西麻布の巨匠から呼び出されて、いただいた「宿題その2」でしたが、なんとか形にすることができました。テストランがまだですので、とても完成なんていえないでしょうけどね。 案の定、見えないところで様々苦労がありました。なんたって、相手は「最強の」ウエダですから。(巨匠は「ハングリー(飢える)ジャンク(駄)」だそうです。なんか、おじんくさいな) |
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45もそうでした。取り付けラグ面が結構荒れているのでございます。しかし、この辺はUEDAに限ったことではございませんで。イングランドのイービンエンジンなんぞは、「荒い」って言うよりも「うねる」ですね。シーズニングってものを知らないのかい! 今更ですが、本来45のケースに55排気量ですから、無理はあるのでしょうね。従って、内部のディメンションは仕方のないところです。ところがUEDAってば、そんな次元ではございません。 たとえば・・・・・ |
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シリンダーヘッドのスクリューですが、OSさんとこのMAX15−3や19、29、35シリーズ同様のものです。3本は冷却フィン部を突き抜けてクランクケースまで届く「テンションスクリュー」もう3本は冷却フィン部の上面で締まる「アシストスクリュー」ですね。 問題はテンションスクリューでして。これが短いんです。預かった時からなんか、足り無いなあって思っていましたが、本当に短いです。ピストン位置を上げてヘッドも持ち上げましたので、テンションスクリューが短くなるのは致し方ないところでしょう。しかし・・・・・・・ |
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つまり、テンションスクリューの保持部が短いって言うか、フィンのところで受け持っているってこと自体が強度不足とちゃうかー! 実は、当初の保持部(雌ねじ部)は、写真のクランクケース部にある冷却フィン(らしき模様)の上から3枚目までしかなかったんです。厚い1枚目を含んでね。で、テンションスクリューはその3枚目にかかるかどうかってところまでしかねじ込まれていません。ただでさえ弱々しいのに、ここがUEDAの神髄ってところかい! 気を付けて締め込まないと、テンションスクリュー壊れるぜ。おそらくね。 |
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さらに、カバープレートの表側が荒れていると、スクリューヘッド部も痛みますので、仕方なしに旋削です。 評判の悪いエンジンって、こういうところがずさんですね。性能には関係ないような気もしますけど、細々仕上げて行くと、なんとなくエンジンは楽に回ってくれる様な気がします。特にこのあたりは見えない部分なのですけどね。 |
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KAVANとは書いていませんでしたが、MADE IN WEST GERMANYってありましたので、間違いなくKAVANのスロットルでしょう。形式は旧型で、ENYAのG型みたいです。 UEDAのせいではありませんが、このスロットル、斜めに付くように雌ねじが切ってありました。斜めって、ニードルが前になるよーにね。前かい。 逆ならわかりますが、UEDAの背後霊のお力でしょうか。どこかで力が及んでいるのでしょうね。M3のスクリューを使用していたので、ここは角度を修正しながらM3.5に切り直しました。 写真右下に見えますでしょうか、取り付けラグ部の端に、湯回りの悪さだか鋳型の不良が見えます。こんなのはそこら中に見えまして、それもUEDAたるゆえんでしょう。現在の上田専務、見てないだろうなあ。苦情のメールは要りませんからね。 |
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(2010年6月8日)