報われた!

 去る9月23日(土)に、群馬県のスカイポート尾島で初飛行に成功しました。機体は旧作のイエロッピ、エンジンは例の「自作31エンジン」です。

 単体ではやや重量がかさんでいますが、マフラーが軽量なので、トータルするとENYAのSS30BBよりも軽量です。自作ではあっても、エンジンは回らなければ意味がありません。たとえ回っても使用できなければもっと意味がありません。真夏における、連続したテストランで細かい調整を行い、スロットルを改良し、初始動から約1ヶ月。まだまだPCが硬く、ならしの域ですのでニードルは濃い状態でしたが、10×5.5のプロップをゆとりで回してくれました。


 現時点ではOSのFP25と同程度以上のパワーが感じられます。ただしこれは、ならし済みのFPの、全開飛行との比較ですからフェアではありません。自作31もならしが済み、適正のプロップで全開飛行をしたら、楽に体感パワーがアップでしょうね。そんな「ゆとりのニードル」で飛ばしましたから。

 しかし、なんやら機体が落ち着きません。中速での飛行は主翼がばたつきまして、なんとも不安定。飛行写真はそんな速度域で行ったのですが。まあ、怖い怖い。
 機体の性能は設計者のせいにして、エンジンの特性の確認です。一番の課題はスロットルレスポンス。テストベンチだけでは解決できませんからやっかいですね。今までのスロットルの製作・調整経験から設計・改良されたそれは、マフラープレッシャーとクロッツ燃料の使用が前提です。
 飛行前のセットは、ニードル・スローアジャストスクリューとも甘めです。したがってスローからの立ち上がりはややもたつきます。しかし暖気運転の後に離陸させると、あっけなく上昇です。セットが合っていないと息つきを起こしたり、甚だしい場合はエンジンストールしたりするんですけどね。どうやら大丈夫みたい。


 スロットルドラムの内径、ジェットの位置・開度、スローアジャストとの関連性など、経験がものを言うパーツです。多くの失敗の成果でしょうね。
 ちなみにこのエンジン、始動性はめっちゃ良好です。吸気と掃気のタイミングが当たったみたい。


 こちらの写真は、16日に行った、機体に搭載状態でのエンジンテストです。スロットルのテストだったわけですが、スローがいまいちですね。2000rpmまで落ちてほしいのですが、この辺はエンジンの吸気タイミングが災いしてるみたい。
 対して高速はまあまあ。1万回転弱はもの足りない数値ではありますが、ニードルがかなり甘めですから、我慢我慢。シリンダーテーパーが少ない上、きつめの合わせですから、全開作動なんか当分だめでしょう。昔のENYAエンジンみたい。
 飛行テストまで、その性能と特性が目標を越えましたので、今回の仕事は成功のようです。

 「自作エンジン」のコーナーを含めて、今回はあまり理屈を書いていません。理屈を追ったらとんでもない量の文章になりますからね。また、「考えすぎ」は実践の妨げにもなりますから。
 もちろん主要な寸法や精度、工作法や材料学等を、確認を含めて復習し、様々な失敗と照らし合わせましたので、結構頭も使いました。理論と実践がかみあわなければ、模型エンジンに限らず「機械」という物は完成しませんからね。でも、いろいろ勉強になりましたよ。模型用エンジンは「模型店で購入した方が良い。」って分かりましたしね。(体感でね!)

 この続きは、ラジコン技術12月号(11月8日発売予定)に掲載予定です。

12月8日発売号に変更になりましたあ!!(11月22日)

(2006年9月24日)