QB40S作ってます。

 OK模型の「QB40S」です。肉抜きしているとはいえ、ベニヤを多用しているので「ずっしり飛行機」でして、したがって箱絵の搭載エンジンはOS−MAX40FSR。当たり前ですが、このエンジンは使用したくありません。持ってますけどね。

 友人のcharon140さんから借金の形に戴いた、作りかけのキットだったのですが、発売はたしか80年代になっていたかいないか・・・・

 胴枠と側板と、エンジンマウント回りのみを組んだ胴体に、右翼の骨組みだけという作りかけでしたが、10年以上そのままだったのでしょうね、胴体は3次元にねじれ、しかも側板のベニヤは接着剤が劣化したのか、部分的にですが「3枚おろし」になっている始末。さてさて・・・・・・

 受け取ったのは数年前の12月。「こんなので、いいの?」と聞かれましたが、私ども「Dのひとびと」と言う人種は、こんなのが好きです。

 左写真は、完成間近の胴体です。手の掛かる部分の加工が残っていましたが、charon140さんの組み立ては、必要なところを押さえていますから、ねじれの修正も何とかなりました。

 手前は翼端板ですが、もちろん肉抜きベニヤです。

 その割にはブロックで整形していますが、

 その割には縁取りなどありません。

 はっきりすろーっ!

 このあとは図面を見ながらランディングギヤの取り付け穴をあけます。パーツに下書き、ないんですよ。

 右写真はリブ組み後に「前縁プランクをスパーに接着した」主翼です。右上の方が色黒ですね、10数年の年輪でしょう。左下は左翼ですが、後縁材が大きく反っていました。こちらは直角方向に切り込みを入れ、逆方向に調整しながら接着剤を流し込みます。結果は修正完了。

 いまさら何ですが、この手の製作途中キットって、もとの持ち主の製作技量にかかわらず、結構やっかいになっていることがほとんどです。今まで数100機のキットや自作機を製作してきましたが、受け継いだキットも数十機になりました。作り直した方がよっぽど早いって事がほとんどでしたが、修正と言うか改修があっているかは存じませんが、機体製作(修正)術の向上には大きく貢献していますね。

 左写真は、アルミのアングル材を使ってスパーに前縁プランク材を接着・固定しているところです。製作にはいろいろな順番があるのでしょうが、今回はキットのプランク材が「Cカット!」でしたので、こちらを確実に接着する必要がありました。しかも、QB40Sって、QB=クイックビルトなので、リブにはキャップ材が省略されています。つまり、前縁プランク材の厚さの分、リブの形状が上がって段差をなくしています。

 この辺の理由で、今回のような接着順を取っています。主翼後縁側にサブスパーがありますね。しかも、たて目のウェブまで入っています。スパーは6×6、サブスパーは3×6のヒノキ材ですので、これはオーバークォリティでしょうなあ。

 低粘度瞬間接着剤を使用したので、結構流れているのがばれています。いかんいかん。

 右写真は上写真を翼端リブから見たものです。材料はC・・と言うよりもBカットに近いですね。リブのプランク材分の段差がはっきりと見えます。

 このあと、濡れタオルでプランク材の表面をこすって、湾曲させておきました。ちなみに、プランク材は接着前に表面をサンディングし、輪郭をカットし直しておきます。接着後に表面のサンディングなんかすると、場合によってはリブのところだけが研磨されてしまいます。

 QB40Sって、主翼は左右をつないでから中央のプランク・前縁プランクをするって言う工法なんです。で、中央リブは厚手のものが1枚。

 私はこの方法がきらいでして、いつも左右の主翼を別々に作っています。左右をつなげてからでは、中央プランクの整形がいびつになることがありますからね。

 左右主翼を別々に製作する関係上、中央リブは新しく製作しておきました。原寸図をスキャナで読み込み、レーザーカットで切り抜きます。図面上では0.2mmほども誤差がありますが、相手がバルサ材なので、完成すると寸法的には見分けがつきません。周囲が焦げているので分かりますけどね。

 搭載予定エンジンは、FUJI−40I.B.S.です。やっと入手しました。オールドエンジンマニアのなかで、唯一使用可能なシニューレメーカーですね。

(2009年1月27日)

 他のことも平行していますので、なかなかはかどりませんね。もっとも、この辺の製作って、苦労してプランクしたりサンディングしたりする割には、なんかあまり形がかわりません。

 右写真の一番左の翼は、とりあえずプランク材の表面をサンディングしたものです。各パーツの精度というか寸法の違いを吸収させるための、段差を取る作業です。手間がかかる割には外観の変わらない、頭に来る作業です。サンディングって一言で言われてしまいますけど、今回のサブスパーみたいに露出している硬いパーツがあると、へたなサンディングをすると周囲のリブだけ削れてしまいます。

 尾翼まわりは材料硬すぎ!組むには組めましたが、ヒンジ溝の加工がたいへんでした。

(2009年2月12日)

 なかなか作業が進まないのは、もちろん色々な物に手を出しているからに相違ありません。

 10年越しの工作室掃除も山を越えましたので・・・・ってわけではありませんが、少し時間ができたのでQB40作戦続行です。前回形にした主翼と尾翼をサンディングしました。簡単に言いますけど、この作業はロングサンダーがないと真っ直ぐな線が出ないし、材料の硬度にムラがあると均一にサンディングできないしと、木目によるささくれも考慮すると材料を選んで自作した方が楽なことが多いです。

