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お題:  優雅

ドクダミ  [毒溜/毒痛/毒矯/輯菜/輯草]
別名 ジュウヤク(十薬)
分類 ドクダミ科 ドクダミ属
変種として斑入り、八重咲品がある。
生薬名 ジュウヤク(十薬) 日本薬局方
薬用部分 地上部
成分 臭気成分(デカノイルアセトアルデヒド、ラウリールアルデヒド)、
フラボン類(クエルチトリン、イソクエルチトリン)他
デカノイルアセトアルデヒドは殺菌作用がイソクエルシトリンには血圧を下げる効果があります。
乾燥すると臭気成分は変化してメチル・ノニルケトンに変化して無臭になり、その効果は失われます。
適用 <生葉>
臭気成分には抗菌作用があり、特に糸状菌やぶどう状球菌に対する制菌力を持っています。
そのため各種の化膿症や皮膚疾患に卓越した効果を示します。
火で炙るか葉を良く揉んで化膿、擦り傷、靴擦れなどの患部に湿布する
水虫の患部にすり込めば水虫菌の発育を阻止して、効果があるとされます。
青汁で服用すれば葉緑素とデカノイルアセトアルデヒドが、成分が損なわれずに済むために、胃痛、十二指腸潰瘍にも効果があると云われます
<乾燥葉>
フラボン類(クエルチトリン、イソクエルチトリン)やミネラル(カリウム、マグネシウム、ナトリウムなど)が豊富含まれており、蓄膿症の改善、利尿作用で便秘の改善や細胞組織を保護、血液循環を良くして、動脈硬化、高血圧予防などに煎用(ドクダミ茶)します。
風呂に入れてあせも、湿疹などに効き目があります。
ドクダミは、ゲンノショウコ、センブリなどとともに日本の民間薬の代表的なものです。
<食用>
臭みは、高熱により消失しますので、塩ゆでして水でさらしてから調理したり、てんぷらにして食べられます。
名前の由来 江戸時代中頃以前の古名を“之布岐(シブキ)”と呼ばれていて、この古名は“滞る(とどこおる)”という意味の古語で“渋く(しぶく)”に因み、ドクダミが林下の湿った窪地に群生して毒気(悪臭)が立ち込めることから“毒渋き(どくしぶき)”が短縮転訛して単に“しぶき”となった説があります。
本題の“ドクダミ”の由来は、漢字をどの字を充てるかで説が分かれていて、調べた範囲では四つの説があります。
江戸時代の方言集である“物類呼称(1775年)に依ると“しゅうさい、じゅうやく、しぶきは、江戸でどくだみ武蔵にてじごくそばと云い、上野にてどく草、駿河沼津ではしびとばな、越前にてどくなべと云う”と有るように、薬草としての視点がないことを拠り所にして各説を評価すると
説一:毒溜(ドクダメ)説は、古名のシブキと同様に、林下の湿った窪地に
    群生して毒気(悪臭)が立ち込める場所を指していた言葉が植物を
    指す言葉となり”ドクダメ”が転訛して“ドクダミ”となった。
説二:毒痛(ドクイタミ)説は、化膿した腫物の膿を取る、利尿効果がある
    など体内の毒素や痛みを取るので“ドクイタミ”が転訛した説は薬
    草の視点なので相応しくない説。
説三:毒矯(ドクタメ)説は、毒痛説と同様に、化膿した腫物の膿を取る、
    利尿効果があるなど体内の毒素や痛みを矯める(正しく直す)ので
    と云う説が有るが、毒を除く言葉は“毒消し”とか“毒下し”などで 
    あって“毒矯め”とは決して云わないので、日本語の使い方に
    無理があり、薬草の視点で相応しくない説。
説四:輯菜(シュウサイ)、輯草(シュウソウ)はドクダミの漢名“輯(シュウ)”
    の字に菜とか草を加えて草の意を表し、説一か説二の読みを与え
    たもので、ドクダミの由来を説いたものではない。
この様に考えると、説一しか生き残れないのですが、如何でしょうか。
別名のジュウヤク(十薬)は、“大和本草(1709年:貝原益軒)”によれば“ワガ国ノ馬医コレヲ馬ニ用イルト、十種ノ薬ノ能アリトテ十薬ト号スト云”に因むとされています。
また、他の説に“名医別録(5〜6世紀頃の中国の医師陶弘景)”には“輯(シュウ)”と集録されていて“シュウ”の音が転訛して“ジュウ”なり、多くの薬効が有る事から、“十薬(ジュウヤク)”と云うようになり、大和本草ではそれなりの理由が付けられた。
学名Houttuynia cordataの、属名Houttuynia(ホウツイニア)はオランダの医師ハウトインの名に因んで付けられ、種小名cordata(コルダータ)はラテン語で“心臓の形の”の意味があり、葉の形に因みます。

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