ある日のできごと
 某模型メーカーの社員に、「がみちゃん」という変わりものがいる。趣味である模型飛行機を仕事にしたいがために、とらばーゆしてしまったほどの人だ。
 多くの業界人が「趣味を仕事にしたくないよな」と言う中、がみちゃんは水を得た魚のごとく新型機を開発し、イベントにも顔をだした。
 ある日、とあるイベントで私はがみちゃんといっしょになった。案の定メーカーデモフライトではにぎやかにアナウンスをする。いや、むしろうるさい。ブースにいても客を捕まえては様々な営業活動を行う。社員の鏡だろうなあ。でも、一歩間違えばキャッチセールスで引っ張られそうだ。
 我々と話しているときも同様だ。OK模型の加藤さんに、がみちゃん本人の前で聞いてみた。「おい、どこかにスイッチついてへんのんか?見つけて切ってんか」加藤さんは返す「電池きれるまで待っとって。」
 昔聞いたことを、ふと思いだした。「子供をだまらせるには、物を食べさせろ」である。丁度昼時だ、主催者から支給された弁当を渡す。
 しかしがみちゃんは変わらない。「このおかずはどうのこうの」「しゃりってえのはああだらこうだら」
 弁当箱をがみちゃんの口に詰め込みたいと考えたのは、私だけではあるまい。

ある日のできごと

 某無線機メーカーの社員に、GNさんという人がいる。日本人でF3A世界選手権2連破という偉業をなし得た人である。通常は方言を使っている気の良いおじさんである。
とあるイベントでGNさんといっしょになった。GNさんは私に話しかける。「おめーよ、このまえのあれ、いってえどーなったっぺよう」たまたまお客さんが同じ時プロップの質問をした。GNさんはすかさず「はい、これはあーたらですので、私はこういうプロップを使用しています。」
 ちゃんと日本語を話せるじゃあないか!
 違う日、またGNさんといっしょになった。今回はイベント前日から泊まり込みである。
 GNさんは言う「おーし、今晩はおれのおごりだっぺ」ということで、GN家から車で10分ほどの居酒屋に行った。ビールで乾杯のあと「おめーら、遠慮しねーで好きなもんどんどんたのめー」ときた。しめしめ。GNさんは私の正体を知らない。当然「はい、アサリの酒蒸しね」「厚揚げとサラダ」「チューハイおかわり」である。
 それ以来私はGNさんに誘われていない。
 私はなにか悪いことでもしたのだろうか?

ある日のできごと

 模型飛行機を開発していると、様々な問題に出くわすことがある。どのような機体を選定するかでさえ、多方面の意見を参考にし、とにかく「売れる機体」を作ることが必要である。特に半完成機などは開発にかかる費用もばかにならず、減価償却を考えると結構な数を販売する必要がある。
ある機体を開発しているとき、テストフライトでパーツの欠点が見つかった。エレベーターヒンジであるが、90サイズのアクロ機の大舵角に板ヒンジはもたなかったようだ。(もっともな話だ)
 当然メタルヒンジに変更を決定するも在庫は無し。しかも発売予定日は迫っている。つまり、工場で生産に入らなければ間に合わない状況だ。
 結局、他メーカーに頼んでパーツを分けてもらうことにした。数にして1万個を越える。しかしそのメーカーは快く注文に応じてくれた。
 狭い模型飛行機業界では、「そのユーザーを奪い合う」などということが噂されているがとんでもない。結構協力し合っていることが実情である。美しい話だ。
しかし、問題はここから始まった。さきのヒンジ事件ののち、一応テストしようということになり、販売前に飛行テストを行うことになったが、なんと担当は私になってしまった。この機体は大型アクロ機で、完成までに50時間以上かかる。時間はギリギリであった。しかも、飛行テストまでとなると日数に余裕はない。完成後その日のうちにテストフライトである。
 緊急事態であったので、普段テストに使用しないクラブの飛行場に行った。仲間からは「新型のデモ飛行か?」と聞かれたが、まさか強度テストなどとは言えない。心の中でひきつりながら「こいつらの前でGトリックが分解しないでくれ」と祈ったのは言うまでもない。