 いつ頃でしたか、キットを購入しても材料が気にくわなかったために、キットを「型」にして自作していた時期がありました。極端に硬い主翼のプランク材や極端に柔らかい胴体側板など、もうかんべん。胴体側板が左右で硬さが異なったり、主翼のスパー材なんぞ3次元的に曲がってたり。もはや「修正」なんて生やさしい対処では歯が立ちませんでしたね。

 最近、Dの友人から諭されました。「キットとはな、設計図を購入するものと思いなさい。」リブや胴枠は設計図に載っていない「型」だそうです。材料は諦めろってか!そう考えればUSAのキットなんかでも腹が立ちませんね。

 翼端です。3mmベニヤのダイカット肉抜きなのですが、前縁部分にはバルサのブロックが付くようになっています。これによってフィルムを貼るとき、しわがなくなります。しかしその割には、他の部分はベニヤのまま。翼端リブこそ6mm厚ですが、なんか付け焼き刃。

 仕方ないので3mmバルサで縁取りをしておきました。つじつまを合わせるために、翼端リブに2mmバルサを貼り重ねています。これで被覆も楽で確実だし、仕上がりも良好ですね。前縁・プランクから違和感なく繋がるような曲線に加工するのが、結構やっかい。材料の曲がり・反りの修正やつじつま合わせを考えると、一体どこが「QB@クイックビルト」やねん。

 QBシリーズは結構製作した記憶がありますが、ちゃんと作ろうとするととーってもたいへん。もっと前のキットに比べれば楽ですけどね。

 昔の少年達は、「木材加工がとっても上手でした」ってことですね。

 苦労の甲斐あって、尾翼も主翼も真っ直ぐです。リブ位置が不均一のクセして前縁にプランクなんぞすると、ロングサンダーでサンディングしようものなら出っ張ったところだけ削れますので、もーう悲惨。力をいれてサンディングしてもリブ上しか削れないので、そーっと斜め45度くらいにロングサンダーを動かしてサンディングです。

 QB40は構造上、前縁の上下を挟むように前縁プランク材が接着されます。この場合、製作しやすい反面接着部が表面に出ますので、やっぱりサンディングはたいへんですね。

 しかも、サブスパーなんぞがありますので、いい加減にサンディングするとリブだけ削れます。オーバークオリティだし、省略すればよかったなあ。

 主翼と水平尾翼の後縁やエレベーターのVカット部などを、ロングサンダーで面だしします。その後、左右主翼の中央と翼端部の長さを測定し、同じ寸法になっていることを確認します。このクラスだと、2mmくらいもテーパーになっていることがありますからね。

 この後、生地完成にするための、各部の立て付けの修正になります。取り付け角を変えないように注意しながら、接着面や固定面の隙間を無くしたり、精度をあげたりしますね。この辺の作業が一番イライラします。そういえば、こんな感じで製作が止まっている機体、いくつかあったな。

(2009年4月18日)

 久々の製作です。ほんに、半年ぶりですなあ。別に、なにもしていなかったって訳ではございませんで、他にいろいろやっておったためにはかどらなかっただけでして。

 左写真は主翼のエルロンホーン出口ですね。設計図には「図面に従い、取り付ける」なんて感じで指示されているのが普通ですが、実際はエルロンの動作を考えて、ヒンジラインまでホーンのロッド部を、後縁部にめり込ませるんです。尚かつ、ロッド部ががたつかない様に工夫するのですが、接着剤が着かないようにとかヒンジラインにロッドを合わせるだとか、やってみると結構大変ですね。言葉だけでは説明できません。

 翼端板に合わせた成形って、いつも大変ですね。特に昔の形状って味わいがあって良いのですが、厚さと輪郭が一緒に変化していますからね。

 後援材の、翼端リブ位置に切れ目が見えますね。これはいつものクセで、そこで切ってしまった跡です。翼端板のある機体は、やっぱ大変だい。

 ちなみに、後援材の後部と、エルロン材のVカット面はロングサンダーできれいに仕上げておきます。キットの材料のままでは、かなりささくれ立っていることがありますからね。ヒンジ溝は「お手軽仕様」のテトラのヒンジガイドを使っております。

 胴体の後部です。垂直・水平尾翼が付くあたりですね。それらと同じ厚さのスクラップ材をはさんで成形するわけですが、前方のプランク材とつじつまを合うように成形します。書けば簡単ですが、そのためにはこの作業の前に、プランク材の方の成形も目処をつけておくことが必要です。

 なんてこと言っている場合ではないのが、この旧型キット!触る度にベニヤ材のプライが剥がれ、3枚おろし状態になります。フィルム被覆はいよいよ怖いですね。でも、QBシリーズに絹貼りかあ?似合わないぞ!

 胴体上部の主翼後縁付近です。要所にブロックを使用したキットなので、どんどん重くなります。私なら胴枠を前に移動して、このブロックは省略ですね。ゴムかけ棒用穴も、胴枠後ろに移動!だいたい、その割には前縁部の方、隙間多いぜ。

 位置の指示もされていなかったランディングギヤも、設計図から割り出して無事配置したので、これでほとんど生地完成になりました。

(2009年10月21日)