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分類 | ヒユ科 ケイトウ属 |
原産地 | インドから熱帯アジア 奈良時代後期に中国から朝鮮半島を経て渡来したらしく、鶏頭の原種がこの花と云われていて、野生化しています。 |
生薬名 | 種子:セイソウシ(青箱子)、 葉茎根:セイソウ(青箱) |
薬用部分 | 種子、葉茎根 |
成分 | 未詳 |
適用 | 種子:目の充血、強壮、消炎解熱薬 葉茎根:殺虫、解熱、止血薬 食用:柔らかい若葉はさっとゆでて、お浸しなどに利用できます。 |
名前の由来 | 万葉集には“韓藍(からあい)”として4首詠われており、当時から種を蒔いて庭先などで栽培されていました。 “本草和名(918)”でも、鶏冠草(けいかんそう)の漢名に和名加良阿為(からあい)と記述されています。 その後、品種改良が進み花軸(かじく)が変形して、赤い花が鶏のとさか状になっているとこらから鶏頭(ケイトウ)となったと云われています。 ノゲイトウの由来は、品種改良の原種であることから、“野の鶏頭”として名付けられたと思われます。 |
鶏頭の仲間 | ケイトウ、ハゲイトウ、ヒモゲイトウの三つがあり、全てヒユ科ですが、ケイトウはセロシア属に、あとの二つはアマランツス属に分類されています。 ケイトウの原産地は、インドから熱帯アジアにかけて。日本の暖かい地方には渡来したノゲイトウが野生化していますが、これが園芸用のケイトウのもとになったのはないかと言われています。 ハゲイトウは熱帯アジア原産であまり品種改良が進まず、赤、黄色、緑の葉色の染め分けが鮮やかな品種や、細長く波打つ葉を持つ品種などの数品種すぎません。 赤いひも状の花穂のヒモゲイトウの原産地は熱帯アメリカなどで、穀物として利用されていたものをイギリス人が持ち帰り、各国で観賞用に栽培するようになりました。 |
鶏頭の歴史 | 伝来当初は染色用の摺染、食用、薬用など実用植物として利用されていたようで、韓藍は摺染に用いられたことに由来します。 その後、安土桃山時代頃から観賞用として栽培されるようになり、江戸時代頃から品種改良が盛んになり、現在のようにたくさんの品種が登場してきました。 熱帯の花でありながら蒸し暑い日本の気候とうまく合って、おもに日本で品種改良が行われたものです。 園芸品種には4つの系統があり、 トサカ系:最も一般的な鶏冠上の花序を付ける。 久留米系:球形の花序つける。 羽毛系:文字通り羽毛のような花をつける。 槍系:花の先が固く尖る。 <万葉集> *『吾屋戸尓 韓藍<種>生之雖干 不懲而亦毛 将蒔登曽念』作者:山部 宿祢赤人 “我がやどに、韓藍蒔き生ほし、枯れぬれど、懲りずてまたも、蒔かむと ぞ思ふ” *『秋去者 影毛将為跡 吾蒔之 韓藍之花乎 誰採家牟』 作者:不明 “秋さらば、移しもせむと我が蒔きし、韓藍の花を、誰れか摘みけむ” *『戀日之 氣長有者 三苑圃能 辛藍花之 色出尓来』 作者: 不明 “恋ふる日の、日長くしあれば、我が園の、韓藍の花の、色に出でにけ り” *『隠庭 戀而死鞆 三苑原之 鶏冠草花乃 色二出目八方』 作者: 不明 “隠りには、恋ひて死ぬとも、み園生の、韓藍(からあゐ)の花の、色に 出でめやも” |