勘栄丸の半夜ムギイカ釣り(沼津・静浦港)
  型は小さくても数釣りが楽しめるイカ釣りといえば、この時期「ムギイカ」をおいて他にない。インターネットで船宿情報を確認していたら沼津の某船宿でムギイカ爆乗りの文字を発見。 半夜釣りのかかり釣りだからのんびりできるだろうと思い込んで静浦港の勘栄丸に予約を入れると「良い群れが見れ始めたから期待できるよ」と快い事。
 
 早速、3月28日の昼に藤沢の自宅を出発した。だが世間はちょうど春休みと桜の花見見物で道路は渋滞。西相バイパス、真鶴道路、熱海ビーチライン経由で沼津・静浦港に到着したのは出船の30分前の夕方5時少し前だった。早々に支度をして乗り込むと当日は日曜日の夜釣りにもかかわらずなんと計8人のムギイカファンが集まった。
  
 左舷ミヨシから2番目に釣り座を構えて準備をするとバッテリーを持って来るのを忘れたことに気付いた。だが、勘栄丸は親切にも無料で携帯バッテリーを貸してくれた。
 定刻よりも少し早く岸払い。航程約20分でポイントに到着。

 日没直後だからまだ慌てることはない。船長はアンカーを沈めて船を固定する。群れを追い掛ける普段の忙しいイカ釣りとはまったく別物だ。
 釣り開始は午後6時前。水深は約110mだが、タナは徐々に浅くなる。ただ辺りが暗くならないとイカの活性は高まらないようだ。
 
1杯目の乗りが訪れたのは6時30分頃。タナは77mとまだ深い。船長も「80mから上を探って」とアドバイス。筆者の使ったタックルは2.7mの中通し竿に小型電動リール。道糸は4号300mに11cmのプラヅノ7本仕様である。オモリは80号。
 
 当日の天候は晴れ。嬉しかったのは風がほとんどなく陽が落ちても寒むくなかったことだ。シャクリ続けていると逆に防寒着の上着を脱いだほど。それはムギイカの活性が高まった午後7時過ぎ頃だった。乗りダナも少しずつ上擦り60mから上、50m前後になり8時過ぎには36m位でも乗ってきた。乗りが良かったプラヅノの色は濃いブルーとピンク。プラヅノの種類はヤマシタのたまご針。水中ランプは点滅式のグリーンを使用。

この水中ランプが活性を高めたのか不思議と水中ランプに近いツノに乗りが集中した時間帯もあった。誘い方は小刻みに上方にシャクリ。頭上まで竿先を上げたらポーズを入れ乗りを待つ。

 あまり激しいシャクリでは小さなムギイカがツノを追いきれないようだ。特に午後9時過ぎ頃から乗り渋り状態に入ると誘いはゆっくりと静かにやった方が乗りは良かった。
 左隣の島村さんは長いムーチング竿を置竿にしてシッカリ数を伸ばしていた。

 当日の竿頭の人はサメの身を付けたエサ巻きスッテを使って良型を47杯も釣っていたというから驚きだ。沖揚がりの午後10時30分まで粘ってシャクったが筆者の釣果は25杯で平均的な数字に終った。

だが船の移動がなくのんびりとしたイカ釣りは精神的にも肉体的にも楽でイカ釣り初心者にも最適といえる


インデックスへ
                                   
釣場速報(釣り新聞)掲載
賀茂村カワハギ釣り大会
2003年10月17日
 毎年10月中旬に開催される西伊豆・賀茂村主催の第9回カワハギ釣り大
会に参加してきた。大会とは言っても長閑な西伊豆の船釣りだから緊張感
はまったくない。今回で2回目の参加だから要領も分かっているし絶景の
ロケーションを含めて今シーズン最初のカワハギとの御対面を楽しみに出
掛けた。前日の10月16日に民宿「あらり荘」に入り新鮮な魚介類の夕飯
に舌鼓を打ちつつ早めに就寝。翌17日は午前5時30分に朝食を済ませ安良
里港の集合場所に行くと、総勢80名のカワハギファンが集結し、乗船を待
ちわびている様子。大会の挨拶もそこそこに午前7時過ぎに8隻に分乗した
釣り船が港を後にした。


 筆者が乗り込んだのは好丸。漁船を改造した感じの釣り船だが、船長は
ベテラン。西伊豆の好ポイントを熟知しているというから心強い。航程約
15分のポイントで最初の釣りがスタートした。

 驚いたのは水深の深さである。東京湾や相模湾では10月のカワハギ釣り
で狙うポイントの水深は深くても30m。浅い場所では20mを切るのが一般
的。それが、ここ西伊豆では50mどころか60mを超える深場を狙うのだ。

 25号の蛍光オモリが着底した時には「昨年も深いポイントで大型が釣れ
た」ことを思い出し真剣に釣り始めた。だが意に反してアタリは遠い。外
道のキタマクラやハコフグの類いが上がってくるが、本命からの心地よい
アタリはない。周囲を見渡してカワハギは釣れていない。ポイントを移動
しつつベテラン船長がココゾ、と思うポイントを狙うこと約2時間。やっと
本命からのアタリが活発に出始めたのは午前9時30分を過ぎた頃からだった。

