噂のあいつ 「出会い」


僕と彼が出会ったのはとある日の放課後、僕が着替えて部活に行こうとしている時だった。

「おい、そこのテニス部員。」

いきなり無遠慮に呼び止められて、僕は振り返った。
誰かと思えばそこに居たのは1人の少年だった。

気の強そうな瞳、どちらかと言えば美形に入るだろう顔立ち、

背丈は僕より小さい。(僕が167pだから多分彼は155くらいじゃないかな)
やや長めで色の薄いサラサラした髪を1つに結い上げ、片方の肩にはテニスバッグをかけている。

勿論、僕の知らない顔だったのは言うまでもない。

「僕に何か用かな?」

思うところはともかく、僕は聞いてみる。

「テニスコートどこ?」

彼は僕が初対面で、自分より年上か否かもわからないことなどお構いなし、といった口調で尋ねてきた。

「部外者は立ち入り禁止だよ。」

彼がボソッと「うわっ営業スマイルヤローだ」と呟いたのが聞こえてしまった僕は
少し引きつりながら答える。
しかし、当のご本人は猶も大して気にしている様子がない。

「これから関係者だよ。」
「え?」

あっさりという彼に僕は思わず目を見開いた。

「どういうこと?」
「さあね。」

僕の質問はあっさりかわされた。

「そのうちわかるだろ。」

僕がその言葉を意味を考えているうちに、彼はさぁっと立ち去っていってしまった。

…まるで風のように。



「不二不二、きーてー!今日さ、うちのクラスに、転校生が来るんだってー!!」

一体どこから聞いてきたのか、英二がそう言ってきたのは僕があの不可解な少年とでくわした
次の日のことだった。

「へぇ?」

僕は顔を上げた。

「こんな時期に珍しいね。」
「そーそー、それも男なんだってさー。せーっかく可愛い女の子かと思ったのにっ!!」
「あのね、英二…」

何か間違ってると思うよ? 明らかに。
何やら訳のわからないことを言い続ける英二を放っておいて僕はふと、窓の外を見た。

一体昨日の少年は何者だったんだろう。

テニスコートに用事があったみたいだけど僕が来た時には姿がなかったし、
他の連中が彼のことを噂にしている様子もなかったし。

そんなことを考えていたら、教室のドアが開いて先生が入ってきて、英二も自分の席にすっ飛んで戻った。

「全員席に着いたな。」

教壇に立った先生は言って、ぐるっと教室を見渡した。

「よーし、それじゃあ今日は転校生を紹介する。」

先生が言った瞬間、教室中はざわめきに包まれた。
転校生など予想していなかった連中は驚き、英二のように予め知っていた者は
待ってましたとばかりに歓声を上げる。

英二、丸ほっぺで目をキラキラさせるのはやめようね…。

「こぉら、お前ら静かにしろ。それじゃ入ってきてくれ。」

先生が言うと、教室のドアがガラッと動き、誰かが入ってきた。

ズシッズシッと木の床が軋みをあげる。

教壇の近くまで来た時、その人物は顔を上げた。

僕はあっ!と叫びそうになった。

それは昨日会ったあの不可解な少年だったのだ。

です、よろしく。」

彼が短くそう言うとどこからともなくパチパチと拍手があがった。
ついでに囁き声も。

「かっこいいねー、あの人。」
