FUJI29ー2型のプロトタイプがありました。結局「冷却フィンの下あたりのデザインが、シルバーアローに似ているからいや!」ってことでお蔵入りしたとか。

 シルバーアローの後継モデルとして、数台試作されたFUJI29です。当時のライバルであったENYAやOSとは一線を画す外観を目指した野心作だったらしいです。

 レーシング仕様のリヤバルブにも簡単に変更できるよう、前後分割式のクランクケースが採用されていますね。当時の富士物産では金型まで自社生産だったので、こんな芸当ができたのでしょう。

 補強用のリブがあります。芸が細かいですね、前後分割ケースって剛性が出ないので、こんな工夫が高出力につながるんです。

 ヘッドはレーシング仕様・・・・って訳ではないでしょうね。試作なので、手間を省いただけだと思います。メタルソー加工って時間がかかりますから。

 結局、フロントハウジング周りだけが市販品となった様ですなあ。どこのメーカーさんでも同じようなこと、やっとります。

(2010年7月3日)