の強豪も入るし、EURO 2000 のようには行かないだろう。
ドイツ
最大の"?"。EURO 2000 のようにコケるか?ゲルマン魂を見せるか?
カメルーン
アフリカで最もバランスの良いチーム。問題は、やはり守備か?
トルコ
ナメると、痛い目にあうだろう。いつのまにか欧州各国に散った選手の実力が結集し、ブレイクしないとも限らない。超ダーク・ホース。
デンマーク
前評判が高い。ACミランへ行くトマソン、だけではない。
(気が向けば続く 2002.5.29)
ワールド・カップの優勝予想
フランス
誰もが推す、最大の優勝候補。98年フランス大会、2000年ユーロと"連覇"したチームの実力が、そう簡単に落ちるとは思えない。ただ、やはりフランス代表というチームは研究はされるだろうし、少なくとも各選手の特徴は掴まれている。ここにきて、主力選手の金属疲労が目立つ。韓国戦で明かになった、ジダンの不調も不安。
アルゼンチン
南米予選のトップ通過、ゲーム内容が驚異的であった。ディフェンスの不安を指摘されるが、サムエルやアジャラが実力を出せば問題はないだろう。ただ、本番で、自慢の攻撃陣がヨーロッパ各国の固い守備を崩せるかが問題。
イタリア
フランスとアルゼンチンの次にセレクト出来るのはどこか??やはり、イタリア?鹿島戦で見せたイタリア代表の貫禄はタダゴトではなかった。でも、単なるカッコつけ、コケオドシかもしれない。手薄に見える中盤を、"諦めているのか?"とまで酷評する向きもあるが、プライドを捨てて攻めに入るイタリアはやはり強いだろう。
スペイン
筆者が推薦する、本命の中のダークホース(?)。代表の顔ぶれ、今回こそ優勝か?凄いと思わせる選手層の厚さ。2001-02 シーズンも強かったスペインのクラブ・チームから、代表落ちした良い選手も数多い。ラウールは当然として、バラーハ、バレロン、トリスタンに注目している。
イングランド
強いのか、どうなのか?欧州予選、ドイツを 5-1 で破った衝撃のゲームも、昨年の話。その時をベストとすれば、ジェラードなど怪我で欠場の選手も多く、チーム全体のコンディションは落ちている。困難を乗り越える精神力は、培われたか?ベッカムやオーウェンのリーダーシップに比重かかる・・・。
ブラジル
先日のテスト・マッチのポルトガル戦。ブラジル・セレソンの各選手の実力は、やはり侮れない事が確認出来た。困難を極めた南米予選、あれは何だったのか?選手起用に一貫性が無かったのは、間違いない。選手の選択に異論はあるが、とにかく固まった代表の面子。ロナウドはどうか・・・。
(気が向けば続く 2002.5.28)
テスト・マッチ
韓国 2-3 フランス
2002.5.26
韓国、昨年のコンフェデでボロボロにされたフランスから2点奪い、一時はリードする。韓国にとって大きな自信になったと思われる。フランスのディフェンスは集中力を欠いたように見えた。だが、韓国はシャカリキに攻めていたのでテストのつもりの少しフランスは引けていたし、フランスの攻撃はやはり怖い。
ショックな出来事
(1) スペイン代表キーパー、カニサレスの怪我により、ワールド・カップ絶望。
(2) バルセロナの監督に、あのファン・ハール監督が出戻り。色々な意味で、大丈夫なのだろうか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 決勝
レアル・マドリード [スペイン] 2-1 バイヤー・レバークーゼン [ドイツ]
2002.5.15
ゴール / ラウール(レ)、ルッシオ(バ)、ジダン(レ)
相手をあざ笑うかのように、ディフェンス・ラインの裏へ絶妙のタイミングで抜け出すラウール。余りにも冷静にボールのコースを読み、ゲーム開始早々の得点。だが、1st ハーフでのレバークーゼンの守備は組織的で、攻撃は力強い。セット・プレーから、超攻撃的ディフェンダーのルッシオのヘディングで、追い付く。この後も、レバークーゼンの攻勢は続く。レバークーゼンの各選手の判断の早さが、兎に角早い。特にバラックは凄い。レアルのディフェンスのスピードが遅れている。レアルは、好調な時の華麗な攻撃にこだわり過ぎているようにも見える。だが、ルッシオのゴール以降は無得点で凌いだ。この最も重要なゲームでの集中力の持続は、やはり、百戦錬磨のレアルの経験から来るモノなのだろうか?劣勢の状態の 1st ハーフ終了の間際、ロベルト・カルロスのクロスから、足の止まったレバークーゼンの一瞬のスキを突くジダンの左足でのボレー・シュートが決まる。後世まで語り続けるゴールかもしれない。レアルが勝利に必要な要素であった、ゴールする為の高度な技術が明暗を分けた。レバークーゼンが攻勢の間に、逆に得点をリードしたレアルが心理的に優位に立った。その後、レバークーゼンは序盤のような攻め手を作れなくなった。レアルのキーパーのセサールは負傷でカシージャスと交替したが、レアルは冷静さを保っち、華麗なボール廻しも蘇った。レバークーゼンは、お約束のゲーム終了間際の大攻勢に出た。選手も観客も、誰もが99年のファイナルの大逆転劇の事を考えている。だが、レアルからゴールを奪う事は至難のワザであった。しばらくレギュラーから外れていたカシージャスのスーパー・セーブは、チームを救った。
またレアル・マドリードだ。ここ5シーズンで3度目のビッグ・イヤーである。これだけタレントを揃えて、無冠で終わる方が不思議ではあるが。ジダンの加入は、確かに大きかった。イタリアからスペインに渡り、リニューアルした感がある。だが、リーガ・エスパニョーラ開幕直後の序盤では、ジダンの存在がチームのバランスを崩した。目の覚めるようなゴールの後、あまりにもあっけなく失点を食らう事もあった。皮肉にもチャンピョンズ・リーグ序盤では、ジダンは出場停止の継続があって出場出来ず、どうしてだかレアルは好調。ジダンは、チームにフィットし始めた頃から出場。最初から出場していたら、チャンピョンズ・リーグも落したのかも??ジダンがフィットして後、特に昨年暮れのレアルは地球のチームとは思えない程に強かった。ここのところでは怪我人も出て、リーガ・エスパニョーラでは勝ち点の積み重ねが停滞し優勝も逃したが、チャンピョンズ・リーグではピンチの時に誰かが得点し、ファイナルまで辿りつく事が出来た。やはり、ジダンとラウールのタレントは、ファイナルでもスーパーであった。レバークーゼンも力を出したが、レアルが瀬戸際での再三のピンチを凌ぐ事が出来たのは、やはりチームの経験の差によるものだろうか?20世紀最高のチームは、今後も勝って当たり前のチームだと思われ続ける。
UEFA カップ 2001-02 決勝
フェイエノールト [オランダ] 3-2 ボルシア・ドルトムント [ドイツ]
2002.5.8
ゴール / ファン・ホーイドンク(フ,PK)、ファン・ホーイドンク(フ)、アモローゾ(ド,PK)、トマソン(フ)、コレル(ド)
ユベントスやドイツ代表で多大なる実績を残した、ドルトムントのDFコーラーが、このゲームで現役引退。何しろ、ザマー監督より年長。トマソンの突破に対するペナルティ・エリア内でのチャージに対し、何とコーラーに一発でのレッド・カード。誰もが厳し過ぎるジャッジだと思ったハズだ。だが、結果的にPKを誘発したドリブルを敢行したトマソンの切れは、このゲームでも素晴らしいかった。シャドウ・ストライカーと呼ぶべきポジションを取り、ファン・ホーイドンクや左右のウインガーをオトリに、スペースを有効に使う。現在、最も中央突破が鮮やかな選手かもしれない。来シーズンは、ACミランに行くという。そして、ファン・ホーイドンクのスケールの大きなフリー・キックは、今日も猛威を振るった。これだけスーパーなファン・ホーイドンクの知名度がこれまで高くなかったのは、本当に不思議だ。
ブンデスリーガ制覇や UEFA カップのファイナル進出という結果を残した、今シーズンのドルトムント。コレル高さとロシツキやアモローゾのファンタジーとの連携で、フェイエノールトを破るとの予想も立ったが、実際は違った。コレルの切れが抜群だっただけに、実に惜しい。だが、フェイエノールトはドルトムントの攻撃をある程度分断していた。オランダ・リーグではビッグなフェイエノールトだが、イタリアやドイツのビッグ・クラブは破れまい、そう思っている間に、何時の間にかのファイナリスト。固いディフェンスと多彩な攻撃パターン、バランスの良さ。そして中盤には小野伸二がおり、基本的にはリンクマンの役割を十二分に果たした。
早々に10人になったドルトムント、ブンデスリーガ最終節が終了直後、疲労もあるハズだ。ドルトムントにツキが無かったとも言えるが、フェイエノールトのチーム力が優ったと考えるのが妥当だろう。MFのボスフェルト、トップ下のトマソン、FWのファン・ホーイドンクのセンターのラインが強力で、安定していた。カルーなどのサイド・アタックも機能し、どのポジションもこなす小野もいた。2001-02 シーズンのフェイエノールトは、1年前のアラベスのように、後々になっても語られ続ける好チームなのかもしれない。
イタリア セリエA 2001-02 最終節
ウディネーゼ 0-2 ユベントス
2002.5.5
ゴール / トレゼゲ、デル・ピエーロ
ユーベ、早い時間帯に2得点。右サイド・バックにテュラム、左にモンテーロ、中盤の底にトゥドールを入れて、鉄壁のディフェンスで、余裕の展開。トレゼゲが得点王を獲得の先制点、デル・ピエーロの得点感覚も蘇ったかに見える。ウディネーゼ、厳しい攻撃を行なわず。インテルの失点の情報を見ながらの攻防、終盤は全く緊迫感がないゲームとなってしまった。
シーズン序盤を除いて、ディフェンス陣が安定、前線の得点力で勝負を決める。こう述べると、ローマの特徴とほとんど同じ?結局、最もセリエAらしいチームが順当にスクデットを取ったという事か・・・?
イタリア セリエA 2001-02 最終節
ラツィオ 4-2 インテル
2002.5.5
ゴール / ビエリ(イ)、ポボルスキー(ラ)×2、ディ・ビアッジョ(イ)、シメオネ(ラ)、S・インザーギ(ラ)
スタディオ・オリンピコをホーム・スタジアムに変えてしまった、詰め掛けたインテリスタ。勝てば文句無しのスクデット、インテル。ビエリの先制で、早くも勝利が決まったかと思われた。だが、ディ・ビアッジョの得点以降の猛攻でも追加点が奪えず。ロナウド、ビエリ、レコバの連携もイマイチ、特にロナウドの切れが悪かった。ディフェンスの間も悪く、次々に失点。最終節としては、不甲斐ない。ユーベにスクデットを譲る。クーペル監督、またしても大魚を逃す。
ここで意地を見せてしまったラツィオ、ポボルスキー、スタム、フィオーレ、ジャンニケッダなど、悉く好調。シーズン中見せられなかった、ラツィオのチームとしての集中力が、最後の最後で冴えた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 決勝は・・・
レアル・マドリード [スペイン] 対 バイヤー・レバークーゼン [ドイツ]
昨年のバイエルン対バレンシア、重苦しいほどの両チームの守備の強烈さ、今年のファイナルの様相は異なるであろう。両チームとも、分厚い攻撃を得意とする。ゴールする技術については、多数の飛び道具を擁するレアルが上回るだろう。だが、登り調子のレバークーゼン、ゲーム終盤での得点が目立つ。得点経過などは予想不可能だが、昨年同様の神経戦とも呼ぶべき攻防が見られるのは、間違いない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準決勝 2nd leg
レアル・マドリード [スペイン] 1-1(トータル3-1) バルセロナ [スペイン]
2002.5.1
ゴール / ラウール(レ)、OG(バ)
アウエーと言えども、バルサが1点先制すれば2点目だってどうなるか分からない。だが先制したのはラウール、しかも目の覚めるような強烈なシュート。当然得点が必要なバルサの積極的攻撃、リバウド不在の穴をルイス・エンリケの積極的な姿勢がカバーしているかに見える、だが先制はレアル、というパターンは 1st leg と同じ。趨勢としては互角、いやバルサの方が優勢だったか?だが決め手は、決定的な場面でのボールの正確性、そして経験であった。バルサのサポーターから過大な期待を寄せられたサビオラも、結局不発。
テスト・マッチ
日本 3-3 ホンジュラス
2002.5.2
ホンジュラスは予想以上に強かった。スピード、個人技、チーム・プレー、決定力。日本の3失点は確かに痛いし、不安を抱かせた。だが、この時期で良かった。予選の厳しい戦いの無かった日本、少なくとも、劣勢からの挽回の態勢を取る為の精神的な準備の為、このようなゲームが必要であった。この時期、全てのテスト・マッチがウマく行ってしまう方が問題だ。
中村俊輔、2ゴールと強烈かつ繊細なパス・ワークを見せた。サスガに、代表当確ではなかろうか?稲本も、前回のゲームとは見違える動きを見せた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準決勝 2nd leg
バイヤー・レバークーゼン [ドイツ] 1-1(トータル3-3)
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
2002.4.30
ゴール / キーン(マ)、ノイビル(レ)
キャプテンのキーンが復帰したマンU、そのキーンのゴールで先制、勝負強さを見せつけるのかと思われた。しかし、好調レバークーゼンの攻撃力は尋常ではない。1st ハーフの終了間際に同点、アウエー・ゴールの差で優位に立つ。アウエーとホーム・ゲームの180分を通じて、マンUと完全に互角に戦った。DFのルッシオまで参加する分厚い攻撃が、弱点と言われたマンUのDF陣を破った。
チームとして、シーズンを通じて好調を維持するのは難しい。シーズン開幕当初の不調から脱却し、プレミアとチャンピョンズ・リーグの2冠を取る可能性を生じるところまで復調。だが長いシーズンの疲れがベッカムの怪我などに結びつき、最重要の時期に調子を下降させたか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
バレンシア 2-1 エスパニョール
2002.4.28
ゴール / タムード(エ,PK)、バラーハ(バ)×2
リーガ制覇に向け、力の入れ方が過剰気味のバレンシア、レフェリーのジャッジに対しても、ついつい熱くなる。平均年齢は高いが相変わらず安定したDF陣だが、このゲームでは何と、前節でFWのアングロを右サイド・バックに。アイマールのトップ下も定着。1st ハーフ、アジャラのペナルティー・エリア内でのハンド、多少は疑問の残る判定によるPKで失点。カルボーニの競り合いの中でのヒジ打ちで、レッド・カード。だが、ホームのバレンシアの攻撃は10人になった後も衰えず。守備的な位置なハズのバラーハの、シュートの乱れ打ちからの2ゴールにより逆転。同日のレアル・マドリード、バルサ戦の疲れからか、効果的な攻撃の組み立てが出来ずに、ソシエダに惨敗。バレンシア、リーガの乱戦を制し、優勝に大きく近づいた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準決勝 1st leg
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 2-2 バイヤー・レバークーゼン [ドイツ]
2002.4.24
ゴール / スールシャール(マ)、バラック(レ)、ファン・ニステルローイ(マ)、ノイビル(レ)
マンU、確かにベッカムは欠場でキーンは控えだが、少なくとも 1st ハーフは悪くはなかった。驚くべきは、今年に入ってから進化した、レバークーゼンの攻撃的でスマートなゲーム運び。準々決勝でのラ・コルーニャを凌駕する鮮やかさ。アウエー、しかもオールド・トラッフォードで、マンUと完全に互角に戦った。スールシャールの得点でマンU有利に傾くかに思われたが、バシュトルクやゼ・ロベルトなどの果敢な攻撃が次第にマンUのDFを追い込み、決めたのはやはりバラック。サブに廻ったノイビルが得点するなど、アウエーで、勝ちにも等しい2得点。マンUは現状でのベストの布陣で臨んだハズだが、手詰まり状態になった。ゲーム終盤、アーウィンと本当は使いたくないキーンというベテランの投入が、このゲームの状況を物語る。2nd leg では何かを変えないと、マンUの勝ち目はない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準決勝 1st leg
バルセロナ [スペイン] 0-2 レアル・マドリード [スペイン]
2002.4.23
ゴール / ジダン、マクマナマン
とうとうやってきた注目のカード、今シーズン最大の凄まじい盛り上がりを見せる、バルセロナのホーム・スタジアム、カンプ・ノウ。だが、バルサはリバウドとプジョールなど、レアルはフィーゴとモリエンテスなどを欠く。バルサが意地を見せるか?見所はそこに集約されていた。序盤から激闘ではあった。バルサにバーを叩くシュートもあったが、ホームでの得点は無く、レアルはアウエーの2点。思えば準々決勝の相手、レアルはバイエルン・ミュンヘンと激闘を繰広げ、ホームでの逆転勝ち。バルサはパナシナイコスに詰め寄られたが、これも確かに逆転劇、パナシナイコスは確かに良いチームだったが、強豪のバイエルンを破ったレアルの方に勢いがあるように見えた、結果がそう物語る。特にゲームの終盤、レアルの猛攻にバルサが耐えられずに失点したように見える。2nd leg はレアル・ホーム。バルサに逆転する可能性は、どの位あるのだろう?やはり、バルサにリバウドが不在である事の重大さを感じさせたゲームであった。
イタリア セリエA 2001-02
キエーボ 2-2 インテル
2002.4.21
ゴール / マラッツィーナ(キ)、ダルマ(イ)、ロナウド(イ)、コッサート(キ)
チャンピョンズ・リーグ圏内の4位をまだまだ狙える順位にいるキエーボ、ビエリをまたも怪我で欠いてはいるが、首位のインテルを相手に、組織的サッカーで翻弄。選手のグレードはインテルと比較して弱冠落ちるが、コリーニやエリベルトが好調、マラッツィーナとコラーディの2トップのアグレッシブな動きも目立つ。先制されたインテルも、ダルマの見事なループ気味のシュートと、GKのミスからのラッキーなロナウドの得点で、逆転。だが諦めないキエーボ、終了間際のロス・タイム、超スーパー・サブのコッサートの同点弾が炸裂。セリエAのビッグ・クラブ同士の対決は、ナゼこのゲームの程には面白くはないのであろうか?
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
チェルシー 0-3 マンチェスター・ユナイテッド
2002.4.20
ゴール / スコールズ、ファン・ニステルローイ、スールシャール
序盤は、最近の好調をマンUに対しても見せ付けるかに見えた、チェルシー。プティ、左サイドに廻ったゾラ、メルヒョットなどが良く動く。だがしかし、キーン、ベロン、ベッカム、主力3人を欠いても、更に強さを増したかに見えるマンU。スールシャールがベッカムの動くをカバー、得点も取る。シーズン終盤、チャンピョンズ・リーグの準決勝も控え、益々好調のマンU。
テスト・マッチ
ポルトガル 1-1 ブラジル
2002.4.17
ゴール / セルジオ・コンセイソン(ポ)、ロナウジーニョ(ブ,PK)
ワールド・カップ南米予選で、我々の抱くイメージからすると、信じられない低調なパフォーマンスを続けたブラジル代表。評価を定着させた感のある、ホームのポルトガル。スタジアムは満員。もう目前に迫ったワールド・カップを控え、テスト・マッチとしては疎かに出来ない。ゲームは自然とヒート・アップ。
代表チーム、クラブ・チームを問わず、面白さで言えば相当に高いレベルにあるポルトガル代表チーム。ゲーム序盤は、ブラジルを相手にパスを繋ぎまくり、ブラジルのゴール前まで迫る。だが、このゲームのブラジルは違った。先発にロナウドが居る。1st ハーフのみの出場で得点もなかったが、ロナウドがゲームに出るのと出ないのは、やはり大違いである事が判明した。ルッシオ、メルソン、カフー、ロベルト・カルロス、不調ではあるがリバウド、そしてロナウド、本番で主力が好調ならばイケるであろう、代表チームとして"本番"で本気を出す、その片鱗を見せたか?2nd ハーフから出た、エジウソン、デニウソンも、スーパー・サブとして使えそうである。ブラジル代表は強くなければならない、強くて当然なのである。
ポルトガルはいいチームだが、各国に研究され、フィーゴなどが不調であると苦しい。ひょっとしたら、この辺が限界なのかもしれない。コンディションとモチベーションがカギだ。
イタリア セリエA 2001-02
インテル 2-1 ブレシア
2002.4.14
ゴール / グアルディオラ(ブ)、ロナウド(イ)×2
長期の出場停止を経て、元バルセロナ・スペイン代表のグアルディオラ、その存在感を見せ付ける。疑問視されたセリエA入りだったが、この活躍度であれば通用しないリーグはないであろう。効果的なボールの捌きを見せ、バキーニなどと共に、インテルを窮地に落し入れる。勝ってもおかしくはなかったがFWが決定力を欠き、PKによる1得点のみ。
ビエリ、レコバ、ロナウドを同時に使い、強い意思を見せたクーペル監督だが、ブレシアに押し込まれる。だがチームを救ったのは、やはりロナウド。どう見ても怪我をする以前の
凄まじいスピードは戻っていないのだが、結局2得点。ロナウドが90分間、残り全試合出場する状態であれば、インテルがスクデットを獲得する可能性は、限りなく100%に近い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準々決勝 2nd leg
レアル・マドリード [スペイン] 2-0(トータル3-2) バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
2002.4.10
ゴール / エルゲラ、グティ
このところ毎シーズン衝突する2つのビッグ・クラブだが、これまでのゲーム以上に、稀に見る厳しいゲームであった。点を取るしかないレアル、ワールド・クラスの選手達の圧倒的な攻撃の圧力に対し、GKカーンを中心にした固い守りで対抗。2nd ハーフ、遂にエルゲラが決め、グティが2点目を押し込んだ。やはり、2nd leg のチームの方が有利?準決勝はレアル対バルサのクラシコ、このゲームより厳しいゲームになるのか??
イタリア セリエA 2001-02
パルマ 2-0 ウディネーゼ
2002.4.7
ゴール / ディアーナ、ハカン
パルマ、シーズン開幕からしばらく続いた低迷からは脱出している。個人のテクニックが、チーム・プレイに貢献するようになった。現在のチーム状態なら、UEFA 圏内に届く順位についていたかも。ローマ時代から試され続けた中田英寿のボランチとしてのプレイだが、漸くサマになって来た。日本人の期待度からしては、"6点"の活躍だが、チームへの貢献度からすれば、"7"を付けても良いのかもしれない。長い距離を走っての攻撃参加は、サポーターへのアピール度は大であったろう。
UEFA カップ 2001-02 準決勝 2nd leg
フェイエノールト [オランダ] 2-2(トータル3-2) インテル [イタリア]
2002.4.11
ゴール / ファン・ホーイドンク(フ)、トマソン(フ)、ザネッティ(イ)、カロン(イ,PK)
3シーズン連続でヨーロッパのカップ戦のファイナリストとなった、クーペル監督。手堅い戦術で、自分の信じる選手起用で、今シーズンも名門インテルと共に、ここまでやって来た。だが、コルドバなどを欠き、DF陣の状況が非常に厳しい。先発の2トップは、ロナウドとベントラ。攻撃で良い形を作ることもあったが、基本的には中盤で負けていた。このゲームでは特に、先制する事が重要であったが、1st ハーフで2点食ってしまった。
フェイエノールトはシーズンを通じて好調、このゲームはホームで絶対的に有利。小野伸二はサスペンションで不出場だが、フェイエノールトは守備も強いし、サイド攻撃も鋭く、バランスも良い。選手層も意外と厚い。UEFA カップのファイナリストとして十分なチーム力を持っていた。小野がいるから注目を集めているだけではなかった。何しろ、UEFA カップのファイナリストだ。もし、小野が決勝で得点するなどの活躍をすれば、大変な騒ぎだ。だが相手はドルトムント、コンディションも上々である。ホームで決勝を迎える超ラッキーなフェイエノールトは、ドルトムントの攻撃を押さえ切れるか?ここに尽きる。小野に優勝して欲しいが、ロシツキのファンタジーも見たい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準々決勝 2nd leg
バルセロナ [スペイン] 3-1(トータル3-2) パナシナイコス [ギリシャ]
2002.4.9
ゴール / コンスタンチン(パ)、ルイス・エンリケ(バ)×2、サビオラ(バ)
ボール支配率の高いバルサに対し、幾分守備的でカウンターを狙うパナシナイコス、1st ハーフはそれが効いていた。キプロスの生んだ本格派ストライカーのコンスタンチンの強烈なゴールで、バルサは劣勢に。それを救ったのが、ベテランの闘将、ルイス・エンリケの2得点と、1年目で結果を出した天才サビオラのゴール。何かと批判を浴びる、今シーズンの名門バルサだが、結局はチャンピョンズ・リーグのベスト4まで進む。ビッグ・イヤーを獲得しても誰も驚かない所までは来た。バルサの攻撃陣は、間違いなくワールド・クラスだからして。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準々決勝 2nd leg
バイヤー・レバークーゼン [ドイツ] 4-2(トータル4-3) リバプール [イングランド]
2002.4.9
ゴール / バラック(レ)×2、アベル・ザビエル(リ)、ベルバトフ(レ)、リトマネン(リ)、ルッシオ(レ)
レバークーゼンのバラックの先制の後、リバプールのアベル・ザビエルのアウエー・ゴール。これで勝負が決まったように見えた。しかしこの後、両チーム計4ゴールの打ち合い、レバークーゼンの逆転。プレミア・リーグの中でも守備が固さとカウンターで勝負するリバプール、ブンデス・リーガでは攻撃的なチームのレバークーゼン。両チームは、何となく似ている気がする。ホーム、アウエー、合計180分の最後の45分で、両チーム共に極端な守備陣形に入る事はなかったが、これだけ点が入るゲームになるとは・・・。ドイツ代表のバラック、本来の実力を見せ付けた。リトマネンの、DFの人数をものともしない見事なゴールも印象的であった。
ジェラードやリーセ、勿論オーウェンなどの"怪童"達の活躍で、シーズン前半は絶好調であったリバプール。しかし、調子を落とし、勝てない時期もあった。長丁場のチャンピョンズ・リーグは特に難しい。目の前の一つのゲームのみの好不調だけでは十分ではなく、シーズンを通しての力量が問われる。
UEFA カップ 2001-02 準決勝 1st leg
ボルシア・ドルトムント [ドイツ] 4-0 ACミラン [イタリア]
2002.4.4
ゴール / アモローゾ×3、ハインリヒ
ボルトムントの攻撃陣が炸裂、1st ハーフでのミランのDFは完全に翻弄される。最強のポスト・プレーヤーのコレルを中心に、ロシツキやアモローゾなどのテクニシャンが縦横に走る。弱冠21才、チェコ代表のロシツキ。現代サッカーの厳しい肉弾戦の中では異例に細身で、フィジカルに問題があるように見える。だが、本人が語るのを実証するように、フィジカルの強弱に関係無く、いや、細身であるからこそのボール捌き。マルディーニを中心にしたDF陣の中での、一瞬のスキを突いた華麗なパス出し。アモローゾもハットトリックで、絶好調。
UEFA カップ 2001-02 準決勝 1st leg
インテル [イタリア] 0-1 フェイエノールト [オランダ]
2002.4.4
インテル、ロナウドとレコバを温存。いくらセリエA重視とは言え、考えが甘かった事が結果に出てしまった。フェイエノールトは意外に強い??チーム力の差はあると思われたが、アウエーながらチャンスも多く、ホーム・スタジアムでの決勝も視野に入って来た。小野、ヨーロッパのゲームで実力を示すチャンスだったが、イタリアのクラブ・チームに注目を引くところまではいかず、ホーム・ゲームを累積警告で不出場というハメに。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準々決勝 1st leg
パナシナイコス [ギリシャ] 1-0 バルセロナ [スペイン]
2002.4.3
今シーズンのパナシナイコスは、手堅い。それがベスト8到達の原動力か?それよりも何よりも、バルサの間の悪さやメリハリの欠如が出た、典型的なゲーム。パナシナイコスがファイナリストになるとは考え難いが、バルサは食ってしまうのか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準々決勝 1st leg
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 2-1 レアル・マドリード [スペイン]
2002.4.2
ゴール / ジェレミー(レ)、エフェンベルグ(バ)、ピサロ(バ)
またも激突したバイエルンとレアル。だが昨シーズンと違うのは、レアルにジダンが存在する事。またバイエルンには、復活したエフェンベルグがいる。予想以上に激しい潰し合い。終了間際に2得点したバイエルンが意地を見せた。逆転されたとは言え、レアルはアウエーの1点をゲットしており、第2戦での勝敗は微妙に。先制するのはどちらか?やはりエフェンベルグは只者ではない。だがワールド・カップには出場しない。不思議だ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 準々決勝 1st leg
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 0-2 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
2002.4.2
ゴール / ベッカム、ファン・ニステルローイ
遂に始まった、ベスト8の激突。だが、満員にならないリアソール。この最も重要なゲーム、1次リーグで連勝したとは言え、最大の難敵であるマンUを迎えて、サポーターはどう考えているのか?しかもマンUは、シーズン開幕当初と同じチームとは言えないと断言できる位に、現在は好調である。
先制点となったミドル・シュート、名実共にベッカムがワールド・クラスの選手になっている事を証明した。ファン・ニステルローイも、チャンスを逃さなかった。マンUの選手は、特にディフェンスにおいて極めて冷静で、1次リーグでマンUを粉砕してしまったラ・コルーニャの個人技を主体とした攻撃を、何とか押さえ込んだ。やはり百戦錬磨、このゲームの重要性を熟知しているマンUの選手達が貫禄を見せた。中盤で存在感を見せつけたキーンが負傷退場、気がかりである。ベッカムの足を削った、トリスタンのタックルもいただけない。
ラ・コルーニャがオールド・トラッフォードで3点取って逆転するのは、極めて難しい。だが、ラ・コルーニャの華麗なボール・ゲームを、是非是非見てみたいものである。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
リーズ・ユナイテッド 3-4 マンチェスター・ユナイテッド
2002.3.30
ゴール / スコールズ(マ)、ビドゥカ(リ)、スールシャール(マ)×2、ハート(リ)、ボウヤー(リ)
マンUはファン・ニステルローイを温存し、ギグスとスールシャールの2トップ。ベッカムが霞むほど、左サイドの攻撃が目立つマンU、4点を。だが、ホームのリーズも一時の不調から脱しており、負けてはいない。キューエルとスミスが絡み、攻撃的な姿勢を崩さない。イアン・ハートの相変わらず鋭い、分かっていても取れないフリー・キックも決まった。失点も多いマンUの辛勝、勝ちは勝ちだが、逆転優勝は可能なのか?
