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分類 | モクレン科 モクレン属 |
生薬名 | ワシンイ(和辛夷) (辛夷(シンイ)は中国産のモクレンの仲間でハクモクレン、ボウシュンカ、マグノリア・スプレンゲリ、韓国ではハクモクレンを辛夷として用いているようです) |
薬用部分 | 蕾 (和辛夷には、精油を含んでいて芳香があり、噛むと僅かに辛味があります) |
成分 | 精油(シトラ−ル、シネオ−ルなど) |
適用 | 頭痛 鼻疾に用い漢方処方(辛夷湯、葛根湯加幸夷川弓、辛夷清肺湯など)に配剤される。 (同科同属のタムシバ、キタコブシも同様に使用します) 日本の市場ではタムシバの蕾がほとんで、野生品を採集する関係で価格変動が大きいそうです。 |
他の利用 | 床柱や垂木(建築材)、街路樹などに利用されるそうです。 |
名前の由来 | 果実は実に奇妙な形であり、こぶこぶになり、この果実の形が拳(子供の拳の説もある)に似ているので、名付けられたと云われている。 <辛夷(シンイ)> 中国ではコブシは自生していないので、“辛夷(シンイ)”はモクレン、その仲間の蕾に付けられた漢方薬の生薬名です。 “夷”の字はツバナ(茅花:茅チガヤ)のことで蕾の様子が似ていて、蕾の味が辛いことから漢字が充てられたと云われています。 逆に“モクレン”は、日本には自生しておらず、奈良時代以前に日本に渡来したようです。 <タムシバ(噛柴)> 枝や葉は噛むと微かに甘いので、“噛むシバ(柴:雑木の小枝のこと)”が転訛して“タムシバ”と呼ばれるようになった。 葉をもんだり、枝を折ったりすると良い香りがすることからニオイコブシとも呼ばれる。 |
良く似た花 | コブシ タムシバ ハクモクレン 花の下に小葉 あり なし なし 花びら 幅が広い 細め 大きく幅が広い がく片 小さい 大きめ 小さい 葉っぱ ずんぐり 細め ずんぐり コブシが山麓(さんろく)や沢筋に自生するのに対して、タムシバは山腹や尾根筋に多く自生します |
昔話 | 壇ノ浦の決戦に敗れた乎家の落武者が逃れ逃れて、熊本の山奥まで来たとき、ある朝、目を覚ますと、あたり一帯、全山に源氏の軍勢の印である白旗がはためいていました。 落人たちはこれを見て、もはやこれまでと全員が自決してしまいました。 しかし、実はこの白旗と見えたのは、コブシの花だったのです。 |