「うちのクラス運いいじゃん、また美形が来たよー。」
「何か不思議な感じする奴だな。」
「てゆーか、メッチャ冷めてそー。」

間違いなくそれらの囁きのいくつかは耳に入っているだろうに、と名乗った彼は
眉1つ動かさなかった。

「それじゃあ、お前の席はそこだ。」

先生が示したのは、僕と英二の間の席だ。

そういえば何か空いているな、とは思ってたけど…
随分と不自然な真似をしているものだ。

は言われたとおりに席へやってきた。
僕の席の横を通り過ぎる時、彼はちらっとこっちを見た。

気がついたのだろう、彼はニヤッと笑う。

「お前、同じクラスだったんだな。」

席に着きながらは先生に聞こえないような声で呟いた。

「不二周助って言うんだ、よろしく、君。」
でいいよ、苗字で呼ばれたら気色悪くてかなわねぇや。」

…もとい、はもう一度ニヤッとする。
何だか結構格好いい感じがした。

僕が言うのは変な感じかもしれないけど。

「ねぇねぇ、」

僕とが会話していると英二が割り込んできた。

「俺は菊丸英二。よろしくねん☆あ、俺のことは英二でいいよん♪」

はキョトンとした顔をして僕の方を振り返った。

「…おい、不二。何だ、この化け猫野郎は???」

僕は危うく大笑いをしそうになった。



はなかなか面白い人物だった。
物言いは無遠慮なんだけど人当たりが良くて、飾ったところが全くない。

最初に化け猫呼ばわりされて膨れていた英二も、と話すうちにすっかり打ち解けて
休み時間に入ると一緒になってすっかりはしゃいでいた。

「バカヤロー、そんなギャグでウケるかよ、修行だ修行!!」
「にゃにそれー!!漫才師じゃあるまいしー。」
「うるせーぞ、猫ー!!」
「猫じゃにゃいー!」
「ほら『にゃー』って言ったぁ。やっぱり猫じゃねーか。」
「何だよー、こそチビチビー。おチビくらいちっさいにゃ!!」
「んだとーこの野郎!!ってゆーかおチビって誰だよ?」

…今だってこんな具合に2人でじゃれあっている。

「おいっ、不二っ!!」
「えっ?!」

傍観者を決め込んでいた僕はいきなりに話を振られてびっくりした。

「な、何?」
「お前なー、目の前で俺と英二がボケまくってんだから突っ込みの1つや2つしろってんだよ!!」
「そんな、お笑い芸人じゃあるまいし…」
「やーかましー、こういう時は3人目が入るってのが常道だろーが!」

やれやれ、言っていることが無茶苦茶だよ。
僕にどうしろっていうんだろ。

「大体だなー、不二。俺いっちゃん最初見た時から思ってたけど
お前ってぜんっぜん感情の起伏ないよな。」

…失敬な。
僕だってちゃんと感情表現は持ち合わせてるよ、手塚じゃあるまいし。(おっと、失礼)

そんなことを思ったせいか、僕は目を見開いてしまっていたらしい。
あ、英二が怯えている。

「おっ、お前!!」

も僕を指差しワナワナ震える。

「さては黒いなっ!!そーなんだなっ?!?!」

それからは1人で、何てこった、白いふりして世間を欺いてんのか、あな恐ろしやなどと
失敬なことをボショボショと呟いた。
しかも横で英二が、あー、何でそんなホントのことをー、なんて言っている。

