7年ぶりに超軽量スキー板(MOCU2)を購入
 
掲載日2016年11月26日         斉藤 清 
 
7年ぶりに超軽量スキー板を購入した。その経緯を以下に紹介する。 
 
 
上のスキー板は7年前に購入して今まで使っていたカービングスキー板。
下は今秋購入した超軽量のカービングスキー板で、ビンディング付きで上の板の65%
重さしかない。板の材質は、上は普通のガラスファイバー補強プラスティックであるが、
今回買った板は、板の表面に「MOCU」と書いてあるように、北東北から北海道で採れる
軽くて密度の高い桐(きり)の薄板と、軽量であるが強度の高いチタン(チタニューム)の
薄板をサンドウィッチ状に張り合わせた板を主体にしたものであるため、超軽量を実現
できたのである。桐の板を使う「木質」を強調するため、「MOCU2」という名前を付けた
とのこと。松本の「石井スポーツ店」で購入したが、その詳細は後述することにする。

スキー板の後ろにはDOUBLE FACEと書かれているが、これは、ただ軽いだけでなく、
軽くても安定していて、オンピステ(圧雪車で整備した雪面)でもオフピステ(雪面を整備
していない非圧雪のところ)でも軽快に滑ることが出来る、またカービングターンもずらし
ターンも出来る
一見相反する二面性を持ち合わせていることを表現するために付けた
のだそうだ。ビンディング込みで、デビュー時の値引き価格で11万円弱だった。
 
 
 2009年に購入し、昨年度まで主に使用していたATOMIC製のスキー板+ビンディングの
重さは、ペアで5.8kgだった。
 
今回購入した「石井スポーツ」オリジナルのスキー板(MOCU2)+ビンディングの
重さは、ペアで3.75kgだった。今まで使用していたスキーよりも、
実に35%も軽い超軽量スキーである。 
 
更にスキー靴も、僕は右足が相当の外反母趾なので、今まで普通より大きい靴を履いていた。
そのため指先にかなりの隙間ができて滑りにくかったが、アウターブーツもインナーブーツ
も熱可塑性がある材質のプラスティックブーツにし、外反母趾の所は内側から熱を加えて
外側に膨らませ、外反母趾の親指に当たらないようにしてもらった。また足の下敷きのインソ
ールも、僕の足にしっくりして靴擦れが起こらないものを選んでもらった。 
   
従来のスキーブーツの片足の重さ、
両足で2.1kgx2=4.2kg。 
 新しいスキーブーの片足の重さ、
両足で2.0kgx2=4.0kg。

合計で16万円に近い出費になった。(価格はすべて石井スポーツの会員価格である。) 
 
 上が2004年購入した初めてのカービングスキー板、真ん中が2008年譲り受けたカービング
スキー板、下が2009年10月購入したカービングスキー板。これまでにスキー板は、7回買い換
えたらしい。

 上のスキー板は一番軽いので、しばらくぶりに昨シーズン孫と志賀高原スキー場で滑り、また
青梅市在住の友人と志賀高原スキー場(焼額山スキー場)に行った時に使ったが、滑りにくく、
転倒して怪我までしてしまった。後で調べたら、板とビンディングに欠陥が見つかり、今後は使用
しないことにした。

 真ん中のスキー板は、格安で分けてもらったが、競技用でスピードが出過ぎ、僕の技量では滑
りこなせないので、知人にプレゼントした。(高校の同級生のN君と白馬五竜スキー場を滑った時
使ったが、最上部のアルプス平から急坂を降りる時、板をコントロールしきれないで、何度か転倒
した。)

 下のスキー板を最近7年間使って滑っていた。松本の「石井スポーツ店」で購入し、滑りやすい
のだが、加齢とともに体力が低下し特に握力が下がったため、スキー場のゴンドラリフトに乗る
とき、スキーを片手で持ち上げ、ゴンドラのスキー格納ポケットに上部から差し込む動作が厳しく
なり、ゴンドラリフトの係の方に手伝ってもらったり、両手を使って差し込むようになってしまった。
 またターンする時、テールが引っかかる感じがして、もっと滑りやすい板が欲しくなった。

 それで高齢者でも容易に操作できる僕の最後のスキー板として、超軽量のスキー板を物色し
ていた。
 
 ちなみの筆者の年齢は現在80歳、来年3月末に81歳、身長は170cm、体重は67kgである。
 従来スキー板の長さは身長を基準にして決めていたが、最近のカービングスキーでは、身長で
はなく、体重と脚力で決めるらしい。板のウェスト幅が広いほど、柔らかい新雪での滑走性能が
良くなる。(フワフワ感のあるスノーボードの滑りに近づく。スノーボードの方向転換は究極のカー
ビングターン。) 
 
