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お題:  刺を秘めて 

クサノオウ [瘡の王/草の黄/草の王]  有毒植物
分類 ケシ科 クサノオウ属
生薬名 白屈菜(ハックツサイ)
薬用部分 全草
成分 橙黄色の汁液には、アルカロイドのケリドニン、プロトピン、サンギナリンなど他
クサノオウのアルカロイド類はケシのアルカロイド類(モルヒネなど)に似ていて作用は弱いのですが、鎮静作用や知覚末梢神経を麻痺(鎮痛)させる作用があります。
適用 外用には湿疹には、クサノオウを乾燥した、白屈菜を煎じて、その煎じ汁で患部を洗います。
いぼ、たむしには、生の茎葉のしぼり汁を何回かに分けて塗ります。
胃痛、腹痛、胃がんなどの痛み止めに用いたこともありますが、現在は用いていません。
毒性の方が強く、多量に服用した場合には次の様な中毒症状が出ますので、家庭での内服は絶対にしてはいけません。
有毒部分 全草
有毒成分 橙黄色の汁液には、アルカロイドのケリドニン、プロトピン、サンギナリンなど他
中毒症状 酩酊状態、嘔吐、昏睡、呼吸麻痺を引き起こし死亡することもある。
身近な道端、土手や里山に生えているので、子供などが口に入れないように注意が必要です。
名前の由来 クサノオウに充てる漢字に“瘡の王、草の黄、草の王”が代表的なもので、この内の一つを取り上げて”瘡=丹毒を治すから瘡の王”とか“草が黄色の汁を出すから”や”広く皮膚病を治すから草の王”とか確定的に記述した植物図鑑が多いですが、釈然としないので調べてみると、その出典は全て“牧野新植物図鑑”にあり、三例をあげた上で、“確かな定説は無い”と断っています。ですから、定説であるがごとく書いてはいけないのです。
クサノオウの方言に、タムシグサ(田虫草)、イボクサ(疣草)、ヒゼングサ(皮癬草:皮癬=疥癬)などがあり、皮膚病と関係の深い名前で呼ばれていいることを知り、だから皮膚病に関係のある言葉が、語源であろうと
十分推測が付きます。
そこで更に調べてみると、深津 正氏著作“植物和名の語源探求”に、私なりに合理的だなと思う説が書かれていたので、紹介します。
“昔俗に「瘡なおる」と云い、この「くさなおる」が「くさのうる」→「くさのおる」となり、更に末尾の「る」が略され、「お」が長音化して「くさのおう」になったのではないか...直氏(なおし)が「のうし」に、直方(なおかた)が「のうがた」に転じたように「なお」が「のう」なる例はすくなくない。”とあります。

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