沼津・西浦平沢港(2003年6月17日)
  ボート釣りには最高のシーズンとなった6月中旬の17日、沼津・西浦平沢港からマイボート(ポータボート10フィート)を浮かばせて釣友といつもの五目釣りを楽しんだ。
 当日は、わずかに小雨混じりの曇天だったが、風はなく波も穏やかでボート釣りには最適。今回はいつもの根魚ポイントを少し避けてサビキ仕掛けでアジを狙いたいと考えた。
水温はもう22度近くもあり、アジなどの回遊魚も回ってくるはずだと目論んだ。
 場所は西浦・平沢港を出て左方向に約10分走らせたところにある立保でイケス回りを重点的に攻めた。
アジは基本的に回遊魚ではあるが、根回りに回遊する習性があるため魚群探知機で丹念に探した。
 残念ながら大きな高根は発見できなかったが、海底の起伏の入り組んだ場所に決めブイに係留して釣り始めたのは午前9時30分頃であった。
 最初はなかなかアタリがなかったものの、釣友の竿にはオキアミえさでトラギス
やササノハベラを釣り上げていた。
 潮回りは中潮で、満潮は午前5時40分前後。干潮は午後1時前後。つまり、潮が変わる午後1時過ぎがたぶん本命のアジの回遊時間と判断。アミコマセを節約しつつ使っていると、案の定午後1時30前後にアジからの魚信。やや軟調のコンパクトロッドがグングンと海面に突き刺さる。慎重に巻上げてくると本命のアジ。型は小さいが、カラ揚げなら十分美味しく食べられると思い数多く釣れるように再度コマセカゴにアミコマセを詰めてサビキ仕掛けを落とした。
 だが、水深約30mの海底まで降りて行かないのだ。たぶん途中でアジの群れに当たって仕掛けが浮いた状態になったからだ。
 ところが、本命のアジではなく小サバの群れだった。全長20cm未満の小サバとはいえ元気良く8の字回転で上がってくるため仕掛けはグチャグチャにされるケースが多く、せっかくアジがかかっていてもサバの暴れん坊の影響で口の弱いアジだけがハリから振り落とされてしまう。
 午後2時を過ぎると今度はカタクチイワシの群れに遭遇。サバとアジの他にイワシまで釣れるとは。青魚御三家に嬉しいやら戸惑ってしまうやらでサビキ仕掛けに多点掛けをしばし堪能した。釣友は上げ潮に入ってから巨大なシロギス(全長26cm)を釣り上げた。「思わずリールのドラグを調整して対応してしまった」と笑顔で応えてくれた。付けエサはオキアミだったという。
 その後、アタリが途絶えたので根を探しながら磯場が見える岸よりに接近して釣友が得意のカサゴ釣りを楽しんで午後4時には納竿とした。
 本命のアジは9尾だけだったが、小サバ12尾前後にカタクチイワシ10尾程度の他巨大シロギスを含め2尾、ササノハベラ3尾、トラギス約7尾、ヒメジ1尾など五目釣りならぬ7目釣りを達成。
 何より嬉しかったのは狙ったアジがサビキ仕掛けで釣れたことだ。
 台風の接近が増える8月頃まではボート
釣りに専念するのも悪くない。ただし紫外
線対策は厳重に行ないたい。軽い火傷と同
じ現象になったら大変だからだ。                        



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網代湾ボートでカイワリ
2004年11月13日
 晩秋のボート釣りの人気対象魚と言えばカワハギを外すことはできない。毎年11月になると1回は必ず網代でボート釣りをする。理由はカワハギの肝和えを食べたくなるからである。

 ところが、今回ほど自由きままなボート釣りのメリットを味わえたことはなかった。本命に振られても臨機応変に釣りモノを変更できることをこれほど有り難く感じたことはなかった。

