薬用としてのあへん(阿片)
  適用部分 未熟果実(ケシ坊主)に傷を着け出てくる白色の乳液
  生薬名 アヘン(阿片)
  成分 アヘンアルカロイド類(モルヒネ、コデイン、パパベリン、ノスカピンなど)
  適用 それぞれ鎮痛薬、鎮咳薬、鎮痙薬、鎮咳薬として用いられる

トルコ・エジプト・インド・中国などで国家管理の下、医薬品用として栽培してい
ます。
日本での生産は、年間数Kgにすぎず主にインドなどから百数十t輸入され、その用途は大半が風邪薬に配合される鎮咳薬(咳止め)ジヒドロコデインとコデイン(究極の咳止め)を製造するためで、一割弱がモルヒネを作る為に用いられ、徐々に末期癌患者の痛止に、モルヒネの使用量が増えつつあります。
阿片からの、モルヒネの純粋分離は1805年にドイツのゼルテュルナー医師で、この物質は阿片よりはるかに純粋な為、鎮痛・催眠性が強いことから、眠りの神に仕える夢の神”モルフェウス”の名を取ってモルヒネと名付けました。これは、有機化学や薬学への扉を開いた、成果でもあります。
モルヒネをメチル化するとコデインとなり、アセチル化するとヘロインを誘導できます。
ヘロインはモルヒネの数倍の鎮静作用があるが、依存性があまりにも強烈で、人間を生きたまま破壊(廃人に)してしまうので、薬としての使い道がなく全世界で製造が禁止されている。
モルヒネ、コデイン、ヘロインは習慣性・依存性が強いので、麻薬に指定され規制の対象です。
非麻薬性鎮痛剤の合成研究が行われておりますが、未だモルヒネより優れた鎮痛作用を発揮する、化合物は合成されておりません。
近年、脳内からモルヒネと同じ受容体に作用する、オピオイドペプチド(鎮痛ペプチド:脳内麻薬と云われてる)が見つかっています。
この脳内麻薬は、鎮痛以外に充足感、達成感をもたらすもので常により強い充足感、達成感を求めるように作られていると云われており、これが人間の向上意欲とか集中力など進歩や活力のエネルギーの素であることが、何とも悩ましい。