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別名 | ナメシ,アワバナ、チメグサ |
分類 | オミナエシ科 オミナエシ属 |
生薬名 | ハイショウ(敗醤)、ハイショウコン(敗醤根) |
薬用部分 | 全草、根 |
成分 | トリテルペノイド、精油など |
適用 | ヨクイブシハイショウサンリョウなどの漢方処方に配剤される。 解熱、消炎、浄血、解毒、排膿作用があり腹痛、下痢、子宮出血、こしけなどに用いられます。 精油が血行をよくする作用をもっています。 うっ血して生じる胸腹の疼痛も和らげることができます。 |
名前の由来 | 万葉集(600年頃から759年位)に”オミナエシ/オミナヘシ”(乎美奈敞之・姫部志オ・姫部四・姫押・娘子部四・娘部四・娘部志・美人部思・美人部師・佳人部為と色々書き方があります)、他に”オモヒグサ”(思草)と呼ばれていましたが、古今集(905年刊行)で”女郎花:をみなへし”と表記され確定したと思います。 直後に発刊された”本草和名(918年))”には、”敗醤(はいしょう)”の名で記載されており、中国から生薬として同時期に伝わったようです。 その後”源氏物語(11世紀初め:1005年から1020年頃)”にも”女郎花”の字を充てて”おみなへし”と記述しています。これが現在まで伝えられ、中国の生薬名”敗醤”は一般化しなかったのです。 <オミナエシの由来> 第一説:”オミナメシ”説で、黄色い花を粟に見立てて、”粟飯”を”女の飯 =女飯:オミナメシ”白い花のオトコエシは、”米飯=男の飯= 男飯:オトコメシ”が、訛ったものとの説。 処が、この言葉は室町時代(1330年頃から)以降に、使われ始 めた言葉と言われ、また、万葉集には”オミナエシ/オミナヘシ” の読みが、あるので”オミナメシ”では、説明が出来ない。 第二説:オミナエシもオトコエシともに、醤油の腐った臭いがすることから 、”女敗醤:女はいしょう””男敗醤:男はいしょう”の”ハイショウ” が”ヘシ”に転化したとの説も有るようですが、本草和名に遡るこ と150年強の万葉集に中国の生薬名の”敗醤”の文字が使われ ていない。 第三説:万葉仮名を見ると、当時の人達が、どれだけ漢字の意味を知っ ていたかは分りませんが”姫・娘・娘子・美人・佳人”と女性を 表す漢字が使われております。 また、”オミナヘシ”と言う読みもあります。 これに注目すると、”オミナ+ヘシ”に分解でき、これは古語で ”女+圧し”と言う意味になるそうです。”圧し”の意味の理解で すが、”凹ます”(俺は、あいつを凹ました=俺は、あいつに勝っ たとか、より優れている)と云う意味と思われます。 ”オミナヘシ”は”女に勝った/女より優れた”から”女より綺麗な ”と言うような意味から古今集・源氏物語でも”女郎花”と書いた のはないかと思われます。”ヘ”が”エ”に為ったのは、現在でも” 何処何処ヘ行く”と書いて”何処何処エ行く”と読むのと同じと考 えて良いのでは。”オトコエシ”も同じと思います。 |
秋の七草 について |
山上憶良の ”秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花” (万葉集巻8第1537番) (あきののに さきたるはなを およびおり かきかずふれば ななくさのはな) ”芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花” (万葉集巻8第1538番) (はぎのはな おばなくずはな なでしこのはな をみなえし またふじはかま あさがほのはな) と、連続して詠んだ、この二首が”秋の七草”の始まりです。 ”ハギ”、”オバナ:ススキ”、”ナデシコ”、”オミナエシ”、”フジバカマ”、”アサガホ:キキョウ”の七つの花ことです。 |