世の中、いろいろありますねえ。

HINESS20、こわれました!

 1月のD−DAYで吸い込みの悪かったハイネス20改造21エンジンですが、スロットルにインサーターを入れて内径を小さくしてみました。


 で、試運転でしたが、1度チョーク分まわったあと、次のフリックで「ごげっ」という音がしました。聞いたことがない音でしたが、ピストン関係ではないかという直感のもとエンジンを分解するとご覧の通り!


 べつにコンロッドがピストントップを突き破ったわけではなく、単純に爆発圧で破壊したものです。厚さ1mmは、やっぱ薄かったかなあ?

 まず、バックプレートをあけると、明らかなピストンの破片が!一応コンロッドとクランクシャフトの状況を確認しますが、こちらは問題は無い様子。

 クランクピンやコンロッドは折損すると、その破片でピストンを二次破壊することがあるのですが、今回はそのあたりは大丈夫でした。不幸中の幸いですね。

 したがって、シリンダーもそのまま再利用できそうです。ボアアップやホーニングも限界の数値でしたからね。

 内部の肉取りそのままに破壊しています。珍しいですね、こういうきちっとした破壊は。

 つまり、ノッキングで燃焼室内の圧力が上昇し、それによってのピストン破壊なのですが、結構な圧力なのですね、

 見ると、コンロッドの上端まで3mmくらいありますから、次回はすこしゆとりを持って製作します。ただ、重量が怖いですね、ピストンはなるべく軽量にしあげないと振動の元ですから。本当にこのエンジン、災難続き!

(2007年2月12日)

 壊れたものは、直さなきゃ。

こちらは

「帽子をかぶせたピストン」

です。

 ピストントップ厚が1mmでは薄いって、そんな寸法普通のマニアには関係ないですよね。でも、自作マニアには重要な思案項目なんです。特に鉄ピストンだと振動がでますから、できるだけ軽量にしたいところではあります。しかし、コンロッドとの干渉や強度などを考慮して無難な線に落ち着くはずなのですが、なかなかどうして。
 このエンジン、様々な事由でピストンは4個めになります。今回は全て作り直すとたいへんなので、破壊した上部を細く切削し、帽子状の部品を圧入して再加工することにしました。「帽子をかぶせる」と言っても、爆発の圧力は上からきますので、外れる心配はありません。もっとも、圧入ですから寸法はまるごと作るのと同じくらいシビアですけどね。
 他のコーナーでも書きましたが、ピストンとシリンダーのクリアランスって、1/100mmも開くとスカスカになります。つまり、ものすっごく微妙なんです。したがって、今回のようにピストンの再加工となると、その心出しがまたやっかい。加工の順序を間違えると正確には完成しません。
 写真右が完成状態のアップなのですが、かろうじて継ぎ目が見えます。この状態で排気口から3mmくらいしか上に行きませんでした。この後に1000番の耐水紙ヤスリで軽く研磨したら、我慢できる範囲までピストンが上がりました。なんか、時間的には丸ごと作り直しても変わらなかったみたい。半日もかかっちゃいましたからね。
 手持ちのエンジンでスカスカなのは、残りハイネス09と10の2台です。でも、この2台は我慢の範囲だし始動すれば好調なので、このままにしようかなあ。

(2007年3月6日)