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2000.11.28 代々木 国立競技場
TOYOTA EUROPEAN / SOUTH AMERICAN CUP
REAL MADRID 1-2 BOCA JUNIORS

PM 7:10 キック・オフ
ゴール◆パレルモ(ボ)×2、ロベルト・カルロス(レ)

◆ 11月27日、TOYOTA CUP の前日、JR新宿駅の地下通路で、ボカ・ジュニアーズのサポーター数人が、ビデオ・カメラとフラッグを持って、大騒ぎしていた。アルゼンチンからはるばるやって来たサポーターは、新宿中央公園でも騒いでいたらしく、そのあとだったようだ。事情を知らない日本人通勤客は、怪訝そうな 面持ちで彼らを振り返って見ていた。
◆ この冬一番の寒さの夜、ボカのサポーターの盛り上がりは、更にヒート・アップした。ゲームの間中、歌って叫んでいたが、この寒さの中では、彼らの行動の方が正しい。しかし、こともあろうに、彼らは我々の席の隣りに陣取っていた。ボカのサポーターは、総勢3,000人とも言われていた。場内のスクリーンで上映された過去のトヨタ・カップの名選手の中の、リーベルのフランチェスコリへの条件反射的な大ブーイングには、笑った。ブエノスアイレスのライバル・チームへの敵愾心は、こんなにも強い。
◆ キック・オフ直後、ボカのFWパレルモ、早くも2連続ゴール。圧倒的攻撃力のレアル・マドリッドに対し、カウンター攻撃が主体と予想された ボカ、理想的展開。パレルモのゴールは両方とも確かに素晴らしいが、レアルのDFは"眠っていた"。チャンピョンズ・リーグなどで、ヨーロッパ中を 移動しながら試合をこなすレアル、体力を温存しながら粘って得点を重ねたいところで、完全にプランが狂った。歯車が狂い、試合運びが重いまま、レアルは ゲームを終えてしまった。
◆ MVPはパレルモだが、彼の役割は前半の前半で終わた。今回はこれで良かったのだ。FWデルガドとのコンビネーションも良かった。90分全体での真のMVPは、若き司令塔のリケルメだ。個人技で相手を抜き、効果的パスを出し、攻め続けた。早々の2点リードで、ボカのディフェンス陣は、比較的冷静に対処することが出来た。右サイド・バックは弱点と言われていたが、ゴール前のセンターを固め、DFとMFで実に組織的に守った。
◆ 一昨年に続き、レアルのロベルト・カルロスだけは絶好調!抜群の切れを見せ、驚異の個人技で得点。しかし、ロベ・カルだけに頼るだけでなく、効果的な攻撃を仕掛けなければならないが、ボカの守りは予想以上に堅い。2点取られてからのレアルも守備のシステムを修正、お互いに得点を許さない。 "トヨタ・カップらしい"、こう着状態に入る。
◆ 怪我のサルガドの代役、右サイド・バックのジェレミーと、ロベ・カルの攻め上がりは素晴らしい。マケレレもまずまずの動き。そこから先が問題。ボカがゴール前を固める為、センターを突破するのが非常に難しい。最要注意人物フィーゴは、やはり最もマークされている。疲労が伝えられており、身体にキレがないが、強い意思を感じさせるドリブル突破と、強く正確なロング・クロスがチャンスに直結する。左サイドにまわったマクマナマン、ロベ・カルとのコンビネーションがイマイチ。お互いの個性を殺す気配があり。グティは、肝心な場面で、ボカDF陣に囲まれる。孤立気味のラウール。本来ラウールは、"孤立するFW"ではないハズだが・・・。
◆ ボカとレアルの勝敗の差は、明らかにストライカーの差だ。フィーゴの獲得、それはそれで良いが、昨シーズン末にギリギリのタイミングで戦力となったアネルカの穴がうまっていない。今シーズンはこれまでうまくやってきたが、チャンピョンズ・リーグとリーガ・エスパニョーラでの重要な試合での、ストライカーが不在が問題になるかもしれない。モリエンテスが完全復活する保証はない。
◆ ボカの2点先取で、ゲームが非常に面白くなった。両チームともに、攻める姿勢を崩さなかったのが非常に良かった。それにしても、強い北風が冷たかった。
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