 筆者は根掛かりで最初の仕掛けをオモリごと失い多少戦意喪失気味であっ
たが、やっと本命を釣り上げてヤル気モード復活だ。怒濤の入れ喰いタイム
は午前10時前から訪れた。釣り方は得意の叩き釣りの後にタルマセ釣法を組
み合せた釣り方を繰り返す。これがドンピシャと西伊豆のうぶなカワハギに
合っていたようで一投ごとに釣れてくる。嬉しいのは型が良く大半が20cm
オーバーという点。逆に辛いのは60m以上もある底からリールを巻き上げる
のが大変なことぐらい。ガッチリと針掛かりすると最初はグググッと力強く
引くのだが、途中から水圧の関係で引きが弱くなってしまう。だから浅い場所
で釣れてくる時の独特なカンカンッという金属的な引き味とは異なる。

 とはいえ、文句など言える腕は持っていない。当日も午前9時過ぎまでボウズ
の状態だったから良型のカワハギが釣れることに至福の悦びを感じながら沖上
がりの12時を迎えた。釣果は17尾。昨年の大会は超喰い渋りで6尾前後だった
ことを考えれば上出来である。


 しかし、腕達者の猛者は度胆を抜く45匹というから驚異的。船中トップの
大久保さんは右舷ミヨシに釣り座を構え朝の喰い渋りタイムでもコンスタント
に本命を釣っていた。それでも1匹違いで準優勝というのだから上には上がいる
ものだ。帰宅後、「海のフォアグラ」を肝和えで食し酒量が倍になってしまった
ことは言うまでもない。



インデックスへ
                            釣場速報(釣り新聞)掲載

池田丸のシロギス釣り
(腰越港鎌倉沖)2006年6月8日
 午前中の短時間で数釣りが楽しめる釣りと言えば今の時期はシロギスをおいて他にない。湘南方面では名付けて「ショートキス」と呼ぶらしい。ここ数年で人気が出たのもうなずける。
 理由は簡単。時間が短くて料金が安いからだ。そこで6月8日(木)に腰越港の池田丸に予約を入れて乗り込んだ。当日は曇天ながら凪ぎ。北風微風で海上は穏やかだ。ビックリしたのは出船40分前には受け付けを済ませたものの船長が「もう船を出すから早く乗り込んで」と言う。出船時刻は午前8時だが30分前にはシロギスファン7人を乗せて港を岸払い。
 支度もそこそこに航行程は約10分。鎌倉沖で釣り開始。水深は意外に深く20mm以上もあり、リールの道糸の出方が速い。それでも一投目からアタリは多く、活性も高い。
 参考までに筆者のタックルは1.6mのシロギス竿に小型スピニングリール。道糸は1.5号。仕掛けは全長90cmの市販仕掛け。ハリス1号の2本針、ハリは競技針8号(赤塗)。エサは船宿で用意したジャリメ。エサ付けは特に頭を取ることなくハリ付け後の垂らしは3cm以内とした。
 最初にヒットしたのはシロギス釣りの定番外道のヒメジ。小気味良い引きが心地よい。筆者の釣り方はいつも通りのチョイ投げの誘い釣り。
 アンダースローで軽く投げて引き摺る定番の釣り方だ。ただし注意することは仕掛けが天秤に絡むことがないように海面に着底する直前に道糸の出をとめること。
 せっかくシロギスの活性が高くても仕掛けが絡んでいては喰いは悪い。
 午前10時頃まではシロギスの活性も高く、一時は良型が一荷で釣れることもあり、とても楽しめた。
 唯一、残念だったのは船下を狙った置竿にアタリが少なかったこと。確かにマメに底ダチを取らなかったことも原因と考えられるが船が流し釣りである以上、もう少しアタリが多くても良かったのではと欲どしい考えをもってしまう。

 もうひとつ嬉しいことはヌルヌル外道のメゴチが少ないことである。食べてはとても美味しい外道だが、ハリ外しに手間取り、しかも中には異臭を放つクサメゴチもいる。その数がとても少なかったのはある意味シロギスに集中できた。

 ところが、手頃なメゴチが釣れないと期待たっぷりの「端物狙い」ができない。当日はマゴチを狙ってみたいと考えてシロギス竿2本の他にマゴチ狙い用の竿も持ち込んでいた。一度はトライしたが、アタリもなく断念。エサのメゴチは全長12cm以内がベスト。ハリを飲み込んでいてもハリスを途中で切ってマゴチ仕掛けのハリに下顎から刺すこと。元気よく泳ぐ小魚でなければ意味はないということを痛感した。
 午後12時40分に沖揚がりとなった。筆者の釣果は本命シロギスは36匹だったが、外道も多彩。メゴチは3匹だけだったが、ヒイラギ6匹、ヒメジ2匹、イイダコ1匹。正味5時間弱の船釣りでこれだけ釣れれば満足だ。アタリが多く、引き味を満喫できること。小物釣りとしてはこの時期絶対欠かすことのできない湘南の風物詩といっていい。
 最後に若い仲乗りさんに話しを聞いた。「水深が浅い所では小さいピンギスが多いので良型が釣れる深いポイントを探っています。もう少しすれば15m以下の浅いところでも20cm級が釣れますから。楽しみはこれからですよ」と目を細めていた。
インデックスへ