鳥吉丸のアマダイ釣り(片瀬江ノ島港)
 ここ数年の初釣りは片瀬江ノ島からアマダイ釣りに出掛けることに決めている。
理由は簡単。アマダイの最盛期であり、しかも外道が多彩で色々と美味な魚を味わえ
るからだ。島吉丸に出向いたのは1月7日の火曜日でこの日は「お客様感謝デー」。
乗船料が大幅割引きしてもらえるとあって乗船客は片舷8人計16人と大盛況となった。出船は午前7時20分。天候は2日前までの西寄りの強風が完全に収まり北の微風で海上
は凪ぎ。
 アマダイ釣りには最適な日和となったが、同時に西風が強く吹いた2日後には必ず
大漁になるという海況データがある。と偉そうに書くほどのものことはなく基本的に
底を探る釣りモノだけに凪の日が有利であることは間違いない。
 当日は久々の凪ぎの好条件ということもあってか船長はいつもの江ノ島沖周辺ではなく、なんと城が島沖まで走った。約1時間かかったが、結果的にこれが大正解となった。
 一般的にアマダイは釣れても1尾から2尾程度が限度で後は美味しい外道を楽しむという釣りモノと思っているから気が楽だ。

 釣り開始は8時30分頃。オモリ80号のハリス2mで2本針。
船宿から受け取った手作りの仕掛けを使ってみた。エサのオキアミをハリに真直ぐに刺して水深100mの底に送り込んだ。
 すぐにアタリが出たが、城が島沖では定番の外道とされる赤イサキが海面に浮だ。
その後も本命のアマダイの小気味いいアタリは来ない。船長が移動の合図を告げて数
分後に再度仕掛けを投入すると、今度は潮の流れが速くお客同士の仕掛けが絡み始め
オマツリ大会の始まりとなってしまった。
 船長は機転を利かせて右舷側の釣り人に100号のオモリを渡して潮流の方向と速さを素早く対応。これが功を奏したのか午前10時過ぎ頃から本命が出始めた。
 
 右舷胴の間に釣り座を構えた筆者の左隣の釣り人がなんと当日最大となる全長51cm
の巨大アマダイを釣り上げた。隣で見ていた私も竿の曲がり具合から良型のアマダイ
だと確信はしていたが、まさか50cm超とは驚き。流石は城が島沖だ。
 筆者に本命が来たのはその後30分してから。アタリはアマダイ特有の強い引きを
見せ、3段引きまではなかったが、全長41cmの良型を釣り上げホッとした。
 
 その後も赤イサキを筆頭に多彩な外道が次から次ぎと釣れてくる。始めて釣った
のがキダイ。一見するとマダイに近い姿で引き味はアマダイ以上に強く楽しめた。
 次はムシガレイ。これもなかなか鋭いアタリとファイトで楽しめた。船長からは「この魚は刺身で食べるとうまいよ」と言われて俄然張り切った。
 途中小サバに邪魔されながらも沖メバル、アヤメカサゴなど五目釣りをクリアし大満足。とにかく、アタリが頻繁に出て何が釣れてくるのか分からないところが楽しい。
 根魚五目と違う点は ハリス約2mの仕掛けを海底スレスレに這わせることだけ。
 ただ当日のポイントは砂底ではなく大半は根がきついところが多く頻繁に根掛かりをしてしまい仕掛けの損失は痛かったが、それでも本命の良型アマダイの他に食べて美味しい多彩な高級外道を釣り上げることができて楽しい初釣りを満喫できた。今年も大漁の年にしたいものである。

                          釣場速報(釣り新聞)掲載
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山天丸のタチウオ釣り
9本で竿頭に! (久比里)
(2006年8月19日)
 東京湾のタチウオが水深約15〜30mで釣れ始めたと聞いて早速出掛けのは8月19日の土曜日。毎年この時期はルアーに好反応を示すというが、徐々にエサにも喰い付くようになったので期待を胸にライトタックルを持ち込んだ。

