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「西麻布の巨匠」は、当時実物を見たそうです。小諸の「Dの総裁」は、展示会の前にこれらを磨いたそうです。つまり、橋岡技研が「HGK」として模型用エンジンを製作するための試作品ってことは実話ですね。そして、このエンジンはまさにそのものなのでしょう。コレクターが見たら驚くかな。 みなさんの記憶によると、チューナーの大場さんが入社したのはこの後でしょうから、当時の社員である「N.Hさん」が製作したものと推察されます。 |
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4本を除いて、すべてマイナスねじになっています。スロットルは当時一般的になりつつあった「2ニードルタイプ」です。HGKの面影がありますね。 後にでてくる資料の写真と見比べると、ちょっと進化しているようですね。このままだとエンジンマウントに当たって、飛行機には乗りそうもありませんけど。 |
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HGK40〜45と同様、ヘッドビスは8本になっています。大きいものがシリンダーまでのびているテンションビス。小さいものは単なるヘッドビスですね。わざわざ大きさを変えるってことは、きめ細かい設計をした証拠なのですかねえ。 ヘッドの冷却フィンは、排気口側のみに切られています。排気熱の対処なのですが、ヘッド高が低いので、フィンも低いです。効果ないだろうなあ。 排気口にはアダプターをつけて、大きなマフラーに対応していますね。前後の厚さを変えて排気が機体にかからないような角度を保持しています。苦労が見えますね。 |
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アクセルレスポンスを考えると、一次圧縮はなるべく高めたいのですが、既存の製品の改造ならまだしも、新規設計となるとクリアランスをどのくらいとればよいか、正確な図面を引いたとしても、たとえばクランクケースの厚さなど、どこまで薄くできますやら。 写真は、その苦労を物語っているような1枚ですね。なんか、コンロッド細くないか? |
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じつは、入手した段階で結構圧縮が低下していました。で、分解してみたのですが、内部にはほとんど回した形跡がありませんでした。 ピストン側面のバイアス傷は、大場さんが研磨した跡でしょうか。ホーニング傷よりも大きいのがわかります。 まるでピストンリングに見えるピストントップ溝は、単なるオイル溝でした。リングが固着してスカなのだろうと予想していたのですが、はずされましたね。 |
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左写真は、当時の雑誌です。もはや出版社もないですから、著作権については問題ないでしょうね。 HGKと言う名称はでてきませんが、情報が流れていたのかいないのか。それらしい「振り」は、ありますね。 |
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ここにはありませんが、HGKでもっとも売れた21サイズはいまだ多く現存しています。あらためてよく見ると、非常に丁寧な仕上がりをしていて、シリンダー内のメッキや各部の精度等、おそらく当時のトップクラスだったのではないでしょうか。 ただ、AACタイプのPCにもかかわらず、シリンダーのテーパーが少ないという事実は、素人の私でもわかります。上死点近辺でもっときつくないと、オーバーヒート気味の時に圧縮漏れをしますからね。この場合、トルクが激減するそうです。 余談ですが、15サイズの場合は、ボールベアリング無しのタイプの方が良く回ったそうな。 |
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コマーシャルタイプの40,45サイズモデルは、ヘッド周りを8本のビスで固定しています。プロトタイプの60といっしょですね。テンションボルトは4本で、こちらも一緒ですが、8本ともM3.5ビスです。(M4だったかなあ) |
今回の60サイズモデルは、左端写真のものに間違いないでしょう。台座までありますが、よく見るとプロップの回転面が逃げる寸法です。そして台座には4つの固定用穴。 ひょっとしたら、この台座がテストベンチも兼ねているのではないでしょうか。RCボートなんか、こんな感じですからね。 ちなみにマフラーは流行の中抜け型でして、前方の穴と排気口には私の中指が入ります。従って、怖くて測定していません。 (2009年10月5日) |
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