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お題:  題をつけよう

キキョウ [桔梗]  有毒植物
別名 オカトトキ(岡ととき)、バルーンフラワー(英名)
分類 キキョウ科 キキョウ属
生薬名 キキョウ(桔梗根) 日本薬局方
薬用部分
成分 キキョウサポニン、イヌリン、フィトステロール他
適用 サポニンは苦味があって、その水溶液は持続性の泡をつくる特徴があり、多量に飲むと吐気を催す事があるが、適量では気管の分泌物の促進と泡立ち作用(界面活性効果)で、痰が出やすくなるので、古くから去痰、鎮咳の薬草として用いられています。
咳止め、たんを切るなどの目的で漢方処方(桔梗湯、十味敗毒湯,参蘇飲など)に配剤される。
有毒部分 全草
有毒成分 キキョウサポニン、プラティコジン
中毒症状 下痢・嘔吐・胃腸爛・赤血球減少・溶血作用
名前の由来 <アサガホ>
 万葉集(600年位から759年最終歌:760年代に完成)で詠われてい
 るのは、次の五首で
 ● 山上憶良の
  ”秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花” (万葉集巻8第1537 
  番)(あきののに さきたるはなを およびおり かきかずふれば なな
  くさのはな)
  ”芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花” (万葉集
  巻8第1538番)
  (はぎのはな おばなくずはな なでしこのはな をみなえし またふじ
  はかま あさがほのはな)
  と、連続して詠んだ、この二首が”秋の七草”の始まりです。
  ”ハギ”、”オバナ:ススキ”、”ナデシコ”、”オミナエシ”、”フジバカマ”
  、”アサガホ:キキョウ”
 ●朝杲 朝露負 咲雖云 暮陰社 咲益家礼
  朝顔は、朝露(あさつゆ)負(お)ひて、咲くといへど、夕影にこそ、咲き
  まさりけり
  以上の二首から、桔梗ではないかと云われています。
  アサガホを現在の朝顔なら、他の花が旬の時期だと朝顔は旬を過ぎ
  ており、同時期の旬の花は桔梗の方が合う、また、その次の歌は、”
  朝顔は朝露に濡れ咲くが、夕方の方がもっと良い”と詠っているので
  これは現在の朝顔ではない。
 ●展轉 戀者死友 灼然 色庭不出 朝容皃之花
  臥(こ)いまろび、恋ひは死ぬとも、いちしろく、色には出(い)でじ、朝顔
  の花
 ●言出而 云者忌染 朝皃乃 穂庭開不出 戀為鴨
  言に出でて、云はばゆゆしみ、朝顔の、穂には咲き出ぬ、恋もするか
  も
 ●和我目豆麻 比等波左久礼杼 安佐我保能 等思佐倍己其登 和波佐
  可流我倍
  我が目妻(めづま)、人は放(さ)くれど、朝顔の、としさへこごと、我は離
  (さか)るがへ
  現在のツル性アサガオは熱帯アジア原産で平安初期(799年頃)に渡
  来したというのが通説であり最初に渡来したのは、万葉集が出来た
  後と云うことになります。
<アリノヒフキ>
 平安時代の”和名抄(932年)”には、”阿利乃比布岐(アリノヒフキ)”と
 記述されていて、これは”蟻(アリ)の火吹き”の意味と理解されており
 ます。 その先の解釈として、
 説一:蟻が桔梗の花びらをかむと、蟻の口から蟻酸が出て、桔梗の花 
    の色素アントシアンを変色させ、
    紫の花の色が赤く変わる。(蟻が火を吹いたように見える)
 説二:花の花柱を”火吹竹”と見立て小さいと云う意味の”蟻の”で修飾
    して”蟻の火吹”とした。
 の説があります。
<オカトトキ>
 オカトトキ(乎加止々岐)といいますが、岡に咲くトトキ(同科同属のツリ
 ガネニンジン)が語源でトトキは里から里山で咲いていますが、オカトト
 キは、もう少し高い山で咲くので”オカ”が付いたと思います。
<ツリガネニンジン>
 ツリガネニンジン(生薬名:シャジン)の名前の由来は、この釣鐘形の花
 と、根がチョウセンニンジンに似ていることから、この二つの特徴を合わ せて名付けられたと云います。
<トトキ>
 食用にして美味しい野草の一つで、長野県地方の俗諺では「山でうま
 いのはオケラにトトキ(ツリガネニンジン)、里でうまいのはウリ、ナスビ.
 ..嫁に食わすも惜しゅうござる」唄われる程で、柔らかい若芽がまだ白
 い綿毛に包まれているところを摘み取って和え物やお浸し、てんぷらな
 どにするが、癖がない味で好まれたそうです。
 当時では大変なご馳走であったことが伺われます。
 この俗諺の「トトキ」は、山地の取って置きのご馳走・逸品の意味から
 説一:取って置き(トッテオキ)から”トトキ”に訛った。
 説二:神菜(トゥトキナ)から”トトキ”に訛った。
 二通りの説が、有るようです。
<キキョウ>
中国の神農本草経では下品に収載されており,李時珍は「この草は根(桔実)が堅くて梗直だから名付けた」と記述しています。
日本では、中国から伝わった漢名の”桔梗”を音読みした”キツコウ”から”キキョウ”訛ったと云われています。
現在のキキョウとアサガオに用法が確定したのは、”枕草子(平安時代の随筆;清少納言作;993〜1000年頃成立)”に”草の花はなでしこ、唐のはさらなり、大和のもいとめでたし、おみなえし、桔梗、あさがお、かるかや、菊、...”とあり、清少納言も“桔梗”と”朝顔”を区別して取り上げている。
また、源氏物語(1005年から1020年頃)の乙女の帖に”明石の君がとりわけ丹精を込めて植えたのがリンドウ。ませ(簡素な垣根)にはアサガオが絡み付き...”のような描写をした下りがあり、平安時代(794年〜1191年)の前半にはキキョウの呼び名が確立していた。
<バルーンフラワー>
英名で蕾が膨らました風船のような形をしている処から名付けられた。

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