本当に買い得な特別仕様車とは?

最近では、夏のボーナスで新車を購入するユーザーは減少している。それでも民間企業では約4年ぶ
りにボーナスが金額的に上昇したという情報も入っている。中には数年前に購入した中古車がそろそ
ろポンコツ状態で修理費が嵩むため、思いきって新車に代替えしようと考えている人も少なくない。


 そこで今回は新車に代替えする時に少しだけ得をする「特別仕様車」の耳寄りな情報を提供する。
 昔から自動車メーカーは新車を投入してから約1年を過ぎると、販売台数が下降線を辿る。これを
少しでも阻止したいと考えて、販売のカンフル剤を打つ。これが「特別仕様車」や「特別限定車」と
呼ばれるモデルである。特別と謳われていても決して新しいモデルではない。新車から1年後に新規
のモデルが投入されるわけがない。必ずベースとなる車種は存在する。つまり、あるベース車両に特
別な装備を追加したカタログに掲載されていない豪華仕様と考えればいい。通常なら販売店でオプシ
ョン装着しなければならない快適装備や便利な装備が追加されて価格が多少高くなる。それが「特別
仕様車」であり、「特別限定車」である。

 大切なのは追加された快適装備の内容と価格的上昇がどの程度でバランスされているかにある。
つまり、追加装備が付いたぷんだけ価格がただ高くなっているだけなら何も特別仕様として発売する
意味はないし、ユーザー側も決して買い得ではないのだから購入する必要はない。装備内容と価格の
上昇が重要なのだ。

 では、具体的に最新の特別仕様車をピックアップして買い得度をチェックしてみよう。マツダの
「トリビュート」に追加設定されたV6・3リッターエンジンを搭載した「LX」「LX・Gパッケージ」
さらに4WDの「GL-X・Lパッケージ」は5月23日に新登場している。前車2モデルは2WDのため価格
的には割安だが、いかにもオフロード4WDなスタイルのトリビュートに2WDの組み合せは考えものだ
が、デザイン重視のユーザーには悪くない。大半を鋪装されたオンロード走行しかしないユーザーには
4WDはある意味で「宝の持ち腐れ」的機能ともいえる。参考までに、LX・Gパッケージの追加装備内容
は、アルミホイール、電動格納式カラードドアミラー、ダークティンテッドガラス、キーレスエントリー、
頭部保護機能付きSRSサイドエアバッグ等が付く。4WDのLパッケージでは、ベース車のGL-Xの装備
内容に加え、本革シート、運転席ランバーサポート、大型コンソールボックス(アームレスト機能兼用)
、カップホルダー&アッシュカップ(センターコンソール部分に装着)、クロームメッキアルミホイール、
アルデヒド除去機能付きエアフィルターなどを装備する。


 またボディカラーと内装色はピュアホワイト、パッションレッドマイカ、シルキーパールマイカの3色。
内装色はベージュのみ。車両価格は2WDのLX・Gパッケージは221万1000円。4WDのGL-X・Lパッケ
ージは264万5000円。割安感は4WD機能を重視するか無視するかで大きく異なる。参考までに、2WD
のLXの価格は204万8000円。4WDのGL-Xは254万8000円。ベース車両と比較してどれだけ価格的
に高くなっているのかをジックリと考えてから最終判断をして欲しい。

 見逃せないのは、マツダスピードブランドのロードスターとファミリアだ。走りの楽しさを追求した
特別限定車として5月24日から新発売された。具体的な追加装備や変更点は減衰力4段階調整式ダンパー、
専用エキゾーストマニホールド、エンジンマウント&デファレンシャルマウント強化、スポーツサウン
ドマフラー、カラードフロントサスタワーバー、ボンネットインシュレーター(防音材)、専用エアロ
パーツ一式、専用アルミホイール色(ゴールド)、カーボン調センターパネルなどがロードスターには
追加されている。ベース車はRSで搭載エンジンは他グレードと同様の1800ccDOHC。トランスミッショ
ンは6速マニュアルのみ。価格は254万8000円。ベース車は232万8000円だから22万円のアップ。
これを高く感じるユーザーはベース車のRSを購入すればいい。

 一方、マツダスピードファミリアはどうか。ベース車はセダンのRS。搭載エンジンは1500ccDOHCだ。
このクルマをマツダスピードが手を加えると、こうなる。搭載エンジンは最高出力175馬力の2000cc
DOHCになり、5速マニュアルミッションはショートストロークタイプに。マツダスピードオリジナル
スポーツマフラー、ステンレス製専用エキゾーストマニホールド、専用スポーツチューンサスペンション、
専用前後スタビライザー、205/45R17タイヤ、レーシングハートの17インチアルミホイール、
前後15インチディスクブレーキ、ストラットタワーバー、エアロパーツ一式、専用アルミホイール色
(ゴールド)、カーボン調センターパネル、ナルディの本革巻き3本スポークステアリング、アルミペダル
などがある。価格は199万8000円。これを絶対に安いと感じれば即購入手続きをした方がいい。
ロードスターは200台、ファミリアセダンは100台の限定生産である。

