新型カルディナ(2WDのZT)試乗記
コロナをベースに作り上げたミディアムクラスのワゴンとして安定した人気を誇るカル
ディナがフルモデルチェンジしたのは2002年9月中旬。個性的なボディシルエットと
スポーティな走りを兼備した「新世紀のスポーツスペシャルティワゴン」に生まれ変わっ
た。そこで実際に試乗車を駆り出してその進化と真価を総合的に検証してみた。
 
試乗車は2WDのZT。九段下のトヨタレンタから編集部のある江東区福住まで午前中の都
心を走ってみた。運転席に乗り込んだ時に感じた頭上からの圧迫感は解消されたもののフロン
トガラスの強い傾斜角はまだ慣れない。スポーティカーに近いデザインだからこの程度の傾斜
角度は特に違和感はないはずだが、運転席に座るとなぜか強く感じてしまう。
 
とは言っても極端に前方視界が悪くて運転がし辛いということはないので不満はない。た
ぶん慣れて作でスムースに走ってくれる。乗り心地も多少硬い面もあるが、それは装着タイ
ヤの問題もありスポーティな味付けの範囲として理解できる。
 
ただし、坂道発進だけでなくイザという時のダッシュ力は「今一歩」を何度か体感した。アク
セルをやや強く踏み込んでもシャープで切れ味鋭い加速感を得られない場面があったことは確かだ。

この点はATのギア比の設定に問題がありそうだ。確かにAT自体は最新型のECT−iEを
採用し、電子制御された高性能な機構を内蔵している点は評価できるが、1速と2速のギア比
が高く省エネ志向に振った仕上がりのため、一瞬のダッシュ力に欠ける場面がある。そんな時
にはドライバーが積極的にシフトダウンの操作をすればいい。そのためにマニュアル操作(手首
だけ)で即座に3速に変速できる仕組みになっている。

たぶん曲がりくねった峠道ではこうしたマニュアル操作の効果が発揮されるだろう。
 乗り心地に関しては全体的に路面からの衝撃を忠実に拾うタイプという印象が強い。これは
足回りの味付けがスポーティに仕上げているためと考えて良い。それを明確に証明するのが標
準装着タイヤである。215/45ZR17という高性能なタイヤを履いているためだ。

このタイヤは最上級のDOHCターボ車(4WD)と同じものである。つまり、ZTはたとえ
2WDでもスポーティな味付けを身上としているということだ。時速100kmに近い速度で
東北自動車道を走っている時も路面の凹凸と目地を忠実に拾い、ゴツゴツ感が残る。慣れてと
まえばそれほど気にする問題ではないかもしれない。
 
少し不快に感じたのは高速走行中のステアリングの保舵感だ。簡単に言えば、一定速度で直
進している場合、ステアリングの安定感が少し足りない。低速域では軽く高速域ではドッシリ
と落ち着いた操舵感覚が大切なのにどうしたわけか試乗車には若干安定感が少し欠けていたよ
うに感じたのだが。
 
もしかすると、路面からのショックを受けやすい足回りだからそれが微かにステアリング
に悪影響を与えているのかも知れない。もちろん市街地走行では特に違和感は感じなかった
から心配には及ばない。
 
安心感を与えてくれたのは素直に効くブレーキ性能だ。ブレーキペダルの踏み加減に応じ
てスーッと制動してくれる感覚が好印象である。急ブレーキをかける場面はなかったが、
制動性能はクラストップにランクされていい。タイヤなどの足回りとのバランスも良好だ。
安心してアクセルを踏み込める。
 
素晴らしい点はまだある。静粛性だ。特に時速70km以上での静粛性はこのクラスとし
ては高く評価できる。前述した路面からの僅かな突き上げ感は足回りからのものであり、静
粛性の水準はあくまでエンジン回りの問題。つまりエンジンの静粛性はやや高いギア比の恩
恵を受けている。例えば時速100km時のエンジン回転数はわずか2300回転しかない。
風きり音も少なく快適な高速クルージングを満喫できることは間違いない。

安心感を与えてくれたのは素直に効くブレーキ性能だ。ブレーキペダルの踏み加減に応じて
スーッと制動してくれる感覚が好印象である。急ブレーキをかける場面はなかったが、制動性
能はクラストップにランクされていい。タイヤなどの足回りとのバランスも良好だ。安心して
アクセルを踏み込める。
 
素晴らしい点はまだある。静粛性だ。特に時速70km以上での静粛性はこのクラスとして
は高く評価できる。前述した路面からの僅かな突き上げ感は足回りからのものであり、静粛性
の水準はあくまでエンジン回りの問題。つまりエンジンの静粛性はやや高いギア比の恩恵を受
けている。

例えば時速100km時のエンジン回転数はわずか2300回転しかない。風きり音も少なく
快適な高速クルージングを満喫できることは間違いない。
 
総合的にみて新型カルディナはスポーティな味付けを持った快適なミディアムクラスワゴン
の中でヒットモデルに成り得る素質を十分持っていると言い切れる。 なお、10月末現在ま
での販売台数は8296台。

2WDと4WDの比率は57対43。人気グレードはZTが45%でトップ。
2番手は29%のZ。GT−FOURは12%。

ボディカラーはシルバーメタリックがトップで45%。2番手は24%のスーパーホホイト?、
3番手は15%のブラックマイカ。年齢層では、20歳代〜30歳代が全体の56%を占め
ているという。

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