 11月13日、釣友の加藤氏と網代に向けて自宅の藤沢を出発したのは午前6時。途中朝食を取りつつ現地の貸しボート店(内田丸=0557-68-1565)に到着したのは午前8時頃。最初のポイントは沖合いのイケス回り。左端の列から2番目の中間付近の空イケスに係留して釣り始めたのはすでに8時30分を過ぎていた。
 当日の天候は晴れで風も北寄りの微風。若干ウネリはあったものの釣り辛いほどではない。水深は35m前後と深いが、網代湾のボート釣りでは平均的な深さだ。潮の流れも速くなくすぐにアタリが出るものだと考えていたらこれが違った。アサリは冷凍モノを使ったが、釣友の加藤氏も同じ。アタリがまったくない。しかも、3本バリに付けたエサがそのまま戻ってくる。「ここにはカワハギはいないのかな」と思いつつも叩き釣りでしばらく辛抱したが1時間経っても何も魚からの生体反応がない。カワハギだけでなく魚の活性が極端に低いようだ。


 ポイントを変更しつつカワハギの群れを探しながら2ケ所ほど移動したが、本命からのアタリは皆無。いよいよ決断の時が迫っていた。時計の針はすでに10時30分近くになっていたのだ。「これでは2人ともボウズになってしまうのでは」と不安がよぎり、ボート店主に聞いていた多賀寄りの南熱海マリンホールが目の前に見えるブイ回りに大きく移動した。
 オレンジ色のブイに塩ビパイプが取り付けられたポイントにうまく係留することができたのは午前11時少し前だった。

潮が変わり(干潮が午前11時13分頃)と同時にヒットしたのはサビキ仕掛けの竿だった。

予備に購入しておいたアミコマセをコマセカゴに詰めて沈めてあった竿先が一気に満月になった。
サビキ仕掛けに最初のカイワリがヒット!
 慎重にリールを巻上げて海面を割ったのは全長20cmのカイワリ。「やった、カイワリだ」と思わず叫んだのはそれまでの沈黙が長かったからだろう。
 すぐにコマセを詰めて再投入すると今度はダブルで掛かってきた。意外に強い引きを存分に味わいながら入れ喰いタイムが始まった。
加藤氏もサビキ仕掛けに変更してカイワリを釣り上げホッとした表情である。

 筆者は2度も一荷を楽しみつつ外道のアジも掛かり一気に好調の波に乗れると思ったが、昼前にはアタリが遠くなり、ポツリポツリとアタリはあるが、巻上げ途中でバレてしまう。やはり活性が低く、喰いが浅いためかもしれない。
カイワリをゲットして安堵の表情の加藤氏
 それでも昼過ぎには一瞬の強烈なアタリがあったと思ったらハリス切れ。それを2回経験し、太いハリスのサビキ仕掛けに変更しようと探したが2号ハリスが限度。それ以上太いサビキ仕掛けがない。ハリスを引きちぎってオモリまで持って行ったのはたぶんイナダかソウダガツオではないだろうか。

 バラした魚に思いを巡らせる余裕も出て来たが、午後1時30分には「再度カワハギを狙ってみたい」という加藤氏の希望を取り入れて和田木港前のイケスに移動。ボート返却時間が午後3時だから残り時間は90分足らずだ。
 ウネリはすっかり収まりベタ凪ぎ状態にはなったが、相変わらずカワハギからのラブコールはない。午後の上げ潮が適度に効いているはずだが、どうにも活性が上がらない様子。
 筆者はしぶとくサビキ仕掛けを垂らして良型アジ(全長24cm)を追釣したものの後が続かない。

 加藤氏もアジを掛けたのだが、イケス周辺に沈んでいる太いロープに仕掛けを引っ掛けてしまい痛恨のバラシ。適度に潮が効き魚の活性が高まりつつあったが、惜しくもタイムアップ。

 筆者は全長20cm前後のカイワリを6尾とアジを2尾釣ってなんとか楽しめた。
カイワリは美味な魚だ。高級魚としての商品価値は高い
 正直言えば、網代に向かう途中で購入した冷凍アミコマセが思わぬところで威力を発揮してくれたのだ。もしアサリしか持参していなければ最悪の結果になっていたかもしれない。


 ボート釣りの場合、狙う対象魚をいつでも変更できるのだからエサの種類は多ければ多いほどボウズのリスクを回避できる。今回ほどそれを痛感したボート釣りはなかった。良い教訓にしたい。
 それにしても網代湾のカワハギはいったいどこに消えてしまったのやら。


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