別名 | オリス(orris 英名)、シロバナイリス(白花イリス)、 シロバナイチハツ(白花一八/一初/鳶尾) |
分類 | アヤメ科 アヤメ属 |
原産地 | 地中海沿岸 ドイツアヤメ(独逸菖蒲:別名 ジャーマン・アイリス)の変種で、このドイツアヤメと同時期の明治初期に、日本に渡来しています。 |
生薬名 | イリスコン(イリス根) |
薬用部分 | 根茎 |
成分 | 精油(イロン、オイゲノール、メチルオイゲノール他)、デンプン、脂肪油など |
適用 | 健胃、利尿、去痰薬、香料 ギリシャ・ローマ時代から香水として利用されていました。 |
名前の由来 | 根茎から香料を取るためのものとして渡来したので“匂い+イリス(学名のラテン語読み)”と名付けられたが、実際には、ドイツアヤメや他のアイリスと同様に観賞用に栽培される。 学名(属名)のイリス(Iris)はギリシャ語の“虹”の意で、ギリシャ神話の虹の女神“イリス”に由来し、このイリス属は花色が多彩で、色鮮やかなので、虹を連想させることから付けられた。 ギリシャ神話の虹の女神“イリス”はゼウスとヘラの従者で虹の架け橋を上下して、有事に神々の使いとなって、オリンポス山と人間界との橋渡し役を引き受ける女神です。 この女神が地上に降りて姿を変えたのがイリスで、そこから花言葉の“使命”が生まれました。 |
香料として の利用 |
地中海沿岸地方原産のムラサキイリス、ニオイイリス、シボリイリスの3種が栽培されていて、シボリイリスが香料原料として多く利用されており、イタリアのフローレンス地方が生産の中心地です。
3年、生育した根茎を洗浄、剥皮、天日乾燥後、2〜3年間貯蔵すると、収穫直後の青臭い馬鈴薯のような香りがイリス特有の強いスミレに似た香気に熟成されます。 これを粉砕、溶剤抽出してレジノイドを得、さらにエタノール処理をすると溶解性の高いアブソリュートレジノイドイリスが得られます。 また、水蒸気蒸留で、常温で固体のイリスコンクリートが得られ、これをアルカリ処理して得たものをイリスアブソリュートといい、最も高価な天然香料の1つで香気的にも蒸留品の方が好まれています。 イリスの香気成分として最も重要なものは、イロンです。 他には高級脂肪酸とそのメチルエステル類、ベンジルアルコール、リナロール、ゲラニオール、などが含まれています。 合成イロンのが出来るまではスミレに似た香気を表現する重要な香料として多用されていましたが、高価なため徐々に減少し、現在では高級な香水のみに使用されています。 |