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別名 | イソブキ・ツハ・ツワ・イシブキ・オカバス・ヤマブキなど沢山あります。 |
分類 | キク科 ツワブキ属 |
生薬名 | 葉茎:タクゴヨウ(たく吾葉)、根茎:タクゴ(たく吾) |
薬用部分 | 葉茎、根茎 |
成分 | ヘキセナール |
適用 | 民間薬としての使用が主なもので、成分のヘキセナールはドクダミの作用と同じく抗菌性がある。 ・生葉を火に炙って柔らかくするか、青汁が出る程よく揉んで、打撲、 筋肉痛、できもの、切り傷、湿疹、いんきんたむし、しもやけ、虫さされ に外用(湿布)する。 ・生葉を煎じて、その煎じ液で痔疾などの患部を洗う。 ・タクゴを煎じて、健胃、食あたり、下痢などの胃腸病に服用する。 ・魚の中毒など食あたりには、タクゴの煎じ液か生葉の青汁をを服用する 食用 若い葉や葉の開く前の伸びた葉柄(茎)は、フキと同様に食べられます。 ・葉は、テンプラ・お浸し、酢味噌和えで食べます。 ・葉柄(茎)は、灰を入れた熱湯で茹でてから、水に晒してアク抜きをして 皮を剥いてから、煮物、おひたし、佃煮、あえもの、天ぷら、粕漬け、 塩漬け、砂糖漬けなどに調理します。 また、ツワブキを佃煮にしたものを“キャラブキ(伽羅蕗)”と云い、 九州名産でした。 ツワブキにはピロリチジンアルカロイドが含まれ、食べ過ぎると肝炎を起こす心配があり、連続摂取は注意しましょう。 |
名前の由来 | “ツワ+フキ”の構成で名付けられ、フキの古名は“フフキ(布布岐)”と云われていて、その由来は 説一:“フキハ(拭き葉):食器、食卓を拭いたり、トイレットペーパにしたり する葉の事”の転訛したものとか、 説二:“ふふき:白髪混じりの意で、フキノトウの白い毛の種子を見立て た”とか 説三:“フユキ(冬葱):ふゆのネギとは、冬の浅葱色した物でフキノトウの 事”の転訛したもの などが、転訛して“フフキ”となり、更に転訛して“フキ”となったと云われている。 “ツワ”は葉の姿や自生地に着目した名前付けで、次の説がある。 その一、葉に光沢のある艶があり、フキの葉のように見えることから “ツヤハブキ(艶葉ブキ)”と呼ばれ、 それが転訛して“ツハブキ”となり、更に“ツワブキ”となった。 そのニ、フキのように見える葉が厚いことから“アツハブキ(厚葉ブキ)” から“ア”が省略されて“ツハブキ”となり、更に転訛して“ツワブキ ”となった。 その三、自生地が海岸なことから“ツハブキ(津葉ブキ)”が転訛して “ツワブキ”となった。 漢字で“石蕗”と書くが、これも“石+蕗”のことで、“石”の由来は、自生地が海岸や浜辺の岩の上や崖や海辺の林など岩や石の間に生えることに因みます。 また、“フキ(蕗)”の由来は、“フフキ(布布岐)”と呼んでいたフキに対して“本草和名(918年)”では漢名の“款苳(カントウ)”を、充て、“和名抄(932年)”では“蕗”の漢字を充てました。 処が、日本のフキと同じ植物は、中国では“蜂斗菜(ホウトサイ)”と書き、“款苳・蕗”のどちらも、誤用であったことが、分かっておりますが、“和名抄”の“蕗”の漢字の用法が現在に定着しています。 |
園芸種の話 | 江戸時代から広く栽培され、品種の改良も盛んに行われ“花壇綱目(1681年)”には“ツハ”の名前が集録されていますので、この頃には既に社寺や茶室あるいは庶民の庭にも植栽されていたと考えられます。 江戸中期には、花もさることながら、観葉目的の園芸品種が多く、葉の斑入り種が熱狂的な人気を集めました。 |