テスト・マッチ
イングランド 1-2 イタリア
2002.3.27
ゴール / ファウラー(イン)、モンテッラ(イタ)、モンテッラ(イタ,PK)
ポーランド対日本を見た後だけに、ゲーム序盤での、ボールの強さ、早さ、正確さ、連携の早さと力強さが目立った。イングランド、主力に怪我人が多く困ったようだが、ワールド・カップでも怪我人はあり得るし、大丈夫か?イタリアも、ビエリ、デル・ピエーロなどを欠く。ファウラーとモンテッラのゴールは、サスガ。イングランドとイタリアの強弱の差は、見極められなかった。
テスト・マッチ
ポーランド 0-2 日本
2002.3.27
ゴール / 中田、高原
欧州ナンバー1キーパーとも言われる、リバプールのデュデックから2点取れたのが、何と言っても大きい。オリサデベのゴール前での動きは鋭いが、それ以外の選手の攻撃が単調か?ワールド・カップ予選を無敗で切り抜けたポーランドだが、同じグループに、今回の日本のようなチームは無かった。態勢を挽回し切れずにゲームが終了してしまった。だが、やはり欧州の選手のフィジカルは強い。
中田英、小野、稲本、川口、欧州のクラブに所属している選手は、国内の日本代表との連携以前に、予想以上に実力が一歩先んじていた。中田英寿は、パルマでの好調さを持続させ、日本の司令塔はだれが相応しいかを、プレーで見せ付けた。右サイドの市川の動きも素晴らしく、チャンスが右サイドの連携から数多く作られた。小野の視野の広さもサスガ。スリー・バックも、ポーランドの攻撃を押さえ切り、特に松田が良かった。
イタリア セリエA 2001-02
インテル 3-1 ローマ
2002.3.24
ゴール / レコバ(イ)×2、ビエリ、トッティ(ロ)
同じ勝ち点で並ぶ両チームによる、緊迫の首位決戦。レコバ、ドリブルで独走のゴール。レコバの右サイドの突破とクロスから、ビエリの異常に不自然なのけぞった態勢での強烈なヘディングによる一発。ローマ、トッティが1点返すも、またもレコバの左足が炸裂のフリー・キックによるゴール。終盤に退場者を一人づつ出す、荒れたゲームに。つい最近まで、安定度抜群のチーム体制を築いていたかに見えたローマの、連覇の予感が漂っていたが、チャンピョンズ・リーグ敗退など、急に暗雲が立ち込める。次節は、4位定着を目指す好調ボローニャが相手だが、退場者・累積警告者を抱えて非常に厳しい。
イタリア セリエA 2001-02
パルマ 1-0 ユベントス
2002.3.23
ゴール / ラムーシ
ホームで粘り勝ちのパルマ。守備的な位置で先発の中田英寿、動きの良さを取り戻しつつある?ユーベは、インテルとローマの直接対決を前に、非常に痛い黒星。
UEFA カップ 2001-02 準々決勝 2nd leg
バレンシア [スペイン] 0-1(トータル1-2) インテル [イタリア]
2002.3.21
ゴール / ベントラ
ホームのバレンシアが有利かと思われた。しかし、カロンとのコンビネーションで、ベントラが確実に得点。インテル、GKのトルドを中心に、イタリア伝統のカテナチオの威力を見せた?最後は3人交代の後にトルドが退場させ、元バレンシアのファリーノスがGKに入らざるを得なくなるなど、ちょっとバタバタだったが。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 ミドルスブラ
2002.3.23
ゴール / ボクシッチ
ボクシッチが快調に走りまくり、カルボーネのパスに合わせて1点ゲット。ポール・インスなども好調。ロイ・キーンを欠くマンU、攻めきれず。新加入のマンUのフォルラン、ほぼチームにフィットしており、ゴールを量産する日は近い?
UEFA カップ 2001-02 準々決勝 2nd leg
フェイエノールト [オランダ] 1-1(トータル2-2,PK5-4) PSV [オランダ]
2002.3.21
ゴール / ファン・ボンメル(ア)、ファン・ホーイドンク(フ)
PSVにリードされ、90分経過後のロス・タイム、ファン・ホーイドンクの同点弾。フェイエノールトの小野、1st leg よりも攻守共に更に良かった。PKも最初に蹴った。両チームの力はマサに互角。ついに準決勝、フェイエノールトと当たるのは、インテルか?ミランか?
テスト・マッチ
日本 1-0 ウクライナ
2002.3.21
ゴール / 戸田
この時期、日本に来てもらえるチームとしては最も強い相手か。さすがに、シェフチェンコなどは不参加。日本代表も海外組が参加出来ず、その為か中盤が不安定。ウクライナはチームとしてまとまっており、スピードがあって、パスもよく繋がる。当然、ロシアは今回のウクライナよりは強いと考えた方が良い。スピーディなパス・ワークから3バックの裏を取られるかも、と思うと不安だ。戸田のゴールまでの連携は、非常に良かった。2nd ハーフから入った小笠原もクール。次のポーランド戦は、ワールド・カップの初戦にも匹敵する重要さ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 6節(最終節)
ユベントス [イタリア] 1-0 アーセナル [イングランド]
2002.3.20
ゴール / サラジェッタ
2次リーグ敗退が決まっている、勝つ必要もないユーベ、主力を温存。序盤からボールを快調に支配する。勝利が必要なアーセナル、力んで固くなってしまい、チャンスをなかなか作れず、アンリがPKを失敗する始末。結局、ユーベと共に決勝ラウンドに進めず。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 6節(最終節)
リバプール [イングランド] 2-0 ローマ [イタリア]
2002.3.19
ゴール / リトマネン(PK)、ヘスキー
ローマはこのグループの中で、全く酷いゲームをしたワケでもない。確かに、厳しいグループに入った。だが、ユーベと共に2次グループ敗退。やはり、最も肝心な場面で得点出来たかどうか、失点しなかったかどうか、これに尽きる。アウエーで守備的な布陣を敷く、これはこれで妥当な戦術である。だがローマは、モンテッラのゴールなどで好調、セリエAと同じ布陣で臨めなかったものか?早い時間に先制された時点で、攻撃的布陣に戻すのは非常に難しいであろう。それよりも何よりも、やはりローマのチーム自体が萎縮しているように見えた。チャンピョンズ・リーグで勝ち残っていくのは、本当に難しい。2シーズン、3シーズンと、連続出場して力を蓄えて行くしかない。90年代で強さを誇示したユーベでさえ、一度出場が途切れた後は振るわない。ローマは、来シーズンも変わらない態勢で臨めば、決勝ラウンドにきっと進めるだろう。リバプールはオーウェンを温存したが、リトマネンが絶好調、ローマの守備陣を翻弄。
オランダ エール・ディビジ 2001-02
フェイエノールト 4-1 AZ
2002.3.10
ゴール / ファン・ホーイドンク(フ)、小野(フ)、トマソン(フ)、ケッティング(A)
出た!小野のループ・シュート。キーパーが不用意とも言えるが、一瞬で正確な距離感を測る小野の技術は素晴らしい。トマソンへのラスト・パスを出す直前のフェイントも良かった。UEFA カップの PSV との第二戦でも、是非活躍して欲しい。ヨーロッパで注目を集めれば、今後のキャリアに大きな飛躍をもたらすであろう。PSV を破れば、ファイナルも見えて来る。昨シーズンのアラベスのような快進撃を見せるのは、フェイエノールトか?
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
バルセロナ 1-1 レアル・マドリード
2002.3.16
ゴール / ジダン(レ)、チャビ(バ)
世界のお楽しみ、"スペイン・ダービー"だったが・・・。2度の闖入者による中断で、ゲームの熱が冷まされる。ゴールはミスがらみ。バルサのリバウド、故障で切れはナシ。1st ハーフは特にバルサのパスの流れの悪さが目だった。2nd ハーフで、1st ハーフ の不調を取り戻すかのようなバルサの攻め。
UEFA カップ 2001-02 準々決勝 1st leg
PSV [オランダ] 1-1 フェイエノールト [オランダ]
2002.3.14
ゴール / ファン・ホーイドンク(フ)、ケズマン(ア)
オランダのクラブ・チーム同士の一戦、意地の張り合いが激しい。フェイエノールトが先制したが、動きの良いケズマンに決められ、同点。フェイエノールトの小野はアウエーであった為か、あまり攻撃参加せず、守備に徹する。
UEFA カップ 2001-02 準々決勝 1st leg
インテル [イタリア] 1-1 バレンシア [スペイン]
2002.3.14
ゴール / ベントラ(マテラッツィ?)(イ)、ルフェテ(バ)
バレンシアからインテルに移ったクーペル監督、監督は替わってもバレンシアの手堅さは同じ。サブで途中出場のバレンシアの10番のアングロが、非常に鋭い動き。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 5節
アーセナル [イングランド] 0-2 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
2002.3.12
ゴール / バレロン、ナイベト
明かに平均身長がアーセナルより低いラ・コルーニャ。世界最強フランス代表のメンツが強力で、ホームで圧倒的に強いアーセナルの猛攻を凌ぎ、鮮やか過ぎるボール廻しで2得点。1st ハーフのラ・コルーニャの攻撃は、今シーズンで最も素晴らしいと思った。但しこれは、ラ・コルーニャ贔屓を前提にしての話だろうが。特にフランの出来が素晴らしく、左サイドから、いつになく真中に切れ込み、司令塔の役割を果たした。ディフェンスに関しても、冷静で狡猾。選手層も厚い。コパ・デル・レイでレアル・マドリーを破って意気の上がるラ・コルーニャは、この勢いで3冠の可能性だってある。ただ、アーセナルはアンラッキーであったのは確か。アンリはPKを外す。
イタリア セリエA 2001-02
ラツィオ 1-5 ローマ
2002.3.10
ゴール / モンテッラ(ロ)×4、スタンコビッチ(ラ)、トッティ(ロ)
魅入られたように、ボールがモンテッラに吸い寄せられ、それがゴールに。前半だけでハット・トリック。ひょっとしたら、ワールド・カップに間に合うかも。選手のクオリティが極端に違うとは思えないラツィオだが、やはり現在の監督の差なのか、この点差は。ローマの、チームの洗練度は益々上がっているのか。トッティは相変わらず、ビッグ・ゲームになると力を出す。それにしても、ラツィオのネスタがユーベに行くというのは、本当かい??
UEFA カップ 2001-02 4回戦 2nd leg
ボルシア・ドルトムント [オイツ] 0-0(トータル1-1) リール [フランス]
2002.2.28
チャンピョンズ・リーグの予備戦で中田のパルマを破ったリール、ドルトムントをも苦しめる。特にディフェンスは強固。確かにリールは強かったが、この辺に苦戦すると、1997年以来の欧州制覇は難しい。現在のドルトムントは、ザマー監督と共に将来に向けて強くなって行くチームに思える。
イタリア セリエA 2001-02
インテル 2-2 ユベントス
2002.3.9
ゴール / セードルフ(イ)×2、トレゼゲ(ユ)、トゥドール(ユ)
"イタリア・ダービー"、サン・シーロ・スタジアムは前節に続き超満員。セードルフとトレゼゲのゴールで同点、その後は意地の潰し合いが続く。相手の良さを消すのが、セリエAの特徴(醍醐味?)。フェッラーラ、モンテーロを欠き、テュラムも早々に交替で、ディフェンスがピンチに陥ったが、それでもビエリとレコバの2トップを押さえ切ったユーベはサスガ。一瞬のスキを突いたトゥドールのヘディングでユーベの勝利かと思われたが、セードルフの2発目の超ファイン・ゴールで同点。インテル、ユーベ、ローマのデッド・ヒートはまだまだ続く。
UEFA カップ 2001-02 4回戦 1st leg
ローダJC [オランダ] 0-1 ACミラン [イタリア]
2002.2.19
ゴール / ホセ・マリ
ガタイの大きな選手が並んだローダに対し、チェフチェンコさえ小さく見えた。ローダの攻撃は、やはり弱冠スピードに欠けていたように見える。ボールの支配率からすると、ミランの得点はもっと多くてよかったが、現在のチームとしての得点力の不足が如実に現れていた。
イタリア セリエA 2001-02
ACミラン 0-1 インテル
2002.3.3
ゴール / ビエリ
守備を固めるところからチームを構築する、ミランのアンチェロッティ監督と、インテルのクーペル監督。現在のミラノの2チームは似ている。1st ハーフで特に、攻めにかける人数が多くない。良いの悪いのか判定は下せはしないが、攻撃のチャンスにおいて、シェフチェンコやビエリに対するサポートが少ない。スペクタクルの欠如か?現実的なサッカーなのか?お互いに力を出し惜しみしているワケではない。局面局面での攻防は厳しい。だが、ミラン・ダービーらしくはない気は、する。決めたのは、ビエリのゴールに対する執念。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
セルタ 0-1 レアル・マドリード
2002.3.2
ゴール / ラウール
リーガらしい素晴らしいボール・ゲーム、延々とパスが繋がってゆく。決めたのはジダンとラウールの至芸、ジダンの素晴らしい左からのクロスとラウールのスラしたヘッディング。イエーロとカランカの不在で、エルゲラがセンター・バックに入った。フィーゴも怪我で不在だが、レアルで好調なのは、サルガドと、スーパー・サブのソラリ。レアルが何とか勝ち逃げた。
UEFA カップ 2001-02 4回戦 2nd leg
フェイエノールト [オランダ] 3-2(トータル4-3) グラスゴー・レンジャース [スコットランド]
2002.2.28
ゴール / マッキャン(グ)、ファン・ホーイドンク(フ)×2、カルー(フ)、ファーガソン(グ,PK)
レンジャースに先制されたフェイエノールト、ファン・ホーイドンクのフリー・キックが2発も決まり逆転。全体には荒いゲームになり、両チームでレッド・カードを一人づつ出す。レンジャースが勝ち抜けても、おかしくはなかった。UEFA カップも、これ以降の相手チームは全て強豪になり、フェイエノールトにとっては正念場となる。ホームとアウエー共に、冷静なゲーム運びが必要となる。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 4節
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 2-0 ユベントス [イタリア]
2002.2.27
ゴール / ディエゴ・トリスタン、ジャウミーニャ
久々に好調のラ・コルーニャを見た。ボール廻しが本当にウマい。ユーベ、ラ・コルーニャの攻勢に対して後手に廻っているし、切り札となるべき駒は不足しているし、ダービッツが退場。セリエAで好調だったユーベも、スペインの強豪には歯が立たないのだろうか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 4節
アーセナル [イングランド] 4-1 バイヤー・レバークーゼン [ドイツ]
2002.2.27
ゴール / ピレス(ア)、アンリ(ア)、ビエラ(ア)、ベルカンプ(ア)、ゼベスセン(レ)
現在のブンデスリーガ最強、バイエルンよりも強いレバークーゼン。だが、世界最強のフレンチ・コネクションとベルカンプにボールを廻され、レバークーゼンが完全に劣勢。現役ドイツ代表を多数揃えたレバークーゼン対、フランス色の強いアーセナル。ワールド・カップの予想は尚早だが、夏のドイツは大丈夫なのだろうか?4点取って勝利間違いナシで余裕のアーセナル、やはり稲本を投入。たとえ10分でも、稲本にはガンガン行って欲しいものだ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 4節
ローマ [イタリア] 3-0 バルセロナ [スペイン]
2002.2.26
ゴール / エメルソン、モンテッラ、トンマージ
1st ハーフは互角、両チームとも守備力が優り、潰し合いが続く。2nd ハーフのローマ、中盤の圧倒的な力強さを見せ付け、ホーム・ゲームらしく勝つ。勝負の局面でのトッティの異常な冷静さが、エメルソンとモンテッラのゴールを呼び込んだ。現在、ローマの安定度は非常に高く、ビッグ・イヤー候補の筆頭であるように見える。バルサ、サビオラを使わずアウエー・ゲームを守り切ろうとしたが、結果論的に言えば、いつも通りのフォーメーションの方が良かった?ジェラールの復帰は光明。
UEFA カップ 2001-02 4回戦 1st leg
グラスゴー・レンジャース [スコットランド] 1-1 フェイエノールト [オランダ]
2002.2.21
ゴール / 小野(フ)、ファーガソン(グ,PK)
多国籍軍と化しているグラスゴー・レンジャース。クロス、ビドマー、フローに加え、ナゼかカニージャまで居る。対するフェイエノールト、小野のチームへのフィット度は最高。小野のミドルシュートが、ラッキーなバウンドにも助けられたが、見事に決まった。同点に追い付かれはしたが、アウエーでの1点は大きい。
UEFA カップ 2001-02 4回戦 1st leg
ハポエル・テル・アビブ [イスラエル] 0-0 パルマ [イタリア]
2002.2.21
ハポエルは好チームであったが、イタリアのクラブ・チームのディフェンスを切り裂くまでは行かない。だが、パルマの前線の迫力の無さは相変わらず。温存したミクーとディ・バイオを早々に出して、アウエー・ゴールを取りにいったが、結局無得点。中田英寿のボールの捌きはまずまずだが、得点チャンスを作りうるゴール前でのパワフルなプレイはナシ。今シーズン開幕当初の、パルマの煮え切らないバツの悪さは徐々に払拭されては来ているが。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 3節
バルセロナ [スペイン] 1-1 ローマ [イタリア]
2002.2.20
ゴール / パヌッチ(ロ)、クライファート(バ)
スペクタクルな攻撃を見せるバルサと、守りの固さとカウンターのローマ、確かに予想通りの展開ではあった。だが、1対1での局面は厳しく、意地の張り合いとも言える攻防。選手の質は両チームとも高いし、守りと攻めへの集中力は途切れなかった。この2チーム、意外と似たチームなのかもしれぬ。特に、カフー対プジョールの対決が強烈。パヌッチに先制された後、進境著しいプジョールの右サイドの突破とクロスから、クライファートの超強烈なシュートが決まった。バルセロナ、自国リーグでもこのゲームのようにやっていれば、楽勝のトップ??
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 3節
ユベントス [イタリア] 0-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
2002.2.19
ワールド・カップ・イヤーで、特に日程の厳しいビッグ・クラブと主力選手。勝ち点は欲しいが、ムダな怪我や疲労は避けたい両チーム。そんな雰囲気を察してか、内容を期待させるビッグ・ゲームであるにもかかわらず、デッレ・アルピ入りはイマイチ。セリエAで好調のユーベと、リーガで停滞気味のラ・コルーニャ、ユーベが優勢かと思われた。しかしラ・コルーニャ、セリエAのチームのように手堅く守り切る。ユーベのデル・ピエーロの動きは切れていたが、PK失敗が痛かった。トレゼゲも不発。盤の攻防も、互角の印象。守備の要を怪我で欠くラ・コルーニャ、このゲームを引き分けで乗り切ったのは大きい。厳しいグループDの、今後の予想は不可能?
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
バルセロナ 3-2 デポルティボ・ラ・コルーニャ
2002.2.16
ゴール / ディエゴ・トリスタン(デ)、ルイス・エンリケ(バ)、セルヒオ(デ)、サビオラ(バ)、クライファート(バ)
冷たい雨の為か、非常に観客の少ないカンプ・ノウ。肩の力が抜けたのか、攻め合いが見事。ルイス・エンリケの戻ったバルサの攻撃の組み立てが力強い。ラ・コルーニャは、ドナトなどの欠場が痛い。バルサの大逆転優勝はあるか?バルサの3点目、クライファートのヘッドに合わせたプジョールのクロスが見事。リバウド、相変わらずウマい。
テスト・マッチ
スペイン 1-1 ポルトガル
2002.2.13
ゴール / J・コスタ(ポ)、モリエンテス(ス)
予想通り、攻めの姿勢に終始する両チーム。厳しい削り合いはなかったが、パスとドリブル突破、出来得る限りの攻撃のフォーメーションを駆使し、守りの局面もそれなりであったので、テスト・マッチとしては面白かった。ポルトガルの至宝フィーゴのドリブルは、やはり驚異。近年好調のポルトガルが優勢だと思っていたが、スペインの本当の強さは頂点を見せてはいないようにも見えた。
1st ハーフは、ポルトガルの攻勢が目立った。2nd ハーフは、テスト・マッチの為に選手を全員替えたスペインが攻めたが、これは当然で参考にならない。現在のスペイン代表は非常に層が厚く、この点ではアルゼンチンに迫るとは思えた。GKのカシージャスとカニサレス、右サイドのプジョールとサルガド、FWのモリエンテスとディエゴ・トリスタンと、先発をどうするか監督は悩むであろう。だが逆に、先発が決め切れないのがスペインの弱点と言えるかもしれない。イタリアやイングランドなどはポジションの半分以上は(コンディションの問題を除けば)、スタメンは決まりであろう。不確定要素があまりにも多いスペイン。バレロンは、グアルディオラは、メンディエタは、エルゲラは、ワールド・カップでスタメンなのか??
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
レアル・マドリード 7-0 ラス・パルマス
2002.2.10
ゴール / モリエンテス×5、ジダン、OG
2連敗の後の7得点、レアルは強いのか弱いのか?モリエンテスの信じ難い5得点の2点目、フィーゴのとてつもなく正確なクロスよりの、モリエンテスのヘッドの打点は余りにも高い。フィーゴのアシストが3。イエーロとサルガドが欠場、またもカンテラ出身のDF(右サイド・バック)が初出場、それでもレアルは強かった。
イタリア セリエA 2001-02 22節
ローマ 0-0 ユベントス
2002.2.10
0対0は、予定調和なのか?セリエAでの順位が1位と2位のチームは、失点数も1位と2位の優秀さ。特にユーベの最近6試合での失点数は、たったの2。厳しい守り合いの最中、1st ハーフにユリアーノが退場になり、ユーベは10人に。中盤の潰し合いで優勢に立っていたローマだが、ナゼか、数的優位の状況になった後の攻めが単調になる。ローマとユーベが守りに強いのは分かった(分かってる?)。このゲームで、イタリア勢のチャンピョンズ・リーグでの今後を予想したかったが、セリエAで絶好調の2チームがレアルやマンUなどの強豪をどのように攻めるかは、見極めにくいモノがあった。
イタリア セリエA 2001-02
ユベントス 3-0 レッチェ
2002.2.3
ゴール / コンテ、トレゼゲ、デル・ピエーロ(PK)
GKにブッフォン、DFにモンテーロとテュラムが入る。蘇ったMFコンテも絶好調。トレゼゲの決定力も抜群。高い安定度のユーベ。首位決戦のローマ戦を控え、6連勝。近年、ヨーロッパのカップ戦で不調のイタリア勢。セリエAで好調のローマとユーベが、チャンピョンズ・リーグでも結果を出せるのか?
ドイツ ブンデスリーガ 2001-02
レバークーゼン 0-1 シャルケ04
2002.2.6
混戦のブンデスリーガ、首位攻防はブンデスリーガらしい。期待したバラックは、今日はイマイチ。シャルケ04所属の、ムメンザやビルモッツなどの、ワールド・カップで日本と対戦するベルギーの代表。現時点でワールド・カップの予想をするのは早すぎる。だが彼らは、厳しいリーグで日々鍛えられている事実を忘れてはならない。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
リーズ・ユナイテッド 0-4 リバプール
2002.2.3
ゴール / OG 、ヘスキー×2、オーウェン
リーズの不調は深刻。去年の今頃の勢い、ゲームのスピード、若々しさが消えた。終盤の反抗も、リバプールの鉄壁のDF陣に弾かれる。気力だけは残っているので、今後に期待したい。
リバプールのジェラード、相変わらず超絶、毎日何を食べてるのだろう?GKのデュデックは固い。アネルカとザビエルを獲得し、年末年始の不調からも脱し、リバプールもタイトル獲得に本腰を入れて来たか?
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
マンチェスター・ユナイテッド 4-1 サンダランド
2002.2.3
ゴール / P・ネビル(マ)、フィリップス(サ)、ベッカム(マ)、ファン・ニステルローイ(マ)、ファン・ニステルローイ(マ,PK)
クインが先発せず、なかなかマンUのゴールに攻め込めないサンダランド。フィリップスのゴールはサスガだったが・・・。1st ハーフで4点奪われては、反撃への気力もままならない。
ファン・ニステルローイの動きは益々冴え渡る。完全に、マンUの攻撃陣のパーツの一部と化した。得点王も見えて来た。ベッカムも本調子。
イタリア セリエA 2001-02
キエーボ 3-1 ラツィオ
2002.1.30
ゴール / C・ロペス(ラ)、マラッツィーナ(キ)、コリーニ(キ)、コリーニ(キ,PK)
蘇ったスピードスター、クラウディオ・ロペスが快足を見せる。序盤、ラツィオが押込んだが、徐々にキエーボが押し返す。コンビネーション・プレーが冴え、逆転したキエーボ、やはり本物だ。ネスタとクレスポを欠くラツィオ、今シーズンの巻き返しはムリか?
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
チェルシー 2-0 リーズ・ユナイテッド
2002.1.30
ゴール / グジョンセン、ダッラ・ボーナ
冷たい雨の降りしきるロンドン、グラウンドの状態が悪い中、両チームのプレーヤーが足を削リ合う。プレミア最強の2トップの一角のグジョンセンが、左サイドからのプティのクロスを豪快に振り抜いてゴール。相変わらず多国籍軍のチェルシーだが、ラニエリ監督の元で良くまとまっているか?リーズは、明かに状態が悪い。怪我人も多い。最後まで優勝争いに絡んで欲しいが。
イタリア セリエA 2001-02
キエーボ 1-3 ユベントス
2002.1.27
ゴール / フェラーラ(ユ)、OG(ユ)、マラッツィーナ(キ)、デル・ピエーロ(ユ,PK)
システムが安定し、連勝の続くユーベ。前期のリッピ体制の強さか、それ以上かもしれない。攻守のバランスが素晴らしく、攻撃の局面では分厚く、守備ではリーグ随一のDF陣を中心に守り抜く。このゲームでも好調さを見せつけたが、相手はキエーボ、組織プレーなら負けない。だがユーベに押込まれ、不運なハンドなどもあり、ホームで敗戦。キエーボの意地は垣間見た。
イタリア セリエA 2001-02
ローマ 2-0 ピアチェンツァ
2002.1.27
ゴール / アスンソン、バティストゥータ
相変わらず強いローマ。強いプレッシャーからボールを奪い、とにかく前へ送り、後はトッティやバティに任せる。中盤が特に厳しく、エメルソンなどが効いている。"現実的"という表現を、つい使いたくなる。確実さが強さなのか?確実さを体現する、質の高い選手達。セリエAの連覇が、完全に視界に入った。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 リバプール
2002.1.22
ゴール / マーフィー
まるで何かの大会の決勝戦のような、異様な緊迫感。両チームの潰し合いが厳しい。キーン、スコールズ、ベッカム、ベロン、ギグスとMFのタレントを全員使ったマンU、9連勝とファン・ニステルローイの9試合連続ゴールがかかる。対するリバプールも、ジェラードとリーセの凄過ぎる運動量とスピードで対抗。だが、オーウェンは不調。リバプールのDFのヒーピアとアンショズ、ファン・ニステルローイを抑え切る。リバプールがマンUから勝ち点3を奪った事で、プレミア・リーグの後半も目が離せなくなった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
レアル・マドリード 1-0 バレンシア
2002.1.13
ゴール / モリエンテス
ラ・コルーニャに続き、最大の難敵を迎える。リーガで最も固い守備を誇るバレンシアに対し、レアルの守備陣も好調。カニサレスとカシージャス、両チームのスペイン代表キーパーのセーブが見事。一瞬のスキを突いてのモリエンテスの得点で、レアルが勝利。レアルの独走の開始か?
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
サウサンプトン 1-3 マンチェスター・ユナイテッド
2002.1.13
ゴール / ビーティ(サ)、ファン・ニステルローイ(マ)、ベッカム(マ)、スールシャール(マ)
又もファン・ニステルローイ、大逆転勝ち。ベッカムの久々のフリーキックからのゴールも、切れ味があった。キーン、ベッカム、スコールズ、ベロンの中盤の構成にも、解答が出つつある。連勝街道驀進中のマンU、一度はファーガソン監督も諦めたプレミア優勝が見えて来た。当然というのか、本当に強い。プレミア、FAカップ、チャンピョンズ・リーグが重なる、これからのスケジュールは乗り切れるか?三冠達成の時のように・・・?やはり、DF陣が不安。
イングランド FAカップ 2001-02 3回戦
マンチェスター・ユナイテッド 3-2 アストン・ビラ
2nd ハーフで2点先取した、マンUの元守護神のシュマイケルを擁する、アストン・ビラ。スールシャールが1点返した後、温存していた途中出場のファン・ニステルローイが、当然のように2点追加して逆転。ファン・ニステルローイは絶好調。
イタリア セリエA 2001-02 17節
アタランタ 1-2 キエーボ
2002.1.6
セリエAも折り返しの17節、キビキビしたキエーボのチーム・プレイはまだまだ続く。売り物のオフサイド・トラップも、めげずに決めに行く。ボールを奪いに行く貪欲さも、90分持続していた。チーム・プレイならヒケを取らないアタランタも、根負け?
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
レアル・マドリード 3-1 デポルディボ・ラ・コルーニャ
2002.1.5
ゴール / モリエンテス(レ)、マカーイ(デ,PK)、ジダン(レ)、ラウール(レ)
現在の世界最強チームと思われるレアルと、足技とパス交換なら負けないラ・コルーニャ、非常に期待を持たせる首位決戦。レアルの、モリエンテス、ジダン、ラウールのゴールは、それぞれ素晴らしい。新年の休暇明けの為か、モタツキが多少目立ったレアル。だが、それにもかかわらず、ラ・コルーニャから3点奪取。
イタリア セリエA 2001-02
キエーボ 0-3 ローマ
2001.12.22
シーズン開幕前には考えもつかなかった顔合わせによる、セリエA首位決戦。序盤は、キエーボのスピーディーな攻撃が、ローマを翻弄しているかに見えた。しかし、ローマは強かった。退場者を出したり、攻め込まれたりしたが、鋭いキエーボの攻撃をかわし、3点差をつけて勝つ。
UEFA CUP 2001-02 3回戦 第2戦
リーズ・ユナイテッド [イングランド] 2-2(トータル4-3) グラスホッパー・チューリッヒ [スイス]
ゴール / キューエル(リ)、キーン(リ)、ヌニョス(グ)
最近のイングランドのクラブチームの戦術も大きく変わって来た。マンUはインターナショナルな強さを見せつけているし、現在のリバプールはイタリアのチームかの如く見える。リーズも、パス・ワークを中心にスピーディに攻めるが、若さにまかせた直線的な攻撃を見ると、プレミアで優勝争いをしているチームの中ではイングランド・サッカーの良さを残しているのがリーズであるように思える。
ウルグアイ代表にアウエーで敗れたオーストラリア代表チームから戻って間もない、リーズのキューエル。自陣のゴール前でボールを受けると一気に攻めあがり、ファイン・ゴールを決めた。失意や疲れは全く見せず、切れまくった。スイス代表もシャプイザを擁するグラスホッパーは強く、侮れない相手であった。
イタリア セリエA 2001-02
インテル 3-0 ベローナ
2001.12.19
ゴール / ロナウド×2、ビエリ
イタリア代表のビエリとブラジル代表のロナウド、サポーターと代表チームのスタッフにとって、二人のファイン・ゴールは朗報だ。もし好調が来年のワールド・カップまで持続するのであれば、イタリアとブラジルの評価は更に高くなるであろう。アルゼンチンやイングランドが色褪せて見える可能性だってある。
2001年のバドン・ドール(欧州最優秀選手)はオーウェン
同じイングランド代表のベッカムより優秀であったと言い切れるモノでもない。しかし、余りにも鮮やか過ぎたゴールの数々を見れば、オーウェンに対するイメージは上がらざるを得ない。ワールド・カップ予選、アウエーのドイツ戦でハット・トリック、歴史的な勝利。UEFA CUP での、記憶に残る激闘(主役は相手チームのアラベスだったが)。イングランド・プレミア・リーグでも絶好調。
(記2001.12.19)
2001年の世界最優秀選手はフィーゴ
世界各国の代表監督の投票によって決定される FIFA 世界最優秀選手は、フィーゴであった。ワールド・カップ予選、ポルトガル代表での活躍は強烈だった。同じグループの、オランダとアイルランドを抑えての1位通過の原動力。そこが評価されたか?
(記2001.12.19)
2001年のバドン・ドール(欧州最優秀選手)は??
カーン(バイエルン、ドイツ代表)
チャンピョンズ・リーグでビッグ・イヤーを手にした直後は、バロン・ドールはカーンで決まりと言われていた。しかしその後、ドイツ代表でイングランドに歴史的大敗、最近のバイエルンの不調と、弱冠イメージを落している。ゴール・キーパーというポジションは、受賞対象者としては目立たない。
ジダン(レアル・マドリード、フランス代表)
今年は、バロン・ドールは取れないと思う。だが、レアルに移籍直後の不振がウソのように絶好調を極める。更にパワー・アップしたようにさえ見える。受賞出来なくとも、技術的には世界ナンバー・ワンだろう。
ラウール(レアル・マドリード、スペイン代表)
今年は、ゴール数、印象的ゴール、代表でのインパクト等の点では、弱冠は影が薄いか?労働の質と量、レアルと代表でのチームへの貢献度から言えば、ラウールが取ってもよい、いや取るべきか?
