葉山元町堤防の投げ釣り(2004年6月24日)
 梅雨時になってもなぜか天気の良い日が続いた6月24日、投げ竿を放り込んで
葉山方面にクルマで出掛けた。風のない穏やかな釣り日和だけにどこかノンビリ
と投げ釣りを楽しめるところはないかなとふっと降り立った葉山マリーナの先に
ある元町堤防が目に入った。

 全長50m程度しかないこじんまりとした一文字堤防だが、先端にはウキ釣りを
楽しむ初老の男性ともうひと組の親子連れが竿を出していた。平日にも関わらず
意外に人気のある堤防のようだが、水深は浅く根が点在しているようだ。海面を
注視すると点々と黒っぽい海草根が広がっている。

 だが、その先は白っぽく砂地帯であることを物語っていたので、「根回りのシ
ロギスはデカイ」という教えを思い出し竿を出すことにした。もろろん先端は先
客がいるのでその数メートル手前の左側に陣取った。


 タックルは4.2mの振出式の投げ竿に投げ釣り専用リールの組み合せ。道糸は
ナイロン2号170mにテーパーライン20mを継ぎ足した。オモリはL型天秤27号
を使用。ハリス2号の2本仕様の仕掛けは市販の汎用タイプ。付けエサはアオイ
ソメ。投げる方向は左側しかないが、良く見ると30m沖は白い砂地帯の色をして
いるので遠投する必要はなかったが、少しでも広く探るために4色過ぎに仕掛け
を投入した。仕掛けを引き摺っても根がかりはない。うまく砂地帯に着底したよ
うだ。ただ水深はあまり深くないようだ。所々に起伏のあるヨブがありリールを
巻く手が時折重くなる。 しばらくするとクンクンというシロギスらしき弱々し
いアタリが手に伝わった。

 無理に合わせを入れることもなくゆっくりとリールを巻く。根回りに近付く前
に仕掛けを跳ね上げて一気にリールを巻くと案の定、15cm前後の可愛いシロギス
が掛かっていた。根回りのシロギスにも小型は居るのだと諦めつつ再度4 色付近に
投入。方角はほぼ真横に近いが、砂地帯は広がっていて堤防回りの黒っぽい部分を
避ければほとんど根がかりはない。するとまたシロギス特有の女性的なソフトな引
きを味わいつつ釣れてきたのは先程と同様の小型サイズ。不思議なことに空振りが
ない。投げる度に必ずハリに掛かっているのは魚影が濃い証拠である。

 当日の潮は小潮。午前8時過ぎに満潮になった後はは下げ潮が利き午後3時頃に
干潮になる潮回りだった。釣りを開始したのが午前10時頃からだから下げ潮の良い
時間帯にピッタリ適合したようだ。時合に合わせて釣りができるのは珍しい。

 途中、ヒトデやフグ攻撃にも遭ったものの投げる方向を微妙に変えて対処した。

 午前11時前から日射しが強くなってきた。それでもアタリは多く巻上げの度に魚
が掛かっている。アタリが掴めないまま巻上げてくることも多かった。たぶん道糸
にPEラインを使っていれば間違いなくアタリは掴めたと思う。着底後沈み方が遅く
風の影響を受けやすい新素材に魅力を感じていない筆者のこだわりがなければもっと
楽しめたはずだ。

 アタリが少なくなってきた昼過ぎにはエサも底をついたので納竿することにした。
わずか2時間弱の釣りだったが、合計6尾を釣り上げたのはここ数年では記憶がない。
今年の葉山付近はシロギスの魚影が濃い。メゴチが少ないのも相模湾の特徴といえる。


                              
                      この原稿内容は週間釣場速報に掲載された