前尾根
     1212m
(三重)


2007年5月26日 快晴

P7:00〜(裏道)〜前尾根(P6〜P3)10:30〜(裏道)〜望湖台〜武平峠〜鎌ケ岳〜長石尾根〜三口谷〜P15:00

スカイライン道に黄色のジャケツイバラ、タニウツギのピンクの花。6:40分頃もう裏道の駐車場は満車だった。
久しぶりの裏道。
日向小屋で白いタツナミソウ、ベニドウダンの蕾。
昨夜の雨で水量が多くつり橋も四の橋も流れが綺麗。お地蔵さん「ケガのないようによろしく。」と頭を下げる。
藤内小屋のシロヤシオは散ってしまった。小屋裏に3センチほどのササユリの蕾。


ウサギの耳。
ここにも笹ユリの蕾。新緑の柿の木の彼方にバットレス。
今日の目標を一つにしよう。「片足に乗り切る。」こと。
藤内沢へ。
水が多い。テストストン左端練習。


チムニー下へ。
巻き道が雨で滑る。P7から若者が来た。一番下の大きい木から行くようだ。こんな所から登る人をはじめて見た。今日トップをやっている人は教えてもらっている側らしい。チムニー外を直登して行った。
力餅一個。
エバンス。自分のザイルにいまだ結べない。夫も。
二人がやってもらっていたら夫のザイルが結ばれていない。少し戻って夫のザイルの端を腰に。
下の木の根近くのボルトにカラビナ。1メートル以上残してメインロープでインクノット結びして確保。夫はクライミングシューズに替えた。
あっという間にチムニー下から「終了。」の声。
私から先に。行けるかな?靴が滑っていきなり一番下で一メートルほど落ちた。身も心も縮む。「片足に乗り込む」という朝の目標がどこかへ飛んでった。
ショックで怖くなってしまって片足に乗れない。下で夫がなんだかんだいうので余計に身動きできない。
気を取り直して、どうにか左足でクラックに乗り込み片足に全体重をかけて立つことを意識する。ここでやっと目標達成。
いつかK田さんが「一度落ちると開き直れる。」と言っていたが私にはできない。ビビってしまう。
ほふく前進の手前二箇所。カラビナがかかっている。今日は前回と違う、よく見れば手前が私。上が夫の青いザイル。手前の自分のだけはずす。右足が一番前のスタンスに置けるようになるまで立って進む。その後ほふく前進。
終了点。自己確保を取る。自分のザイルを手繰る。
次に夫があがる。自分で自己確保。
チムニーへ。先生があがる。二本そろえてザイルを出す。ザック三個をカラビナで上げる。
そして私。夫が又いろいろと下から言っている。それにこんなところで笑わせないで。体に力が入らない・・・。「静かに・・・。」
思ったより早く左上のガバを見つける。上にあがって自己確保。ザイルを手繰る。自分の中では結構チムニーが楽しくなってきた。

夫も上がりそのままマントル岩へ。
クライミングシューズは動きが滑らか。夫が上の平たい岩で確保?でも自分の確保がきちんとできていない。ハーフインクノットになってザイルが動いている。やり直し。
「インクノットの結び方は二回かけて後にできたワッカを下へ重ねると早い。」
続いて私、中ほどから行くのを忘れて右へ行ってしまった。ここで堕ちる。
たしか真ん中を行くんだった。二回目は登れた。
上がるとシュリンゲがあった。(残置シュリンゲ?)何も考えずにそのまま使ってしまったが後で思えば使えるかどうか確かめないとだめだった・・・。
先生。「どう登ったのかな?」といいながら軍手をしたままささっと登る。
夫々に手でループを作りザイルを肩と脇に通るようにかける。これをコンテと言うらしい。
夫は首だけにかけたがこのかけ方は首をつるので危ない。必ず肩と脇に通す。最後は駒結びでハーネスにとめる。少し手に持ち移動する。
きゃしゃな先生に二本のザイルが肩にずっしり重そう。コンテで巻き道を行く。

P5。
そのままモアイ岩へ。

P4。
一旦北谷側へ降りて登る。ボルトにカラビナをかける。上ので私の自己確保。下で二本一緒にグリップビレイ。
夫に自己確保するように言う。「確保した。」というので見れば自分に遠い方をインクノット結びしている。自分に近いほうで結ばないと自己確保にならない。事故はこんなところで起きるのだろう。未熟な我々は確認しあわないと・・・。
「終了。」の声。
自分の確保をはずす。ここは距離が長いがとても楽しい岩歩き。終了点手前の岩が上がりにくい。そのまま下の広場へ降りる。
コンテにするため、手でループを作って肩から脇にかける。夫が上がりザイルを手繰る。