フィーゴ(レアル・マドリード、ポルトガル代表)
ラウールと共に2001年も実力を発揮、代表でも活躍。それにしても、超タレント軍団のレアル・マドリード、凄いチームだ。
ベッカム(マンチェスター・ユナイテッド、イングランド代表)
代表のキャプテンに就いた事には、最初は疑問を感じたが、キャプテンの大役に選手としての存在感が追いついて来たと言える。マンUのキーン譲りの、ピンチの時の体の張り方と芽の摘み方が、無言のうちにもチームを引っ張る。右サイドでの仕事人ぶり、クロス・ボールの正確さも健在。ワールド・カップ予選最終節の、劇的フリー・キックが印象的。だが、周辺の選手やスタッフに恵まれ過ぎている気もするし。
オーウェン(リバプール、イングランド代表)
リバプール3冠達成の原動力、1-5 でドイツに大勝した代表のゲーム他、笑っちゃうくらい鮮やかなゴールを連発。最も危険なストライカーという称号は、決して大袈裟ではない。バドン・ドールに最も近いように見える。
トッティ(ローマ、イタリア代表)
技術的にはバロン・ドールに値するのであろう。ローマの久々のスクデット獲得、イタリアのワールド・カップ予選1位通過の原動力。来年も好調を維持し、文句ナシの内容で取ってほしいものだ。明かに、来年のワールド・カップでの活躍がカギだ。
シェフチェンコ(ACミラン、ウクライナ代表)
ウクライナはワールド・カップに出場できず。ミランは、セリエAで UEFA CUP 出場権止まり。得点王も取れず。だが、ゴール・ゲッターとしての実力は、バロン・ドールに値する。個人的には、ワールド・カップ予選プレー・オフ、対ドイツ第2戦の、終了間際のゴールが、今年最も印象的なゴール・シーンである。
カニサレス(バレンシア、イタリア代表)
チャンピョンズ・リーグのファイナル、バイエルンとの激闘。120分間では、PKでの1失点のみ、実質0点に押さえ、バイエルンのカーンに劣らなかった。しかし敗者となった。何か賞を与えられないものか?と思わせる印象的な活躍であった。
アンリ(アーセナル、フランス代表)
研ぎ澄まされたゴール感覚が、更にステップ・アップ。やはり、来年のワールド・カップでの活躍が見物。
ファン・ニステルローイ(マンチェスター・ユナイテッド、オランダ代表)
彼もゴール・ゲッターとしては"本物"だった。だが、マンUに来た時期はちょっと悪かった。オランダ代表も絶不調。
(記2001.12.15)
イタリア セリエA 2001-02
ブレシア 1-3 インテル
2001.12.9
ゴール / ロナウド(イ)、ターレ(ブ)、ビエリ(イ)
インテルのFW、ロナウドとビエリの2トップは、完調であれば世界最強である。ロナウドの体は、全盛期と比較して重く鈍く遅い。しかし、ロナウドはロナウドであった。ビエリのワンツーを見事に決め、ブレシアDFを振り切った。ビエリの決定力も申し分ない。
クーペル監督の着任以来、チーム全体が安定している。固い守備の上に最強の2トップが乗り、シーズン終了まで好調が続けば、スクデットは間違いない。調子を戻したローマも追いつけないだろう。ユーベに爆発力がなく、ミランはまだまだ不安定、キエーボもシーズン後半は厳しいだろう。ロナウドが復活するのであれば、俄然インテルに目が行ってしまう。
バッジオとグラウディオラを欠いたブレシア、決して悪くはなかったが・・・。
UEFA CUP 2001-02 3回戦 第1戦
ACミラン [イタリア] 2-0 スポルティング・リスボン [ポルトガル]
ゴール / シュエフチェンコ、インザーギ
セルジーニョが絶好調、2トップの見事な得点をサポート。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 2節
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 3-0 ボアビスタ [ポルトガル]
2001.12.5
ゴール / ファン・ニステルローイ×2、ブラン
マンU、ベッカムを休ませてベロンが右サイドに。攻撃の組み立てはイマイチだが、ファン・ニステルローイの非凡な決定力に救われたマンU。あとは守備、ブラウンに加えてブランが怪我?今日は無失点だが、これから大丈夫か?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 2節
バルセロナ [スペイン] 2-2 ガラタサライ [トルコ]
2001.12.5
2点先取したガラタサライに対し、サビオラの2ゴールでバルサが追い付く。ガラタサライ、2人の退場者まで出して貴重な勝利を逃がした。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 2節
アーセナル [イングランド] 3-1 ユベントス [イタリア]
2001.12.4
ゴール / リュングベリ(ア)×2、アンリ(ア)、トレセゲ(ユ)
前節はラ・コルーニャに完敗のアーセナル、レバークーゼンに圧勝のユーベ、流れはユーベかと思ったが、ホームのアーセナルは強かった。アンリ、ピレス、ビエラのフランス勢に加え、リュングベリも絶好調。油断のならないユーベが相手、稲本は今日も出番ナシ。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
レアル・マドリード 2-1 オサスナ
1st ハーフ、ロベルト・カルロスの超正確なクロスからの、モリエンテスの先制のヘディング・シュートからの得点が凄い。2点目もモリエンテスのヘディングをラウールが合わせた。何と言ってもリニューアルに成功したジダンが絶好調。レアルの超絶的強さが目立った。しかし何ともどういう事か、2nd ハーフのオサスナの逆襲には驚いた。ヘタをすれば、レアルは逆転されていた。レアルDF陣のらしくない慌てぶり、強いのか弱いのか、レアルは???
2002 ワールドカップ 南米/オセアニア予選 プレー・オフ 第2戦
ウルグアイ [南米] 3-0 (トータル3-1) オーストラリア [オセアニア]
2001.11.25
ゴール / ダリオ・シルバ、モラレス×2
オーストラリア、ホームとアウエー共に、一貫して攻め続けていたし、ウマさの目立つウルグアイに対して互角に戦い、チャンスも多く作った。しかし、厳しい南米予選を戦い抜いたウルグアイを押さえるまでには至らなかったという事か?だが、両チームの最大の違いは、ウルグアイの控えのFWにはモラレスがいたという事実。
第一戦と二戦を通じて、レコバの働きは素晴らしかった。精神的にも充実し、熱くなり過ぎる事もなく、守備もこなしていた。オーストラリアも、キューエルとエマートンの左右の攻撃は鋭かった。しかし、ウルグアイのDF陣は相変わらず固く、数度のピンチにもめげず押さえ切った。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 1節
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 2-0 アーセナル [イングランド]
2001.11.21
ゴール / マカーイ、ディエゴ・トリスタン
相変わらず見て面白いサッカーを展開するラ・コルーニャ。中盤からの組み立て、サイド・アタック、ミドルシュートの雨と、アーセナルを翻弄。2点目を奪ったトリスタンを、バランスを修正する為、アマビスカと交替する徹底ぶりを見せた、イルレタ監督。しかし、アーセナルも良くなかった。決して完璧とは言えないラ・コルーニャ・ディフェンス陣に対し、ダメージを与える攻撃を加えられないアーセナルが現在は不調、焦りの色がありあり。ベンチ入りした稲本をテスト出来る余裕は無かった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 2次リーグ 1節
リバプール [イングランド] 1-3 バルセロナ [スペイン]
2001.11.20
ゴール / オーウェン(リ)、クライファート(バ)、ロッケンバック(バ)、オーフェルマルス(バ)
リバプール、強いのか弱いのか?キーパーとの1対1を非常な確率でモノにするようになったオーウェンのゴールで、バルサを粉砕かと思われた。しかし、その後はことごとくチャンスを逃し、バルサに逆転を許す。このゲームでのリバプールは、シーズン開始直後の好調時から、少しペース・ダウンしている。大ベテランのマカリスターのボールの捌きも切れを欠いた。
バルサ、選手獲得は行き当たりバッタリだとか、今シーズンの戦術は一貫性がないとか、批判を浴び続けている。しかし、クライファートとリバウドがレギュラーであるチームは、どう考えても相手チームにとって驚異のハズ。このゲームのように、アウエーでもクールに対処すれば、結果は出るのかもしれない。
2002 ワールドカップ 南米/オセアニア予選 プレー・オフ 第1戦
オーストラリア [オセアニア] 1-0 ウルグアイ [南米]
2001.11.19
ゴール / マスカット(PK)
2002年ワールド・カップ出場32番目のイスを奪い取るのはどっちだ?
ウルグアイ、強いというか、ウマい。DFにモンテーロ、MFにギグー、前線にレコバとマガジャネスを揃える布陣、やはりタレントではオーストラリアを上回る。オーストラリアの前線にはビドゥカとキューエルを召集したので、攻撃のメリハリはついた。日本でも見せた粘りのある攻撃が見られた。しかし、ウルグアイの壁はそう簡単には破れない。
2nd ハーフ、両者とも相手ゴールに迫る回数が増える。レコバの突破は驚異だったが、中盤の押し上げが薄い為もあってゴールは奪えない。得点したのはオーストラリアであった。ウルグアイ、カウンター気味の攻撃を止められず、PKを与える。8万のサポーターが狂気乱舞。こりゃー、25日の第2戦が楽しみだ。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
マンチェスター・ユナイテッド 2-0 レスター・シティ
2001.11.17
ゴール / ファン・ニステルローイ、ヨーク
プレミア・リーグ、それもマンUのゲームはやはり面白い。ベッカムとキーンが揃う中盤はやはり強烈。ファン・ニステルローイなどが加入した直後は、チームの噛み合わせがイマイチだったが、それも時間の経過につれて解消しつつある。ベッカムの正確なクロスに合わせたファン・ニステルローイのヘッディングでのゴールは素晴らしい。
出番の少ないヨークのゴールも、久々に拝めた。
楽しみにしていたローマ対インテルは0対0であった。セリエAとプレミア・リーグ、どちらがハイ・レベルか、どちらのクラブ・チームが強いか、何とも言えない。選手の質ではセリエAのレベルは依然として高い。しかし、マンUと真っ向勝負で戦って勝ち切れるセリエAのチームはと問われると、困ってしまうのは事実だ。
セリエAのクラブ・チームは、他のプレミアやリーガ・エスパニョーラと比較して、オフェンス面でのシステムで遅れを取っているのではないだろうか?守りが固くても得点出来なければ勝てない。チャンピョンズ・リーグや UEFA CUP の結果を見れば明かだ。
2002 ワールドカップ 南米予選 最終節
ブラジル 3-0 ベネズエラ
2001.11.14
ゴール / ルイゾン×2、リバウド
元柏レイソルのFWエジウソンが切れまくった。ベネズエラが全くパッとしなかった為、ブラジルのDF陣が慌てるような局面はあまりなかった。結局、3位通過で追えたブラジル。
取り敢えず良かった。ブラジルの出場がないワールド・カップは、ワールド・カップとは呼べない。
2002 ワールドカップ 欧州予選 プレー・オフ 第2戦
ドイツ 4-1 (トータル5-2) ウクライナ
2001.11.14
ゴール / バラック(ド)×2、ノイビル(ド)、レーマー(ド)、シェフチェンコ(ウ)
プレーオフの2試合を通じて、バラックはエース級の働きをした。我々がイメージするところのドイツらしさを見せたか。自陣ゴール前でドイツの強さに歯が立たないウクライナのDF陣、セット・プレーからの空中戦での1対1では全く勝てない。ドイツはやはり勝負強く、歴史的な面での経験の豊富さが明確に出た。
チェフチェンコ、最後の最後で意地の一発を叩き込む。だが遅過ぎた。1997年からチャンピョンズ・リーグで鮮やかな活躍を見せ続けたディナモ・キエフは、ウクライナ代表を多数輩出している。しかし代表は、98年ワールド・カップ、00年ユーロ、02年ワールド・カップと、連続して予選落ちしている。
今回の予選では、チェフチェンコのタレントと他の選手のそれに、はっきりとレベルの差がある事が分かった。ディナモ・キエフから、更に多くの選手をビッグ・クラブに送るようにならないと、ウクライナ代表の底上げもないのかもしれない。
2002 ワールドカップ 欧州/アジア予選 プレー・オフ 第1戦
アイルランド [ヨーロッパ] 2-0 イラン [アジア]
2001.11.10
ゴール / ハート(PK)、ロビー・キーン
4年前に日本を苦しめたあのイラン、サスガに欧州の壁は厚く、ゴールまで攻め込む場面が少ない。逆に、ダエイなど欧州に慣れている選手もいる為、圧倒的に押されたというワケでもない。いずれにしろ、最低3得点が必要なイランはホームでもキツい。
2002 ワールドカップ 欧州予選 プレー・オフ 第1戦
ウクライナ 1-1 ドイツ
2001.11.10
ゴール / ズボフ(ウ)、バラック(ド)
スピーディーだが選手の小柄さが目立つのに対し、ドイツのフィジカルの強さが際立った。シェフチェンコの不調が痛いウクライナに対し、ドイツも相変わらず決定力を欠く。プレー・オフともなれば、やはり潰しあいは強烈。1対1で迎える第二戦は、明かにドイツ有利。
2002 ワールドカップ 南米予選
ボリビア 3-1 ブラジル
2001.11.8
ブラジルの負けゲームにも慣れた。しかし、同点ゴールを生んだDFのミスは信じ難い。アウエー・ゲームで、しかも空気の薄い高地でのゲームではある。それにしてもブラジルは弱い。勝てないのだからしょうがない。負け方がなさけない。最終節を残してまだワールド・カップ出場が決まっていないし、もし出ても予選リーグ敗退もあり得るだろう。
テスト・マッチ
日本 1-1 イタリア
2001.11.7
ゴール / 柳沢(日)、ドニ(イ)
DFネスタはやはり凄い。普通の選手では抜いて行く事は出来ない。
柳沢のシュートは、イタリアでも通用するであろう。
トッティの存在は、諸刃の剣になり得る。4日のアタランア戦のような活躍をすればチームが非常に活性化するが、トッティのノリが悪ければ中盤がスカスカになる。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
レアル・マドリード 2-0 バルセロナ
2001.11.4
ゴール / モリエンテス、フィーゴ
超満員のサンチャゴ・ベルナベウが圧巻。出足は好調のバルサと、攻撃の形がやっと成立しつつあるレアル、今後のリーグの流れを変えうる非常に重要な一戦となった"スペイン・ダービー"。両チームのディフェンス・ラインが浅く、スペースが無く、余りにも厳しい潰しあいが続く。両チームともに、決定的な形が出来ずゴールまで攻めきれない。しかし非常に見応えがあった。ワールド・クラスのプレーヤーの、集中力を切らさない、守備局面でのカットの技術は非常に高い。
レアルのDF陣、カランカ、カンポ、ロベルト・カルロスが欠場という非常事態だが、パボンなどのカンテラから上がって来た選手が安定し、リバウドとクライファートなどの攻撃を押さえていた。ジダンも中盤として機能し、フィーゴも好調。何と言っても、モリエンテスが出場すればチームとしての決定力は増す。エルゲラの復帰も大きい。レアルは勝って良かった。序盤のチームの不調によるネガティブなイメージを、払拭しつつあるか?昨シーズンの今頃のような爆発的なチーム力を回復するか?
バルサ、負けはしたが、このゲームの敗戦自体によるチームへの影響は少ないと思われる。敗戦は折り込み済であろう。中盤の粘りは、レアルと互角であった。オーフェルマルスが先発であったが、個人的にはサビオラを最初から見たかった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ 6節
フェイエノールト [オランダ] 2-1 スパルタク・モスクワ [ロシア]
2001.10.31
最下位争いとなってしまったが、フェイエノールトは3位に留まり、UEFA カップでの小野伸二の活躍が期待できることとなった。怪我明けのトマソンは相変わらず鋭い攻撃センスを見せた。故障中のファン・ホーイドンクのサブで出場のFWエルマンダーは、かなり良い。スパルタク・モスクワ、強烈だった頃のイメージからは、少し落ちている。FWベスシャトニフの切れは、母国で蘇った。ロブソンとのコンビネーションも、もっと見たかった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ 6節
ナント [フランス] 1-0 ラツィオ [イタリア]
2001.10.30
GKペルッツィやDFネスタとスタムが相手の攻撃を完全に封じ、MFメンディエタやフィオーレが中盤を制し、FWクレスポとクラウディオ・ロペスが得点しまくり、とナゼならないのだろう?ラツィオ、フランス・リーグ最下位のナントを攻めきれず、チャンピョンズ・リーグ敗退。選手のコンディションさえ整えば、ラツィオは波に乗ると思うが、いつになるだろう・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ 6節
リバプール [イングランド] 2-0 ボルシア・ドルトムント [ドイツ]
2001.10.30
ゴール / スミチェル、ライト
リバプールの1次リーグ突破、オーウェンも戻ったし、現在の実力から言えば当然。実力者を揃えたドルトムントだが3位、勢いに乗り切れなかった。チャンピョンズ・リーグはやはり難しい。期待しているドルトムントのロシツキ、足技は素晴らしいが、真の実力を発揮するのはもう少し先か?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
ユベントス [イタリア] 3-1 FCポルト [ポルトガル]
2001.10.23
代表のハンガリー戦とほぼ同じパターンの、デル・ピエーロの素晴らしいフリー・キックで同点。手の親指の骨折は、プレース・キックとは関係がないか。厳しくなる2次リーグで、ユーベはどの様に戦うか?
ドイツ ブンデス・リーガ 2001-02
バイエルン・ミュンヘン 4-1 カイザースラウテルン
2001.10.20
バイエルンは現在、非常に強い。カイザースを寄せ付けず。ブンデス・リーガ、チャンピョンズ・リーグの連覇も夢ではない?サンタクルスも良いが、サリハミジッチが絶好調。
イタリア セリエA 2001-02
インテル 2-4 ACミラン
2001.10.21
ゴール / ベントラ(イ)、シェフチェンコ(ミ)×2、コントラ(ミ)、Fインザーギ(ミ)、カロン(イ)
思い出す前回のミラン・ダービー、チェフチェンコも大活躍の 6-0。先制して逃げ切り、雪辱を果たすかと思われた、クーペル監督率いるインテル。しかしまたしても、恐るべきスピードと決定力のチェフチェンコにやられた。いなければ同点だった?ルイ・コスタも戻って手が付けられなくなるか、ミラン。
(記2001.10.22)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 2-3 デポルディボ・ラ・コルーニャ [スペイン]
2001.10.18
ゴール / ファン・ニステルローイ(マ)×2、ディエゴ・トリスタン(デ)×2、セルヒオ(デ)
やはり非凡なゴール・ゲッター、ファン・ニステルローイの2ゴールは見事。だがしかし、このゲームでは名手、マンUのGKバルテスの痛恨のミスが響いた。それが無くても、最近のラ・コルーニャのサッカーは素晴らしく、アウエー中のアウエーのオールド・トラッフォードでも陰りは見せない。個人技が光る選手が多いうえに、舞いあがってしまう事も無く、しかもゲームを諦めない。
(記2001.10.21)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
バルセロナ [スペイン] 2-1 レバークーゼン [ドイツ]
2001.10.18
ゴール / クライファート(バ)、ラメロウ(レ)、ルイス・エンリケ(バ)
サビオラのパスからのクライファートのゴールが素晴らしい。バルサ、強力なレバークーゼンの攻撃を1点に留めることが出来たのも大きい。やはり、昨シーズンよりはかなり安定している守備陣。
2002 ワールドカップ 欧州予選 最終節
アイルランド 4-0 キプロス
2001.10.6
ゴール / ハート、クイン、コノリー、ロイ・キーン
キプロスは考えているよりは、弱くない。ギリシャ・リーグなどに選手を輩出している。頑張れば、ホームでスペインを倒す事もある。弱小と思われている国とサッカー大国の実力差は、徐々に小さくなっている。いつか、キプロスがワールド・カップやユーロに出場するかもしれない。
ハートのフリー・キックは素晴らしく、非常に角度のある落ちるボールを決めた。アイルランド、チームとして一丸となり、オランダを破ってプレー・オフへ進出した。アジア3位のチームとどの様に戦うのか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
フェイエノールト [オランダ] 0-2 スパルタ・プラハ [チェコ]
2001.10.17
スパルタ・プラハが相手なら何とかやってくれるだろうと思ったが、甘かった。レッド・カードを2枚も出されてしまったフェイエノールト。チャンピョンズ・リーグ出場チームに、弱いチームはない事がまたまた証明された形。トップ下の小野伸二はまずまずだが、"ちょっと良い"程度が続けば、中田英寿のように非難を浴びる事もあり得る。
オランダ エール・ディビジ 2001-02
フェイエノールト 1-0 フローニンゲン
2001.10.14
ゴール / 小野
あまりにも素晴らしい、小野伸二のヘディングでのゴール。オランダ・リーグは、イタリアなどと比較して、ディフェンダーのプレッシャーも厳しくなく、過去のゲームでも小野がペナルティ・エリアに進入するケースが多く、ゴールは時間の問題と思われていた。だが、やはり素晴らしい。トマソンの故障で、シャドウ・ストライカーとしての役割を担うだろうが、そうなると責任も重くなる。コンスタントにゴールを決める必要があるが、やってくれるだろうか?
イタリア セリエA 2001-02
ユベントス 3-3 トリノ
2001.10.14
デル・ピエーロの2ゴールなどで、前半で 3-0 のユーベの楽勝かと思われたが、トリノの意地にやられた。ダービーとはいえ、固さが売りのユーベにしては・・・。
イタリア セリエA 2001-02
パルマ 2-2 ピアチェンツァ
2001.10.14
ゴール / ディ・バイオ(パ)、ヒュブナー(ピ)、ジェトゥ(パ)
中田英寿のパルマ、また分ける。仕事人、FWヒュブナーにやられた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
フェイエノールト [オランダ] 2-2 バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
2001.10.10
ゴール / エウベル(バ)×2、ファン・ホーイドンク(フ)、トマソン(フ)
ホームで強豪バイエルンを迎え互角に戦ったフェイエノールト、GKカーンから2点奪ったが、好調エウベルにやられて同点。この時期、優勝候補の常連バイエルンともなると、力を温存して戦うが、それでも同点に追い付くのがサスガ。本当の意味で、手堅過ぎると言えるくらい、ビッグ・クラブとしては地味に見えるくらい手堅い。だが、バランスが良い。昨シーズンは、これで優勝した。連覇はあるのか?
小野伸二、終盤に15分間出場。チャンピョンズ・リーグ出場、2人目。怪我明けでしかも相手がバイエルンでは、そうウマくはいかない。だが、廻りから使われているし、可能性は感じる。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
デポルティボ・ラ・コルーニャ 2-1 バルセロナ
2001.10.7
ゴール / クライファート(バ)、フラン(デ)×2
DFのクリスタンバルとアンデションが意外に固く、チームのバランスがとれて好調のバルサ。しかし、このゲームでは代表のゲームに選手を取られて怪我人も多く、カンテラから若手を引き上げて乗り切ろうとする。しかし、デポルティボはホーム・ゲームであり、勝ちも当然。フランの左足からの、あまりにも鮮やかな2ゴールが素晴らしい。
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MAYUKO の世界サッカー紀行
2002 年ワールド・カップの各地区の予選も終盤に入りました。2001年10月6日を中心にヨーロッパ地区はグループ・リーグの最終節。下に掲載させて頂きましたのは、7日に行なわれた日本対ナイジェリアの激闘などを観戦した、MAYUKO さんのレポートです。うらやましー!
◆ 2001年10月8日、雨続きのサッカー発祥の地より・・・
◆ サッカーを愛する皆様・・・
◆ ごぶさたしてます。いかがお過ごしですか?今日は雨のロンドンにいます。昨日の日本対ナイジェリア戦を見てきました。そして・・・・
◆ くたびれまくった昨日の試合に比べたら、おとといの試合の方が楽しかったです。そう、アイルランド対キプロスのワールドカップ予選最終戦。試合はダブリン近郊のランズダウンロードという、普段はラグビー場で行われました。もう駅のすぐ側なので、試合前後は電車が止まっちゃうのでした。
◆ 試合前、周辺のパブは、サポーターであふれんばかり。しかもテレビでは、イングランドがギリシャと試合中。歴史的なことから、イングランド嫌いのアイルランド人、「ここはギリシャサポーターの集まりだよ」と笑いながら、ギリシャの先制、2点目、もうそりゃ大騒ぎ!で、ビールをあびながら見ています。ベッカムの劇的な同点ゴールのあと、すっかり落ち着きを取り戻し、いざ自分たちの試合へと向かうサポーター。イングランドが決まって喜ぶべきはずなのに、私もなぜかがっかりしてたりして。
◆「いつもならパブでもダフ屋がいるのにね、今日はいないね」
なんて言われて、ちょっと不安になったけれど、
「試合前になると、子供がゲート付近にいるから」
という言葉を聞いて、「えっ、子供?」と思ったら、いるんですよ、子供が「チケット探してる?」っていいながら走ってる。最初は、その子が探してるのかと思ったら、ちゃんとチケット持ってて。30ポンドのチケットを40ポンドで買いました。みんなに、「40ポンド以上は出しちゃダメだよ」と言われていたので。
◆ で、スタジアムに入ってみると、なんと1列目(メインスタンド)でした。厳密にいうと、ピッチから1メートルぐらいのところ、(選手の横)に特別席が2列出来ていたので、1番前ではなかったけど、間に溝もなにもないから、まあ5メートルも離れてないところだったのでビックリ。1点目は見逃しちゃったけど2点目、Quinn のバースデー・ゴールは本当に目の前。いやあ、大迫力。ロイ・キーンも相変わらず美しく、Excellent! Marvelous!など周りのおじちゃんたちは、連発。やっぱりテレビのベッカムより、生ロイ・キーンとひとりで盛り上がる。教訓、「やっぱり生よ、生」
◆ 「アイルランドにフーリガンはいないんだよぉ。ただ飲んで、ただ歌うだけ」というとおり、ホントに平和的な雰囲気のスタジアム。ロケット花火4発あがっただけでした。みんな最初から、プレーオフを意識していたので、ポルトガルの勝利の放送があっても、まあしょうがないよねといった感じでした。ロビー・キーンなど、イエローを持ってる選手は、温存だったしね。というわけで、6月の韓国に続き、すっかりアイルランドに魂をうってしまいました。プレーオフ、アジアとの対戦ですが、ぜったいにアイルランドは来て欲しいチームです、ハイ。
◆ で、昨日の試合は。。。
◆ 昨日の朝ロンドンについて、ホテルにチェックインし、急いでロンドン・ウォータールー駅へ向かいました。そこには、いるいる日本人がいっぱい! 時刻表を眺めたり右往左往して。日本で見かけたこともある取材陣もいたりして。11時半、ロンドン発。12時45分着。
◆ ロンドンは晴れだったからすっかり油断していたら、テレビでご覧のとおり、駅についたら、大雨というか風が強く、横に雨が降ってくる感じ。駅も、そうね、静岡だったら清水駅より小さいぐらいかな。東京だったらまあ、代官山ぐらいの大きさ。そこに、日本人がうじゃうじゃ。しかもバスもタクシーもない!!!
◆ なんとかショッピングセンターにたどりつき、お昼を食べて、タクシー乗り場を発見して、会場についたのが2時15分。思ったよりきれいなスタジアム。
◆ チケット売り場がめちゃめちゃ混んでいたら、警備の人が「キャッシュで払うなら、こっち」と行ってつれてってくれた、そこはゲート。えっ?と思ってると、ゲートでお兄ちゃんが10ポンドね!っていって、払うと中に入れてくれたのでした。まあ、親善試合だしね。でも、ちゃんとパンフレットもあって、買ってみてると。。。。えっと、ナイジェリアは誰が出るのかなあ?と思えば、えっ、ミウラアツヒロ? アツがナイジェリア人になってるよぉ。ちょっと笑えるミスプリを発見してしまった。
◆ 試合に近づくにつれて、黒い塊が、だんだん増えていく。。。そう、ナイジェリア人がいっぱいロンドンなどからやって来たんです。もう、それはアウェイな雰囲気。気が付いたときは、黒人に囲まれてた。怖かった。でも、話してみると、やさしかった。パスを出すたびに、「ウェー、ウェー」と叫んだり踊ったり、まあ、一緒にナイジェリア応援した方が楽しかったかも。(さすがにしなかったけど) 「来年日本にいくよ」とみんな調子のいいこといってたけど、ホントかなあ?
◆ で、試合はご覧のとおり。1点目、テルのナイスなアシストを目の前で見れて満足、満足。広山くんも見れたしね。やっぱり波戸くんじゃないでしょ。水がたまり、ガランと空いた両サイドを見て、「あーあそこにアレックスとイチが。。。。」と夢見ている私。
◆ 地元イングランド人、やっぱりあんまり日本代表を知らないっぽかったけどどっちが点を入れても喜んでいました。何より、雨がすごくて、上から5段目ぐらいに座っていても、ときおり吹き込んできて、寒かったです。はい。おまけに帰りは電車はゲロ混み、しかも遅れて2時間もかっかてロンドンについてクタクタでした。さらにおまけに、ロンドンに帰ってみると軍事攻撃が始まったことをタクシーの中でしってビックリしました。
◆ 長々と書いてしまいましたが、ごめんなさい。おつきあいありがとうございました。
管理人補足:
ベッカムの劇的な同点ゴール・・・
ロス・タイムに決まった、ベッカムのフリー・キック。これがなければ、予選グループではドイツが1位で、イングランドはウクライナとプレー・オフを行なうところであった。
Quinn・・・
アイルランド代表、サンダーランド(イングランド)所属のベテラン・フォワード。長身でポスト・プレーが素晴らしい。
ロイ・キーン・・・
アイルランド代表とマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)で、絶対的キャプテン。ホームでのオランダ戦でのキャプテンぶりも、凄かった。
アレックス・・・
日本に帰化を申請中。彼が日本代表に入れば、左のサイド・アタックは完璧。
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ワールドカップ 欧州予選 最終節
イングランド 2-2 ギリシャ
2001.10.6
固さの目立つイングランドに対し、ワールド・カップ出場は既に絶望でプレッシャーもなく攻守ともに冴えるギリシャ、試合終了間際までは2対1で勝っていた。ギリシャの監督は、あのオットー・レーハーゲル、選手を良く掌握していたか。
同点弾をねじ込んだサブのシェリンガムも素晴らしかったが、ロス・タイムでフリー・キックを決めたのはデビッド・ベッカムだ。劣勢に入ると自らのドリブル突破で渇を入れるスタイルは、ロイ・キーンにそっくりだ。ベッカムは、キャプテンとしては口数は少なそうだが、プレイでチームを先導するタイプ、現在のチームは好調、それで良いのかも。ワールド・カップ本番で、平均年齢の下がったチームを、本当に苦しい時に引っ張り切れるか?
2002 ワールドカップ 南米予選
ブラジル 2-0 チリ
2001.10.7
ゴール / エジウソン、リバウド
無難に、勝点3は取れた。リバウドのボレー・シュートはサスガであった。だが、予選最下位のチリを完全に叩いた、とは言い切れない。ブラジルは今後も強国であろうが、かつてのように、伝説的に圧倒的に強いと信じられる時代は過ぎたのかもしれない??
(記2001.10.8)
テストマッチ
日本 2-2 ナイジェリア
2001.10.7
圧倒的な身体能力と個人技で、かつて日本を粉砕したナイジェリアと何とかやっている。フィニディ、オコチャなどはまだ健在であるが、ナイジェリアのポテンシャルは以前より多少は落ちているように見える。日本は、このゲームでは守備面ではプレッシングも有効であり、方向性は間違っていないように見える。
2002 ワールドカップ 欧州予選 最終節
イタリア 1-0 ハンガリー
2001.10.6
ゴール / デル・ピエーロ
ゴールをハズし続けて、サポーターから大ブーイングを浴びてしまったデル・ピエーロ。人気選手は大変だ。しかし、1st ハーフ終了間際に、余りにも素晴らしいフリーキックを決める。伝説の弾道が完全に蘇った。2nd ハーフの早い時間にデル・ピエーロを下げたあとのイタリア代表は、攻め手を失ったように見えた・・・。ケガや体力の消耗を避けて、流したのか・・・?
