Paul Simon's Yamaha Custom Gears
僕にとって、Yamaha Paul Simon Modelへは特別な思いがある。
このギターこそSpecialなOnly Oneなギターである。
プロのための仕事用のCustomGuitarといった感じだ。
アメリカの偉大なアーティストPaul Simonが日本のYamahaGuitarを使用していることを知ったとき
「本気で?!」と興奮したのを覚えている。
(といっても、そんなこと興味がない人にとってはどうでもいいことなのですが・・・・)
それも、販促目的のみのエンドゥースではなく、自らこの楽器を気に入って使用しているというではないか!
Paulは、Yamahaギターをハイクオリティで頑丈、且つ信頼性のあるギターとして長い間、ステージで使用してきたのだろう。
話によると、彼は2本単位でギターを注文するとか?
紛れもない本物のプロだ!
僕らに様々な名曲と名演奏を支えてきたPaul。
とにかく、夢中になって彼のギターについて色々と調べ、妄想したのを覚えている。
しかし、調べれば調べるほど同じModelでも様々なバリエーションがあることに気づかされるのである。
資料: Acoustic Guitar Magazine 1993
Paul Simon From "The Sounds of Simon" AG Jul/Aug 1993 (Jeffrey Pepper Rodgers):
Paul Simon performs with custom-made Yamaha acoustic guitars....
These guitars come to him with pickups and volume and tone controls installed,
but he's been adding internal mikes for amplification.
YAMAHA PAUL SIMON MODEL
(資料:RittorMusicMook Acoustic Guitar Magazine19より)
資料によれば
Yamaha Paul Simon Modelは、1974年〜2002年にかけて製作されたギターは、全17タイプあるそうです。
10〜15型は、本人がチェックした後にヤマハへ返却されたそうです。
8、9型のうち1本はオークションで売却されているそうです。
ボディ・スペックの変遷
トップ材は、シトカ、またはジャーマンスプルースで統一されているそうです。
ボディ・サイド&バックは、
1〜3型のメイプル
3型のシカモア合板
5型のマホガニーなど、様々な仕様が存在するそうです。
外観の仕様の変遷
1型(1974年製)は、白ピックガード、L-52のボディ・サイズをサイズ・ダウンした仕様。
2型(1982年製)は、CJ-52のボディ・サイズをサイズ・ダウンした仕様。
3型(1982年製)以降は、Paul本人がデザインしたシェイプの仕様。
2型の最初の1本のみが特殊なブリッジ形状の仕様、2型以降はレギュラーなベリー・ブリッジになります。
4型からは、ボディ内部をブラックに塗装、ポジション・マーク・インレイの形状も微妙に異なったものを採用されます。
6型(1990年製)は、アバロン・トリムなしのドット・ポジション・インレイのシンプルな仕様になっています。
ピックアップについて
ピックアップ/プリアンプは、
出荷時にはヤマハのオリジナルかフィッシュマン社製が取り付けられていたそうですが
ポール側でシステムを変更・追加することもあったそうです。
01型
1型(1974年製)は、L-52のボディ・サイズをサイズダウンしたデザインとなっているとのこと。
Maple Back
02−1型
2型(1982年製)は、CJ-52をサイズダウンしたシェイプを持っている。
また、2型の1本目のみ特殊なシェイプをしたブリッジを持っている。
Maple Back
02−2型
このモデル以降は、通常のベリー・タイプのブリッジに変更されている。
Maple Back
3型
3型(1982年製)以降は、ポール本人がデザインしたシェイプ。
Maple Back
シカモア合板
(資料:Acoutic On My Mindより 製作1982年4月)
Acoustic On My Mindの中にテリー中本氏のコメントが載っています。
それによると、本人にL-53とCJ-52を見せたところ、CJ‐52に異常な関心を示したそうです。
本人の感想では、「このギターは、どこにもない音がする」と非常に気に入ってもらえ
ボディサイズを縮小する形でオーダーしたそうです。
その数年後、S&G再編のときに、ポールのマネージャーから中本氏へ、再び特注のオーダーがなされたとのことです。
そのときの要望は、型は前作と同様でよい、ピックアップ付であること、ネックは薄く・狭く・握りやすいもの、色はブラックというものだったそうです。
僅か1ヶ月半という異常なまでに短期間に2本のギターの製作を済ませ、NYの本人へ渡したとのことです。
本人曰く、「すごくナチュラルで、いい音がするよ」と言ったそうです。
このギターで、日本公演のライブもしたとのことです。
実力派ギターリスト、Arlen RothのPS Model(1983年4月製作)
Paulへギターを教えたこともあるそうです。
また、Paulのバックも勤めていたり、ギタープレーヤー誌にコラム欄を持っていたりします。
仕様は、Paulのものを同様。
(資料:Acoustic On My Mindより)
僕の勝手な推測ですが、2型のシェイプが採用されているように思えます。
4型
4型(1988製)以降は、ボディ内部がブラックに塗装され、ペグ・カラーがブラックになる。
フィンガーボードのポジション・マーク・インレイの形状も微妙に異なるものが採用される。
5型
Mahogany Back
06,07型
6型(1990年製)は、シンプルなドット・ポジション・マーク・インレイ、トリムなしになっている。
ヘッドの形状も変更され、マークもなくなっている。
16型
17型