五郎丸のヤリイカ釣り
(小田原港)
小田原沖で良型ヤリイカが数つれているという情報を聞いて早速五郎丸に向かったのは12月17日。冬の季節風が止んだ凪ぎの日だけに朝から期待が持てた。
 
天候は晴れで北風の微風だから絶好の釣り日和。案の条、平日だというのに片舷10人の大盛況でオマツリが心配された。出船は午前7時。航程約30分の南沖でスタート。

船長の「はい、どうぞ」の声が聞き終る前に120号のオモリに引かれて7本の11cmプラ角が海中に吸い込まれて行く。
当日の水深は深い。180mだというから驚くが、どこも深いポイントの方が大型が釣れる可能性が高い。
 
朝の第一投で幸先よく良型が乗った。リールを手巻きで5mほど巻いてから電動スイッチを入れた。

途中グイグイっとヤリイカらしい心地よい引きを楽しみながらそっと抜きあげると胴長約45cmの大型と30cm前後の中型の2点掛けにニンマリ。船長からも「朝から幸先いいネ」と誉められて緊張が解けた。
ところが、その後がいけない。水深が深くてしかも片舷10人ということは潮の流れがそれほど強くなくてもオマツリは頻繁に起こる。確かにイカ釣り初心者がいたとはいえ、座った釣り座が悪かったのか、どうにも仕掛けの絡みをほどく時間が長くなり始めた。
 
周囲ではポツポツとヤリイカを取り込んでいるので少し焦りが出てきたが、長閑な晴天と無風の好天に恵まれて、「活性が高まれば多点掛けで挽回できるだろう」とその時は甘く考えていた。

昼前には暑くて防寒着の上着を脱ぐほどの気温になり、それと同時に午前11時頃からイカの活性が高くなってきた。
ところが、今度はサバの群れに当たりプラ角を飲み込んだ30cm弱のサバが3点
掛け。高速で巻上げても仕掛けのダメージは大きく付け替えるハメに。11cmのプ
ラ角を胃袋まで飲み込むサバの獰猛さには驚く。

運が悪い日というのは続くもので、場所が初島沖になってから水深が再度深くなり、200mというまるで中深場釣りの水深になった。
なんと筆者のリールにはギリギリ200mしかPEラインが巻かれていないではないか。
海底にオモリが着底しない状態でシャクリ始めなければならないおそまつさ。

それでも昼過ぎにはなんとか5杯まで数をのばし悪運を断ち切りと仕掛けを交換。ただし、船長曰く「プラ角は新品じゃないと乗りが極端に落ちるよ」とアドバイスを受けていたので新品、しかも小田原沖で乗りが良いというたまご針を選択。

蛍ムラ、淡ブルー、薄い緑、ピンク、透明などを組み合せて完成。ハリス3号は12cm程度で7本を付けた。新しい仕掛けはイカの反応が早いのか午後からの流しで3杯を追加。だが船長に聞いた所「今日は平均20杯でトップは41杯」という話しを聞いてガックリ。
 帰りに船宿に寄って釣り技の注意点を聞いた。 「イカが乗ったら絶対にかりかりと
すぐにリールを巻いてはダメ。極ゆっくりと5mは手巻きで巻いて追い乗りをさせる。

それとイカが海底でバレると墨を吐くため群れがすぐに散ってしまう。慎重に静かな動作で掛かったイカを群れから離す気持ちが大切」。
当日は最高8点掛けの人もいたと言うからイカ釣りの奥義ははかり知れないものがある。
釣場速報(釣り新聞)掲載