 乗り込んだのは久比里の山天丸。出船7時30分にはタチウオファン6人を乗せてポイントの金谷沖を目指すこと約30分。金谷沖にはタチウオ狙いの釣船の船団が形成されていてビックリ。三浦半島の船宿だけでなく富津や保田港周辺の船も集結していた。当日の天候は朝から夏の日射しが照り付ける晴天。しかも南寄りの微風はあったものの海上はほぼベタ凪ぎ。
筆者から望む景観。
絶好のポイントには釣り船が密集する。波もなく、コンディションも最高と言えそうだ。
 筆者の釣り座は左舷胴の間。ポイントに到着してからの潮回りが長く、どうも群れが小さいのか魚探の反応が薄いようで、なかなか船が停止しない。釣り開始まで約15分ほどのポイント探索を繰り返した。
 案の定、アタリは遠く指示ダナ(20m〜40m)を何度となくシャクリを入れても付けエサのサパの短冊がそのまま戻ってくる。やっとタチウオのアタリが出始めたのは午前10時を少し回ってからだ。ただ喰い付きが浅く追い掛けてくるほどの活性もない。
 そこで筆者は夏季のタチウオの定番の誘い方を敢行。ロッドは1.75mでオモリ負荷20〜40号にカワハギ用の小型両軸リールをセット。30号の鋳込み天秤の先に7号ハリス2m1本針の仕掛けを結び、大きくシャクルとやっと強烈な締め込みで最初の1本目が上がった。ただ全長約70cmの小型だったのが不満。引き味も「こんなものかな」といった印象であった。
 ところが、ポイント変更後、時計の針が11時40分を過ぎる頃には活性が高まったようで、指示ダナの途中(約20m前後)で急に竿先が絞り込まれた。
 シャクリ動作を止められる夏タチウオ特有のアタリを体感し、一瞬リールのスプールに道糸が巻けなくなる快感をしばし楽しみながら、引き抜いたのは全長90cm弱の良型だ。サイズアップするとアタリも引きも違うと実感。
 その後も昼12時過ぎから怒濤の入れ喰いが訪れるがうまく針掛かりできないアタリも多く、中には海面直下でバレてしまうこともあり、なかなか数が伸びない。
横須賀から来られた大森氏は、良型を次々とゲットしていく。気持ちのよい瞬間だ。
 それでもタチウオの活性が高い時間帯は、シャクリの幅を大きく(海面から目線までの竿先移動)シャクルのが当日後半は効果的だった。付けエサのかじられた跡が明確で、何度か知らぬ間にエサだけが無くなっているケースもあり、水深が浅いこともあり頻繁に付けエサのチェックを怠らないこと。
 もちろん一度アタリが出てもハリ掛かりしなかった場合は、速効でエサの確認をすること。かじられていた場合は、つねに新しいものに交換する習慣をつけたい。また、エサの刺し方は縫い指しとして、皮は表側にして針先を出すこと。垂らしは短くした方がハリ掛かりは良い。参考までに使用したハリはサーベルフックHGの1/0のホログラムカラー。針掛かりも良く、エサも刺し易かった。
筆者の釣果
良型のタチウオ9本に40センチを越すマサバ。活性の高いということはあったが、筆者は連続して竿頭となった。タチウオ釣りのポイントは、まめにエサの確認をすることが最重要だと言える。
 途中、40cm近いマサバの外道もキッチリと血抜きをしてクーラーに。午後1時20分の
沖揚がりまでに計9本のタチウオを釣り上げて当日の竿頭になったことを付け加えておこう。
翌日にはトップ23本の大漁。ライトタックルのタチウオは軽いオモリと浅いタナだけに
パワフルで刺激的な釣趣を満喫できることは間違いない。調理も簡単でしかも美味。
夏タチウオはこれからもっと活性が高まり数釣りが楽しめるようになるだろう。
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