ある日のできごと

 某雑誌の編集に携わるフリーのライターに、Fという人がいる。業界では結構有名人である。
 ある日、私と友人は某雑誌の取材でF氏と一緒になった。朝も早くからの撮影だったが、予定が長引き、取材が終了したのは午後2時近くになってしまった。当然この後は、あちらもちで昼食にちがいない。
 今度の出版社は業界でも大手で、昼食費はけちらないはずだ。私と友人は期待を胸に、レストランに向かった。毎度「ファミリーレストラン」というところが今一歩だが、時間がないので気にしないことにする。
 人数は多い。フリーライターのF氏に加え、出版社の編集やカメラマンなど、我々を含めて6人にもなる。私と友人は以前の例があるので、慎重に様子を見た。するとF氏、ランチメニューのいくつかをくらべている。カロリーを比較しているようだ。やや太りぎみのF氏、低カロリー優先なのだろう。
 私と友人は、定番のランチメニューにした。しかし次の瞬間、F氏の注文は「AランチとBランチね。片方の飲み物はアイスコーヒーにしてもらえる?」だった。
 大物とはこういう人を言うのか。ちなみに両方ともライスは普通盛りだったのがせめてもの救いだ。

ある日のできごと
 特種技能であろうか、私にイベントのアナウンスをやれという要請がたまにある。酔ってもいないのに普段はろれつが回らず、自分でも端切れの良い喋りとは思わないのだが。
 ある日、とある出版社主催で大規模なRCフライトショーがあった。真夏の富士川である、私はメーカーの人間として参加していたのでフルタイムとはいかなかったが、半分ほどのアナウンスを受け持った。メインのアナウンスは、レーシングドライバーの荻原なお子ちゃんである。
 私はメーカーブースと本部を行ったり来たり。炎天下なので結構疲れる。そして所属メーカーのデモフライトの時刻だ。約30分間喋り続けになるだろう。
 機体の紹介から演技の解説と、宣伝を織りまぜてのアナウンスは、よく自分でも間違わないなと感心してしまう。
 ふと見ると、相棒の荻原がこれ幸いと、本部で化粧を直しはじめた。くそう、炎天下で大変な私をしり目に、ずっと本部の日陰でアナウンスしていたくせに。
 頭に来た私は、中途半端なときに「では、本部の荻原なおちゃん、マイクをお返ししまーす」と言ってやった。荻原なお子はマイクと鏡を両手に持ち、パニックになっていたのは、言うまでも無い。

ある日のできごと

 某出版社の編集に、KYという変わりのもがいた。(もう退職しましたね)自他ともに認めるいいかげん人間である。
 雑誌の編集という仕事は、結構時間に追われてきついらしい。内容や種類など、書く方も専門知識が必要で、私は結構重宝されているらしい。
 ある日、KY編集員から「最近調子はいかがですか」と電話が入った。あまりにもわざとらしい「振り」である。きっと急ぎの仕事であろう。結論は案の定だった。
 ある日、KY編集員から今度は「佐藤さん、○○の件、御存じですよね」と電話が入った。そんな「業界の裏話し」どこで聞いたんだ。いや、私が知っていると誰から聞いたんだ。
 ある日、KY編集員から「あのう、急ぎで申し訳ないんですが」と切羽詰まった口調で電話が入った。きっとかなり急いでいるのだろう。こういう時に恩を売っておくとなにか良いことがあるかもしれない。「で、締めきりはいつですか?」と聞いてみた。「ええっと、あのう明日・・なんて言ったら、えへへ、怒り・・ますよねえ。」私はすぐに返した「電話、切りますよ」
 また、こんなこともあった。数年ぶりで風邪をひいたKY編集員、「いやあ、風邪ひいちまいましてね、しかも休暇とっちゃいましたよ、いままでずる休みでしか休暇とったことなかったのに、くやしい。」