イタリア代表、"アズーリ"にも言いたくなった、本当に強いのか?圧倒的な選手層で、2002年ワールド・カップでも優勝候補と呼ばれてはいる。売りは、カテナチオと称される強固な守備にあるのは勿論であり、確かにタレントは揃っている。しかし、近年のイタリアのクラブ・チームの低迷、このゲームの 2nd ハーフで見せたような楽しくないサッカーは、手堅い戦術だけでは乗り切れない、取り残されつつあるかもしれない、ヨーロッパ・サッカーの趨勢を感じさせる。技術や戦術の進歩により、固い守備陣形を崩す攻撃パターンは増えているし、各国とも幾ばくかのタレントを揃えるようになって来ている。モチベーションが高いとは言えず、大金星狙いには見えないハンガリーに対して、守備固めと消極性が表裏一体の面白みの欠けるサッカーを見せた。
選手層は厚いとは言われるが、中盤のタレントは明らかに不足している。トッティとアルベルティーニが両方とも欠けると、いかんともし難い状況に陥りそうである。2002年のライバルと目されるアルゼンチンとフランスはもとより、レギュラー・クラスで見れば、ポルトガルやチェコのMFはイタリアと良い勝負、いやそれ以上のクオリティかもしれない。EURO 2000 で見せたイタリアの守備の超絶な手堅さ、それに陰りが出れば、EURO 96 での失態の再現もあり得る。
2002 ワールドカップ 欧州予選 最終節
ドイツ 0-0 フィンランド
2001.10.6
ドイツ、ホームで得点出来ず。フィンランドの堅守とドイツの決定力不足。1点取っていれば、グループ1位だった・・・。プレー・オフの相手はウクライナ。シェフチェンコにやられてしまうのだろうか?ドイツ・・・。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02 6節
ラス・パルマス 4-2 レアル・マドリード
2001.10.4
ジダンの余りにも素晴らしいフリー・キックによる得点。レアルで良かったのはそれだけ?ロベルト・カルロスやフィーゴなどを欠いてはいるが、昨シーズンは主力を欠いても、それなりに勝っていた。しかし、4節の圧勝で波に乗るように見えたが、連敗。ディフェンスにシマリがないし、状況は悪くなる一方に見える。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
トットナム・ホットスパー 3-5 マンチェスター・ユナイテッド
2001.9.30
弱いのか強いのか?マンU。1st ハーフの 3-0 をひっくり返す。DFラインは相変わらず不安定。2nd ハーフに疲れたトットナムに救われたとも言える。
イタリア セリエA 2001-02 第5節
ペルージャ 3-1 ミラン
2001.9.30
ミランのチェフチェンコ、インザーギ、ルイ・コスタの華麗な競演を期待したが、ホームのペルージャが素晴らしい組織プレーを見せつけた。右サイドのゼ・マリアの正確なクロスが印象的。
イタリア セリエA 2001-02 第5節
ユベントス 0-2 ローマ
2001.9.29
ゴール / バティストゥータ、アスンソン
出足が好調のユーベと最悪だったローマ。ローマが勝てば勢いが逆転する、5節にして早くも実現した大一番。決めたのはバティ、フリー・キックでのバティ・ゴールが爆発した。トッティにも力強さが蘇ってきた。堅実で超現実的なカペッロ監督のサッカーも、先シーズンの通り。
ローマのDF陣のハード・アタック押さえられたユーベの前線、全体的な軽さが気になる。レアル・マドリッドの圧倒的な攻撃力を目にした直後だけに、なお更である。堅守で失点を押さえている間にも得点出来ずにジリ貧になり、失点につながってしまうマズいパターン。ヨーロッパ・ナンバー1を謳われたファン・デル・サールを襲ったプレッシャーが、ブッフォンにも加えられるのか?しかし、ユーベやレアルやマンUというのは、ちょっと不調なだけで、わっ大変だ!と大袈裟に不安を抱かせてしまう。
(記2001.9.30)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
デポルティボ・ラ・コルーニャ [スペイン] 2-1 マンチェスター・ユナイテッド [イングランド]
2001.9.25
ゴール / スコールズ(マ)、パンディアニ(デ)、ナイベト(デ)
チャンピョンズ・リーグらしい、ホーム・アンド・アウエーのサポーターのノリと厳しいゲーム内容、固いディフェンスをこじ開ける素晴らしいゴール。1st ハーフ、マンUのDFを崩せないラ・コルーニャがジャウミーニャの不在を感じさせた。しかし、2nd ハーフの選手交替が効いて、逆転。守り切れなかったマンUのDFライン、今シーズンはやはり不安だ。
イタリア セリエA 2001-02 第4節
パルマ 1-0 ブレシア
2001.9.23
ゴール / 中田
パルマの、チーム・コンセプトを確立させようとする意思が、垣間見えてきた。10番の中田英寿、あの芸術的なパスも蘇ってきた。得点を決めて、本当に良かった。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02 4節
レアル・マドリード 5-1 エスパニョール
2001.9.22
ゴール / ジダン(レ)、ロベルト・カルロス(レ)、フィーゴ(レ、PK)、ラウール、他
4節目にして突如覚醒したレアル、昨シーズンの強かったレアルより、更に強い。トップ下のジダンがついに本領を発揮。ホームで、不調のエスパニョールが相手とは言え、ここまで攻撃力に差があるとは。ロング・パスからダイレクトの折り返しが次々と決まる。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
ユベントス [イタリア] 3-2 セルティック [スコットランド]
2001.9.19
3-4-3 の布陣を採った、リッピ監督。相手チームを見て行なったテスト的布陣か?トレセゲ、デル・ピエロ、サラスを同時に使った。ダービッツが復帰。2ゴールのトレセゲが好調。デル・ピエロのフリー・キックも、絶好調時の放物線に近付いた。それにしても、セルティックも侮れない。FWに、ラーションに加えて、クリス・サットンを迎えた。ユーベ、アウエーでは危ないかも。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
アーセナル [イングランド] 3-2 シャルケ04 [ドイツ]
2001.9.19
アンリのゴールが素晴らしい。ホームのハイバリーでのアーセナルは、いつもシステマチックで、強さを感じさせる。ただ、イタリアのチームなどのように、アウエーで固く守るのは苦手なのかもしれない。メラーやムペンザの在籍するシャルケも粘ったが・・・。
遂に日本人がチャンピョンズ・リーグに登場!初登場が、カズでも中田でも小野でもなく、稲本だったとは。アーセナルというチームに、着実に馴染んで来ているのが分かる。右サイドで、まずまずの働きを見せた。ディフェンスから右コーナー付近からのクロスまでこなし、無難なデビューと言えるか。現状のMF陣はサブまで含めて超強力で、MFでの出番だけ待っていれば、1年間出番はないだろう。しかし、右サイド・バックなら、どうか?様々な意味で、稲本自身の実力をアップさせるチャンスだ。ベンゲル監督の慧眼は、恐るべし。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
ボルシア・ドルトムント [ドイツ] 0-0 リバプール [イングランド]
2001.9.19
リバプール、アウエーでの落ち着いた渋いゲームで、無失点で乗り切る。決められなかったドルトムント、得点の形が作れず、このままでは苦しい。ドルトムントの期待の10番のロシツキ、ビッグ・クラブが相手だと、線の細さが気になる。相手に危険さを感じさせるほど攻める為には、"何か"が必要か?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ
マンチェスター・ユナイテッド [イングランド] 1-0 リール [フランス]
2001.9.18
ゴール / ベッカム
プレミア・リーグで調子に乗り切れないマンU、1st ハーフではチーム全体に切れがない。リールには、ベロンやベッカムのようにスーパーではないが良い選手ばかりだし、DFは組織的だし、プレッシャーは早いし、パスを良く繋げるし、ゴール前でチャンスを作る。マンUに対してこれだけやるのだから、中田のパルマも負けても仕方ない・・・??
シーズン開始当初の移籍による新しい選手を含めたコンビネーションが確立せず、苦しいマンU。ホームで引き分けかと思われたが、2nd ハーフには攻撃がまとまり出し、1点をねじ込んだ。ベッカムはサスガだ。チームの勢いに合わせてシャカリキに動き出し、得点。いよいよ本物のチーム・リーダーに近づいた?マンUのDFは現在は安定しないが、全体のバランスを修正し、必ずチームを立て直して来るだろう。
イタリア セリエA 2001-02 第3節
ピアチェンツァ 2-0 ローマ
2001.9.16
マズい事になったローマ、3節で勝ちが無ければ、もはやスクデットもない?何しろ、得点の気配がない。昨シーズンの最大の特徴であった、あの驚異的な粘りもない。大きな補強のなさが、裏目に出ているか?
イタリア セリエA 2001-02 第3節
ウディネーゼ 1-2 ACミラン
2001.9.16
ゴール / シェフチェンコ(ミ)、インザーギ(ミ)、ムッツィ(ウ,PK)
シェフチェンコとインザーギの2トップ、杞憂されたほど悪くはない。むしろ、相手チームには驚異。スピードと決定力。調子に乗れば、ルイ・コスタが戻らなくとも、このペースで1試合で2点ゲットして行けば、スクデットは近づく?。しかし、やはりDF陣は不安だし、ケガ人が多いMFの選手層も心もとない。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02 3節
ベティス 3-1 レアル・マドリード
2001.9.15
レアルの1点はジダン。しかし、ジダンの居所はまだ見つかっていない?1部に返り咲いたベティスのホームでのモチベーションの高さに、見事にやられたレアル。昨シーズンの今頃、フィーゴはチームに完全にはフィットしていなかったが、それでも勝っていた。点を取れそうで取れない、いつのまにか失点という悪循環。決して弱くなったようには見えないが・・・エルゲラのケガが原因?ラウールが不調?いずれにしろ、常勝を義務付けられたレアル、敗戦恐怖症的プレッシャーから逃れるには、勝つしかない。
2002 ワールドカップ 欧州予選
ポーランド 3-0 ノルウェー
2001.9.1
ポーランドの帰化人選手、オリザデベ。柏レイソルに居たエジウソンのような、突破力・テクニック・決定力で、ヨーロッパ予選でのワールド・カップ出場一番乗りへ導く。ヨーロッパ内で強国ではないと考えていたポーランド、いつのまにか駒を揃えてあった。
98年ワールド・カップと前年のテスト・マッチの2試合で、ロナウドがいてキャプテンがドゥンガだった強かった時のブラジルを破ったノルウェー。今回の予選では、コケた。ディフェンスを固め、FWフローに当てて行くカウンター攻撃が見事に決まっていたカウンター攻撃。前時代的とも言えるシステムから、ボールを繋いで行く更に近代的なサッカーへと変貌する過程で、何かを誤ったのだろうか?このゲームの前半を見れば、ポーランドと比較して、大きく劣っているようには見えず。だが、後半では決定力の差が出た。まあ、オランダもコケたし、驚かないか??
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ 1節
12日分は延期
2001.9.12
当然であるが、11日が決行で12日が延期では、理由はいずれにせよ、UEFA の見識が疑われる。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 1次リーグ 1節
ローマ [イタリア] 1-2 レアル・マドリード [スペイン]
2001.9.11
ゴール / フィーゴ(レ)、グティ(レ)、トッティ(ロ,PK)
チャンピョンズ・リーグ開幕のその日、アメリカ合衆国で、信じ難いあり得ざるべき大事件が勃発。ローマ監督カペッロは、「ゲームは中止になると思った」と語る。このような日にゲームをするべきではないという見解は、正しい。
サスペンションが解けていないジダンは不在。皮肉にも、昨シーズンの強いレアルのパターンが蘇った。モリエンテスの故障がチームにとっても痛かったハズだが、グティが役割を十分に果たす。と言おうか、ポジションニングの概念を超えた前線のコンビネーションは、相手チームにとっては驚異。
イタリア セリエA 2001-02 第2節
アタランタ 0-2 ユベントス
2001.9.9
ゴール / デル・ピエロ、トレゼゲ
デル・ピエロのゴールでトヨタ・カップを制した時のユーベの安定性が、蘇りつつある?ディフェンスのミスは少なく、スピーディなダイレクト・パスは決まるし、フォワードが点を取るという理想的パターン。チャンピョンズ・リーグ第1戦で、真価が問われる。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
エバートン 1-4 マンチェスター・ユナイテッド
2001.9.9
ベッカムやファン・ニステルローイを休ませて、この強さ。控えの2トップが、3冠の立役者のヨークとコール。左のフォーチューン、右のチャドウイックが働いた事は、厳しいシーズンを乗り切る駒も揃っているということか。早くもベロンが得点、キーンとの中盤での連携が抜群。
イタリア セリエA 2001-02 第2節
パルマ 2-2 インテル
2001.9.9
コンセイソン、ゲオルガトス、シードルフ、グーリー、控えにダルマと揃うインテルの中盤は圧倒的にに良い。ビエリやロナウドが欠くが、中盤が好調なら行けそうだが、最終ラインはちょっと?キーパーがトルドで、本当に良かった。中田英寿が10番を背負うパルマ、得点の型が見えない。攻守のバランスが整って、勢いに乗れば良いと思うが・・・。
イタリア セリエA 2001-02 第2節
ローマ 1-1 ウディネーゼ
2001.9.8
ディフェンディング・チャンピョン、開幕から2試合連続ドロー。トッティー、デルベッキオが不調なのは痛い。チャンピョンズ・リーグや代表のゲームが続き、シーズン開幕直後にもかかわらず、正念場が来た。対するウディネーゼ、良い選手が引き抜かれ続けているが、今シーズンも悪くない。
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
レアル・マドリード 1-1 マラガ
2001.9.8
再び、勝ちを逃したレアル。マラガ、ダリオ・シルバなどの働きも素晴らしかったが、決めきれないレアルに問題があり?レアルの1点目、ロベルト・カルロスのシュートからだが、ラッキーな得点と言えなくもなかった。連携が未完成?ジダン一人の責任でもないのであろう。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
チェルシー 1-1 アーセナル
2001.9.8
ゴール / アンリ(ア)、ハッセルバインク(チ,PK)
ロンドン・ダービー、両チームの攻防は素晴らしい。ベンチ入り出来た稲本、このゲームのようなスピードについて行けるのだろうか?
2002 ワールドカップ 欧州予選
イングランド 2-0 アルバニア
2001.9.5
ゴール / オーウェン、ファウラー
慎重で動きのない相手の硬直したゲーム、均衡を破ったのはやはりオーウェン。ファウラーも得点し、イングランド代表の2試合の計7点は、全てリバプール勢。勝ち点でドイツに並んだ。しかも、得失点差では逆転。
2002 ワールドカップ 南米予選
アルゼンチン 2-1 ブラジル
2001.9.5
アルゼンチンの順当勝ち・・・。
ブラジルがワールド・カップに行かないとは、考えられない。しかし、既に出場を確定させている余裕のアルゼンチンに対して、一言で言えば、もっとシャキシャキっと出来ないのか?知ったかぶりの専門用語も出てこない!オルテガ、ガジャルド投入と、パワー・プレイに出たアルゼンチン、狙い通りの逆転勝ち。アルゼンチンの猛攻を押さえて来たブラジルDF陣のハード・マークも、90分間は持続しなかった。オランダの例もあり、ブラジルの熱狂的フォロワーではないのだが、このまま勝ち点の上積みがなかったら、まさか・・・。
2002 ワールドカップ 欧州予選
リトアニア 0-0 イタリア
2001.9.1
FIFA 会長まで呼び、誰もがイタリアが勝ってワールド・カップ出場を決めると思ったこのゲーム。逆に相手が、ドイツなどの強豪の方が、気合が入ったのでは?近年は、リトアニアのように弱小と信じられる国に、ヤンカウスカス等のタレントが存在することもあり、番狂わせが発生する割合が高い。
トッティは、現在最高のファンタジスタである。自由にする程に、相手チームに対する危険度は増す。しかし、トッティのパフォーマンスが低下すると、チーム全体のバランスがとたんに狂う。
2002 ワールドカップ 欧州予選
スペイン 4-0 オーストリア
2001.9.1
ゴール / トリスタン、モリエンテス×2、メンディエタ
左のウインガー、バレンシアのビセンテが鋭い動きで、未来を感じさせた。右のビクトールも果敢に攻めたが、控えに入ったメンディエタには、まだ及ばない。オーストリアのヘルツォークは相変わらず素晴らしいが・・・。
2002 ワールドカップ 欧州予選
ドイツ 1-5 イングランド
2001.9.1
ゴール / ヤンカー(ド)、オーウェン(イ)×3、ジェラード(イ)、ヘスキー(イ)
1対5、このカードからして、想像もしなかったスコア。駒の揃いつつあるドイツ代表、弱冠のケガ人を出し、今日はかなり地味なメンツ、と言えなくもない。どう攻撃するか?開始早々の、ヤンカーのゴール。だが、ドイツが良かったのはここまで。特にイングランドと比較して、気の抜けたような中盤が良くなかった。攻守にメリハリに欠ける。ドイツ代表に本当に必用なのは、エフェンベルクのようなプレーヤーだ。
またもオーウェンがやった、ドイツ相手にハット・トリック、絶好調を持続。現在最高のゴール・キーパーのカーンでも、止める手段はない?ゴール以外にも、チャンスは数多かった。体調不良が伝えられたキャプテンのベッカム、正確なアシストを送るだけでよかった。ディフェンシブな位置に入ったジェラード、チームのバランスは大丈夫かと懸念したが、申し分ない動きで、ゴールまで決める。前線でオーウェンと組んで、ドイツDFに驚異を与え続けたヘスキーもゴール。ゴールは、全てリバプール勢。ファーディナンドは、DFのリーダーであることを印象付けた。アダムス引退後も、これで安心?
若手が伸びてきたイングランド、前途はかなり明るく見えて来た。だがしかし、イングランドが強いのか?ドイツが弱いのか?相手が EURO 2000 で、同じグループで失態を演じた両チームだけに、何とも言い難い。1対5のスコアは、単なるアクシデントかもしれない。今日のイングランドが、現在のフランス、アルゼンチン、イタリアなど
と当たった場合、5点取れるか?
2002 ワールドカップ 欧州予選
アイルランド 1-0 オランダ
2001.9.1
ゴール / マカティアー
ワールド・カップ予選も、ワールド・カップなのである。このゲームはまさに、それを証明している。特に欧州各国リーグ開始直後なだけに、プレーヤーのコンディションは完璧、切れまくり。特に重要な一戦だけに、攻守の局面が非常に厳しい。
このゲームを落すと、ワールド・カップ出場が非常に厳しいオランダ、最初からケンカ腰。南米予選でも主審を勤めたドイツのクルーク氏、いつもクールなゲーム・コントロールだが、今日はいつになくマユが釣り上がっていた。1st ハーフの前半、オランダは攻めまくるが、充実するアイルランドの守備を割る事ができない。しかし、よく見ると、オランダの攻撃は単調。基本的には、ロング・ボールの放り込みによる、なし崩し的な攻めである。オランダと言えば、かつての最強アヤックスで見る事の出来た余りにも鮮やかなパス交換を連想してしまうが、最近のオランダ代表のゲームではその様な華麗なスペクタクルは、なかなか拝めない。これでは、クライファートやファン・ニステルローイの圧倒的潜在能力が生きない。
2nd ハーフ、アイルランドは退場者を出し劣勢に。しかしここから、キャプテンのロイ・キーンの冷静なゲーム・コントロールが、俄然目立ち始める。フォワードを2人も増やしてパワー・プレイに頼るオランダの攻撃に対し、ボールの行方を見定め、相手陣内にボールを運ぶキーンのボール捌きは、このゲームの唯一の得点をも生み出した。ナンと来年のワールド・カップには、オランダは出場しないのか?
2001 年のバロン・ドールは??
新シーズン開幕前には大勢が判明してしまう、バロン・ドール(ヨーロッパ最優秀選手)。バイエルンのカーンが当確のように言われているが、果たして?
カーン = バイエルン・ミュンヘン/ドイツ代表
西暦奇数年の最大のゲームとなれば、やはりチャンピョンズ・リーグ決勝となってしまうだろう。誰が見ても決勝のMVP、決勝ラウンドに入ってからのセービングは神がかり。現在の安定性を年内いっぱい持続させれば、受賞に立ちはだかるライバルは存在しない。
ラウール = レアル・マドリード/スペイン代表
昨シーズンのラウールは、本当に凄かった。リーガ、チャンピョンズ・リーグ、代表のゲームと、常に出場していおり、結果も出している。労働の量と質的には、ここまでやればバロン・ドールを取って当然というレベルだが、チャンピョンズ・リーグ決勝進出を逃したのが、非常に痛い。
ジダン = ユベントス、レアル・マドリード/フランス代表
足技だけなら、きっと現在の最高峰であろう。しかし、今年は無冠。バロン・ドール受賞の条件と定義って何だろう?移籍金の巨額さとは、きっと関係がないのね。
リバウド = バルセロナ/ブラジル代表
ジダンと並び、圧倒的な攻撃力。バルサでの最大の見せ場が、リーガの4位を決めたゲームでは・・・。
ベッカム = マンチェスター・ユナイテッド/イングランド代表
瞬時にしてチャンスを作り上げる、圧倒的な右足のキック。ぶっち切りでプレミアを制したマンUの主力、イングランド代表ではキャプテン。しかし、"バロン・ドールにはまだ早い"と思わせるものは何だろう?文句無しの受賞に輝く日は来るのだろうか?来年のワールド・カップは、マサに彼の人生の最大の正念場だ。
オーウェン = リバプール/イングランド代表
現在のオーウェンは凄い。リバプールで UEFA CUP を取ったし、代表でも好調。ケガさえなければ、引退までに1度は戴冠?
マカリスター = リバプール/スコットランド代表
37歳を迎えるが、衰えるどころか更に磨きがかかる司令塔ぶり。受賞には、ちょっと渋過ぎか?代表の強さもソコソコだし。
イタリア セリエA 2001-02 第1節
ユベントス 4-0 ベネツィア
2001.8.26
ゴール / トレゼゲ×2、デル・ピエロ×2
ユーベの右サイド・バック、クリスチャン・ゼノーニは凄い。GKブッフォンとDFテュラムの連携は、パルマで完成済。ネドヴェドの飛び出しは鋭い。そして、デル・ピエロのフリー・キック。サブのFWサラスも1アシスト。オーソドックスな 4-4-2 のシステムが、効果的なサイド・アタックを生み出す。ビッグ・クラブとのゲームでも、力を出すか?ユーベ。
オランダ エール・ディビジ 2001-02
フェイエノールト 1-2 アヤックス
2001.8.25
スタンド観戦の、リバプール監督のウリエ。小野を取りに来たか?!と思ったが、GKのチェックだったらしい。久々に見たアヤックス。知っているプレーヤーは、アルフェラーゼくらい。GKのファン・デル・サールはどこだ?と思った俺は、浦島太郎か?フェイエノールト、良い形は作ったが、アヤックスの執念にやられた。小野のファースト・ゴールは近いであろう。チャンピョンズ・リーグも楽しみだ!
スペイン リーガ・エスパニョーラ 2001-02
バレンシア 1-0 レアル・マドリード
2001.8.25
ゴール / アングロ
リーガ・エスパニョーラも開幕した。名監督クーペルとキャプテンのメンディエタ、チームを仕切った2人が去った。しかし、地味だが効果的な補強を行ない、ゲーム運びは、素晴らしい。ビセンテやカレウの他、全員が素晴らしい働き。対するレアル、シーズン開始直後だが、全体に動きが鈍く、"倦怠感"すら感じる。期待のジダンも不発。バレンシア、このまま走れば非常に面白い。モチベーションは持続するか?
UEFA スーパー・カップ 2001
バイエルン・ミュンヘン[ドイツ] 2-3 リバプール[イングランド]
2001.8.24
ゴール / リーセ(リ)、ヘスキー(リ)、オーウェン(リ)、サリハミジッチ(バ)、ヤンカー(バ)
またまたリバプールのオーウエン、アシストとゴール。勢いは留まるところを知らない。オーウエンのアシストを受けた、20歳のノルウエーのリーセは只者ではない。1週間で3ゲームの、超タイトなスケジュールの中、リバプールは力をセーブしているようには見えない。レギュラーの先発は強力で、チャンピョンズ・リーグ制覇も狙えるが、DF陣などは、バイエルンなどと比較して手薄か?しかし、昨シーズンのリーズの勢いでの勝ち上がりもあったし。バイエルンの、追い上げへの執念も凄かった。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02
リバプール 2-1 ウエストハム・ユナイテッド
2001.8.22
出た、オーウエンの2発。凄いスピードと決定力。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 3次予選 第2戦
リール [フランス] 0-1(トータル 2-1) パルマ [イタリア]
2001.8.22
パルマ、UEFA CUP へ・・・。第1戦よりはマシだったパルマ、まるでイタリアのチームのように手堅いリールにやられた。ゲームに対する執念でも、リールは上回っていた。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02 第1節
マンチェスター・ユナイテッド 3-2 フルアム
2001.8.19
ベーロンが沈黙し、チームが機能していない間、マンUから得点したフルアム。監督がティガナ、キーパーに何とファン・デル・サールを獲得。チームも悪くない。しかしマンUは悪いなりに攻める。ベッカムのフリー・キックと、ファン・ニステルローイの鋭いゴールへの嗅覚からの2点。ベロンは、プレッシャーを跳ね除けてラツィオでのように自由にやれば、周囲がベロンを活かすのでは?
オランダ エール・ディビジ 2001-02 第1節
フェイエノールト 5-0 スパルタ
2001.8.19
後半10分近くを残して、フェイエノールトのナンバー14の小野伸二出場、ラスト・パスを含む、点に繋がる2本のパスを出す。オランダのサッカーは、とにかくパスを繋げるのを基本とするが、小野のスタイルは合っているもよう。90分間フル出場し、ヨーロッパのカップ戦で得点する小野が見たい。しかし、そう甘くもないだろう。インテルやアヤックスで活躍したビンテルを擁したスパルタは、攻守に冴えなかった。
イングランド プレミア・リーグ 2001-02 第1節
ミドルスブラ 0-4 アーセナル
2001.8.18
ゴール / アンリ、ピレス(PK)、ベルカンプ×2
アーセナル、後半にパーラーの退場で10人になるも、4点取って大勝。次は、何とか稲本が見たい。
プレ・シーズン・マッチ
バルセロナ[スペイン] 3-2 パルマ[イタリア]
2001.8.17
マズイぞ、中田!トップ下の位置からほとんど動かず、第一にボールが来ない。ローマの時のようなポジションの大きな移動もない。戦術が出来ていないといえばそれまでだが、もうレギュラー・シーズン直前である。リール戦と同じパターン、サスガに不安になって来た。パスが来なくとも孤立しようとも削られようとも、それでもヤやなければならない中田英寿。ヤらなければ、未来はない。
バルセロナ、ジオバンニと19歳のサビオラ、クライファートも好調で、攻撃陣に光明を垣間見る事が出来た。DFアンデションもいいぞと思った矢先の出来事、後半の中田交替後のパルマの攻勢に対して、バルサのDF陣が腰砕けに!両チーム共、レギュラー・シーズンの制覇はムリ??
イングランド チャリティー・シールド 2001
リバプール 2-1 マンチェスター・ユナイテッド
2001.8.11
ゴール / マカリスター(リ,PK)、オーウェン(リ)、ファン・ニステルローイ(マ)
プレミア・リーグとFAカップの覇者が争う、恒例のチャリティー・シールド。ゲーム開始直後、リバプールの攻勢でPKを誘発。オーウェンも見事なステップ・ワークを見せて好調をアピール。しかし、時間が経過するに従って、マンUのパス・ワークが繋がり出した。後半のファン・ニステルローイのゴールでも、連携の素晴らしさは光った。2001-02 シーズンのプレミアでも、マンUは強い。早い時間に2点取らないと勝利に結びつかないとすれば、他のチームは非常に厳しい。しかもこのゲームでは、ベロンが南米予選
で出場していない。
2002 ワールドカップ 南米予選
ブラジル 2-0 パラグアイ
2001.8.15
ゴール / マルセリーニョ・パライーバ、リバウド
初めて見た攻撃的MFのマルセリーニョ・パライーバ、得点はするし守備に走り回るし、大活躍。デニウソンやレオナルドを控えに廻し不安を感じさせたが、このゲームに関しては、選手の起用が結果に繋がった。デニウソンは、スーパー・サブとして定着してきた。次のアウエーでのアルゼンチンを苦しめれば、ブラジルはやはりブラジルだ!という事で納得できるだろうが、果たしてどうだろう?
パラグアイは、組織的攻撃でブラジルを苦しめたが、DFガマラなどが欠けており、守備に難があった。しかし、悪くはなかった。ブラジル、リバウドはサスガであった。だが、決める人が決めなければ、結果がどう転んでいたか分からない。
テスト・マッチ
日本 3-0 オーストラリア
2001.8.15
ゴール / 柳沢、服部、中山(PK)
駒落ちなのは、両チームとも同じ。点数の差ほどの実力差は、感じられなかったが、きっちりした勝利は悪くない。日本代表の前向きの姿勢、空回りしなかった。
ドイツ・ブンデスリーガ 2001-02 第3節
バイヤー・レバークーゼン 1-1 バイエルン・ミュンヘン
2001.8.11
ゴール / キルステン(レ)、エウベル(ミ)
ブンデス・リーガ的な、激しい肉弾戦が見られた。レバークーゼンの補強も良く、侮り難い。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2001-02 3次予選 第1戦
パルマ [イタリア] 0-2 リール [フランス]
2001.8.8
フランス・リーグの3位のチーム、侮り難い。しかも、セリエAは開幕前、フランス・リーグは2節を消化、この差は大きい。特に、ディフェンスなど、チームとしてのプレッシングの速さに、ハッキリと違いが出た。リールは、アウエーであるので慎重にゲームを進め、カウンター気味の攻撃になるが、シャカリキにカウンター狙いではないのにもかかわらず、パルマのDF陣はリールの攻撃を捕まえきれなかった。ブッフォンとテュラムの穴は、やはり大きいのか?リールには良い選手が何人かおり、致命的なミスも少なかった。
パルマ、ホームでの2点のビハインドはマズい。このゲームを見る限りでは、アウエーで爆発する要素は、あまり見当たらなかった。ラムシ、アルメイダ、新加入の中田英寿といったところは決してコンディションは悪くないが、いかんせんコンビネーションに不安が。
ドイツ・ブンデスリーガ 2001-02 第1節
ボルシア・メンヘングラートバッハ 1-0 バイエルン・ミュンヘン
2001.7.28
早くも、ヨーロッパの 2001-02 シーズンが始まってしまった。2部から這い上がって来た古豪、チームのモチベーションとスタジアムの盛り上がりは最高潮。明かに、ピークを開幕に持って来ている。片や、代表のゲームを含めると、年間で60試合以上を消化する選手も抱える、ディフェンディング・チャンピョンのバイエルン。ゲームに対する両チームの微妙な姿勢の違いが、モロに試合結果に反映された。
コッパ・アメリカ 準々決勝
ホンジュラス 2-0 ブラジル
2001.7.23
確かにホンジュラスは、いいゲームをした。だがしかし、駒落ちとは言え、ブラジル・セレソンだぞ。今がどん底なのか?この不調は続くのか?ワールド・カップは予選落ちなのか?現在の状況では、ワールド・カップに出場したとしても、好成績は全く期待できない。
2002 ワールドカップ 南米予選
ウルグアイ 1-0 ブラジル
2001.7.1
ゴール / マガジャネス(PK)
リバウド、ロマーリオ、エウベル、ロベ・カル、カフー、ジュニーニョ・パウリスタ、エメルソン、サブにはジャルデウが・・・ついに出た!驚異のドリーム・チーム!足りないのはロナウドだけ!久々のブラジルの快勝!の、ハズだったのが、一体どうなってんだろう?絵に描いたような、チグハグさ加減。モチベーションも上がらず、闘志も空回り。いい形が作れないことで、更にアセリが。
ホームのウルグアイ。ユーベのDFのモンテーロ、クレバーな守備で静かな男とのイメージを持っていたが、代表のディフェンス陣を引っ張るリーダーシップと闘志は、まさに別人。決勝点のマガジャネスのPKを誘発した、センター・サークル付近から一気の突破を見せたレコバのドリブルは、圧巻であった。勝ち点で並んだウルグアイが、ブラジルを追い抜き、ワールド・カップ出場を果たすのだろうか?しかし、何と言っても、ブラジルが強くなくては、面白くない。
先日のコンフェデレーションズ・カップ。フランス代表には、確かにジダンなどのキー・プレーヤーを欠いてはいたが、レギュラー・シーズンが終了していない国のクラブ所属選手はサスガに召集できないだろう。シーズンの終了していたクラブの主力はほぼ来ていたし、期待のプレーヤーに対するテストも怠っていなかった。それに対し、ブラジルはどうだったのか?様々な要因はあったろうが、召集の方針が余りにも消極的ではなかったか?と言おうか、一貫した方針はあるのか?
