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別名 | オモイグサ(思い草) |
分類 | ハマウツボ科 ナンバンギセル属 |
生薬名 | ヤコ(野菰) |
薬用部分 | 全草(花と花柄) |
成分 | エジネチン酸、エジネトライド |
適用 | 強壮・強精薬、消炎、鎮痛作用などがあり、尿路感染症や喉の痛みに煎用する。 また、薬酒も作られる。 |
名前の由来 | 室町時代〜桃山時代に伝来普及したタバコの喫煙具の西洋のキセル(マドロスパイプ)に花の形をにたとえて、古名の“オモイグサ”より、呼び名として普及した。 しかし、俳句の世界では南蛮煙管やきせる草とともに今でも思い草が季語として生きていますが、その由来は万葉集に一首詠われています。 “道邊之 乎花我下之 思草 今更尓 何物可将念” 作者: 不明 (道の辺(へ)の、尾花(をばな)が下の、思ひ草、今さらさらに、何をか思はむ) 歌の意味は、道ばたに生えるススキだけを頼って生きている思ひ草のように、私はあなた一人を頼りに生きているのですから、今さら、何一つ考えることはありません ススキの陰で慎ましく、小首を傾げて“もの思いに耽って”いる姿をひたむきな恋を連想させたのでしょう。 植物学的に見て凄いと思うのは、万葉の時代には既に、ナンバンギセルがススキなどへの寄生植物で有ることを知っていたことです。 素晴しい観察力です。 熱帯では有害植物ススキの他に、ミヤコザサ、チガヤ、ウラハグサ、ミョウガ、ヤマノイモ、カンナなどにも寄生しますが、イネ科植物への寄生が多く、熱帯ではサトウキビに寄生し、サトウキビ畑で大発生して壊滅的な被害を与えることもあるそうです。 |