いなの丸のタチウオ釣り(大津港)
 東京湾の下浦沖でいよよタチウオが釣れ始めたという情報を船宿のホームページで目にするようになったのは7月下旬。「今年はスタートが遅いな」と感じたものの、タチウオの強烈な引き味を知っている以上どうしても我慢ができなくて8月2日の土曜日に京急・大津のいなの丸に足を運んだ。ここは午前タチウオを出してくれるため経済的負担が軽く、同時に午後アジとのリレー釣りも楽しめるため何かと便利な船宿である。当日の天候は朝から晴れて熱い日だった。風も弱風でほぼ凪ぎ状態だった。
 ところが、出船40分前に到着して女将さんにタチウオの釣況を聞くと「ここのところパッとしなくて困っているの。今日も土曜日なのにタチウオのお客さんは全部で4名なんです。けどルアーなら浅場で釣れているから大丈夫かな」とガックリくる話しを聞かされて戦闘意欲が失せてしまった。
 というのも、筆者はエサ釣りしか経験がなく、ルアー用のタックルを持参していなかったからだ。ただルアーだけなら船内で貸してくれるという。こうなったら徹底的にシャクってエサ釣りで最低でも1尾は上げてやると開き直った。自分の事前の情報不足だったから自分のミスでもある。
 大津港を出て約30分でポイントの下浦沖に到着。 船長から「タナは15〜40m」と聞いて耳を疑った。確かに浅いとは聞いていたが、あまりに浅いのでビックリ。
 と同時に「ア、コレは絶対にルアー釣りが有利だな」と確信した。それでも諦めるわけにはいかない。
オモリ80号にタチウオ用市販仕掛け(ハリス8号の2本針仕様)をセットして指示ダナの40mまで落としてシャクリ始めた。
 タチウオ狙いの船団で形成された下浦沖は活況のように見えるが、肝心のタチウオ
の活性は高くない。
 
 釣り方は簡単。竿先を海面近くまで下げて目線の所までシャープにシャクる。
一瞬待ち時間のポーズを入れてからリールを数回巻いて竿先を海面近くまで下げて再度シャクる。これをタナの上限まで繰り返すだけ。 エサはサバの短冊だが、皮の方からハリに刺すこと。
 何度もシャクリながらやっとタチウオ独特の刺激的な引き込みを味わったのは水深計が25mを指し示した付近だった。針掛かりを確実にするため再度強くアワせてから電動リールのレバーをオンに。何度も強い引きを脇の下で感じながら浮いたのは驚きのメーター級。
 海面を割って現れる銀色の姿は何度見ても美しい。 時間は8時30分を少し回った頃だった。いよいよ時合が訪れたか、と気合いが入ったが後続がない。周囲でもアタリが取れない状態で苦戦。回りの船でもルアーでマメに誘いを入れて忙しくシャクっている人はそこそこあげているようだが全体的には低調だ。
 海面を割って現れる銀色の姿は何度見ても美しい。 時間は8時30分を少し回った頃だった。いよいよ時合が訪れたか、と気合いが入ったが後続がない。周囲でもアタリが取れない状態で苦戦。回りの船でもルアーでマメに誘いを入れて忙しくシャクっている人はそこそこあげているようだが全体的には低調だ。
 次のアタリは約30分後に来たが型はやや小ぶりで約80cm弱。それでも引き味はなかなかのもの。その後はポイントを移動して水深約70m付近まで探ったが、外道のマサバが釣れただけで午前11時40分に納竿。
 釣果はなんと2尾だけ。これで当日の竿頭というのだから喜んで良いのか悲しいのか分からない。とにかく水深が浅い(タナが40m以浅)時期はエサ釣りは不利と思った方がいい。釣れないわけではないが、タナが約60m以上深くならないとエサ釣りには難しい。
 
 だが、たぶん8月下旬頃にはタナも深くなり活発にエサを追うタチウオが増えるだろう。リベンジはそれからでも決して遅くない。

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                          釣場速報(釣り新聞)掲載
忠彦丸の納竿タチウオ釣行(金沢漁港)
 「観音崎沖80mでタチウオ復活」の情報を聞き付けて今年最後の沖釣りに出か
けたのは12月23日の祝日。数釣りよりもとにかく1mオーバーを1尾でも良いから
釣り上げたいと考えて金沢漁港内の忠彦丸に足を運んだ。出船は午前7時30分。
40分前には到着していたが、人気魚だけにすでに片舷8人の盛況ぶり。定刻通り
に港を後にしたが、竿の数を数えると両舷でなんと18本に増えていた。

