名前しか聞いたことがありませんでした。USAのJHONSON35です。

まったく、ノーマフラーが前提のエンジンってやつは。マフラーバンドなんぞを使うと、メーカーロゴが消えるぢゃん!

 1965年の3月には雑誌に発表されていますので、それ以前の発売でしょうね。吸気効率を考慮してか、斜めに切り取られた吸気マニホルドが特徴的と申しますか、門松みたいと申しますか。3本ほしいな。

 オリジナルでは高トルクエンジンだそうで、12インチプロップのデータもありましたね。たしかにロングストロークですが、今回はちょっと迷惑。

 まー!UEDAほどではないにせよ、加工は結構アバウトですね。各部の直角も出ていない始末。

 右写真はカバープレート取り付け面の加工結果です。ジグを使って、クランクケースを旋盤に固定して、直角に旋削し直しです。

 すると、カバープレートの方も面を出しておかなければいけません。もちろん、表も裏も、両面加工しておきました。結構分厚いなあ。

 今回のエンジンは、西麻布の巨匠から回ってきました。「寸法的に合いそうなパーツをあげるから、回るように組んでみんかい!」ってことなんです。最近多いな。

 欠品はシリンダー。つまり、マミヤ29のそれがJHONSONのクランクケースに入るので、なんとか流用しなさいってことなんです。でも、良く見ると欠品が多いぞ!

 実用化にはマフラーが欠かせません。クランクケースの排気口は、スピード機よろしくヤスリがけされていましたので、普通の概念でマフラーを付けると排気がもろ洩れになります。仕方ないのでマフラー側にスカート部を設け、欠損部までカバーしてしまう方式をとりました。

 深さは7mm、軽量化のための肉取りも施しましたので、結構手間でした。外形を整えるのは手作業ですので、結局マフラーの製作だけで5時間ほどかかりました。なれている作業なのですけどね。

 昔のエンジンらしく、贅肉はほとんどありません。したがってマフラーの固定はバンド止めになります。

 バンドの材質は、SUS304だったと思います。通常の鋼よりも曲げにくいし切削しにくいのですが、丈夫なので多用しています。

 資料からは正確なニードルバルブの寸法と形状がわかりません。仕方ないのでMcCOYを参考に自作しました。この手のエンジンって、雰囲気も大切ですからね。ニードルは在庫していた昔のパーツを流用しました。他はφ6の真ちゅう棒から切削したのですが、ローレットがきれいにかかっていませんね。材料が細く、ローレットの圧力でしなっているためにこうなります。

 スプレーバーはENYA製を流用しました。出力制御用の吸気インサーターも作り直してあります。

 困ったものです。マフラーをバンド止めすると、エンジンによってはこうなります。肝心の「J」が隠れてしまって、「オーンソン」エンジンですかい。

 FOX−36Xなんかだと完璧に隠れますね。UEDA19では冷却用みたいなフィンが縦についていますので、バンド止めなんかできません。

 いずれにしても、ノーマフラーの頃の旧型エンジンなんか、現代で使用すること自体がおかしいので、仕方ありません。

 ロングストロークエンジンだからってこともないと思いますが、いただいたマミヤ29用ピストンではスカートの丈が足りません。排気口から見ると、上死点の時に3mmほども透き間が空いてしまいます。1mmくらいなら見逃してやろうと思っていましたが、3mmぢゃあねえ。

 仕方ないので(旧型エンジンのレストアって、こればっかやな)デンスバーのD5(500番)から自作です。スカートは4mm伸ばし、オイル溝も入れておきました。なんか、シリンダーの摩耗痕見ると変形しているような気がしますけど・・・・・・・

 どうでも良いけど、「スカートの丈が足りない」か。ミニスカートって訳か。

(2010年7月4日)