ある日のできごと

 某出版社の編集(最近編集長になったそうな)に、OYという変わりのもがいる。自他ともに認める凝り性である。
 雑誌の編集という仕事は専門知識が必要で、彼も一生懸命に勉強しているようだ。しかし集合時刻にはいいかげんで、独特の標準時刻を有しているらしく、待ち合わせに3時間遅れてくることもざらである。問題なのはそれを皆了承し、「まだ当分こないだろうから、一仕事しておこう。」などとスケジュールが組めてしまうところにもある。
 OY編集員は凝り性なので、トラブル続出が目に見えているのにもかかわらず、「かわいいから」という理由だけで旧式のヨーロッパ車を購入した。案の定修理のみならず、車検にもとんでもない費用がかかった。
 OY編集員は凝り性なので、「きれいな星が見たい」という理由だけで相当な望遠鏡を購入した。「なにがしかの流れ星が見える」と言っては休暇を取り、遠路はるばる出かけていくらしい。そのためにRV車まで購入した。しかしやはり、そんな星はしょっ中現れるわけもなく、最近では年に数回しかその望遠鏡は使用されていない。
 OY編集員は凝り性なので、「健康のため」という理由だけで相当な価格の自転車を購入した。ヨーロッパ製の30数万円(04年10月に確認しましたら、そんなに高価では無かったそうですが、おおむね正解みたい)もする「バイク」である。たしかに軽量で乗りやすそうだ。素人の私が見ても、高性能さが伺われる。ある日ドライブに出かけるためにRV車の後ろ(前だったか?)にその「バイク」をたてかけ、荷物を積み込んだあと、そのバイクのことを忘れてRV車を移動しようとしてしまった。哀れ高性能だが軽量なそのバイクは、RV車のバンパーの形状通りにゆがんでしまった。

ある日のできごと

 特種技能であろうか、私にイベントのアナウンスをやれという要請がたまにある。酔ってもいないのに普段はろれつが回らず、自分でも端切れの良い喋りとは思わないのだが。どっかで見たようなオープニングだな、まあいいか。
 ある日、とある出版社主催で大規模なRCフライトショーがあった。真夏の富士川である、私はメーカーの人間として参加していたのでフルタイムとはいかなかったが、半分ほどのアナウンスを受け持った。
 メーカーの仕事があるので、アナウンスはほどほどで切り上げたいのだが、雑誌に新製品を紹介していただいている関係上、そうもいかないようだ。
 今回は世界的にも超有名人なGNさんが来ている。もちろんデモフライトのためだ。GNさんはうちのメーカーの機体を設計してくれたりしているので、私がGNさんのフライト中のアナウンスを受け持つことになった。
 あたりまえだが、超有名人のGNさんは各地で人気が高く、たとえば彼の機体の運搬を手伝ったり、ましてやフライトのアナウンスなど、願っても出来ないらしい。
ふーん、そうか。すげえな。と、自分で感心しながら「仕事」と割り切ってアナウンスをこなす。エンジンや使用しているラジコン装置の宣伝も忘れない。実機アクロ界では当たり前の技も、専門用語を用いずに素人向けに解説してみた。そして大勢の拍手の中、GNさんの機体は無事着陸した。
 アナウンスで重要なのは、MC(マスターオブセレモニー:司会者)が目立ってはいけないことだ。今回も全て、GNさんに注目させることができたと思っていたら、足下がうるさい。良く見るとライバル社の「がみちゃん」が「なぜ、おれにアナウンスさせないんだ!」と言っている。そうか、がみちゃんはGN教の信者だったな。
「大きくなったら、やらせてあげるからね」といって、がみちゃんをなだめた。
 おや、と、いうことはGNさんのフライト中、がみちゃんはずっと私を見つめてうらやましがっていたのであろうか。私を注目していた人が、ひとりいたようだ。失敗失敗。

ある日のできごと

 ある日友人が機体を持って土手を降りてきた。飛行場は河川敷なので、車を置いて土手を越えなければならない。
 あいにく前日は雨で、土手は当然滑り安く、案の定友人は機体と工具箱を持ったまま滑り転んでしまった。
 友人は決して運動神経のよい方ではなかったが、なんと工具箱を投げ出し、自分はしりもちをつき、どろだらけになりながら機体を守った!機体は奇跡的に無傷だ。
それを見ていた大勢の友人たちはことごとく彼をほめた。たしかにたいしたもんだ。
 しかしその後、機体は初飛行であっさりと墜落、大破してしまった。私は「運命は、変えられない」と思った。

