なぜか持っているCSエンジン!

 CSエンジンは、中国@上海で生産されているエンジンです。上海市軍事体育倶楽部の工場から生まれましたが、現在は良く存じません。当時は熟練した工人たちが手作りしていましたので、よく言えば「味わい深い」。悪く言えば「互換の効かない」エンジンでした。中国ではナショナルチームのために高性能エンジンを供給していましたが、F2Cなんかそのうち、みーんなネルソンになっちまったじゃん。

 どうもスタント用みたいです。「CS−G15Pノーマル」っていうのが正式名称なのですが、結構回ります。93年頃に設計者の高国均さんから頂いたもので、鉄PCのシニューレタイプです。

 外観のディメンションはOS15(俗に言う4型@クロスエンジンの最終型)にそっくりですが、それ以上元気に回ります。どのくらい元気かと申しますと、コンバット用に使ったときに回るからといって、7インチプロップでブン回しましたら、あっさりとクランクシャフトが折れました。

このころのCSときた日にゃ、修理なんか「直接工場に送って半年待つ」なんて言われてました。で、高さんに送ったら2週間しないうちに返送されてきましたね。それからテストランしましたが、その後箱入りになっています。

 現在でも充分に通用する始動性とパフォーマンスです。

 そう言えば、高国均さんが来日したとき、滞在期間延長のために入国管理局に同行しました。そこで入管のおっさんに「ちょっと、来い」と呼ばれました。「あのおっさん、密輸でもやったか?」と聞きましたら、私が高国均さんとどういう関係かを知りたかったみたい。つまり、高国均さんって政府高官用のパスポートを持っていたそうな。私はただの「模型屋のおっさん」って思っていましたけどね。まあ、いいか。

 こちらは「CS09−D」です。中国ではFAIルールの下部クラスとして、P2AとかP2Bというのがありまして。つまり少年宮でやるようなカテゴリーなんでしょうね、エンジンも小さいですから。

 その中のP2Cというのは、09クラスに限定したF2Cみたいなものでして。このエンジンはP2C用って訳です。

 高国均さんがなぜ私にこのエンジンをくれたのかは知りません。中国に行ったときに私はスタントの選手である。(特技運動員)と言ったのですけどね。「教練員(コーチ)兼任」などと言ったのが間違いだったかなあ。

 当時は苦労してディーゼル燃料を入手して、さらに苦労して(でもないか)テストランしました。結構元気に回っていたので気を良くし、グローヘッドまで自作しましたが、結局用途に息詰まってしまって箱入りです。コレクターなら喜ぶ逸品でしょうが、私には「機体を選ぶ問題児」ですなあ。でも、カワユクっておもしろいエンジンです。

(2009年11月23日)