いくらスーパー・スター軍団とは言え、イキナリの組み合わせでは、コンビネーションも何もない。2週間の合宿も実施したというが・・・。
いかにサッカー大国のセレソンであっても、"いつでもどのプレーヤーでも勝てる"と、軽く考えていて、それでも勝てるという時代は、10年前に終わった。クラブ・サイドで良い選手を出さないのもあるだろう。ブラジル国内の良い選手も目に付くだろう。しかしどう見ても、その時点でのベストの布陣を組めたようには見えなかった。少なくとも今回の予選前半の不調時に、事態の悪さへの対処を図るべきであった。ワールド・クラスの実力を持つにもかかわらず、「アイツとは組みたくない」とか、「もう代表には出ない」とか、チョー疑問符の付く誰か達の声も聞こえていた。
アルゼンチン以外の他の南米各国にも、ブラジル代表を凌駕する選手が増えつつあり、相対的にブラジル・セレソンの力は弱くなっているのである。特にブラジル相手のゲームでは、駒落ちと力の出し惜しみは許されない。ブラジルも、過去のプライドを捨てて、死に物狂いさを見せるべきなのかもしれない。でも、優雅さを捨てたブラジルも、"らしく"ないし・・・。コンビネーションだけなら、キリン・カップのパラグアイ戦の日本代表は素晴らしかった。
ジュニーニョの切れが戻っていたのは、救いであった。
キリン・カップ 2001
日本 2-0 パラグアイ
2001.7.1
ゴール / 柳沢×2
若干の駒落ちのパラグアイを、無失点に押さえた。攻撃・守備の各局面で、戦術に関しては強豪国に追いついて来た。選手層も厚くなった。プレッシングによる数的優位、オフサイド・トラップの駆使、サイド攻撃もそこそこな形を得るようになった。パラグアイに対しての勝利にも、驚かなくなった。いい攻撃の形を作られるとついて行けない場面も見られるが、今までと比較すれば、それも少なくなってきた。日本代表は、ワールド・カップ開催国の義務である、グループ・リーグ突破へ向けて、徐々に進歩しているのだろうか?
2ゴールの柳沢、好調を維持しさえすれば、日本のFWのエースであることを証明した。ポスト・プレーと視野の広さが素晴らしい鈴木とのアントラーズでの2トップのコンビネーションが光った。小野のパス出し、またも才能の"片鱗"を見せた。ヨーロッパへ渡る事により、"片鱗"が本当の"実力"へ変化するのか?
Fマリノスの城、サラゴサへ?
2001.6.30
もし行くのであれば、2001-02 シーズンで最低3ゴールは必要?30日、サラゴサが国王杯を制すれば、UEFA カップに望んでのFWの駒として、城が必用なのは間違いない。城には、ボールをゴール枠内に蹴ってほしい。
ガンバの稲本、アーセナルなのか?
2001.6.30
6月末現在、各クラブ・チームのプレーヤー争奪戦は、佳境に入っていると思われる。ベーロンのラツィオ離脱など新たな要因も加わって、"司令塔"の奪い合いは、厳しいものではないだろうか?中田も、パルマで確定と思われたが、ラツィオやミラン、ルイ・コスタが出るとなれば
フィオレンティーナなどの横槍もあるのでは?
Fマリノスの川口、ボルトン・ワンダラーズへ?
2001.6.20
ここのところの日本代表でのゴール・キーピングからして、実力的には、やっていけそうに見える。あの強烈なアウエーでのブーイングの洗礼と、毎試合のように襲って来る、ベッカムやオーウェンなどの強烈なシュートさえ凌げば、上位のクラブへの移籍があるだろう。
イングランド・プレミア・リーグに、"移籍期間"はない。
レッズの小野、フェイエノールトへ?
2001.6.20
最近、オランダ・リーグは全く見ていないので、状況は分からない。フェイエノールトでは、小野を熱望しているもよう。UEFA 全体のレベルから見れば、最近のフェイエノールトはビッグとは言えない。ヨーロッパ・デビューとしては、最適のレベルであろう。ここでレギュラーを取れなければ、イタリアやスペイン行きの可能性は出ないであろう。
ガンバの稲本、アトレティコ・マドリードへ?
2001.6.20
A・マドリーというのは、良い選択かもしれない。スペインでは、2部とは言え、名門だし、1部ほどには、色々な意味で厳しくないであろう。A・マドリーで主力になり、1部昇格の原動力となればヒーローだし、更に上位のクラブへの移籍の目も出る。かつてのシメオネやベイブルのように、ミッドフィールダーらしい"効いた"プレーを見せることが出来るか?2002年ワールド・カップがショーケースとなるが、時期的にも1年後のタイミングはベストだ。
2001-02 シーズン、中田英寿、パルマへ?
2001.6.20
とにかく、トッティと同じチームにいるのだけは、止めた方がいい。相手が悪過ぎる。日本人初のセリエAでのスクデット獲得。凄いことだ。だが、2000-01 シーズン、中田の出番は、非常に少なかった。本人にとっては、不本意であったろう。しかし、途中出場や、数少ない先発出場の中での、神がかり的活躍により、中田の商品価値が急上昇した感がある。少なくともレギュラー・シーズンで30試合は先発し、来シーズン
も今シーズンで見せた活躍をすれば、本当に素晴らしいであろう。今のところ、パルマへの移籍が決定のニュースは、今のところ、信用していない。移籍先の選択は難しい。そういえば、GKブッフォン、DFティラムとカンナバーロ、守りの主力がパルマから全員が消えてしまうのか?パルマの中田にとっても厳しいぞ。
セリエA 2000-01 34節
ローマ 3-1 パルマ
2001.6.17
ゴール / トッティ(ロ)、バティストゥータ(ロ)、モンテッラ(ロ)、ディ・バイオ(パ)
ローマ、スクデット奪取。昨シーズンの主力に、DFサムエルとFWバティストゥータの獲得、この2人分は確実に強くなった。だが、自陣と相手陣地でのゴール前では異常に強いが、中盤には落ち着きがなく、安定していたとは言い難い。だが、勝つには勝ってきた。相手チームに得点されても、兎に角も突き放した。ミランとインテルは、完全に期待ハズレ。ユーベは、昨年に続き、固くやり過ぎた。ラツィオは、出遅れた(終盤はメチャクチャ強かったが)。2シーズン続けての、ローマのチームのスクデット。UEFA 内での、イタリアのクラブ・チームの凋落の中で、シーンにおける様々な変化が垣間見える。
FIFA コンフェデレーションズ・カップ 2001 グループ・リーグ決勝
日本 0-1 フランス
2001.6.10
フランスは強かった。トライアングルのキープをベースとし、数的優位を常に保って短時間で相手に寄せてくる。日本はディフェンスの局面で、相手のオフェンス人数が少ないにもかかわらず、ボールを持たれ、シュートを打たれる。これは、前回のフランス戦と変わらない。個人の力と完璧な戦術で来られては、立つ瀬が無い。この差は、急には縮まらない。しかし、この短期間に、2回のフランス戦や、スペイン、ブラジル、カメルーンと当たった事は、ワールド・カップ開催国には当然必用な事とはいえ、今後の糧となるのは間違いない。
2002 ワールドカップ 欧州予選
グルジア 1-2 イタリア
2001.6.2
ゴール / デル・ベッキオ(イ)、トッティ(イ)、他
ほぼベストの布陣のイタリア、曲者のグルジアも問題にせず。グルジアのDF、"アブラミーゼ"の名前には、ちょっと笑った。
2002 ワールドカップ 南米予選
アルゼンチン 3-0 コロンビア
2001.6.4
ゴール / キリ・ゴンザレス、C・ロペス、クレスポ
うーん、レギュラーが揃うと、アルゼンチンは強い。ベロンも生きるし、ソリンも左サイドから切り込むのを躊躇しない。
FIFA コンフェデレーションズ・カップ 2001 グループ・リーグ3回戦
日本 0-0 ブラジル
2001.6.4
日本は強くなり、ブラジルは弱くなった?フランスがダントツに強く、この大会は1強7弱か?
2002 ワールドカップ 欧州予選
フィンランド 2-2 ドイツ
2001.6.2
フィンランドが2点先取のあと、ドイツが追いつく。勝負強い。ドイツFWのヤンカーが、強烈さを見せた。フィンランドは、実力を上げつつあるが、ドイツとイングランドが同居するグループに入いったという悪運。
2002 ワールドカップ 欧州予選
アイルランド 1-1 ポルトガル
2001.6.2
ゴール / ロイ・キーン(ア)、フィーゴ(ポ)
日本を見た後だけに、両チームの攻めの素晴らしさが目立った。ポルトガルの素早いパス・ワークとゴールへの詰めは鮮やかだが、アイルランドも負けていない。クインとロビー・キーンの2トップが効果的。
FIFA コンフェデレーションズ・カップ 2001 グループ・リーグ2回戦
日本 2-0 カメルーン
2001.6.2
ゴール / 鈴木×2
いやー、勝てるとは思わなかった。カナダ戦より苦戦する事が予想された。エンボマ、エトー、ジェレミーなどの攻めは驚異だったが、最終的には川口に押さえられたと言える。日本代表のチーム全体のディフェンスは落ち着いており、フランス戦やカナダ戦での経験が生きている。代表初スタメンのFW鈴木は良かった。スピード、ポジショニング、何よりもシュート・コースが良い。日本の救世主となるか?
FIFA コンフェデレーションズ・カップ 2001 グループ・リーグ2回戦
韓国 2-1 メキシコ
2001.6.1
韓国には勝ってもらわねば。戦術はともかく、いつもの粘りは見せた。ワールド・カップ 2002 は、是非とも成功させてもらいたい。いつになく韓国を応援。永遠のライバルへの応援、4年前の国立でのワールド・カップ予選の日韓戦の頃からは、想像もつかなかった事だ。
FIFA コンフェデレーションズ・カップ 2001 グループ・リーグ1回戦
ブラジル 2-0 カメルーン
2001.5.31
これから日本と当たる両チーム、恐ろしい。体は強いし、パスが日本よりも長く早いし、個人技もある(このゲームを見たのは日本戦のあと)。
FIFA コンフェデレーションズ・カップ 2001 グループ・リーグ1回戦
日本 3-0 カナダ
2001.5.31
ゴール / 小野、西澤、森島
カナダには勝って当然、後半に疲れを突けるだろうと予想はついた。しかし特に前半、相変わらず早く長いクロスには不安があるし、パワー・プレイには力負けする。心配すればキリがないが。小野の足技は素晴らしい。スピードには欠けるが、来年の本番までに"何か"で補ってくれるだろうか?
(記2001.5.31)
FIFA コンフェデレーションズ・カップ 2001 グループ・リーグ1回戦
韓国 0-5 フランス
2001.5.30
ゴール / ビエイラ、アネルカ、他
フランスに、ジダンやアンリはいない。しかし先発FWには、一人のFWとしてはアンリをも凌駕するアネルカがいるし、デュガリーやピレスに、サブにはジョルカエフやビルトール、新顔もレギュラーとして問題なく、チームとしての底知れない実力を感じさせる。韓国、ご丁寧にも先日の日本と同じく、5点を献上。得意のカウンターは効いたが、見せ場はそのくらい?
ドイツ・ブンデスリーガ 2000-01 優勝は、バイエルン・ミュンヘン
リーガ・エスパニョーラ 2000-01 優勝は、レアル・マドリード
バイエルン、昨シーズンに続き、最終節での劇的優勝。確かに勝負強い。無理な出費を避けながら、粘り強いチームを作り上げたフロントは、サスガだ。トヨタ・カップで勝った時のドルトムントのような強烈なライバルは、出てこないものか?
今シーズンのレアルは強かった。最初はチームにフィットしていなかったフィーゴも見事にハマったし、MFレドンドの穴も、エルゲラやマケレレで完全に補った。スーパー・ゴールやファイン・ゴールが、メチャメチャ多かった気がする。来シーズンも強そうだ。バルサは、どうなるのであろう?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 決勝
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 1-1 (PK 5-4) バレンシア [スペイン]
2001.5.23
ゴール/ メンディエタ(バレ,PK)、エフェンベルグ(バイ,PK)
当然の如く超満員の、イタリア・ミラノのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ。日本で、早朝に早起きして見るには、あまりも重苦しかったゲーム。このゲームの真の意味、重要性、120分戦ってドローだった事実、これらは、後日に改めて振り返らなければ、認識しつくす事は出来ないであろう。このゲームだけに限って見れば、両チームの実力は、まさに互角である。PK戦によって決せられた勝敗、敗者にとっては、余りにも過酷な現実であろう。
少ない得点を守り切り、失点を押さえて、しぶとく勝ち上がって来た両チームが、守備に重点を置いて戦うのは十分に予想された事であった。固さの点で、両チームは非常に似ているとの印象を受けていた。鉄壁の守備陣を崩すには、やはり強烈な個人技を持つFWが欲しい。バレンシアには、クラウディオ・ロペスのクラスのプレーヤーはいない。アイマールは先発か?バイエルンのエウベル、ケガ明けであり、切れはどうだろう?ショルはシュートを打つ事が出来るか?サンタ・クルスはスーパー・サブとして出場するか?
ゲーム初盤は、両チームとも非常にナーバスであった。ゲーム開始直後のバレンシアに与えられたPK、この1点が、このゲームのカラーを決めてしまった。前半90分は、バイエルンのペースに見えた。バレンシアの鉄壁の守備陣により、何とか無失点に押さえた、しかしリードはバレンシア。攻撃にアクセントをつける、天才アイマールを先発させたが、早々と奪ってしまったリードを守る為にいつも以上に守備に集中、なかなか攻撃に人数を使わないバレンシア、アイマールは良い面が出せず。これは仕方がなかったか?あるいは・・・?
更に守備に比重をかけようとするバレンシア、後半にアイマールを下げたが、この直後にバイエルンがPKを得て同点。スピーディーなパス、ドリブル突破、意外性に満ちたポジショニング、必用な時にアイマールがいない。
バイエルンのMFエフェンベルグ、やはり只者ではなかった。ボール・コントロール、パス出しは、変幻自在。同じくMFのハーグリーブス、守備がまだまだ荒いが、浮いたボールへのアプローチが素晴らしく、イングランド代表の座も近いのではと思わせた。バロン・ドール候補に挙げられるGKのカーン、ボールをセーブするケースは少なかったが、やはり抜群の安定感。DFの、リンケ、クフォー、アンディションは本当に固い。ケガ明けのエウベルは、切れに欠けた。バイエルンの攻撃陣は、形を作れなかった。というよりは、固さではバイエルンを上回るバレンシアの守備陣にヤられた。
バレンシアの守備陣は、クールだった。崩れそうで崩れない。カルボーニなど、冷や汗を浮かべている様に見えたが、結局は、バイエルンを押さえたと言うこと。GKカニサレス、髪を染めてから、本当に安定している。
両チームとも、攻撃の決め手が欠けていたのは事実。メンディエタのパスからカレウのヘディングという、必殺パターンも、ゴールを割ることができず。バレンシアはザホビッチを出したが、運動量が少ない。バイエルンはツイックラーは出したが、守備の安定性を重視した為か、人数を割いての大胆な攻撃に打って出ることはまれであった。相手が引き過ぎて攻め込めないというのもあったが。
PK戦での決着であったが、バイエルンにとっては、準々決勝で一昨シーズンに苦杯を舐めさせられたマンチェスタ・ユナイテッド、準決勝で昨シーズンの覇者レアル・マドリードをそれぞれ破ってのファイナル進出であり、順当と言えるものだろう。しかし果たして、バレンシアはビッグ・イヤーに値しないチームだったのか?PK戦での結果は、バレンシアの2シーズン連続ファイナリストの偉業の価値を損なうものではないハズだ。両チームともに、ビッグ・イヤー獲得の為に完全に全力を出し切ったのは、事実だ。
点の取り合いになった、UEFA CUP 決勝と、流れの中での得点が無くPKにまでもつれたチャンピョンズ・リーグ決勝。どちらが良いゲームだったのか?間違いないのは、リバプールよりバイエルンの方が強いであろう事。また、リバプールとアラベスのどちらかに、GKにカーンかカニサレスがいれば、そちらのチームがきっと勝ったであろう。
UEFA CUP 2000-01 決勝
リバプール[イングランド] 5-4 (延長Vゴール) アラベス[スペイン]
2001.5.16
ゴール / バベル(リ)、ジェラード(リ)、アロンソ(ア)、マカリスター(リ,PK)、ハビ・モレノ(ア)×2、ファウラー(リ)、ジョルディ(ア)、ヘリ(ア,OG)
ドイツのドルトムントのホーム・スタジアム、ヴェストファーレン・シュタディオン。ここでの UEFA CUP の決勝、見た者は幸福、見なかった者は不幸という、歴史的ゲームか?
バベルとジェラードによる、リバプールの立ち上がりの2得点。特に準決勝のバルセロナ戦での超守備的戦術は何だったのか?スコットランドの重鎮、マカリスターおじさん36歳、中盤で絶妙な位置取りと、非常に効果的なボール捌き。マン・オブ・ザ・マッチも当然?ジェラードの突進も凄かった。大変なプレーヤーだ。しかし、後半のジェラードはイマイチ。
普通のチームなら、この段階で息消沈する所だが、アラベスは違った。前半の早い時間に、DFエッゲンを下げて投入した、UEFA CUP のラッキー・ボーイ、切り札のイバン・アロンソ、リバプールの勢いを削ぐゴール。アラベスを決勝に導いた男が、ここでも活躍。この前後のアラベスの攻勢は見事。しかし、ジェラードへのファールから、マカリスターのPKで突き放す。
後半、リバプールの得意の粘り腰に突入かと思われた。しかし。準決勝でカイザースをケチョンケチョンにやっつけたアラベスの勢いは止まらない。ハビ・モレノの2点で同点。アラベスのセット・プレーは確かに効果的だったが、長身選手を並べた、固いハズのリバプールDF陣は寝ていた?GKは、両チームとも不安定で、自信喪失気味であった。
後半の途中出場のファウラーが、らしいゴールを決めた。リバプールの逃げ切りかと思われた終了間際、親父の見ている前での、ジョルディのヘッディングで同点。延長では、リバプールとアラベスのタレントの差が、徐々に明らかになる。ジリジリとアラベスが追い詰められ、延長後半に2人の退場者を出したアラベス、ヘリのクリアし損ないのヘディングがオウン・ゴールとなり、力尽きた。
スペイン・バスク地方の第3のクラブ・チーム、アラベス。リーガで不振のビルバオとソシエダを尻目に、UEFA CUP で躍進。ローマやバルセロナを破ったリバプールとも、互角の戦いを見せた。来シーズン以降、今シーズンの UEFA CUP での素晴らしいパフォーマンスをキープ出来るとは思えない。主力プレーヤーは、ビッグ・クラブへ引き抜かれてしまうだろう。だが、2001年の決勝でのアラベスについては、暫くの間は語られ続けることであろう。
イングランドの雄、リバプール。輝かしい過去の実績の再現を見せる時が、いよいよやって来たのかもしれない。オーウェンやジェラードは素晴らしい。しかし、このゲームでのDF陣はイタダけない。守備と言えば引くばかり、肝心な場面で"寝ている"ようでは、マンチェスター・ユナイテッドの
牙城は崩せないだろう。
セリエA 2000-01
ローマ 1-0 アタランタ
2001.5.12
ゴール / モンテッラ
中田英寿、またしても途中出場から活躍。まさにスーパー・サブ。我々が勘違いしがちなのは、だからと言って、中田がトッティよりも実力があり先発が妥当である、という発想。ローマの"王子"であることは、きっと非常にハードなことだ。活躍すれば大喝采だが、ここのところのトッティのように、ちょっと不調なだけで、このブーイング。中田が、ローマやミランやマンチェスター・ユナイテッドのようなビッグ・クラブで、常に先発が保証される"ナンバー10"を、果たして獲得する事が可能なのだろうか?ジダンやリバウドでさえ、場合によってはブーイングを浴びるという、大変な世界だ。
セリエA 2000-01
インテル 0-6 ACミラン
2001.5.12
ゴール / コマンディーニ(ミ)×2、ジュンティ(ミ)、シェフチェンコ(ミ)×2、セルジーニョ(ミ)
口のきけない程の大差。ミラン、シーズン当初からこれなら、ローマなんて問題にしなかった?怪我で出遅れたミランの若きナンバー9のコマンディーニ、その潜在能力を見せつける。フィジカルは強いし、スピードもある。シェフチェンコのパートナーとしては、最適?ディナモ・キエフ時代の相棒、レブロフがそうであったように、献身的に動き回るし、決定力もある。MFの先発の4人、カラーゼ、ジュンティ、ジュンティ、ガットゥーゾが、それぞれ切れまくり。少なくとも、来シーズンのアウトラインは描けた?ミラン・ダービーとは思えない、と言うか、サッカーとは思えない衝撃的大差。インテル、単に運が無かった?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準決勝 第2戦
バイエルン・ミュンヘン [ドイツ] 2-1 (トータル3-1) レアル・マドリード [スペイン]
2001.5.9
ゴール / エウベル(バ)、フィーゴ(レ)、イェレミース(バ)
チャンピョンズ・リーグのファイナルへ進出する事は、本当に難しい。最強を謳われるレアル、敗れてみて初めて分かる、準決勝での敗戦の意味。たまたま、チーム状態が5月のこの時期に悪かったに過ぎない。シーズン全体を通して、常に攻撃に重点を置いて戦って来たレアルであった。今シーズンは特に多かった魅惑の得点シーン、我々は十二分にこれをエンジョイして来た。しかし、失点が多かったのも事実。思えば、オフェンスの能力を伸ばしたイバン・エルゲラは、昨年の今頃はDFの後ろにポジションを取っていたのだ。眩いばかりの攻撃に見惚れていたが、チャンピョンズ・リーグのベスト8進出チームの中で、攻守のバランスが最も悪かったような気もする。チャンピョンズ・リーグのような特に難しい大会では、引く事も重要であるのか?
この第2戦、特に前半で見せたボール廻しの流麗さ、全盛期のファン・ハールのアヤックスを連想させた(アヤックスのパスの距離はもっと長かった、レアルはスピードとウマさ)。失点が多いが、それを大きく上回る得点力で強さを誇示して、相手チームに威圧感を与えて萎縮させるところも、似通っている。
コンディションが悪くとも悪いなりに、今シーズンのレアルは遣り繰って来た。力を温存してバイエルン戦との準決勝に臨んだハズだが、やはりバイエルンは一味違った。この勝敗の意味は、後日に十分に吟味してみないと分からない。間違いないのは、勝利への執念の点で、明らかにバイエルンが上回っていた事。バレンシアもそうだったが、特にDF陣の粘りは驚異。とにかく、ゴール前で人数の優位を崩すことをしなかった。最後の45分間は、1999年の、あのマンチェスター・ユナイテッド戦の大逆転劇の悪夢だけは絶対に避けるべく、慎重に慎重を重ねた。今回も、GKカーンのファイン・セーブがチームを救った。DFクフォーも凄い。年々実力をアップさせ、DFの引き締め役を十分にこなす。エフェンベルグの代役のハーグリーブスも、攻守に存在感を示し、勝利に貢献した。レアルでは、やはりフィーゴだ。ビッグ・ゲームであればあるほど、存在感を増す。
2000-01シーズンのレアルは、記憶されるべきチームであろう。リーガ・エスパニョーラは制するに違いない。レアル・マドリードは、今後と強いチームであり続けるであろうが、ここまで完成された攻撃力を見せつけるチームは、そう現れるものではないハズだ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準決勝 第2戦
バレンシア [スペイン] 3-0 (トータル3-0) リーズ・ユナイテッド [イングランド]
2001.5.8
ゴール / サンチェス(バ)×2、メンディエタ(バ)
クラウディオ・ロペスの移籍に対して長身のカレウ、ジェラールに対して手堅いバラーハと、戦術の変更を余儀なくされるようなレギュラー選手の変動があった、バレンシア。昨シーズンの圧倒的スピードの超カウンターから、今シーズンは、カレウのポスト・プレーを生かす戦術が目だってきた。しかしこの準決勝第2戦では、アルゼンチンの新たな天才アイマールを司令塔に据え、またまた新たな攻撃パターンを見せ、戦術のバリエーションを増やしたところに、チームの成熟の顕著さを見る。様々なアイディアとテクニックで、相手DFを混乱に陥らせるアイマールが、サンチェスとメンディエタのゴールを引き出した。
若さを前面に押し出して戦ってきたリーズ。サンチェスのハンド気味の得点を与えてからは、焦りが見え始め、徐々にアウエーの雰囲気に飲み込まれていった。攻撃パターンも、単調になりがちであった。得点をアセって前がかっていたところへ、カンウンターを食った。しかし、ゴールを目指す姿勢、失うもののない特攻精神に、来シーズン以降のリーズの飛躍を見た者は、筆者だけではないであろう。
セリエA 2000-01
ユベントス 2-2 ローマ
2001.5.6
ゴール / デル・ピエーロ(ユ)、ジダン(ユ)、中田(ロ)、モンテッラ(ロ)
勝ち点差4、勝てば1点差まで追い上げるユーベ。久々の超満員のサポーターをバックに、デル・ピエーロとジダンのゲーム開始早々の2点で、ローマは完全に浮き足立つ。ローマは、DF陣を立て直し(サムエルはやはり偉大だ)、攻めにかかるが、効果的な形は作れない。ユーベも攻め続けるが、ローマも必死で攻めを押さえて、こう着状態は続く。そこでゲームの流れを変えたのが、ナンと後半トッティと交代での途中出場の中田英寿であった。最初は最近のパターンで、カフーと逆の左サイドで、効果的に攻めに絡んだが、ユーベのDFの気の緩みを突いてのミドル・シュートがあまりにも鮮やかに決まった。クールな中田君もついつい、"ヨッシャー!"と叫んでしまった。ゴールの前後から、司令塔の位置に入った中田は好調を持続、ロスタイムにも、モンテッラのゴールに結びつく強烈なシュートを放つ。
このゲームのゴールは、中田のサッカー半生の中でも、最重要のゴールだ。何しろ、テレビ視聴者の数は多分、中田の出場した試合の中では最多であろう。セリエAの天王山の試合といえば、世界中に中継される。移籍か残留かは何とも言えなくなったが、中田の賞品価値は、確実に上がった。
デル・ピエーロ、かつての力強さが蘇りつつある。しかし、重要なゲームでの、あの"伝説の軌跡"を描くゴールを見るまでは、100%の復活とは呼びたくない。中田の活躍、ついつい興奮してしまうが、デル・ピエーロの活躍するユーベには勝ってほしいし・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準決勝 第1戦
リーズ・ユナイテッド [イングランド] 0-0 バレンシア [スペイン]
2001.5.2
バレンシアのGKカニサレス、先日の日本戦でも正キーパーだったが、ここ最近の安定感は抜群。30歳を過ぎて、髪の毛を染めて、覚醒したか?リーズの若い攻撃陣の平均年齢と、バレンシアの老獪なDF陣のそれは、10歳近く離れている。ホームで得点の無いリーズ、苦しい?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準決勝 第1戦
レアル・マドリード [スペイン] 0-1 バイエルン・ミュンヘン [ドイツ]
2001.5.1
ゴール / エウベル(バ)
後半、ペナルティ・エリアから離れた位置から、バイエルンのエウベル、意表を突いたシュートを放つ。確かにラッキーなボールだったが、本人意外は誰もここで打つとは思わなかったのでは?レアルのGPカシージャス、経験不足も指摘されるが・・・。レアルの攻撃は相変わらず分厚いが、バイエルンのGKカーンは当たりまくり。このゲームで見る限りは、世界最高のゴール・キーピングだ。しかし、レアルの攻撃陣にも、いつもの峻烈さが欠けていたのも、事実。バイエルンには、チャンピョンズ・リーグに必用な経験の厚さと粘りが、強く感じられた。ホーム・ゲームでもこの冷静さを保つことが出来れば、1点のアウエー・ゴールは、大きなアドバンテージだ。昨年の今頃、同じカードで、その信じ難いFWとしての能力を見せつけいた、アネルカ。バイエルンのような強いチーム相手に決め手になるのは、どうしても、非凡なストライカーである。レアルとしては、モリエンテスにどうしても復帰してほしいが・・・。
セリエA 2000-01
ラツィオ 2-2 ローマ (2001.4.29)
ゴール=バティストゥータ(ロ)、デルベッキオ(ロ)、ネドヴェド(ラ)、カストロマン(ラ)
中田英寿の不出場で見るのを躊躇したが、ローマ・ダービーはただでは終わらなかった。相変わらず中盤でのプレッシャーは厳しい。潰しあいの中でのゴールは、一瞬のスキを突いたスーパー・ゴールしかない。バティとデルベッキオのゴールで、ローマの圧勝の予感が漂ったが、ネドヴェドと、交代出場のカストロマンの終了間際のゴールで、ダービーらしいドローに持ち込んだ。特にネドヴェドのゴールは、ゴール前でスペースが無い中で、一瞬のスキを突いての個人技で、反射神経の鋭さを見せつけたモノ。判断のスピードの重要性を感じさせた。
フレンドリー・マッチ
スペイン代表 1-0 日本代表 (2001.4.25)
フランスに、完膚なきまでに叩きのめされた日本。5-3-2 のシステムで、守備的に引いてしまって、逆に攻め込まれるのを危惧していた。しかし、最初から"今回は守備的にやる"と明言してテーマを設け、その通りにゲームを遂行させたトルシエは、サスガと言わざるを得ない。フランス戦で無くしかけていた自身をここで回復させ、サポーターをある程度納得させ、状況を落ち着かせる事が出来た。スペイン代表のフィジカルは、日本代表がフランス戦で見つけられたほどの差は見られなかった。今後は順調に行けば、何とかなるのではとの期待を、感じることが出来たのも、収穫と言えば収穫か?川口のセービングは素晴らしかった。彼がいなければ、結果はフランス戦と同じだったのかもしれない。レアル・マドリッドやバレンシアなどのトップ・クラブの素晴らしいゲーム・プランと、スペイン代表とのそれとは、いつもの事とは言え、そのクオリティーに大きな差がある。ラウールやメンディエタ、彼らが集まれば、凄まじいスペクタクルを堪能できると、いつも期待するのに、肩透かしを食ってしまう。しかし、ラウールやメンディエタなどの見せる、攻撃のバリエーション、選択肢の多様さ、視野の広さ、日本はまだまだ追いつけない。最後の最後、ロスタイムで、ボランチのバラーハに決められる。守備的に行くのであれば、最後まで徹底すべきである。フレンドリー・マッチとは言え、またまた最後を締められず、ボランチに得点させてしまった。平和に慣れ切っている日本人の危機意識の欠如だろうか?
