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別名 | ニホンスイセン(日本水仙)、フサザキスイセン(房咲き水仙)、 セッチュウカ(雪中花) |
分類 | ヒガンバナ科 スイセン属 |
原産地 | 地中海沿岸 ヨーロッパからフサザキスイセンの変種が、小アジアを経由して中国に渡り、南宋(1127〜1279年:平安の末から鎌倉時代)の頃に修行僧が持ち帰ったと考えられています。 その後、一部が野生化して比較的暖かい地の海岸などの砂浜に群生していると云う説と、 中国南部から球根が暖流に乗り日本沿岸に漂着し、太平洋側では、千葉房州、南伊豆、淡路島、四国の足摺岬付近、九州では長崎及び鹿児島県の島々に多く、日本海側では対馬暖流の影響を受ける山口県の北部から能登半島にかけての海岸地帯に多いと云う 漂着説の二つがあります。 |
薬用部分 | 鱗茎 |
成分 | アルカロイド(リコン)、多糖類のスイセングルコマンナン、オイゲノール、ベンズアルデヒド、桂アルコールなどの芳香性の精油 |
適用 | 外用として鱗茎をすりおろしてしぼった汁に小麦粉を加えてクリーム状に練り、腫物、乳腺炎とくに乳腫や肩こりに、患部に直接塗布する。 |
有毒部分 | 鱗茎、茎葉などの全草 |
有毒成分 | アルカロイド(リコン)、多糖類のスイセングルコマンナン、オイゲノール、ベンズアルデヒド、桂アルコールなどの芳香性の精油 |
中毒症状 | 嘔吐、腹痛、下痢、呼吸不整、昏睡、麻痺、死に至る ニラ(葉)、ノビル(鱗茎)との誤食による中毒が、後を絶たないので注意しましょう。 |
名前の由来 | 初めて登場するのは漢和辞書“下学集(室町時代:1444年)”で、漢名を“水仙華”、和名を“雪中華”として収録され、その漢名の“水仙華”を音読みして“スイセンカ”が“スイセン”と転訛したもの。 中国の故事に「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」と云うに因み、李時珍(1518〜1593年)の“本草綱目(1578年)”に「この物は痺濕の場所が適し、必ず水が無ければならぬ物だから水仙と名ずける」とあります。 また、“雪中華”は、雪の中でも花が咲き始め、春の訪れを告げる事からと云われています。 <学名Narcissus> ギリシャ神話のナルキッサスという若者の名に由来し、ナルキッサスは、泉に映る自分の姿を目にして、泉に住むニンフ(山や川、森や谷の精霊)と勘違いし、その自分の姿に恋してしまいました。 抱き寄せようと両手を泉の中に入れると姿が消え、ナルキッサスが体を起こすと、水面にはまたあの姿が映っていると云う繰返しため、その場を離れることが出来なくなってしまいました。 食事を取ることも、眠ることも忘れて、泉の周りを巡りながら、水面に映る恋しい人に向かって話し続けたのでした。 “どうしておまえは私から逃げるのだ。私が手を差し出せば、おまえも差し出す。 私が手招きすれば、おまえもそうしてくれる。なのに何故だ。私はおまえに触れることができない。 愛するということが、どれほど苦しいことなのかよく分かったよ。 まるで胸の中が燃えるようだ。”と言いながら涙を流すのでした。 その涙が水面を乱すたびに、恋しい姿はふっと消えてしまいます。 するとあわててナルキッサスは“消えないで、おまえの声が聞こえなくとも、おまえの身体に触れられなくとも、おまえの姿が見られるだけでいいのだからと、訴えたのでした。” こうして自分の姿に恋をしたナルキッサスは、叶わぬ恋に身も心も焼き尽くし、だんだん衰えていき、とうとう死んでしまいました。 ニンフがやってきて、亡骸を火葬するために運ぼうとすると、死体が無くなっており、代わりに、 クチベニズイセン の白い花が咲いていた、と云う事で、その花をナルキッサスと呼ぶようになりました。 スイセンの下に向けて花首をかしげて花を咲かせる様子が水面をのぞきこむようにも見えるからこの名が付いたとされています。 別の説では、ナース(Narce)で、この言葉の意味は、ギリシャ語のナルキソス(Narkisos)から出たもので“麻酔”を意味し、 スイセンの鱗茎は有毒で神経を麻痺させることから付いた名だと云われます。 |