.

ND:ネクスト・デイ、「明日には飛びます飛行機」だそうです。

 CLのキットにはRC機のそれのような半完成機がありません。世界的に見てもCLの人気は低く、とても販売利益なんか考えられないですからね。一部のマニアが最高級のものを年間に数機づつ製作・販売するだけで事足りてしまうのが現状でしょう。そんな折り、友人が「ND」なる半完成キットを販売しました。
 対象は初心者から中級者で、僅かな加工と組み立てによって数時間で完成し、とりあえず簡単なスタントも行えるという売り文句だそうです。まあ、無難な線で考えているようでしたが、中国の工場から出てきたコマーシャルタイプがまいったもんだ。たしかに友人の設計は、「ややずれて」はいたのですが、さらに工場における製作上のミスが重なってしまい、非常に失速しやすい機体に仕上がってしまったのです。その上接着剤の使用法にも問題があり、飛行中に操縦装置が外れ、各地で数機が墜落してしまいます。
 事実、試作機の中には良い飛行をする物もあり、上級者が飛行させれば、形だけですがF2B(国際規定演技です)もどうにかこなせるかな・・・というところまでの確認がとれていたそうですから、「無理な飛行をしなければ」充分に練習に使用できるはずでした。
ラットレース仕様に改造!
 友人はとあるCLクラブに所属しており、その仲間がWEBで「良く飛ぶ、最高の性能だ」「F2Bも楽にできる」などとやってしまいました。リップサービスなのか上級者の飛行を見ただけでそう思ったのかは知りませんが、購入するマニアはそれを信じて飛行をさせ、特にスタントが可能と考えて購入した方々は、急な舵を切ったとたん、フラットスピンに入ったりナイフエッジになったりと、散々な目にあったようです。
ここまででお分かりでしょう。
 友人はこの「ND」機を当初からスタント機としては販売していなかったのです。つまり、一切のウソはなく、目的にほぼ合致した製品として販売したのですが、WEBに掲載された評判を鵜呑みにしたマニアの過激な操縦によって、多くの墜落が発生してしまいました。
 もちろんこの範囲のトラブルさえ想定しなければいけないということは、模型メーカーとして当然ではありますが、うーん、なんとも言えませんねえ。
 仕方ないので、事件後に販売されるキットの箱には「この機体はスタント機ではありません」等の注意書きが同封されることになります。

写真は、購入した別の友人がすぐに低空ナイフエッジ・逆宙返り・めんこ落ち(めんこをぺしっと打つときの、あの水平落ちです。)させたあと、「ものすごーーく悲しい顔をして」エンジンごと私にくれた機体です。(エンジンだけはもうけたな。)第1回のNDワンメイク競技のF2Bで2等賞でした。
ラット仕様機のエンジンカットデバイス回りです。
 さらに白い方は、すぐに剥がれる安いフィルムを張り替えて、ラットレース仕様にした同機です。こちらは第2回のNDワンメイク競技のラットレースに、「性格はいまいちですが、ピットワークは超一流の友人」とのチームでエントリーし、強風の悪条件ではありましたが、そこそこの記録で優勝できました。
 いつぞやの「ホワイト・ゼロ」と同様の手抜きカラーリングなのですが、今回は主翼上面の一部に、やや小さめのアルファベットで「MAJIMAJIMIRUNA AHO」と書いておきました。「まじまじみるな、あほ」ということですが、研究熱心なとある
友人は「まじまじ見た」あと、猛然と怒っていました。あほやなあ。

 ノーマル機にはOSさんのLA15が、ラット機の方はやはりOSさんのCV−A15が載っています。ラット機にはもちろんカットオフユニットが装備してありますし、クイックフィラーとして給油パイプに逆支弁が付いています。
 ちなみにND機って、空気抵抗がやったら大きいので、6〜7インチプロップをぶん回しても空回り状態みたい。ラット機の飛行には8インチプロップを使用しました。ノーマル機は9×4プロップがベストですね。