ある日のできごと

 友人宅には庭がある。東京都下ではあるが立派な一戸建てである。30クラスならヘリのホバリング練習ができそうだ。
 予想通り友人はヘリのホバリング練習をした。しかしヘリがホバリングするとローターの吹き下ろしで、近辺に結構乱流が起きる。
 その乱流が原因かどうかわからないが、脇で干していた洗濯物がなびいてきた。次の瞬間、干していた奥さんのブラウスがローターに巻き込み、ヘリとブラウスは大破したと言う。
 友人は言った「ヘリで、あれだけ危険なんだから、人家近くで飛行機を飛ばしちゃあいけない」
 私は思った「危険なのは、あんただ」

ある日のできごと

 某雑誌の編集にYという人がいた。自他共に認めるいいかげん人間だ。そんなこととはつゆ知らず、ある日私は、大学の先輩と一緒に取材に応じた。
 午前中に取材撮影が終了し、ちょうど昼飯時になったので、近くのファミリーレストランで食事になった。こういうときの食事は、大抵出版社持ちである。しめしめ。
 私と先輩は車で移動中、アマチュア無線でうち合わせだ。当然「昼だけど豪華にコースなんてどうだろう。」「ステーキなんていいな。」と、うきうきである。はたして、レストランに到着してメニューを受け取ったまさにその時、Y編集はこう言った「さあ、好きな物を注文してください。」しかし、さらに付け加えた「ただし、限度をわきまえてね。」
 私と先輩は、素直に「ランチメニュー」を注文した。
 私たちは、何か悪いことでもしたのだろうか。

ある日のできごと

 むかし自動車レースをやっていたころ、サーキットの近くにレーシングショップに隣接するスナックがあった。オーナーは超有名人の掘雄登吉(おときち)さんである。
 スナックには仲間と良く通い、打ち合わせや食事に重宝した。、アルバイトの店員もレーサー志望らしく、住み込みで働いているそうだ。
 アルバイト店員に対して我々は「注文とりにこいよ。」「早く持ってこい!」「おにぎりは持って帰るのだから、包んでおけよ。」などと結構こき使った記憶がある。私も始めはそうされた。
 数年が経ち、私は堀さんと一緒にA級ライセンスの講習会で、インストラクターを勤めさせていただけるほどに出世していた。空き時間に雑談になり、当時一世を風靡したF1ドライバー「片山右京」選手の話になった。
 堀さんが話す内容は次のようなものだった!「ああ、右京はフランスでもまれてから伸びたね。でも、あいつがここまで来るとはねえ。」さらに聞くと「いつ頃だったかなあ、あいつがいきなりかばん抱えてやって来たのは。家出して来たって言うから追い返したんだけど、結局住み込みのアルバイト店員になってね。」私はぎくっとした。話の内容から、私の記憶と合致する点が多い。間違いなく、あの時のアルバイト店員だ!
 堀さんの話が終わった後、もちろん私は詳細の確認など、恐くて出来なかった。
(知らないでやったことです。悪気はありませんでした。)

ある日のできごと
 ある日、友人たちとCL機の飛行をした。友人の一人は過去にF3A日本選手権で6位!になったこともある凄腕である。RC界ではその名と大きな体を知らない者はいないと言われている。
 その友人「ゆうちゃん」は、模型飛行機なら何でも好きなので、時として発作的にCL機を引っ張り出す。
 例にもれず、某河川敷のグラウンドでの飛行だったが、当然RCマニアも来ていて、「おれ、ちょっと見てくる」とゆうちゃんは歩き出した。私は「これ、リモコンですかあー」と、とぼけて聞くのだけはだけはやめろよと諭したが、ゆうちゃんはへらへら笑いながら、RCマニアの方に歩いていった。
 暫くしてゆうちゃんは帰ってきた。案の定「リモコン」トークで攻めたらしいのだがそのRCマニア、「これはラジコンと言ってね、リモコンはコードのついているやつですよ」と懇切ていねいに教えてくれたそうな。
 しばらく反省していたゆうちゃんは、今度は気を取り直してRC機の飛行に移った。
 超上級者のゆうちゃんは、超低空ローリングサークルを始めとした過激なアクロバットを、なんと高翼トレーナー機で行っていた。すると先ほどの親切なRCマニアが寄ってきて、「あの人、結構うまいですねえ」という。私は「あ、はい、いえ・・・」と、どう説明すればよいか分からなかった。
 日本選手権6位という順位の選手は、有名人ではなかったのか?!