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お題:  ゾウのミミ

オオボウシバナ [大帽子花]
分類 ツユクサ科 ツユクサ属
原産地 中国
ツユクサ(露草)の園芸品種(突然変異種と言われています)
利用部分 花弁
適用 花弁のしぼり汁を和紙にしみ込ませて青花紙を作り、青花紙を水に浸すと青色染汁となり、水洗により除去できるため友禅染や紋染の下絵書きに用いられる。
青色色素はコンメリンと云うアントシアニン系の色素です。
名前の由来 ツユクサ(露草)の別名の一つに”帽子花”が有りますが、ツユクサより大型なので、”オオ(大)”を付けた。
青花紙に
   ついて
正徳2年(1712年)には既に、近江、伊勢当りで売り出されたそうで、現在では安価な人工染料の出現で青紙の需要は激減し、一部の農家や愛好家が扱う程度にまでなりました。
露草の話
   を少々
古名は”ツキクサ”と言い、万葉集では”月草”、”鴨頭草”、”搗草”と書き、また、古今集でも”月草”の儘であったそうです。
当時の利用方法は、摺染めと言って臼で花弁を搗いて、搾り取った青色染汁を布地に摺り付けて染色するのに利用していたのです。
ですから意味合いとしては”着草”でした。
この染料は、水に濡れると直ぐ落ちる、短期間で退色するなどの、欠点がありました。
その為か、万葉集では”人の心の移ろい易さ”の代名詞として、歌われています。
その後、藍染などの堅牢な染色方法が中国から伝来し、ツキクサを用いた摺染めは時代が下がるにつれ廃れ、忘れ去られる程に、”ツキクサ”と言う名前に違和感を持つ人が多くなったと思います。
方や、友禅染の発達で、染料として欠点であった性質が長所として、ツキクサの青色染汁は、復活することになります。
青花紙を作るのには、花を早朝に採取して絞り汁を作り、紙に滲み込ませて乾燥させ、これを五から六回繰り返して出来上がり。
もうお分かりでしょう、早朝に花を採取するのですから、朝露に濡れて咲く美しい花の姿を見ていますし、昼には萎れてしまう花の姿をから、意味の分らない”ツキクサ”より”ツユクサ:露草”の方が相応しいと多くの人が思い、いつの間にか”ツユクサ:露草”に変わったと思われます。
江戸時代に発刊された”備荒草木図(1833年)”には、”ツユクサ:露草”と記載されております。
別名の多い花の一つで帽子花(ボウシバナ)、青花(アオバナ)、鴨跖草(オウセキソウ)、月草(ツキクサ)とありますが、
帽子花:花を包む半円形の二つ折れになった貝形(編笠)の苞を、帽子と
     見立てたのだと思います。
青花:文字通りの青い色の花、青汁の取れる花などが考えられ、青花紙
    の語源と思われます。
鴨跖草:中国の生薬名で解熱、利尿、解毒などの作用が有るとされます
     が、漢方薬まではなれず、民間薬です。
食用には、生の茎葉を軽く茹でて、サラダ、和え物にします。アクが少なく美味しく食べられます。

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