富三丸のキンメダイ釣り(初島沖)2003年11月8日
 木枯らしが吹き始める季節になるとなぜかキンメダイが食べたくなる。小田原地域ではヤリイカ用タックルで狙えるキンメ船を周年出している富三丸が有名だ。
 
 スポーツ新聞の釣況欄を見ても連日のように30〜50尾という信じられない数字が並んでいる。そこで久々にキンメダイを釣りにに足を運んだのは11月8日の土曜日。天候は幸い北寄りの微風で凪ぎ。天気も薄曇りながら昼前には暖かく感じるほ
どで絶好の釣り日和に恵まれた。
 
小田原旧港を岸払いしたのは午前7時30分。目指すは初島沖。キンメの一級ポイントがあるからだ。航程約1時間で到着。潮回りをして仕掛け投入の合図が船長から出されたのは午前8時40分頃になっていた。
 筆者のタックルは2.7mの中通しイカ竿にPEライン6号を500m巻いた中型電動リールをセット。オモリは150号でハリ数は7本だから決して難しい釣りではない。ヤリイカやスルメイカの経験者なら簡単である。
 
 エサは船宿が準備してくれるサバの短冊。他の乗船客の中にはイカの短冊や冷凍イワシを持参する熱心な根魚ファンも少なくない。
 最初のポイントは水深が230mとやや浅い。アタリがなく少し移動をして再開すると、穂先に微かなアタリが出た。ただキンメのアタリでないことはすぐに分かった。この地域では定番の外道であるシロムツだ。
 
 筆者はシロムツの2点掛けで悪くない滑り出し。本命でなくても美味な外道が多いキンメ釣りはお土産が確実な日が多い。キンメダイの「モーニンサービス」が始まったのは午前9時30頃からだった。キンメダイ特有の小刻みに穂先を上下に震わせるアタリは心踊らせるものがある。針数が多くてもこの地域では基本的に道糸を送りだす釣り方はしないようだ。
 水深約260mから上がってくるまでの楽しみと期待感は言葉だけでは語り尽くせない。
中深場釣りの醍醐味はこんな点にもあるのだ。
 船中あちらこちらで赤い魚が取り込まれている。右舷トモから2番目の筆者も久々の3点掛けを達成。大トモの熊木さんはなんと5点掛け。「本当はイナダを釣りに行きたかったんですが釣友がキンメダイが今釣れているから釣ろう」ということで、仕掛けもすべて釣友が準備してくれたものだという。

船中あちらこちらで赤い魚が取り込まれている。右舷トモから2番目の筆者も久々の3点掛けを達成。大トモの熊木さんはなんと5点掛け。「本当はイナダを釣りに行きたかったんですが釣友がキンメダイが今釣れているから釣ろう」ということで、仕掛けもすべて釣友が準備してくれたものだという。
 その後もキンメダイの活性は高く、午前11時頃まではキンメダイを中心にシロムツ、ギンメダイ、ドンコなどが釣れてクーラーの中は色とりどりで賑やかになった。

 水深は深い場所でもリールの水深計が300mを指すことはなかった。カケアガリのポイントを流すことが多いのでマメに底だちを取り直すだけでいい。それが良い誘いになるのかタナの取り直し直後にアタリが出るケースが多い。
 だが、悪夢は突然やってきた。「サメが回ってきたからアタリが出たらすぐに巻いた方が良いな」と船長の声。すでに仕掛けごと魚をすべてサメに奪われた船長も浮かない顔付きに。

5点掛けを1回楽しんだ直後に筆者にも強烈なサメからの挨拶があった。交換したばかり5本針仕掛けに150号オモリ、その仕掛けにたぶん掛かっていたはずのキンメダイ数匹はすべて憎きサメに横取りされたのだ。
 結局、サメの回遊のためか昼過ぎからは場所を浅場に変更してもアタリは遠く午後2時30分に沖揚がり。
 
 筆者の釣果はキンメダイ12尾、シロムツ2尾、ギンメダイ1尾、ドンコ1尾の4目釣りで終ったが十分楽しめた。
釣場速報(釣り新聞)掲載