セリエA 2000-01
ウディネーゼ 1-3 ローマ (2001.4.22)
ゴール=中田(ロ)、トンマージ(ロ)、ソサ(ウ)、他
中田英寿のローマでのラスト・マッチと言われている。主に左サイドで攻撃の組み立てにからみ、効果的パスを出し続ける。後半、右サイドでフリーのカフーにパスを出し、センター・サークル付近から駆け上がる中田、カフーからの超ロング・レンジの折り返しに、見事なボレーでのシュートが決まった。ユーベに勝点差4に追い上げられたローマ、このゲームでの勝利は、今後の展開に極めて重要な勝利になるかもしれない。トッティの不調を不在をカバーしたのであれば、中田のプレーヤーとしての重要性を見せつけた形になったであろう。活躍度、"7.5"と見た。中田のような、ビッグ・クラブに在籍するスーパー・サブのプレーヤーは、途中出場でも力を出さなければ、存在価値が薄くなるばかりである。中田の、必要かつ当然の活躍ではあったが、もし次のクラブへの移籍交渉が現在進行中であれば、この活躍が交渉を有利に進める要素にはなる。25日のスペイン戦での活躍にも期待したい。
リーガ・エスパニョーラ 2000-01
レアル・サラゴサ 2-3 レアル・マドリード (2001.4.21)
今度はサービオだ。イエーロが欠場で守備が不安定、フィーゴも欠場、バランスが悪い。しかし、2得点のラウールをはじめ、チャンピョンズ・リーグを残してモチベーションの落ちないレアル・マドリー。絶好調のサービオの決勝点で逃げ切った。サラゴサも良かった。いつのまにかアルゼンチン代表に復帰したエスナイデルの欠場が痛い。
UEFA CUP 2000-01 準決勝 第2戦
リバプール(イングランド) 1-0 バルセロナ(スペイン) (2001.4.19)
バレー・ボールのアタックのような、クライファートのツイツイ笑っちゃうハンドによる、PK。第1戦に続き、リバプールの手堅いゲーム運びが目立つ。立ち上がりこそ積極的だったが、PKでの得点の後は、バルサの攻めを封じ込めるのを優先させていた。元スコットランド代表、36才のマカリスター、いい味を出した。自国リーグでも不安定な戦いの続くバルサ、抜本改革は必至?
UEFA CUP 2000-01 準決勝 第2戦
カイザースラウテルン(ドイツ) 1-4(トータル2-9) アラベス(スペイン) (2001.4.19)
アウエーでも相手を攻め続け、カイザースを粉砕したアラベス。交代選手が次々と得点する、笑いの止まらない展開。ジョルカエフが戻ったと思ったらバスラーが出場停止のカイザース、ブレーメ新監督の苦渋の表情が哀愁を呼ぶ。アラベスの UEFA CUP 初出場・初優勝はなるか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第2戦
レアル・マドリード(スペイン) 3-0(トータル5-3) ガラタサライ(トルコ) (2001.4.18)
ゴール=ラウール(レ)×2、エルゲラ
立ちあがりのガラタサライは、ホーム・チームの様に攻め上がった。しかし、現在絶好調のホームでのレアルの圧倒的攻撃を、アウエーのチームが凌ぎ切る事は、非常に難しい。特に、エルゲラの攻撃センスは素晴らしいし、ラウールのゴール・センスは鋭さを増している。昨シーズンの UEFA CUP を制し、実は、スーパー・カップからレアルを4タテ、着々とチーム力を上げつつあるガラタサライ。しかしこのゲームの後半では、チーム全体としてあまりに熱くなり、過剰な反応やダーティな対応が、目に余った。チャンピョンズ・リーグでベスト8入りは快挙だが、それ以上に先へ進むには、更なる経験が必用か?トルコのチームとしては、ここ止まりか?別のイスタンブールのチーム
の台頭もありうるか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第2戦
バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) 2-1(トータル3-2) マンチェスター・ユナイテッド(イングランド) (2001.4.18)
ゴール=エウベル(バ)、ショル(バ)、ギグス(マ)
99年決勝への"リベンジ"は果たされた?アウエーでのマンUのDF陣、いつになく浮き足立つ。第1戦の後半と2戦の前半は、バイエルンのペース。いつものマンUであれば、ソツなく得点を重ねるところだが、サスガにバイエルンは集中を途切れさせる事は無かったし、チームは常に相手ゴールに向かっていた。バイエルンGKのカーン、年々凄みを増している。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第2戦
デポルティボ・ラ・コルーニャ(スペイン) 2-0(トータル2-3) リーズ・ユナイテッド(イングランド) (2001.4.17)
アウエーでも、攻撃の姿勢を忘れなかったリーズ、この姿勢が辛うじてのリードでの準決勝進出へ導いた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第2戦
バレンシア(スペイン) 1-0(トータル2-2) アーセナル(イングランド) (2001.4.17)
ゴール=カレウ(バ)
アーセナル、最も避けるべき試合展開、残り少ない時間で1点決められ、準決勝進出を逃す。バレンシアは、セリエA経験者を含める事もあり、イタリアのクラブの様に固い。昨シーズンのファイナリストでもあり、精神的にも充実、最後まで諦めない。アーセナル、リスクを背負っても、第一戦の後半のように、攻撃の人数を増やして、アウエー・ゴールを狙うべきだった?チャンピョンズ・リーグは、アーセナルほどのポテンシャルをもってしても、一筋縄では行かない。
リーガ・エスパニョーラ 2000-01
レアル・マドリード 4-0 ビジャレアル (2001.4.15)
ゴール=グティ(レ)×3、ロベルト・カルロス(レ)
チャンピョンズ・リーグを控え、ラウールとモリエンテスを外し温存、苦戦が予想されたレアル。しかしレアルは強かった。前半、相手陣内の左サイドの深い位置、ロング・パスをダイレクトで折り返したボールは、右サイドのグティへ、それを更にダイレクトでファー・サイドに突き刺した、あまりにも見事なゴール。グティは、ラウールの不在を完璧に埋め、生涯のベスト・プレイと呼べる程の良い働きを見せた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第1戦
リーズ・ユナイテッド 3-0 デポルティボ・ラ・コルーニャ (2001.4.4)
ゴール=ハート、スミス、ファーディナンド
怪我から復帰のキューウェルを左MFに追いやるほど、スミスとビドゥカが好調。DFのファーディナンドも能力を発揮。優れた個人技の集合体のラ・コルーニャを0点に押さえての3点差で、一応の安全圏か?イングランドのチームの好調を感じさせる。ラ・コルーニャの中盤、不在で分かるドナト、マウロ・シルバなどの大ベテランの重要性。彼らはマサに"ボランチ"だ。
UEFA CUP 2000-01 準決勝 第1戦>
アラベス 5-1 カイザースラウテルン (2001.4.5)
アラベス、ラッキーにも見えるPKで2点先取。安全圏の4点差で、ファイナル進出が見えた。アラベスのジョルディ、このゲームの出来が続けば、オランダ代表でベルカンプの代役も何とかなる?リベロに入ったカイザースのバスラー、足技だけは衰えず・・・。
UEFA CUP 2000-01 準決勝 第1戦
バルセロナ 0-0 リバプール (2001.4.5)
イングランドのクラブとは思えないチームに変貌した、リバプール。フラットな3ラインを並べ、リバウド他の攻撃陣を、ゴール前に踏み込ませない。2列目は、DFラインのように固い。あのベルガーを擁しているにもかかわらず。アウエーで0対0だが、ホームでアウエー・ゴールで先制されると、リバプールはかなりキツい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第1戦
ガラタサライ 3-2 レアル・マドリード (2001.4.3)
ホームのガラタサライが大逆転、ホームでは本当に強い。レアルの受けたダメージは少なくないが、2点のアウエーゴールと、たった1点の得点差を、喜ぶべきかもしれない。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第1戦
アーセナル 2-1 バレンシア (2001.4.4)
アーセナルの誇るフランス代表、アンリ、ピレス、ビエイラなど、日本代表を粉砕したタレントが居並ぶ。DFのアダムス、キーオンなども健在。バレンシアも固いチームだが、やはり昨シーズンのようにはカウンターが決まらない。アーセナルも、このゲームを見る限りはビッグ・イヤー候補。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 準々決勝 第1戦
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 バイエルン・ミュンヘン (2001.4.3)
ゴール=パウロ・セルジオ(バ)
いよいよ始まった、チャンピョンズ・リーグの"本番"。因縁の99年決勝のカードだが、両チームのメンツに大きな変化はナシ。潰しあい、騙しあい、スカしあい、兎に角も慎重で、ミスを恐れる。運動量は少ないが効果的なパスを繰り出すバイエルンのエフェンベルグが、効いていた。バイエルンのアウエー・ゴール、有利には見えるが、バイエルンのホームで先制されれば、全くの五分に戻ってしまうので、要注意。ただ、マンUには気迫が弱冠、欠ける気がする。
2002 ワールドカップ 欧州予選 5節
ポルトガル 2-2 オランダ (2001.3.28)
ゴール=ハッセルバインク(オ,PK)、クライファート(オ)、パウレタ(ポ)、フィーゴ(ポ,PK)
やはり厳しい欧州予選、両チームとも互角。フィジカルの強さの際立つオランダに対し、個人技に優れ攻撃の形で優るポルトガル。絶対に勝ちの必用なオランダが2点のリードを追いつかれる。ポレンシャルを上げる為の、"何か"が足りないオランダ。
2002 ワールドカップ 欧州予選 4節
イングランド 2-1 フィンランド (2001.3.24)
ゴール=オーウェン(イ)、ベッカム(イ)、他
エリクソン監督を予定より早く迎えて、兎に角も予選を通過しなければ顔の立たないイングランド。フィンランドに先制され危なかったが、エースのオーウェンとベッカムが決めて逆転。イングランドの戦う姿勢が顕著になり、希望を持たせる。
2002 ワールドカップ 欧州予選 グループ8、4節
ルーマニア 0-2 イタリア (2001.3.24)
ゴール=インザーギ×2
同グループで最大のライバルのルーマニアに連勝し、イタリアは独走態勢?ルーマニアの世代交代は進んだかに見えたが、やはりハジは偉大だ。
フル代表、テスト・マッチ
フランス 5-0 日本 (2001.3.24)
日本は強いという前評判が裏目に出た?ここまで一方的にヤられれば、清々しささえ感じる。フランス代表のロング・パスやクロスは、長く正確で的確。スペースを有効に使うし、判断も早い。こうなっては、日本の3バックもプレッシングも戦術も意味が無い。やはり、ワールド・カップと EURO の連続制覇は、伊達ではない。全ての面で日本は歯が立たなかったが、特に攻撃に対しては、なんら有効な手は打てなかった。最近は特に評価が高いアンリをはじめ、サブで出てくるFWの全員がハイ・レベル。中でもジダンは別格だった。
フランスには、チャンピョンズ・リーグなどでお馴染みの顔ばかりが並ぶ。コンビネーションが作りにくい代表の中にあって、別のチームにいると言っても、ビッグ・クラブ同士の対戦で始終顔を見ている連中。しかも、フランス・ワールド・カップでの強化されたチームの結束は、まだまだ固い。この調子では、ワールド・カップも連覇するのでは?
時期も悪かった。個人技だけでも歯が立たないのに、2000-01 シーズンのチャンピョンズ・リーグや各国クラブの戦いは佳境に入り、フランス代表の各プレーヤーのコンディションは完璧。日本の中で、コンディション的に同レベルであったのは、中田英寿だけ。危惧されるのは、日本からヨーロッパへの選手の流れが途切れてしまう事。ハイ・レベルな戦いで鍛えられるべき日本代表のレベルが、頭打になるのだけは、どうしても避けなければ。中村俊輔も、あの時にペルージャに行っておけば、ナンてならなければ良いが。
戦前の判断では、西澤1トップの中田トップ下、最良の選択に見えた。しかい、試合後にしてみれば、今まで通りの2トップで構えた方が良かった。高原を先発させたかった。城でも、カンプ・ノウという大舞台も経験して場慣れしていたから、使えたかもしれない?でもこの大敗、本当にこの時期で良かった。まだまだ間に合う。
ボルドーに戻ったデュガリー、ナゼ代表ではこんなに好調なのだろう?
2000-01 シーズン、チャンピョンズ・リーグと UEFA カップで、イタリアのクラブ・チームが全てベスト8に進出できず
確かに、"事件"である。大局的に見れば、1980年代終盤からの、ミランとユベントスを中心とした、イタリア・セリエAによるヨーロッパ・フットボール・シーンでの躍進が、一つのサイクルを終演を迎えた、という事が可能であろう。
チャンピョンズ・リーグでベスト8に残ったのは、スペインが2チーム、イングランドが3チーム。あとはバイエルンと、もう驚ろく事もないトルコのガラタサライ。UEFA カップでも、スペインとイングランドは好調。
現在、セリエAでトップをキープするローマ。スペインのリーガ・エスパニョーラでトップのレアル・マドリード、イングランドのプレミア・リーグでダントツのマンチェスター・ユナイテッド。今シーズンの UEFA カップでベスト16で敗退のローマと、レアルやマンUとの近年の実績との差は、明らかだ。相変わらずチャンピョンズ・リーグで手堅い、ドイツ・ブンデス・リーガのバイエルン・ミュンヘンと比較しても、どうだろう?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 2次リーグ 6節
ACミラン 1-1 デポルティボ・ラ・コルーニャ (2001.3.13)
ゴール=ジャウミーニャ(デ,PK)、シェフチェンコ(ミ,PK)
ラ・コルーニャは、特に序盤は、アウエーらしく通常よりかなり引いて守備的に構えた。後半はミランが攻勢に出た為、カウンター気味に攻めた。それなりに持ち味は出た。対するミラン、チャンピョンズ・リーグではしぶとく2次リーグまでは来たが、今シーズンのミランの"らしい形"とは?
J1リーグ 2001
FC東京 2-1 東京ヴェルディ1969 (2001.3.10)
ゴール=三浦淳(ヴ)、呂比須(F)×2
完売して入手できなかった、オープニングの東京スタジアムのチケット。予想よりはるかに盛り上がっていた、早くも実現した、東京ダービー。
個人技は素晴らしい、ベルディのプレーヤー。しかし、あまりにも"昔の名前"に固執したかのような、松木監督の人選。ベテランの味を出すか、名前倒れに終わるかが、このゲームで明らかになる?片や、知将と言われる大熊監督の采配、プレーヤーに実力を発揮させて、ヴェルディを粉砕するか?
ファースト・ハーフの前半、いい形を作って攻めるFC東京。しかし、ヴェルディの新戦力の中でも、大きな存在になると思われる三浦淳、フリーキックを炸裂させた。
時間が無くなった後半残り10分から圧倒的に攻めたFC東京、後半44分のGKのレッド・カードによるPKで、同点。延長の後半に、呂比須のVゴールが決まる。
首都東京のホーム・チームの存在と、新築なったホーム・グラウンド。もう東京スタジアムに行くしかない?
リーガ・エスパニョーラ 2000-01
レアル・マドリード 2-2 バルセロナ (2001.3.4)
ゴール=ラウール(レ)×2、リバウド(バ)×2
各国リーグ戦の中で、今や世界で最も注目を集める一戦。セリエAでの、ミラン・ダービー、ローマ・ダービー、ユーベ対ミランなどの注目度は、この一戦には及ばなくなった。チャンピョンズ・リーグや UEFA カップでの、イタリアのチームの凋落と、スペインのチームの大躍進を、如実に反映している。
昨年のバルサ対レアルの、フィーゴなどへの強烈なブーイングの、まさに裏返し、サンチャゴ・ベルナベウのスタンドは、チーム・カラーの白一色に。満員のサンチャゴ・ベルナベウは常に、渦を巻くような盛り上がりだが、このゲームは、更に凄い。通常の神経であれば、敵意剥き出しのブーイングに戦慄するところだが、逆に、凄まじい攻撃精神へエネルギーを転化させている。両チームのプレーヤーとも、平常心を保とうとすればするほど、熱くなっていく。しかし、相手の足をダーティーに掬い上げるようなマネはしない。戦術的に裏をかく事のみ専心することもない。エネルギーは常に、相手ゴールへ向けられる。兎に角シュートは打つという姿勢が、素晴らしい。
各国のビッグ・クラブは、いずれも"多国籍軍"となっているが、この2チームは、チームとして非常にまとまっている。意地の張り合いともいえるゲームの、2対2のイーブンという結果は、妥当なところか?
リーガ・エスパニョーラ 2000-01
デポルティボ・ラ・コルーニャ 2-2 レアル・マドリード (2001.2.25)
個人技では、レアルを圧倒するラ・コルーニャ。ジャウミーニャ、フラン、エメルソン、好調のビクトルにマカーイが絡み、いつになくレアルのゴールが脅かされる。攻めに攻めたラ・コルーニャだが、終わって見れば、レアルの勝ちに等しい引き分け?
セリエA 2000-01 19節
バーリ 0-1 ユベントス (2001.2.18)
ゴール=デル・ピエーロ(ユ)
デル・ピエーロ、左の角度のほとんどない所から、ループ気味に決める。今シーズンのベスト・ゴールだ!!(?)
UEFA カップ 2000-01 4回戦 第2戦
リバプール 0-1 (トータル2-1) ローマ (2002.2.22)
リバプールは、予想以上に強かった。イタリアのクラブ・チームも、名前だけでは勝てなくなってきた。
中田、左サイドから時折いいボールを供給する。相変わらずうまい。しかし、アウエーでの厳しい状況を打破する力強いプレイは見られず。
得点に結びつく、予想外の動きや、強引なシュート。それらがなければ、トッティーのポジションは脅かすこともできないし、レギュラーの座も奪えない。
UEFA カップ 2000-01 4回戦 第1戦
ローマ 0-3 リバプール (2002.2.15)
ゴール=オーウェン(リ)×2
ツィーゲ、バベル、ハマンと、元バイエルン・ミュンヘンのドイツ代表を3人も揃えたリバプール。他にも屈強のDF、MFを揃え、守備を固めてのカウンター狙い。2トップはファウラーとオーウェンと、非凡なゴール・ゲッターが激しく動き回る。
バティストゥータとトッティーに替わっての、モンテッラと中田の起用、リバプールの守備陣に、良い攻撃の形を作れない。積極性にも欠ける。中田とアスンソンの交代は誤りではなかったが、間の悪い攻撃は、バティ投入後も変わらず。運にも恵まれなかった。先制点さえ奪っていれば、流れは違っていただろう。
対するリバプールのカウンターは、見事に決まる。ファウラーとオーウェンは絶好調。特にオーウェンの2つのゴールは、天才FWの実力を見せつけた。特に2点目の、ツィーゲのクロスに合わせたヘディングは見事。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 2次リーグ 3節
レアル・マドリード 3-2 ラツィオ (2001.2.14)
ゴール=クレスポ(ラ)、モリエンテス(レ)、エルゲラ(レ)、フィーゴ(レ,PK)他
再開されたチャンピョンズ・リーグ。2次リーグは2連敗で、負ければ決勝ラウンドが絶望的になるラツィオ、クレスポの先制ゴール。これでゲームがヒートアップ。エルゲラの2点目の直後にゴールを決め、一度は追いついたラツィオだったが、レアルの猛攻に屈した形に。エルゲラの攻守に渡る活躍が圧巻だったが、常にトライアングルを形成してのパス・ワークと、攻撃の局面でのスピードは、流石にディフェンディング・チャンピョン。アウエーのラツィオ戦でも、力を見せつけるか?
セリエA 2000-01
アタランタ 2-1 ユベントス (2001.2.3)
アタランタの見事な攻撃サッカー、モルフェオの加入(復帰)により、完全に息を吹き返す。インテルやミランでレギュラーの座を確保できず、各チームを放浪、フィオレンティーナから1月のカルチョメルカートで移籍したモルフェオ。スピーディーで攻撃的なチームで信頼されて使われれば、実力を発揮できる事を証明。きちんとコンディションをキープしていたのも驚異。
現在好調のユーベを相手に、引いて守ってしまう姿勢は全く見えない。そのチームの攻勢が、後半の逆転劇、ベントラの2点目を生んだ。ユーベも、決して悪かったワケではない。今日のユーベは運がなかったし、両チームとも、攻撃的姿勢と粘り強い守備を見せた、いいゲームだったと言える。
リーガ・エスパニョーラ、シーズン中盤の攻防
首位 = レアル・マドリード
2位 = デポルティボ・ラ・コルーニャ
3位 = バルセロナ
4位 = バレンシア
シーズン開幕当初は不調のレアルとバルサ。両チーム共に勝ち点を重ねる。現在の上位4チーム以外が首位を奪う可能性は、ほぼ消えた。また、4チームのうち、どのチームが優勝するかは、全く分からない。確かにレアルは、現在は絶好調。2000年のトヨタ・カップを落したとはいえ、何しろ"20世紀最優秀チーム"だ。選手層も厚いし、勝ち方を知っている。しかし、他の3チームとの勝ち点差は少ない。やはり、ヨーロッパのカップ戦との関連が、リーグ制覇の決め手となるか?
(記2001.1.27)
セリエA、シーズン中盤の攻防
首位 = ローマ
中盤でのコンビネーションはイマイチに見えるが、自陣と相手側の、両方のゴール前で、兎に角強い。FWバティストゥータとDFサムエルの獲得は大きく、両者の能力の大きさは勿論だが、選手層が目に見えて厚くなり、バリエーションも増えた。薄くなりがちな中盤は、トンマージなど絶好調の選手がカバー。
中田の出場機会は、2月の UEFA CUP の再開までは少ないままだろう。ボランチの位置で出場したゲームでの出来は、たしかに充分ではない。難しいポジションだけに、不出来もやむを得ないかもしれないが、ビッグ・クラブのサブである限りは、もう一つ得意なポジションを作らざるをえない。しかし、ローマに在籍したままで、チームで何らかのタイトルを獲得すれば、これは中田のキャリアにとっては非常に大きなことだ。
2位 = ユベントス
高い得点力と粘りのあるゲーム・メイクで首位を走ってきたローマ、ここ数試合で疲れを見せた?そうしているうちに、勝点差3の2位まで迫って来た、ユーベ。昨シーズンに続き、少ない得点で逃げ切るパターン。筆者にとっては、面白さに欠けるゲーム運び。今シーズンは、カップ戦からも脱落したしスクデットしかない。チームとしての強烈は勝ちへの意思はうかがえる。
3位 = ラツィオ
驚異的な戦力、アルゼンチン攻撃トリオのクレスポ、C・ロペス、ベーロンが、揃って怪我。名将エリクソンでも、如何ともし難し?しかし、粘って3位。戦力も徐々に回復。DFネスタも健在。昨シーズンに続いての一気の逆転スクデットもあり得る。パルマに売られたセルジオ・コンセイソンの右サイドの穴も、ポボルスキーがカバーした。エリクソンが予定より早くイングランド代表監督に就任してしまったが、代行監督がゾフなら、問題はナシと言えるだろう。
4位 = フィオレンティーナ
キエーザ、ヌーノ・ゴメス、ルイ・コスタが絶好調のフィオ。この時期の4位は、シーズン開幕当初を考えれば、信じられない位置。攻撃的で得点を重ねるフィオは、現在リーグで最も素晴らしい状態。トルコから来た監督、テリムの評価も高い。しかし、選手層も厚いとは言えず、好調も持続する保証はない。UEFA 圏内に残ることが、現実的な目標であろう。
5位 = アタランタ
Bからの昇格からにもかかわらず首位をキープしていたアタランタも、息切れ?ここ数試合、なかなか得点できない。ユース育成システムを完備したアタランタ、今シーズンもドナーティーなどの若手を活躍させている。ベテランのDFカッレーラやFWガンツなども、好調。
5位 = ACミラン
強いのか弱いのか?シーズン後半は、ホセ・マリの起用法と、チャンピョンズ・リーグとの兼ね合いが、カギ。
12位 = インテル
移籍金のムダ使い?やはり、得点が少な過ぎる。
(記2001.1.27)
セリエA 15節
ミラン 3-2 ローマ (2001.1.21)
今シーズン、スクデットを狙うとすれば後のないミラン。追い上げるユーベをかわしたい首位のローマ。サン・シーロ、久々の満員。ミランのレオナルド、ローマの出端を挫く強烈なフリー・キック。シェフチェンコ、万能ゴール・ゲッターぶりを見せつける2得点で、2シーズン連続の得点王を狙う。
リーガ・エスパニョーラ
ラス・パルマス 1-0 エスパニョール (2001.1.14)
エスパニョールの西沢がデビュー、15分だけ。FWは得点だ。
ラス・パルマス、中村獲得のウワサあり。
リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 4-0 オビエド (2001.1.14)
レアルの4点目はマクマナマン、ロベルト・カルトスのロング・クロスに対し、縦にドライブするボレーで決める。モリエンテス、バロン・ドールのフィーゴ、ムニティスが得点、圧倒的攻撃力を見せつける。
セリエA 14節
フィオレンティーナ 4-1 ミラン (2001.1.13)
トルコのガラタサライを率いてUEFA カップを制して、イタリアにやって来た、フィオレンティーナのテリム監督。DFラインを高く保ち、攻撃の局面では常に人数を保つ布陣。ルイ・コスタとヌーノ・ゴメスのポルトガル・コンビに、蘇ったキエーザを加えたトライアングルが絶好調。スピードと決定力は驚異。不調のミラン、ご丁寧にも3人に1点づつ献上する。アウエーなが自陣に押し込まれ、FWシェフチェンコにもほとんどチャンスが来ない。フィオレンティーナ、シーズン開幕当初の不調がウソのような絶好調さ、上位をうかがう勢いだが、ひょっとしたら今だけ?
FIFA 世界最優秀選手と、UEFA 欧州最優秀選手(バロン・ドール)
ジダン
フランス代表で、98年ワールド・カップと EURO 2000 連続優勝という偉業の達成に、大きく貢献。動きの異常に素早いタラバガニのごとく、懐の深いボール・キープをベースとし、ドリブル、パス出し、シュートへの判断を瞬時に行なう。ドリブルの切り返しも、早くて深い。意外な方向へのパスが正確。プレース・キックも強烈。大舞台での重要な場面での集中力も素晴らしく、チームを救う得点も数多い。大きな怪我もなく、強靭なフィジカル。攻撃の司令塔として技術は現在、世界最高峰なのは間違いない。世界のフル代表の監督の投票により決定される、FIFA 世界最優秀選手に選ばれたジダン。しかし記者投票によるバロン・ドールでは、僅差でポルトガル代表のフィーゴに次いで、2位。現在の所属クラブ・チームでのユベントスでの総合的な実績は申し分ない。加入の96-97シーズンから2シーズン連続で、チャンピョンズ・リーグのファイナル進出。ジダンは、攻撃の中心としての役割は充分に果たしている。しかし、ここ2シーズンのユベントスは、それまでの数シーズンの輝かしい実績からは見劣りする、らしくない戦跡。期待された今シーズンのチャンピョンズ・リーグ、1次リーグで敗退。かつては、重要なゲームでの局面を打開させていたチーム全体に漲る闘争心が、ナゼか空回り。勝利に結びつかない。
例のハンブルガー戦での、頭突きでの退場が、ジダンのイメージを落した。世界一のテクニシャンで、フィールド外では物静かなジダンの、必然性の全く感じられない、信じられない退場劇が実に残念。98年ワールド・カップでのレッド・カードなど、時折垣間見せる、らしくないラフ・プレイを思い出させる。プレイぶりは衰えもないジダン、本人のプレイ以外の要因によって、バロン・ドールを落す?
フィーゴ
ワールド・ユースなどでも活躍し、若くして"ポルトガルの至宝"と言われる。スペインの名門バルセロナに移籍し、リーグ制覇や UEFA カップなどのタイトル奪取に貢献。相手ディフェンダーを寄せ付けないドリブル突破には、相当に迫力がある。ロング・クロスが非常に正確で、ミスが少ない。チームが劣勢でも、手を抜かない。右サイドを支配するが、左サイドでもプレイのクオリティは落ちない。ポルトガルのフル代表では、98年ワールド・カップ出場を逃すなど、イマイチであった。しかし EURO 2000 でのポルトガルは予想を上回る出来で、優勝もありうるチームだった。中でもフィーゴのプレイは光った。2000-01シーズンに、スペイン国内でバルサと強烈なライバル関係にあるレアル・マドリッドに、60億円以上という巨額の移籍金を動かして、去ってしまった。これによるバルセロナのソシオの激しい怒り・反感・憎悪を呼ぶ。カンプ・ノウでの"スペイン・ダービー"、バルサ対レアルでの大ブーイングは、一選手に対するモノとしては度を越していた。コーナー・キックは、モノを投げつけられて不可能であったが、フィールド中央付近でのプレース・キックを敢行。通常の評価基準であれば、プレイの出来は悪い方であったと言わざるを得ないが、このゲームでのフィーゴのプレイは、全欧州の注目を集めていたハズである。EURO 2000 での悲劇的とも言える敗退と、移籍劇。レアル有利と予想されたトヨタ・カップも、落す。"悲劇のヒーロー"的な色合いを醸した、2000年のフィーゴ。バルセロナに残っていれば、バドン・ドールの受賞は無かったかもしれない。ジダンを上回ると言い切れる攻撃的プレーヤーは、存在しない?しかしフィーゴは、バルサ戦以降の年末、生涯の3本の指に入るゴールを決めたり、3試合連続ゴールをマークするなど絶好調で、バドン・ドール受賞に相応しいプレーヤーである事を証明した。
ネスタ
ラツィオでのイタリア・セリエAのスクデット活躍。EURO 2000 での準優勝。マンマークは強烈。読みも抜群。フィジカルも強烈。ディフェンス陣の指揮官として、声も出し、キャプテンシーもある。やはり、ディフェンダーのバドン・ドールは難しい。
シェフチェンコ
ACミランで、DFのマークの世界一厳しいセリエAの1シーズン目で、得点王を獲得。強靭なフィジカルと共に、非常な俊足。並外れた脚力をベースとしてのドリブルやシュートは超人的。素早い反応。ヘディングもある。90分間戦っても落ちないスタミナ。ウクライナ代表として、EURO 2000 で活躍すれば、バロン・ドール受賞もあり得た?
リーガ・エスパニョーラ
レアル・マドリード 3-1 ラージョ・バジェカーノ (2000.12.19)
トヨタ・カップは落した。しかし、フィーゴ、エルゲラ、ラウールのゴールで、20世紀の最優秀チームの実力を証明したかのような、見事な出来のレアル。フィーゴは3試合連続ゴール、チームは6連勝。ラージョ・バジェカーノ、侮りがたし。FW、ボスニアのボリッチは、注目。
フレンドリー・マッチ
日本 1-1 韓国 (2000.12.20)
レッド・カードを出し10人になった韓国の、戦術を超えた攻撃精神。20世紀の最後で、一応、日本の実力が韓国に追いついた、ということで・・・。
セリエA 10節
ミラン 4-1 レッチェ (2000.12.10)
シェフチェンコ、ゴール前でのこぼれ玉に対して、信じがたいスピードの反応と振り抜き。マルディーニによると、シェフチェンコは、その実力の全貌を見せていないという。
セリエA 10節
ローマ 2-1 ウディネーゼ (2000.12.10)
中田英寿、UEFA カップに続き、フル出場。FWのトッティとバティストウータに必殺のパスを繰り出す。90分戦い、スタミナも持続。中田とローマの各選手とのコンビネーションも、昨シーズンのローマ加入時と比較にならない位に良くなっている。ローマ、勝つには勝っているが、どうも中盤が不安定。各選手とも個人技は高いが、洗練度では、現在は下位のミランに劣る。サムエル他のDF陣と、バティ他の攻撃陣に、ゲームを任せている感じ。
リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 4-1 エスパニョーラ (2000.12.10)
リバウドとクライファート、圧倒的個人技とコンビネーション。特にクライファートのポスト・プレーが圧巻。小柄なMFのチャビも、徐々にその実力を示しつつある。チャンピョンズ・リーグから姿を消したバルサ、遅れ馳せながら力を取り戻しつつある?やはりビッグ・クラブ相手だと、コケてしまうか?
