ケシ・阿片と人類史
西アジアでは6000年前に既にケシを表記する文字が有り,楽しみや幸せな気分になるための植物として知られていた。
また、4000年前のスイスの遺跡からもケシの種子と果実が見つかっている。
油脂を多く含んだ種子の採取を目的に栽培されていたようだが、のちに麻酔性の作用が注目されるようになった。
名前の由来は、ロ−マ神話に出てくる眠りの神”ソムヌ(somnus:モルヒネの語源となったモルフェウスはソムヌスの息子)”で、ソムヌスがケシの束をやケシのジュ−スを持っていたりする。
西アジアから、イスラム教徒により、インド、七世紀頃に中国に伝わり、室町時代に日本に伝えられたようです。
ギリシャ語でケシを意味する”opium”は、アラビア世界に入り”afyun”となり、中国に入って、”a-fu-youg 阿芙蓉”、さらに”ya-pien 阿片”になったそうです。
人類が数千年も昔から鎮痛薬として用い、古代エジプト以来、錬金術師などがその”精”を追及してきました。
この追求の延長線上に、モルヒネの純粋分離があります。