 当日の天候は晴れだが朝のうちは北寄りの風が多少吹いていて波っ気があり、
いかにも釣れそうな雰囲気が漂っていた。観音崎沖のポイントまで約25分。潮の
飛沫をかぶりつつ到着するとタチウオ狙いの大船団ができていて改めてタチウオ
人気を再認識した。これで大物が釣れれば御の字だが自然の神は敢えて乗船者に
辛い試練を与えた。

 釣り開始は8時頃だったが、アタリが出ない。完全な喰い渋りのようだ。エサ
が取られていない。タチウオの活性が低いのだ。2本針の仕掛けはハリス8号3.5
mの市販モノ。オモリ100号を使い、エサのサバの短冊は縫い指して付け取れに
くくした。皮は外側に出してアピールを高めた。

 周囲で釣り上げていたのはわずかに数名。活性が少しだけ高まったのは午前9
時頃からだ。水深85m前後でタナは下から3mから15mだという。筆者が最初に
掛けたのは水深80m前後だ。

 小さくチョンチョンの後に竿先を30m刻みで誘うとしばらくしてからググッと
引っ張る感じの微妙な感触が手に伝わってきた。
 「今だ。」と思い竿を大きく煽ってハリ掛かりさせ強烈な引きを堪能しつつ電
動リールで素早く巻上げたのは95cm(後検量)の良型。

 しかし、念願のメーターオーバーには後一歩足りない。アタリダナを集中的に
攻めるため82mからゆっくり誘いを入れて5秒待つという誘い方が功を奏したのか
2尾もがヒット。指3本半といった平均サイズ。アタリダナは81m〜79mに集中
してきたので前後2mを丹念に探り、なんとか3尾目を釣り上げたところで再度喰
い渋り現象。幽霊魚だけに喰い方も気紛れである。

 誘い方を替えてみても活性は全然高まらない。そのうち、エサがそのまま戻って
くるようになると釣り人側が時計を睨みつつ時間を気にし始めた。午前11時20分
前後には納竿となり半分欲求不満状態で沖上がりとなった。

 後で仲乗りさんに本日の釣果を聞くと「トップで5本で最低はゼロの人続出とい
う悲惨な結果に終わった。

 だが、竿頭が5本ということを知り内心ホッと胸を撫で下ろした。納竿釣行には
この数字は相応しくないが、翌年にリベンジを誓い港を後にした。無風ベタ凪ぎの
海だけが無性に悔しく感じたのは筆者だけではないだろう。メーター弱の良型は刺
身で、他は煮付けやバター焼きにして食べたが冬場のタチウオの味は最高。必ず再
度釣戦することを心に誓ったのだった。



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萬司郎丸のシロギス釣り(片瀬江ノ島)
今年は解禁直後から相模湾のシロギスが絶好調だというので釣友の加藤氏と片
瀬江ノ島の萬司郎丸から1月30日にシロギス釣りに出掛けてみた。

 当日の天候は北寄りの風が強くなるという予報だったが、運良く出船の午前8
時には多少北東風が吹いていたが晴れで気持ちが良かった。前日もトップ1束と
いう爆釣だったので期待に胸を踊らせていたのだが、釣り開始直後はアタリが少
なく苦戦した。

 最初のポイントは江ノ島近くの腰越真沖。水深は少し深く20m前後。仕掛けは
ハリス1号に競技用バリ8号2本バリで始めた。オモリは15号でエサはジャリメ。
ハリ先を少しだけ出して小さく付ける。アタリの出始めるまで様子を見るためだ。

 アンダースローで軽く投げてから糸フケをとってからゆっくりと誘いを入れる。
根がかりはほとんどなくのんびりと置竿で釣ろうと考えたが、どうにもアタリが
遠い。最初に釣れてきたのは定番外道のヒメジ。手の平サイズだったが天ぷらネ
タとしては美味なのでキープ。その後もシロギスのアタリは少ないものの加藤氏
は自作の0.8号ハリスの仕掛けで着々と本命シロギスを釣り上げている。面白い
のはサイズがマチマチという点。12cmほどの小型が釣れた直後に20cmオーバ
ーの良型がヒットしたりと気が抜けない。