ななし。
藤内沢側から、楽しい岩歩き。後ろは誰も来ないので焦らなくていいし。

広場へ。
ここで小休止。緊張して喉が渇くので水を飲む。
二本もザイルをつけていると後ろに引っ張られるのでしんどいそうです。ごめんなさい。太目の我々はまずダイエットに励まなくては・・・。

P3。
取り付き。手前の太い木で確保。シュリンゲにカラビナをかける。上のカラビナに自己確保。下でグリップビレイ。
チムニーの上まで行かれたようだ。「終了」の声。
私。少し北谷側よりから取り付いて岩を歩く。右のクラックに右足を掛け、進行方向向いてチムニーに入る。手がかりのない岩を歩いて終了点へ。自己確保。あまったザイルをコンテで移動するように準備する。

「お父さん、身軽。」そして速い。
最後のスラブ岩から二ツ岩へ。夫がそのまま登ってコルまで。スラブ岩の右横を行く。続いて私も同じ所を降りてザイルを手繰る。
目の前には先週蕾だったシロヤシオが可憐な花をつけ迎えてくれた。全員コルに降りて終了


チムニーであった若者がヤグラを登り始めた。
ここで軽く食事。
一壁には赤いヘルメットがいくつも取り付いている。みずみずしい緑輝く藤内壁を見下ろす。あまりの美しさに吸い込まれそう。そして私の心は前尾根を歩けた喜びで満たされている。
今日は岩登りには最高の天気。昨夜あんなに降った雨はうそのように前尾根の白い岩はしっかり乾いていた。
先生にただただ感謝するばかり。

P1から裏道へ。
ウスギヨウラクのフリルスカートがかわいい。ヤシオの葉が木漏れ日に輝く。薄茶の縁取りと薄みどりがステンドグラスのよう。美しい。

遊歩道へ。
シロヤシオがいっぱい。綺麗。そして花数が多い。

望湖台。
一ヶ月半ぶり?雨乞岳はすっかり緑に包まれ初夏の装い。谷からの風も爽やか。記念碑あたりにはまだタテヤマリンドウが群生していた。


峠道には次々シロヤシオ。青空に白い清楚な花が映えて美しい。ベニドウダンやサラサドウダンも小さい蕾をつけはじめた。

天指し岩。
緑の鎌ケ岳を仰ぐ。新緑は山頂まで駆け上がって行った。全山緑一色の夏色。爽やか。これ以上美しい鎌ケ岳はない。
ホトトギスかな?「トッキョキョカキョク」「テッペンかけたか」どうなくのか自信なさそうでまだまだ未熟。ヒガラも「ツピツピ」と頭の上でさえずる。「青春している鳥」からも元気をもらう。

武平峠。
木漏れ日が綺麗。軽く食事。メロンパン。
緑のシャワーを浴びいい気分で鎌ケ岳へ。
展望台から望む山頂が赤いのはシャクナゲ?少し下に白いのはシロヤシオ



山頂直下は雨でまた崩れた。前尾根を歩いたのにまだ欲張って?いつものように岩を歩いて大岩に乗る。「やったー。」超気持ちいい。
緑の山、緑の風、蒼い空。みどりの御在所と爽やかな鎌ケ岳山頂を独り占め・・・。
今この瞬間ここに居られて幸せ。他には何もいらない。


尾根を降りはじめると豪華なシャクナゲ。お見事。
濃いピンクの蕾も可愛い。今日が一番いいみたい。冬に見た枯れ木は若々しい緑の大木に変身。その時、降りた左俣上部はシロヤシオ林。
黄砂かな?御在所はもやっとしている。


大滝も水量が多く迫力満点。水しぶきに夏を感じる。
いつもエメラルドグリーンのダム湖も光が溢れてよりその色を濃くしていた。
岩歩き、シャクナゲ、そしてグリーンシャワーと一日で二日分行動した気分の今日、密度の濃い山歩きに大満足。

山も緑、風も緑、水も緑、光も緑・・・。「みどり」は人を幸せにする色だと気づいた。

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