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別名 | アキウコン(秋鬱金) ターメリック(英名) キゾメグサ(黄染草) |
分類 | ショウガ科 ウコン属 |
原産地 | 熱帯アジア,インド 江戸時代の享保年間に渡来したと云われ、沖縄、鹿児島県南部で栽培されています。 絹や綿布の黄色染料として平安朝時代の中期以降には、すでに知られていましたが、生薬としての形態で輸入されていたそうです。 |
生薬名 | ウコン (欝金) |
薬用部分 | 根茎、または、コルク層を除いた根茎 |
成分 | クルクミン(色素)、精油他 |
適用 | 薬用として、利胆・健胃薬、止血、産後の回復等、として漢方処方に配剤します。 粉末を水で練って痔や切り傷、はれものに塗布外用します。 食品の着色料、カレー粉の原料とします。 草木染の染料として利用します。 注意:長期わたって大量に摂取すると、肝臓刺激作用、脂肪肝、受胎を妨げるなどの、弊害がでます。 |
着色量・ 香料 |
根茎の皮を剥ぎ(コルク層を除いた根茎)、数時間煮て乾燥させた後、粉末にした物が”ターメリック”と呼ばれる香辛料で、カレー粉の主原料である。 カレーの黄色は、ウコンに含まれるクルクミンと言う、黄色色素によるものです。 |
草木染の 染料 |
根茎の熱水抽出で煮染をしますが、 液酢を加えて黄色に、鉄漿(カネ)媒染で金色に、鉄漿と石灰とで焦茶色に染まる。 防虫作用があるので、染めた布は日本で古くから貴重品や書画、着物を包むのに利用されていました。 日光堅牢度が弱いので、重ね染めが必要となり、また、木綿や紙にも染まるので、紅の下染めにも使用されていました。 |
名前の由来 | 中国の生薬名の”欝金”を音読みしたもの。 ウコンには、次の三種類があり、それぞれに特徴があります。 春ウコン 生薬名はキョウオウ(薑黄)と言い、春に花が咲くので 春ウコンと言います。 根は淡いクリーム色で薬用に用いられ、辛味と苦味が強い クルクミンの含有量はウコンの約10分の1程度で、クルクミン の医薬品原料には用いられない。 夏ウコン 生薬名はウコン(鬱金)と言い、秋に花が咲くので秋ウコンと言 います。 根は鮮やかな黄色で、主に色づけに用いられカレーや沢庵の 黄色は、このウコンです。 尚英語ではターメリックです。 紫ウコン 生薬名はガジュツ(莪朮)と言い、夏に花が咲くが名前は根が、 やや青みを帯びた白に由来します。 精油の解毒作用が強い。 中国から江戸時代に移入したときに、日本の本草学者が間違えて 春ウコンのキョウオウ(薑黄)は、中国名でウコン(鬱金) 夏ウコンのウコン(鬱金)は、中国名でキョウオウ(薑黄) と、入れ替わっています。 |
間違った話 | <間違った話のついでに、もう一つ(ウコンの桜)> 淡い黄緑色の八重咲きの桜に”ウコン”と言うオオシマザクラ系のサトザクラの品種があるのですが、俗に言う京都御所、紫宸殿の”右近の桜、左近の橘”の右近の桜と同じものと、思っている方が意外と多いのです。 実際の右近の桜は、写真で見る限り(実物は私、見たことは無いのですが)、ピンク色の花を咲かすのですから、関係ないわけです。 それに正しくは”右近の橘、左近の桜”と言うのですが、何故か逆になって、広まっております。その”右近の橘”には、謂れがあります。 紫宸殿は南向きに建てられおり、その前が広い広場になっております。平安時代以降、その内裏内の警衛、及び行幸の際の供奉を担当する左・右近衛(このえ)府と言う、役職がありました。 そして紫宸殿の南階下の西側に橘が植えられ、同じく東側には桜が植えられております。 そこで左・右近衛(このえ)府の役割分担なのですが、橘の植えてある西側が右近衛府の担当で、その反対側の東側(桜が植えてある)が左近衛府の担当でした。 もうお分かりでしょう。”右近衛府の橘、左近衛府の桜”が詰まって”右近の橘、左近の桜”となった事は容易に想像が付くと思います。 何故逆になったのでしょうか、それは物を見るときの立場(位置)の違いだと思います。 紫宸殿側から見ると、西側が右で東側が左になりますが、紫宸殿前の広場側から見たら如何でしょう。 その右、左は逆になるでしょう、また、紫宸殿側から広場側を見る人数と、その逆の広場側から紫宸殿を見る人数では、圧倒的に後者が多いでしょう。 人は自分中心に考えやすいですから、”右近、左近”を官命の略称であることを忘れて、単に右側、左側のこととなれば、広場から紫宸殿方を向くのを正とすれば”右近の桜、左近の橘”と入れ替わって、広まるのは当然のことと思います。 |