 筆者の隣では仲乗りのお兄さんが2本竿でひっきりなしにシロギスを立続けに
釣り上げ、さすがに手返しが速い。じっと釣り方を観察していると、1本は完全
な置竿だが、軽く道糸を張った状態で竿掛けにセット。もう1本は手持ちでマメ
な誘いを入れている。比較的リールを速めに巻きつつ時折待つ感じ。釣り座が左
舷ミヨシのため前方に勢い良く投げて釣っていたのが印象的だった。

 とにかく、一荷の連続を続ける素晴らしい釣りっぷりにしばし唖然とするほど。
 「釣る人は釣るんだな」と感心することしきり。こちらは小さなアタリをどう
感じ取るかに必死だ。確かに良型でない限り明確なアタリはとり辛い。最初のア
タリでは針掛かりしないため少し待つと次の食い込みがない。仕掛けを挙げてみ
るとエサが食いちぎられているだけ。

 アタリが少なければ竿を2本出して数を稼ぐ方が効率的と考えたのがさらに失
敗の素。午前 10時頃から潮の流れがやや速くなったため反対舷の人とオマツリ
することが多くなり、仕掛けが船底に潜る状態が続く。

 仕掛けを丸ごとロストしてから1本竿で集中することにしたが、時すでに遅し
で沖上がりまで後1時間しかなくなっていた。

 不思議に感じたのは釣れてくるシロギスの大半が枝バリに掛かっていたこと。
潮の流れが速いのか先バリに掛かるのは少なかった。それは置竿で釣れる場合も
同じだ。シロギスの活性は決して低くはないという証拠でもあろう。

 結局、筆者は手返しの悪さとエサ付けが失敗したたのか船中最低の9尾。外道
のヒメジ、トラギス、メゴチ、カナガシラなど晩のおかずに困ることはなかった
が、冬場のシロギス釣りの奥の深さを思い知らされた日であった。加藤氏は30尾
以上を釣っていたことを考えると反省材料は多いようだ。参考までに仲乗りのお
兄さんはなんと73尾だった。


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一俊丸のキンメダイ釣り(茅ヶ崎港)
 冬になると思い出す釣りがある。竿先を鋭く上下に叩くアタリが心地よいキン
メダイである。今年は魚影が濃いという情報を得ていたものの時間と資金繰りが
つかず、2月12日にやっと茅ヶ崎港・一俊丸から約1年ぶりのキンメ釣りに出掛
けることができた。

 出船は午前7時。深場釣りファン7人を乗せて真沖に向けて約20分。航程は短い
が、支度をするのにやっと間に合いホッと胸を撫で下ろす始末。1年ぶりに10本
針の胴突き仕掛けのを船縁にセットするのに四苦八苦。ハリス8号50cmの仕掛け
にサバの短冊とカタクチイワシの切り身を交互に付けてイザ投入。左舷大ドモに
座れはしたものの慣れない手付きで150号のオモリを海中に投げ入れる。

 スルスルッと滞りなく仕掛けが沈んでいく様を見ているとア〜今年もキンメダイ
の季節か、と感慨に耽る。

 当日の天候は晴れだが、北東の風がやや強く寒さは半端ではない。それでも船
の揺れは少なく205mのポイントから釣り開始となる。右舷大ドモに釣り座を構
えた厚木市の宮本さんは最初から竿先に良い感触を得て早速シロムツ数匹と同時
に本命キンメダイを釣り上げた。型は少しこぶりだが約25cmはある。平均サイ
ズよりも小さいものの幸先の良いスタートを切った。

 筆者はというと、シロムツが2匹のみ。空振りよりは良いが、早く本命のアタ
リが欲しいところ。幸いにも潮の流れは速くはなさそうだ。2日前は潮が速くて
船中オマツリ騒ぎで釣果は芳しくなかったとのこと。

 アタリが多くなって期待が持てそうになったのは午前9時30分を過ぎた頃だっ
た。筆者の10針にシロムツが3匹掛かり、キンメを釣るための「税金」を支払っ
ていると感じつつ、230m前後からスローで巻上げてくる時の楽しみは増えた。

 だが、仕掛けを海中から引き上げてくるひとときの楽しみは何度となく裏切ら
れ落胆の色が濃くなった。船中本命のキンメを釣り上げている人は少ない。

 左舷の釣り人曰く「やはり釣果が期待できる小田原まで走れば良かったかな」
と渋い顔。こちらも平均で20尾前後。型は30cm前後だからその半分の10匹で
も満足できるのになどとボヤきながら本命不調の愚痴をこぼし始める。

