GCVS 初版のまえがき


 第二次世界大戦によって、天体物理学や恒星物理学の分野を研究している全世界の専門家にとってきわめて不可欠な総合変光星表の発行が途絶えてしまった。1946年3月7-13日にコペンハーゲンの会合で国際天文学連盟の執行部は変光星の命名とカタログ発行の問題に対する合意形成のために、A. Danjon (フランス)代表のもとに Cecilia Payne-Gaposchkin (アメリカ)、P. Osterhoff (オランダ)、B. V. Kukarkin (ソ連)をメンバーとする特別小委員会を作った。ソ連科学アカデミーとモスクワ大学天文学研究所(正式名がありますが長いので省略)の、5年ごとの総合変光星表と毎年の補遺の 編纂と発行を行う提案が快諾された。読者の皆様に提供するカタログは、この種のものとして最初の出版物である。

 最後の総合変光星表は Babelsberg 天文台で1943年版がベルリンで1942年末に刊行された。それは9476個を含んでいた。その時点から1417個の新変光星が命名された(命名リストのNo.41, 42, 43 を参照)。それに加えて戦時中に数千個の変光星の光度変化や多数の変光星のスペクトルなどについての非常に豊富で多様なデータが出版されている。

 カタログを編纂する前に、新しいデータを付け加えるだけなく全ての古いデータを点検することとカタログの形式を改善する問題を解決する課題が発生した。古いカタログの形式はいくつもの重大な欠点があったからである。この欠点のうち最も重要なものは研究についての文献情報が欠如していたことで、その結果はこのカタログに含まれている。特別な例を除いて、個々の星についてしかるべき文献情報を引用することにした。このあるいは他の研究者の与えた星の等級は現代のスケールに合わせることに特に注意を払った。過去のカタログにおいては振幅は通常個々の研究者の測光特性を考慮することなしに研究者のデータが引用されていた。しかし詳しく研究すると一部の観測者のスケールはかなり大きな、通常は正の修正が必要であることがわかった(例えばP. P. Parenago, PZ 4, 302, 1934)。カタログの編纂者は、提供するカタログのデータが今後の統計的研究課題にとってより均一でふさわしいものになるように、出版された変光星の等級を取り扱うに当たって現代の測光スケールに合わせる最大限の努力をした。