後で覚えてなよ、と思った僕は普通の感覚の持ち主だと思う。

…とりあえず今日の授業が全部済んだ頃には僕はいつも英二に付き合わされている時より1.5倍(当社比)は
疲れていた。

「ふっじー、部活いこ☆」
「うん、ちょっと待ってて。」

僕は英二に言って支度を調えにかかる。
ふと横を見たら、が自分の鞄に教科書を押し込んでいた。

、君は部活どこに入るか決めたの?」

僕は尋ねてみた。

「うん、まーなー。」
「へぇ、そうなんだ。どこなの?」
「さあね。」

またはぐらかされた。
多分これ以上聞いても彼は答えてくれないだろう。

僕はじゃあその気になったら教えてね、と言うと英二と一緒に教室を出た。



それから僕と英二はいつもどおりに部室に行った。

「ういーっス!」

先に来ていたのは桃だった。
あ、良く見れば海堂も来ている。

何だか雰囲気が剣呑だったからどうやら僕と英二はタイミングが良かったらしい。

「また喧嘩したの?」

僕は苦笑しながら2人に尋ねた。

「俺は別に何もしてないっスよー、大体この爬虫類が…」
「うるせぇっ、そーゆーてめぇは魚類だろが、このトゲウオ野郎!!」

後輩達がまた火花を散らしたので僕は慌てて止めに入った。
やれやれ…。

「んだぁ、ここの部室はぁ?」

突然背後からした声にその場に居た全員が振り向いた。

「随分賑やかだなぁ、おい。」
?!』

僕と英二の声が綺麗にハモる。

「よぉ、不二に英二。あ、脚韻踏んじまった、アハハ。」

は見た目とは裏腹に豪快に笑った。

「どうしたの、?にゃんでここに?」

英二が僕がしようと思っていた質問をする。

「決まってんだろーが。俺も今日からここの部員だからだ!!」
「えーっ!?」
「何だ、その不満そーな態度はっっ!!」
「わー、不二、助けてー。言いがかりだにゃぁ〜っ。」

僕は驚きすぎて呆けていたので、

ってテニスするんだ…」

そういうのが精一杯だった。

あれ?そうすると始めて会った時テニスコートの場所を聞いてきたのは、当然ってことかな。

「不二先輩、不二先輩。」

桃がこっそり耳打ちしてきた。

「あの随分と態度大きそうな人、どこのどちらさんっスか?」
「あ、実はね…」
「良くぞ聞いてくれた、そこの剣山君!」

僕が桃に説明する前に口を挟んだのは本人だった。

「だっ誰が剣山だ!!」
「んじゃあ、ハリネズミだな。」
「!!!!」

あまりのことに桃は口が利けなくなった。
あーあ、気の毒に。

「俺は元・撃鉄中レギュラー、!今日からお前らとテニスすることになった!
ちなみに手塚国光の従兄弟だ、よろしくぅ!!」

………………………。

『手塚(部長)の従兄弟ぉ?!』

今度は全員が綺麗にハモった。

「手塚の…いと…。ぜんっぜんっ似ってなーい!!」

英二が言った。
僕もはっきり言ってそう思う。
几帳面で完璧主義的なうちの部長に比べては…正直、手塚が顔をしかめそうなタイプだ。

「あったりめーだ!あんな口うるさい眼鏡ウナギに似てたまっかよ!!」

海堂以外の全員が吹き出した。
(海堂は吹き出さない代わりに、何てことを!と言わんばかりに引きつっていた。)

「うっ、ウナギ…」

僕も思わず肩をピクピクさせる。
青学の中等部中探したって手塚のことをここまでいう人はまずいない。

それにしても…眼鏡ウナギ…
うまいこと言うよね、って。

ガチャッ

「誰がウナギだ、。」

皆で笑いまくっていると、眼鏡ウナギご本人が登場した。



そんなこんなでは部活の始めに皆に紹介されることとなった。

紹介していた手塚が密かにこめかみをピクピクさせていたのは多分僕の見間違いじゃないと思う。
…よっぽどウナギ呼ばわりされて、しかもそれを笑われたのが気に入らないらしい。

「つーわけでみんなよろしく!!」

の方はそんな従兄弟の様子など全くもってお構いなしだ。
それとも気がついてないだけかな?