 風も落ち着き凪ぎ状態の海に向かって「1匹でも良いから本命を」と願ったの
が通じたのかやっと1匹だけキンメの顔を見れた。

 その後、午前11時30分頃にマメに底ダチをとっていたら小気味良いアタリが
出た。いよいよ良型の登場か思ったが、なんと全長約24cmのアコウダイが2匹
掛かっていた。これはラッキーと思い、気合いを入れたがキンメからのアタリが
ないまま午後2時過ぎに沖上がりとなってしまった。

 それでもシロムツは14匹、キンメ1匹、アコウダイ2匹、ユメカサゴ1匹、ギン
メダイ1匹、大サバ1匹で6目達成で一応は満足。他の釣り人もクロムツや小メダ
イを釣り上げて根魚五目を堪能していた。

 残念だったのはコンコンと竿先を叩くアタリが欲しかったこと。来月には再度
キンメ釣りに挑戦するしかない。


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夜アナゴは忠彦丸(金沢漁港)
2005年6月5日
 今年は約3年ぶりに夜アナゴの模様が良いというので6月5日の日曜日に金沢漁
港内の忠彦丸に出向いた。久しぶりの夜アナゴだけに気合いが入ったが、結果は
悲惨なものであった。

 出船30分前の午後5時前には受け付けを済ませ乗り込んだが、常連客の話では
「5月中旬までは良かったがここにきて喰い渋り気味」だという。定刻の午後5時
30分に港を出発して向かったのは数釣りの期待できる木更津沖。航程は約30分。

 ところが、不思議なことに僚船が見当たらない。どうも木更津沖はすでに釣り
尽くしてしまったのかアタリがほとんどなく、早々とポイント替え。さらに30分
近く走って湾奥の盤洲付近に到着。周囲にはアナゴ狙いの乗合船が15隻ほど集結
していた。

 釣り再開でなんとか1尾でも釣り上げたいと3年ぶりのアナゴ専用竿(1.2m)を両
手に2本で定番の小突き釣りをスタートしたが、時間はすでに7時を回って辺りは夕
闇に包まれ始め、夜景が綺麗に見え始めた。

 やっと1尾目が釣れたのは活性が僅かに高まった午後8時過ぎ。残念だったのは小
突き釣りで釣ったのではなく、片方の竿にエサ付けをしていた時に反対側の置竿状
態になっていた竿にグイグイという明確なアタリが出たので素早く竿を持ち上げ大
きく煽って確実にハリ掛かりさせてから巻き始めると強烈な引きにビックリ。アナゴ
ってこんなに強く引いたかなと考えつつ引き上げたのは全長約45cmの良型。途中
リールを巻く手を止めるほどの引き味で満足感を得たが、アタリはそこまで。

 周囲を見渡してもアタリも少なく当然本命を釣り上げている人は少ない。潮は適度
に流れている様子だが、活性は低い。左隣のベテラン風の釣り人も「今日はダメだね、
エサの取られ方も少ないから」と浮かない顔つき。それでも一時活性が高まった午後
8時過ぎから立続けに3本を釣り上げて手際の良い釣り技を披露していた。

 付けエサはアオイソメだが筆者は冷凍庫に眠っていたサバの切り身を持参して2本針
の1本に付けて臭いによる集魚効果を期待したが、効果はあまりなかったようだ。エサ
取りの激しい高活性日ならばもう少し効果は見られたかもしれない。

 結局、起き上がりまで釣りあげたアナゴは2本のみ。1本は良型だったので満足感は
あったが、あまりにアタリが少ないのは残念である。2本とも置竿状態で釣れたことも
不満が残る点だ。

 参考までに書き加えたいことは活性が低い日は小突き釣りではなく、2本竿とも軽く
投げ込んで置竿でアタリを待つ方が良いということ。さらにケミホタルはある程度大き
くないと目立たないため喰いの悪い日にはやや大きめのケミホタルを装着した方が良い
という点。色は夕闇状態の時間帯には、赤色を使用し暗くなってからはグリーンが効果
的という話しも聞いた。

 船上で仲乗りさんが素早く捌いてくれたアナゴを自宅に持ち帰り、翌日煮アナゴにし
て食したが「流石は江戸前のアナゴ」という絶品の味を満喫できたことは言うまでもな
い。釣期が短いため再挑戦できるかどうかは今後の釣果情報に委ねるしかないようだ。


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