飢え駄復活作戦開始!
 写真はウエダ09です。「飢え駄」です。私のエンジンはシリアルナンバー284。友人がつかまされたのは844です。
 で、問題はクランクシャフトの大きなガタ!ネジ部を持って動かすと、結構かったんかったん。PCの圧縮はあるのにこの有様は、紛れもない飢え駄ですね。まったく油断できません。
 と、言うわけで私のところにSOSなのですが、メタルを入れてホーニングし直ししかないでしょうね。ちなみに844のニードルはスプレーバーのみ。しかもマミヤタイプです。クランクピン径は4mm。クランクシャフト内径は5.9mm。284のクランクピン径は5mm、クランクシャフト内径は5.7mmでした。たいへんそう!!
(2006年4月24日)
 今回の作業で、最も困難な部位はクランクケースのメタル入れでしょう。正確にボーリングすること自体が困難ですし、ケースの肉厚もぎりぎりです。おおよそメタルの厚さは0.5mm程度にしないと、圧入時にケースが割れそう!
 で、もう今までで最も神経をとぎすましてボーリング・メタルの寸法合わせを行います。せめてもの救いは、作動時にこの辺の温度は上昇しにくいということでしょうか。
 結果は成功です。ケースが割れるのではないかと、内心ひやひやでしたが、絶妙のはめ合いになったみたい。世界で1台の「クランクシャフトメタル入り、ウエダ」です。余談ですが、今回の精度はバックプレートの合わせ面を基準にしたのですが、「飢え駄」でした。まあ、問題はありませんでしょうけどね。(2006年4月25日)

 コンロッドのメタルを入れました。僅かにあったガタも、これで皆無。逆に焼き付きが怖いので、オイル穴もあけました。ちゃんと、手間を食う上方・斜め穴あけです。
 シャンクが緩いしニードル穴も合っていないのでガタガタだったカービュレーターも作り直しました。ガスケット用のOリングも新品ですので、しばらく使えるでしょう。
 実はマフラーも新調したのですが、どうも似合いませんね。旧作の方が似合うのですが、個人の好みですからね。明日サンドブラストをかけてみましょう。少し落ち着くかも知れません。
  (2006年4月26日)
 と、言うわけでどうにか完成です。エンジン取り付けラグ面と排気口もフライス加工しておきました。ニードルはとりあえずOSのPET099−3型用をつけました。自作しても良かったのですが、このころのそれをスケール化すると、性能悪いですから・・・・・・
 実際はテストランしてから納品になります。エンジンは回ってなんぼですからね。
 (2006年4月26日)

 テストラン終了!新品エンジンと同じですから、やっぱり始動は苦労しました。しかも、預かったときは防錆オイルが効いていて圧縮があったのですが、いざ燃料がはいるとP.C.は「スカ!」
 でも、始動してしまえば調子良いから、このままにしようかなあ。ちょっと考えましょうね。
 マフラーもサンドブラストをかけたら似合ってきました。小型エンジンらしい「ぱりぱり」した排気音が出ますよ。
(2006年4月28日追記)

 うっきー、うききー!!「う、飢え駄」だあー!  ピストンの製作のためにエンジンを再度分解しました。ピストンピンはφ3.57mmです。ピン穴はガタがあります。しかもピンの両端にはメタルが入っておらず、場合によってはシリンダーを擦る(ってことは無いでしょうね。)かなあ?
 結局今回のリワークはほぼ中身全てを触るか、造り直しでした。もう! ピストンを作り直していてわかったのですが、どうもシリンダーには正確なテーパーはついていません。シリンダー最下部が、ピストンスカートにやや当たっていますからね。この辺をホーニングし直すとピストンまでまた作り直しになるので、もうほうっておきます。実用上は大きな問題ではないでしょうし。このエンジンは、ここまで!!!!
(2006年5月1日)