噂には聞いていましたが、一体どんなエンジンなのでしょうか?!

あの、怪しい「横浜研究所長」からのレポートです。
 まず、右の画像はフジ099Sと12の外観を横から写したものです。12の方がプラグ位置が高いのがわかると思います。
 意外だったのはマフラー用のビス穴がクランクケースにあいていないことです。外見上の違いは、やはりヘッドとクランクケースの「12」の文字だけでした。ビス穴をあけなくては。
 左写真はクランクケース、コンロッドの様子です。これだけでは区別がつきませんね。ガスケットが付いている方が099Sです。
 12の方がプラグ位置が高い理由は右の画像から明らかです。つまり12はクランクケースよりシリンダー上部が099Sより余計に飛び出しているのです。
 シリンダーが上に飛び出しているのは、もちろんストロークが長いためです。右写真はクランクシャフトを比較した画像です。これだけではわかりずらいですが、ノギス実測で12の方が0.6ミリほど外側にピンがあります。ピンの太さは同じなので、12のシャフトを099Sにつけてみたところ、コンロッドがクランクケース下部、側部にあたり回転しませんでした。良く見ると側部に削ったあとがありました。ボアはノギス実測で099Sが12.6mm、12が13.5mmでした。
 これらからわかることとして、共通部品はクランクケース前部、コンロッド(たぶん)ぐらいしかなく、クランクシャフト、ピストン、シリンダー、ヘッドは完全に別物、クランクケースは加工が必要です。ここまでやって性能はどのくらい向上したのだろうか?気になるところです。

 そこで次の画像、そうヘッドを燃焼室側から見たものです。シリンダーを受ける部分がへこんでおり、ヘッドがシリンダー外部を包むようになっています。ちょうどフジ099SUのヘッドのようです。こうした場合通常の冷却フィンをヘッドにつけるとヘッドがかなり分厚いものになります。これを防ぎ違和感の無いデザインに収めるためフィンを省略したものと思えます。フィン無しにも理由があったわけです。

 編集者より:つまり、FUJI12って099Sのロングストローク・ボアアップバージョンなんですね。15−3型もあるのに12クラスとは、販売台数の向上をねらったのでしょうか?KO12ともども謎ですねえ。そのうちに西麻布の巨匠に聞いてみます。  (2007年4月19日)