上の写真で一番下のスキー板は、松本の「石井スポーツ店」で購入したが、上の「カザマ」の板と
「HEAD」の板を持参して僕の要望を説明して選んでもらったもので、板とビンディングで12万円
位した。その当時は滑りやすかったが、加齢とともに板が重く感じられるようになってきた。それ
で7年ぶりに新しいスキー板を真剣に購入することを考え始めていた。
 
 先日、石井スポーツからダイレクトメールが届き、石井スポーツが北海道のメーカーと共同開
発した超軽量スキー
がその中に掲載されていた。「MOKU2」という商品名である。
 
今までのスキー板(ビンディング込み)の重さの65%しかない画期的な超軽量スキー板だった。
 
 
ダイレクトメールの一部。 1280gはビンディング無しの板1枚の重さである。
 
 さっそく今まで使っていた「ATOMIC」製のスキー板を持参して、石井スポーツに出かけ、3時間
以上も打ち合わせに時間を掛けて、「MOKU2」のスキー板の特徴を詳細にわたって聞き、僕の
滑りの特徴と希望も十分に伝え、「MOKU2」が断然気に入り購入してしまった。8台目のスキー
板である。

 僕はカービングスキーを使っても、子供(5歳から北海道でスキーをしていた)のころからの癖が
直らず、自己流カービングターンしかできず、どちらかと言うとカービングスキーの出現する前の
スキー板でターンする時常用する、ずらしターンが殆どだった。そのことも店の係の方に説明し、
ずらしターンもカービングターンもできるスキー板を頼んだ。

 僕と同じ希望を出す高齢者スキーヤーがけっこう居るらしく、軽量でカービングターンもずらしタ
ーンも自在にできるスキー板のニーズがあるので、「石井スポーツ店」が基本仕様を決め、北海
道で国産のあるメーカーのスキー板のOEM生産をしているメーカーに製造を委託し、石井スポ
ーツのオリジナル商品
として、今秋から販売を開始したそうだ。まだ量産できないので、年に
各サイズ合わせて百数十台くらいの製造だそうである。石井スポーツのプロが何度も2016年
のシーズンに滑ってみて、何度も改良を加えて製品化したそうだ。

 「MOKU2」の主要仕様を下の表の右端側に書いた。他のスキー板の仕様と比較してほしい。
 
入手年月 2004年1月購入 2008年1月入手 2009年10月購入 2016年11月購入 
メーカー カザマ HEAD ATOMIC 北海道の会社
純国産 
タイプ カービング カービング カービング カービング 
板の材質  不明  不明   ガラスファイバー
補強プラスティック
 桐薄板とチタン
板(金属)のサン
ドイッチ複合材
用途 一般用 デモ用
(ロングターン、
スピード系)
オールラウンド  ライトオール
マウンテン
(深雪も可能)
長さ(cm)    160.0    178.0 164.0   158.0   
トップ幅(cm) 10.5  9.5  11.5  12.1 
ウェスト幅(cm)  7.0  6.0   8.0   8.0 
テール幅(cm)  9.0  9.0  10.5  10.6
回転半径(m) 15.0 21.0  16.5  14.0 
ねじれフレックス性 ソフト ややハード ややソフト ソフト 
重心部補強板
(カービングプレート)
無し あり あり 無し 
 ビンディング解放値  5.5   7.0   6.0   5.5 
質量(kg)
ビンディング含む
(ペアで)
5.1 6.6 5.8
(100%)
 3.75
(65%)
 スキーブーツ質量
(kg)(ペアで)
4.2  4.2  4.2  4.0 
スキー板+ブーツの
質量(kg)(ペアで) 
9.3  10.8  10.0 
(100%)
7.75 
(77.5%)
 ビンディング付きの超軽量スキー板より、スキーブーツの方がすこし重くなっている。
ビンディング開放値は調節ができるから、自分の脚力に合わせて店で調節してもらえる。
 
   
Titanium and Wood Composite Core
と、板の材質が板の表面に記されている。 
ISG Produceとあり、石井スポーツが、この
スキー板の製品化をプロデュースしたとある。
 石井スポーツグループとmade in
HOKKAIDOと板の表面に記されている。

   
  
スキー板の断面。滑走面(ポリエチレン・・・これはどのスキーもほとんど同じ材質)、その上が
チタン(チタニューム)の板、その上が高密度の桐の板、表面にごく薄いプラスチック板があり、
飾りとして最上部に木質系のコアであることを示すため、経木のように薄い木材を張ってある。
一つ気になる点がこのスキー板にはあるのではないかと心配して、店の担当者に聞いた。
それは、チタン(軽金属)と桐(木材)の接着面が、膨張率に差があるため上の写真で上下に
剪断力が働き、経年変化で接着が剥がれないかと言うことである。マル秘の工夫をしてある
からその心配はないと店員は言うのだが・・・。 
 
 今シーズンが来るのが待ち遠しい。果たして思い通りの滑りができるか不安もある。
 
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