UEFA カップ 3回戦 第2戦
ハンブルガーSV 0-3 ローマ (2000.12.7)
ホームで強いハンブルガー。チャンピョンズ・リーグの1次リーグでユベントスを破壊したが、別のチームになってしまった?トフティングやマハダビキアは相変わらず好調だが、あの時は勢いだけだったか?中田、またもフル出場。確かにカップ戦要員だが、仮にもビッグ・クラブで、UEFA カップでのフル出場だから、ネガティブな形の起用では決してない。得意のパス出しは冴える。しかし、ゴールは奪えず。理由如何によらず、チャンスではゴールを決めなければ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 2節
ラ・コルーニャ 0-1 ミラン (2000.12.6)
99-00のリーガ・エスパニョーラを制し、早いパス回しと攻撃精神で、実に"いいサッカー"をする、デポルティボ・ラ・コルーニャ。ミランのゴール前まで迫るが、イタリア伝統の堅守に阻まれる。逆にワン・チャンスにやられる。
UEFA カップ 3回戦 第1戦
ローマ 1-0 ハンブルガーSV (2000.11.23)
チャンピョンズ・リーグでユベントスなどを苦しめたハンブルガー、ローマに乗り込む。ハンブルガーの切れ味のなさにローマは助けられたが、1点のリードでは充分ではない。ハンブルガーは、ホームで強い。中田英寿、フル出場。動きはまずまず。アウエー戦で活躍すれば、中田の評価は当然上昇するが・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 1節
スパルタク・モスクワ 4-1 アーセナル (2000.11.22)
"西側"のチームにとって、東欧・北欧のアウエー戦は、鬼門。真冬の低温、コンディションの悪いグラウンド、独特なサポーターのノリ、アーセナルは飲まれてしまった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 1節
リーズ 0-2 レアル・マドリッド (2000.11.22)
アウエーにもかかわらず、圧倒的なボール支配率のレアル。トヨタ・カップ直前でモチベーションが上がった為か、個人技では、リーズを全く寄せ付けない。前半は、ボールを支配するだけで決め手を欠いたが、後半に、イエーロとラウールで2点。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2次リーグ 1節
ACミラン 2-2 ガラタサライ (2000.11.21)
昨年の今頃、ミランは1次リーグで、トルコのガラタサライに破れたことにより、敗退を余儀なくされた。このゲームが復讐戦となるところが・・・。前半、守備・攻撃ともに数的優位を形成し、効果的にボールを動かしたガラタサライ。ポルトガルのFCポルトから移籍のジャルデウ、強烈なボレー・シュートで先制。更に1点を加えて、アウエーで何と2点のリード。元ルーマニア代表の大ベテランのハジも健在、司令塔ぶりを発揮。その後、遅れ馳せながらのミランの大攻勢で、同点に追いつく。昨シーズンの UEFA カップ制覇に続き、チャンピョンズ・リーグでも、ガラタサライの勢いは衰えない。しかしそれでも、ミランは不甲斐なさを感じさせた。サン・シーロのサポーターの怒りも、分からないではない。
ワールドカップ 欧州予選 3節
フィンランド 0-0 イングランド (2000.10.11)
監督の定まらないイングランド、サッカーの母国としては、かなり不甲斐ない。チームとして、十分に機能していない。ベッカムの不在も、痛い。ホームのフィンランド、無得点ではあったが、様々な攻撃パターンを見せた。その中心が、リトマネン。アヤックスを世界一に導いた技術は、健在。Wカップ・フランス大会の予選の頃は、リトマネンと周囲のプレーヤーの技術に、決定的な差があった。しかし、このゲームでは、他のプレーヤーもキャリアを積み、チームがリトマネンを充分に活かす形が出来ていた。天才リトマネン、念願のWカップ出場を果たすか?
ワールドカップ 南米予選
ブラジル 1-0 コロンビア (2000.11.15)
勝つには勝ったが、ブラジルは相変わらずで、好調とは言えない。ロマーリオは出場せず。どうしてロマーリオ以外のFWは点が取れない?
リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 1-2 ビジャ・レアル (2000.11.12)
チャンピョンズ・リーグでは1次リーグ3位で、UEFA CUP にまわったバルサ、リーガでも失態。先シーズン、バリャドリッドで城と2トップを組んだビクトール、見事なゴール。バルサにフィーゴとリバウドがいないと、普通のチームになる。驚異のFWのクライファートにも、ボールが来なければ、タダの人に。
UEFA カップ 2回戦 第2戦
ローマ 1-1 ボアビスタ(2000.11.9)
セリエAに続き、中田英寿が先発。より一層攻撃的プレイを望まれる中、期待通りの動きを見せ、かつ中田らしさを見せる。ローマの1点は、コースをよく読んだ、中田のグラウンダーのゴール。但し、後半はイマイチ。アルゼンチン代表のサムエルの加入は、DF陣に安定感をもたらした。リナルディとマンゴーネも、成長しつつある。次は、中田のビッグ・クラブとの対戦を見たい。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 6節
パナシナイコス 3-1 ユベントス (2000.11.8)
EURO 2000での、ユーゴスラビアの3試合連続1人退場にも驚いたが、あのユーベが2試合連続2人退場!現在のユーベ、状態が良いとは、間違っても言えない。1次リーグでは4位で、UEFA CUP にも行けず。ユーベの敗因:積極的な選手補強をしたとは言えないユーベ、セリエAでも十分スクデットを狙える戦力とされてはいるが、果たしてどうか?チャンピョンズ・リーグ3回連続決勝進出を果たした後、2シーズンを経過。主力のメンツは、そう大きく変化していない。かつて、大ブレイクしつつあったビエリを切ってインザーギを獲得したような大胆さが、現在、フロントにはないようだ。選手の値段の異常な高騰も背景にあるが、例えば、デル・ピエーロかインザーギの放出には動けなかったのか?それが好結果をもたらすかどうかは、筆者にも分からないけれども・・・。
セリエA 5節
ブレシア 2-4 ローマ (2000.11.5)
トッティ、ふくらはぎの負傷!前節はチームの遠征に帯同もしていなかった中田、先発に。最大にして最後のチャンスと言われているが?賛否両論だと思われるが、この1試合で中田を評価することは出来ない。カペッロ監督の判断により、中田は完全にトッティの控え。基本的には UEFA CAP のサブ要員で、トッティに何かあった場合にのみセリエA出場。早くも、5節にしてチャンスが訪れた。今シーズンの4節までの絶好調トッティと比較すれば、確かに見劣りするかもしれない。しかし、ベンチ入りや途中出場のない中田が、ローマでのトッティあってのトップ下のポジションに入って、イキナリ結果を求めるのも酷。特に今シーズンは、バティストゥータが加入して、新たなコンビネーションが要求されているのだ。それでも、最低限の働きを求められる、プロとしての、"ジョカトーレ"としての中田。ゴール前での縦への切れこみが欲しかったのは、確か。目覚しい活躍はなかったが、トッティの穴を感じさせることはなかったのでは?"トップ下は失格"というネガティブな評価は正しいとは言えない。今週の UEFA CAP、ホームでのボアビスタ戦では、ベンチ入りか先発は間違いないので、もう一度よく見てみたい。それにしても、バティストゥータはスーパー。30歳を超えても、衰えは見えない。それどころか、フィオレンティーナを上回るローマでのサポートを得て、決定力には磨きがかかっているようにも見える。気になるのは、トッティ。今回の故障が、疲労の過度の蓄積から来るものではないかと懸念されるが・・・。
セリエA 4節
インテル 2-0 ローマ (2000.11.1)
トッティ、バティストゥータ、デルベッキオからなる、"鉄の攻撃陣"が爆発して、開幕から3連勝のローマ。ゴール前での3人は、本当に怖い。しかし、フィジカルと個人技のレベルは高いが、戦術的にイマイチのメンツがそろう。この点で、トッティのアイディアは欠かせない。この日のローマは詰めが甘く、"トルコのファンバステン"、ハカンの得点などで、インテルが勝利。ローマの中田の不在、やはり解せない。スーパー・サブでも、力を出すと思うのだが・・・?
アジアカップ 決勝
日本 1-0 サウジアラビア (2000.10.29)
サウジは、やはり初戦とは違った。9割の入りの観客席のほとんどが、サウジ・サポーター。両チームとも疲労の色は隠せないが、決勝らしい緊迫したゲーム。日本の優勝の意味は、2002年ワールド・カップのホスト国の当然の義務であるが、チームの方向性に問題はない。失点が目立つが、3バックの当然のリスクであって、攻撃的であることは評価できる。中盤の安定性とFWの得点力が必要。ヨーロッパの強国のリーグに、最低3人の日本代表レギュラー級を送り込み、鍛えあげ、代表に反映させなければ。
バロン・ドールに異変?
チャンピョンズ・リーグ1の次リーグ5節で、ユーベのジダン、相手選手に"ヘディング"するという信じられない報復行為。UEFAのカップ戦での5試合の出場停止を食う。考えて見ればジダンは、98年ワールド・カップをはじめ、レッド・カードが多い。今回の措置も、過去に目に余るラフ・プレイも背景にある、とのこと。こうなると、バロン・ドール(欧州最優秀選手)の評価にも影響を与えると考えられる。フィーゴ(レアル・マドリッド、ポルトガル代表)に流れるか?ネスタ(ラツィオ、イタリア代表)の評価が上がるか?
アジアカップ 準決勝
日本 3-2 中国 (2000.10.24)
やっと、手応えのある相手。それでも、非常に危険なチームとは言えない。多少は客席に入り始めた観客。
UEFA カップ 2回戦 第1戦
ボアビスタ 0-1 ローマ (2000.10.26)
敵地ポルトガルで、セカンド・ハーフに中田英寿が登場!今期は初めて見た!久々の登場で、相当なやる気。しかし、ロング・パスでの冷静さと正確さを、多少欠いている。中田が存在することにより、明らかに攻撃のバリエーションは増える。攻撃のリズムは好転し、モンテッラの1点が生まれた。しかし全体的に守備は軽くなる。レギュラーの3トップに加えて、守備的位置に中田を入れるのは、確か不安である。だからと言って、EU外外国人枠に収まらないとして、ベンチにも入れないのは???だ!カペッロ監督としては、セリエAで勝っている限りは、中盤の組み立てがイマイチだとの批評があるとしても、基本方針は変える事はないだろう。それでも中田を放出する事は出来ないであろう。トッティに万一の事態が発生すれば、大金を投じてのバティストゥータやサムエルの獲得が、ムダになってしまう可能性がある。ローマでのトッティのトップ下に位置する意味は、現在ではそれだけ大きい。しかも、トップ下の交代要員としての中田の価値は、限りなく高い。増大したトッティの価値が、中田の放出をつなぎ止めるという、中田としてはありがたくない状況?
アジアカップ 準々決勝
日本 4-1 イラク (2000.10.24)
苦々しい記憶、あの"ドーハの悲劇"は、遠い過去のものになったか?見事なミドル・シュート1点先制され、いやな感じがしたのは一瞬、あとは日本のゴールラッシュ。しかし、日本の不用意なディフェンスはあったし、剣勝負相の雰囲気からはズレている。相変わらず、"寒い"客席。
リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 2-0 レアル・マドリッド (2000.10.22)
超満員のカンプ・ノウ、"裏切り者"扱いにされたフィーゴに対する、容赦なく徹底的ブーイング。モノを投げつけられ、コーナー・キックも出来ないが、果敢にフリー・キックは打つ。スタンドは異様な雰囲気だが、バルサのソシオは、それをエンジョイしている気配もある。そんな中でも、リバウドやチャビはいつものプレイ。前半ルイス・エンリケの久々のゴール。レアルは、ラウールを中心に果敢に攻めるが無得点、後半、シモンにも決められる。フィーゴのプロ根性に、清々しさすら感じたのは、私だけではないハズ。
セリエA 3節
ミラン 2-1 ユベントス (2000.10.21)
チャンピョンズ・リーグの疲れが残る両チームによる因縁の対決、前半は妙に固い。後半のミラン1点先取の直後、ボバンのクロスにチェフチェンコが合わせる。途中出場のユーベのトレセゲが、ジダンのクロスに反応。ミランの逃げ切りかと思われた試合終了間際、ベテランのコンテ、同点ゴールを決める。後半だけは、超白熱の試合。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 4節
ミラン 3-3 バルセロナ (2000.10.18)
蘇ったミランのアルベルティーニ、強烈なロング・シュートを2発。対して"世界最優秀選手"、リバウドのフリー・キックが、こちらも2発。久々に見た満員のスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァで、中盤でのつぶし合いが強烈。シェフチェンコに対するバルサのマークがさすがに厳しく、ボールを持たせてもらえない。前半終了間際のホセ・マリの3点目に対し、後半のリバウドのハット・トリックで、同点。今シーズンのチャンピョンズ・リーグで、放映された中でも、内容の濃い、厳しい試合。後の無いバルサ、怪我人続出の中で、それもアウエーで良くやったと言える?移籍説もあるリバウドに、助けられた。
アジアカップ グループ・リーグ 第2戦
日本 8-1 ウズベキスタン (2000.10.17)
ウズベクの不調もあるが、高原、西沢、森島の攻撃トリオが、トチ狂ったように決めまくる。まだまだ点が取れた感じ。しかし、第1戦に続き、相手がモロ過ぎ。観客の少ないレバノンのスタジアムは、寂しい。
アジアカップ グループ・リーグ 第1戦
日本 4-1 サウジアラビア (2000.10.14)
サウジアラビア、中盤を構成できず、攻撃陣の突破力頼み。日本、コンビネーションが成熟。名波が抜群、小野の復活も心強い。DF松田の守備力も目立つ。
ワールドカップ 欧州予選 3節
ノルウエー 0-1 ウクライナ (2000.10.11)
レブロフ、ルズニー、ショフコフスキーなどの、元・現のディナモ・キエフのプレーヤーが主力のウクライナ、選手間で、機能的にポジション・チェンジを繰り返し、守備・攻撃の切り替えが実にスムース。決め手は勿論、チェフチェンコ。強さ、スピードに加え、懐の深さを見せつけ、1点をゲット。ノルウエー、連携はもとより、力強さに欠けた。
ワールドカップ 欧州予選 3節
オランダ 0-2 ポルトガル (2000.10.11)
卓越した個人技の集団ポルトガル、FWヌーノ・ゴメス不在の中でも、点を取れれば勝つ!良し悪しの極端なオランダ、今日はダメ。名将ファン・ハール、悪い時のバルセロナを連想させる采配。なぜ、コクーがセンター・バックなのか?
シーズン、デル・ピエーロは蘇るか?
ヨーロッパを中心とした、フット・ボール・ワールドにおいて、近年の試合過多は、目を疑うものがある。凄い試合が毎日のように見ることが出来れば、楽しい。ペーパー・ビューTVの普及により、ここ日本でも、少なくとも放映試合数については、既に実現していると言っても良い。しかし、実際の試合内容について検証してみるならば・・・。例えば、イタリアについて見るならば、セリエAで32試合に、ホーム&アウエーのコッパ・イタリア、昨シーズンのスクデット・チームのラツィオなら、チャンピョンズ・リーグでファイナルまで行けば19試合、代表レベルの選手なら、ワールド・カップやユーロの予選、トヨタ・カップで日本まで遠征する。最近、ヨーロッパにおける試合過多が原因のゲーム内容の劣化が、よく言われる。トップ・レベルの選手の怪我も非常に多い。見ることの出来る試合数が増えても、時差のある日本で、せっかく夜中に起きて見た試合がつまらなかったり、見たい選手が出場しなかったりしたら、実に悔しい。昨シーズンのセリエAは、平均すれば、やはり試合の質が近年になく落ちたのではないか?放映試合数の増加により、レベルの低い試合まで見た、という事ではないと思う。ミランやユーベの試合が、期待したほど楽しくはないのである。チャンピョンズ・リーグの1次リーグというのも、イマイチであることが多い。原因は、はっきりしている。(1)絶対試合数の増加により、2チーム分の選手を揃えた事により、チームのコンビネーションが機能しにくくなっている。(2)試合数の増加により、選手個人が、力をセーブせざるを得ない。(3)オフ・シーズンの短縮による休養の未消化とトレーニング不足、試合数の増加により、怪我が増える。(4)視聴者が見飽きる。
デル・ピエーロやロナウドは、近年の試合過多の犠牲者ではないのか?単純な不可抗力なら、見る側としての納得も可能だが・・・。戦争の惨禍で焼失してしまったクリムトの絵画と同じだ(我ながら凄い例えだ)。95-96シーズンと97-98シーズンのデル・ピエーロを見なければ、デル・ピエーロを語ることは出来ない。98年の左足の怪我までのスーパー・プレイを見た者にとっては、それがデル・ピエーロを見る上での"基準"になってしまう。95年のアウエーでのドルトムント戦や、98年のホームでのモナコ戦など、思い出す。利き足ではない左足でのボレー・シュートは武器の一つだったが、怪我の原因は、このシュート体制から、足をボールでなく相手DFに当ててしまったことによる。ここに、疲労から来る集中力の低下を見る事は出来ないだろうか?!ロナウドなら、バルサでの1シーズンと、インテルでの1年目。99-00シーズンで、チェフチェンコは24ゴールで得点王だが、ロナウドは、インテルの初シーズンで25ゴールだ!セリエA 2000-01シーズン第1節ナポリ戦、デル・ピエーロは、得意のゴール前左サイドからの見事なゴールを見せた。その弾道に、回復の兆しを見た。更に距離が長く独特のカーブのシュートが決まるのはいつだろうか?ロナウド、ブラジルに帰国する話がある。地元で再起し、スーパー・プレイが蘇れば、またヨーロッパに戻れば良いのである。
(記2000.10.12)
ワールドカップ 南米予選
ベネズエラ 0-6 ブラジル (2000.10.8)
ロマーリオ、4点・・・!
ワールドカップ 欧州予選 2節
スペイン 2-0 イスラエル (2000.10.7)
10万のサポーターをサンチャゴ・ベルナベウに迎えたスペイン。曲者のイスラエルに、勝利。復帰したDFイエーロの存在が、圧倒的。完勝といえるが、ラウールのコンディションが悪いと、攻撃も単調になる。
ワールドカップ 欧州予選 2節
イングランド 0-1 ドイツ (2000.10.7)
EURO 2000 で大失態を演じた"強国"、イングランドとドイツ。両代表チーム共に、肝心なところでの失点、ドロー、敗戦、というパターンが続く。勿論、多国のフット・ボールにおける、選手の質の向上、戦術の高度化が達成され、"名前"だけでは勝てない時代である事は間違いない。所詮、スポーツ。イングランドとドイツ自国リーグのクラブ・チームへの、外国人選手の大量流入が云々される。しかし、イタリアやフランスだって外国人選手が多いという事情は、大きくは変わらないハズ。フット・ボール界に吸収される選手の卵の裾野は、日本が逆立ちしてもかなわない規模だろう。だが、かつての実績、我々が持っているイメージと比較して、タレント不足の感は否めない。大国特有の組織の疲弊に対して、一度崩れた組織の再生に時間がかかってしまうということか?ドイツは、2006年ワールド・カップの開催国。6年後に照準を合わせて、サッカー界に対する国家レベルでのバック・アップによる、選手の質の向上が図られるのは、間違いない。その為には、EURO 2000 の悪夢を振り払って、今回の予選で次代に受け継がれていく、それなりの実績を積み重ねなければならない。現状でのベストを尽くす必要がある。"母国"イングランドはどうか?若手の台頭は間近で、EURO 2000でも、若手を多く登用すべきだったとの声も高い。若手の台頭の点では、現時点では、ドイツを上回っているイメージは、ある。代表への若手のチョイスは不充分だが、徐々にテストされてゆく事であろう。1970年代以後に失われた母国の威光を、いち早く取り戻す必要があるが、大きな結果は今だ出ていない。マンチェスター・ユナイテッドの躍進により、クラブ・チームのレベルでは一応の体面をギリギリ整えているが、"3冠"マンU所属の代表選手でも、活躍の度合いに大きな差がある。それはこのゲームでも明らか??雨の聖地ウエンブリー・スタジアム。前半のハマンのフリー・キック、GKシーマンが押さえられず。この1点を守り、ドイツの粘り勝ち。確かに良い試合だった。互角と言える。負けたのは、ホームのイングランド。サポーターの脱力感は、相当なものだろう。我々日本人は最近、この脱力感を良く理解できるようになった。ドイツでは、ショルなどが良かったが、今回の先発が、もし仮に全員コケた場合は非常に苦しいという、厚いとは言えない選手層。しかし、この試合では、全員が見事な集中力。イングランドではやはり、ベッカムの早く正確な"普通"のクロス・ボールが、圧倒的に有効。MFとしての技術を云々されるが、欠く事の出来ない戦力。スコールズも、完調ならば、申し分ない。左サイド・バックに、ル・ソーが戻り、DFラインはまずまずだが、超ベテラン、アーセナルのアダムスとキーオンのバック・アップが、非常に不安。
セリエA 開幕
ナポリ 1-2 ユベントス (2000.9.30)
昇格したばかりの、"南の雄"ナポリ。強豪ユーベを迎えて、異常な盛り上がりのスタジアムに押されて、前半はナポリの圧倒的攻勢から、先制ゴール!しかし後半、途中出場のFWコバチェビッチ、同点弾。凄い決定力。そして、相変わらず不調?のデル・ピエーロ、久々のデル・ピエーロ・ゾーンからの狙い澄ました決勝点!前半しか攻勢の持続しなかったナポリ、大丈夫か?
イタリア・セリエA 2000-01 スクデットは??
スクデット獲得(優勝)候補は、ユーベ、ミラン、ラツィオだ。これは、予想上での"公式"である。この3チームが優勝する確率は、残り15チームのどこかが優勝する確率より、はるかに高い。
ユーベ・・・
例によって、派手な補強は無い。但し、トレセゲやオニールといった即戦力を得ている。デル・ピエーロの完全復活が待たれる。しかし、トレセゲとインザーギといったFWの組み合わせを中心とするスタイルも、十分想定するべきであろう。当然、アンチェロッティも抜かりは無いであろう。DFには、心配はいらないであろう。有望な若手も、揃っているらしい。デル・ピエーロには、かつての様に、"デル・ピエロ・ゾーン"からのゴールを数多く決め手欲しい。ユーベには、先シーズンの"つまらないが圧勝"の試合を、面白い試合に、是非して欲しいところ。
ミラン・・・
ヨーロッパを制圧した、あの圧倒的強さを誇ったミランのイメージからの凋落が、甚だしく目立つ。補強は十分と言えるが、強いミランのイメージを復活させるには、地道に勝ち続けるしかない。シェフチェンコの存在は強烈だが、アクシデントによる得点源の不在を補うチーム力はあるか?今シーズンは、タイトル奪取の予兆は、個人的には感じる。
ラツィオ・・・
メンツだけ見れば、チャンピョンズ・リーグとセリエAの制覇は、間違いナシに見える。しかし、先日のアーセナル戦、クレスポの不在と、アルメイダとコンセイソンの放出の穴を、如実に感じた。ミハイロビッチの怪我も心配。逆に、アルメイダとコンセイソンを獲得した、パルマのバランスが良さそうに見えてしまう。
今日のナイト・ゲーム、開幕戦のユーベの出来は??
(記2000.9.30)
シドニー・オリンピック 決勝
カメルーン 2-2 (PK5-3) スペイン (2000.9.30)
10:00 のキック・オフ直後、空席が目立ったが、すぐに満員に。試合開始直後、チャビのFKが決まる。前半終了間際にも、ガブリが決め、スペイン金メダルは決定的と思われた。しかし、エンボマを中心に圧倒的攻勢に出たカメルーン、同点に追いつく。前半と後半のカメルーン、別のチームだ。スペインはジリ貧、ガブリとホセ・マリが退場、9人になったが、カメルーンも攻め切れず。PK戦の結果、2大会連続で、メダルはアフリカ大陸へ。後半に2点取った時間帯と同様の攻めが前半にも出来ていれば、カメルーンは楽勝に見えたが・・・。
銅メダルのチリのサモラーノ、大会で6得点!全く見てないが。ムダ打ちのような気もするけど・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 3節
アーセナル 2-0 ラツィオ (2000.9.27)
アーセナルのMFリュングベリが絶好調、2点をゲット。4-4-2 のシステムが良く機能、各選手が好調。この調子がシーズンを通して、持続できれば良いのだが。ラツィオ、60億円男FWクレスポが欠場、ロペスが不調。MFのアルメイダとコンセイソンの放出の穴が、この試合では目立つ。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 3節
バルセロナ 0-2 ACミラン (2000.9.26)
何度も言うが、バルセロナは"ゆるい"!アウエーの為、決して攻撃的とは言えないミランに、2失点。デ・ラ・ペーニャ、ジェラールと、攻撃的MFを揃え、グアルディオラは欠場。バランスの問題か?監督交代のスタート時の混乱か?バルサには、1次リーグ敗退は許されない。
シドニー・オリンピック 準決勝
スペイン 3-1 USA (2000.9.26)
敗れた日本代表、見ていないだろうけれど・・・。スペイン、常に動き回ってプレッシャーをかけ続けているワケではない。日本と比較して、チンタラやってる、とも言える。だがパスは、距離が長く正確。攻撃に入った時のスピードとタイミングが素晴らしい。位置・コースの取り方も、USA では対処し切れない?これが、"経験"なのか?ホセ・マリ、アングロ、やはり活躍。
リーガ・エスパニョーラ
バルセロナ 3-1 ラシン・サンタンデール (2000.9.23)
出戻りのデ・ラ・ペーニャと、リバウド、クライファートのコンビネーションは、見事。アーセナルからの、プティとオーフェルマルスも好調。しかし、戦術の鬼、ファン・ハールから開放されての"ゆるさ"が、相変わらず気になる。今シーズン、本当に大丈夫か?新しいバルサを、見る事が出来るか?火曜日のミラン戦が見物。
シドニー・オリンピック 準々決勝
日本 2-2 (PK4-5) USA (2000.9.23)
2失点とPKの負けは、仕方がない。日本は、技術・スピード・戦術では勝り、120分内での体力は互角。決めてやるという気迫で、負けていた。戦術的には、攻撃の形は良く作っていたが、ペナルティー・エリアへの"もう一歩"が欠けていた。ブラジル戦の後半でも、理解しがたい余裕を見せていたが、10年早い。振り返って見れば、準々決勝敗退は妥当か?USAは、悔しいが、良く戦ったと言える。これから迎えるアジア・カップ、2002年への予選がない分、本当に重要。筆者が優勝候補に挙げていた、ブラジルをイタリア、共に敗退。大会前に、各チームの情報を得ていなかったのだけど。イタリアに勝ったスペインには、ジェラールやカシージャスは欠けていたが、チャビ、プジョール、ガブリ、アングロ、ホセ・マリと揃っている。お見逸れしました。ブラジル、2002年に向けて、本当にヤバくなってきた。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 2000-01 ビッグ・イヤーは??
今シーズンのビッグ・イヤー(チャンピョンズ・リーグの優勝カップ)獲得は・・・分からない!では予想にならいが・・・。昨シーズンから、1次リーグのチーム数が32となり、予想が更に難しくなった。間違いないのは、優勝するのは、
(1)2チーム分のワールド・クラスのプレイヤーを抱える、ビッグ・クラブであること
(2)良い監督とスタッフに恵まれ、安定した戦術をとれること
が条件だが、難しいのは、
(3)シーズンを通じ、チーム力をうまく配分すること
である。だが、昨シーズンのファイナリスト、スペインのレアル・マドリッドとバレンシアが、計算ずくでファイナルまで力を温存したとは思えない。特にバレンシアは、リーガ・エスパニョーラの序盤では負け続きだが、終盤に巻き返し、今シーズンもチャンピョンズ・リーグに出場。レアルも、リーガでもたついていたが、しぶとく勝ち上がり、ビッグ・イヤーを手に。すなわち、うまくエネルギーの配分が出来たかどうかは、シーズンが終了しないと、もはや分からないのである。バルサとレアル、大物選手の移籍などで、不安定に見える。マンチェスター・ユナイテッドとバイエルン・ミュンヘンは、何と言っても優勝候補から外せない。ユーベとミランは、実績から見て候補だが、昨シーズンのヨーロッパ・カップで、共にコケているので、筆者は候補に上げない。イタリアでは、やはりラツィオ。決勝は、2001年5月30日、ミランのホーム、イタリア・トリノのサンシーロ。上の予想が、大ハズレなのは、間違いナシ??しかし、試合数が大過ぎると思う。1次リーグが終了後、16チームからトーナメントに、とする案は、妥当なものである。
(記2000.9.23)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 2節
リーズ・ユナイテッド 1-0 ACミラン (2000.9.19)
雨中のリーズでリーズ、貴重な勝ち点3。負けはしたが、ミランのシェフチェンコは大変だ。世界最高のゴール・ゲッター、バティストゥータと比較しても、スピード、運動量は大きく凌駕、決定力も肉薄しつつある。昨シーズンのセリエAの1年目での得点王に続き、今シーズンの活躍が非常に期待される。チームでのタイトルが欲しいところ。
シドニー・オリンピック グループ・リーグ 3戦
日本 0-1 ブラジル (2000.9.20)
日本は確かに格段に進歩したが、フル代表、オリンピック代表とも、ブラジルに力強さが無い。シュートが枠に行かない。各国のDFの技術も進歩しているが、あの魔術的な足技が、代表レベルで衰えているのか?準々決勝は、USA。メダルが見えて来た。
シドニー・オリンピック グループ・リーグ 2戦
日本 2-1 スロバキア (2000.9.17)
稲本は凄いな。前後半とも走り回り、後半にゴールを決める。私なら、"9点"。
シドニー・オリンピック グループ・リーグ 1戦
日本 2-1 南アフリカ (2000.9.14)
自国でのワールド・カップ開催を控えた日本、2002年でのグループ・リーグ突破は最低の義務である。今回のオリンピックは、2002年の主力の実力を蓄積する為の大会でもあると言える。この意味で、アフリカ選手権者の南アフリカの代表を、実力で破ったことは多いに意義あることである。フィジカルとスピード、共に見劣りする事は無かった。逆転の勝利であることも、メンタル面での成長を示す。課題はやはり、ベニーやフォーチュンといった、本格的点取屋に裏を取られた時の、臨機応変の守りへの対応か?内容的には歴史的勝利であるが、スロバキアに、ブラジル戦の前半のような戦いをされ、ゲームを落すような事があれば、この勝利の意義は帳消しになる。
(記2000.9.15)
UEFA チャンピョンズ・リーグ 1次リーグ 1節
ハンブルガーSV 4-4 ユベントス (2000.9.13)
かつて欧州を席巻した、ドイツのハンブルガーSV。久々の大舞台に、巨大スタジアムの大観衆による、決勝のような異様な盛り上がり。インザーギの2点などでユーベが1-3でリード。しかしハンブルガー、後半の怒涛の攻撃。キーパー(!)のブットによるPKなどで、4-3と大逆転。しかし、インザーギのPKで、同点に。
リーガ・エスパニョーラ 開幕
レアル・マドリッド 2-1 バレンシア (2000.9.10)
何と、今年のチャンピョンズ・リーグのファイナルと同じカード。選手の変動があったとはいえ、攻撃的チーム同士で、好勝負。逆転の決め手は、相変わらずラウール。フィーゴのドリブル突破も、健在。
ワールドカップ 欧州予選
ボスニア・ヘルツェゴビナ 1-2 スペイン (2000.9)
サリハミジッチとバリッチを擁するボスニア・ヘルツェゴビナ、ホーム・グランドに大観衆を集め、前半はよく攻めたが、かわされる。ジェラールとエチェベリアのゴールが、見事。
リーガ・エスパニョーラ 開幕
バルセロナ 2-1 マラガ (2000.9.10)
ファン・ハールはオランダ代表監督になり、バルサの新監督はフェレール。ファン・ハールはアバンギャルドだった。今シーズンは、果たして?チャンピョンズ・リーグは乗り切れるのか?バレンシアからの期待のジェラール、スーパー・プレイはまだ?
ワールドカップ 欧州予選
オランダ 2-2 アイルランド (2000.9)
アイルランドは侮れない。2トップは長身クインと新鋭ロビー・キーン、MFにマンU三冠の中核、ロイ・キーン。中心選手の多くは、は開幕しているプレミア・リーグ所属。オランダの主力は、スペインやイタリアの開幕前のリーグ所属で、その差が出た?オランダ、ホームで2点のビハインドに追いつき、何とか勝ち点を得た。
ワールドカップ 欧州予選
ハンガリー 2-2 イタリア (2000.9)
ハンガリー、ホームでの大観衆をバックに、強豪イタリアのリードを跳ね返す。セリエA開幕前の微妙な時期で、守り切れず?
ワールドカップ 南米予選
ブラジル 5-0 ボリビア (2000.9.3)
雨のマラカナンで、お客サンとはいえ、ボリビアに大勝。しかし、ハット・トリック(含1PK)は、蘇った悪童ロマーリオ。チャンスを逃さない冷静なシュートは、全く衰えていない。しかし、今ブラジルに必要なのは、第2のロマーリオなのか?
