MVVS09-D 作りました。

 西麻布の巨匠から呼び出されました。「少しずつ整理しないとね」とのたもうておられましたが、「もう、先も長くないだろうから・・・」というセリフから何年経っただろう。相変わらず元気良いです。

 今回は、MVVS09ディーゼルのパーツを半分くらいいただきました。半分か。つまり、残りは自作するってことです。

 マフラーがつくやつなら知っていましたけどね。なんと、もっと古いやつでした。写真は掃気ポートです。なんか、「鋼鉄ジーグ」の目に似ていますね。そんなの知っているやつ、いないか。

 だいたい、エンジンを修理するなんて場合はピストンやシリンダーがへたっていることがほとんどなんです。今回は、MVVSの誰かと巨匠が何かを交換したジャンクパーツらしく、(良くわからんなあ)さすがに新品でしたね。ピストンの製作って、とってもやっかいですからうれしいです。

 右写真は、クランクケース上方からの様子です。一見、ブーストポートのないシニューレって感じですが、上の写真から「ラミナーフロー」っぽいことが分かります。ヘッドビスはM2.5が3本。シリンダーフィン部を挟み込むテンションボルト型になっています。

 ていねいに取り付けラグ穴に座ぐりをしていますね。パーツは加工途中のものではなく、組み立てられる完成状態でした。しめしめ。

 左写真は、自作パーツその1です。お得意のドライブワッシャとは言え、結構苦労しております。実はクランクシャフトにGマーク11用を流用していまして、そのシャフトって短いんです。巨匠からは「クランクケースのシャフト部周りを縮めろ」ってお告げがありましたが、そんな簡単に妥協はしません。スクリュー部が長いので、ドライブワッシャの見えないところに工夫しておきました。へっへっへ。

 右写真は、自作パーツその2です。こちらも勝手知ったる・・・・ですかねえ。スクリューは1mmピッチなのですが、クランクケースからは外径がわかりません。スクリューの谷の径が19mmなので、外径は20mmくらいと予想しました。

 材料は贅沢に2024(だったかなあ)を使用しました。切削しやすいですしね。で、スクリュー部がなんとか仕上がったら、クランクシャフトの外径9mmに合わせるべく、クランクケースを加工します。つまり、MVVS09のクランクシャフト径は、なんとφ8.5mmだったんです。困るよな。

 旋盤で製作したスクリューですから、加工精度はばっちりのはずですね。「クランクケースの加工が正確ならば」って前提が必要ですけど。

 ここにケースをねじ込んでやれば、クランクシャフト部は正確に加工・・・・できるはずだよな!

 まあ、スラドキーのじいさん、こういう小型エンジンでも手は抜かないみたいですね。問題なくシャフト部の加工にうつります。

 右写真は、固定したクランクケースのクランクシャフト穴を広げる加工をしているところですね。もちろん最後にはリーマを通しますけど。

 φ9のリーマを通すってことは、最終的にはφ8.9のドリルを使用します。下穴ってことです。やとい代わりに使用しているのが、後にカバープレートになりますので、傷を付けない様注意が必要でした。もちろん、次のリーマ通しも注意し続けです。なんたって、換えのパーツはありませんから。

 左写真は、自作パーツその3の「シリンダー冷却フィン」です。丸棒の中心にシリンダー用の穴を空け、全高16.5mmで切り落とし、テンションボルト用穴を3つ空け、その後に冷却フィンを作ります。金属を切削加工するとき、加工の方向や順番で「かえり」がでたり加工しずらくなったりします。加工工程や切削条件をよーっく考えないと簡単に失敗しますね。やっていることは単純なのですけど。

 今回いただいたパーツは右写真の通りです。「これで1台作れ」っていう宿題でした。流用したGマーク11のクランクシャフトのクランクピンも、ビッグエンド内径と合わなかったし、細かい部分で現物合わせが様々。図面があれば楽だったのにね。毎回そうか。

 いつもならスクリュー類が欠品だったりしていまして、代用品をさがしまわるところです。この09エンジンに使用されるスクリューは3本のみ。しかもロングスクリュー。もらえてよかったですなあ。やっぱ、エンジンなんて作る物ではございません。新型を模型店で購入するのが、もっとも確実で安価です。間違いございません。

  各部のつじつまを合わせて組み上げました。冷却フィン部のテンションボルト穴は、できればジグがほしいですね。16.5mmの高さでは、下手をすると斜めに穴、空きますぜ。

 当初からCL仕様でした。圧入してあるカービュレーターは、それを物語っていますね。RCスロットルが無いと、使い道がないなあ。

 どーでも良いけど、PCがもはやスカよ。ブレークインすれば圧縮戻るかなあ。

 大阪のS3654193さんのコレクション写真で見つけました。クランクシャフトはビス留めだし、ドライブワッシャは形状違い。カバープレートはローレットかけじゃなくって溝入れぢゃん!おおむね合っているから、気にしないことにしますね。
 

(2010年6月6日)

 でもやっぱり、気になるところを直してしまうところが「病気」でしょうね。とりあえずドライブワッシャをグロー仕様のそれに似せて製作し直しです。

 短いクランクシャフトには、左写真のように対応しています。別に、大したアイデアではございません。寸法的に合わせたってだけでして、はい。「工夫」って書いちまったな。

 早く言えよな!って感じのカバープレートです。周囲をローレットがけではなく、2mm板を差し込んでねじる方法に変更・・・・と言うか作り直しです。ベルテックさんあたりに発注したら・・・・いいかげんにやめよう。

 間違えてφ2のエンドミルでフライス加工してしまいました。本来は2mmの金属板を想定して、2.1mmくらいにしておくのでしょうが、今回はあそびを作っていませんので、板によっては入らないしはずれない。まあ、一度締め込んだら外しませんから、いいか。

 改修後のMVVS09Dです。「だからどうした」って感じでしょうが、僅かな変化が嬉しいわけでして。特に、パーツの形状や寸法を調べだし、わざわざ気になるところを修正したものですからね。

 単に「回るようにする」なら、こんな苦労なんか必要ありません。しかし、今回は西麻布の巨匠の宿題ですからね。

 どうだ巨匠!まさかこんなに早く完成するなんて想像してなかったろう。

 合格かなあ。

(2010年6月8日)

 じつは、オリジナルのピストンがスカでした。テストランで必要な圧縮があがらず、始動できなかったんです。もちろん、私のディーゼルエンジン始動テクニックが低かったわけではありません。だいたい、テストランしたのはDの総帥ですからね。私ではありません。

 仕方ないのでピストンを造り直しました。材質はいつもの「そこで拾った」材です。デンスバーのD50のはずですけどね。シリンダーのテーパーは、やや大きい感じでしたので、上死点から5mmくらいがきつくなります。下の方はゆるゆるなので、ちょっと不安ですが、まあ、平気でしょう。

 実用を考えて、マフラーも作りました。寸法は小さいですが、マニホルド周りの加工に手仕上げが多いので、かかった時間は・・・・・っと、とっても長いはずです。

 あとはテストランですが、あいにくディーゼル燃料を切らしています。だれかください。いや、エンジン貸すから、だれか回して。

2010年11月7日追記