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お題:  可憐でしょう 鬼なんて失礼な

オニユリ [鬼百合]
別名 テンガイユリ(天蓋百合)
分類 ユリ科 ユリ属
原産地 中国
日本には古い時代に、朝鮮半島を経て渡来して、主に地下の鱗茎を食用に栽培されていました。
一部が野生化しており、殆どが3倍体で不稔性なので、種子ができませんが、地下の鱗茎と地上茎の”むかご”で繁殖します。
鱗茎は”ユリ根”と呼んで、現在でも食用にしています。
生薬名 ビャクゴウ(百合)
薬用部分 りん片
成分 デンプン他
適用 消炎、鎮咳、鎮静、滋養、強壮、解熱、利尿などの目的で漢方処方(百合知母湯など)に配合される。
名前の由来 <ユリ>
万葉集では、由利、由理、百合、由里、由流と書いて、ユリと云われています。
百合の字を用いた歌は柿本人麻呂歌集のもので700年以前と思われ、他の文字を用いたものは、大伴家持などの作品で700年以降の作と思われ、40〜50年は百合の字を用いた歌の方が古いのです。
本草和名(918年)には、漢名は”百合(ビャクゴウ)”、和名は”由利(ユリ)”と記述があるそうで、
説一:日本釈名(1700年)には、”茎細く花が大きく、風にゆり動くので、
   ユリと呼ぶ”という記述があり、これが一般的に広まっているようで
   す。
説二:成型図説(1828年)には、”ユリはヨリの事で、鱗片が寄り重なっ
   て根茎(球根)が出来ていることからヨリがユリとなった”と記述され
   ている。
説三:東雅(1717年)には、”百合 ユリと云う事は、日本書紀(720年
   )に書かれているが、朝鮮語由来である”と記述されている。
   朝鮮語では、ユリは”nari:ナリ”と云い”ナリ”が”ユリ”となったとの
   事。
他にも色々な説があるようですが、私は、説三が好きです。
<オニユリ>
第一説:黒色の斑点模様のある橙赤色の花を赤鬼の顔に見立てた。
第二説:真夏の暑さにもめげず、大輪の花を幾つも付ける強い性質を鬼
     に見立てた。
第三説:形が大きく見事で豪快に見えるから、鬼がついた。
第四説:姫百合(ヒメユリ)と対比して大きい百合という意味で、鬼がつい
     た。
英名はタイガーリリーと言い洋の東西を問わず、強そうな、恐ろしげな、印象を持つのでしょうね。
<テンガイユリ>
お寺の本堂の仏像の上にある天蓋のように、下向いて咲いているので天蓋に見立てたようですね。
良く似た花 コオニユリ(小鬼百合)と言うのがありますが、オニユリと比べると、草丈、花の大きさ、全体にほっそりした感じで、小さいオニユリと呼ばれるのは、納得出来ますが、個別に見るとその区別は非常に難しいです。
オニユリには、葉の付け根にムカゴ(珠芽:これを栄養体と言う)が出来ますがコオニユリには出来ません。

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