イタリア スーパーカップ
ラツィオ 4-3 インテル (2000.9.8)
99-00シーズンのセリエAチャンピョンとコッパ・イタリア2位(優勝はラツィオ)が激突する、恒例のスーパーカップ。セリエA直前であり、両チーム状態は完成に近づいたか?凄いぞインテル!何が凄いって、まるで"国連"だ。イタリアのチームなのに、ブラジル、オランダ、フランス、スペインに加えて、2トップがトルコとアイルランド。多国籍のチームを見るのは慣れたが、試合中のコミニュケーションや試合後の打ち上げの盛り上がり(?)が、本当に心配。それを飛ばそうとするかのような、アイルランドの新鋭、ロビー・キーンが技ありゴール。しかししかし、ホームのラツィオ、すぐに勢いを盛り返し、ゴールは時間の問題に。世界一厳しいサッカー・リーグのセリエAへの新加入であるにもかかわらず、活躍が保証されているクラウディオ・ロペス。何故って、昨シーズンからのMFベーロンとシメオネ、パルマからクレスポ。いずれもアルゼンチン代表で、ワールド・カップ南米予選で現在、首位。ロペスがファイン・ゴール、前半で2発!バレンシア在籍時と変わらない決定力!ラツィオで長いチェコのネドベド、得意のスペースへの飛び出しが目立たないが、これもコンビネーションの問題で、すぐに解決するであろう。ラツィオ、4点取って大勝!とはいかず、DFの注意力を欠いての後半の2失点がまずい。これでは、60億円男クレスポなどの補強がムダになってしまう!
UEFA スーパーカップ
ガラタサライ 2-1 レアル・マドリッド (2000.8.25)
UEFA カップとチャンピョンズ・リーグの覇者の決戦は、何故かテスト・マッチ的。ガラタサライ最大の補強、ブラジルのジャルデウが、延長Vゴール。トルコのガラタサライ、今シーズンも旋風を起こす?注目のレアルの攻撃陣、まだまだコンビネーションはフィットせず、不安は残る。驚きの移籍のフィーゴ(10番!)は、レアルではこれからだろう。ミランに行った名手レドンドの替わりは、セラデス、マケレレ、F・コンセイソンの誰が埋めるのだろう?FWのモリエンテスは怪我で不出場だが、サブがいないのは大問題。
イングランド・プレミア・リーグ 開幕
サンダランド 1-0 アーセナル (2000.8.19)
サンダランドの2トップは健在、クインの1点を守り切った。フィリップス、今年も得点王を狙う。DFのバルガが強烈。アーセナル、乗り切れず。チャンピョンズ・リーグも間もなく開幕だが、不安が残る。
ワールドカップ 南米予選 第7節
チリ 3-0 ブラジル (2000.8.15)
3対0!サモラーノとサラスが爆発!試合開始序盤は互角だったブラジル、1点取られるごとに、攻めがチグハグに。DF、MF、FW、全て良くない。チリにパスはつながれるし、肝心なところでシュートに対するディフェンスのマークが、ずれている。チリの3点は全て見事。サラスの復活は大きい。アルゼンチンを破って乗ったハズのブラジル、アウエーながら屈辱的3失点で、今頃、どんな騒ぎになっている事か!
少し早いが、ヨーロッパ最優秀選手の予想
(2000.7.8記)
少し早いとは言いながら、開催がある年ならワールド・カップなど、なければ UEFA チャンピョンズ・リーグと、ビッグ・イベントが全て終了するこの時期、バロン・ドール(ヨーロッパ最優秀選手)受賞候補のリスト・アップくらいは可能。既に4〜5人程度の選手に絞ことは出来ると思われる。
ジダン:フランス代表、ユベントス(イタリア)
EURO 2000 では、別次元のプレイ。まさに縦横無尽、誰も止めることが出来ない。セリエAやチャンピョンズ・リーグで、余程の酷いプレイがない限り、受賞は間違いなし。
ラウール:スペイン代表、レアル・マドリッド(スペイン)
今年、EURO 2000 がなければ、受賞のに最も近いハズだった。チャンピョンズ・リーグ獲得の、まさに原動力。EURO ではシュート・ミスが目立ってしまい、準々決勝でのPK失敗も、大きなマイナス材料。しかし、00-01 シーズンでの活躍如何で、ジダンを逆転する可能性もある。
クライファート:オランダ代表、バルセロナ(スペイン)
無尽蔵の潜在能力を感じさせるセンターFW、クライファート。EURO では、持ち味を存分に見せつけたが、義務であった地元でのファイナル進出を果たせず。イタリアから1点を取っていれば・・・。バルセロナも、肝心なトコロで試合を落とし、無冠。
フィーゴ:ポルトガル代表、バルセロナ(スペイン)
円熟期を向かえたフィーゴ、今年は受賞の最大のチャンスだった。EURO でのプレイは、ルイ・コスタと共に素晴らしかった。やはり、ファイナルには行かなければ・・・。
ネスタ:イタリア代表、ラツィオ(イタリア)
イタリア・セリエAでスクデット、チャンピョンズ・リーグでグループ・リーグを突破、EURO 2000 でファイナル。
カテナチオの若き象徴とも言える。しかし、DFはどうしても目立たない。
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EURO 2000 決勝
フランス 2-1 イタリア (2000.7.2)
予想:フランスの勝ち・・・。
結果:フランスの勝ち!後半、トッティのヒール、ペッソットのセンタリングから、デルベッキオの絵に書いたようなゴール。しかし、昨年のチャンピョンズ・リーグの魔のロスタイムを再現したかのような、ヴィルトールの同点ゴール。そして、トレセゲの延長ゴールデン・ゴールが決まった。
イタリアの敗因:一体、何を誤ってしまったのか?1点を守り切れなかったのではなく、必要な2点目が取れなかった。近年の攻撃陣の充実は目を見張ったが、この大会を迎えるに当たって、イタリア代表チームは絶対的な力強さに満ちている、とは言い難かった。地味な司令塔のフィオーレ、ベテランのアルベルティーニ等のガッツは、救いだ。結局、伝統のカテナチオ的な守備の力で、ファイナルには進出した。しかし攻撃面では、得点シーン以外では、面白みに欠けた。98年の世界チャンピョンを相手から2点奪い取る力は、結局、無かったということか?強いのか?それ程でもないのか?
フランスの勝因:最後まで、安定した力を見せ続けた。特に、ビエイラ、デシャン、ジダンと揃う中盤は、手のつけようがない。世界を制したDF陣、付け入るスキを作らない。FWでは、アンリの成長が目を引いた。個人的には、デュガリーのウィング的プレイが印象に残った。ミクーなど活躍も楽しみにしていたが、98年組の実績と安定性には及ばなかったか?
EURO 2000 準決勝
オランダ 0-0 (PK 1-3) イタリア
予想:イタリア、本気を出したオランダの猛攻を凌げるか?相手に恵まれてきたイタリア、ここからが”EURO 2000”だ!しかし、オランダの勝ち・・・。
結果:前半、ザンブロッタがイエロー2枚で退場、イタリアは早くも10人。PKを得たオランダ、フランク・デ・ブールが失敗。後半、再度のPKで、クライファートも失敗。徐々に精神的に追い詰められていくのは、何故かオランダ。圧倒的な攻撃力と個人技を誇っているハズが、伝統の守備力を持つイタリアにスカされる。大勝の後の惜敗、いつものパターン。イタリアの粘り、本当にしぶとい。”PKの悪夢”からも目覚めた?
フランス 2-1 ポルトガル
予想:相変わらずソツの無い、フランスの勝ち・・・。ポルトガルの勢い、どこまで続く?ツキも重要だ。
結果:前半、攻勢をかけるフランスのスキをついて、ヌーノ・ゴメスが見事な一撃。しかし後半、アネルカの切り崩しから、アンリが同点弾。延長後半、アベル・ザビエルが、ペナルティ・エリアのゴール・ラインぎりぎりの所で、痛恨のハンド。ファイナルが見えて来たポルトガルの必死の猛抗議は当然だが、これはPK取らざるを得ないと見た。ジダン、ゴールデン・ゴール。
ヌーノ・ゴメスは決定力を見せ、ビッグ・クラブからのオファーもありうる。フィーゴとルイ・コスタも、流石であった。DFのコウトは安定し、チームは点が取れた。フランスは、相変わらずソツがない。ファイナリストは当然。
EURO 2000 準々決勝
フランス 2-1 スペイン
予想:安定度ナンバー・ワンのフランスの勝ち。
結果:ジダンの、久々に見せた強烈なフリー・キックで、フランス先制。PKでメンディエタが決め、同点。ジョルカエフのシュートで、フランスのリード。後半終了間際、ラウールがPKをふかす。猛攻を凌いで、フランス勝利。フランスのDF陣、相変わらず強烈。デュガリーのサイド攻撃も冴えた。
オランダ 6-1 ユーゴスラビア
予想:オランダ、5-3で勝ち?
結果:あまりに強いオランダ。クライファート、3点(4点のうち1点は翌日オウン・ゴールに)。
ポルトガル 2-0 トルコ
予想:両チーム、タイプが似ている?グループ・リーグの決定力からして、ポルトガル。
結果:1人退場のトルコに対し、フィーゴからヌーノ・ゴメスのラインで、2点。
イタリア 2-0 ルーマニア
予想:イタリア!としたいが、イタリアの実力がつかみ切れないので、自信なし。守備力は、今大会屈指?
結果:トッティ、インザーギで2点取ってからは、やはり手堅い。ハジのループ・シュート、入れば歴史的な得点になったハズ。若いムトゥ、キブーは、ハジ以降のルーマニアを引っ張る?
EURO 2000 第3戦
グループD
オランダ 3-2 フランス
ジダンなど主力を、先発から外してきた。それでも、落ち着いてムリをしないゲーム運び。オランダは、地元だからこそ、手を抜けないツラさ。
チェコ 2-0 デンマーク
デンマーク、3試合で1点も取れず。第2のラウドルップ兄弟が必要?チェコは、3試合とも良かった。ネドベド、切れまくり。ベルガー、初戦から出場なら、ね。
グループC
スペイン 4-3 ユーゴ
スペインも、強いのか弱いのか、分からん。少なくとも、やれば出来る事は証明できた。グループ・リーグの中でも屈指の、非常に厳しいゲーム。
スロベニア 0-0 ノルウェー
ノルウェー、絶対に必要な1点が、奪えず。
グループA
ルーマニア 3-2 イングランド
前半2-1と逆転し、波に乗るはずのイングランド、更に2-3と再逆転を食う。3試合を通じて消えなかった、キーパーとディフェンス陣の不安定さ。
ポルトガル 3-0 ドイツ
ポルトガルは、ベスト8入りを既に決め、主力を温存。にもかかわらず、ドイツは点を取れず。S・コンセイソンのスピードに着いて行けず、ハットトリックを許す。ドイツとイングランド、共にコケる!
グループB
イタリア 2-1 スウェーデン
先発メンバーの半分以上を入れ替え、しかも勝ってしまった、恐るべし?イタリア。デル・ピエーロ、ゴール!しかも怪我から回復した左足!
トルコ 2-0 ベルギー
開催国のベルギー、コケてしまった。ハカン・スクールのゴールに、凄みが出てきた。
EURO 2000 第2戦
グループC
ユーゴ 1-0 ノルウエー
このグループ、大混戦!
スペイン 2-1 スロベニア
スペイン、勝つには勝ったが、攻めこまれる。これが実力か?力を温存しているのか?結果は第3戦で判明。ラウール・ゴンザレス、バロン・ドールに1歩近づく1点をゲット?
グループA
イングランド 1-0 ドイツ
シアラーの1点を、守り抜いた。ドイツの攻めのマズさに、助けられた?
ポルトガル 1-0 ルーマニア
ポルトガル連勝、トーナメント進出。
グループD
オランダ 3-0 デンマーク
決して出来は悪くなかったデンマークから3点奪い、久々に見たオランダの大勝。攻撃力を見せつけたか?しかし、オランダのディフェンスへの不安は、まだ消えない。第2戦にして、トーナメント進出は決定、第3戦への興味は、半減。
フランス 2-1 チェコ
フランス、守備は堅い、中盤の組み立ても良い、攻撃も素晴らしい、おまけに司令塔がジダン。1st ハーフの前半はチェコを圧倒したが、鋭いカウンターからネドベドへのファールによるPKで、1-1。後半、日本戦でも得点のジョルカエフの決勝点。チェコ、またも競り負ける。相手がオランダとフランスではね。
グループB
スウェーデン 0-0 トルコ
イタリア、グループ・リーグ突破。
イタリア 2-0 ベルギー
イタリアらしく、手堅い1勝。トップ下のフィオーレ、トップのトッティ、今のところ良い。トーメント進出後、チームとフィオーレ、まさに正念場。
EURO 2000 第1戦
グループC
ノルウエー 1-0 スペイン
どうしてモリエンテスは召集されないのか?どうしてセルジ、メンディエタは先発じゃないのか?スカスカの会場で、スペイン・サポータは目立たない。
ユーゴ 3-3 スロベニア
凄いぞ、スロベニア!ザホビッチ、走る走る!タレント不足を、最初から圧倒的に飛ばす事で補い、3点先制!力尽きて、10人になったユーゴに3点奪われ、同点。
グループA
ポルトガル 3-2 イングランド
スコールズ、マクマナマンのゴールで2点先取したにもかかわらず、支配率で上回るポルトガルに逆転を食う。フィーゴのゴールが、見事。
ドイツ 1-1 ルーマニア
ここに来て、覚醒したか、ショル。
グループD
フランス 3-0 デンマーク
放送時間が変更になり、ほとんど見てない。やはりフランスは強い?
オランダ 1-0 チェコ
チェコの堅守と、オランダの攻撃のチグハグさ。特に後半、ネドベドの活躍などで、チェコが圧倒的突破を見せたが、こちらも詰めを誤り続け、両者無得点。試合終了間際、疑問符のつくPKで、オランダが勝ちを拾う。ポボルスキーは生きていた!
グループB
ベルギー 2-1 スウェーデン
E・ムペンザなどで、2点先取したベルギー、熱くなりすぎてバタバタになったが、地元で勝って良かった。
イタリア 2-1 トルコ
やたら多いトルコ・サポーター。トルコの攻勢が目立つ。
EURO 2000 予想 (2000/6/10)
ワールド・カップより予想のしづらいヨーロッパ選手権。96年のファイナルがドイツ対チェコだなんて、思ったかね、君?98年ワールド・カップは、オランダ優勝を予想し、チームと試合内容は最も良かったと正解を自負する(?)筆者は、99-00シーズン終了の脱力感から抜けきらない気分を引き立てつつも、EURO 2000 の予想をしなければならない。誰からも強制されてなんかいないが。何しろ、今日が開幕だ。98ワールド・カップ直前のオランダは凄かった!テストマッチなのに、あのナイジェリアを 4-1 で粉砕していた。敗退するとすれば、この試合でのような"不要な1点"の取られ方の再現だろうと考えた。本番でも圧倒的に強かったが、勝負強いブラジルとのセミ・ファイナルでの1点がファイナルへの道を閉ざしたのだ。優勝予想の5チームの中にフランスは入れはしたが、今から見れば順当勝ち。やはり、ホーム・グラウンドでは強かった。そして、フランス国歌は、実に効果的だった。今回、オランダとベルギーは、どうかな?EURO 2000 の直前のテスト・マッチ、あまり見ていない。だが、諸々の情報からしても、飛びぬけたチームは見当たらない。96年のように、飛びぬけたチームなし、なら優勝はドイツだ!とすれば、高正解率は間違いなし!とは言えなくなってきたし。
優勝予想、5チームなら(順不同)、イングランド、イタリア、スペイン、フランス、オランダ!3チームなら、スペイン、フランス、オランダ!ハズレそうだ。
グループA
ポルトガル = 決定力不足への不安は、相変わらず。自慢のMF陣にも、疲労が?
イングランド = クラブ・チームと代表、共に、90年代前半の不振を乗り越え、上昇気流にある。マンUの選手を中心に、今回はやるのでは?FWのへスキーとフィリップスを、どう使うか?
ドイツ = 期待の代表新顔も、25-6歳だったりする。いつもそうだけど。何を読んでもネガティブな見解ばかり。しかし・・・。勿論、ダイスラーは期待してます。
ルーマニア = 今回は、入ったグループが悪い。ハジの調子が悪そうだし。
グループB
イタリア = 前回は超期待はずれ、予選敗退は許されない。のびのび出来るか?それだけだ。何とかしてくれ、デル・ピエーロ!
ベルギー = 最近の充実ぶりは目覚しい。ホームだし、超ダーク・ホース。
トルコ = ナンだか知らんが、好調。近年、オランダやドイツを破っている。但し、ホームで。
スウェーデン = 分かりません。94年アメリカ、3位決定戦では強かった・・・古すぎ?
グループC
スペイン = 強い。でも、96年も98年もそう言われてたんだから。チャンピョンズ・リーグで好調だった選手の勢いが、重要。
ノルウェー = 効果的なタワー、TAフローを中心に、今回も行くかな?
ユーゴスラビア = 予選のクロアチア戦は、背筋が寒くなった。あのモチベーションが持続できれば優勝だが・・・。
スロベニア = 誰も予選を突破するとは、思っていない。でも、あのウクライナを破って出場してんですよ。シェフチェンコの分の活躍をする義務がある。
グループD
フランス = ワールド・カップから続けての優勝も、夢でない。コンビネーションはバッチリ。日本戦では、日本が好調だったのだ。ワールド・カップからのプラス・アルファがあるかが、問題。
デンマーク = 92年の再現がないとは、言い切れない。98年も良かった。メラーのような絶好調男が出るか?
オランダ = 開催国で予選ナシ、テスト・マッチを見続けたが、本当に引き分けが多かった。デ・ブール兄弟の切れが落ちた。選手の底上げがない。期待のファン・ニステルローイも、怪我で出ない。元アヤックス組のコンビネーションにかかる。
チェコ = イタリアを食った前回のようには、行かない。チェックは厳しいだろう。入ったグループが悪い。
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UEFA チャンピョンズ・リーグ 99-00 決勝
レアル・マドリッド(スペイン) 3-0 バレンシア(スペイン)
(2000/5/25)
マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン・ミュンヘン、昨年のファイナリストを撃破しての進出は、レアル・マドリッド。イタリア・セリエAでスクデットを獲得することになるラツィオ、リーガ・エルパニューラで最も選手層の厚いバルセロナ、両チームをまさに粉砕した、バレンシア。やはり、ファイナルらしく、最高にハイ・レベル。前半は、両チームとも、攻守の切り替えが、異常に早い。引き分け狙いや逃げ切りの為の、引いてしまう布陣は、両者ともとらない。同じリーグでいつも対戦している同士、”手が合って”いる。準々決勝・準決勝で炸裂した、バレンシアの超絶カウンター攻撃は、レアルの老獪さにより、芽を摘み取られてしまう。カウンターも、ボールを得なければ、決める事が出来ない。モリエンテスの1点めは、サルガドのゴール前での粘りに合わせた、レアルらしい得点。しかし前半は、バレンシアに1点入ればどう転ぶか分からない、緊迫した展開であった。後半、レアルの攻めがバレンシアの動きを鈍くさせる。2点目を決めたマクマナマンは、試合全般を通じて、いい仕事をした。3点目は天才ラウール、独走からGKとDFをかわして、見事に決めた。今シーズンのMVPか?
(1)レアルの勝因・・・
19才とは思えない落ち着いた働き、ドイツのイルクナーを控えに追いやった、GKカシージャス。何故か最後ラインより後ろに下げられたが、DF陣の安定に大きく貢献した、エルゲラ。イエーロの不在を全く感じさせなかった、DFのカンポとカランカ。DFからシュートまで、驚くべき運動量の両サイド、ロベ・カルとサルガド。いつになく攻撃的で闘志を見せた、レドンド。シャドウ・ストライカー的な動きで得点した、マクマナマン。絶好調のラウールとアネルカ。トップの動きを十分にこなした、モリエンテス。シーズン途中からの就任ながら、不安定なチームを安定させ蘇生させた、デルボスケ監督。国内リーグ3位に食い込んで意気が上がり、完璧な状態で望んだハズのバレンシアよりも、一昨年のファイナリストで経験抱負なレアルが、一枚上手であったという事か。
(2)バレンシアの敗因・・・
弱くはなかった。準決勝までの様に攻めてはいた。しかし、レアルが強すぎた。強いて言えば、カウンター以外の、パス回しを絡めた柔軟な攻めも必要だったろう。しかし、名将クーペルと言えども、ここまでチーム状態を上げて、それ以上の贅沢を求めても、酷だろう。00-01シーズン前に、躍進バレンシアを支えたタレントの多くは、他のチームに買われてしまうと言う。来シーズンは、どうかな?
イタリア・セリエA 4位決定戦
インテル 3-1 パルマ (2000/5/24)
ロベルト・バッジオ、ペナルティ・エリアの右サイドの外、あまりにも見事なFKを、決める。スタニッチの、これも見事な同点ヘッディング・ゴールの後、またもバッジオ、技ありの振り抜きで2点目を決める。どうしてバッジオのゴールは、いつも素晴らしいのだろう。インテル、セリエAの4位に食い込み、チャンピョンズ・リーグ出場権を得た。
ドイツ・ブンデス・リーガ 34節
(2000/5/21)
首位のレバークーゼン、バイエルン・ミュンヘンに勝ち点3差、アウエーのウンターハヒンク戦で、緊張でコチコチになって、2点決められてしまった。バイエルンは、マイスターシャーレ獲得が判っているかのような、余裕の勝利。
スペイン・リーガ・エスパニョーラ 99-00 38節
(2000/5/20)
デポルティボ・ラ・コルーニャ、念願の初優勝!勝ち点1を取れば優勝のラ・コルーニャ、大ベテランのドナトの早々の1点で、余裕が出来た。思えば、いつまで経っても語られる94年の最終節、ベベットを擁したラ・コルーニャが、ロマーリオのいたバルサと競り合い、優勝を逃した。今シーズンのバルサは、いつも肝心なところでの、敗戦・失点。会長・監督の辞任も仕方がないか。
UEFA CUP 99-00 決勝
ガラタサライ(トルコ)0-0 (PK 4-1) アーセナル(イングランド)
(2000/5/18)
5月も半ばを過ぎ、自分勝手に今シーズンを回顧する時節となるが、ガラタサライが来るとは。チャンピョンズ・リーグの1次リーグで3位になって、UEFA CUP にシフトしたが、相手はヨーロッパの強豪なワケで・・・。やはり驚きだ。
(1)ガラタサライの勝因・・・
トルコ・リーグで連覇しており、チャンピョンズ・リーグでは常連。GKのタファレル(ブラジル)、MFのポペスクとハジ(ルーマニア)、大ベテランに極端な衰えは見られない。ハカン・スクールの決定力も健在。このところ、主軸の大きな入れ替えが無く、攻撃のコンビネーションが良い。先取点ゲットからの逃げ切りで乗り切ったが、リードしたら引いてしまうという消極的な戦いでもない。準決勝第2戦、リーズとのアウエー戦でも、早々と先取点を奪い、優位に立っていた。決勝では、タファレルも良かったし、得点は無かったが、何しろ、チームが良かった。ここ3年位、代表でもトルコはレベルを上げている。オランダなどを破っている。とにかく、ホームで滅茶苦茶強い。
(2)アーセナルの敗因・・・
個々の選手の質から言えば、アーセナルが圧倒的に上であろう。ファイナリストにはなったが、詰めを誤ったとしか言えない。モチベーションの差なのだろうか?ガラタサライなら勝てると、甘く見ていたろうか?1点取れば勝ったのに、その1点を奪えなかった。
イタリア・セリエA 34節
2000/5/15
1位ユベントスと2位ラツィオ、勝ち点2差で迎えたイタリア・セリエA最終節、ありえないと皆が思っていた逆転劇が、現実化した。タレント軍団ラツィオの内紛も聞こえており、常にチームの一体感を強調するユーベが追いつかれることはないだろうと思いがちだが、"予想"なんて埃のように消し飛んでしまった。
(1)ユーベの敗因・・・
うーん、”覇者の驕り”と言うヤツか?ペルージャとのアウエー戦のハーフタイム、突然の大雨によるピッチの不良で、何とか翌日に順延させて欲しいと審判にすがる、ユーベとは思えないネガティブさが、逆転を許した結果を象徴させていた。一時は、ラツィオに勝ち点差9をつけて大きく引き離し、スクデットは絶対と思われていたユーベ。まさか選手まで、そう思い込んでいたのでは?一昨シーズンのスクデット監督のリッピは、シーズン中盤に首位に立った時点で、「我々はもう首位から転落することはない」と語っていた。あの頃のユーベは、力強かった。今シーズン、アンテェロッティ監督は、そこまでは言い切れたろうか?思えば、特にシーズン終盤に顕著になった”得点力不足”が、不安のタネであった。デル・ピエーロとインザーギは確かに非凡なストライカーだが、最後の何試合かで、コバチェビッチを先発させる”勇気”がなかったのも、"守り"に入ってしまったユーベを象徴しているような・・・。
(2)ラツィオの勝因・・・
”万年2位”の称号を、是が非でも引き剥がしたかった、イタリアの首都ローマのクラブ・チーム、ラツィオ。絶対的FWビエリを放出はしたが、これでもかと思わせる選手補強、今からすれば、非常にバランスの取れたチーム構成を具現化したと言える。チャンピョンズ・リーグでバレンシアにやられたが、出会い頭の交通事故みたいなもんだ。3冠が目前だったのだ。昨シーズン、最終節でミランにスクデットを奪われたラツィオの、見事なリベンジであった。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝第2戦
バルセロナ(スペイン) 2-1 (トータル 3-5) バレンシア(スペイン)
(2000/5/11)
後半、バレンシアのキャプテン・メンディエタが、超駄目押しの1点を決め、満員のバルサのソシオ(クラブの会員)から、白ハンカチを振られてしまった。終了間際の2得点、誰も誉めてくれない。リーガ・エスパニョーラを含め、ここのところ、バルサの試合運びのマズさが気になる。"国王杯辞退事件"による精神的動揺の影響か?
(1)バレンシアの勝因・・・
ジュキッチ、カルボーニを中心としたDF陣は固い。G・ロペス、メンディエタ、キリ・ゴンザレスなど、MFは絶好調。FWのC・ロペスとアングロは言う事ナシで、鬼才イリエの出番も無い。プレッシング、カウンターも、ビシビシ決まる。何だ、完璧じゃないか!優勝候補とは言えず、ノーマークであったことも、ある程度は有利に働いたのでは?何と言っても、現在”絶好調”である事。99-00シーズンに見たチームで、最も強い。但し、ホームでは。決勝は、どうかな?
(2)バルサの敗因・・・
準決勝の相手が、天敵バレンシアであること。バレンシアが絶好調であること。これじゃ話が進まないか?少なくとも、アウエーでの前半の失点が全て。攻撃陣の力を過信し、守備陣を薄くした(3バック)にしたのは、まずかった。アウエーのレアル戦でのマンUのように、手堅くやるべきだったか?
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝第2戦
バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) 2-1 (トータル 2-3) レアル・マドリッド(スペイン)
(2000/5/10)
決勝でのスペイン対決、確定・・・。
圧倒的なバイエルン・サポーターをバックに、巨漢ヤンカーのボレー・シュート。レアルは浮き足立ったが、40億円プレーヤー・アネルカがアウエー・ゴールを決め、落ち着きを取り戻し、3点が必要になったバイエルンから時間を奪ってゆく。その後、1点返すが、エフェンベルグなどがチャンスを逃しまくり、試合終了。
(1)レアルの勝因・・・
レアル・マドリッドといえばヨーロッパの強豪であり、一昨シーズンの覇者でもあるが、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン、バルセロナ、ラツイオを押しのけて、再びファイナリストとなるとは、思わなかった。昨シーズンもベスト8までは残っており、しぶとく勝ちあがって経験の豊富さを見せたと言う事か?トーナメントに入って、イエーロを欠いたDF陣だが、イバン・カンポの安定とカランカの復帰でおつりが来た。右のサルガドと左のロベ・カルは完璧。MFレドンドも健在。攻撃陣は相変わらず鋭く、ラウールの充実ぶりは目を引くが、なんといってもFWアネルカは、ナンなんだ!準々決勝2試合と決勝で活躍して、来シーズンのチャンピョンズ・リーグをディフェンディング・チャンピョンとして出場すれば、40億円の元は取れるということか?!
(2)バイエルンの敗因・・・
今シーズン初頭に在籍した大ベテラン3人、マテウス、バスラー、エフェンベルグが、準決勝第1戦には、各々の理由で、出場していない。これが理由なのか、精神的なネバりを欠いた戦いだった。盛り返したチームの勢いが、ここに来て失速した感じ。レアルが強かったといえば、それまでだが。EURO 2000 のドイツ代表も大丈夫かね?
イタリア・セリエA 33節
ユベントス 1-0 パルマ
(2000/5/9)
残り2試合で、2位のラツイオと勝ち点差2、負けられない試合で、パルマ。決勝点は、デル・ピエーロ君のヘディング!流れの中でのゴールは、リーグ戦では、例の怪我から出ていないから、一昨年以来だ。実に、良かった。最終節では、あの黄金の右足が見たい。しかし、パルマのあのゴールを取り消されるとは・・・。
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝第1戦
レアル・マドリッド(スペイン) 2-0 バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
(2000/5/4)
記録的移籍金で、ロンドンのアーセナルから獲得した、(元?)フランス代表のアネルカ。あまりのワガママぶりに、チーム・メイトからも浮いてしまったと聞いたが、その潜在能力を残り僅かな今シーズンで証明するか?バイエルンのディフェンスを破り、クールにゴール天井にボールを突き刺した。バイエルンは、エフェンベルグの怪我が痛かった。アウエーでゴールが奪えず、2点のビハインドが、プレッシャーであることは確かだが、ホームで何とかするか?チームとしては、現在のレアルは攻撃的で、非常に好感を持っているが、決勝がスペイン対決なのは、どうも気に食わないので(スペインが嫌いな訳でもないけれど)、バイエルンよ勝て!!
UEFA チャンピョンズ・リーグ 準決勝第1戦
バレンシア(スペイン) 4-1 バルセロナ(スペイン)
(2000/5/3)
バルサの天敵、C・ロペスが試合終了間際に、引導を渡すかのごとき鮮やかな4点目を決めた。弱小と思われたマジョルカを率いて、リーガ・エスパニョーラで好成績をあげた、鬼監督クーペル。マジョルカで威力を発揮したカウンター・サッカーの戦術が、マジョルカを上回る選手の質を誇るバレンシアというチームで、シーズン終了直前に、チャンピョンズ・リーグの決勝トーナメントという、世界の注目を集めるステージで、極めて大きな成果をあげた。ヨーロッパのビッグ・クラブ2チームを相手に、2試合連続のホームでの大量得点!バルセロナとは相性が良いという精神的優越感と、優勝候補の一つであったイタリアのラツイオを粉砕した実績が、自信を持って試合を進める為の原動力になったのであろう。最初から最後まで、フィールドのどこにあっても、常にプレッシャーを掛けつづけ、圧倒的スピードでゴール前にボールを運び、見事な決定力で4点を奪った。怪我から復帰したキャプテンのメンディエタの動きも良かった。FWアングロは、バルサDF陣の一瞬の隙を突いて2点をゲットしたが、オランダ人キーパーのヘスプの異常な緊張も目立った。ボール・キープ率を高く保ち、個人技と連携で大量得点を奪うバルサの戦術も、バレンシアのカウンターの餌食としかならなかった。バルサでは、キャプテンのグアルディオラと昨年の世界最優秀選手のリバウド、この2人はキレを見せた。しかし、グアルディオラは守備に忙殺され、リバウドはマークされ続け、ゴールも奪えず。イエローカードの累積による不在により、その存在感が浮き彫りになったのが、準々決勝で勝負強さを見せたポルトガルの至宝フィーゴ。オウン・ゴールながら、アウエーで辛くも1点を奪っているバルサは、第2戦、3対0であればファイナル進出・・・。準々決勝での"カンプ・ノウの奇跡"の再現はあるか?