英二の時と同じようにはここでもあっさり部員達に受け入れられた。
従兄弟とは正反対の彼の愛想のよさは人をかなり惹きつけるらしい。

「あの人面白いっスねー、不二先輩!」

お祭り野郎の桃はきっちり意気投合したみたいだ。

「ホントに部長の親戚っスかね、ウププッ。」

僕は桃の言葉を聴きながらもぼんやりとの方を見ていた。

来たばっかりなのにすっかり部になじんだは結構世話好きでもあるようだった。
今もいきなり後輩達に色々アドヴァイスなどもしていて、後輩の方もになついている。

…何だか、羨ましいな。

僕は思った。
僕もまあ愛想が悪い方じゃないと思うけど、来ていきなりの状態であそこまでは出来はしない。

ああいうって先天的なものなのかな、それとも後天的なものなのかな。

何だか自分でもよくわからないことを思っていると

「それでは練習を始める!!」

眼鏡ウナ…もとい、手塚の声が響いた。



練習はいつもどおり始まった。

新参のはどうするのかと思ったら手塚はそのまま2、3年生と同じように練習に参加させていた。
身贔屓ってことはまず有り得ないけど、僕は手塚にしては珍しい気がした。

まあ、そんなことはどうでもいいけどね。

「な〜、不二ぃ〜。」

が話しかけてきた。

「何だい?」
「俺の相手してくれねー?他の連中はさっさと練習相手見つけちまってさー、俺あぶれてんだ。」
「いいよ。」

僕は快く承諾した。

「マジか?サンキュー!じゃあ、その前に…っと。」

は呟いてそれまで着ていた長袖のジャージ(多分前の学校のやつ)を脱ぎ始めた。

「今日は暑いからなー、さすがにこれはきついわなー。」

言って彼が脱ぎ捨てたジャージの下にあるものを見て、僕も英二も、そして手塚以外の2年、3年のレギュラー全員が
ハッと息を呑んだ。

が着ているポロシャツ…

黒い半袖、その上にはオレンジ地に黄色く"UCHIGANE"の文字が横に入り、白い胴の部分にはこれまた筆字のような
書体で「撃鉄」と鮮やかに刻まれている。

でも、僕らレギュラーを一番注目させたのは…

その「撃鉄」の文字の下に更に刻まれた"UCHIGANE TENNIS CLUB"の文字列に被さっている鮮やかなオレンジ色の線だった。

「お、オレンジ線…!?」

大石が呟くのが聞こえた。

「撃鉄中…オレンジ線と言えば…」
「ああ、」

乾もそれに同調して呟く。

「撃鉄中レギュラーの中でも上位の3名のみに与えられる特別なやつだ。」

乾の言葉を聞きながら僕は思わずじっとを見つめていた。

撃鉄中…神戸にある学校で2年前、一度だけ全国大会に出場した。
でもそのチームワークの最悪さで、地元でも出れば負けで有名、
2年前にもどうやって関西の地域枠に残れたのか全国レベルで不思議がられたところ…

でもチーム自体は弱小と言われても選手の質は(乾曰く)相当高くて去年、一昨年まではそこでレギュラーに
なることは非常に困難だったと聞く。

その中でも更に上位3名しか手に入れることができないオレンジ線ユニフォーム…

が着ているのは正に相当の実力者であることを示す証だったんだ。

「おいおい、お前ら何驚いてんの?」

人の反応を他所に、はしれっとした顔でのたまった。

「別に大したことねーだろが。」

いや、充分大したことあると思うよ、君?
僕らの驚きなど丸っきり意に介している様子もなく、はネットの向こうに立った。

「不二、やるぜー。早くしねぇと国光がうるせぇからな。」
っ、部活では国光と呼ぶなと言っただろう!!」
「うるせーぞ、いちいちいちいち説教すんじゃねぇっ、てめえは俺の親父かっ!!」
「なっ…!!」

手塚を強引に黙らせると言う未だかつて誰もやらなかった大技を披露するとは構える。

「じゃあ、サーブは僕から行くよ。」
「おう、来いっ!」

シュッ バシィッ

僕のサーブがのコートへ飛んでいく。
は素早く打ち返してくる。

なかなか反応が速い。
この辺はさすが元オレンジ線レギュラー、と言ったところか。

僕もの球を打ち返す。
ちょっとコーナーをついてみたり。

「はっ、甘いな!」

はニッと笑った。
瞬間、彼のスピードがグンと上がる。

「おらよっ!」
「っ!!」

手に来る衝撃に僕は顔を軽くしかめた。
練習試合だっていうのに、は結構本気みたいだ。
なら、僕も…

ヒュッ

僕はショットの威力を軽く上げた。
は難なく返してくる。

僕の中で何かゾワリとした感覚が走った。

「やるなー、不二!」
「君もね。」

僕はわざとロブを上げた。
はおい、という顔をしたが次の瞬間には地を蹴って飛んだ。

ゴォッ バシィッ

来たっ!!