 スズキのKeiにもカスタマイズ感を演出した個性的な「Kei・DJ」が追加発売された。これは特別
仕様ではないが、カタログモデルとして正式に追加設定されている。具体的な変更点は、専用フロント
バンパー&ビレットグリル、専用メッキホイールキャップ、クリアタイプのリアコンビランプ、サイド
アンダースポイラー、専用ボンネットフードガーニッシュ、専用バックドアガーニッシュ、カラードアーチモール、メッキドアハンドル、専用リアエンブレムなどがある。室内関係では、ライトグレー色の専用
シート&ドアトリム表皮、シルバー塗装の専用インパネガーニッシュ、専用メーターパネルなどがある。


 気になる価格は2WDのDOHCエンジン搭載車は107万3000円。Siターボは4WDで123万円である。
どちらが買い得かはやはり4WD機能を重視するかどうかで大きく違ってくる。大切なのは自分にとって
本当に必要な装備かどうかを冷静に見極める目を養うことであろう。



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 見積り書の正確な読み方とは?
見積書はライバル車と競合させる手段としてだけでなくその後のセールスマンとの値引き
交渉に役立つ証拠書類としての効果もある。細かい手数料金額も項目別に明記してもらう
ことが大切だ。

 販売会社によって見積書の内容は多少異なるが、細かい手数料の項目を省いてあったり、
一括した欄に記載する書式だったりする。要するに、販売店側が細かい手数料を書けば当
然値引きの対象となるためそれをカモフラージュするために一括書式を見積り書に採用し
ているケースは少なくない。パソコンの文字でプリントアウトされたものも要注意だ。

 税金の項目で注意したいのは取得税だ。取得税はオプション装着が増えれば取得税に加
算されるため、ディーラーで装着できる後付けオプションはなるべく購入後に装着した方
が得策といえる。ただメーカーでしか装着できないオプションは購入時に装着するしか手
はない。取得税が高くなるのは避けられない。また取得税が高くなれば消費税も高くなる
ので要注意。

 ただ消費税は取り引き価格に課税されるから車両本体からの値引きが増えれば、消費税
額も下がる。ディーラーの手数料の中でほぼ無料にすることができるのは納車費用と車庫
証明代行手続き費用である。こうした細かい諸費用分の値引き交渉は商談の最後にするこ
と。見積り書を入手する段階ではまだ細部まで値引き交渉はしないことが重要だ。


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 クレジットの利用方法とは?
 ローンを組む時に最も大切なのは金利の高低。理想は頭金が大きくて返済金額が小さいこと
だが、毎月の支払金額が大きいのも負担が大で辛い。少しでも低金利で契約するのが大切だ。

 新車1 台の平均購入価格が200万円を突破したのはもう10年前。とすれば現金一括で支払え
るユーザーは極端に少ない。そこで便利な自動車ローンを利用するわけだが、その種類と損得
勘定が複雑に交錯するから頭が痛い。重要なポイントはとにかく実質年率が少しでも低いとこ
ろを探すこと。後は毎月の支払金額が普段の生活を圧迫しない範囲内に抑えることだ。ディー
ラーのローンは手続きや審査が銀行のマイカーローンよりも比較的簡単で楽だが、金利はやや
高い。銀行のマイカーローンが5%前後だとすると、ディーラーは約6〜9%と高い。中には10%
以上という高利もあるので要注意。低金利で注目したいのは全労済やJA(農協)である。

 また、千葉トヨペットのように初めから高い金利を設定しておき、いざ商談に入ると車両から
の値引きを少なく抑えるために「低金利」を提示してくる。だが、通常6%台の金利だが千葉トヨ
ペットの金利は法外に高い9%台というから驚き。千葉トヨペットの金利は値引き交渉の切り札
として利用されているので要注意である。対策としては、商談の最初に「現金一括だから大幅
値引き」を引き出しておき、その後「値引きが少ないならローンを組むのでもっと値引きして」
とヤリ込めばいい。本当に車両からの値引きが限界なら金利を下げることも不可能なはずだ。

 もし、実質年率のパーセンテージを下げてくるようならまだ車両からの値引きは可能と思って
間違いない。参考までに、東京トヨペットの2005年9月時点の金利は実質年率5.8%である。 


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