なぜか持っているロシアンエンジン!

 旧ソビエト連邦の分割・民営化によって軍事産業から閉め出された(らしい)ロシアの製造業の方々は、保有している工作機械によって様々な模型用エンジンを製造しています。元々そう言うシステムになっていた工場もあったようですが・・・まあ、知らなくたって良いことですね。

サイクロンF2D

 有名な「サイクロン15−F2D」です。10年ほど前の製品のはずですが、こちらはねこたま部長からの預かりものでして。つまり、「なんとかモノにしろ」ってことなのですが、コンバットはやらないし、ラットレースにでも使いましょうかってことで、カットオフユニットまでは付けました。

 ユニットのステー(板だけですけどね)とエンジンマウント、プロップナット、シリンダーヘッドを自作してあります。特にヘッドは専用プラグ仕様になっていましたので仕方なしに製作しました。

 このエンジンの特徴は、そのヘッドでしょうね。つまり、ねじによる締め付けタイプなんです。通常は4〜6本のビスで締め付けるのでしょうが、このエンジン、ヘッドをねじ込むようになっています。

 これによって、ヘッドビスの熱膨張による影響が無くなりますので、締め付け方とかヘッドビスの寸法や材質なんてことを考慮しなくて良くなります。

 左写真はカットオフユニットですが、良く見えませんね。F2A用みたいですが、クランクケースのわずかな「縁」にタップを立てて固定しています。リヤカバーもねじ込み式ですので、ここにデバイスを水平に取り付けるときには苦慮しますね。

 冷却というよりも補強の意味合いがかいま見えるフィンですね。ケース下側にもいっぱいありますし、F2Dですからラインロック用ステーまで標準で鋳込まれていました。

 テストランの結果ですが、典型的な高速エンジンですね。軽量なのでうれしいのですが、レースに使用した場合の耐久性はいかでしょう。サイドマウント時に排気が上を向きますので、今一歩使用をためらっています。

METEOR MD2.5

 何かの代金代わりに「小山の怪人」からいただいた「METEOR MD2.5」です。字が違うぞって思ったお方は、反省してください。ロシア文字(キリル語)をアルファベットに変換すると、こうなります。

 かなり前の製品と思いますが、その安物感がすばらしいです。貧弱なドライブワッシャなどは、早々に自作し直してあります。

 当初ニードル周りにはCL用が付属していましたが「一体何に使うんだ」となり、ENYAのスロットルに付け替えました。CLニードルって、やたらと細かったですね。スーパータイガーみたいなピアノ線タイプでしたけど。

 見えにくいでしょうけど、取り付けラグの固定用ビス穴は、「角丸め」してあるギリギリに空いていまして。特に、前のそれは機体に固定しても、ビス直径の半分くらいしかラグにかかりません。

 やっぱり、日本製のエンジンは、いいなあ。

 リヤカバーです。本来ならコンロッドというかクランクシャフトぎりぎりまで肉抜きするのでしょうけど、そんなことしてませんでした。つまり、思いっきり重いカバーです。思いっきり軽量化しようかと思いましたが、見せ物にならなくなるので、少しの加工に留めておきました。

 実際にまわすと普通に回ります。典型的なスポーツディーゼルエンジンですね。始動性はまあまあ、ニードルとトミーバーの反応ものんびり。暖機運転は必要ですけどね。

 一応実用化を考えてマフラーを自作し、テストランの結果からスロットルローターの吸気穴を小さくしておきました。でも、15クラスのオールド&希少エンジンって増えたから、出番がくるのはいつになりますやら。

UCTKAM 2.5K

 読み方はわかりません。F2D@CLコンバット用エンジンみたいです。生意気に、PCはABCのシニューレ掃気なので、案の定結構元気に回りますね。問題は、旧ルールのF2D用なのでマフラーが無かった・・・と言うか付けづらいですね。

 なんとかマフラーを自作しましたが、いつもの通り「一体どんな機体に載せようか」になります。前出のサイクロンよりも10年くらい前のエンジンみたいです。

 クランクケースは砂型鋳造に見えますが、その割には鋳肌はすべすべです。材質が良いのでしょうか。

 リヤカバーは樹脂製です。OSさんとこのLAシリーズなんぞ、シリンダーからの熱伝導でゆがんで、気密漏れすることもありますね。このエンジンは、テストランの中ではそう言うことはありませんでした。

 写真でも見えますが、リヤカバーとクランクケースの輪郭なんか、見事にはずれています。このほかにも至る所で製造上の雑が見受けられます。ヘッドビスなんか結構安そうなやつを使ってますしね。

 それでも良く回るってことは、必要なところを押さえていると言うことでしょうね。たしかに、クランクシャフトやシリンダー内のクロムメッキなど、内部の仕上げはきれいですから。

 現在ロシア系市販エンジンとして有名なのはMDSエンジンです。一時ロッシもどきのレーシングエンジンを販売していましたが、その安価とまあまあのパフォーマンスによってヨーロッパの、かなりのシェアを確保していました。環境規制が入って電動が台頭するまでの話ですけど。

(2009年11月23日)