思った瞬間、僕の体は動いていた。

「羆落としだ!!」

誰かが叫んだ。
刹那、僕の放った打球は大きく弧を描き、のいるずっと後ろへと飛んでいく。

「残念。」

の声がした。

「アウトだぜ。」

その言葉通り、ボールはベースラインより数センチ向こうに着地した。

「見切ってたんだ。」
「たりめーだ。俺をなめんなよ。」

…それから、僕とは本気モードに完全突入した。

僕が打つ! が走る!

いつの間にか僕はとても熱い気持ちになっていた。
公式戦でもなんでもないのに。

だっては凄かったんだ。
どれだけ引き離してもすぐ追いついてくる。
まるで誰かさんのように。

そうだ、僕は思った。
あの時と同じだ。
いや、下手したらそれ以上だ。

再び、僕の中でゾワリとした感覚が走った。

「こんなスリル、滅多に味わえないよ。」

思わず呟いたら、はこの場にそぐわないポカンとした顔でこう言った。

「お前、その台詞今度からやめた方がいいぜ。」
「どうして?」

するとは馬鹿か、お前と言った。

「すっげ変態くせーぞ。」

そしてがショットを放った。
速い!!

僕はダッシュをかける!
しかし…

ドォッ

「今で4対3、もうちょいで俺、お前に追いつくぜ?」

が笑う。

「どうするよ、周すん?」

周すん、というのはどうやら僕のことらしい。(名前が周助だからってそれはないと思うんだけど)

「一気に行くよ。」

僕もまた、自分でもそれとわかるくらい不敵に笑い返した。



…やっぱりは凄かった。

僕は本気を目一杯出したというのには全然安心させてくれなかった。

どこまでも僕に追いすがって脅かしてくる。
ここまで僕を追い詰めたのは、最近では越前以来じゃないかな。

肩で息をしながら、僕はそんなことを思っていた。

「No.2は貰ったぜ。」

ネットの向こうでが言った。

そう、信じられないことだけど僕はに負けたんだ、6対4でね。

勿論、練習とはいえお互い(僕の場合は迂闊にも)本気を出していた状態でそんなことになったんだ、
周りの驚きも並じゃなかった。

「不二が…負けた…?!」
「うっそだにゃー?!」
「マジかよ…信じらんねー。」

一番信じられないのは僕だ。
手塚以外なら、今まで越前とやった時ですらはっきりと勝敗がつかなかったのに…

これが、あの撃鉄のオレンジ線の背負う者の実力か。

「不二、」

ラケットを肩に担いでが近寄ってきた。
そのまま彼は僕の顔をじっと見つめる。

…随分顔近いね、

「しょげんじゃねーぞ、俺も気をつけないと危なかったからな。
さすがは噂に名高い青学の天才だぜ。」

君って人は…
僕は思わずクスリと笑う。

こそ…さすがは元オレンジ線だね。」
「そらどーも。もっと上に行くぜ、当然な。」
「そりゃ頼もしいね。」
「よく言うぜ、次はぶっ倒してやるって面してやがるくせに。」

やっぱり見抜かれてたか。
本当、不思議な人種だ。

「まーいいや。」

僕の台詞を待たずにはふぅっと息をついた。

「登ってこいよ、俺んとこまで。」

ラケットを肩に担いだまま、僕の方を振り返っては微笑む。

ドキッ

僕の中で今度はさっきと違う衝撃が走った。

…僕はおかしいんじゃないだろうか。

でも丁度背後から夕日に照らされて、不敵に笑っているは男から見ても格好良くて…。

僕は何だか早鐘を打ち始めた心臓を抑えようとしながら、その音が誰かに聞かれてはしまいかと
柄にもない心配をした。

自分で自分がわからない。

でも、話はまだこれで終わらなかったんだ。

To be continued...


作者の後書き(戯言とも言う)

不二ドリーム連載開始!!であります。

とりあえずこの章を始めるにあたって書き始めの参考となる落書きを残し、
背景画像の元となる写真を綺麗に撮影してくれた妹にまず感謝。

何がともあれこの連載、頑張りますんでどーぞよろしく!

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