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お題:  静寂

オケラ  [朮]
分類 キク科 オケラ属 (雌雄異株)
日本薬局方 オケラ:和白朮(ワビャクジュツ)・・・原産地:日本
オオバナオケラ:唐白朮(カラビャクジュツ)
中国では、白朮はオオバナオケラだけを指し、和白朮は異なった朮類生薬として扱っている.
原産地 韓国(唐白朮)、日本(和白朮)
利用部位 根茎
成分 精油(アトラクチロン)
適用 健胃、整腸、利尿、止汗に漢方処方し四君子湯(しくんしとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、六君子湯(りつくんしとう)、などに配剤されます。
日本薬局方 ホソバオケラ:ソウジュツ(蒼朮)
原産地 中国(原産)、韓国
利用部位 根茎
成分 精油(ヒネソール)
適用 利尿、発汗、健胃、整腸に漢方処方し神経質でのめまいや動悸のする場合、息切れがして頭が痛いときに用いる。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)の他、平胃散(へいいさん)、などに配剤されます。
他の利用法 ●食用にして美味しい野草の一つで、長野県の地方では「山でうまい
  のはオケラにトトキ(ツリガネニンジン)、里でうまいのはウリ、ナス
  ビ...嫁に食わすも惜しゅうござる」と唄われる程で、柔らかい若芽
  がまだ白い綿毛に包まれているところを摘み取って和え物やお浸
  し、てんぷらなどにするが、癖がない味で好まれたそうです。
●焚蒼(たきそう)といって、京都では梅雨のころオケラの地下茎を倉
  庫などで燻した。
  湿気を払い、衣服や和本などのかびを防ぐ効果があるので、大原女
  (おはらめ)が京都付近の山野のオケラを採って売り歩いた、風物
  詩があったようです。
●大晦日から元旦にかけて、京都祇園の八坂神社において、「朮祭り
  (おけらまつり)」と言う神事が行われますが。
  それに参拝するのを「朮参り」と云い、京都の人たちの年中行事の
  一つです。
  鑽火(きりび)で朮を交えたかがり火が焚かれ、参拝者はその火を
  火縄(吉兆縄)に移して、火が消えないように、縄を打ち振って持ち
  帰る。この火を火種にして雑煮を炊き家族一同が新年を祝ことで、
  家族全員が、その年を無病息災で過ごせるとと言い伝えられてい
  る。
  この朮火に焚かれるのが、和白朮です。
●お正月には欠かせないお屠蘇は、三国時代の名医”華陀(かだ)”と
  いう医者が作った処方で、日本には平安時代に伝わり、宮中で邪
  気を追い払う効果を持つ薬として四方拝の儀式のあとにお神酒に
  浸けて飲み、疫病を除くために祈願したのが始まりのようで、BR>   江戸時代になると武家や一般の上流階級にも広がりました。
  華陀の作った屠蘇散には、劇薬の烏頭(ウズ、トリカブトの母根)や
  下剤の大黄(ダイオウ)などが 含まれたようですが、現在そのよう
  な物は、含まれないそうです。
 <屠蘇散の内容>
   白朮(ビャクジュツ):オケラの周皮の皮を除いた根茎です。
   桂皮(ケイヒ):クスノキ科のケイの幹の皮で、肉桂(ニッケイ、シナ
           モン)です。
   山椒(サンショ):ミカン科のサンショウの成熟した果実の果皮で
            す。
   丁字(チョウジ):フトモモ科のチョウジノキの花の蕾で、クロ−ブの
            ことです。
   防風(ボウフウ):セリ科のボウフウの根および根茎を使用します。
   桔梗(キキョウ):キキョウ科のキキョウの根を用い、花屋さんでも
            売っている桔梗です。
   陳皮(チンピ):ミカン科のウンシュウミカンで普通に食べるミカンの
           皮を乾燥した物です。
  ”胃腸を健やかにし、身体を温め、風邪の予防に為る”が、効能のよ
   うです。
●茶花に使用されます。
名前の由来 万葉集に”ウケラ(宇家良)”として出ており、ウケラがオケラに変化したもので、”ウケラ”とは、古語で”蓑”のことと言われています。三裂した葉の形を蓑に見立てたとの事です。
もう一つの説に、竹で作った川魚を取る籠を”筌(うけ)”と、古語でも言うそうです(現代でも言いますが)、これは、竹を割って竹籤にして徳利形に編んだ物で、オケラの魚骨状の包葉を筌に見立てて”ウケ”と名付け、花は複数あることから、複数を意味する”ら”を付け”ウケラ”としたと云われています。
中国での、オケラの生薬名”朮”に”オケラ”と読みを与えた。

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